JP5267979B2 - 蛍光ランプ用電極、その製造方法、及び蛍光ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光ランプ用電極、その製造方法、及び蛍光ランプ用電極を用いた蛍光ランプに関し、より詳しくは、耐スパッタリング性に優れる蛍光ランプ用電極、その製造方法及び蛍光ランプに関する。
蛍光ランプは、照明用の熱電極蛍光ランプの他、テレビ、コンピューター等の液晶表示装置のバックライト、ファクシミリ等の読み取り用光源、複写機のイレーサー用光源、各種表示等に用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極型蛍光ランプ等として使用されている。蛍光ランプは、内壁面に蛍光体層を有するガラス等の透光管と、その両端の近傍の内部若しくは外部に設けられた電極を有し、透光管内には水銀とアルゴン等の希ガスが封入された構成を有し、以下のようにして蛍光が発光される。蛍光ランプの電極間に電圧を印加すると、透光管内に放出される電子が希ガスを電離させ、電離した希ガスが電極に引かれ電極から2次電子が放出されてグロー放電を生起させる。このグロー放電により水銀を励起して紫外線を放出させ、この紫外線を受けた蛍光体が波長変換して可視光領域の蛍光を放出する。
このような蛍光ランプの電極は、水銀や電離した希ガスによるスパッタを受けて電極を構成する原子が叩き出され、劣化を受け易く、延いては蛍光ランプの短命化に繋がるため、耐スパッタリング性に優れる材質が選択されている。蛍光ランプの電極の材質には、耐スパッタリング性に優れ、加工が容易であり、コストの点で有利であることから、ニッケル又はニッケル合金が用いられているが、電極からスパッタされたニッケル原子は水銀と反応しアマルガムを形成し易く、電極の劣化と共に水銀が消費され、蛍光ランプの寿命を短縮する傾向を有する。
また、冷陰極蛍光ランプにおいては、外部からの電子が到達することが困難な暗黒状態下に置かれて使用されることが多いため、電極間に始動電圧が印加された後、2次電子放出まで長時間を要する。このため、外来光の存在下では、50〜60kHz、1000〜1200V程度の高周波高電圧を印加した場合、蛍光ランプは20〜30ms程度で点灯するが、暗黒状態下で、しかも熱電子の放出が期待できない冷陰極を適用した場合、直ちに点灯せず、点灯までに1s以上要する場合もあり、場合によっては点灯しないこともあり、始動特性が極めて不安定になる。
不安定な始動特性を改善するため、電子放出物質であるLaB6やCeB6をエミッタ層として電極の表層部に設けた放電ランプ(特許文献1、2)が報告されている。
しかしながら、これらの文献に記載される放電ランプにおいて、電極の表層部のエミッタ層に電子放出物質が設けられているため、使用に伴い電子放出物質がスパッタされ消耗し、長時間に亘って良好な暗黒始動特性が得られない点が問題となっている。
特許第3067661号公報 特開2007−26801
本発明の課題は、優れた耐スパッタリング性能を有する蛍光ランプ用電極、更に、冷陰極蛍光ランプの電極に用いた場合、長時間に亘って優れた暗黒始動特性を維持することができる蛍光ランプ用電極や、これを用いることにより、長寿命化を図ることができる蛍光ランプを提供することにある。また、これらの蛍光ランプ用電極を容易にしかも安価に製造することができる蛍光ランプ用電極の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、種々の電子放出物質について、蛍光ランプの電極に使用し得るものの検討を行った。その結果、ニッケル又はニッケル合金の基材中に、特定の希土類をホウ化物として分散、析出させることにより、耐スパッタリング性に優れ、長期に亘って優れた暗黒始動特性を維持することができる蛍光ランプ用電極が得られることを見出した。かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ニッケル又はニッケル合金の基材中に、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素が平均粒径1.0〜20.0μm未満の希土類六ホウ化物の析出相となって、ニッケル又はニッケル合金の結晶粒界に分散され、希土類六ホウ化物が基材中に0.01〜1.50質量%含有され、前記基材の厚さが0.1〜0.2mmであることを特徴とする蛍光ランプ用電極に関する。
