JP5258024B2 - レーザ切断方法および被切断物 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、薄型液晶パネルなどに用いる薄板ガラス等の基板を切断するためのレーザ切断方法および被切断物に関するものである。
近年、液晶、有機ELなどに代表されるディスプレイの薄型化の動きが急速に進んでいる。この流れに伴い薄型ディスプレイに適した加工技術の開発も盛んに行われている。ガラス基板はケミカルエッチングなどの方法で薄型化される。一方で、ガラス基板を切断する方法は、歩留まり、加工速度等の問題から、ガラス基板のエッチング前にパネルサイズに割断した後、薄型化する方法が一般的である。しかし、薄いガラスを歩留まり良く、高速で切断することができれば、プロセス上大変有利である。
これまで、ガラス基板をレーザ切断する方法としては、特開平11−104869号に開示されているように、予め割断線にケミカルエッチングで溝を作った後、レーザを照射する方法、特開2006−35710号に開示されるように、第1のレーザ光で加工物表面を改質し、第2のレーザ光をこの改質部に照射して加工する方法、あるいは特開2007−238438号に開示されるように、ガラス基板の切断予定線に沿って、レーザ光を照射する際、切断開始から終了までの間で切断条件を変更する方法、さらにこの報文にはガラス基板貼り合わせパネルの上下から同様に2つのレーザを照射して、パネルを切断する方法が記載されている。これらの方法は、いずれもレーザ照射によるガラス基板の温度勾配によって発生する熱応力が基板の厚さ方向に亀裂を発生させる現象を利用している。
しかしながら、ガラス基板の厚さが薄くなると、この方法では単純に厚さ方向へは亀裂の伝搬がしにくくなるため、割断後にも切り出した基板端部にクラックが残ったり、割断中に基板が割れたりし、歩留まり良く切断することができない。さらに、これらの方法は、亀裂の進展を利用しているため、複雑な形状や任意の形状に加工することはできない。
また、レーザのパルス発振によりガラスを切断する方法としては、特開平7−16769号に開示される、ソーダガラスのレーザ割断に関する報文があるが、これはスクライビングして割断する際、基板の厚さ以下にスクライビング深さを調節し、最終的には応力をかけて基板をスクライビング穴に沿って割る方法であるため、薄板ガラスには適用できず、また任意の形状に加工することも困難である。
特開平11−104869号 特開2006−35710号 特開2007−238438号 特開平7−16769号
このように、従来のレーザ切断方法では、薄板ガラス等の基板やパネルを、亀裂を発生させずに高速で任意の形状にレーザ切断することができなかった。
以上のような問題を鑑みて、この発明の課題は、クラックなどの不具合を発生させることなく、薄板ガラス、フィルム貼り合わせ基板、あるいは、これらの基板を貼り合わせたパネルを効率よく、任意の形状に切断することができるレーザ切断方法および被切断物を提案することである。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、ガラス基板あるいは、該ガラス基板にフィルムを貼り合わせて支持した複合基板を、パルス発振させたパルスレーザを照射することにより切断する方法であって、
1回のパルスレーザの照射で前記ガラス基板を貫通する穴を開け、かつ、連続するパルスレーザにより加工される穴は、穴径以上の距離を隔てた位置に照射されて切断され、
さらに任意の加工形状を切り出すために、該加工形状の周囲を、複数回のパルスレーザを照射させながら周回して穴を開けて切断し、
n周回目で加工される穴は、それまでの周回で開けた穴の間にパルスレーザを照射することにより、最終的に該加工形状の周囲の穴が全て繋がり、切断されることを特徴とするレーザ切断方法である。
請求項2に記載の発明は、前記パルスレーザが炭酸ガスレーザである請求項1に記載のレーザ切断方法である。
請求項3に記載の発明は、前記ガラス基板あるいは前記複合基板とフィルム基板、前記ガラス基板あるいは前記複合基板を組み合わせて2枚重ねて貼り合わせることでパネルが構成され、
前記パネルに対し、
前記パルスレーザを照射して前記パネルを切断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ切断方法である。
