JP5261537B2 - 排風ダクトを備える内燃機関が搭載された車両 - Google Patents

排風ダクトを備える内燃機関が搭載された車両 Download PDF

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Description

本発明は、クランクケースにより構成される機関本体と、冷却風により冷却されるラジエータとを備える冷却装置とを備える内燃機関が搭載された車両に関する。
内燃機関の冷却装置が、冷却風により冷却されるラジエータを備え、クランクケースに結合されてラジエータを保持する筒状のシュラウドに、ラジエータを通過した冷却風を大気中に排出する排風口が設けられたものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−129960号公報
ラジエータによる冷却水の冷却性能を向上させるためには、ラジエータの放熱コアを大きくしたり、ラジエータを通過する冷却風の風量を増加させるべく冷却ファンを大きくすればよいが、これらはラジエータの大型化および冷却ファンの大型化を招来する。そこで、冷却風の風量を増加させる手段として、シュラウドに設けられた排風口の通路面積を増加させることが考えられる。しかしながら、シュラウドには、ラジエータを支持するシュラウドの剛性を確保する観点からの制約があり、その排風口の通路面積の増加にも限度があって、冷却風の風量の増加も限られたものとなる。さらに、内燃機関が定置型である場合や内燃機関が搭載された車両が停車している場合には、ラジエータに近接している排風口から排出された冷却風がラジエータに再度流入することがあり、ラジエータの冷却性能が低下することになる。
また、内燃機関が搭載された車両、例えば内燃機関が車輪と一体に車体に揺動可能に支持される車両において、機関本体の側方にラジエータが配置される内燃機関では、走行風がラジエータに流入しにくいことから、走行風によるラジエータの冷却性能の向上が殆ど期待できないため、ラジエータの冷却性能を高めるためには、冷却風の風量を増加させる必要がある。
さらに、内燃機関が搭載された車両では、ラジエータを通過した冷却風(すなわち排風)を排風ダクトにより排出することで冷却風の風量の増大を図るとき、車体に対する内燃機関の搭載形態などの理由で、排風ダクトを、左右方向に延びるように配置する代わりに、前後方向に延びるように配置することが好ましい場合がある。ところが、この場合、排風ダクトの排風出口が車輪を覆うフェンダに近接して、排風出口からの排風の円滑な排出がフェンダにより妨げられることがある。そこで、該フェンダを避けるように排風ダクトを配置すると、排風ダクトが大型化したり、またそのコンパクトな配置が困難になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関のクランクケースを利用して排風ダクトを設けることにより、ラジエータを流通する冷却風の風量を増加させて、ラジエータの冷却性能の向上を図ることを目的とする。
本発明は、さらに、機関本体の側方に配置されるラジエータを備える内燃機関が搭載された車両におけるラジエータの冷却性能の向上を図り、また、排風ダクトの排風をフェンダを通じて車輪とフェンダとの間に形成される空間に排出することにより、排風の円滑な排出がフェンダにより妨げられることを防止すると共に、排風ダクトの小型化および配置のコンパクト化を図ることを目的とする。本発明は、また、排風ダクトへの小石などの異物の侵入を抑制することにより、排風ダクト内での排風の流通の円滑化を図り、排風ダクトから排出される排風によるクランクケースの冷却効果の向上を図り、また、車輪の回転により発生する気流を利用して、排風の排出の促進を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、車輪を備える車両であって、クランクケースにより構成される機関本体と、前記機関本体の側方に配置されるラジエータを備える冷却装置とを備える内燃機関が搭載された車両において、
前記冷却装置は、前記ラジエータを通過した冷却風である排風を大気中に排出するための排風出口を有する排風ダクトを備え、前記排風ダクトは前記クランクケースの上部に設けられ、前記車輪の回転中心線を中心とする径方向で外方から前記車輪を覆うフェンダを備え、該フェンダは前記クランクケースの上部に固定され、前記排風は、前記フェンダに設けられた前記排風出口を利用して、前記フェンダに対して前記径方向での内方で車輪との間に形成される空間に、前記排風出口に最も近い部位での前記車輪の回転方向に沿う方向に、前記排風出口から排出されることを特徴とする車両である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両において、前記排風ダクトは前記フェンダと結合され、前記排風出口は、前記排風ダクトの前記フェンダとの結合部により形成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の車両において、前記排風出口は、前記車輪の踏面と前記径方向で対面する位置に開口し、前記排風ダクトまたは前記フェンダには、前記車輪により巻き上げられた異物または前記踏面に付着していて遠心力により飛散した異物が前記排風ダクト内へ侵入することを抑制する遮断部が設けられることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の車両において、前記遮断部は、前記クランクケースの外面に沿って延出していることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両において、前記内燃機関には、前記クランクケースに支持されるクランク軸の回転中心線方向で前記クランクケースを挟んで前記ラジエータとは反対側に、変速機を収容する変速機ケースを備える動力伝達装置が配置され、前記内燃