JP5256073B2 - デジタル伝送方式の送信装置、受信装置及び送受信装置 - Google Patents

デジタル伝送方式の送信装置、受信装置及び送受信装置 Download PDF

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Description

本発明は、衛星伝送路等で発生する歪補償技術に関し、特に、デジタル伝送方式の送信装置、受信装置及び送受信装置に関する。
デジタル伝送方式では、各サービスで利用可能な周波数帯域幅において、より多くの情報が伝送可能となるように、多値変調方式がよく用いられる。周波数利用効率を高めるには、変調信号1シンボル当たりに割り当てるビット数(変調多値数)を高める必要があるが、周波数1Hzあたりに伝送可能な情報速度の上限値と信号対雑音比の関係はシャノン限界で制限される。
衛星伝送路を用いた情報の伝送形態の一例として、衛星デジタル放送が挙げられる。例えば、図9に示すように、送信装置100からの変調波信号は、衛星中継器300を介して受信装置200に伝送される。このような衛星デジタル放送において、衛星中継器300は、主に、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ、進行波管増幅器(TWTA)、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタからなり、IMUXフィルタによって1チャンネル分ごとに帯域抽出を行い、TWTAにより利得制御を行って、OMUXフィルタで不要周波数成分を抑圧する。
このように、衛星中継器300には、ハードウェア制限上、電力効率のよいTWTAがよく用いられる。また、限られた衛星中継器300のハードウェア制限を最大限生かすため、衛星中継器300の出力が最大となるように飽和領域でTWTAを動作させることが望ましい。しかし、TWTAで発生する歪は伝送劣化につながるため、送信装置100及び受信装置200の伝送信号には、このTWTAで発生する歪で生じる伝送劣化に強い変調方式として、位相変調がよく利用される。
現在、日本では衛星デジタル放送の伝送方式としてISDB−Sと呼ばれる伝送方式が用いられ、BPSK,QPSK,8PSKといった位相変調が利用可能である。また、欧州の伝送方式であるDVB−S2では振幅位相変調(APSK)と称される、さらなる周波数利用効率の改善を図った変調方式の実用化が成されている。たとえば、16APSKであれば周波数利用効率は最大4bps/Hzであり、32APSKであれば最大5bps/Hz伝送することが可能である。
現在利用されている衛星デジタル放送では、誤り訂正符号を用いた受信装置における情報訂正が行われている。パリティビットと呼ばれる冗長信号を送るべき情報に付加することで信号の冗長度(符号化率)を制御し、雑音に対する耐性を上げることが可能である。誤り訂正符号と変調方式は密接に関わっており、冗長度を加味した周波数利用効率と信号対雑音比の関係はシャノン限界で定義される。シャノン限界に迫る性能を有する強力な誤り訂正符号の一つとしてLDPC(Low Density Parity Check)符号が1962年にギャラガーによって提案されている(例えば、非特許文献1参照) 。
LDPC符号は、非常に疎な検査行列H(検査行列の要素が0と1からなり、且つ1の数が非常に少ない)により定義される線形符号である。また、LDPC符号は、符号長を大きくして適切な検査行列を用いることにより、シャノン限界に迫る伝送特性が得られる強力な誤り訂正符号であり、欧州の新しい衛星放送規格であるDVB−S2や広帯域無線アクセス規格IEEE802.16eにおいてもLDPC符号が採用されている。多値位相変調とLDPC符号をはじめとする強力な誤り訂正符号を組み合わせることで、より高い周波数利用効率の伝送が可能となってきている。
R.G Gallager,"Low density parity check codes,"in Research Monograph series Cambridge, MIT Press,1963年
従来技術において、一般的な衛星中継器300を構成するIMUXフィルタ、TWT、OMUXフィルタを想定し、TWTの動作点をOBO=3.4dBとした中継器シミュレーターを計算機シミュレーションにより再現し、後述する判定帰還型FIRフィルタを有するブラインド等化器により、32APSK変調信号を適応等化した信号例を図16に示す。図16(a)は、ブラインド等化適用前のコンスタレーション、図16(b)はブラインド等化適用後のコンスタレーションである。図16を得るのに用いる判定帰還型FIRフィルタにおけるステップサイズは2E−4、フィードフォワードフィルタタップ長は10、フィードバックフィルタタップ長は14とした。また、このブラインドアルゴリズムはGCMCAアルゴリズム(後述する参考文献参照)を用いている。
図16を参照するに、受信装置においてブラインド等化を実施することでError Vector Magnitudeが改善しており、波形の品質が向上していることが分かる。
