光透過型の液晶表示パネルを備える液晶表示装置は、液晶表示パネルと、その液晶表示パネルに光を照射するようにその背面側に配設されるバックライトユニットを備えている。この種のバックライトユニットとしては、アクリル樹脂などの透明材料からなる板状の導光板と、この導光板の一辺または複数の辺に沿って配置される冷陰極管(蛍光ランプ)やLED(発光ダイオード)からなる光源とを備えるサイドライト型(エッジライト型)のバックライトユニットが知られている。このようなサイドライト型のバックライトユニットは、光源が液晶表示パネルの背面に配設される直下型のバックライトユニットと比べて、薄型化し易い等の利点を有している。
特に、このようなサイドライト型のバックライトユニットの光源としてLEDを用いたものは、長寿命、高発光効率の利点を有しているため、特に注目されている。図13および図14は、このようなLEDを用いたサイドライト型のバックライトユニットを備えた液晶表示装置の概略構成を示した分解斜視図および要部の断面図である。
図示されるように液晶表示装置100は、ベゼル102、液晶表示パネル103、およびバックライトユニット104を備える。
ベゼル102は、液晶表示パネル103の周縁に被せられる額縁形状を有しており、バックライトシャーシ114と共に液晶表示装置100全体の強度を確保するものである。液晶表示パネル103は、2枚のガラスを貼り合わせてその間に液晶を封止したもので、前面に画像を表示することができるようになっている。
バックライトユニット104は、浅底の箱形状を有するバックライトシャーシ114を備えており、このバックライトシャーシ114の内部には、光学シート107〜109、導光板111、反射シート113および2枚のLED基板120,120が収納されている。
図14に示されるように、導光板111は、LED基板120が備えるLED121からの光を導入するための光入射面111aと、その光入射面111aから導入された光を上方向(照射方向)に出射するための光出射面111bとを有している。光入射面111aは、導光板111の所定の側端面によって構成されると共に、光出射面111bは導光板111の前面によって構成されている。
反射シート113は、導光板111の光出射面111bとは反対側の背面111cを覆うように配置されている。また、光学シート107〜109は、拡散シートやレンズシートなどを含んでいると共に、導光板111の光出射面111bの上に配置されている。
これら、光学シート107〜109、導光板111、反射シート113は、フレーム105によってバックライトシャーシ114の底板部114a上に、積層された状態で固定されている。
また、LED基板120に備えられた複数のLED121は、導光板111の光入射面111aの近傍に配置されている。更に、LED121の発光面121dが導光板111の光入射面111aに対向するように、その光入射面111aに沿って所定の間隔を隔てて配置されている。この場合、2枚のLED基板120,120は、バックライトシャーシ114の側壁部114b近傍の底板部114a上に立設されたL字形状の固定板115に立てた状態で横並びになるように固定されている。
LED基板120は、図15に示されるように、アルミなどの金属製の放熱板の上に絶縁層を介して配線パターン131,132,133が形成されており、この配線パターン131,132,133に接続されるように複数個のLED121が実装されている。
この場合、LED基板120の長手方向に沿って直線状に4個のLED121,121,121,121が配置されると共に、これら4個のLED121,121,121,121は連結パターン132,132,132によって直列に接続されている。
また、LED基板120の右端から数えて1個目のLED121には、電源パターン131の一端が接続されると共に、この電源パターン131の他端には、LED基板120の右端部に配置された基板コネクタ140の電源側端子(+端子)141が接続されている。
また、LED基板120の左端から数えて1個目(右端から数えて4個目)のLED121には、グランドパターン133の一端が接続されると共に、LED基板120の左端部から右方向へ折り返すようにLED基板120の長手方向に沿って延びるグランドパターン133の他端には、基板コネクタ140のグランド側端子(−端子)142が接続されている。
この場合、この基板コネクタ140は、これに嵌合接続されるケーブルコネクタ150およびケーブル161,162を介して液晶表示装置100が備える電源基板118と接続されるようになっている。