請求項4に記載の発明は、前記ガラス基板、前記複合基板、前記フィルム基板は、液晶を保持するための基板であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレーザ切断方法である。
請求項5に記載の発明は、前記任意の位置にパルスレーザを照射するために任意の速度で、かつ任意の距離を移動できるXYステージを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレーザ切断方法である。
請求項6に記載の発明は、前記ガラス基板の厚さが、200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレーザ切断方法である。
請求項7に記載の発明は、前記任意の位置にパルスレーザを照射する加工位置精度が、±10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレーザ切断方法である。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のレーザ切断方法で切断された後の被切断物の切り口が、パルスレーザにより加工される穴の形状の連なった周期的パターン形状となることを特徴とする被切断物である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明では、加工される穴は、それまでの周回で開けた穴の間にパルスレーザを照射することにより、最終的に該加工形状の周囲の穴が全て繋がり、切断され、クラックなどの不具合を発生させることなく、薄板ガラス、フィルム貼り合わせ基板、あるいは、これらの基板を貼り合わせたパネルを効率よく、任意の形状に切断することができる。また、パルスレーザを用いることにより、レーザONとOFF時間を制御できるので、余計な熱を基板にかけずに切断できる。また、パルスレーザでは容易に高いピーク出力が得られ、余計な熱影響を出さずに切断できる。
請求項2に記載の発明では、パルスレーザが炭酸ガスレーザであり、容易に高出力を得られ、ガラス、樹脂において高い吸収率をもつことから、熱により溶融切断が容易である。
請求項3に記載の発明では、ガラス基板あるいは複合基板とフィルム基板、ガラス基板あるいは複合基板を組み合わせて2枚重ねて貼り合わせることでパネルが構成され、パネルに対し、パルスレーザを照射してパネルを切断することができる。
請求項4に記載の発明では、ガラス基板、複合基板、フィルム基板は、液晶を保持するための基板であり、熱により溶融切断が容易である。
請求項5に記載の発明では、任意の位置にパルスレーザを照射するために任意の速度で、かつ任意の距離を移動できるXYステージを用いることで、高速で任意の形状に切断することができる。
請求項6に記載の発明では、ガラス基板の厚さが、200μm以下であり、パルスレーザの熱により溶融切断が容易である。
請求項7に記載の発明では、任意の位置にパルスレーザを照射する加工位置精度が、±10μm以下であり、高精度に切断することができる。
請求項8に記載の発明では、レーザ切断方法で切断された後の被切断物の切り口が、パルスレーザにより加工される穴の形状の連なった周期的パターン形状となり、効率よく、任意の形状に切断することができる。
以下、この発明のレーザ切断方法および被切断物の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
この発明は、図1(a),(b)に示すように、ガラス基板1あるいは、該ガラス基板1にフィルム2を貼り合わせて支持した複合基板3を、パルス発振させたパルスレーザ4を照射することにより切断する方法である。
1回のパルスレーザ4の照射で、図2に示すように、ガラス基板1を貫通する穴1aを開け、かつ、連続するパルスレーザ4により加工される穴1aは、穴径D以上の距離Lを隔てた位置に照射されて切断される。
さらに任意の加工形状を切り出すために、図3に示すように、該加工形状の周囲を、複数回のパルスレーザ4を照射させながら周回して穴1aを開けて切断し、n周回目で加工される穴1aは、それまでの周回で開けた穴1aの間にパルスレーザ4を照射することにより、最終的に該加工形状の周囲の穴1aが全て繋がり、切断される。
例えば、円形や矩形などの形状を切り出す場合、1周回目の穴1a、2周回目の穴1a、・・・、n周回目の穴1aが順次形成されるが、n周回目の穴1aは、n−1周回目までに既に開いている穴1aの間に形成され、最終的に穴1aが繋がることにより任意の形状が加工される。