また、本発明は、上記蛍光ランプ用電極の製造方法であって、ニッケル又はニッケル合金と、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素と、ホウ素元素とを溶解鋳造し、得られる鋳物を塑性加工することを特徴とする蛍光ランプ用電極の製造方法に関する。
また、本発明は、上記蛍光ランプ用電極の製造方法であって、ニッケル又はニッケル合金と、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素の六ホウ化物とを溶解鋳造し、得られる鋳物を塑性加工することを特徴とする蛍光ランプ用電極の製造方法に関する。
また、水銀及び希ガスを封入した透光管と、該透光管の内壁面に設けられた蛍光体層と、1対の電極を有する蛍光ランプにおいて、電極が上記蛍光ランプ用電極であることを特徴とする蛍光ランプ関する。
本発明の蛍光ランプ用電極は、優れた耐スパッタリング性能を有し、更に、冷陰極蛍光ランプの電極に用いた場合、長時間に亘って優れた暗黒始動特性を維持することができる。また、本発明の蛍光ランプは、長寿命化を図ることができる。また、本発明の蛍光ランプ用電極の製造方法は、蛍光ランプ用電極を容易にしかも安価に製造することができる。
[蛍光ランプ用電極]
本発明の蛍光ランプ用電極は、ニッケル又はニッケル合金の基材中に、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素が平均粒径1.0〜20.0μm未満の希土類六ホウ化物の析出相となって、ニッケル又はニッケル合金の結晶粒界に分散され、希土類六ホウ化物が基材中に0.01〜1.50質量%含有され、前記基材の厚さが0.1〜0.2mmであることを特徴とする。
本発明の蛍光ランプ用電極は、ニッケル又はニッケル合金を基材とする。基材に用いるニッケルは融点が低く、耐スパッタリング性に優れるため、電極の成形や、電極に外部電源を供給するリード線の接続を低温で行うことができる。ニッケル合金としては、例えば、ニッケルと、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、イットリウム又はマグネシウムとの合金を用いることができる。
上記基材中には、ニッケル又はニッケル合金(以下、ニッケル等ともいう。)は微細な結晶粒として存在する。その粒径としては、例えば、40μm以下であることが好ましい。
ここで、結晶粒の平均粒子径は、酸によりエッチング処理した電極表面を、光学顕微鏡観察を用いた比較法により求めた値を採用することができる。具体的には、(社)日本熱処理技術協会編著、大河出版発行、「入門金属材料と組織」(P189〜193)に記載される方法に準拠して、光学顕微鏡100倍、実視野径0.8mmの円、写真印画の大きさ径80mmの円の標準図と比較してその相当する粒度番号を判定して平均粒子径を得る。
上記基材には、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素がホウ化物の析出相となって分散されている。これらの希土類ホウ化物は仕事関数が低い電子放出物質であり、電極に外部電圧が印加されていない場合も、電極中に常時電子を放出している。これにより、電極に外部電源が印加されたとき、電極中に放出されていた電子が初期電子として機能し、電極への電圧印加とほぼ同時に、放電を開始することができ、極めて優れた暗黒始動特性を有するものとなる。これらの希土類ホウ化物としては、六ホウ化物(LaB6、CeB6、YB6、SmB6、PrB6、NdB6、EuB6、GdB6)が、特に仕事関数が低く、暗黒始動特性を向上させ得る
