JP2004259678A - 放電管用電極部材および製造方法、これを用いる放電管並びに液晶ディスプレイ - Google Patents
放電管用電極部材および製造方法、これを用いる放電管並びに液晶ディスプレイ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低消費電力かつ長寿命などの冷陰極蛍光ランプ、例えば液晶ディスプレイ用のバックライト等に使われる冷陰極蛍光ランプおよびこれに用いる放電管用電極部材を提供する。
【解決手段】基材金属層(B)と酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粒子と固定金属層を含有する金属層(A)とからなり、前記希土類元素の六硼化物の粒子の少なくとも一部が表面に露出していることを特徴とする放電管用電極部材であり、好ましくは、前記希土類元素の六硼化物が、六硼化ランタンであり、金属層(A)は固定金属であるニッケルの中に六硼化ランタンが分散しており、基材金属層(B)がニッケルである。
【選択図】 図2
【解決手段】基材金属層(B)と酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粒子と固定金属層を含有する金属層(A)とからなり、前記希土類元素の六硼化物の粒子の少なくとも一部が表面に露出していることを特徴とする放電管用電極部材であり、好ましくは、前記希土類元素の六硼化物が、六硼化ランタンであり、金属層(A)は固定金属であるニッケルの中に六硼化ランタンが分散しており、基材金属層(B)がニッケルである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電管内の電極の放電部となる放電管用電極部材とその製造方法、およびこれを用いる放電管並びに液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から多分野において放電管が様々な用途に用いられている。例えば、蛍光放電管である冷陰極蛍光ランプがいろいろな用途で用いられ、最近では液晶ディスプレイ用バックライトへ適用が盛んに検討されている。最近では、特に放電管の1つである冷陰極蛍光ランプは、ノートパソコンなどの液晶ディスプレイ用のバックライトなどとして幅広く活躍している。
【0003】
ノートパソコンのような携帯機器では、携帯時には携帯機器を駆動させる電力源を内部バッテリに依存する。液晶ディスプレイ用のバックライトもバッテリ駆動によって点灯させられる。しかし、バッテリの電力容量には限界がある。そこで、バックライトとなる冷陰極蛍光ランプの消費電力の低減が重要となる。電力損失を低減して消費電力の効率化をはかり、低消費電力化を図るには、冷陰極蛍光ランプの消費電力の大きな原因となる放電の際の電力損失をできるだけ少なくする必要がある。
【0004】
この電力損失を低減する第1の方法としては、放電管内に設置される電極の放電部となる放電管用電極部材(以下、電極部材とする)には、電子を放出しやすい仕事関数が小さい金属材料、特に、電極部材として金属に比べて仕事関数が低い、1属から3属の元素を含むエミッタ材料を適用すると、冷陰極蛍光ランプの消費電力の低減として有効であると知られている。
【0005】
電力損失を低減する第2の方法としては、電極部材を円筒形状(ホロー型)にして、電子放射部を円筒形状の内側の構造とする(以下ホロー型電極部材という)方法がある。ホロー型電極部材はホローカソード効果を奏する。この効果は、ホロー型電極部材内側から電子放射が行われやすく、陰極電圧降下が低減でき、冷陰極蛍光ランプを用いる上での低消費電力化に有効である。
【0006】
したがって、上述のホロー型電極部材の内側に、上述のエミッタ材料からなるエミッタ層で電子放射部を形成することが低消費電力化に有効である。特開平10−144255号公報や特開2000−11866号公報には、エミッタ層をディップ方式あるいはスパッタ方式でホロー型電極部材の内側である電子放射部として用いると、冷陰極蛍光ランプとして用いた場合、従来の棒状金属電極部材よりも、電極降下電圧を40V程度低減でき、低消費電力化を達成する事が出来ることなどが報告されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−144255号公報
【特許文献2】
特開2000−11866号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホロー型電極部材等の複雑な形状を持つ電極部材にエミッタ層の厚さを均一に、かつエミッタ層の付着強度を強固に、そして所望する場所(例えばホロー型電極部材の内側)にエミッタ層を形成する事は容易でない場合がある。その上、適切な膜を形成できないなどの理由により長寿命が達成できなくなる場合がある。さらに、電極形状の加工が難しいなどの理由によってコスト高くなったりする場合がある。
【0009】
例えば、塑性加工された金属電極にエミッタ層(例えば、六硼化ランタン(LaB6))を形成する方法としてディップ法が知られているが、この方法は塗布の均一性が欠しくかつ、エミッタ層の付着強度が弱く蛍光ランプ生産工程中に離脱しやすい。また蛍光ランプの点灯中は電極部材へのイオンのスパッタリングがあるため、イオン衝撃によるエミッタ層が電極部材から脱落してしまう場合がある。
【0010】
また、特開2000−11866号公報のように、スパッタ法でエミッタ層は得られるものの、エミッタ層を厚くする為には長時間スパッタする必要があり、結果的に、高価格となってしまう場合がある。
【0011】
本発明は上記課題等を解決する為になされものであり、高性能な放電管およびこれに用いる放電管用電極部材とその製造方法、またこの放電管を用いた液晶ディスプレイに関する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放電管内に設置される電極の放電部となる金属層(A)を含む放電管用電極部材において、前記金属層(A)は、電子放射性の酸化物または希土類元素の六硼化物のうち少なくとも一方の粒子と、前記粒子を固定する固定金属層からなり、前記粒子の少なくとも一部は前記金属層(A)の表面に露出していることを特徴とする。
【0013】