このようなLED基板120では、LED121に接続される基板コネクタ140がLED基板120の左右両端部のいずれか一方の端部に配置されているため、図16に示されるように2枚のLED基板120,120を横並びに配置する場合は、左端部に基板コネクタ140に配置されたLED基板120を左に配置し、右端部に基板コネクタ140が配置されたLED基板120を右に配置することで、2枚のLED基板120のそれぞれの基板コネクタ140,140が隣り合わないようにされている。このような構成によれば、左のLED基板120の右から数えて1個目のLED121と、右のLED基板120の左から数えて1個目のLED121の間の距離P2を、他の隣り合うLED121間の間の距離P1と同じ(P2=P1)にすることができ、2枚のLED基板120,120が備える各LED121からの光を導光板111の光入射面111aに均一に入射させることができるようになっている。
この場合、例えば図17(a)に示されるように、右端部に基板コネクタ140に配置されたLED基板120を左に配置し、同じく右端部に基板コネクタ140が配置されたLED基板120を右に配置すると、左のLED基板120の基板コネクタ140に嵌合接続されるケーブルコネクタ150とケーブル161,162が、右のLED基板120の左端部やLED121と干渉してしまう不具合が発生する。
また、LED基板120の基板コネクタ140が配置された側の端部は、基板コネクタ140を配置する領域の分だけ長くなっているので、図17(a)に示されるように左のLED基板120の右から数えて1個目のLED121と、右のLED基板120の左から数えて1個目のLED121の間の距離P3が、他の隣り合うLED121間の間の距離P1よりも長く(P3>P1)なってしまい、2枚のLED基板120,120が備える各LED121からの光を導光板111の光入射面111aに均一に入射させることができなくなり、導光板111の光出射面111bにおける輝度にムラが生じる不具合が発生する。
そこで、このような不具合を防止するために、上述した図16に示されるように2枚のLED基板120を横並びに配置する場合は、左端部に基板コネクタ140に配置されたLED基板120と、右端部に基板コネクタ140が配置されたLED基板120の2種類のLED基板を用意し、左端部に基板コネクタ140に配置されたLED基板120を左に配置し、右端部に基板コネクタ140が配置されたLED基板120を右に配置する構成が採用されている。尚、本発明に関連する先行技術文献としては下記特許文献が挙げられる。
以下に、本発明に係るLED基板、バックライトユニットおよび液晶表示装置の実施の形態ついて、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態の液晶表示装置1を模式的に示した分解斜視図、図2は、液晶表示装置1の要部を拡大して示した断面図である。図1および図2に示されるように、液晶表示装置1は、ベゼル2、液晶表示パネル3、およびバックライトユニット4を備える。
ベゼル2は、液晶表示パネル3の周縁に被せられる額縁形状を有しており、後述するバックライトシャーシ14と共に液晶表示装置1全体の強度を確保するものである。液晶表示パネル3は、2枚のガラスを貼り合わせてその間に液晶を封止したもので、前面に画像を表示することができるようになっている。
バックライトユニット4は、いわゆるサイドライト型(エッジライト型)の照明装置である。図示されるようにバックライトユニット4は、フレーム5、光学シート7〜9、導光板11、反射シート13、バックライトシャーシ14、固定板15および3枚のLED基板20,20,20を備える。フレーム5は、額縁形状を有しており、光学シート7〜9、導光板11および反射シート13を、この順番で上から積層させた状態でバックライトシャーシ14に固定するためのものである。これら光学シート7〜9、導光板11および反射シート13は、LED基板20が備える複数のLED21から液晶表示パネル3に入射する光の特性(屈折、回折、反射等)を調整する光学部材である。
バックライトシャーシ14は、導電性を有するアルミなどからなる金属製の板材を折り曲げ加工等によって浅底の箱形状に成形されており、光学シート7〜9、導光板11、反射シート13、固定板15およびLED基板20,20,20が収容される。