上記希土類ホウ化物は基材中に析出相となって分散されている。希土類ホウ化物の析出相が基材中に分散されているため、希土類ホウ化物を電極表層部に設けた場合と異なり、表層部に分散された希土類ホウ化物がスパッタされ消耗されても、内部の析出相が表層部に順次現れ、優れた耐スパッタリング性及び冷陰極における暗黒始動特性を長期に亘って維持することができる。希土類ホウ化物の析出相はニッケル等の結晶粒界に析出している。希土類ホウ化物の析出相がニッケル等の結晶粒界に存在することにより、塑性加工等の加熱時にニッケル等の結晶粒が粗大化するのを抑制し、ニッケル等の結晶粒を微細に保持することができる。また、希ガス等による電極のスパッタリングはニッケル等の結晶粒界に添って進行する傾向にあり、希土類ホウ化物の析出相がニッケル等の結晶粒界に存在することにより、耐スパッタリング性の向上を図ることができる。
希土類ホウ化物の析出相は、粒径として、1.0〜20.0μm未満である。希土類ホウ化物の析出相の粒径は上記ニッケル等の結晶粒の測定方法と同様の測定方法により得られる値とすることができる。
上記希土類ホウ化物は、基材中に、希土類六ホウ化物として0.01〜1.50質量%含有されている。基材中の希土類ホウ化物の含有量が0.01質量%以上であれば、電極の耐スパッタリング性、暗黒始動特性が優れたものとなる。また、基材中の希土類ホウ化物の含有量が1.50質量%以下であれば、加工性に優れ、電極の形状を問わず、容易に加工成形することができる。
このような蛍光ランプ用電極の形状は、用いる蛍光ランプに応じて適宜選択することが好ましい。例えば、熱電極の場合はコイル状、冷陰極の場合はカップ状等を挙げることができる。
[蛍光ランプ用電極の製造方法]
このような電極を製造するには、ニッケル又はニッケル合金と、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素を、六ホウ化物として、又は、ホウ素元素と共に溶解鋳造し、得られる鋳物を塑性加工する製造方法によることができる。
上記溶解鋳造は、塊状の原料を溶解し、溶湯を鋳型若しくは同等の空間に流し込み、凝固して鋳物を形成する。溶解する原料は、ニッケル又はニッケル合金と、上記希土類元素の六ホウ化物、又は、上記希土類元素及びホウ素元素を用いることができる。希土類元素とホウ素元素は溶解に用いる原料として、別個で用いても、希土類ホウ化物として用いても、希土類ホウ化物の析出相となって析出させることができる。
溶解は、真空あるいは不活性ガス雰囲気でニッケル又はニッケル合金の融点近傍の温度、具体的には、1600℃近傍で行うことが好ましい。また、真空あるいは不活性ガス雰囲気で行うことにより、ガス含有の少ない鋳物が得られる。また、溶解後の凝固は、除冷で行うことが、基材全体に亘って、ニッケル等の結晶粒界に希土類ホウ化物の析出相を分散して析出させることができるため、好ましい。凝固により得られる鋳物は、鋳塊、素線等であってもよい。
得られた鋳物を塑性加工する。塑性加工は、鋳塊を熱間鍛造、熱間圧延を用いてコイル材を形成する。得られたコイル材を酸洗した後、焼鈍で歪を除去し展延性の向上を図ると共に、硬度調整を行いながら伸線し、例えば、口径1〜2.6mm等、形成する電極に応じた直径の線材に形成する。更に、線材をヘッダー加工し、筒状等の所望の形状に形成する。
また、鋳塊を熱間鍛造、熱間圧延、冷間圧延を用いて、厚さ0.1〜0.2mm形成する。得られた板材をプレス加工により筒状等の所望の形状に形成したり、部材に切断し接合して電極を形成してもよい。
塑性加工時の加熱温度は900〜1000℃が好ましい。加熱温度が1000℃以下であれば、希土類ホウ化物が液相となって粒界割れが生じるのを抑制することができる。
上記電極の製造方法により、ニッケル又はニッケル合金の結晶粒界に希土類ホウ化物の析出相が分散した電極を容易に製造することができる。
[蛍光ランプ]
本発明の蛍光ランプは、水銀及び希ガスを封入した透光管と、該透光管の内壁面に設けられた蛍光体層と、1対の電極を有する蛍光ランプにおいて、電極が上記蛍光ランプ用電極であることを特徴とする。
本発明の蛍光ランプは上記電極を有することにより、耐スパッタリング性に優れ、長寿命であり、冷陰極蛍光ランプにおいては、暗黒始動特性が優れたものとなる。
