JP5260148B2 - ストロンチウム含有薄膜の形成方法 - Google Patents
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Description
従来、これらのストロンチウムを含有する膜をCVD法やALD法で形成する際の原料としては、ビス(ジピバロイルメタナト)ストロンチウム(Sr(C11H19O2)2;以下、Sr(dpm)2と表す)が主に検討されてきた。
また、230℃以上になると熱分解が始まるため、ALD法で成膜する場合、望ましい自己律速成長のみならず、制御困難な熱分解が同時に起きるという問題を有していた。
しかしながら、SrCp* 2は、融点207℃であり、室温で固体であることから、上記製造方法においては、昇華操作により最終精製を行う必要があった。また、極微量の酸素、水分で変質する固体であることから、取り扱いにおいては、高価な設備と細心の操作が必要であった。
すなわち、酸素および水分に活性なシクロペンタジエニル基を有するストロンチウム化合物であって、エーテル類が付加しておらず、単量体で蒸気圧が高く、量産しやすい基を有する液体化合物が求められている。
また、SrCp* 2等のシクロペンタジエニル系ストロンチウム化合物は、NaC5(CH3)5(以下、NaCp*と表す)やKC5(CH3)5(以下、KCp*と表す)等のアルカリ金属化合物を原料に用いて合成されるため、粗製合成物中には多量のNaまたはKが含まれる。
これらのβ−ジケトン系ストロンチウム錯体およびSrCp* 2は、室温付近での性状が固体であるため、蒸留による精製が難しく、原料由来のNaやKを効率よく除去することが難しい。
したがって、従来は、ストロンチウム含有薄膜形成用原料において、NaおよびKの各含量を50ppb以下で得ることは困難であり、CVDやALDに適用可能なNaおよびKの各含量が50ppb以下のストロンチウム含有薄膜形成用原料はなかった。
また、非特許文献1には、Sr(PrMe4Cp)2に、1,2−ジメトキシエタン(CH3OC2H4OCH3;以下、DMEと表す)が付加した化合物が記載されている。
シクロペンタジエニル系ストロンチウム化合物は、エーテル類が付加した化合物として合成された後、エーテル類を外して得られる化合物であり、付加体を経由せずに合成することは困難である。しかも、付加したエーテル類を外すことは容易ではない。
また、本発明は、NaおよびKの含量を低減させたストロンチウム含有薄膜を提供することをも目的とする。
このとき用いられる不活性ガスは、Ar、N2およびHeのうちのいずれかであることが好ましく、また、その流量は、30〜500sccmであることが好ましい。
このとき用いられる溶媒は、トルエン、ヘキサンおよびオクタンのうちのいずれかであることが好ましい。
したがって、Sr(PrMe4Cp)2を用いれば、CVD法やALD法により、ストロンチウム含有膜を量産することができ、また、NaおよびKの含量が低減されたストロンチウム含有薄膜を形成することができる。
本発明に係るストロンチウム含有薄膜の形成方法は、CVD法またはALD法による薄膜形成方法において、Sr(PrMe 4 Cp) 2 を用いることを特徴とする。
この原料化合物であるSr(PrMe4Cp)2は、以下の製造方法により、好適に得ることができる。
具体的には、Na(PrMe4Cp)もしくはK(PrMe4Cp)とSrI2をTHF中で反応させ、Sr(PrMe4Cp)2のTHF付加体を生成させる工程と、THFを留去し、トルエンで抽出してトルエン溶液とする工程と、トルエンを留去し、減圧乾燥する工程と、真空下で100〜160℃に加熱し、THFを解離除去した後、蒸留する工程とを経ることにより、Sr(PrMe4Cp)2が得られる。
以下、この製造工程を順次、説明する。
K(PrMe4Cp)も、同様な方法で得られる。
また、溶媒としてジエチルエーテルを用いた場合は、反応原料の溶解度が小さく、反応速度が低く、容積効率が悪いため、ジエチルエーテルも適さない。
抽出後のトルエン溶液から、トルエンを留去し、減圧乾燥することにより、Sr(PrMe4Cp)2(THF)付加体が得られる。このTHF付加体の融点は約130℃である。
このようにして得られたSr(PrMe4Cp)2は、室温にて固化することがない粘性液体である。
したがって、上記のような製造方法により得られるKおよびNaの含量が少ないSr(PrMe4Cp)2を原料として用いて、SrTiO3膜、(Ba,Sr)TiO3膜、SrRuO3膜等のストロンチウム含有薄膜を形成すれば、薄膜中のKおよびNaの各含量を従来よりも低減することができる。
