JP5265993B2 - 改質アスファルトおよび2液型樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、改質アスファルトおよび2液型樹脂組成物に関する。
従来、石油アスファルトは、道路舗装材、乳剤、制振材などに広く用いられている。ところで、日本アスファルト協会の協会誌に掲載されている石油アスファルト需給統計資料や経済産業省(旧通商産業省)の石油統計速報によると、石油アスファルトの国内の需給バランスは、1998年頃までは需要、供給共に600万トン以上あり、ほぼ拮抗していた。しかしながら、2000年頃から需要、供給共に600万トンを割り、しかも供給過剰の傾向が見え始め、2007年には供給が500万トン強あるものの、需要は300万トン強と落ち込みが激しく、供給過剰がさらに拡大している。
こうした供給過剰は今後も継続するとみられ、石油製品の値上がりが止まらない昨今、上記石油アスファルトの用途拡大が求められている。上記石油アスファルトとしては、例えばストレートアスファルトが安定して安価な材料として供給されている。建設物価などによれば、前記ストレートアスファルトの市場取引価格は、タンクローリ1台分で6万円前後(1kgあたり約6円)であり、その運賃代が材料価格と同程度である。このように、前記ストレートアスファルトは極めて安価な材料である。
なお、上記ストレートアスファルトは、ノルマルペンタンに可溶のマルテン(ペトローレン)と、ノルマルペンタンには不溶のアスファルテンとからなり、該マルテンはレジン成分とオイル成分とに分けることができる。ストレートアスファルトは、前記マルテン中のオイル成分中に、マルテンのレジン成分で覆われたアスファルテンがコロイド状に浮遊している構造を有すると推定されている。しかしながら、ストレートアスファルトは天然材料(石油精製時の高沸点溜分)であるため、化学的組成は明らかにされておらず、脂肪族炭化水素化合物の集合体であると推定されている。
上記ストレートアスファルトは、通常は常温でほぼ固体であるため、プロセスオイルなどを用いて液状化した後、固形化して硬化物とし、上記の道路舗装材、合材、乳剤、制振材などに用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようにして得られた硬化物は、保存安定性、耐熱性および耐水性;硬度などの機械強度に劣るという問題がある。
上記問題に対しては、改質剤を用いてストレートアスファルトの上記特性を改善することが提案されている。例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル共重合体またはエチレン/共役ジエン共重合体と、不飽和ジカルボン酸とのグラフト変性重合体;ポリエチレンまたはポリプロピレンと、不飽和ジカルボン酸とのグラフト変性重合体;ブロック共重合体などのIPN手法(interpenetrating polymer network)により得られるポリマーアロイ化合物;スチレン/共役ジエン共重合体などが、排水性舗装材用アスファルトの改質剤として知られている。(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、特許文献5には、ストレートアスファルト、および該アスファルトに対して相溶性を有するビスフェノールA系エポキシ樹脂と変性脂肪族アミンとからなる反応性溶剤を混合してなる改質アスファルト混合物は、製造および施工段階において粘度低減効果が大きく、該混合物を舗装材として用いた場合には所定強度を発現させることができると記載されている。
しかしながら、これらの改質剤を用いて得られる改質ストレートアスファルトは、長期間にわたる保存安定性に欠けるという問題がある。
また、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などを用いてストレートアスファルトを改質する方法が知られている。しかしながら、ストレートアスファルトなどの非極性材料は、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などの極性材料とは相溶性が悪く分離してしまうため、均質で固い硬化物が得られない。この原因は、上述したようにストレートアスファルトが脂肪族炭化水素化合物の集合体で、電荷的に分子内非極性であることによるもので、水と油とが混ざらないことと似た原因によると考えられている。
以上の理由から、ストレートアスファルトを、極性材料であるウレタン樹脂やエポキシ樹脂などの汎用合成樹脂を用いた、接着剤、塗料、床材、防水材など多岐に渡る汎用化学製品に応用することは困難である。このため、上述したようにストレートアスファルトは主に道路舗装材としての合材や乳剤など、用途が限定されているのが現状である。
上記問題に対しては、アスファルト、ポリオール、HLBが約13〜18の界面活性剤および可塑剤を用いて混合乳化して得られるアスファルト・ポリオール乳化物が、極性材料との相溶性が改善された改質アスファルトとして提案されている(例えば、特許文献6参照)。前記特許文献には、アスファルトとポリオールとの相溶性が改善されるため、素材として前記アスファルト・ポリオール乳化物を用い、反応剤として例えばイソシアネートなどを用いて得られたウレタン・アスファルトが、防水材、床材、その他種々の工業分野に使用することができると記載されている。
特開2000−239527号公報 特開昭61−152764号公報 特開2002−020626号公報 特開2006−143954号公報 特開平07−118541号公報 特開昭62−218448号公報
しかしながら、上記特許文献6に開示されているアスファルト・ポリオール乳化物におては、HLBの高い界面活性剤が用いられている。このため、アスファルトとHLBの高い界面活性剤との相溶性は低いと考えられ、恐らくアスファルトを強制乳化してペースト状のアスファルトを得たのではないかと推定される。
すなわち、上記特許文献6に開示された技術は、アスファルトとポリオールとの相溶性が改善された訳ではなく、強制乳化によってアスファルトをポリオール中に粒子状に分散させて、該アスファルトをポリオールから分離しにくくしたものであると推定される。
また、上述のようにアスファルトは非極性材料であり、オレフィン樹脂以外の材料には相溶性が低く分離してしまう。このため、アスファルトは加熱すればプロセスオイルや可塑剤に溶解するものの、極性材料を用いた組成物に配合することはできない。
例えば、アスファルトに替わる材料として、特公平1−40866号公報および特公平1−40871号公報には、アロマ基プロセスオイル重合物を配合したスラブ軌道充填用組成物や軌道構造物充填用組成物が記載されている。しかしながら、前記アロマ基プロセスオイル重合物はアロマ基プロセスオイルを環化重合して得られるため、コストにおいてストレートアスファルトの15倍以上になり、さらには化学反応を経由しなければ該アロマ基プロセスオイル重合物を得ることができない。
このため、上記文献に記載のアロマ基プロセスオイル重合物などの合成系材料をスラブ軌道充填用組成物などに配合することは経済的には困難であり、ストレートアスファルトなどの極めて安価な材料を用いる必要がある。
本発明は、ポリオール、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂などの極性材料との相溶性に優れ、鉄道の軌道充填材、接着剤、塗料、床材、防水材などの用途に適用可能な、安価な改質アスファルトを提供することを目的とする。
また、本発明は、主剤と硬化剤とからなる2液型樹脂組成物であって、安価で保存安定性、硬度などの機械強度に優れる硬化物を製造可能な2液型樹脂組成物を提供することを目的とする。