しかしながら、衛星伝送路を考慮した伝送システムにおいて上記性能を得るためには、全ての受信装置において等化器を実装する必要がある。これは受信装置のコスト増につながるため好ましくない。衛星伝送路を考慮した伝送システムにおいてこの問題を解決するためには、送信装置側において予め信頼性の高い伝送路推定情報を取得して、伝送路特性を反映した送信信号を用いるようにすることで、全ての受信装置に等化器を実装することなく、受信側等化器を実装した場合と同様の品質の信号を送信することが望ましい。
そこで、本発明の目的は、上述の問題を鑑みて、受信装置のコストを増大させることなく伝送特性の改善を可能とするデジタル伝送方式の送信装置、受信装置及び送受信装置を提供することにある。
本発明は、伝送路で生ずる歪補償の目的で適応等化を実施する際に、送信側及び特定の受信側の双方において適応等化器を適用し、始めに特定の受信側において適応等化器のフィルタ係数を精度良く計算した後、このフィルタ係数を送信側の適応等化器に適用し、以後の送信信号に対して、特定の受信側で得られたフィルタ係数によって動作する適応等化処理を施すことで、伝送路特性を反映した送信信号を生成することを特徴とする。これにより、送信側から伝送路歪の逆特性を含んだ送信信号の伝送が可能となり伝送性能を改善することができる。好適には、上記送受信間でのフィルタ係数の適用操作を繰り返すことで更なる性能改善を可能とする。
即ち、本発明の送信装置は、一つの送信装置から送信される信号を共通の伝送路特性を有する伝送路を介して複数の受信装置が受信するデジタル伝送において、デジタル伝送の送信信号を、複素誤差量に基づき適応等化して、前記伝送路の逆特性を含む変調波信号を伝送する送信装置であって、変調波信号の伝送に際して、主信号の適応等化の設定に必要なフィルタ係数を決定するための初期動作モードと、該フィルタ係数の決定後に定常時の変調波信号を伝送するための定常動作モードを有し、主信号の変調波信号を生成する変調信号生成手段と、生成した主信号の変調波信号に対して適応等化を施す送信側適応等化手段と、前記複数の受信装置のうちの特定の受信装置から、信号品質の良い環境において前記主信号を複素誤差量に基づき適応等化して生成された適応等化のフィルタ係数を受信して、該フィルタ係数に応じて前記送信側適応等化手段のフィルタ係数の設定を、適応等化処理した送信信号が前記伝送路を通る前に前記伝送路の逆特性が反映された送信信号となるように制御する送信側フィルタ係数更新制御手段とを備え、前記送信側フィルタ係数更新制御手段は、前記初期動作モードにて、前記特定の受信装置で生成されたフィルタ係数受信するまでは前記変調信号生成手段から出力される変調波信号を外部に出力するように前記送信側適応等化手段の適応等化を制御し、前記定常動作モードにて、受信側で生成されたフィルタ係数について最終決定したフィルタ係数で前記送信側適応等化手段の適応等化のフィルタ係数を設定することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記送信側適応等化手段の適応等化のために設定されるフィルタ係数は、受信側で適応等化に用いるフィルタ係数と同一のフィルタ長を有することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記送信側フィルタ係数更新制御手段は、前記初期動作モードにて、複数回にわたって前記受信側のフィルタ係数の受信を繰り返し、当該繰り返し回数が予め設定した値を上回るか否かによって、最終決定したフィルタ係数として判定することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記フィルタ係数は、受信側で規定した受信C/N相当値が所定の閾値以上の状況下で決定された値であることを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記送信側適応等化手段は、LDPC符号と併用する帰還型適応等化器であることを特徴とする。
更に、本発明の受信装置は、一つの送信装置から送信される信号を共通の伝送路特性を有する伝送路を介して複数の受信装置が受信するデジタル伝送において、デジタル伝送の送信信号を複素誤差量に基づき適応等化して変調波信号を伝送する特定の受信装置であって、変調波信号の伝送に際して、主信号の適応等化の設定に必要なフィルタ係数を決定するための初期動作モードと、該フィルタ係数の決定後に定常時の変調波信号を伝送するための定常動作モードを有し、デジタル伝送の変調波信号を直交検波する直交検波手段と、直交検波した主信号に対して受信C/Nを判定し、受信C/N相当値を生成する受信C/N判定手段と、信号品質の良い環境で動作し、直交検波した主信号に対して、複素誤差量に基づき適応等化を施す受信側適応等化手段と、前記受信C/N相当値を用いてフィルタ係数更新の継続及び停止を制御するフィルタ係数更新制御信号を生成し、前記受信側適応等化手段の適応等化のフィルタ係数の設定を制御する受信側フィルタ係数更新制御手段とを備え、前記初期動作モードにて、前記受信側フィルタ係数更新制御手段は、前記受信側適応等化手段の適応等化に設定したフィルタ係数を送信側に送信する手段を有し、前記定常動作モードでは、送信側で適応等化処理されて前記伝送路を通る前に前記伝送路の逆特性が反映された送信信号を受信することを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記受信側適応等化手段の適応等化のために設定されるフィルタ係数は、送信側で適応等化に用いるフィルタ係数と同一のフィルタ長を有することを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記受信側フィルタ係数更新制御手段は、前記初期動作モードにて、複数回にわたって前記受信側適応等化手段の適応等化に設定したフィルタ係数の送信側への送信を繰り返すことを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記受信側フィルタ係数更新制御手段は、規定した受信C/N相当値が所定の閾値以上の状況下で動作した受信側適応フィルタのフィルタ係数が出力できるよう、前記フィルタ係数を決定するための制御信号を前記受信側適応等化手段に送出することを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記受信側適応等化手段は、LDPC符号と併用する帰還型適応等化器であることを特徴とする。
また、本発明は、本発明の送信装置と本発明の受信装置とを備える送受信装置として構成することもできる。
本発明によれば、受信装置のコストを増大させることなく伝送特性の改善を可能とするデジタル伝送方式の送信装置、受信装置及び送受信装置を実現することができる。
本発明による一実施例の高度衛星放送方式の概略構成を示す図である。 本発明による一実施例の送信装置の構成例を示す図である。 本発明による一実施例の受信装置におけるLDPC復号部を示す図である。 本発明による一実施例の送信装置が備える適応等化器(判定帰還型FIRフィルタ)の構成例を示す図である。 本発明による一実施例の受信装置が備える適応等化器(判定帰還型FIRフィルタ)の構成例を示す図である。 本発明による一実施例の送信装置及び受信装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明による一実施例の送信装置及び受信装置における32APSK送信信号のコンスタレーションを示す図である。 本発明による一実施例の送信装置及び受信装置によって得られる32APSK符号化率4/5 C/N対ビット誤り率特性の計算機シミュレーション結果を示す図である。 従来からの衛星伝送路を用いた情報の伝送形態の一例を示す図である。 従来からの高度衛星放送方式の送信装置の構成を示す図である。 従来からの高度衛星放送方式の受信装置の概略構成を示すブロック図である。 高度衛星放送方式の変調波信号形式の例を示す図である。 パイロット信号の一送信形態例を示す図である。 従来からの受信装置の一部のLDPC復号部を示す図である。 判定帰還型FIRフィルタのブロック図である。 判定帰還型FIRフィルタを有するブラインド等化器により、32APSK変調信号を適応等化した信号例を示す図である。
はじめに、本発明の理解を容易にするために、LDPC符号を用いた高度衛星放送方式の送信装置100及び受信装置200の概略構成を簡潔に説明する。尚、説明の簡略化のため、本発明に係る部分のみを説明するが、高度衛星放送方式の送信装置100及び受信装置200は、LDPC符号を他の訂正符号方式に置き換えたり、又は併用したり、更にはインタリーバを適宜組み合わせて用いることができる。
図10は、従来からの高度衛星放送方式の送信装置の構成を示す図である。この送信装置100は、フレーム生成部110と、LDPC符号化部120(以下、符号化器とも称する。)と、エネルギー拡散部130と、マッピング部140と、時分割多重/直交変調部150とを備える。即ち、送信装置100は、データストリームを送信する場合に、後述する図12における複数スロットの多重フレームの信号を生成してから変調波信号を生成するまでの一連の処理を行う。
フレーム生成部110は、LDPC符号化部120とともに機能して、LDPCパリティを生成する。従って、フレーム生成部110及びLDPC符号化部120は、後述する図12における複数スロットのフレームを生成し、エネルギー拡散部130に出力する。尚、フレーム生成部110により生成される多重フレームは、スロット数、ダミーの量、スロット長、同期ビット長、パイロットビット長、並びにTMCC及びパリティビット長が予め定められた数になるように生成される。
LDPC符号化部120は、データ及び伝送制御信号に対して、所定の周期のLDPC符号化を施す。LDPC符号化の具体的な方法は既知であり、且つ本願の主題ではないため更なる説明を割愛する。
エネルギー拡散部130は、それぞれ多重フレームの所定数のスロットを入力し、これらのデータ等の全体に対して、エネルギー拡散(ビットランダム化)を行う。
エネルギー拡散部130からのビットランダム化した信号は、同期及びパイロット信号を適宜挿入しながら、各種変調方式(BPSK,APSK等)に応じて切り換えられ、マッピング部140(変調方式に応じた複数のマッピング)に入力される。