また、溶媒としては、溶解度が最も高いトルエンを用いることが好ましいが、低濃度溶液でよい場合には、トルエンに限らず、比較的溶解性に優れたヘキサンまたはオクタンを用いることもできる。
[実施例1]Sr(PrMe4Cp)2の製造
温度計、撹拌子、投入口、還流器を備えた1L三口フラスコに、真空アルゴン置換後、脱水脱酸素したTHF600mlと、Na(PrMe4Cp)75g(0.40mol)を仕込み、溶解し、フラスコを水冷しながら、SrI2粉末72g(0.21mol)を加え、40℃で8時間撹拌した。
次いで、減圧で脱溶媒し、乾燥後、脱水脱酸素したトルエン600mlを加え、加熱撹拌による抽出操作を行い、静置後、ろ過し、透明なろ液を得た。ろ液からトルエンを減圧留去し、100℃で減圧乾燥し、融点約130℃の淡黄色の固体(減圧乾燥品)89gを得た。
この粘性液体を、再度、高真空蒸留装置に仕込み、100〜160℃/0.1〜0.01Torrで約1時間保持し、微量の残留THFを外し、170〜180℃/0.01〜0.1Torrで、主留として淡黄色の粘性液体(2回蒸留品)56gを得た。
この2回蒸留品は、以下に述べる分析の結果、Sr(PrMe4Cp)2(0.136mol)と同定され、その収率はNa(PrMe4Cp)に対して68%であった。
(1)組成分析
湿式分解して得られた液のICP発光分光分析の結果、Sr含量は20.7%(理論値21.15%)であった。
また、不純物については、Ca=1900,Mg<50,Ba=10000,Na<50,K<50,Cr<50,Fe<50,Cu<50,Ni<50(単位:ppb)であり、高純度であることが認められた。
測定条件(装置:JNM−ECA400(400MHz)、溶媒:C6D6、方法:1D)
図1に、2回蒸留品の測定結果を示す。比較のため、図2に、減圧乾燥品の結果を示す。
2.01(s),1.97(s) 12H
:C5(CH 3)4の−C3H7から離れたCH32個と近いCH32個
2.39(t) 2H:CH 2CH2CH3
1.36(m) 2H:CH2CH 2CH3
0.92(t) 3H:CH2CH2CH 3
3.14(t),1.21(m):THFの−OCH 2CH 2CH 2CH 2−
また、Sr(PrMe4Cp)2(THF)1のSr含量理論値が18.02%であるのに対して、減圧乾燥品のSr含量分析値は18.1%であった。
よって、減圧乾燥品は、約1個のTHFが付加しているSr(PrMe4Cp)2であると推定される。
2回蒸留品は、微淡黄色で、室温で非常に粘性の強い液体であり、粘度は約1000Pであった。
測定条件(試料重量:14.40mg、雰囲気:Ar1気圧、昇温速度:10.0deg/min)
図3に、2回蒸留品の測定結果を示す。比較のため、図4に、減圧乾燥品の結果を示す。
図3,4に示すTG−DTA曲線から、2回蒸留品は、160℃付近まで減量はなく、除去されるTHFは存在していないと推定される。
また、300℃までに97%蒸発していることから、分オーダーの短時間では、300℃以下においては熱劣化することなく、ALD法やCVD法の原料に求められる熱安定性を有していることが認められる。
気体飽和法測定の結果、0.1Torr/170℃であった。
密度は1.2g/cm3(30℃)であった。
1Lの各溶媒に対する室温での溶解度は、トルエンに対しては350g、THFに対しては280g、ヘキサンに対しては70g、オクタンに対しては70gであった。
よって、トルエンに非常によく溶け、また、オクタン等にも比較的よく溶けることが認められた。
温度計、撹拌子、投入口、還流器を備えた300ml三口フラスコに、真空アルゴン置換後、脱水脱酸素したTHF160mlと、Na(PrMe4Cp)16g(0.086mol)を仕込み、溶解し、フラスコを水冷しながら、SrI2粉末15.5g(0.045mol)を加え、リフラックス下、8時間撹拌した。
次いで、減圧で脱溶媒し、乾燥後、脱水脱酸素したトルエン200mlを加え、加熱撹拌による抽出操作を行い、静置後、ろ過し、透明なろ液を得た。ろ液からトルエンを減圧留去し、100℃で減圧乾燥したところ、初めは、淡黄色の粘い液であったが、1日後、融点約100℃の固体18.5gが得られた。
この固体を、再度、高真空蒸留装置に仕込み、100〜160℃/0.1〜0.01Torrで1時間保持した後、昇温し、170〜175℃/0.01〜0.1Torrで、主留として、液体で留出し、室温で固化する淡黄色の固体(融点約50〜80℃)(2回蒸留品)12.8gを得た。