導光板11は、平面視において長方形状を有して、例えば厚さが3〜4mm程度の透明な板材で構成されている。導光板11は、LED21からの光を導入するための光入射面11aと、その光入射面11aから導入された光を上方向(照射方向)に出射するための光出射面11bとを有している。光入射面11aは、導光板11の所定の側端面によって構成されると共に、光出射面11bは導光板11の前面によって構成されている。
導光板11は、光入射面11aから入射した光を光出射面(前面)11bと、この光出射面11bとは反対側の背面11cとの間で繰り返し反射させて、その内部で平面状に広げることが可能になっている。図示しないが、導光板11の背面11cには、光入射面(側端面)11aから入射した光を散乱させて光出射面(前面)11bから出射させる複数個の散乱部が形成されている。このような散乱部としては、白色顔料等を含む塗料を導光板11の背面11cに斑点状に印刷して形成されたものや、導光板11の背面11cに複数の凹部を形成したものが適用される。
また、LED基板20に備えられる複数のLED21は、導光板11の光入射面11aの近傍に配置されている。更に、LED21の発光面21dが導光板11の光入射面11aに対向するように、その光入射面11aに沿って所定の間隔を隔てて配置されている。この場合、3枚のLED基板20,20,20は、バックライトシャーシ14の側壁部14b近傍の底板部14a上に立設されたL字形状の固定板15に立てた状態(起立した状態)で横並びになるように配置されて固定される。
反射シート13は、導光板11の光出射面11bとは反対側の背面11cを覆うように配置されており、この場合、バックライトシャーシ14の底板部14a上に敷設されている。反射シート13は、導光板11の背面11cから出射される光を導光板11側に反射させるためのもので、例えば厚さが0.1〜2mm程度の樹脂製シートで構成される。この場合、反射シート13の前面は、例えば白色に塗装されており、導光板11の背面11cから出射される光を導光板11側に効率良く反射させその光の利用効率および導光板11の光出射面11bでの輝度を高めている。
3枚の光学シート7〜9は、平面視において長方形状を有した薄いシート状の樹脂製シートである。光学シート7〜9は、上から順に例えば、厚さが0.1〜0.5mm程度の偏向選択性反射シート7、レンズシート8、拡散シート9が用いられており、導光板11の上に積み重ねられて配置される、
この場合、拡散シート9は、導光板11から出射される光を拡散させることで、輝度分布を均一にするためのものである。レンズシート8は、拡散シート9から出射される光を集光することで、正面輝度を高めるためのものである。偏向選択性反射シート7は、レンズシート8から出射された光が液晶表示パネル3の下側に貼り付けられた図示しない偏向板に吸収されないように選択的に反射させるためのものである。
このようにバックライトユニット4は、光学シート7〜9、導光板11および反射シート13によって、LED21からの光を面状の光に変換して液晶表示パネル3の背面側に照射できるようになっている。尚、バックライトシャーシ4の背面には、LED基板20,20,20に電源を供給する電源基板18と、液晶表示パネル3を駆動するコントロール基板19が配設されている。
次に本発明に係るLED基板20について図3〜図7を用いて説明する。図示されるようにLED基板20は、アルミなどの導電性を有する金属製の放熱板22を備えている。放熱板22は、長尺の長方形状を有している。放熱板22の上面には絶縁層23が形成されており、この絶縁層23の上には、LED基板20(放熱板22)の長手方向に沿って直線状に複数個(この実施形態では4個)のLED21,21,21,21が実装されている。
この場合、放熱板22は、LED基板20の基材としての機能を有すると共に、LED21の発熱による温度上昇を抑制する機能を有しており、バックライトシャーシ14の底板部14a上に立設されたL字形状を有するアルミなどの導電性を有する金属製の固定板15に、両面に粘着面を有する熱伝導シート16を介して貼り付け固定されている(図2参照)。
したがって、LED21が発した熱は、LED基板20が備える放熱板22、熱伝導シート16および固定板15を介してバックライトシャーシ14の底板部14aに伝導することで、LED21の温度が上昇し過ぎないように抑制されている。尚、固定板15は、固定ネジ17によってバックライトシャーシ14の底板部14aに取り付けられている。
LED21は、例えば青色光を発生させるLEDチップ21aを、黄色蛍光体が混合された透明樹脂で密封したパッケージ構造を有しており、LED21の上面、つまり発光面21dから白色光を放出することが可能となっている。この場合、LED21の発光面21dは、LED基板20の板面(表面)と並行になるように配置されている。