パルスレーザ4を用いることにより、レーザONとOFF時間を制御できるので、余計な熱を基板にかけずに切断できる。また、パルスレーザ4では容易に高いピーク出力が得られ、ピーク出力が高いことで、余計な熱影響を出さずにカットできる。
また、パルスレーザ4として、炭酸ガスレーザを用いることが好ましく、炭酸ガスレーザを用いることで、容易に高出力を得られ、材質のガラス、樹脂において高い吸収率をもつことができ、熱により溶融切断カしやすい。
また、任意の位置にパルスレーザ4を照射する加工位置精度が、±10μm以下であり、高精度に切断することができる。
また、ガラス基板1の厚さが、200μm以下であり、パルスレーザ4の熱により溶融切断が容易である。
このレーザ切断方法では、図1に示すように、任意の位置にパルスレーザ4を照射するために任意の速度で、かつ任意の距離を移動できるXYステージ10を用いることが好ましく、XYステージ10を用いることで、高速で任意の形状に切断することができる。
このレーザ切断方法では、図1(c)に示すように、パネル20に対し、パルスレーザ4を照射してパネル20を切断する。パネル20は、図4に示すように、ガラス基板1あるいは複合基板3とフィルム基板21、ガラス基板1あるいは複合基板3を組み合わせて2枚重ねて貼り合わせることで構成される。また、パネル20は、2枚の基板間に液晶層、配向膜、電極などが形成された液晶パネルであってもよい。ガラス基板1、複合基板3、フィルム基板21は、液晶を保持するための基板であり、パルスレーザ4を基板やパネルに照射することで、熱による溶融切断が容易である。
このように、加工される穴1aは、それまでの周回で開けた穴1aの間にパルスレーザ4を照射することにより、最終的に加工形状の周囲の穴1aが全て繋がり、切断され、クラックなどの不具合を発生させることなく、薄板ガラス、フィルム貼り合わせ基板、あるいは、これらの基板を貼り合わせたパネルを効率よく、任意の形状に切断することができる。
この発明の被切断物30は、レーザ切断方法で切断され、この切断した後の被切断物30の切り口30aは、図5に示すように、パルスレーザ4により加工される穴1aの形状の連なった周期的パターン形状となり、効率よく、任意の形状に切断することができる。
(実施例1)
以下に、この発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図6はこの発明のレーザ切断方法を適用したレーザ加工装置の全体図である。図6において、41は炭酸ガスレーザ発振器、42は反射鏡42aや集光レンズ42bなどを有する外部光学ユニット、43はアシストガス、44は被加工物、45はXYステージ、46は数値制御(NC)装置である。
被加工物44は、厚さ200μm以下のガラス基板、該ガラス基板にフィルムを貼り合わせて支持した複合基板あるいは、これら基板を2枚重ねて貼り合わせることでできたパネルである。
XYステージ45は、数値制御(NC)装置46によりその動作を制御することにより、加工位置精度±10μmが保証されている。
炭酸ガスレーザ発振器41は、パルスレーザ4をパルス発振させて照射し、外部光学系ユニット42を通して、被加工物44の表面に焦点を結ぶように集光させる。このとき、数値制御(NC)装置46で設定したプログラムに従い、XYステージ45を移動させ、被加工物44が切断される。このとき、アシストガス43はノズル先端から切断部に向かって吹き出される。このときXYステージ45の下及びノズル周囲部から排気することで、集光レンズ42bの汚染を防いでいる。
上記構成のレーザ加工装置を用い、OA10ガラスを、30〜300μmまでケミカルエッチングで薄くした基板を被切断物1として用いた。
レーザスポット径100μm、出力225Wのパルス炭酸ガスレーザを60μs照射し、被切断物1に貫通穴を開けた後、次に120μmずらした位置に次の貫通穴を開けた。
一辺40mmの正方形の被切断物を切り出すために、4周回被切断物の周りにパルスレーザを周回しながら照射した。
この際、1周回目の穴の位置に対し、2周回目は切断進行方向に対し60μmずらして最初の貫通穴を開けその後1周回目と同様に120μmピッチで貫通穴を開けた。3周回目は1周回目の穴の位置に対し、30μmずらして最初の貫通穴を開け、その後同様に120μmピッチで貫通穴を開けた。4周回目は1周回目の穴の位置に対し、90μmずらして最初の貫通穴を開け、その後同様に120μmピッチで貫通穴を開けた。この様にして被切断物1を得た。このときのXYステージの移動速度は、1000mm/minとした。