この2回蒸留品について、実施例1と同様にして、1H−NMRおよびTG−DTAの測定を行った。
図5に、2回蒸留品の測定結果を示す。
図5の測定スペクトルにおける各シグナルの位置とHの個数、Sr(PrMe4Cp)2とDMEのHの個数の比率を考慮して、δH(ppm)について、以下のように帰属を行った。
2.15(s),2.12(s) 12H
:C5(CH 3)4の−C3H7から離れたCH32個と近いCH32個
2.47(t) 2H:CH 2CH2CH3
1.63(m) 2H:CH2CH 2CH3
1.08(t) 3H:CH2CH2CH 3
2.69(t),2.59(m):DMEのCH 3OCH 2CH 2OCH 3
また、多くの不純物によるシグナルが見られ、加熱蒸留中に、付加体の熱分解等が生じたと推測される。
また、Sr(PrMe4Cp)2(DME)1のSr含量理論値が17.37%であるのに対して、2回蒸留品のSr含量分析値は18.2%であった。
よって、真空加熱蒸留操作では、DME付加体からDMEは外れにくいことが認められた。
図6に、2回蒸留品の測定結果を示す。
図6に示すTG−DTA曲線から、DMEが外れる挙動は見られず、大半は、DME付加体のまま蒸発していると推定される。
すなわち、溶媒としてDMEを用い、DME付加体を経由する方法では、純Sr(PrMe4Cp)2は得られなかった。
よって、市販のSr(PrMe4Cp)2(DME)から、純Sr(PrMe4Cp)2を製造することは困難である。
温度計、撹拌子、投入口、ガス出口を備えた1L三口フラスコに、真空アルゴン置換後、脱水脱酸素したTHF750mlと、NaCp*79g(0.50mol)を仕込み、溶解し、フラスコを水冷しながら、SrI2粉末90g(0.246mol)を加え、25〜40℃で24時間撹拌した。
次いで、減圧で脱溶媒し、乾燥後、脱水脱酸素したトルエン900mlを加え、加熱撹拌する抽出操作を行い、静置後、ろ過し、透明なろ液を得た。ろ液からトルエンを減圧留去し、100℃で減圧乾燥した。固形分をグローブボックス中で取り出し、軽く粉砕すると、淡黄色のさらさらとした粉末98gが得られた。
次いで、この1回昇華品を昇華器に仕込み、140〜180℃/0.1Torrで第2回目の昇華を行い、純白な2回昇華品62gを得た。
この2回昇華品の結晶は、以下に述べる分析の結果、SrCp* 2(0.162mol)と同定され、その収率はNaCp*に対して69%であった。
その結果、Sr含量分析値(理論値24.47%)と、1H−NMRの全SrCp* 2シグナルのHの個数およびTHFシグナルのHの個数の比率から、平均的化学式は、以下のように推定された。
減圧乾燥品: Sr含量19.7% SrCp* 2(THF)1.5
1回昇華品: Sr含量22.1% SrCp* 2(THF)0.5
2回昇華品: Sr含量25.3% SrCp* 2
また、2回昇華品について、ICP発光分光分析の結果から、不純物は、Ca=2800,Mg<50,Ba=29000,Na=940,K<50,Cr<50,Fe<50,Cu<50,Ni<50(単位:ppb)であり、実施例1に比べて、Na含量が大幅に多かった。
NaCp*に代えてKCp*を用い、それ以外は、比較例2と同様の方法で、同じモル量の原料を用いて合成を行った。
SrCp* 2の収率はKCp*に対して65%であった。
実施例1と同様にして、2回昇華品について、ICP発光分光分析による組成および不純物分析を行った。
その結果、Sr含量分析値は25.0%(理論値24.47%)であり、不純物は、Ca=3000,Mg<50,Ba=31000,Na<50,K=1100,Cr<50,Fe<50,Cu<50,Ni<50(単位:ppb)であり、実施例1に比べて、K含量が大幅に多かった。
温度計、撹拌羽根、還流器を備えた500ml四口フラスコに、真空アルゴン置換後、トルエン350mlを仕込み、次いで、ジピバロイルメタン(dpmH)65.6g(356mmol)、金属Sr7.8g(89mmol)を仕込み、加熱撹拌した。還流下で24時間反応させたところ、金属片は消失した。
次いで、減圧下、溶媒および未反応のdpmH類を留去した。さらに、130℃、0.05Torrで、溶存していた微量のdpmHを留去した。
残留物のうち34gを高真空蒸留装置に仕込み、230℃/0.02Torrで蒸留し、Sr(dpm)230gを得た。