機関は、前記車輪と一体に車体フレ−ムに支持され、前記フェンダは前記内燃機関と一体であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の車両において、前記内燃機関は、前記クランクケースの上部に設けられる被支持部において、車体フレームに支持されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、内燃機関が搭載された車両であって、機関本体の側方にラジエータが配置されるために、走行風によるラジエータの冷却性能の向上が殆ど期待できない車両においても、クランクケースの上部を利用して排風ダクトが設けられるため、排風ダクトの通路面積の大きさに関する制約が少なく、排風ダクトの通路面積を大きくすることにより、ラジエータを通過する冷却風の風量を増加させることができるので、ラジエータ、ひいては内燃機関の冷却性能が向上する。
そして、排風ダクトの排風はフェンダに設けられた開口部を利用して車輪とフェンダとの間に形成される空間に排出されるので、排風出口からの排風がフェンダに当たって、排風の排出が妨げられることが防止され、しかもフェンダを回避するように排風ダクトを配置する必要がないので、排風ダクトを小型化することができ、かつコンパクトに配置することができる。
また、排風が排出される車輪とフェンダとの間の空間または車輪とクランクケースとの間の空間には、排風の排出方向とほぼ同じ方向の気流が車輪の回転により発生していることから、該気流を利用することにより排風出口からの排風の排出が促進されるので、ラジエータを通過する冷却風の風量の増加が可能になって、ラジエータの冷却性能が向上する。
請求項記載の発明によれば、排風ダクトの排風出口が排風ダクトのフェンダとの結合部により形成されることから、排風ダクトの排風は、フェンダに設けられた開口部である排風出口を通じて車輪とフェンダとの間に形成される空間に排出されるので、排風出口からの排風がフェンダに当たって、排風の排出が妨げられることが防止され、しかもフェンダを回避するように排風ダクトを配置する必要がないので、排風ダクトを小型化することができ、かつコンパクトに配置することができる。
請求項記載の発明によれば、遮断部により、排風出口からの排風の排出が異物により妨げられることが防止または抑制されるので、排風出口を含む排風ダクト内での排風の流通が円滑になって、ラジエータの冷却性能の向上に寄与する。
請求項記載の発明によれば、排風ダクトから排出される排風がクランクケースの外面に沿って流れるので、該外面と排風との接触範囲が大きくなって、排風によるクランクケースの冷却効果が向上する。
請求項記載の発明によれば、内燃機関に動力伝達装置が配置され、動力伝達装置と一体化された内燃機関が、車輪と一体に車体フレ−ムに揺動可能に支持され内燃機関と一体の可動フェンダを利用して車輪との間に排風を排出することができる。
請求項記載の発明によれば、排風ダクトとフェンダが設けられるクランクケース上部の空間を利用して内燃機関の被支持部を設けることにより、内燃機関を小型化することができる。
本発明の第1実施形態を示し、水冷式内燃機関および動力伝達装置を備えるパワーユニットが搭載された自動二輪車の左側面図である。 図1のパワーユニットおよびフェンダの要部斜視図である。 図1の内燃機関のシリンダ軸線を含むと共にクランク軸の回転中心線に平行な平面を主たる断面としたときの要部断面図である。 図1の内燃機関の要部右側面図である。 図3のV−V線での要部断面図である。 図1の自動二輪車の要部後面図である。 IIXIIX線での要部断面図である。 本発明の第実施形態を示し、水冷式内燃機関および動力伝達装置を備えるパワーユニットが搭載された自動二輪車の、図1に相当する図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図7は、第1実施形態を説明するための図である。
図1を参照すると、本発明が適用された水冷式内燃機関Eが搭載される車両としての小型車両であるスクータ型の自動二輪車1は、車体フレームFおよび該車体フレームFを覆う合成樹脂製の車体カバーCから構成される車体と、車輪としての前輪9および後輪10とを備える。車体フレームFは、車体の前端部に位置するヘッドパイプ2と、ヘッドパイプ2から後方斜め下方に延びる1つのダウンチューブ3と、ダウンチューブ3の下部である水平部3aに接続されて、水平部3aの左右両側から後方斜め上方に延びる左右1対のリヤフレーム4と、左右のリヤフレーム4を連結する複数のクロスメンバ(図示されず)とを備える。ここで、小型車両には、自動二輪車のほかに自動三輪車が含まれ、また鞍乗り型車両が含まれる。
なお、明細書または特許請求の範囲において、上下は鉛直方向での上下を意味する。また、実施形態において、前後左右は自動二輪車1の前後左右に一致し、前または後は、シリンダ軸線の方向での一方または他方であり、右または左は、内燃機関Eのクランク軸26(図3)の回転中心線Leの方向または車幅方向での一方または他方である。
ヘッドパイプ2に回動可能に支持されるステアリング軸6には、その上端部に操向ハンドル7が、その下端部にフロントフォーク8がそれぞれ設けられる。前輪9はフロントフォーク8の下端部に軸支され、駆動輪としての後輪10は、該後輪10を回転駆動する動力を発生するパワーユニットPの後端部に軸支される。パワーユニットPは、その前端部で1対のリヤフレーム4の前寄り部に結合される支持プレート11に支持されるピボット軸13に、後述するクランクケース23の下部に設けられる被支持部としての1対のブラケット18a,18b(図参照)において揺動可能に支持され、その後端部でリヤサスペンション14を介して左のリヤフレーム4の後部に支持される。このため、パワーユニットPおよび後輪10は、支持プレート11よびピボット軸13を介して、上下方向に揺動可能に車体フレームFに支持される。したがって、後述するように、該パワーユニットPを構成する内燃機関Eおよび動力伝達装置T、さらには内燃機関Eに備えられるラジエータ52や冷却ファン53を含む冷却装置50も、車体フレームFに揺動可能に支持される後輪10と一体に揺動可能に、車体フレームFに支持される。