電子放射性の酸化物あるいは希土類元素の六硼化物(以下、電子放射性物質ともいう。)が金属層(A)に一様に分散され、より金属層(A)に強固に固定されながらも、その一部が表面に露出している。この強固に電子放射性物質が固定されている構造により、その後塑性加工しても金属層(A)から電子放射性物質が脱落することがない。また、上記電極部材は、粉末治金法などの従来の方法を用いて容易に作製でき、優れた電子放射性の電極部材を提供できる。
【0014】
また、上記発明において、前記金属層(A)が基材金属層(B)の上に形成され、前記金属層(A)が前記基材金属層(B)によって保持されていてもよい。
【0015】
このような構成とすることで、金属層(A)を基材金属層(B)で保持する。金属層(A)は金属層(B)よりもコスト高くなる場合があり、金属層(A)単独で本発明の電極部材をなすよりもコスト的有利にできる。また、金属層(A)よりも加工容易な金属層(B)で保持されることから加工を容易にもできる。
【0016】
さらに、本発明の放電管用電極部材は、前記希土類元素の六硼化物が、六硼化ランタンであることが好ましい。前記希土類元素の六硼化物の中でも六硼化ランタン、六硼化セリウム(CeB6)は仕事関数も小さく、しかも比較的入手しやすいためである。一方電子放射性酸化物は酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリュム(Y2O3)酸化ランタン(La2O3)酸化バリュム(BaO)等が好ましい。
【0017】
上記本発明の放電管用電極部材は、金属層(A)の固定金属がニッケルあるいは高融点金属(モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W))であってもよい。これらの金属は加工中に含まれたりする空気などの吸蔵されるガスが少ない。そのため、放電管を使用する際に吸蔵ガスが放出され、放電管使用時等に不具合を発生させることを防止できる。また、スパッタされ難く、仕事関数も小さいので電極部材の材料として適している。
【0018】
上記本発明の基材金属層(B)はニッケルあるいはニッケル合金であることが好ましい。
【0019】
これらの金属および合金は、基材金属層(B)として用いると電子放射性物質を固定金属層中に分散させた構造を持つ金属層(A)を保持する。また、電極部材としての機械的形状を保つ役割を達成するものである。また、金属層(A)に含まれる材質と固定金属層が同材質(例えば共にニッケルで同材質)の金属層であれば、基材金属層(B)と金属層(A)をグラッドするときに加工容易とすることもできる。また、使用時の熱履歴に原因する基材金属層(B)と金属層(A)との剥離等の異常発生などを防止もできる。
【0020】
上記本発明の放電管用電極部材は、ホロー型もしくは類似の形状であることが好ましい。
【0021】
上記放電管用電極部材を、放電管内の対向内側面が開口するホロー型を備えた構造にすると、ホローカソード効果により、電極内側から電子放射が行われやすく、陰極電圧降下が低減でき、かつ、低消費電力化できる。
【0022】
また本発明の放電管用電極部材の製造方法は、電子放射性物質の粒子と、前記電子放射性物質の粉末とを、混合して粒子混合物を作成し、前記粒子混合物を粉末冶金法で焼結して焼結物とし、前記焼結物を圧延して板材に加工されてなる金属層(A)であること、を特徴とする。
【0023】
電子放射性物質の粒子を分散している金属層(A)を粉末冶金と圧延という簡易な方法で作成できる。
【0024】
その後、基材金属層(B)に金属層(A)をグラッド法で貼りあわせた薄板を塑性加工で電極形状にしてもよい。
【0025】
その後、金属層(A)の表面の一部を除去することにより、前記、電子放射性物質の少なくとも一部を露出させてもよい。
【0026】
ここで、好ましくは、金属層(A)の表面の一部を除去する方法が、機械的研磨又はエッチング又はサンドブラスト法であってもよい。
【0027】
このようにすることで前記粒子を金属層(A)の表面により確実に露出させることができる場合がある。
【0028】
また、本発明は、前記の放電管用電極部材を用いてなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプである。また、その冷陰極蛍光ランプを液晶ディスプレイのバックライトとして用いたことを特徴とする。
【0029】
本発明の前記放電管用電極部材を用いることにより、冷陰極蛍光ランプおよび液晶ディスプレイは低価格、低消費電力、長寿命が実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、以下図面に基づいて説明する。本発明の実施形態は本発明を実施する上で好ましい一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0031】
基材金属層(B)12とその上に形成された金属層(A)14からなるグラッド電極素材板(グラッド材)10を図1に示す。ここで、基材金属層(B)12の厚さは170μmで、金属層(A)14は30μmとすることができる。ここで、金属層(A)が基材金属層(B)に比べて薄いものであってもよい。
【0032】
ここで、金属層(A)の表面は、固定金属層であるニッケル約80%の表面積に対して、電子放射性物質の六硼化ランタン粒子16が約20%程度の表面積で露出している構造となっている。このグラッド材10を塑性加工し、所望の電極部材の形状とする。この加工は従来の方法を用いればよい。
【0033】
図2には製造された前記冷陰極蛍光ランプに用いられているホロー型陰極20の断面図が示される。ホロー型陰極20は、放電部である電極部材20aと導入線5からなる。導入線5は、後の工程でガラス管へ融着させることを考慮し、公知技術と同様にガラスビーズ6を図2のように導入線5に融着させておくこともできる。電極部材20aの内面には、酸化物あるいは六硼化ランタンの粒子を含有するニッケル層(エミッタ層)3が設けられ、前記エミッタ層の表面から前記酸化物あるいは六硼化ランタン粒子の一部が露出されている。エミッタ層3は基材ニッケル層4上に形成されている。電極部材20aの内面に露出されたエミッタ層3の膜厚は約10から20μm程度であり、陰極の外径は1.6mmで、長さは3.0mm程度が一般的である。
【0034】