上述したように、アスファルトを、ポリオール、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂などの極性材料からなる汎用合成樹脂に配合する場合には、汎用合成樹脂に対する該アスファルトの分散性および相溶性の改質が必要である。
本発明者らは、従来用いられている界面活性剤を鋭意検討した。その結果、特定の構成単位を有する共重合体が、ストレートアスファルトやブローンアスファルトなどのアスファルト(非極性材料)に対する親和性、およびポリエーテルポリオールなどのポリオール(極性材料)に対する親和性が極めて優れていることを見出した。
そして、上記共重合体を界面活性剤として用いることで、例えば多官能で水酸基価(OHV)の高いポリエーテルポリオールなどの極性材料に対する、ストレートアスファルトやブローンアスファルトなどの非極性材料の分散性および相溶性が改善されるのである。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[11]からなる。
[1](A)アスファルト、(B)粘度低減剤、ならびに(C)ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位と、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位とを有する共重合体を含有する改質アスファルト。
[2]前記アスファルト(A)が、JIS K2207で定められるストレートアスファルト(A1)である前記[1]に記載の改質アスファルト。
[3]前記アスファルト(A)が、JIS K2207で定められるブローンアスファルト(A2)である前記[1]に記載の改質アスファルト。
[4]前記粘度低減剤(B)が、プロセスオイルである前記[1]〜[3]の何れかに記載の改質アスファルト。
[5]下記(A)〜(E)を含有する主剤と、下記(F)を含有する硬化剤とからなる2液型樹脂組成物。(A)アスファルト、(B)粘度低減剤、(C)ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位と、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位とを有する共重合体、(D)ポリオレフィンポリオール、(E)ポリエーテルポリオール、(F)ジイソシアネート。
[6]前記アスファルト(A)が、JIS K2207で定められるストレートアスファルト(A1)である前記[5]に記載の2液型樹脂組成物。
[7]前記アスファルト(A)が、JIS K2207で定められるブローンアスファ
ルト(A2)である前記[5]に記載の2液型樹脂組成物。
[8]前記粘度低減剤(B)が、プロセスオイルである前記[5]〜[7]の何れかに記載の2液型樹脂組成物。
[9]前記主剤が、さらに体質顔料(G)を含有する前記[5]〜[8]の何れかに記載の2液型樹脂組成物。
[10]前記主剤が、さらに合成ゼオライト(H)を含有する前記[9]に記載の2液型樹脂組成物。
[11]鉄道の軌道充填材用である前記[5]〜[10]の何れかに記載の2液型樹脂組成物。
本発明の改質アスファルトは、ポリオール、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂などの極性材料との相溶性に優れ、鉄道の軌道充填材、接着剤、塗料、床材および防水材などの用途に適用可能であり、またコストパフォーマンスにも優れる。
また、本発明の主剤と硬化剤とからなる2液型樹脂組成物を用いることにより、安価で保存安定性、硬度などの機械強度に優れる硬化物を製造でき、該硬化物は鉄道の軌道充填材、接着剤、塗料、床材および防水材、特に鉄道の軌道充填材として好適に用いられる。
以下、本発明の改質アスファルト、および主剤と硬化剤とからなる2液型樹脂組成物について詳細に説明する。これらは、何れも界面活性剤として後述する特定の共重合体(C)を用いることを特徴とする。共重合体(C)を界面活性剤として用いることにより、ポリオール、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂などの極性材料が配合された汎用合成樹脂に対する、アスファルトの分散性および相溶性が改善される。
〔改質アスファルト〕
本発明の改質アスファルトは、アスファルト(A)、粘度低減剤(B)および共重合体(C)を含有する。また、任意成分として各種の添加剤を含有してもよい。
<アスファルト(A)>
アスファルト(A)としては、ストレートアスファルト(A1)およびブローンアスファルト(A2)が挙げられる。なお、本発明において、ストレートアスファルトおよびブローンアスファルトとは、それぞれJIS K2207「石油アスファルト」で定められる「ストレートアスファルト」および「ブローンアスファルト」を指す。
ストレートアスファルト(A1)としては、例えば、JIS K2207で定められるストレートアスファルト20〜40、ストレートアスファルト40〜60、ストレートアスファルト60〜80、ストレートアスファルト150〜200が挙げられる。
ストレートアスファルト(A1)の針入度は、その値が上記範囲(例えば20〜40)に示されるように小さいほど、該アスファルトを含有する改質アスファルトを用いた硬化物の硬度が高くなり、その値が上記範囲(例えば150〜200)に示されるように大きいほど、該硬化物の硬度が低くなる。
また、ストレートアスファルト(A1)と粘度低減剤(B)との混合比率が同じであれば、本発明の改質アスファルトの粘度は、針入度が小さいほど高くなり、針入度が大きいほど低くなる。このため、得られる硬化物の硬度を考慮すると、ストレートアスファルト
(A1)としては、ストレートアスファルト40〜60が特に好ましい。
ブローンアスファルト(A2)としては、例えば、JIS K2207で定められるブローンアスファルト10〜20、ブローンアスファルト20〜30、ブローンアスファルト30〜40が挙げられる。
なお、ブローンアスファルトはストレートアスファルトに比べて、空気が吹込まれ、加熱および酸化重合されて融点が高くなっている。このため、後述する改質アスファルトの用途を考慮すると、加工の点から、ブローンアスファルト20〜30、ブローンアスファルト30〜40などの軟化点の低いブローンアスファルトが好ましい。
本発明において、アスファルト(A)としてストレートアスファルト(A1)を用いる場合、改質アスファルト中のストレートアスファルト(A1)の含有量は、各成分を配合する際の流動性を考慮すると、通常は70重量%以下、好ましくは65重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。なお、アスファルト(A1)の含有量の下限値は、通常は25重量%、好ましくは30重量%である。
本発明において、アスファルト(A)としてブローンアスファルト(A2)を用いる場合、改質アスファルト中のブローンアスファルト(A2)の含有量は、各成分を配合する際の流動性を考慮すると、通常は55重量%以下、好ましくは52重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。なお、ブローンアスファルト(A2)の含有量の下限値は、通常は25重量%、好ましくは30重量%である。
ストレートアスファルト(A1)はブローンアスファルト(A2)と比較して軟化点が低く、またコストパフォーマンスにも優れるので、改質アスファルト中の該アスファルト(A1)の含有量を大きくすることができる。このため、アスファルト(A)としてストレートアスファルト(A1)を用いることにより、改質アスファルトの粘度を幅広く調整することができる。
<粘度低減剤(B)>