本発明の蛍光ランプに用いる透光管は、可視光の透過率が高い材質のものが好ましく、例えば、材質として、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、低鉛ガラス等を挙げることができる。その形状は断面円形や楕円形の直管型、湾曲型、環形、バルブ型等いずれであってもよい。透光管の両端は気密に封止され、水銀が、例えば、蛍光ランプの点灯時において、1〜10Pa等となるように封入されている。更に、透光管には、アルゴン、キセノン、ネオン等の不活性ガスが、透光管内圧が、例えば、30〜100torr程度になるように封入され、電子により電離された希ガスがグロー放電を生起させ水銀の励起を促し、水銀からの253.7nmの紫外線の放射を促すようになっている。
透光管の内壁面には、そのほぼ全長に亙って蛍光体層が設けられている。蛍光体層に含まれる蛍光体は、水銀原子から放射される253.7nm等の紫外線により可視光を発光するものである。蛍光体としては、熱に対して劣化が少なく、また、水銀の吸着が少なく、蛍光ランプの始動時において水銀蒸気圧が高い状況が継続する場合があるが、そのような場合においても、蛍光体が吸着する水銀による透光管の劣化を抑制することができるものが好ましい。このような蛍光体として、YAG系蛍光体、ハロリン酸塩蛍光体、希土類蛍光体等、蛍光ランプの使用目的に応じて適宜選択することができる。蛍光体として、例えば、Y23:Eu、YVO4:Eu、LaPO4:Ce,Tb、(Ba,Eu)MgAl1017、(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al1017、Sr10(PO46l2:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46l2:Eu等を挙げることができる。水銀から放射される253.7nmの紫外線により励起され緑色、赤色、青色領域の可視光を発光する蛍光体を2種以上組み合わせて使用することにより、演色に優れた白色光を得ることも可能である
透光管の長手方向両端には、それぞれ上記電極が所望の形状に形成されて、透光管の内部又は外部に設けられている。電極にはコバール等のリード線が接続され、リード線を介して外部電源が供給されるようになっている。リード線は、導電性材料のものであればいずれであってもよいが、点灯中に生じる発熱を外部へ放出可能なものが好ましく、例えば、コバール等を使用することができる。
上記蛍光ランプには、透光管の内壁面と蛍光体層間に保護層を有していてもよい。保護層としては、水銀から放出される紫外線が外部に漏洩するのを抑制し、また、透光管からの析出物が蛍光体や水銀と反応してこれらを消費するのを抑制し、アマルガム等の反応生成物が透光管に付着して透光管の透過率が低下するのを抑制するものが好ましい。保護層の材質としては、例えば、酸化イットリウム等の金属酸化物を使用することができる。
更に、上記蛍光ランプには、始動特性を向上させるため、エミッタ物質等イオン性電子放出物質を電極近傍に設けることもできる。
本発明の蛍光ランプは、蛍光体の発光を利用した蛍光ランプいずれにも適用することができ、例えば、熱電極型蛍光ランプ、冷陰極蛍光ランプ、外部電極型蛍光ランプに好適である。
このような蛍光ランプを製造する方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。保護層形成のため、酸化イットリウム等の金属酸化物を含み粘度を調整して分散水を調製する。この分散水を透光管内に吸い上げることにより塗布し、例えば、60〜80℃、1〜5分で乾燥して、保護層を調製する。蛍光体層形成のため、Y23:Eu等の蛍光体を含む分散水を調製する。この分散水を透光管内に吸い上げることにより塗布し、例えば、60〜80℃、1〜10分で乾燥して、保護層を調製する。透光管の両端を、リード線を接続した電極を配置して口金等で封止した後、希ガス及び水銀を透光管内部空間へ封入する。
本発明の蛍光ランプの一例として、熱電極型蛍光ランプを、図1に示す。図1(a)は概略構成図、(b)は(a)中に図示するBの部分断面図である。図1に示す熱電極蛍光ランプ10は、ソーダガラスによって形成されたガラス管1を有する。ガラス管1は、例えば、15.5〜38mmの外径を有するものを使用することができる。ガラス管1の内壁面に、そのほぼ全長に亘って、金属酸化物を含有する、厚さ1μmの保護層2を有する。保護層2上には、Y23:Eu等の蛍光体を含有する、厚さ20〜30μmの蛍光体層3が積層されている。