被切断物1の切断端部を上から表面に焦点を合わせて、450倍の倍率で顕微鏡観察を行ったところ、図7に示すように、10μm以上のクラックは一つも観察されなかった。
被切断物1の切断部の形状を図8に示す。レーザスポットの形状(円形)の連なりにより、被切断物1の切断端部は円弧の連なった形状となることが認められた。
(実施例2)
実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例1に用いた被切断物1を100μm厚のプラスチックフィルムと粘着剤を介して貼り合わせた複合基板を被切断物2とする。この被切断物2を出力225Wのパルス炭酸ガスレーザを75μs照射した以外は、実施例1と同じ条件で加工した。
被切断物2を実施例1と同様に顕微鏡観察したところ、10μm以上のクラックは一つも観察されなかった。
被切断物2の切断部の形状は、図8と同様に周期的パターンが認められた。
(実施例3) 実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例2と同様の複合基板をXYステージの移動速度を、2000mm/minとした以外は実施例2と同様の加工条件で加工した。加工された試料を被切断物3とする。
被切断物3を実施例1と同様に顕微鏡観察したところ、10μm以上のクラックは一つも観察されなかった。
被切断物3の切断部の形状は、図8と同様に周期的パターンが認められた。
(実施例4)
実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例2と同様の複合基板をXYステージの移動速度を、3000mm/minとした以外は実施例2と同様の加工条件で加工した。加工された試料を被切断物4とする。
被切断物4を実施例1と同様に顕微鏡観察したところ、10μm以上のクラックは一つも観察されなかった。
被切断物4の切断部の形状は、図8と同様に周期的パターンが認められた。
(実施例5)
実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例2と同様の複合基板および加工条件で、図9に示すように、アルファベットのT字型に加工したサンプルを被切断物5とする。
被切断物5を実施例1と同様に顕微鏡観察したところ、10μm以上のクラックは一つも観察されなかった。
被切断物5の切断部の形状は、図2と同様に周期的パターンが認められた。
(実施例6)
実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例2と同様の複合基板および加工条件で、図10に示すように、アルファベットのR字型に加工したサンプルを被切断物6とする。
被切断物6を実施例1と同様に顕微鏡観察したところ、10μm以上のクラックは一つも観察されなかった。
被切断物6の切断部の形状は、図2と同様に周期的パターンが認められた。
(実施例7)
実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例2に用いた被切断物2の2枚を5μmのスぺーサを介して、シール剤で貼り合わせ、基板内側にはITO電極パターン、ポリイミド配向膜、液晶が注入された40mmの正方形(シール剤の外側の範囲)のセルを被切断物7とした。
この被切断物2を出力225Wのパルス炭酸ガスレーザを100μs照射した以外は、実施例1と同じ条件で加工した。
被切断物7を実施例1と同様にセルの上下面端部それぞれを顕微鏡観察したところ、ガラス表面に10μm以上のクラックは一つも観察されなかった。
被切断物7の切断部の形状は、図2と同様に周期的パターンが認められた。
(比較例1)
実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例2に用いた被切断物をレーザスポット径100μm、出力225Wのパルス炭酸ガスレーザを75μs照射し、被切断物に貫通穴を開けた後、次に30μmずらした位置に次の貫通穴を開けた。一辺40mmの正方形の被切断物を切り出すために、1周回被切断物の周りにパルスレーザを周回しながら照射し被切断物8を得た。このときのXYステージの移動速度は、250mm/minとした。
被切断物8を実施例1と同様にセルの上下面端部それぞれを顕微鏡観察したところ、図11に示すように、ガラス表面に100μm以上のクラックが無数に観察された。
被切断物8の切断部の形状は、図8と同様に周期的パターンは認められなかった。
(比較例2)