粘度低減剤(B)としては、例えば、プロセスオイル;脂肪酸エステル類;リン酸エステル類;エポキシエステル類;ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)などの芳香族二塩基酸エステル類;ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、ジオクチルセバケート(DOS)などの脂肪族二塩基酸エステル類などの可塑剤が挙げられる。前記芳香族二塩基酸エステル類および脂肪族二塩基酸エステル類は、沸点および引火点が200℃以上であることが好ましい。
また、粘度低減剤(B)としては、上記脂肪酸エステル類、リン酸エステル類、エポキシエステル類、芳香族二塩基酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類などの誘導体を用いてもよい。
これらの中ではプロセスオイルがコスト的に好ましい。前記プロセスオイルとしては、具体的にはパラフィン、ナフテン、アロマの3系統が商品化されている。これらの中ではアニリン点が低いアロマ系プロセスオイルが、分子内極性を有する極性材料に対して良好な相溶性を示し、コスト的にも優れるため特に好ましい。ここで、前記プロセスオイルは、天然ゴムおよび合成ゴムなどの加工油、展延剤、熱可塑性樹脂の可塑剤、印刷インキの成分、アスファルトの軟化剤などに使用される潤滑油または溶剤である。
本発明において、アスファルト(A)としてストレートアスファルト(A1)を用いる場合、改質アスファルト中の粘度低減剤(B)の含有量は、各成分を配合する際の流動性を考慮すると、通常は20重量%以上、好ましくは30〜65重量%、より好ましくは35〜65重量%である。
また、アスファルト(A)としてブローンアスファルト(A2)を用いる場合、改質アスファルト中の粘度低減剤(B)の含有量は、各成分を配合する際の流動性を考慮すると、通常は35重量%以上、好ましくは40〜65重量%、より好ましくは45〜65重量%である。
<共重合体(C)>
共重合体(C)は、ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位と、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位とを有する共重合体である。
共重合体(C)を構成するポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位と、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位とのモル比は、通常は約1:1:1程度である。共重合体(C)の各構成単位のモル比が前記程度であると、アスファルトなどの非極性材料や後述するポリエーテルポリオールなどの極性材料に対する親和性に優れる。
また、共重合体(C)は本発明の目的を損なわない範囲で、上記構成単位以外の構成単位、例えば、α−オレフィン、イソブチレン、酢酸ビニル、アリルスルホン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの重合性不飽和単量体に由来する構成単位を有してもよい。
共重合体(C)は、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位を有するため、アスファルト(A)に対して親油性を有し、かつカルボニル基(−CO−)、エーテル基(−C−O−C−)およびエステル基(−CO−O−)などの極性基を有するため、極性材料に対しても親和性を有する界面活性作用のある共重合体である。
このため、本発明において共重合体(C)を界面活性剤として用いることで、例えば多官能で水酸基価(OHV)の高いポリエーテルポリオールなどの極性材料に対する、アスファルト(A)の分散性および相溶性が改善される。
ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)としては、ポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテルなどが挙げられる。また、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記のようにポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)が用いられるが、該ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)に代えて、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(c1')を用いることも可能である。
不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸が挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸の無水物としては、前記不飽和ジカルボン酸の無水物、例えば、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水シトラコン酸が挙げられる。これらの中では、特に無水マレイン酸が好ましい。また、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル化合物(c3)としては、例えば、スチレン、1−メチルスチレン、2−
メチルスチレン、3−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタリンが挙げられる。これらの中では、スチレンが特に好ましい。また、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の改質アスファルトを後述する鉄道の軌道充填材用の2液型樹脂組成物に用いる場合には、該組成物は通常は水溶性を示さないことから、以上の共重合体(C)の中では、(1)ポリプロピレングリコールアリルエーテル由来の構成単位、無水マレイン酸由来の構成単位、およびスチレン由来の構成単位からなる共重合体、(2)ポリエチレングリコールアリルエーテル由来の構成単位、無水マレイン酸由来の構成単位、およびスチレン由来の構成単位からなる共重合体が好ましく、該共重合体(1)が特に好ましい。
上記共重合体(1)としては、例えばマリアリムAAB−0851(商品名、日油(株)製)が挙げられ、上記共重合体(2)としては、例えばマリアリムAKM−0531(商品名、日油(株)製)が挙げられる。
共重合体(C)は、例えば、上記のポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)と、芳香族ビニル化合物(c3)とを含有する単量体混合物を用いて、従来公知の方法に従ってこれらの単量体を共重合することにより得ることができる。
共重合体(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法により測定される重量平均分子量は、ポリスチレン換算で通常は15000〜60000の範囲にある。
本発明において、改質アスファルト中の共重合体(C)の含有量は、通常は0.5〜7重量%、好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の範囲にある。共重合体(C)の含有量が前記範囲にあると、上述したようにアスファルト(A)の極性材料に対する分散性および相溶性が改善される。また、本発明で用いられる共重合体(C)と類似の構成を有する共重合体は通常はコストが高いために、アスファルトに多量に配合することができない。しかしながら、本発明で用いられる共重合体(C)は、前記のように少量でアスファルト(A)を改質することができ、極めてコストパフォーマンスに優れるのである。