これについて、実施例1と同様にして、ICP発光分光分析による不純物分析を行った結果、Na=920,K=890(単位:ppb)であり、実施例1に比べて、NaおよびK含量が大幅に多かった。
実施例1で得られたSr(PrMe4Cp)2が充填されたシリンダ(A)を170℃で、Arガス100sccmでバブリングし、また、Ti(OiPr)4が充填されたシリンダ(B)を40℃で、Arガス100sccmでバブリングし、また、水が充填されたシリンダ(C)を20℃で、Arガス50sccmでバブリングし、パージガスとしてAr200sccmを流し、各パルス1秒、パージ3秒で、ALD操作を行った。
圧力約5TorrのALD室に、基板温度300℃のSi基板を置き、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるSrサイクルと、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるTiサイクルとを交互に、各100サイクル行い、厚さ10nmのSrTiO3膜を得た。
ガス導入口を含むチャンバ壁、ウエハ加熱用抵抗加熱ステージヒータ、ウエハ設置用リフタ機構を備えた成膜チャンバにて成膜した。この成膜チャンバは、圧力調整弁を介して、排気ポンプに接続し、チャンバ壁に埋め込まれたカートリッジヒータにより、チャンバ内を160℃に保持し、また、ステージヒータは、約0.3Torrでウエハ温度が290℃となるように、320℃に設定しておく。
搬送アームを用いて、直径300mmのSiウエハを搬送系から成膜チャンバに導入し、ステージヒータに移載した。その後、Arガス500sccmを流通し、圧力調整弁によりチャンバ内圧力を1Torrに保持して、ウエハ温度を昇温させた。
これらの原料または酸化剤の供給(以下、パルスという)およびパージを、各パルス5秒、パージ10秒として、以下のようなALD操作を行った。パルスまたはパージ時、チャンバの圧力制御弁は開いているため、チャンバ内の圧力は、チャンバ内のガス流量に応じて、パルスA:0.3Torr、パルスB:0.4Torr、パルスC:0.5Torr、パージ:0.2Torrとなる。これらのALD操作の間、ウエハは約290℃に保持される。
(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるSrO形成サイクルと、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるTiO2形成サイクルとを、合わせて77サイクル、SrO/TiO2サイクル比=1.3となるように行った。具体的には、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を1サイクルの一連の工程を1回とし、これを11回繰り返し、厚さ5nmのSrTiO3膜を形成した。
また、Sr(PrMe4Cp)2の使い始めと90g使用時点で、25枚のランニング成膜を行ったところ、その平均膜厚は53.5Åと50.3Å、面内膜厚分布の標準偏差は1.6%と1.3%、25枚の面間膜厚分布の標準偏差は2.8%と3.3%であり、Sr(PrMe4Cp)2の使い始めとほぼ使い終わりである90g使用時点とで、成膜特性の差異はほとんどなかった。
Sr(PrMe4Cp)2に代えてSrCp* 2を用い、それ以外は実施例3と同様にして成膜した。
SrCp* 2100gの使い始めと90g使用時点で、25枚のランニング成膜を行ったところ、その平均膜厚は55.2Åと43.2Åであり、膜のSr/Ti比も、使い始めが1.4であるのに対して、90g使用時点では0.8であり、明らかに、SrCp* 2の供給量が低下していた。
一方、SrCp* 2はバブリングを行う温度で固体であるため、充填量100gの使用開始から終了にかけて、粉体の凝集による蒸発表面積の減少、シリンダや配管のコールドスポットへの原料の凝集による伝熱不足等により、成膜原料の供給量が低下していく傾向があり、これにより、同じ成膜条件での膜厚の減少やSr/Ti比の低下がもたらされていると考えられる。
成膜チャンバは、実施例3と同様の条件設定とした。
実施例1で得られたSr(PrMe4Cp)2を、バブリング用シリンダ(A)に充填して、155℃に保持し、キャリアガスとしてArガス50sccmを流通してバブリングし、Sr(PrMe4Cp)2蒸気を得た。また、Ti(OiPr)4が充填されたシリンダ(B)を55℃に保持し、Arガス200sccmを流通してバブリングし、Ti(OiPr)4蒸気を得た。また、酸化剤としてO2/N2=500/0.5sccm混合ガスを、オゾナイザに通じて180g/m3濃度のO3ガスを得た(C)。さらに、パージガスとしてはAr200sccmを用いた。