上述の本実施形態に係る電極20の製造方法を図3のフローチャートを用いて説明する。ニッケル(80%)と六硼化物(20%)重量比の金属層(A)で基材金属層(B)はニッケルの場合である。平均粒径3μmのニッケル粉末、粒径3から6μmの六硼化ランタンと適当なバインダを混合する(S1)。板状にプレス成形をし(S2)、800から900℃の水素雰囲気炉で焼結する(S3)。熱間と冷間圧延し、最終的に金属層(A)板は0.6mmにする(S4)。3.4mmの板厚のニッケルの基材金属層(B)12と板厚0.6mmの金属層(A)14をグラッドして貼り合せてグラッド材10(図1)の原型が作成される(S5)。
【0035】
図1のグラッド材をアニール(焼きなまし)し、板厚0.2mmの板材にする(S6)。金属層(A)側の表面を機械研磨で研磨して六硼化ランタン粒子の表面を露出させる(S7)。
【0036】
このようにしてグラッド材10が完成する(図1)。所望の板厚にした金属層(A)を基材金属層(B)とグラッド法で貼りあわせ、グラッド材にするが、現在の電極板材は0.2mmの物が多く使われている。この場合は金属層(A)の厚さは最大40μm程度で、その厚さは蛍光ランプの用途によって最適値がある。経験からは一般的に8μmから20μmが適切である。
【0037】
図2に示したホロー型陰極電極形状は、機械加工などで塑性加工し電極部材20aを完成する(S8)。その後、導入線5等を電極部材20aに接続等し、ホロー型電極20が完成する(S9)。
【0038】
本発明の電極20を用いた冷陰極蛍光ランプ30について、図4をもって説明する。この冷陰極蛍光ランプ30は、希ガス及び水銀蒸気が充填されたガラス管5の内部に一対のホロー型陰極20が対向して配置されている。ガラス管1の内径は3.0mmで、電極間距離は50mm、ガラス管1内にはArガス10%−Neガス90%の混合ガスがガス圧10KPaで、また水銀(A)500μgを封入している。
【0039】
ガラス管1の内壁に蛍光膜2が被覆された放電管である一対のホロー型陰極20とガラス管1は、予め導入線5に融着されたガラスビーズ6とガラス管1を融着して接着される。ホロー型陰極20には導入線5の一端が接続され、導入線5の他端はガラス管1の両端から外部に導出される。
【0040】
一対のホロー型陰極20間にこの導入線5を介して外部から放電に十分な電圧を印加すると、ホロー型陰極20の放電部20aの表面であるエミッタ層3から電子放射が起こる。放出された電子はガラス管1内に存在する水銀原子に衝突して水素原子を励起させ、紫外線を発生させる。この紫外線は、ガラス管5の内壁に形成された蛍光膜2に衝突し、可視光線に波長変換され、冷陰極蛍光ランプ30が発光する。
【0041】
また、本発明は、前記の電極部材を用いてなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプであり、好ましくは、液晶ディスプレイ用のバックライト向けの冷陰極蛍光ランプである。
【0042】
本発明の冷陰極蛍光ランプは、前述した通りの、仕事関数の低い電子放射性物質の粒子16が露出しているので、低電圧で放電が起こり、その結果、電極での電圧降下が少なく、したがって、低消費電力を達成することができる。しかも前記電子放射性物質の粒子は金属層中にその一部を埋め込まれているので、強固に固定されており、生産工程中の粒子脱落等の異常を防止できる。また、点灯中のイオン衝撃にも強く、長寿命であるという特徴を有している。例えば液晶ディスプレイ用のバックライト等に使われる冷陰極蛍光ランプ、もしくはその冷陰極蛍光ランプをバックライトとして用いたことを特徴とする液晶ディスプレイとして好適である。
【0043】
本発明の電極は基材金属層(B)と、電子放射性物質の粒子とそれを固定する固定金属層からなる金属層(A)とからなり、前記、酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粒子のうち少なくとも一部の粒子が、ホロー型電極の内表面に露出していることを構造上の特徴とする蛍光ランプ用の電極である。前記構造上の特徴を有しているので、以下に説明する粉末冶金、圧延とグラッド法等の手法を用いて容易に作製でき、しかも電子放射物質が金属により強固に固定されながらも、その一部が表面に露出しているので、その素材である薄板をその後塑性加工しても金属層(A)は電子放射物質が脱落することを抑制できる。この結果、電極表面に、実質的に仕事関数の低い状態下での電子放出が確保されることから、低消費電力で長寿命の蛍光ランプを安価に提供できる。
【0044】
本発明において、電子放射性物質のうち、希土類元素の六硼化物の中であっても、六硼化ランタン、六硼化セリウム(CeB6)は仕事関数も低く、しかも比較的産業上入手しやすいことから好ましい。また、前記希土類元素の六硼化物の粒子の大きさについては、金属層(A)の厚さとの関係、表面に露出させる量等により実験的に定めれば良い。発明者の検討結果に基づけば、金属層(A)の厚さが8〜20μm程度の場合には、平均粒子径が略3〜5μmが良好である。粒径1μm以下の小さい粒径だと分粒を繰り返す必要があるため、コストが高くなる。一方、粒径が大きいと粉末冶金後に圧延するのが難しくなる場合がある。
【0045】
蛍光ランプの電極に望まれる基本物性は、冷陰極蛍光ランプ内の水銀と反応し難いこと、封入ガスのArとNeガスのスパッタ率が小さいことが望まれる。そのために金属層(A)の固定金属は高融点金属も適している。
【0046】
基材金属層(B)については、希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(A)を保持するとともに、電極としての役割を達成するもので、前述の放電管用電極部材としての望まれる物性を満たすものが良い。金属層(A)の固定金属層と同材質であることが、使用時の熱履歴に原因する基材金属層(B)と金属層(A)との剥離等の異常発生を防止することから、好ましい。したがって、前述のように金属層(A)の固定金属層としてニッケル層を選択する場合には、基材金属層(B)についてもニッケルあるいはニッケル合金であることが好ましい。
【0047】
本発明の電極の製造方法によれば、複合電極材料金属(A)を製造するには、母体金属粉末と目的とした酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粉末を混ぜ焼結をさせる。
【0048】