共重合体(C)の含有量が上記範囲を超えると、例えば本発明の改質アスファルトを後述する鉄道の軌道充填材用の2液型樹脂組成物に用いた場合、後述する架橋反応の反応モル比(NCO/OHインデックス)が所定の範囲から外れ、該組成物が充分に硬化しないことがある。一方、共重合体(C)の含有量が上記範囲を下回ると、アスファルト(A)の極性材料に対する分散性および相溶性の改質が充分ではないことがある。
以下、共重合体(C)が界面活性剤として好適に用いられる理由について説明する。アスファルト(A)のソルビリティーパラメーター(SP値)は、8〜9の範囲にあると推定されている。ここでSP値とは溶解性を表す指標であり、2つの成分のSP値の差が小さいほど、溶解度が大となること(相溶性が高くなること)が経験的に知られている。
例えば、アスファルト(A)は、ポリエチレン(SP値8.1)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル由来の構成単位の含有量が約20重量%のものでSP値約9.0)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(アクリル酸エチル由来の構成単位の含有量が約20重量%のものでSP値約8.9)、ポリブタジエン(SP値8.5。但しポリブタジエンポリオールのSP値は9〜10)などのオレフィン樹脂(非極性材料)にある程度の相溶性を示す。
一方、アスファルト(A)は、エポキシ樹脂(ビスフェノール型のSP値は11)、ウ
レタン樹脂(多官能、高い水酸基価を有するポリエーテルポリオールのSP値は約14)などのSP値の高い合成樹脂に対しては、相溶性が非常に悪い(参考として示すなら、水のSP値は23.4、オイル成分のSP値は8〜10である)。
しかしながら、共重合体(C)はポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位とを有するので、共重合体(C)と、SP値が高い後述するポリエーテルポリオール(E)などの極性材料との相溶性が改善される。
また、共重合体(C)は芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位を有するので、共重合体(C)と、SP値が低いアスファルト(A)、粘度低減剤(B)および後述するポリオレフィンポリオール(D)などの非極性材料との相溶性が改善される。
なお、共重合体(C)の代わりにポリエチレングリコールアルキルエーテルおよびポリエチレングリコールアルキルエステルなどの非イオン系でHLBの低い界面活性剤を単独で用いた場合は、アスファルト(A)に対する該界面活性剤の配合量を多くしなければ上述の効果は発現されず、実質的には使用することが困難である。
また、共重合体(C)の代わりに非イオン系でHLBの高い界面活性剤を単独で用いた場合は、該界面活性剤は親水基として多量の水酸基やカルボキシル基を有するため、これをアスファルト(A)に多量に配合すると、後述する2液型樹脂組成物において硬化剤として用いられるジイソシアネート(F)と反応するなどの問題が生じることがある。
<添加剤>
本発明の改質アスファルトには、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、老化防止剤、難燃剤などの添加剤を配合してもよい。また、改質アスファルトの硬度を調整するために、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、およびこれらの水添樹脂類を配合してもよい。さらに、本発明の改質アスファルトを鉄道の軌道充填材の原料として使用する場合には、砂利などを配合してもよい。
また、本発明の改質アスファルトには、本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外の熱可塑性樹脂、例えば、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、アタクチックポリプロピレン、1,2−ポリブタジエンなどの重合体を配合してもよい。
<改質アスファルトの製造>
本発明の改質アスファルトの製造条件は、上述の各成分の種類により適宜設定すればよい。例えば、アスファルト(A)としてストレートアスファルト40−60を用いる場合、ストレートアスファルト40−60と粘度低減剤(B)とを混合した際の液温が70〜75℃となるように調節すると、均質な混合物が得られる。前記範囲に液温を調節するには、例えば、ストレートアスファルト40−60の液温を80℃以上、粘度低減剤(B)の液温を60℃程度に設定すればよい。ストレートアスファルト40−60は液温が80℃以上であれば流動性を有するため、作業性が向上する。
また、アスファルト(A)として、タンクローリにより入荷したアスファルトを直接使用する場合には、該アスファルトの液温は通常は150〜160℃である。このため、粘度低減剤(B)を加熱する必要はなく、逆に粘度低減剤(B)を冷却しながら前記アスファルトに配合すればよい。
また、共重合体(C)は、該共重合体(C)の変質を避けるために、アスファルト(A)および粘度低減剤(B)と混合した際の液温が好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下となるように配合される。
<改質アスファルトの用途>
本発明の改質アスファルトは、多官能で水酸基価(OHV)の高い(例えば、200以上)ポリエーテルポリオールなどの極性材料に対する分散性および相溶性が改善され、長期安定性に優れる。このため、後述するように鉄道の軌道充填材の原料として好適に用いることができる。
また、本発明の改質アスファルトは、極性が付与された各種の合成樹脂、具体的にはウレタン樹脂やエポキシ樹脂に配合可能である。このため、前記ウレタン樹脂やエポキシ樹脂などの2液型反応性樹脂を用いた汎用化学製品、例えば、接着剤、塗料、床材、防水材などの原料としても好適に用いられる。
〔2液型樹脂組成物〕
本発明の2液型樹脂組成物は、主剤と硬化剤とからなる。前記主剤は、アスファルト(A)、粘度低減剤(B)、共重合体(C)、ポリオレフィンポリオール(D)およびポリエーテルポリオール(E)を含有する。また、前記主剤は任意成分として体質顔料(G)を含有してもよく、さらに合成ゼオライト(H)を含有してもよい。また、前記硬化剤は、ジイソシアネート(F)を含有する。
以下、本発明の2液型樹脂組成物の利点について記載する。粘度低減剤(B)により液状化されたアスファルト(A)は、ジイソシアネート(F)に対して非反応性の液状成分である。前記非反応性の液状成分は、ジイソシアネート(F)に対して反応性の液状成分であるポリオレフィンポリオール(D)およびポリエーテルポリオール(E)に完全に相溶することはない。この状態においてポリオレフィンポリオール(D)およびポリエーテルポリオール(E)が、ジイソシアネート(F)と反応して硬化した場合、その時点から前記の非反応性の液状成分が経時的に硬化物表面に滲出・発汗することがある。
これは、硬質塩化ビニルにジオクチルフタレート(DOP)などの可塑剤が配合された軟質塩化ビニルにおいて、老化により該可塑剤が滲出・発汗して脆化することと類似する現象である。
しかしながら、本発明の2液型樹脂組成物は、上述したように界面活性剤として作用する特定の共重合体(C)を用いるため、分子内極性の小さいアスファルト(A)と、分子内極性の大きいポリエーテルポリオール(E)とが均質に混ざり合う。このため、品質が安定した発汗性の小さい良質な硬化物が得られ、該硬化物は長期間に渡って安定した物理性能を発揮するのである。
≪主剤≫