実施例1と同様のレーザ加工装置を用い、実施例2に用いた被切断物をレーザスポット径100μm、出力225Wのパルス炭酸ガスレーザを75μs照射し、被切断物に貫通穴を開けた後、次に30μmずらした位置に次の貫通穴を開けた。一辺40mmの正方形の被切断物を切り出すために、1周回被切断物の周りにパルスレーザを周回しながら照射し被切断物9を得た。このときのXYステージの移動速度は、125mm/minとした。
被切断物9を実施例1と同様にセルの上下面端部それぞれを顕微鏡観察したところ、ガラス表面に100μm以上のクラックが無数に観察された。
被切断物9の切断部の形状は、図8と同様に周期的パターンは認められなかった。
この発明は、薄型液晶パネルなどに用いる薄板ガラス等の基板を切断するためのレーザ切断方法および被切断物に適用可能であり、クラックなどの不具合を発生させることなく、薄板ガラス、フィルム貼り合わせ基板、あるいは、これらの基板を貼り合わせたパネルを効率よく、任意の形状に切断することができる。
この発明のレーザ切断方法を説明する図である。 パルスレーザの照射を説明する図である。 パルスレーザの照射による切断を説明する図である。 パネルの構成を説明する図である。 被切断物の切断状態を示す図である。 レーザ加工装置の全体図である。 被切断物の切断状態を示す図である。 切断端部の周期パターンを示す図である。 アルファベットのT字型に加工した被切断物を示す図である。 アルファベットのR字型に加工した被切断物を示す図である。 比較例の被切断物の切断状態を示す図である。
符号の説明
1 ガラス基板
1a 穴
2 フィルム
3 複合基板
4 パルスレーザ
10 XYステージ
20 パネル
21 フィルム基板
30 被切断物
41 炭酸ガスレーザ発振器
42 外部光学ユニット
43 アシストガス
44 被加工物
45 XYステージ
46 数値制御(NC)装置

Claims (8)

  1. ガラス基板あるいは、該ガラス基板にフィルムを貼り合わせて支持した複合基板を、パルス発振させたパルスレーザを照射することにより切断する方法であって、
    1回のパルスレーザの照射で前記ガラス基板を貫通する穴を開け、かつ、連続するパルスレーザにより加工される穴は、穴径以上の距離を隔てた位置に照射されて切断され、
    さらに任意の加工形状を切り出すために、該加工形状の周囲を、複数回のパルスレーザを照射させながら周回して穴を開けて切断し、
    n周回目で加工される穴は、それまでの周回で開けた穴の間にパルスレーザを照射することにより、最終的に該加工形状の周囲の穴が全て繋がり、切断されることを特徴とするレーザ切断方法。
  2. 前記パルスレーザが炭酸ガスレーザである請求項1に記載のレーザ切断方法。
  3. 前記ガラス基板あるいは前記複合基板とフィルム基板、前記ガラス基板あるいは前記複合基板を組み合わせて2枚重ねて貼り合わせることでパネルが構成され、
    前記パネルに対し、
    前記パルスレーザを照射して前記パネルを切断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ切断方法。
  4. 前記ガラス基板、前記複合基板、前記フィルム基板は、液晶を保持するための基板であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレーザ切断方法。
  5. 前記任意の位置にパルスレーザを照射するために任意の速度で、かつ任意の距離を移動できるXYステージを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレーザ切断方法。
  6. 前記ガラス基板の厚さが、200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレーザ切断方法。
  7. 前記任意の位置にパルスレーザを照射する加工位置精度が、±10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレーザ切断方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のレーザ切断方法で切断された後の被切断物の切り口が、パルスレーザにより加工される穴の形状の連なった周期的パターン形状となることを特徴とする被切断物。
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