その後、更に焼結物を熱間と冷間で圧延し、所定厚さの薄板金属層(A)を形成する。その後、基材金属層(B)材とグラッド法で貼りあわせた後、金属層(A)の表面を浅く機械研磨等で除去し、その板材を塑性加工することで本発明の電極を得ることができるので、高輝度で長寿命の蛍光ランプを安価に提供できる電極を提供できる特徴を有する。
【0049】
本発明において、電子放射性物質を含有する金属層(A)を形成させる方法として、粉末の母体金属50%から95%と粉末の電子放射性物質を50%から5%の割合で一様になるように混合し、板状に成形して焼結する。焼結温度、粉末の粒径、空孔率等はその後の圧延工程での条件に強く影響を与えるので、実験的に圧延し易い条件を探す。電子放射性物質が少ないと圧延は容易になるが、冷陰極蛍光ランプ電圧を低減させる効果は少なくなるので、出来るだけ電子放射性物質の割合は大きいことが望まれる。
【0050】
グラッドした金属層(A)中に分散している、電子放射性物質の粒子の表面は固定金属で覆われている場合がある。このため、電子放射性物質の粒子の低仕事関数の物理特性を利用するためには、表面の固定金属を取り除き、それらの電子放射性物質の粒子を金属層(A)の表面に露出させることが好ましい場合がある。
【0051】
本発明において、固定金属層の表面の一部を除去することにより、前記酸化物あるいは希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させる方法については、機械的研磨或いはエッチングが適当である。除去深さも数ミクロン程度と少量であること、更に酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粒子は露出させることを意図するものであり、これをなるべく除去しないような加工方法が望まれる。酸化物あるいは六硼化ランタンの露出割合は凡そ粉末の混合比の値になる。
【0052】
機械的研磨の研磨材としてはシリカあるいはざくろ石が好ましい。サンドブラスト法ではシリカ、鋳鋼、エメリまたはガラスビーズなどの小球を研磨材として、圧縮空気またはインペラの遠心力を利用して噴きつけ、表面の固定金属層を取り除く。電子放射性物質として酸化物あるいは六硼化ランタン(LaB6)微粒子が分散しているニッケル(Ni)層を例にとると、酸化物あるいはLaB6の方がNiより硬いので、表面からの機械的研磨もしくはサンドブラストによりLaB6粒子が表面に露出した状態が実現できる。
【0053】
機械的研磨は、コストが安く簡便であり、研磨の精度を出しやすい、めっき層の表面状態によらず、平面度を精度良く出すことができる等の特徴を有し、固定金属層の表面の一部を除去することにより、前記酸化物あるいは希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させる方法として望ましい。
【0054】
また、湿式エッチング法は固定金属を選択的にエッチングすることが可能で、特別の装置が不要であり安価に多量の処理ができ、大量生産に適する特徴がある。この方法は電子放射性物質の粒子の少なくとも一部を露出させることができる。
【0055】
表面の僅かな固定金属を取り除き、酸化物あるいは六硼化物の粒子の表面を露出させた後、洗浄し、乾燥させる。
【0056】
この製造方法によれば、従来のホロー形状に形成した後に、一個毎にその内面に電子放出性物質を塗布する方法に比べて格段に工数の低減が可能であり、低価格化が実現できる。さらに、単純な円筒ホロー型のみならず、例えば、複数の凹部を有する形状、テーパ状などの複雑な形状の電極部材の提供も可能となる。
【0057】
本実施形態では基材金属層(B)を用いた放電管用電極部材を示したが金属層(A)だけの構成も可能である。また、金属層(A)中の電子放射性物質を露出させるために固定金属を削る工程も必ずとも必要としない。
【0058】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内でいろいろの変形を採ることができる。例えば、ガラス管の内径、長さ、電極間距離、陰極の外形、長さ、エミッタ層の厚さなども適宜選択できる。
【0059】
【実施例】
(実施例及び比較例)
前記電極20を用いて、図4に例示される冷陰極蛍光ランプを作製し本発明の実施例とした。また、比較の例として、本発明の電極部材を用いていない冷陰極蛍光ランプ(ニッケル電極を使用)も作製し、冷陰極蛍光ランプの効率を表す特性として重要な電極降下電圧を従来のニッケル電極と対比測定した。電極降下電圧は蛍光ランプの全長を変化させ、直流電圧を蛍光ランプに印加してランプ電圧を測定し求めた。その結果、従来公知の蛍光ランプが120Vに比較して、本発明の蛍光ランプにおける電圧降下は100Vから90Vと約20%も小さく、低消費電力が達成された。本発明品が優れることが明白である。
【0060】
【発明の効果】
本発明の放電管用電極部材は電子放出が容易であり、しかも長寿命である特徴を有するので高性能である。したがって、高性能な放電管および液晶ディスプレイを提供できる。したがって、産業上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグラッド材の構造図である。
【図2】本発明に係る電極の構造図である。
【図3】本発明の電極材料を作製する際の主なフローチャート図の一例である。
【図4】本発明に係る冷陰極蛍光ランプの構造図である。
【符号の説明】
1 ガラス管、2 蛍光体、3 エミッタ層(希土類元素の六硼化物粒子を含有する金属層(A))、4 Ni層(基材金属層(B))、5 導入線、6 ガラスビーズ、10 グラッド材、12 基材金属層(B)、14 エミッタ層(金属層(A))、16 六硼化ランタン粒子、20 電極、20a 電極部材、30 冷陰極蛍光ランプ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電管内の電極の放電部となる放電管用電極部材とその製造方法、およびこれを用いる放電管並びに液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から多分野において放電管が様々な用途に用いられている。例えば、蛍光放電管である冷陰極蛍光ランプがいろいろな用途で用いられ、最近では液晶ディスプレイ用バックライトへ適用が盛んに検討されている。最近では、特に放電管の1つである冷陰極蛍光ランプは、ノートパソコンなどの液晶ディスプレイ用のバックライトなどとして幅広く活躍している。
【0003】