本発明の2液型樹脂組成物を構成する主剤は、アスファルト(A)、粘度低減剤(B)、共重合体(C)、ポリオレフィンポリオール(D)およびポリエーテルポリオール(E)を必須成分として含有し、さらに体質顔料(G)および合成ゼオライト(H)を任意成分として含有してもよい。
上記主剤は、好ましくは上述の改質アスファルト、ポリオレフィンポリオール(D)およびポリエーテルポリオール(E)を必須成分として、粘度低減剤(B)、体質顔料(G)および合成ゼオライト(H)を任意成分として混合することにより得られる。その混合割合は、上述の各成分の含有量が後述する範囲となるように混合される。前記成分を混合
する方法としては、例えば高速ディスパーなどを用いる方法が挙げられる。
<アスファルト(A)>
アスファルト(A)としては、上述の改質アスファルトで用いられるアスファルト(A)と同様のアスファルトを用いることができる。
本発明において、2液型樹脂組成物を構成する主剤中のアスファルト(A)の含有量は、ストレートアスファルト(A1)を用いる場合には、通常は5〜45重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%の範囲にある。ストレートアスファルト(A1)の含有量が前記範囲にあると、作業性に優れる主剤が得られ、また機械強度に優れる硬化物が得られる。
また、ブローンアスファルト(A2)を用いる場合には、主剤中の該アスファルト(A2)の含有量は、通常は5〜40重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%の範囲にある。ブローンアスファルト(A2)の含有量が前記範囲にあると、作業性に優れる主剤が得られ、また機械強度に優れる硬化物が得られる。
<粘度低減剤(B)>
粘度低減剤(B)を用いる目的は、後述する体質顔料(G)などの無機粉末を多量に配合することによる2液型樹脂組成物を構成する主剤の粘度上昇を防ぐこと、および該樹脂組成物から得られる硬化物の硬化収縮を抑制することにある。
粘度低減剤(B)は、上述の改質アスファルトに用いる粘度低減剤(B)と同様のものが用いられ、プロセスオイルがコストパフォーマンスの点から好ましく、パラフィン、ナフテン、アロマの3系統が商品化されている。これらの中ではアニリン点が低いアロマ系プロセスオイルが、極性材料に対してもある程度良好な相溶性を示し、コストパフォーマンスにも優れるため最も好ましい。
本発明において、2液型樹脂組成物を構成する主剤中の粘度低減剤(B)の含有量は、通常は10〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、より好ましくは20〜30重量%の範囲にある。粘度低減剤(B)の含有量が前記範囲にあると、主剤が適度な流動性を有し、作業性に優れる。
<共重合体(C)>
共重合体(C)は、上述の改質アスファルトで用いられる共重合体(C)と同様であり、ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位と、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位とを有する共重合体である。
特に本発明の2液型樹脂組成物を鉄道の軌道充填材の原料として用いる場合には、該組成物は通常は水溶性を示さないことから、共重合体(C)の中では、(1)ポリプロピレングリコールアリルエーテル由来の構成単位、無水マレイン酸由来の構成単位、およびスチレン由来の構成単位からなる共重合体、(2)ポリエチレングリコールアリルエーテル由来の構成単位、無水マレイン酸由来の構成単位、およびスチレン由来の構成単位からなる共重合体が好ましく、該共重合体(1)が特に好ましい。
上記共重合体(1)としては、例えばマリアリムAAB−0851(商品名、日油(株)製)が挙げられ、上記共重合体(2)としては、例えばマリアリムAKM−0531(商品名、日油(株)製)が挙げられる。
本発明において、2液型樹脂組成物を構成する主剤中の共重合体(C)の含有量は、通常は0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲にある。共重合体(C)の含有量が前記範囲にあると、上述したように極性材料に対するアスファルト(A)の分散性および相溶性が改善される。また、本発明で用いられる共重合体(C)と類似の構成を有する共重合体は通常はコストが高いために、アスファルトに多量に配合することができない。しかしながら、本発明で用いられる共重合体(C)は、前記のように少量でアスファルト(A)を改質することができ、コストパフォーマンスに極めて優れるのである。
共重合体(C)の含有量が上記範囲を超えると、例えば本発明の2液型樹脂組成物を硬化させる際に、後述する架橋反応の反応モル比(NCO/OHインデックス)が所定の範囲から外れ、充分に硬化しないことがある。一方、共重合体(C)の含有量が上記範囲を下回ると、アスファルト(A)の極性材料に対する分散性および相溶性の改質が充分ではないことがある。
<ポリオレフィンポリオール(D)>
ポリオレフィンポリオール(D)は、非極性材料との相溶性に優れる。このため、2液型樹脂組成物から得られる硬化物において、ジイソシアネート(F)に対して非反応性のアスファルト(A)や粘度低減剤(B)の発汗を防止するためには組成上欠かすことができない成分である。
ポリオレフィンポリオール(D)としては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールが挙げられる。これらの中では、ポリブタジエンポリオールが好ましい。
また、ポリブタジエンポリオールの市販品としては、例えば、Poly−bd R45HT(商品名、出光興産(株)製、末端に第一級または第二級水酸基を有する、数平均分子量1200〜5300の液状ポリブタジエン)、Poly−bd R15HT(出光興産(株)製)、KRASOL−LBH1500、KRASOL−LBH2000、KRASOL−LBH2040、KRASOL−LBH3000、KARSOL−LBH−P3000、KRASOL−LBH−P5000、KRASOL−HLBH−P3000(以上、サートマー社製)が挙げられる。
ポリオレフィンポリオール(D)の水酸基価は、通常は20〜100の範囲にある。ポリオレフィンポリオール(D)の水酸基価が前記範囲にあると、その他の成分、特にポリエーテルポリオール(E)との相溶性に優れる。
本発明において、2液型樹脂組成物を構成する主剤中のポリオレフィンポリオール(D)の含有量は、通常は5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%の範囲にある。ポリオレフィンポリオール(D)の含有量が前記範囲にあると、目的とする非極性材料との相溶性能が得られるため好ましい。
<ポリエーテルポリオール(E)>
上述したように、ポリオレフィンポリオール(D)とアスファルト(A)とは優れた相溶性を示す。しかしながら、ジイソシアネート(F)と反応して硬化物の硬度を向上させるために配合される成分としてポリオレフィンポリオール(D)のみを用いるだけでは、軟質の硬化物しか得られないため、該硬化物を種々の用途に用いることは困難である。
このため、本発明においては、ジイソシアネート(F)と硬化反応して硬化物の硬度を向上させる成分として、ポリオレフィンポリオール(D)とともにポリエーテルポリオー
ル(E)が上記主剤に配合される。