なお、ピボット軸13とブラケット18a,18bとの間には緩衝材としての円筒状のマウントゴム19が介設される(図4,図5参照)。
併せて図2,図3を参照すると、車体フレームFに支持されて車体フレームFの左部に配置されるパワーユニットPは、クランク軸26が車幅方向(左右方向でもある。)に指向する回転中心線Leを有する横置き配置の単気筒4ストローク内燃機関Eと、内燃機関Eが発生する動力を後輪10に伝達する動力伝達装置Tとを備える。動力伝達装置Tは、変速機としてのベルト式変速機15と、該変速機15を収容する変速機ケース16と、歯車列から構成される終減速機構(図示されず)とを備える。変速機ケース16により形成される伝動室17に収容される変速機15は、クランク軸26と同軸に一体成形されてクランク軸26により回転駆動される駆動軸15aに設けられる駆動プーリ15bと、前記終減速機構を介して後輪10に連結される出力軸に設けられる被動プーリ(図示されず)と、駆動プーリ15bおよび前記被動プーリに掛け渡されるVベルト15cとを備える。そして、変速機15の変速比は、機関回転速度に応じて移動する遠心ウエイト15dにより駆動プーリ15bの巻掛け半径が変更されると同時に前記被動プーリの巻掛け半径が変更されることにより、自動的に変更される。変速機ケース16は、ケース本体16aと、ケース本体16aの左端部に多数のボルトにより結合される変速機カバー16bとから構成される。
2および図3を参照すると、内燃機関Eは、ピストン24が往復運動可能に嵌合するシリンダ孔20bが設けられた1つのシリンダ20aにより構成されるシリンダブロック20と、シリンダブロック20の前端部に結合されるシリンダヘッド21と、シリンダヘッド21の前端部に結合されるヘッドカバー22と、シリンダブロック20の後端部に結合されるクランクケース23とにより構成される機関本体(以下、「機関本体」という。)を備える。図1にも示すように、シリンダ20aは、そのシリンダ軸線Lyが前方に向かってやや斜め上方に延びるように、水平面に対してやや上向きに傾斜した状態、したがって大きく前傾した状態で車体フレームFに配置される。
クランクケース23は、ケース本体16aと一体成形されると共に一方のブラケット18aが一体成形された左クランクケース半体23aと、他方のブラケット18bが一体成形された右クランクケース半体23bとが結合されて構成される左右割りのクランクケースである。クランクケース本体16aは左クランクケース半体23aと一体成形されることから、ブラケット18aはケース本体16aと一体成形されることにもなる。ピストン24にコンロッド25を介して連結されるクランク軸26は、クランクケース23により形成されるクランク室27内に収容されると共に、両クランクケース半体23a,23bにそれぞれ1対の主軸受28を介して回転可能に支持される。
図3において、クランク室27内から左方向に突出するクランク軸26の左軸端部は、伝動室17内に延びて駆動軸15aを構成する。一方、クランク室27内から右方向に突出するクランク軸26の右軸端部は、交流発電機31および冷却ファン53が収容される補機室30内に延びて、交流発電機31および冷却ファン53の駆動軸29を構成する。それゆえ、駆動軸29は、クランク軸26と同軸に一体成形されてクランク軸26により回転駆動される。補機室30は、右クランクケース半体23bの右端部23eと、右端部23eに結合される筒状のシュラウド54とにより形成される。
図3、図5を参照すると、シリンダヘッド21には、シリンダ軸線方向でシリンダ孔20bと対向する位置に凹部からなる燃焼室35と、燃焼室35に開口する吸気ポート36および排気ポート37と、燃焼室35内に臨む点火栓38とが設けられる。シリンダヘッド21とヘッドカバー22とで形成される動弁室39内には、吸気ポート36を開閉する吸気弁41および排気ポート37を開閉する排気弁42を開閉駆動する動弁装置40が収容される。頭上カム軸型の動弁装置40は、動弁カムとしての吸気カム40a1および排気カム40a2が設けられてシリンダヘッド21に回転可能に設けられるカム軸40aと、ロッカ軸40bに揺動可能に支持されて吸気カム40a1および排気カム40a2によりそれぞれ駆動されて揺動する吸気ロッカアーム40cおよび排気ロッカアーム40dとを備える。回転中心線Leと平行な回転中心線Laを有するカム軸40aは、巻掛け式の伝動機構43を介してクランク軸26に連結されて、クランク軸26の動力によりその1/2の回転速度で回転駆動される。
図3において、クランクケース23の右端部23e、シリンダブロック20の右端部20eおよびシリンダヘッド21の右端部21eに、シリンダ軸線Lyに沿って設けられる収容室としてのチェーン室44に収容される伝動機構43は、クランク軸26に設けられる駆動体としての駆動スプロケット43aと、カム軸40aに設けられる被動体としてのカムスプロケット43bと、両スプロケット43a,43bに掛け渡された無端伝動帯としての無端チェーン43cとを備える。そして、回転するカム軸40aの吸気カム40a1および排気カム40a2が、それぞれ吸気ロッカアーム40cおよび排気ロッカアーム40dを介して、クランク軸26の回転に同期して所定のタイミングで吸気弁41および排気弁42を開閉作動させる。
図1を参照すると、内燃機関Eは、エアクリーナ45a、スロットル弁装置45bおよびシリンダヘッド21の接続部21i(図5)に接続される吸気管45cを備えて吸入空気を燃焼室35に導く吸気装置45と、吸気管45cに取り付けられると共に吸入空気に燃料を供給する燃料噴射弁47と、排気ポート37(図5)から流出した排気ガスを内燃機関Eの外部に導く排気管46aおよび消音器46bを備える排気装置46とを備え、図5に示すように、シリンダブロック20およびシリンダヘッド21を冷却する冷却水をシリンダブロック20およびシリンダヘッド21に設けられた水ジャケットJb,Jhに流通させる冷却装置50(図2)を備える。