これらのパルスおよびパージを、A,Bパルス10秒、Cパルス2秒、パージ10秒として、以下のようなALD操作を行った。
(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるSrO形成サイクルと、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるTiO2形成サイクルとを、合わせて77サイクル、SrO/TiO2サイクル比=1.2となるように行った。具体的には、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を1サイクルの一連の工程を1回とし、これを7回繰り返し、厚さ5nmのSrTiO3膜を形成した。
XRF法により、形成した膜の組成を調べたところ、Sr/Ti=1.25であった。
成膜チャンバは、実施例3と同様の条件設定とした。
実施例1で得られたSr(PrMe4Cp)2をトルエンに溶解し、0.4mol/l溶液とした。その粘度は40cPであった。
この溶液を、液体供給系を用いて200℃に加熱した気化器に誘導し、Arガス200sccmをキャリアガスとして、0.3g/minの流量で、液体流量計で制御しながら気化させ、Sr(PrMe4Cp)2ガスを得た(A)。また、Ti(OiPr)4を、液体供給系を用いて100℃に加熱した気化器に誘導し、Arガス200sccmをキャリアガスとして、0.1g/minの流量で、液体流量計で制御しながら気化させ、Ti(OiPr)4蒸気を得た。また、酸化剤としてO2/N2=500/0.5sccm混合ガスを、オゾナイザに通じて180g/m3濃度のO3ガスを得た(C)。さらに、パージガスとしてはAr200sccmを用いた。
これらのパルスおよびパージを、A,Bパルス2秒、Cパルス2秒、パージ5秒として、以下のようなALD操作を行った。
(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるSrO形成サイクルと、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるTiO2形成サイクルとを、合わせて99サイクル、SrO/TiO2サイクル比=1.2となるように行った。具体的には、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を1サイクルの一連の工程を1回とし、これを9回繰り返し、厚さ6.4nmのSrTiO3膜を形成した。
Sr(PrMe4Cp)20.4mol/lトルエン溶液に代えてSrCp* 20.2mol/lトルエン溶液を用い、それ以外は、実施例5と同様にして成膜した。
(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるSrO形成サイクルと、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるTiO2形成サイクルとを、合わせて99サイクル、SrO/TiO2サイクル比=1.2となるように行った。具体的には、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を1サイクルの一連の工程を1回とし、これを9回繰り返し、厚さ8.2nmのSrTiO3膜を形成した。
このSrTiO3膜は、実施例5のSrTiO3膜に比べて、物理膜厚、酸化膜換算膜厚とも厚いにもかかわらず、リーク電流が大きかった。
このことから、SrCp* 2の方がSr(PrMe4Cp)2に比べてNa等の不純物が多いため、電気的特性を悪化させていると考えられる。
成膜チャンバは、ステージヒータの設定を0.3Torrでウエハ温度が330℃となるように350℃とし、それ以外は実施例3と同様の条件設定とした。
実施例1で得られたSr(PrMe4Cp)2をトルエンに溶解し、0.4mol/l溶液とした。この溶液を、液体供給系を用いて200℃に加熱した気化器に誘導し、Arガス200sccmをキャリアガスとして、0.3g/minの流量で、液体流量計で制御しながら気化させ、Sr(PrMe4Cp)2ガスを得た(A)。また、Ru(EtCp)2を、液体供給系を用いて120℃に加熱した気化器に誘導し、Arガス200sccmをキャリアガスとして、0.1g/minの流量で、液体流量計で制御しながら気化させ、Ru(EtCp)2蒸気を得た。また、酸化剤としてO2/N2=500/0.5sccm混合ガスを、オゾナイザに通じて100g/m3濃度のO3ガスを得た(C)。さらに、パージガスとしてはAr200sccmを用いた。