ポリエーテルポリオール(E)としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールなどの水酸基数が3以上の多価アルコールに、プロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドを付加重合させた、水酸基価(OHV)が好ましくは300〜600、より好ましくは350〜450であり、水酸基数が3〜4のポリエーテルポリオールが挙げられる。これらの中では、ジイソシアネート(F)との反応性が高く、得られる硬化物の硬度を向上させる効果も大きいことから、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールにプロピレンオキサイドを付加重合させた、水酸基価(OHV)が好ましくは300〜500、より好ましくは350〜450のポリエーテルポリオールが特に好ましく用いられる。
また、ポリエーテルポリオール(E)としては、芳香族系のポリオールも用いられ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシルエチル)アニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシルプロピル)アニリンに、プロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキサイドを付加重合させたポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオール(E)の市販品としては、例えば、エクセノール400MP(旭硝子(株)製)、エクセノール410NE(同左)、アクトコールGR−89(三井化学ポリウレタン(株)製)、サンニックスHD402(三洋化成工業(株)製)、DKフレックス(第一工業製薬(株)製)、ボラノール391(ダウケミカル社製)、デスモヘンTS−450(バイエル社製)が挙げられる。これらの中では、水酸基価が上記の範囲にあるエクセノール400MPが好ましい。
本発明において、2液型樹脂組成物を構成する主剤中のポリエーテルポリオール(E)の含有量は、通常は3〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%の範囲にある。ポリエーテルポリオール(E)の含有量が前記範囲にあると、適当な強度を有する硬化物を得ることができる。
<体質顔料(G)>
本発明の2液型樹脂組成物において、体質顔料(G)は、該樹脂組成物から得られる硬化物の機械強度の補強、硬化収縮の抑制、およびコスト低下の目的で用いられる。
体質顔料(G)としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化珪素、含水二酸化珪素、含水二酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの粉末が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中では炭酸カルシウムの粉末が、産地の分布が広いこと、および硬度が低いため比較的簡単に粉砕でき(例えば、モース硬度では炭酸カルシウム:3、二酸化珪素:7)、粒度が低く粒径の揃った粉末を安価で入手できることから、特に好ましく用いられる。なお、前記炭酸カルシウムは、乾式粉砕により重質炭酸カルシウム粉末とすることが好ましい。
本発明において、2液型樹脂組成物を構成する主剤中の体質顔料(G)の含有量は、好ましくは1〜55重量%、より好ましくは30〜50重量%、さらに好ましくは35〜45重量%の範囲の範囲にある。体質顔料(G)の含有量が前記範囲にあると、主剤が流動性を有し、作業性に優れる。さらには硬化物の機械強度の補強効果が得られる。
なお、本発明の2液型樹脂組成物は、主剤と硬化剤とを混合することにより付加重合反
応が進行するため、硬化収縮は避けられない。例えば、鉄道の軌道充填材のように、コンクリート構造物が有する一定容積の空隙に注入して使用される材料の場合には、硬化後の収縮は、硬化物内に残留応力を発生させ、(1)硬化物内に亀裂が生じる、(2)コンクリート構造物からの剥離が生じる、(3)空隙内において該材料が注入不充分となり隙間が生じる、などの原因になることがある。
しかしながら、硬化物の硬化収縮を上記のような問題が生じないレベルに抑制することは可能である。例えば、2液型樹脂組成物を構成する主剤に任意成分として体質顔料(G)などの無機材料粉末を配合したり、ジイソシアネート(F)に対して非反応性の可塑剤などの液状樹脂を配合することによって上記問題は解決できる。また、分散性および相溶性が改善された上述の改質アスファルトや粘度低減剤(B)も硬化物の硬化収縮を抑制する作用がある。
<合成ゼオライト(H)>
本発明の2液型樹脂組成物において、主剤と硬化剤とを混合する段階において水分が混入し、該水分とジイソシアネート(F)との反応により炭酸ガスが発生し発泡することがある。しかしながら、任意成分として合成ゼオライト(H)を主剤に配合することで、水分が除去され、発泡を抑制防止することができる。
合成ゼオライト(H)としては、例えば、MeO・Al23・mSiO2・nH2Oの一般式で示されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の結晶性アルミノ珪酸塩が挙げられる。前記合成ゼオライトの市販品としては、例えば、モレキュラ−シーブス3A、4A、5A(商品名、ユニオンカーバイト社)が挙げられる。
合成ゼオライト(H)は、内部に無数の細孔を有し、水、炭酸ガス、アンモニア、炭化水素などの様々な分子を効率よく吸着することができる。前記細孔は、通常は3Å以上の分子を吸着できるように数段階に設定・製造・提供されている。
水の分子径は最も小さい分子径に分類され、合成ゼオライト(H)が有する細孔が3Å以上であれば吸着される。国際的に最も多量に生産されている4Å以上の細孔を有する合成ゼオライトがコスト的に最も有利であり、具体的にはモレキュラ−シーブス4A(商品名、ユニオンカーバイト社)などの、4Åの細孔を有する製品が最も好ましい。
本発明において、2液型樹脂組成物を構成する主剤中の合成ゼオライト(H)の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲にある。合成ゼオライト(H)の含有量が前記範囲にあると、体質顔料(G)などから混入した水分による発泡が防止されるため好ましい。
なお、合成ゼオライト(H)は上述のように水分吸着性が高く、長時間にわたってディスパーなどで主剤を攪拌すると、攪拌時に巻き込まれる湿気を吸着し飽和する可能性がある。このため、2液型樹脂組成物を構成する主剤を調製する際には、合成ゼオライト(H)以外の成分を充分に攪拌・混合した後に該合成ゼオライト(H)を配合することが好ましい。
<添加剤>
本発明において、ポリオレフィンポリオール(D)およびポリエーテルポリオール(E)と、ジイソシアネート(F)との架橋反応を促進するために、2液型樹脂組成物を構成する主剤に架橋反応触媒を添加してもよい。前記架橋反応触媒としては、アルキル酸エステル金属塩や塩基性化合物などのウレタン反応触媒、具体的にはジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレート、オクチル酸鉛、トリエチレンジア
ミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7が挙げられる。
≪硬化剤≫
本発明の2液型樹脂組成物を構成する硬化剤は、ジイソシアネート(F)を含有する。ジイソシアネート(F)は、ポリオレフィンポリオール(D)およびポリエーテルポリオール(E)を架橋する架橋剤として用いられる。