吸気装置45を流通する吸入空気は、スロットル弁装置45bに設けられるスロットル弁45b1により流量制御された後、燃料噴射弁47から供給された燃料と混合して混合気を形成する。該混合気は、吸気弁41の開弁時に吸気ポート36を通って燃焼室35に流入し、点火栓38により点火されて燃焼する。そして、発生した燃焼ガスの圧力により駆動されるピストン24が往復運動してクランク軸26を回転駆動する。その後、燃焼ガスは排気ガスとして排気弁42の開弁時に排気ポート37に流出する。排気ポート37からの排気ガスは、排気ポート37の出口が開口するシリンダヘッド21の接続部21tに接続される排気管46aを流通して排気装置46を通じて外部に排出される。そして、クランク軸26の回転が変速機15により機関回転速度に応じて自動的に変速されて後輪10に伝達され、後輪10が内燃機関Eにより回転駆動される。
冷却装置50は、図3、図5に示すシリンダ孔20bを囲むようにシリンダブロック20に設けられたブロック側水ジャケットJbと、ブロック側水ジャケットJbにガスケット49に設けられた連通孔を介して連通すると共に燃焼室35を覆うようにシリンダヘッド21に設けられたヘッド側水ジャケットJhとから構成される水ジャケットJb,Jhに対して冷却水の給排を行う。
冷却装置50は、水ジャケットJb,Jhに冷却水を圧送する水ポンプ51と、水ジャケットJb,Jhの冷却水が流通するラジエータ52と、ラジエータ52を流通する冷却水のからの放熱を促進するための冷却風を発生させる冷却ファン53と、冷却ファン53を覆うシュラウド54と、ラジエータ52の放熱コア52cに向けて冷却風を案内するラジエータカバー55と、ラジエータ52を通過した冷却風である後述する排風を大気中に排出するための排風ダクト80と、内燃機関Eの暖機状態に応じてラジエータ52への冷却水の流通および遮断を制御すべくラジエータ52と水ポンプ51との間の冷却水の連通および遮断を行うサーモスタット56(図4)と、冷却水が流通する配管群とを備える。
シリンダヘッド21の、右方向でラジエータ52寄りの端部である右端部21eに取り付けられる水ポンプ51は、右端部21eに結合されるボディ51aと、ボディ51aにボルトにより結合されると共に吸入ポート部51iおよび吐出ポート部51eが設けられるカバー51bと、ボディ51aに回転可能に支持されてカム軸40aの軸端部に結合されるポンプ軸51cと、ポンプ軸51cに結合されてボディ51aとカバー51bとにより形成されるポンプ室51p内に配置されるインペラ51dとを備える。
ラジエータ52はクランクケース23に対して、車幅方向である回転中心線方向(この実施形態では、左右方向でもある。)での一方の側方としての右方向に離隔して配置される。
ラジエータ52のほぼ全体は、前後方向でシリンダブロック20およびシリンダヘッド21の後方に配置され(図4参照)、右方向から見て(すなわち側面視で、または冷却風の流入方向に見て)クランクケース23と重なる位置に配置される。そして、クランクケース23に対して右方向で、チェーン室44とラジエータ52との間には、交流発電機31と冷却ファン53とが配置される。
クランクケース23の、右方向でラジエータ52寄りの端部である右端部23eに、シュラウド54を介して結合されるラジエータ52は、両水ジャケットJb,Jhを流通してシリンダブロック20およびシリンダヘッド21を冷却した後の高温の冷却水をシリンダヘッド21からラジエータ52に導く入口配管57が接続される入口接続部52iが設けられる入口タンクとしてのアッパータンク52aと、アッパータンク52a内の冷却水が流入する多数の伝熱管52c1を備える放熱コア52cと、放熱コア52cで放熱した後の低温になった冷却水が各伝熱管52c1から流入して集合する出口タンクとしてのロアタンク52bとを備える。ロアタンク52bには、放熱後の冷却水をサーモスタット56を介して水ポンプ51に導く出口配管58が接続される出口接続部52eが設けられる。
図3を参照すると、交流発電機31のロータ31bを介して駆動軸29に結合される冷却ファン53は、回転中心線方向においてロータ31bと放熱コア52cとの間に配置される。多数の羽根53aを備える半径流式の冷却ファン53は、ラジエータカバー55およびシュラウド54により形成される風路において、放熱コア52cの下流で、放熱コア52cに回転中心線方向で対面するように配置されて、放熱コア52cを通過した空気を吸引することにより、放熱コア52cにその上流から流入する冷却風を発生させる。
シュラウド54は、ラジエータ52を保持する保持部54aと、冷却ファン53の径方向外方を覆う筒状の覆い部54bとを備える合成樹脂製の単一の部材である。覆い部54bには、冷却ファン53の周方向に間隔をおいて回転中心線方向にほぼ平行に形成された複数のスリットから構成される排風口54eと、排風ダクト80に冷却風を案内する排風案内部54i(図4参照)とが設けられる。排風案内部54iは覆い部54bの上部54b1に、排風口54eは覆い部54bの後部54b2に、それぞれ設けられる。そして、放熱コア52cを通過して放熱コア52cを冷却した後の冷却風(以下、「排風」という。)は、冷却ファン53により、排風口54eを通って内燃機関Eの外部である大気中に排出されると共に、排風案内部54iにより導かれて排風ダクト80に流入し、次いで排風ダクト80を通って大気中に排出される。
シュラウド54に結合されてラジエータ52の外周を覆うと共に放熱コア52cに対面して配置されるラジエータカバー55は、格子状の整流板を有するグリル55aを備える。グリル55aは、放熱コア52cの上流の、車幅方向での側方である右方向から流入する空気を冷却風として放熱コア52cに向かうように案内する。