ノートパソコンのような携帯機器では、携帯時には携帯機器を駆動させる電力源を内部バッテリに依存する。液晶ディスプレイ用のバックライトもバッテリ駆動によって点灯させられる。しかし、バッテリの電力容量には限界がある。そこで、バックライトとなる冷陰極蛍光ランプの消費電力の低減が重要となる。電力損失を低減して消費電力の効率化をはかり、低消費電力化を図るには、冷陰極蛍光ランプの消費電力の大きな原因となる放電の際の電力損失をできるだけ少なくする必要がある。
【0004】
この電力損失を低減する第1の方法としては、放電管内に設置される電極の放電部となる放電管用電極部材(以下、電極部材とする)には、電子を放出しやすい仕事関数が小さい金属材料、特に、電極部材として金属に比べて仕事関数が低い、1属から3属の元素を含むエミッタ材料を適用すると、冷陰極蛍光ランプの消費電力の低減として有効であると知られている。
【0005】
電力損失を低減する第2の方法としては、電極部材を円筒形状(ホロー型)にして、電子放射部を円筒形状の内側の構造とする(以下ホロー型電極部材という)方法がある。ホロー型電極部材はホローカソード効果を奏する。この効果は、ホロー型電極部材内側から電子放射が行われやすく、陰極電圧降下が低減でき、冷陰極蛍光ランプを用いる上での低消費電力化に有効である。
【0006】
したがって、上述のホロー型電極部材の内側に、上述のエミッタ材料からなるエミッタ層で電子放射部を形成することが低消費電力化に有効である。特開平10−144255号公報や特開2000−11866号公報には、エミッタ層をディップ方式あるいはスパッタ方式でホロー型電極部材の内側である電子放射部として用いると、冷陰極蛍光ランプとして用いた場合、従来の棒状金属電極部材よりも、電極降下電圧を40V程度低減でき、低消費電力化を達成する事が出来ることなどが報告されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−144255号公報
【特許文献2】
特開2000−11866号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホロー型電極部材等の複雑な形状を持つ電極部材にエミッタ層の厚さを均一に、かつエミッタ層の付着強度を強固に、そして所望する場所(例えばホロー型電極部材の内側)にエミッタ層を形成する事は容易でない場合がある。その上、適切な膜を形成できないなどの理由により長寿命が達成できなくなる場合がある。さらに、電極形状の加工が難しいなどの理由によってコスト高くなったりする場合がある。
【0009】
例えば、塑性加工された金属電極にエミッタ層(例えば、六硼化ランタン(LaB6))を形成する方法としてディップ法が知られているが、この方法は塗布の均一性が欠しくかつ、エミッタ層の付着強度が弱く蛍光ランプ生産工程中に離脱しやすい。また蛍光ランプの点灯中は電極部材へのイオンのスパッタリングがあるため、イオン衝撃によるエミッタ層が電極部材から脱落してしまう場合がある。
【0010】
また、特開2000−11866号公報のように、スパッタ法でエミッタ層は得られるものの、エミッタ層を厚くする為には長時間スパッタする必要があり、結果的に、高価格となってしまう場合がある。
【0011】
本発明は上記課題等を解決する為になされものであり、高性能な放電管およびこれに用いる放電管用電極部材とその製造方法、またこの放電管を用いた液晶ディスプレイに関する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放電管内に設置される電極の放電部となる金属層(A)を含む放電管用電極部材において、前記金属層(A)は、電子放射性の酸化物または希土類元素の六硼化物のうち少なくとも一方の粒子と、前記粒子を固定する固定金属層からなり、前記粒子の少なくとも一部は前記金属層(A)の表面に露出していることを特徴とする。
【0013】
電子放射性の酸化物あるいは希土類元素の六硼化物(以下、電子放射性物質ともいう。)が金属層(A)に一様に分散され、より金属層(A)に強固に固定されながらも、その一部が表面に露出している。この強固に電子放射性物質が固定されている構造により、その後塑性加工しても金属層(A)から電子放射性物質が脱落することがない。また、上記電極部材は、粉末治金法などの従来の方法を用いて容易に作製でき、優れた電子放射性の電極部材を提供できる。
【0014】
また、上記発明において、前記金属層(A)が基材金属層(B)の上に形成され、前記金属層(A)が前記基材金属層(B)によって保持されていてもよい。
【0015】
このような構成とすることで、金属層(A)を基材金属層(B)で保持する。金属層(A)は金属層(B)よりもコスト高くなる場合があり、金属層(A)単独で本発明の電極部材をなすよりもコスト的有利にできる。また、金属層(A)よりも加工容易な金属層(B)で保持されることから加工を容易にもできる。
【0016】
さらに、本発明の放電管用電極部材は、前記希土類元素の六硼化物が、六硼化ランタンであることが好ましい。前記希土類元素の六硼化物の中でも六硼化ランタン、六硼化セリウム(CeB6)は仕事関数も小さく、しかも比較的入手しやすいためである。一方電子放射性酸化物は酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリュム(Y2O3)酸化ランタン(La2O3)酸化バリュム(BaO)等が好ましい。
【0017】
上記本発明の放電管用電極部材は、金属層(A)の固定金属がニッケルあるいは高融点金属(モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W))であってもよい。これらの金属は加工中に含まれたりする空気などの吸蔵されるガスが少ない。そのため、放電管を使用する際に吸蔵ガスが放出され、放電管使用時等に不具合を発生させることを防止できる。また、スパッタされ難く、仕事関数も小さいので電極部材の材料として適している。
【0018】
上記本発明の基材金属層(B)はニッケルあるいはニッケル合金であることが好ましい。
【0019】
これらの金属および合金は、基材金属層(B)として用いると電子放射性物質を固定金属層中に分散させた構造を持つ金属層(A)を保持する。また、電極部材としての機械的形状を保つ役割を達成するものである。また、金属層(A)に含まれる材質と固定金属層が同材質(例えば共にニッケルで同材質)の金属層であれば、基材金属層(B)と金属層(A)をグラッドするときに加工容易とすることもできる。また、使用時の熱履歴に原因する基材金属層(B)と金属層(A)との剥離等の異常発生などを防止もできる。