ガラス管1の両端部には、コイル状に形成された上記電極6がステムに固定されて設けられている。ガラス管の両端はステム5により閉塞され、内部空間には、アルゴン及び水銀が所定量導入され、内部圧力は大気圧の数十分の一程度に減圧されている。ステム5には口金7が接続され、口金に設けられる端子を介して電極6に外部電源が供給可能になっている。
本発明の蛍光ランプを冷極蛍光ランプに適用した他の例を、図2に示す。図2の概略断面図に示す冷陰極蛍光ランプ21は、両端がビードガラス23で気密に封止された、ソーダガラス等によって形成されたガラス管22を有する。ガラス管22は、例えば、1.5〜6.0mm、好ましくは1.5〜5.0mmの外径を有するものを使用することができる。ガラス管22の内壁面には、そのほぼ全長に亘って、厚さ0.1〜1.2μmの金属酸化物等を含む保護層24aが設けられ、更に、保護層上に、厚さ15〜30μmのY23:Eu等の蛍光体を含む蛍光体層24bが設けられる。ガラス管22の内部空間25には、希ガス及び水銀が所定量導入され、内部圧力は大気圧の数十分の一程度に減圧されている。ガラス管22の両端部近傍には、それぞれ、例えば、外径0.7〜3.5mm、厚さ0.05〜1.0mmのカップ状に形成された上記電極27が、開口部20が相互に対向するように配置されている。各リード線29が、その一端が電極27の底面部に溶接され、他端がビードガラス23を貫通してガラス管22の外部に引き出されて、設けられ、リード線を介して電極27に外部電源が供給可能になっている。
また、本発明の蛍光ランプを外部電極型蛍光ランプに適用した一例を、図3に示す。図3(a)の側面図、(b)の概略断面図に示す外部電極蛍光ランプ31は、両端が封止されたソーダガラス製のガラス管32を有する。ガラス管32の外径は、1.5〜6.0mmの範囲内、好ましくは1.5〜5.0mmの範囲内を挙げることができる。ガラス管32の内壁面には、外部電極が形成される部位を除きそのほぼ全長に亘って、厚さ0.1〜1.2μmの金属酸化物等を含む保護層33aが設けられ、更に、保護層上に、厚さ15〜30μmのY23:Eu等の蛍光体を含む蛍光体層33bが設けられている。ガラス管32の内部空間には、希ガス及び水銀が所定量導入され、内部圧力は大気圧の数十分の一程度に減圧されている。ガラス管32の両末端部の外周面には、上記電極を適用した外部電極34が設けられる。外部電極34はシリコン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤等によりガラス管32外面に接着して設けることができ、ガラス管32の末端全体を被覆して設けることもできる。外部電極の長手方向の長さL1としては、例えば、10〜35mmを挙げることができる。外部電極には図示しないリード線が接続され、リード線を介して外部電源が電極に供給可能となっている。
上記蛍光ランプは、優れた耐スパッタリング性を有する電極を備えているため、長寿命であり、冷陰極蛍光ランプにおいては、優れた暗黒始動特性を長期に亘って維持することができる。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されない。
[実施例1]
Ni、La及びBをそれぞれ99.7質量%、0.2質量%、0.1質量%となるように秤量し、耐火物製の坩堝に入れ、高周波真空誘導溶解炉を用いて1600℃で溶解し、得られた溶湯をアルゴン雰囲気中で鉄製の鋳型へ鋳込み、除冷で冷却した。得られた鋳塊の元素の質量比率を表1に示す。
鋳塊を900℃で熱間鍛造した後、900℃に加熱し熱間圧延し、直径9.5mmφのワイヤー材を得た。ワイヤー材を酸洗し、表面の酸化膜を除去した。この加熱・延伸操作を反復し、焼鈍を施しながら直径2.0mmφまで伸線を行った。得られた線材をヘッダー加工して筒状電極を作製した。筒状形状でのX線マイクロアナライザー(EPMA)(日本電子(株)社製)により、加速電圧15kVでマッピング分析を行った。結果を図4に示す。ニッケル中においてランタンとホウ素は同じ位置に存在しており、これらが結合して析出相となっていることが明らかである。