図3、図4および図5に示されるように、絶縁層23の上には配線パターンとして、左から順に第1のグランドパターン34、連結パターン33,第1の電源パターン31、第3のグランドパターン36、第2の電源パターン32,連結パターン33,第2のグランドパターン35が形成されている。LED基板20の中央から左半分の領域に配置された2個のLED21,21(第1のLED群21A)は連結パターン33によって直列に接続され、LED基板20の中央から右半分の領域に配置された2個のLED21,21(第2のLED群21B)は連結パターン33によって直列に接続されている。
具体的には、図5(a)に示されるように、第1のLED群21Aの左から数えて1個目のLED21の+電極(アノード電極)21bと、同じく第1のLED群21Aの左から数えて2個目のLEDの−電極(カソード電極)21cが連結パターン33によって接続されている。また、第2のLED群21Bの右から数えて1個目のLED21の+電極(アノード電極)21bと、同じく第2のLED群21Bの右から数えて2個目のLEDの−電極(カソード電極)21cが連結パターン33によって接続されている。
尚、図示しないが、LED基板20の表面には、その表面を被覆するように白色ソルダーレジストなどの白色の塗料がシルク印刷法により印刷されている。シルク印刷法とは、所定のパターンの開口孔が形成されたシルクをスクリーンとして印刷対象を覆い、その開口孔からインクを付けて印刷する方法であり、シルクスクリーン印刷法とも呼ばれる。
この場合、LED21が配置された領域と、第1のグランドパターン34,第2のグランドパターン35および第3のグランドパターン36が形成された領域以外のLED基板20の表面に白色の塗料が印刷されており、導光板11の光入射面11a等からLED基板20側に戻ってくる光を反射することでその光の利用効率を高めている。
また、LED基板20には、基板コネクタ40が実装されており、第1のLED群21Aと第2のLED21Bの間で、LED基板20のほぼ中央に配置されている。この基板コネクタ40は、LED21に電源(電力)を供給するためのもので、いわゆるオス型の第1の電源側端子(+端子)41,第2の電源側端子(+端子)42およびグランド側端子(−端子)43を備えている。
この場合、この基板コネクタ40は、これに下方から嵌合接続されるケーブルコネクタ50およびケーブル61,62,63を介して液晶表示装置1が備える電源基板18と接続されるようになっている。
基板コネクタ40は、図示されるようにケーブルコネクタ50が下方から嵌合接続されるように、その嵌合面がLED基板20の幅方向と並行な方向(側方)において、この場合、下方に向くように配置されており、左から右に向かって順に第1の電源側端子41,グランド側端子43,第2の電源側端子42がコネクタハウジング内で配置されている。
尚、ケーブルコネクタ50は、図4に示されるように、メス型の第1の電源側端子(+端子)51、第2の電源側端子(+端子)52およびグランド側端子(−端子)53を備えており、それぞれ基板コネクタ40の第1の電源側端子41,第2の電源側端子42およびグランド側端子43と嵌合により導通接続されるようになっている。この場合、ケーブルコネクタ50は、接続の相手方である基板コネクタ40に対応して、左から右に向かって順に第1の電源側端子51,グランド側端子53,第2の電源側端子52がコネクタハウジング内で配置されている。
また、ケーブルコネクタ50の第1の電源側端子51の圧着部51aには、第1の電源側ケーブル61の端末部が接続され、第2の電源側端子52の圧着部52aには、第2の電源側ケーブル62の端末部が接続されると共に、グランド側端子53の圧着部53aには、グランド側ケーブル63の端末部が接続されている。
図3、図4および図5に示されるように、第1の電源パターン31は、第1のLED群21Aの右から数えて一個目に配置されたLED21の+電極(アノード電極)21bに接続される共に、基板コネクタ40の第1の電源側端子(+端子)41の脚部41aに接続されている。また、第2の電源パターン32は、第2のLED群21Bの左から数えて1個目に配置されたLED21の+電極(アノード電極)21bに接続される共に、基板コネクタ40の第2の電源側端子(+端子)42の脚部42aに接続されている。更に、LED基板20の中央、この場合、基板コネクタ40の上方に形成された略四角状(略矩形状)の第3のグランドパターン36は、基板コネクタ40のグランド側端子(−端子)43の脚部43aに接続されている。