【0020】
上記本発明の放電管用電極部材は、ホロー型もしくは類似の形状であることが好ましい。
【0021】
上記放電管用電極部材を、放電管内の対向内側面が開口するホロー型を備えた構造にすると、ホローカソード効果により、電極内側から電子放射が行われやすく、陰極電圧降下が低減でき、かつ、低消費電力化できる。
【0022】
また本発明の放電管用電極部材の製造方法は、電子放射性物質の粒子と、前記電子放射性物質の粉末とを、混合して粒子混合物を作成し、前記粒子混合物を粉末冶金法で焼結して焼結物とし、前記焼結物を圧延して板材に加工されてなる金属層(A)であること、を特徴とする。
【0023】
電子放射性物質の粒子を分散している金属層(A)を粉末冶金と圧延という簡易な方法で作成できる。
【0024】
その後、基材金属層(B)に金属層(A)をグラッド法で貼りあわせた薄板を塑性加工で電極形状にしてもよい。
【0025】
その後、金属層(A)の表面の一部を除去することにより、前記、電子放射性物質の少なくとも一部を露出させてもよい。
【0026】
ここで、好ましくは、金属層(A)の表面の一部を除去する方法が、機械的研磨又はエッチング又はサンドブラスト法であってもよい。
【0027】
このようにすることで前記粒子を金属層(A)の表面により確実に露出させることができる場合がある。
【0028】
また、本発明は、前記の放電管用電極部材を用いてなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプである。また、その冷陰極蛍光ランプを液晶ディスプレイのバックライトとして用いたことを特徴とする。
【0029】
本発明の前記放電管用電極部材を用いることにより、冷陰極蛍光ランプおよび液晶ディスプレイは低価格、低消費電力、長寿命が実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、以下図面に基づいて説明する。本発明の実施形態は本発明を実施する上で好ましい一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0031】
基材金属層(B)12とその上に形成された金属層(A)14からなるグラッド電極素材板(グラッド材)10を図1に示す。ここで、基材金属層(B)12の厚さは170μmで、金属層(A)14は30μmとすることができる。ここで、金属層(A)が基材金属層(B)に比べて薄いものであってもよい。
【0032】
ここで、金属層(A)の表面は、固定金属層であるニッケル約80%の表面積に対して、電子放射性物質の六硼化ランタン粒子16が約20%程度の表面積で露出している構造となっている。このグラッド材10を塑性加工し、所望の電極部材の形状とする。この加工は従来の方法を用いればよい。
【0033】
図2には製造された前記冷陰極蛍光ランプに用いられているホロー型陰極20の断面図が示される。ホロー型陰極20は、放電部である電極部材20aと導入線5からなる。導入線5は、後の工程でガラス管へ融着させることを考慮し、公知技術と同様にガラスビーズ6を図2のように導入線5に融着させておくこともできる。電極部材20aの内面には、酸化物あるいは六硼化ランタンの粒子を含有するニッケル層(エミッタ層)3が設けられ、前記エミッタ層の表面から前記酸化物あるいは六硼化ランタン粒子の一部が露出されている。エミッタ層3は基材ニッケル層4上に形成されている。電極部材20aの内面に露出されたエミッタ層3の膜厚は約10から20μm程度であり、陰極の外径は1.6mmで、長さは3.0mm程度が一般的である。
【0034】
上述の本実施形態に係る電極20の製造方法を図3のフローチャートを用いて説明する。ニッケル(80%)と六硼化物(20%)重量比の金属層(A)で基材金属層(B)はニッケルの場合である。平均粒径3μmのニッケル粉末、粒径3から6μmの六硼化ランタンと適当なバインダを混合する(S1)。板状にプレス成形をし(S2)、800から900℃の水素雰囲気炉で焼結する(S3)。熱間と冷間圧延し、最終的に金属層(A)板は0.6mmにする(S4)。3.4mmの板厚のニッケルの基材金属層(B)12と板厚0.6mmの金属層(A)14をグラッドして貼り合せてグラッド材10(図1)の原型が作成される(S5)。
【0035】
図1のグラッド材をアニール(焼きなまし)し、板厚0.2mmの板材にする(S6)。金属層(A)側の表面を機械研磨で研磨して六硼化ランタン粒子の表面を露出させる(S7)。
【0036】
このようにしてグラッド材10が完成する(図1)。所望の板厚にした金属層(A)を基材金属層(B)とグラッド法で貼りあわせ、グラッド材にするが、現在の電極板材は0.2mmの物が多く使われている。この場合は金属層(A)の厚さは最大40μm程度で、その厚さは蛍光ランプの用途によって最適値がある。経験からは一般的に8μmから20μmが適切である。
【0037】
図2に示したホロー型陰極電極形状は、機械加工などで塑性加工し電極部材20aを完成する(S8)。その後、導入線5等を電極部材20aに接続等し、ホロー型電極20が完成する(S9)。
【0038】
本発明の電極20を用いた冷陰極蛍光ランプ30について、図4をもって説明する。この冷陰極蛍光ランプ30は、希ガス及び水銀蒸気が充填されたガラス管5の内部に一対のホロー型陰極20が対向して配置されている。ガラス管1の内径は3.0mmで、電極間距離は50mm、ガラス管1内にはArガス10%−Neガス90%の混合ガスがガス圧10KPaで、また水銀(A)500μgを封入している。
【0039】
ガラス管1の内壁に蛍光膜2が被覆された放電管である一対のホロー型陰極20とガラス管1は、予め導入線5に融着されたガラスビーズ6とガラス管1を融着して接着される。ホロー型陰極20には導入線5の一端が接続され、導入線5の他端はガラス管1の両端から外部に導出される。
【0040】
一対のホロー型陰極20間にこの導入線5を介して外部から放電に十分な電圧を印加すると、ホロー型陰極20の放電部20aの表面であるエミッタ層3から電子放射が起こる。放出された電子はガラス管1内に存在する水銀原子に衝突して水素原子を励起させ、紫外線を発生させる。この紫外線は、ガラス管5の内壁に形成された蛍光膜2に衝突し、可視光線に波長変換され、冷陰極蛍光ランプ30が発光する。