図4において、シリンダブロック20の、右方向でラジエータ52寄りの端部である右端部20eに取り付けられるサーモスタット56は、右端部20eに結合されるハウジング56aと、該ハウジング56a内に収容される感温部材により作動するサーモ弁(図示されず)とを備える。ハウジング56aには、ヘッド側水ジャケットJhからの冷却水が流入するバイパスポート部56bと、ラジエータ52からの冷却水をハウジング56a内に導く入口ポート部56iと、ラジエータ52からの冷却水を水ポンプ51に流出させる出口ポート部56eとが設けられる。
前記サーモ弁は、内燃機関Eの暖機時にはバイパスポート部56bと出口ポート部56eとの間で冷却水を流通させると同時に入口ポート部56iと出口ポート部56eとの間での冷却水の流通を遮断し、内燃機関Eの暖機完了後には入口ポート部56iと出口ポート部56eとの間で冷却水を流通させると同時にバイパスポート部56bと出口ポート部56eとの間での冷却水の流通を遮断する。
入口配管57は、シリンダヘッド21の右端部21eに設けられる冷却水出口部61に接続されて、ブロック側水ジャケットJbからヘッド側水ジャケットJhに流入してシリンダヘッド21を冷却した後の冷却水をラジエータ52に導く。
入口配管57は、冷却水出口部61に接続される57a導管と、入口接続部52iに接続される導管57bと、両導管57a,57bを接続する管継手57cとにより構成される。そして、入口配管57には、管継手57cにおいて分岐してバイパスポート部56bに接続される導管59bが設けられ、該導管59bと導管57aと管継手57cとによりヘッド側水ジャケットJhに連通するバイパス配管59が構成される。バイパス配管59は、内燃機関Eの暖機時に、ヘッド側水ジャケットJhからの冷却水をラジエータ52に流入させることなく、サーモスタット56を経て水ポンプ51に導く。
吸入ポート部51iに接続されてラジエータ52からの低温の冷却水をサーモスタット56を介して水ポンプ51に導く出口配管58は、出口接続部52eおよび入口ポート部56iに接続される導管58aと、出口ポート部56eおよび吸入ポート部51iに接続される導管58bとにより構成される。
吐出ポート部51eに接続される供給配管60は、シリンダブロック20の下端部に設けられる冷却水入口部62(図5)に接続されて、ラジエータ52から流入して水ポンプ51から吐出された冷却水をブロック側水ジャケットJbに導く。
内燃機関Eが運転されると、冷却装置50により、水ポンプ51により圧送された冷却水は、供給配管60を経て冷却水入口部62からブロック側水ジャケットJbに流入してシリンダブロック20を冷却し、次いでヘッド側水ジャケットJhに流入してシリンダヘッド21を冷却し、その後、ヘッド側水ジャケットJhから冷却水出口部61に流出して、バイパス配管59を流通してサーモスタット56に流入し、さらに水ポンプ51に流入してインペラ51dにより圧送されて、冷却水がラジエータ52を流通することなく暖機時における循環路を循環して、内燃機関Eの暖機が促進される。
そして、内燃機関Eの暖機完了後には、ラジエータ52で放熱して低温となった冷却水が水ポンプ51に吸入され、インペラ51dにより圧送された冷却水が、供給配管60を経てブロック側水ジャケットJbに流入してシリンダブロック20を冷却し、次いでヘッド側水ジャケットJhに流入してシリンダヘッド21を冷却した後、ヘッド側水ジャケットJhから流出した冷却水は、冷却水出口部61から入口配管57を流通してラジエータ52のアッパータンク52aに流入し、放熱コア52cで冷却風により冷却された後、ロアタンク52bに流入する。そして、ロアタンク52bからの冷却水は、出口配管58を流通してサーモスタット56を通って水ポンプ51に流入し、インペラ51dにより圧送されて、冷却水が暖機後の循環路を循環して、シリンダブロック20およびシリンダヘッド21が冷却される。
このとき、クランク軸26により回転駆動される冷却ファン53によりパワーユニットPの右部において外気が吸引されて、グリル55aから流入する冷却風により、放熱コア52cが冷却されて、放熱コア52cを流通する冷却水からの放熱が促進される。ラジエータ52を通過して冷却水を冷却した後の冷却風は、排風として排風案内部54iを経て排風ダクト80に流入する。
を参照すると、パワーユニットP、したがって内燃機関Eおよび動力伝達装置Tは、パワーユニットPの前端部の上部に設けられる1対のブラケット18a,18bにおいて、後輪10と一体に揺動可能に車体フレームFに支持される。
ブラケット18aは、変速機ケース16のケース本体16aの前端部の上部に一体成形されて設けられ、ブラケット18bは、クランクケース23の右ケース半体23bの前端部の上部に一体成形されて設けられる。ケース本体16aは左ケース半体23aと一体成形されることから、ブラケット18aは左ケース半体23aと一体成形されることになる。1対のブラケット18a,18bは、左右のリヤフレーム4にそれぞれ結合される1対の支持プレート11に支持されるピボット軸13に揺動可能に支持される。このため、パワーユニットP、したがって内燃機関Eおよび動力伝達装置T、さらにはラジエータ52を含む冷却装置50は、支持プレート11およびピボット軸13を介して、後輪10と一体に上下方向に揺動可能に車体フレームFに支持される。
変速機カバー16bの前端には、図2に示すように、変速機ケース16内に収納される変速機のベルト15cを冷却する空気を取り入れる空気取入部16cが、側面視でクランクケース23の前端部付近に設けられる。