また、LED基板20の左端部に形成された略四角状(略矩形状)の第1のグランドパターン34は、第1のLED群21Aの左から数えて一個目に配置されたLED21の−電極(カソード電極)21cに接続されている。更に、LED基板20の右端部に形成された略四角状(略矩形状)の第2のグランドパターン35は、第2のLED群21Bの右から数えて一個目に配置されたLED21の−電極(カソード電極)21cに接続されている。
図3、図4および図5に示されるように、第1のグランドパターン34の中央には、その第1のグランドパターン34、絶縁層23および放熱板22を貫通する第1の貫通孔34aが開口形成されている。また、第2のグランドパターン35の中央には、その第2のグランドパターン35、絶縁層23および放熱板22を貫通する第2の貫通孔35aが開口形成されている。そして、第3のグランドパターン36の中央には、その第3のグランドパターン36,絶縁層23および放熱板22を貫通する第3の貫通孔36aが開口形成されている。
このような構成を有するLED基板20においては、基板コネクタ40の第1の電源側端子41と第1のLED群21AのLED21,21は、第1の電源パターン31および連結パターン33によって電気的に接続されているが、第1のグランドパターン34と第3のグランドパターン36は接続されていないため、第1のLED群21Aの左から数えて1個目のLED21の−電極(カソード電極)21cは、基板コネクタ40のグランド側端子43とはまだ接続されていない状態になっている。
また、同様に、基板コネクタ40の第2の電源側端子42と第2のLED群21BのLED21,21は、第2の電源パターン32および連結パターン33によって電気的に接続されているが、第2のグランドパターン35と第3のグランドパターン36は接続されていないため、第2のLED群21Bの右から数えて1個目のLED21の−電極(カソード電極)21cは、基板コネクタ40のグランド側端子43とはまだ接続されていない状態になっている。
そこで、図示されるような導電性を有する金属製の第1のタッピンネジ71および第3のタッピンネジ73を、第1のグランドパターン34の第1の貫通孔34aおよび第3のグランドパターン36の第3の貫通孔36aにそれぞれねじ込むことで、第1のグランドパターン34が、第1のタッピンネジ71を介してその下層の放熱板22と電気的に接続されると共に、第3のグランドパターン36が第3のタッピンネジ73を介してその下層の放熱板22と電気的に接続されて、第1のグランドパターン34と第3のグランドパターン36が、第1のタッピンネジ71、放熱板22および第3のタッピンネジ73を介して導通接続されるようになっている。
また、同様に、導電性を有する金属製の第2のタッピンネジ72および第3のタッピンネジ73を、第2のグランドパターン35の第2の貫通孔35aおよび第3のグランドパターン36の第3の貫通孔36aにそれぞれねじ込むことで、第2のグランドパターン35が、第2のタッピンネジ72を介してその下層の放熱板22と電気的に接続されると共に、第3のグランドパターン36が第3のタッピンネジ73を介してその下層の放熱板22と電気的に接続されて、第2のグランドパターン35と第3のグランドパターン36が、第2のタッピンネジ72、放熱板22および第3のタッピンネジ73を介して導通接続されるようになっている。
これにより、図6(a),(b)に示されるように、第1のLED群21Aの直列接続された2個のLED21,21が、基板コネクタ40の第1の電源側端子41とグランド側端子43の間で直列に接続されると共に、第2のLED群21Bの直列接続された2個のLED21,21が、基板コネクタ40の第2の電源側端子42とグランド側端子43の間で直列に接続されることになる。
つまり、LED基板20の左端部に形成された第1のグランドパターン34と右端部に形成された第2のグランドパターン35が、第1のタッピンネジ71、第2のタッピンネジ72,放熱板22および第3のタッピンネジ73を介して基板コネクタ40のグランド側端子43に接続された第3のグランドパターン36に導通接続されている構成になっているので、従来技術で説明した図15に示されるようなLED基板120の長手方向において直列接続されたLED121,121,121,121とLED基板120の幅方向において隣り合うと共に、LED基板120の長手方向に沿って延びるライン状のグランドパターン133を設ける必要がなくなる。