これらのパルスおよびパージを、A,Bパルス1秒、Cパルス1秒、パージ2秒として、以下のようなALD操作を行った。
(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるSrO形成サイクルと、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)によるRuO2形成サイクルとを、合わせて240サイクル、SrO/RuO2サイクル比=1となるように行った。具体的には、(Aパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクル、(Bパルス−パージ−Cパルス−パージ)を2サイクルの一連の工程を1回とし、これを60回繰り返し、厚さ18nmのSrRuO3膜を形成した。
実施例1で得られたSr(PrMe4Cp)2が充填されたシリンダを160℃、内圧約5Torrで、アルゴンガス50sccmでバブリングし、Sr(PrMe4Cp)2蒸気をCVD室に送った。
同時に、Ti(NMe2)4が充填されたシリンダを30℃、内圧約5Torrで、アルゴンガス50sccmでバブリングし、Ti(NMe2)4蒸気をCVD室に送った。
また、酸素ガス100sccmをCVD室に送った。
CVD室入口でこれらのガスを混合し、2Torr、350℃に保持したSi(100)基板上に導入したところ、30分間で、厚さ60nmのSrTiO3膜が生成した。
実施例1で得られたSr(PrMe4Cp)2が充填されたシリンダを160℃、内圧約7Torrで、アルゴンガス50sccmでバブリングし、Sr(PrMe4Cp)2蒸気をCVD室に送った。
同時に、Ru(EtCp)2が充填されたシリンダを30℃、内圧約7Torrで、アルゴンガス50sccmでバブリングし、Ru(EtCp)2蒸気をCVD室に送った。
CVD室入口でこれらのガスを混合し、5Torr、700℃に保持したSrTiO3(100)基板上に導入したところ、30分間で厚さ80nmのSrRuO3膜が生成した。
Claims (8)
- 化学気相成長法または原子層堆積法による薄膜形成方法において、ビス(プロピルテトラメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウムを用いることを特徴とするストロンチウム含有薄膜の形成方法。
- Sr源としてビス(プロピルテトラメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウムを用いて、SrTiO3膜または(Ba,Sr)TiO3膜を形成することを特徴とする請求項1記載のストロンチウム含有薄膜の形成方法。
- Sr源としてビス(プロピルテトラメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウムを用いて、SrRuO3膜を形成することを特徴とする請求項1記載のストロンチウム含有薄膜の形成方法。
- ビス(プロピルテトラメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウムを130〜350℃で、不活性ガスをキャリアガスとしたバブリング法により供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のストロンチウム含有薄膜の形成方法。
- 前記不活性ガスは、Ar、N2およびHeのうちのいずれかであることを特徴とする請求項4記載のストロンチウム含有薄膜の形成方法。
- 前記不活性ガスの流量は、30〜500sccmであることを特徴とする請求項4または5に記載のストロンチウム含有薄膜の形成方法。
- ビス(プロピルテトラメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウムを溶媒に溶解し、粘度50cP以下の溶液として、気化器に搬送し、150〜350℃で気化して供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のストロンチウム含有薄膜の形成方法。
- 前記溶媒は、トルエン、ヘキサンおよびオクタンのうちのいずれかであることを特徴とする請求項7記載のストロンチウム含有薄膜の形成方法。
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