図1および図2に示すように、自動二輪車1は、後輪10を、その前方から後方に渡って、かつ、該後輪10の回転中心線に対する径方向(以下、単に「径方向」という。)で外方から覆うフェンダ90,91を備える。フェンダ90,91は、車体フレームFに取り付けられて固定される固定フェンダとしてのアウタフェンダ90と、アウタフェンダ90よりも径方向で内方(すなわち回転中心線寄り)に位置すると共にパワーユニットPおよび内燃機関Eと一体に車体フレームFに対して揺動可能な可動フェンダとしてのインナフェンダ91とから構成される。インナフェンダ91は、その取付部92において右クランクケース半体23bに取り付けられ、取付部93において固定部材としてのステー94を介してケース本体16aに取り付けられて、パワーユニットP、したがって内燃機関Eに固定される。
アウタフェンダ90は、後輪10をその上方から後方に渡って覆い、インナフェンダ91は、後輪10をその前方から上方に渡って覆う。
図2において、排風入口85iおよび排風出口85eを有する排風路85を形成する排風ダクト80は、両クランクケース半体23a,23bの上部、この実施形態では両クランクケース半体23a,23bの上壁である上端部23a1,23b1(図6)に渡って設けられる。
左右方向(車幅方向でもある。)で1対のブラケット18a,18bの間に配置される排風ダクト80は、各ケース半体23a,23bとは別個の部品であり、インナフェンダ91と一体成形されることにより、インナフェンダ91に一体に結合される。排風ダクト80は、各クランクケース半体23a,23bの上面23a5,23b5および該上面23a5,23b5から下方に延びている後面23a6,23b6を上方から覆うように、両クランクケース半体23a,23bの真上に配置される。ここで、上面23a5,23b5および後面23a6,23b6は、各クランクケース半体23a,23bの外面を構成する。
排風ダクト80は、この実施形態では、両クランクケース半体23a,23bを上方から覆うカバー状の部品であり、各クランクケース半体23a,23bと協働して排風路85(図2、図7)を形成する。これにより、排風が各クランクケース半体23a,23bに接触して排風路85を流通するので、排風によりクランクケース23が冷却される。なお、排風ダクト80は、該排風ダクト80のみで排風路85が形成されるように、管状の部品であってもよい。
を参照すると、排風ダクト80は、シュラウド54の排風案内部54i右方向で開口する排風入口85iを形成する上流ダクト部81と、下流端部83aでフェンダ91に連結されると共に排風出口85eを形成する下流ダクト部83と、上流ダクト部81と下流ダクト部83とを接続する屈曲ダクト部82とから構成され、屈曲した排風路85を形成する。
そして、排風ダクト80は、排風路85を排風入口85iから排風出口85eに向かって、上流ダクト部81において左方向に向かって左右方向にほぼ平行に直線状に延びた後、屈曲ダクト部82において後方に向かって屈曲し、下流ダクト部83において後方に向かって前後方向にほぼ平行に直線状に延びていて、上下方向から見て(すなわち平面視で)、L字状の部品である。
排風ダクト80は、この実施形態では、クランクケース23を上方から覆うカバー状の部品であって、図7に示すように、排風の流れに対する横断面での形状がコ字状を呈し、各クランクケース半体23a,23bおよび下方に向かって開放している。そして、排風ダクト80は各クランクケース半体23a,23bと協働して排風路85を形成する。これにより、排風が各クランクケース半体23a,23bに接触して排風路85を流通するので、排風によりクランクケースが冷却される。そして、下流ダクト部83は、上壁83cと上壁83cに連なると共に左右方向での1対の側壁83dとを有する。
なお、排風ダクト80は、該排風ダクト80のみで排風路85が形成されるように、管状の部品であってもよい。
排風出口85eは、下流ダクト部83においてインナフェンダ91と結合されている部位である結合部83b(この実施形態では下流端部83aでもある。)により、少なくともその一部が形成される。この実施形態では、排風出口85eは、各側壁83dにおけるフェンダ91との結合部83bと、両クランクケース半体23a,23bと、後述する遮断部86の先端部86aとにより形成される。そして、排風出口85eは、インナフェンダ91自体に設けられた開口部であり、後輪10のタイヤ10aの踏面10bと径方向で対面する位置に開口し、さらにインナフェンダ91において後輪10を前方または前方斜め上方から覆う部分に設けられる。
そして、図7に示すように、出口85eは、径方向で後輪10とインナフェンダ91との間に形成される空間である内側空間S1に開口する。したがって、排風ダクト80の排風は、排風出口85eを利用して、または排風出口85eを通じてインナフェンダ91に対して径方向で内方に形成される内側空間S1に排出される。このとき、排風は、後輪10において排風出口85eに最も近い部位10c(この部位10cはタイヤ10aの踏面10bの一部である。)での回転方向Rに沿う方向に、かつ後方斜め下方に向かって、排風出口85eから排出される。なお、図には、排風の流れの概略が白抜きの矢印で示されている。
ここで、回転方向Rに沿う方向とは、排風が、該部位10cでの後輪10の周速の方向と同じ方向の流れ成分を有することを意味する。また、後輪10の回転方向Rは、自動二輪車1が前進するときの回転方向である。
また、排風出口85eの大部分は、クランクケースの上面23a5,23b5,23a6,23b6および変速機ケース16の上面16dよりも下方に位置して、前方がクランクケース23により、左方向が変速機ケース16により遮蔽された空間に位置し、しかも排風が排風出口85eから下方に向かって排出されることにより、排風出口85eから排出された排風が変速機ケース16の空気取入部16cから吸入されることが確実に防止される。
下流ダクト部83には、後輪10により巻き上げられた異物または踏面10bに付着していて遠心力により飛散した異物、例えば小石、泥または埃などが、排風ダクト80内または排風路85に侵入することを抑制する遮断部86が設けられる。それゆえ、遮断部86は、異物が遮断部86を越えて飛散することを防止するため、フェンダ91の機能を有する部分であることから、遮断部86が設けられた排風ダクト80は、フェンダ91を兼ねる。