ジイソシアネート(F)としては、例えば、ポリメリックMDI(メチレンジフェニルジソシアネート)、カルボジイミド変性MDI;MDIおよび/またはTDI(トリレンジイソシアネート)と、グリコールまたはポリエーテルグリコールとの末端イソシアネートプレポリマー;該末端イソシアネートプレポリマーのMDI希釈物;HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)三量体、IPDI(イソフォロンジイソシアネート)、NBDI(ノルボナンジイソシアネート);HDI、HDI三量体、IPDIまたはNBDIと、グリコールまたはポリエーテルグリコールとのプレポリマーが挙げられる。これらの中では、ポリメリックMDIが性能およびコストパフォーマンスに優れるため、最も好ましく用いられる。
2液型樹脂組成物を構成する、ジイソシアネート(F)を含有する硬化剤は、主剤に含まれる水酸基(OH)数の合計と、硬化剤に含まれるイソシアネート基(NCO)数との比(NCO/OHインデックス)が、理論的には当量比が1となる量で用いられるが、通常は0.9〜1.2、好ましくは1.0〜1.2、より好ましくは1.05〜1.15の範囲となる量で用いられる。主剤に対する硬化剤の使用量が前記範囲にあると、性能が安定した硬化物が得られるため好ましい。
〔2液型樹脂組成物の用途、硬化物〕
本発明の2液型樹脂組成物は、通常は上述の主剤と硬化剤とから構成され、主剤と硬化剤とを公知の方法に準じて混合することにより硬化物を得ることができる。
本発明の2液型樹脂組成物は、鉄道高架橋のスラブ軌道およびマクラギ直結分岐軌道に用いられる、現場注入施工型の弾性合成樹脂材料として好適に用いられる。
また、本発明の2液型樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、例えば、鉄道の軌道充填材として好適に用いることができる。一例を挙げると、前記硬化物は、鉄道高架橋の橋面とレールとの間に設けられるコンクリート構造物を、該橋面に隙間無く据え付けるために用いられる。また、レールの熱膨張収縮や、曲線区間における車輌走行時の遠心力による横圧などによる荷重によってコンクリート構造物が破損することを防止するためにも用いられる。
具体的には、上記硬化物は、軌道スラブの突起部周りの充填材、分岐器における合成マクラギを路盤に据え付けるための不陸充填材、軌道スラブを路盤に据え付けるための不陸充填材、軌道スラブ下に不陸充填材として注入されたセメントアスファルトモルタルの凍害破損部の補修材、緩衝材などに用いられる。
ここで、路盤とは、鉄道の曲線区間における車輌走行時の遠心力により車輌が飛ばされないように内軌道および外軌道の高さを変えるため(いわゆる、カント)、または軌道スラブの移動防止突起を設置するために、鉄道高架橋の橋面上に打設された鉄道軌道のための鉄筋コンクリート路面を指す。
以下、実施例に基づいて本発明の改質アスファルトおよび2液型樹脂組成物をより詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1]
粘度低減剤(B):アロマ系プロセスオイル(出光興産製、ダイアナプロセスAC−12)(44.25重量部)をスチームジャケット付タンクに投入し、高速ディスパー(回転速度:1000〜1500rpm)で攪拌しながら約50℃に昇温し、続いて予め100℃に調整されたアスファルト(A):ストレートアスファルト40−60(55重量部)を該タンクに投入し、混合液を調製した。
次いで、上記混合液を攪拌しながら、スチームジャケットに冷却水を通して液温を約75℃から約50℃に下げた後、共重合体(C):マリアリムAAB−0851(商品名、日油(株)製、ポリプロピレングリコールアリルエーテルと無水マレイン酸とスチレンとの共重合体)(0.75重量部)を投入して約30分間攪拌して、さらに攪拌しながら再びスチームジャケットに冷却水を通して、液温が約25℃になったところでタンクから混合溶液を取出して、改質ストレートアスファルトを得た。
[実施例2]
実施例1において、アスファルト(A)としてブローンアスファルト20−30を用い、各配合成分を表1に記載の割合で用いたこと以外は実施例1と同様にして、改質ブローンアスファルトを得た。
[比較例1]
実施例1において、各配合成分を表1に記載の割合で用いたこと以外は実施例1と同様にして、液化ストレートアスファルトを得た。
[比較例2]
実施例2において、各配合成分を表1に記載の割合で用いたこと以外は実施例2と同様にして、液化ブローンアスファルトを得た。
〔アスファルトの評価〕
以上の実施例で得られた改質アスファルト(改質ストレートアスファルト、改質ブローンアスファルト)、または比較例で得られた非改質アスファルト(液化ストレートアスファルト、液化ブローンアスファルト)165gと、3官能のポリエーテルポリオール(商品名:エクセノール400MP、旭硝子(株)製、水酸基価:400)45gとを混合して、試験用の小型高速ディスパーを用いて室温で30分間攪拌した後、さらに室温で7日間放置した。
次いで、JIS K0070の「7.水酸基価」に記載の測定方法に準拠して、改質または非改質アスファルトとポリエーテルポリオールとの混合物の水酸基価を測定した。表1に、実施例1〜2および比較例1〜2で得られた改質アスファルトおよび非改質アスファルトの測定結果を示す。
改質または非改質アスファルトとポリエーテルポリオールとの上記混合物の理論水酸基価は87mgKOH/gである。アスファルトのポリエーテルポリオールに対する分散性および相溶性が改善されていれば水酸基価の各実測値は理論水酸基価に近似し、改良されていなければ理論水酸基価とかけ離れた値となる。
参考として、実施例1で得られた改質アスファルトの比重は1.016、ポリエーテルポリオールの比重は1.055である。このため、改質アスファルトとポリエーテルポリオールとが分離すると、ポリエーテルポリオールが混合物中において下層に位置するため、水酸基価の実測値は理論水酸基価に比べ低くなる。
Figure 0005265993
[実施例3]
実施例1で得られた改質ストレートアスファルト(30重量部)、粘度低減剤(B)としてアロマ系プロセスオイル(13重量部)、ポリオレフィンポリオール(D)としてポリブタジエンジオール(Poly−bd R45HT(出光興産(株)製)、数平均分子量2800、両末端に第一級水酸基を有する液状ポリブタジエン(水酸基数2))(7重量部)、ポリエーテルポリオール(E)としてポリオキシプロピレンエーテルポリオール(エクセノール400MP(旭ガラス(株)製)、数平均分子量420、水酸基数3)(8重量部)、体質顔料(G)として乾式粉砕重質炭酸カルシウム粉末(平均粒子径2μm)(40重量部)、架橋反応触媒としてジブチル錫ジラウレート(0.01重量部)を、配合用の容器に順次秤量した後、高速ディスパーで均質に攪拌した。
次いで、合成ゼオライト(H)として合成ゼオライト粉末(細孔が4Å)(2重量部)を、上記配合用の容器に投入し、再度高速ディスパーで均質に攪拌して配合組成物を調製した。次いで、前記配合組成物を真空脱泡装置に入れて約15分間、60mmHg程度の減圧環境下で脱泡し、液状組成物からなる主剤を得た。
次いで、23.5℃に調整された上記主剤と、ジイソシアネート(F)としてポリメリックMDI(NCO含有量が約31%)からなる硬化剤とから構成される2液型樹脂組成物を、主剤:硬化剤=100.01重量部:10重量部の比率で混合し、以下の〔硬化物の評価〕に記載する方法に従って硬化物を製造して評価を行った。
[比較例3、実施例4、比較例4]
実施例3において、表2に記載の成分および配合割合で主剤を調製したこと以外は実施例3と同様にして、2液型樹脂組成物を得た。次いで、実施例3と同様にして硬化物を製造して評価を行った。
〔硬化物の評価〕