したがって、本発明に係るLED基板20は、直列接続された複数のLED21とは絶縁層23を介して下層に配置された金属製の放熱板22を、LED21のグランド用配線(接地用配線)として利用することにより、従来のようなLED基板120の長手方向に沿って延びるライン状のグランドパターン133を設けるのに要する幅の分だけ基板の全幅の小型化(減少)が可能になっている。
すなわち、LED基板20は、その幅方向(長手方向に直交する方向)に小型化されているので、従来技術で説明した図14に示されるようなバックライトシャーシ114の底板部114aから下方に突出した凸部114cを設けることなく、図2に示されるようにLED基板20をバックライトシャーシ14内に収容することが可能となる。
これにより、図2に示されるようにバックライトシャーシ14の高さ(底板部14aからの高さ)を従来のものよりも小さくすることができ、バックライトユニット4の薄型化および液晶表示装置1の薄型化が可能となる。
尚、第1のグランドパターン34の第1の貫通孔34a、第2のグランドパターン35の第2の貫通孔35aおよび第3のグランドパターン36の第3の貫通孔36aを、通常のねじ穴として形成し、第1のタッピンネジ71,第2のタッピンネジ72および第3のタッピンネジ73を、通常のネジとした構成でも良い。
本実施形態では、第1のグランドパターン34の第1の貫通孔34aに挿入してその下層の放熱板22を導通接続させるネジとして、第1のタッピンネジ71を用いることで、第1の貫通孔34aの内面に第1のタッピンネジ71のねじ山が食い込んで雌ネジが形成されるようになっているので、第1の貫通孔34aをねじ穴として形成する必要がない上に、第1のタッピンネジ71と放熱板22を確実に導通接続させることができる。
また、同様に、第2のグランドパターン35の第2の貫通孔35aに挿入してその下層の放熱板22を導通接続させるネジとして、第2のタッピンネジ72を用いることで、第2の貫通孔35aの内面に第2のタッピンネジ72のねじ山が食い込んで雌ネジが形成されるようになっているので、第2の貫通孔35aをねじ穴として形成する必要がない上に、第2のタッピンネジ72と放熱板22を確実に導通接続させることができる。
更に、同様に、第3のグランドパターン36の第3の貫通孔36aに挿入してその下層の放熱板22を導通接続させるネジとして、第3のタッピンネジ73を用いることで、第3の貫通孔36aの内面に第3のタッピンネジ73のねじ山が食い込んで雌ネジが形成されるようになっているので、第3の貫通孔36aをねじ穴として形成する必要がない上に、第3のタッピンネジ73と放熱板22を確実に導通接続させることができる。
また、図7および図8に示されるように、上述した第1のタッピンネジ71,第2のタッピンネジ72および第3のタッピンネジ73よりもねじ長さが長い第1のタッピンネジ81、第2のタッピンネジ82および第3のタッピンネジ83を用いて、固定板15および熱伝導シート16を貫通するように形成された貫通孔15aに、これらタッピンネジ81,82,83の先端をねじ込む構成にしても良い。このような構成にすれば、第1のグランドパターン34と放熱板22の導通接続、第2のグランドパターン35と放熱板22の導通接続および第3のグランドパターン36と放熱板22の導通接続が図られると共に、LED基板20の固定板15への取り付けも行われることになる。
通常、バックライトシャーシ14は、LED基板20に電源を供給する電源基板18および液晶表示パネル3を駆動するコントロール基板19を電気的に接地させる接地部材として機能するため、図7および図8に示されるような構成にすれば、LED基板20の第1のグランドパターン34,第2のグランドパターン35および第3のグランドパターン36は、タッピンネジ81,82,83、放熱板22および固定板15を介して接地部材であるバックライトシャーシ14と導通接続されることになる。これにより、LED基板20の第1のグランドパターン34,第2のグランドパターン35および第3のグランドパターン36の電気的な接地性が向上するので、LED21への電源の供給をより安定させることができる。
この場合、LED基板20の放熱板22と固定板15との間に介在される熱伝導シート16として導電性を有するものを用いれば、LED基板20の第1のグランドパターン34,第2のグランドパターン35および第3のグランドパターン36の電気的な接地性が更に向上する。