遮断部86は、結合部83bまたは該結合部83bの近傍において、上壁83cから、部位10cでの回転方向Rに沿う方向または後方で斜め下方に向かって延出する庇状の壁である庇部である。
遮断部86は、下流ダクト部83と一体成形されることにより、下流ダクト部83に一体に結合されて設けられる。さらに、遮断部86は、両側壁83dに連なっていて、左右方向での下流ダクト部83または排風路85の全幅に渡っている。そして、遮断部86の先端部86aの下方に排風出口85eが形成される。
遮断部86は、各クランクケース半体23a,23bの後壁23a2,23b2の後面23a6,23b6に沿って下方に延出している(図7参照)。このため、各クランクケース半体23a,23bの上端部23a1,23b1と排風ダクト80との間をほぼ水平方向に流通する排風は、遮断部86により下方に向けて偏向され、偏向された排風が、排風出口85eから流出して、各クランクケース半体23a,23bの後面23a6,23b6に沿って流れる。それゆえ、遮断部86は、排風を排風出口85eに向けて偏向させる偏向部でもある。
また、各クランクケース半体23a,23bの後壁23a2,23b2は、径方向および前後方向で踏面10bと対面する位置にあり、回転方向Rで、インナフェンダ91に続くフェンダとしての機能を有する。そして、部位10cでの回転方向Rに沿う方向で、排風出口85eから排出された排風は、その殆どが内側空間S1を経て、径方向および前後方向で後壁23a2,23b2と後輪10との間に形成される空間としての外部空間S2に流入する。そして、外部空間S2には、空気の粘性に起因して後輪10の回転により発生して回転方向に沿う方向の気流Aが存在する。
そして、自動二輪車1の走行時、ラジエータ52を通過して冷却水を冷却した後の冷却風である排風は、シュラウド54から排風ダクト80に流入し、排風ダクト80を通ってクランクケース23の後方において、排風出口85eから、内側空間S1において部位10cでの回転方向Rに沿う方向で、かつ下方に向かって排出され、さらに外部空間S2を、後輪10の回転により発生する気流Aと共に下方に向かって流れる。
の実施形態によれば、クランクケース32の側方に配置されるラジエータ52を備える冷却装置50を備える内燃機関Eが搭載された自動二輪車1において、内燃機関Eは後輪10と一体に揺動可能に車体フレームFに支持され、冷却装置50は、ラジエータ52を通過した冷却風である排風を排風出口85eから大気中に排出するための排風ダクト80を備え、排風ダクト80はクランクケース23の上端部23a1,23b1に設けられることにより、内燃機関Eが搭載された自動二輪車1であって、クランクケース23の側方にラジエータ52が配置されるために、走行風によるラジエータ52の冷却性能の向上が殆ど期待できない自動二輪車1において、クランクケース23の上端部23a1,23b1を利用して排風ダクト80が設けられるため、次の作用および効果が奏される。
排風ダクト80はインナフェンダ91と結合され、排風出口85eは、排風ダクト80のインナフェンダ91との結合部83bにより形成されることにより、排風ダクト80の排風は、インナフェンダ91に設けられた開口部である排風出口85eを通じて内側空間S1に排出されるので、排風出口85eからの排風がフェンダ91に当たって、排風の排出が妨げられることが防止され、しかもインナフェンダ91を回避するように排風ダクト80を配置する必要がないので、排風ダクト80を小型化することができ、かつコンパクトに配置することができる。さらに、排風ダクト80はインナフェンダ91と一体成形されることより、部品点数が削減される。
排風出口85eは、後輪10の踏面10bと径方向で対面する位置に開口し、排風ダクト80またはインナフェンダ91には、後輪10により巻き上げられた異物または踏面10bに付着していて遠心力により飛散した異物が排風ダクト80内へ侵入することを抑制する遮断部86が設けられることにより、遮断部86により、排風出口85eからの排風の排出が異物により妨げられることが防止または抑制されるので、排風出口85eを含む排風ダクト80内での排風の流通が円滑になって、ラジエータ52の冷却性能の向上に寄与する。
遮断部86は、クランクケース23の外面である後面23a6,23b6に沿って延出していることにより、排風ダクト80から排出される排風が後面23a6,23b6に沿って流れるので、該後面23a6,23b6と排風との接触範囲が大きくなって、排風によるクランクケース23の冷却効果が向上する。
排風は、後輪10とインナフェンダ91との間の内側空間S1または後輪10とクランクケースとの間の外部空間S2に、後輪10における排風出口85eに最も近い部位10cでの回転方向Rに沿う方向に、排風出口85eから排出されることにより、内側空間S1または外部空間S2には、排風の排出方向とほぼ同じ方向の気流Aが後輪10の回転により発生していることから、該気流Aを利用することにより排風出口85eからの排風の排出が促進されるので、ラジエータ52を通過する冷却風の風量の増加が可能になって、ラジエータ52の冷却性能が向上する。
次に、図を参照して、本発明の第実施形態を説明する。この第実施形態は、第実施形態とはフェンダが相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。
なお、第実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
自動二輪車1は、後輪10を、後輪10の前方から後方に渡って、かつ、径方向で外方から覆う1つのフェンダ96を備える。フェンダ96は、パワーユニットPおよび内燃機関Eと一体に車体フレームFに対して揺動可能な可動フェンダであり、固定部材としてのステー(図示されず)を介してクランクケースおよび変速機ケース16に取り付けられて固定される。それゆえ、フェンダ96は、第2実施形態のインナフェンダ91と同様に、少なくとも後輪10を前方または前方斜め上方から覆う。