【0041】
また、本発明は、前記の電極部材を用いてなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプであり、好ましくは、液晶ディスプレイ用のバックライト向けの冷陰極蛍光ランプである。
【0042】
本発明の冷陰極蛍光ランプは、前述した通りの、仕事関数の低い電子放射性物質の粒子16が露出しているので、低電圧で放電が起こり、その結果、電極での電圧降下が少なく、したがって、低消費電力を達成することができる。しかも前記電子放射性物質の粒子は金属層中にその一部を埋め込まれているので、強固に固定されており、生産工程中の粒子脱落等の異常を防止できる。また、点灯中のイオン衝撃にも強く、長寿命であるという特徴を有している。例えば液晶ディスプレイ用のバックライト等に使われる冷陰極蛍光ランプ、もしくはその冷陰極蛍光ランプをバックライトとして用いたことを特徴とする液晶ディスプレイとして好適である。
【0043】
本発明の電極は基材金属層(B)と、電子放射性物質の粒子とそれを固定する固定金属層からなる金属層(A)とからなり、前記、酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粒子のうち少なくとも一部の粒子が、ホロー型電極の内表面に露出していることを構造上の特徴とする蛍光ランプ用の電極である。前記構造上の特徴を有しているので、以下に説明する粉末冶金、圧延とグラッド法等の手法を用いて容易に作製でき、しかも電子放射物質が金属により強固に固定されながらも、その一部が表面に露出しているので、その素材である薄板をその後塑性加工しても金属層(A)は電子放射物質が脱落することを抑制できる。この結果、電極表面に、実質的に仕事関数の低い状態下での電子放出が確保されることから、低消費電力で長寿命の蛍光ランプを安価に提供できる。
【0044】
本発明において、電子放射性物質のうち、希土類元素の六硼化物の中であっても、六硼化ランタン、六硼化セリウム(CeB6)は仕事関数も低く、しかも比較的産業上入手しやすいことから好ましい。また、前記希土類元素の六硼化物の粒子の大きさについては、金属層(A)の厚さとの関係、表面に露出させる量等により実験的に定めれば良い。発明者の検討結果に基づけば、金属層(A)の厚さが8〜20μm程度の場合には、平均粒子径が略3〜5μmが良好である。粒径1μm以下の小さい粒径だと分粒を繰り返す必要があるため、コストが高くなる。一方、粒径が大きいと粉末冶金後に圧延するのが難しくなる場合がある。
【0045】
蛍光ランプの電極に望まれる基本物性は、冷陰極蛍光ランプ内の水銀と反応し難いこと、封入ガスのArとNeガスのスパッタ率が小さいことが望まれる。そのために金属層(A)の固定金属は高融点金属も適している。
【0046】
基材金属層(B)については、希土類元素の六硼化物の粒子を含有する金属層(A)を保持するとともに、電極としての役割を達成するもので、前述の放電管用電極部材としての望まれる物性を満たすものが良い。金属層(A)の固定金属層と同材質であることが、使用時の熱履歴に原因する基材金属層(B)と金属層(A)との剥離等の異常発生を防止することから、好ましい。したがって、前述のように金属層(A)の固定金属層としてニッケル層を選択する場合には、基材金属層(B)についてもニッケルあるいはニッケル合金であることが好ましい。
【0047】
本発明の電極の製造方法によれば、複合電極材料金属(A)を製造するには、母体金属粉末と目的とした酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粉末を混ぜ焼結をさせる。
【0048】
その後、更に焼結物を熱間と冷間で圧延し、所定厚さの薄板金属層(A)を形成する。その後、基材金属層(B)材とグラッド法で貼りあわせた後、金属層(A)の表面を浅く機械研磨等で除去し、その板材を塑性加工することで本発明の電極を得ることができるので、高輝度で長寿命の蛍光ランプを安価に提供できる電極を提供できる特徴を有する。
【0049】
本発明において、電子放射性物質を含有する金属層(A)を形成させる方法として、粉末の母体金属50%から95%と粉末の電子放射性物質を50%から5%の割合で一様になるように混合し、板状に成形して焼結する。焼結温度、粉末の粒径、空孔率等はその後の圧延工程での条件に強く影響を与えるので、実験的に圧延し易い条件を探す。電子放射性物質が少ないと圧延は容易になるが、冷陰極蛍光ランプ電圧を低減させる効果は少なくなるので、出来るだけ電子放射性物質の割合は大きいことが望まれる。
【0050】
グラッドした金属層(A)中に分散している、電子放射性物質の粒子の表面は固定金属で覆われている場合がある。このため、電子放射性物質の粒子の低仕事関数の物理特性を利用するためには、表面の固定金属を取り除き、それらの電子放射性物質の粒子を金属層(A)の表面に露出させることが好ましい場合がある。
【0051】
本発明において、固定金属層の表面の一部を除去することにより、前記酸化物あるいは希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させる方法については、機械的研磨或いはエッチングが適当である。除去深さも数ミクロン程度と少量であること、更に酸化物あるいは希土類元素の六硼化物の粒子は露出させることを意図するものであり、これをなるべく除去しないような加工方法が望まれる。酸化物あるいは六硼化ランタンの露出割合は凡そ粉末の混合比の値になる。
【0052】
機械的研磨の研磨材としてはシリカあるいはざくろ石が好ましい。サンドブラスト法ではシリカ、鋳鋼、エメリまたはガラスビーズなどの小球を研磨材として、圧縮空気またはインペラの遠心力を利用して噴きつけ、表面の固定金属層を取り除く。電子放射性物質として酸化物あるいは六硼化ランタン(LaB6)微粒子が分散しているニッケル(Ni)層を例にとると、酸化物あるいはLaB6の方がNiより硬いので、表面からの機械的研磨もしくはサンドブラストによりLaB6粒子が表面に露出した状態が実現できる。
【0053】
機械的研磨は、コストが安く簡便であり、研磨の精度を出しやすい、めっき層の表面状態によらず、平面度を精度良く出すことができる等の特徴を有し、固定金属層の表面の一部を除去することにより、前記酸化物あるいは希土類元素の六硼化物粒子の少なくとも一部を露出させる方法として望ましい。