尚、図1、図7および図8(b)に示されるように、バックライトシャーシ14の底板部14aには、バックライトシャーシ14の底板部14aに固定された状態のLED基板20の基板コネクタ40へのケーブルコネクタ50の挿抜が可能になるように、ケーブルコネクタ50の外径よりも大きく開口されたコネクタ挿入孔14cが形成されており、ケーブルコネクタ50の取り扱いや、底板部14aの背面側に配置された電源基板18へのケーブル61,62,63の配回しが容易になっている。
このようなLED基板20においては、実装された複数個のLED21に電源を供給する基板コネクタ40が、LED基板20の中央に配置されている構成により、図4に示されるようにLED基板20の左右端部を同形状、特にこの場合左右線対称となるようLED基板20の左右端部を同形状に形成すること可能となっている。したがって、このようなLED基板20を複数枚横並びに配置しても、それら複数枚のLED基板20の各LED21間の距離を均等にすることが可能となっている。
図9に示されるように、例えば3枚のLED基板20,20,20をその長手方向に沿って横並びに配置する場合、隣り合う2枚のLED基板20,20間において隣り合うように配置されることになるLED21,21間の距離P2,P2を、各LED基板20の隣り合うLED21,21間の距離P1と同じ長さにすることが可能になっており、これら3枚のLED基板20,20,20の各LED間の距離が均等になるように配置することができる。
つまり、従来技術で説明した図15に示されるような基板コネクタ140がLED基板120の左右両端部のいずれか一方の端部に配置されている構成にはなってないことにより、図17(a),(b)の図中の符号P3で示されるような隣り合う2枚のLED基板120,120間において隣り合うように配置されることになるLED121,121間の距離が長くなってしまう不具合が防止されている。したがって、隣り合うLED間の距離が一定になるように効率よく複数枚のLED基板を横並びに配置すること可能となる。
更に、基板コネクタ40がLED基板20の中央の配置されている構成により、このようなLED基板20を一種類用意するだけで、LED基板20の2枚横並びや3枚横並び更にはそれ以上の枚数での横並びに対応することが可能であり、図16に示されるような基板コネクタ140が左端部に配置されたLED基板120と、基板コネクタ140が右端部に配置されたLED基板120の2種類のLED基板を用意する必要がなく、その分部品コストの削減が可能である。
次に、上述した実施形態の変形例1〜3について図10〜図12を用いて説明する。尚、上述した実施形態と同一の構成については同符号を付して説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
図10(a),(b)は変形例1に係るLED基板20を示しており、第1のグランドパターン34の第1の貫通孔34a,第2のグランドパターン35の第2の貫通孔35aおよび第3のグランドパターン36の第3の貫通孔36aのそれぞれの内面には、ハンダなどからなる導電性ペースト74,75,76が塗布されている。このように導電性ペースト74,75,76が内面に設けられた貫通孔34a,35a,36aにタッピンネジ71,72,73をねじ込むことで、第1のグランドパターン34と放熱板22の導通接続、第2のグランドパターン35と放熱板22の導通接続および第3のグランドパターン36と放熱板22の導通接続を更に良好にすることができる。
尚、図示されるように、タッピンネジ71,72,73が挿入される貫通孔34a,35a,36aの挿入口の周囲に導電性ペース74,75,76を所定の厚みで盛った盛り部74a,75a,76aを形成すると良い。このような盛り部74a,75a,76aを設けることで、タッピンネジ71,72,73のそれぞれのねじ頭と、盛り部74a,75a,76aを介した第1のグランドパターン34,第2のグランドパターン35および第3のグランドパターン36との電気的な接続が良好になる。
図11(a),(b)は変形例2に係るLED基板20を示しており、導電性の粘着面を有するアルミテープなどからなる第1の導電性テープ77,第2の導電性テープ78および第3の導電性テープ79を備えている。この場合、図11(a)にされるように、第1の導電性テープ77の一端が、第1のグランドパターン34の前面に貼り付けられ、その他端が下層の放熱板22の背面に貼り付けられており、第1のグランドパターン34と放熱板22が、この第1の導電性テープ77を介して導通接続されている。
また、同様に、第2の導電性テープ78の一端が、第2のグランドパターン35の前面に貼り付けられ、その他端が下層の放熱板22の背面に貼り付けられており、第2のグランドパターン35と放熱板22が、この第2の導電性テープ78を介して接続されている。