そして、排風ダクト80は、第実施形態と同様に、クランクケース23とは別個の部品であり、フェンダ96と一体成形されることにより、フェンダ96に結合される。そして、排風ダクト80には、遮断部86が一体成形される。
そして、この第実施形態によれば、第実施形態と同様の作用および効果が奏される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
シュラウド54には排風口54eが設けられていなくてもよい。
冷却ファンは電動モータにより回転駆動されてもよい。内燃機関は、一体に形成された複数のシリンダにより構成されるシリンダブロックを備える多気筒内燃機関であってもよい。
遮断部86は、フェンダ91,96に設けられてもよい。遮断部86は、フェンダ91,96または排風ダクト80とは別個の部品であってもよい。遮断部86は、左右方向に間隔をおいて設けられてもよく、左右方向での下流ダクト部83の幅の一部に設けられてもよい。
排風ダクト80とフェンダ91,96とが別個の部品であり、両者が、ネジや溶接や接着剤などの結合手段により一体に結合されてもよい。また、排風ダクト80とフェンダ91,96とが別個の部品である場合、両者が結合されない状態で配置され、排風出口85eから排出された排風が、フェンダ91,96に設けられた開口部を通じてフェンダ91の内側空間S1に流入するものであってもよい。
下流ダクト部83は、フェンダ91,96に設けられた開口部を利用して、該開口部を貫通し、下流ダクト部83の下流端部83aが内側空間S1に位置するように、下流端部83aよりも上流寄りの部位でフェンダ91,96に結合、またはフェンダ91,96に対して配置されてもよい。
排風出口85eが略真下に向かって開放する場合など、排風出口85eの形態によっては、遮断部86が設けられなくてもよい。
さらに、排風ダクト80とフェンダ91,96と位置関係によっては、排風出口85eからの排風の大部分または全量が、内側空間S1を通ることなく、外部空間S2に直接排出されてもよい。
1…自動二輪車、16…変速機ケース、18a,18b…ブラケット、20…シリンダブロック、21…シリンダヘッド、22…ヘッドカバー、23…クランクケース、26…クランク軸、50…冷却装置、51…水ポンプ、52…ラジエータ、53…冷却ファン、54…シュラウド、80…排風ダクト、81〜83…ダクト部、85…排風路、85e…排風出口、86…遮断部、91,96…フェンダ、
P…パワーユニット、E…内燃機関、T…動力伝達装置、F…車体フレーム、R…回転方向、S1,S2…空間、A…気流。

Claims (6)

  1. 車輪(10)を備える車両であって、クランクケース(23)により構成される機関本体と、前記機関本体の側方に配置されるラジエータ(52)を備える冷却装置(50)とを備える内燃機関が搭載された車両において、
    前記冷却装置(50)は、前記ラジエータ(52)を通過した冷却風である排風を大気中に排出するための排風出口(85e)を有する排風ダクト(80)を備え、
    前記排風ダクト(80)は前記クランクケース(23)の上部に設けられ
    前記車輪(10)の回転中心線を中心とする径方向で外方から前記車輪(10)を覆うフェンダ(91,96)を備え、該フェンダ(91,96)は前記クランクケース(23)の上部に固定され、前記排風は、前記フェンダ(91,96)に設けられた前記排風出口(85e)を利用して、前記フェンダ(91,96)に対して前記径方向での内方で車輪(10)との間に形成される空間(S1)に、前記排風出口(85e)に最も近い部位での前記車輪(10)の回転方向(R)に沿う方向に、前記排風出口(85e)から排出されることを特徴とする車両。
  2. 前記排風ダクト(80)は前記フェンダ(91,96)と結合され、前記排風出口(85e)は、前記排風ダクト(80)の前記フェンダ(91,96)との結合部(83d)により形成されることを特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 前記排風出口(85e)は、前記車輪(10)の踏面(10b)と前記径方向で対面する位置に開口し、
    前記排風ダクト(80)または前記フェンダ(91)には、前記車輪(10)により巻き上げられた異物または前記踏面(10b)に付着していて遠心力により飛散した異物が前記排風ダクト(80)内へ侵入することを抑制する遮断部(86)が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の車両。
  4. 前記遮断部(86)は、前記クランクケース(23)の外面に沿って延出していることを特徴とする請求項3記載の車両。
  5. 前記内燃機関(E)には、前記クランクケース(23)に支持されるクランク軸(26)の回転中心線(Le)方向で前記クランクケース(23)を挟んで前記ラジエータ(52)とは反対側に、変速機(15)を収容する変速機ケース(16)を備える動力伝達装置(T)が配置され、前記内燃機関(E)は、前記車輪(10)と一体に車体フレ−ム(F)に支持され、前記フェンダ(96)は前記内燃機関(E)と一体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両。
  6. 前記内燃機関(E)は、前記クランクケース(23)の上部に設けられる被支持部(18a,18b)において、車体フレーム(F)に支持されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の車両。
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