【0054】
また、湿式エッチング法は固定金属を選択的にエッチングすることが可能で、特別の装置が不要であり安価に多量の処理ができ、大量生産に適する特徴がある。この方法は電子放射性物質の粒子の少なくとも一部を露出させることができる。
【0055】
表面の僅かな固定金属を取り除き、酸化物あるいは六硼化物の粒子の表面を露出させた後、洗浄し、乾燥させる。
【0056】
この製造方法によれば、従来のホロー形状に形成した後に、一個毎にその内面に電子放出性物質を塗布する方法に比べて格段に工数の低減が可能であり、低価格化が実現できる。さらに、単純な円筒ホロー型のみならず、例えば、複数の凹部を有する形状、テーパ状などの複雑な形状の電極部材の提供も可能となる。
【0057】
本実施形態では基材金属層(B)を用いた放電管用電極部材を示したが金属層(A)だけの構成も可能である。また、金属層(A)中の電子放射性物質を露出させるために固定金属を削る工程も必ずとも必要としない。
【0058】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内でいろいろの変形を採ることができる。例えば、ガラス管の内径、長さ、電極間距離、陰極の外形、長さ、エミッタ層の厚さなども適宜選択できる。
【0059】
【実施例】
(実施例及び比較例)
前記電極20を用いて、図4に例示される冷陰極蛍光ランプを作製し本発明の実施例とした。また、比較の例として、本発明の電極部材を用いていない冷陰極蛍光ランプ(ニッケル電極を使用)も作製し、冷陰極蛍光ランプの効率を表す特性として重要な電極降下電圧を従来のニッケル電極と対比測定した。電極降下電圧は蛍光ランプの全長を変化させ、直流電圧を蛍光ランプに印加してランプ電圧を測定し求めた。その結果、従来公知の蛍光ランプが120Vに比較して、本発明の蛍光ランプにおける電圧降下は100Vから90Vと約20%も小さく、低消費電力が達成された。本発明品が優れることが明白である。
【0060】
【発明の効果】
本発明の放電管用電極部材は電子放出が容易であり、しかも長寿命である特徴を有するので高性能である。したがって、高性能な放電管および液晶ディスプレイを提供できる。したがって、産業上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグラッド材の構造図である。
【図2】本発明に係る電極の構造図である。
【図3】本発明の電極材料を作製する際の主なフローチャート図の一例である。
【図4】本発明に係る冷陰極蛍光ランプの構造図である。
【符号の説明】
1 ガラス管、2 蛍光体、3 エミッタ層(希土類元素の六硼化物粒子を含有する金属層(A))、4 Ni層(基材金属層(B))、5 導入線、6 ガラスビーズ、10 グラッド材、12 基材金属層(B)、14 エミッタ層(金属層(A))、16 六硼化ランタン粒子、20 電極、20a 電極部材、30 冷陰極蛍光ランプ。
Claims (13)
- 放電管内に設置される電極の放電部となる金属層(A)を含む放電管用電極部材において、
前記金属層(A)は、電子放射性の酸化物または希土類元素の六硼化物のうち少なくとも一方の粒子と、前記粒子を固定する固定金属層からなり、
前記粒子の少なくとも一部は前記金属層(A)の表面に露出していること、
を特徴とする放電管用電極部材。 - 前記金属層(A)が基材金属層(B)の上に形成され、前記金属層(A)が前記基材金属層(B)によって保持されていること、
を特徴とする請求項1記載の放電管用電極部材。 - 前記電子放射性の酸化物は酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリュム(Y2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化バリュム(BaO)のうち少なくともいずれか1つであること、
を特徴とする請求項1または2記載の放電管用電極部材。 - 前記希土類元素の六硼化物は、六硼化ランタン(LaB6)または六硼化セリウム(CeB6)であること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか1つ記載の放電管用電極部材。 - 前記固定金属層はニッケル(Ni)または高融点金属であること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか1つ記載の放電管用電極部材。 - 前記基材金属層(B)がニッケル(Ni)またはニッケル合金であること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか1つ記載の放電管用電極部材。 - 前記電極部材がホロー型の電極部材であること、
を特徴とする請求項1から6のいずれか1つ記載の放電管用電極部材。 - 請求項1から7のいずれか1つ記載の放電管用電極部材の製造方法において、
電子放射性の酸化物または希土類元素の六硼化物のうち少なくとも一方の粒子と、前記粒子を固定する固定金属の粉末とを、混合した粒子混合物を作成し、
前記粒子混合物を粉末冶金法で焼結して焼結物とし、
前記焼結物を圧延して、板材に加工し、金属層(A)とすること、
を特徴とする放電管用電極部材の製造方法。 - 前記金属層(A)と基材金属層(B)をグラッド法で貼りあわせてグラッド材とし、
前記グラッド材を所望の板厚になるまで圧延し、
前記放電管用電極部材の形状に加工されてなること、
を特徴とする請求項8記載の放電管用電極部材の製造方法。 - さらに前記グラッド材は金属層(A)の表面の一部を、機械研磨、サンドブラスト法又はエッチングのうち少なくとも1つの方法で処理することで、前記粒子の少なくとも一部を金属層(A)の表面に露出させること、
を特徴とする請求項9記載の放電管用電極部材の製造方法。 - 請求項8から10記載の放電管用電極
部材の製造方法を用いて形成される放電管用電極部材。 - 請求項1から6、または請求項11のいずれか1つ記載の放電管用電極を用いてなることを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
- 請求項12記載の冷陰極蛍光ランプをバックライトとして用いたことを特徴とする液晶ディスプレイ。
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