更に、図11(b)に示されるように、第3の導電性テープ79の一端が、第3のグランドパターン36の前面に貼り付けられ、その他端が下層の放熱板22の背面に貼り付けられており、第3のグランドパターン36と放熱板22が、この第3の導電性テープ79を介して導通接続されている。
したがって、タッピンネジ71,72,73による第1のグランドパターン34と放熱板22の導通接続、第2のグランドパターン35と放熱板22の導通接続および第3のグランドパターン36と放熱板22の導通接続と共に、導電性テープ77,78,79による第1のグランドパターン34と放熱板22の導通接続、第2のグランドパターン35と放熱板22の導通接続および第3のグランドパターン36と放熱板22の導通接続も図られているので、第1のグランドパターン34と放熱板22の電気的な接続、第2のグランドパターン35と放熱板22の電気的な接続および第3のグランドパターン36と放熱板22の電気的な接続を更に良好にすることができる。
図12は変形例3に係るLED基板20を示しており、LED基板20の中央から下方に突出するように延設された凸部20aには、基板コネクタ40が実装されると共に、第3のグランドパターン36が形成されている。このLED基板20は、従来技術で説明した図14に示されるようなバックライトシャーシ114の凸部114c上に立設された固定板115に取り付けることが可能になっており、立てた状態のLED基板20を収容する高さ(スペース)に余裕がある場合に用いることができる。
この場合、基板コネクタ40は、ケーブルコネクタ50との嵌合方向が横向き(LED基板20の長手方向と並行な方向)になるように配置されており、上から下に向かって順に第1の電源側端子(+端子)41,第2の電源側端子42(+端子),グランド側端子(−端子)43がコネクタハウジング内で配置されている。また、ケーブルコネクタ50は、このような基板コネクタ40に対応して、上から下に向かって順に第1の電源側端子(+端子)51,第2の電源側端子(+端子)52,グランド側端子(−端子)53がコネクタハウジング内で配置されている。
以上説明したLED基板20によれば、LED基板20の左右両端に第1のグランドパターン34および第2のグランドパターン35が形成されると共に、中央に第3のグランドパターン36が形成されており、これら第1のグランドパターン34,第2のグランドパターン35および第3のグランドパターン36が、それぞれの下層に絶縁層22を介して配置された金属製の放熱板22と、タッピンネジ71,72,73によって導通接続された構成を有しているので、このような構成を直列接続された複数個のLED21のグランド用配線(接地用配線)として利用することができるようになっている。
これにより、従来のようなLED基板120の長手方向に沿って延びるライン状のグランドパターン133を設けるのに要する幅の分だけ基板幅の小型化(減少)が可能になり、図2に示されるようにバックライトシャーシ14の高さ(底板部14aからの高さ)を従来のものよりも小さくすることができ、バックライトユニット4の薄型化および液晶表示装置1の薄型化が可能となっている。
また、LED基板20のLED21に電源を供給する基板コネクタ40が、LED基板20の中央に配置されている構成、つまり、従来技術のLED基板120のように基板コネクタ140がLED基板120の左右両端部のいずれか一方の端部に配置されている構成にはなっていないので、LED基板20の左右端部を同形状に形成することが可能になっている。
これにより、図9に示されるように隣り合う2枚のLED基板20,20間において隣り合うように配置されることになるLED21,21間の距離P2,P2を、各LED基板20の隣り合うLED21,21間の距離P1と同じ長さにすることが可能になっており、これら3枚のLED基板20,20,20の各LED間の距離が均等になるように配置することができる上に、このようなLED基板20を一種類用意するだけで、LED基板20の2枚横並びや3枚横並び更にはそれ以上の枚数での横並びに対応することが可能である。
以上、本発明に係るLED基板、バックライトユニットおよび液晶表示装置の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、上述した実施の形態では、導光板11の1辺に沿ってLED基板20を配置する構成を説明したが、導光板11の対向する2辺や4辺に沿ってそれぞれLED基板20を配置する構成でも良く、上述した実施の形態には限定されない。