得られた筒状電極を用いて図2に示す冷陰極蛍光ランプを作成した。長さ850mm、厚さ0.5mmのホウケイ酸ガラス管の内壁面に、厚さ15〜30μmの蛍光体層を塗布成形し、ガラス管両端に筒状の底面にコバール線を溶接した上記電極を配置し、リード線を貫通させたガラスビードによりガラス管端部を封止した。アルゴンとネオンの混合ガスを60Torrに調整して封入し、冷陰極蛍光ランプを得た。得られた冷陰極蛍光ランプについて、暗黒始動特性性、耐スパッタリング性の評価を行った。
[暗黒始動特性]
冷陰極蛍光ランプを黒い布で巻き、48時間放置して暗黒雰囲気を作り出した。その後、電圧を印加し、始動するまでの時間を測定した。従来のニッケル電極を用いて、同様に作成した冷陰極蛍光ランプ(比較例)の始動するまでの時間を測定し、以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
比較例と同等の場合△
比較例より優れている場合○
比較例より非常に優れている場合◎。
[耐スパッタリング性]
管電流を15mAにし、500h時間点灯させた。その後、電極周辺部のスパッタリング量を目視にて観察し、暗黒始動特性の評価の基準と同様の基準により評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例及び参考例
使用する原料を表1に示すものに変えた以外は、実施例1と同様の方法で電極を作製し、冷陰極蛍光ランプを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
以上の結果によれば、溶解鋳造法を用いニッケル基材中に希土類ホウ化物が0.01〜1.50重量%析出された電極は従来使用されているニッケル電極と比べて暗黒始動特性が優れ、耐スパッタ性が優れていることが分かる。
本発明の蛍光ランプを適用した一例の熱電極型蛍光ランプを示す概略構成図(a)及び部分断面図(b)である。 本発明の蛍光ランプを適用した他の例の冷陰極蛍光ランプを示す概略断面図である。 本発明の蛍光ランプを適用した他の例の外部電極型蛍光ランプを示す側面図(a)及び概略断面図(b)である。 本発明の蛍光ランプ用電極を適用した一例のX線マイクロアナライザーにより得られる画像を示す図である。
符号の説明
1、22、32 ガラス管
2、24a、33a 保護層
3、24b、33b 蛍光体層
6 電極
10 熱電極蛍光ランプ
21 冷陰極蛍光ランプ
27 カップ状電極(電極)
29 リード線
31 外部電極蛍光ランプ
34 外部電極(電極)

Claims (4)

  1. ニッケル又はニッケル合金の基材中に、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素が平均粒径1.0〜20.0μm未満の希土類六ホウ化物の析出相となって、ニッケル又はニッケル合金の結晶粒界に分散され、希土類六ホウ化物が基材中に0.01〜1.50質量%含有され、前記基材の厚さが0.1〜0.2mmであることを特徴とする蛍光ランプ用電極。
  2. 請求項1記載の蛍光ランプ用電極の製造方法であって、ニッケル又はニッケル合金と、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素と、ホウ素元素とを溶解鋳造し、得られる鋳物を塑性加工することを特徴とする蛍光ランプ用電極の製造方法。
  3. 請求項1記載の蛍光ランプ用電極の製造方法であって、ニッケル又はニッケル合金と、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウムから選ばれる1種又は2種以上の希土類元素の六ホウ化物とを溶解鋳造し、得られる鋳物を塑性加工することを特徴とする蛍光ランプ用電極の製造方法。
  4. 水銀及び希ガスを封入した透光管と、該透光管の内壁面に設けられた蛍光体層と、1対の電極を有する蛍光ランプにおいて、電極が請求項1記載の蛍光ランプ用電極であることを特徴とする蛍光ランプ。
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