図1に示す高密度ポリエチレン製の3個の成型容器に2液型樹脂組成物を充填し、2日間、23.5℃かつ50%RHの恒温恒湿室で養生した。その後、前記成型容器から養生物を取出し、さらに23.5℃かつ50%RHの恒温恒湿室で2週間養生し、硬化物を製造した。前記硬化物を3枚製造して試験体とし、以下の評価試験によりこれを評価した。
<硬度>
2液型樹脂組成物から得られた硬化物の硬度は、日本ゴム協会規格SRIS−0101に準拠した硬度計を用いて、試験体1枚につき3点測定し、試験体3枚の合計9点測定した結果の平均値を採用した。
<ヤング率>
2液型樹脂組成物から得られた硬化物のヤング率は、JIS K6385に準拠したばね定数試験により得られたばね定数から、ヤング率に換算する方法により測定した。ヤング率の測定は、2液型樹脂組成物の硬化物の硬度をさらに定量的に判断するために実施したものである。なお、試験体3枚のヤング率を求め、結果はその平均値とした。
ばね定数は、1987年3月に発行されたNo.A−87−74鉄道技術研究所速報の軌道樹脂充填材仕様書に掲載されている試験条件に準拠して、100×100×25mmの試験体を、100×100mm面に対して圧縮速度1mm/分で最大圧縮荷重4.4kNまで3回圧縮し、3回目の圧縮曲線の0.98kNから3.92kN間の荷重と変位との関係から算出した。
<発汗性>
2液型樹脂組成物から得られた硬化物からの発汗性は、試験体を23.5℃かつ50%
RHの恒温恒湿室で3ヶ月間保管し、該硬化物からのアスファルトおよびプロセスオイルの浸出の有無を目視により経過観察することにより評価した。
表2に、実施例3〜4および比較例3〜4で得られた2液型樹脂組成物の組成と硬化物の評価結果とを示す。実施例3および4で得られた2液型樹脂組成物から得られる硬化物は、明らかにその保存安定性および機械強度が改善されたことが、表2の試験結果から判断できる。
Figure 0005265993
例えば、実施例3〜4のように分散性および相溶性が改善された改質アスファルトを用いた2液型樹脂組成物から得られた硬化物は、比較例3〜4のように非改質アスファルトを用いた2液型樹脂組成物から得られた硬化物に比べて、ヤング率が2倍以上に改善された。このような硬化物は、通常は圧縮環境下で使用されるものであり、硬度の改善は大きな利点である。
また、比較例3〜4のように非改質アスファルトを用いた2液型樹脂組成物は、硬化反応が終了し固形化すると、アスファルトおよびプロセスオイルが硬化物内部に残留することができない。このため、前記2液型樹脂組成物から得られた硬化物の表面に、アスファルトおよびプロセスオイルが押し出されることによって激しい発汗の現象が現れた。
一方、実施例3〜4のように分散性および相溶性が改善された改質アスファルトを用いた2液型樹脂組成物は、ポリエーテルポリオール(E)に対するアスファルト(A)の相溶性が著しく改善された結果、硬化物からの発汗は全く観察されなかった。
図1は、実施例および比較例で用いた高密度ポリエチレン製の成型容器(内容積100×100×25mm)の斜視図である。
符号の説明
10・・・高密度ポリエチレン製の成型容器の内容積(100×100×25mm)
20・・・高密度ポリエチレン板(150×125×5mm)
30・・・高密度ポリエチレン角棒(25mm角)

Claims (7)

  1. (A)アスファルト、
    (B)粘度低減剤、ならびに
    (C)ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位と、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位とを有する共重合体
    を含有する改質アスファルトであり、
    アスファルト(A)が、JIS K2207で定められるストレートアスファルト(A1)またはブローンアスファルト(A2)であり、アスファルト(A)がストレートアスファルト(A1)である場合、改質アスファルト中のストレートアスファルト(A1)の含有量は70重量%〜25重量%であり、アスファルト(A)がブローンアスファルト(A2)である場合、改質アスファルト中のブローンアスファルト(A2)の含有量は55重量%〜25重量%であり、
    アスファルト(A)がストレートアスファルト(A1)である場合、改質アスファルト中の粘度低減剤(B)の含有量は20重量%〜65重量%であり、アスファルト(A)がブローンアスファルト(A2)である場合、改質アスファルト中の粘度低減剤(B)の含有量は35重量%〜65重量%であり、
    共重合体(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法により測定される重量平均分子量がポリスチレン換算で15000〜60000の範囲にあり、改質アスファルト中の共重合体(C)の含有量は0.5〜7重量%であり、
    共重合体(C)が、マリアリムAAB−0851(商品名、日油(株)製)およびマリアリムAKM−0531(商品名、日油(株)製)から選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする改質アスファルト。
  2. 前記粘度低減剤(B)が、プロセスオイルである請求項1に記載の改質アスファルト。
  3. (A)アスファルト、
    (B)粘度低減剤、
    (C)ポリアルキレングリコールアリルエーテル(c1)由来の構成単位と、不飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(c2)由来の構成単位と、芳香族ビニル化合物(c3)由来の構成単位とを有する共重合体、
    (D)ポリオレフィンポリオール、ならびに
    (E)ポリエーテルポリオール
    を含有する主剤と、
    (F)ジイソシアネート
    を含有する硬化剤と
    からなる2液型樹脂組成物であり、
    アスファルト(A)が、JIS K2207で定められるストレートアスファルト(A1)またはブローンアスファルト(A2)であり、アスファルト(A)がストレートアスファルト(A1)である場合、主剤中のストレートアスファルト(A1)の含有量は5〜45重量%であり、アスファルト(A)がブローンアスファルト(A2)である場合、主剤中のブローンアスファルト(A2)の含有量は5〜40重量%であり、
    主剤中の粘度低減剤(B)の含有量は10〜40重量%であり、
    共重合体(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法により測定される重量平均分子量がポリスチレン換算で15000〜60000の範囲にあり、主剤中の共重合体(C)の含有量は0.1〜2重量%であり、
    共重合体(C)が、マリアリムAAB−0851(商品名、日油(株)製)およびマリアリムAKM−0531(商品名、日油(株)製)から選ばれる少なくとも1種であり、
    主剤中のポリオレフィンポリオール(D)の含有量は5〜30重量%であり、
    主剤中のポリエーテルポリオール(E)の含有量は3〜20重量%であり、
    主剤に含まれる水酸基(OH)数の合計と、硬化剤に含まれるイソシアネート基(NCO)数との比(NCO/OHインデックス)が0.9〜1.2である
    ことを特徴とする2液型樹脂組成物。
  4. 前記粘度低減剤(B)が、プロセスオイルである請求項3に記載の2液型樹脂組成物。
  5. 前記主剤が、さらに体質顔料(G)を含有する請求項3または4に記載の2液型樹脂組成物。
  6. 前記主剤が、さらに合成ゼオライト(H)を含有する請求項に記載の2液型樹脂組成物。
  7. 鉄道の軌道充填材用である請求項3〜6の何れかに記載の2液型樹脂組成物。
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