マッピング部140は、TMCC同期で指定された変調方式によるマッピングを行う。
時分割多重/直交変調部150は、フレーム単位の時分割多重を行い、直交変調を施して、変調波信号を生成する。
図11は、従来からの高度衛星放送方式の受信装置200の概略構成を示すブロック図である。この受信装置200は、チャンネル選択部210と、直交検波部220と、伝送制御信号復号部230と、エネルギー逆拡散部240と、LDPC復号部250とを備えている。
チャンネル選択部210は、送信装置100からの変調波信号を受信し、所定の周波数帯のチャンネルを選択し、そのチャンネルの信号を直交検波部220で扱う所定の周波数の信号に変換にする。例えば、変調波信号が衛星放送波であれば、12GHz帯の放送波(変調波信号)をBSアンテナで受信し、既知の周波数変換器(図示せず)を用いて1GHz帯のBS−IF信号に変換する。
直交検波部220は、チャンネル選択部210により選択されたチャンネルの所定の周波数の信号(例えばBS−IF信号)を入力し、同期ベースバンド信号に変換する。
伝送制御信号復号部230は、直交検波部220により変換された同期ベースバンド信号を入力し、まずTMCC信号の同期バイトを検出し、これを基準として、周期的に多重されているBPSK変調波である位相基準バースト信号の位置も検出する。また、TMCC信号により伝送される変調方式・誤り訂正の情報についてのTMCC情報の復号処理もエネルギー逆拡散部240を経て行う。伝送制御信号復号部230により復号された伝送制御情報(変調方式・誤り訂正のTMCC情報)は、LDPC復号部250に入力される。
エネルギー逆拡散部240は、送信装置100のエネルギー拡散部130において擬似ランダム符号がMOD2により加算された処理を元に戻すため、再度同じ擬似ランダム符号をMOD2により加算し、エネルギー逆拡散処理を行う。
LDPC復号部250は、直交検波部220から同期ベースバンド信号が入力されるともに、伝送制御信号復号部230により検出された変調方式・誤り訂正の情報が入力され、当該同期ベースバンド信号をLDPC符号の検査行列を用いて復号処理を行う。
このように、LDPC符号を用いた高度衛星放送方式の送信装置100及び受信装置200であれば、多値位相変調とLDPC符号をはじめとする強力な誤り訂正符号を組み合わせて、より高い周波数利用効率の伝送が可能となる。
しかしながら、このようなLDPC符号等の強力な誤り訂正符号は白色雑音に対する訂正能力は優れているものの、衛星伝送路固有の歪に対する信号劣化に対する訂正能力は十分ではない。特に16APSKや32APSKといった振幅位相変調を衛星伝送路に用いる場合、衛星中継器300や地球局で用いるTWTA等の増幅器で生じる波形歪による信号劣化が位相変調に比べ、より大きく発生する。
一般的に、増幅器で発生する波形歪を抑える方法としては飽和領域から出力レベルを下げることで増幅器をより線形領域で動作させる手法がとられる。しかしながら、この場合、歪による伝送劣化は収まる一方で、衛星中継器300の出力が低下し、地上における受信信号の低下につながってしまう。よって、衛星放送等でAPSKを適用するには、衛星出力をなるべく低下することなく、歪による伝送劣化に強い伝送方法の利用が不可欠となる。
DVB−S2をはじめ最新の衛星デジタル放送方式では、誤り訂正符号の復号方法としてベイズ理論に基づく事後確率を最大化する手法(最尤復号)が用いられる。事後確率は尤度関数(式(1))により求まる。
Figure 0005256073
尤度関数の定義より、尤度関数と、受信信号と理想信号点の距離を示すユークリッド距離は密接に関わっている。白色雑音のみの伝送路においては、受信信号点はS/Nに応じたガウス分布のランダム偏差を生じるが、白色雑音以外の特定の歪を含んだ伝送路においては、ランダム偏差に加え、特定の振幅・位相偏差を伴った信号点変移が起きる。特に、非線形増幅器にAPSKを入力した場合においては、APSKは複数種類の同心円を組み合わせて伝送する都合上、もっとも振幅の大きい同心円に属する信号点がより大きな信号偏差を生ずる。
尚、http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/080729_1.htmlに「資料60−1−2 放送システム委員会報告」として公開されている、総務大臣から情報通信審議会(以下、情通審)への諮問2023号「放送システムに関する技術的条件」に対する、報告書「情報通信審議会 情報通信技術分科会 放送システム委員会 報告」(平成20年7月29日)に示された高度衛星デジタル放送方式(以下、高度衛星放送方式と呼ぶ。)では、APSKに対する伝送特性改善についても考慮している。
図12に高度衛星放送方式の変調波信号形式の例を示す。変調波信号は、フレーム単位で変調方式や誤り訂正符号の符号化率を含む伝送パラメータの変更が可能である。また、1フレームは120個の変調スロットで構成され、5変調スロットごとに変調方式と符号化率を指定して伝送可能である。各変調スロットは24シンボルの同期信号、32シンボルのパイロット信号、及び136シンボルのデータと4シンボルのTMCC信号の対が、66回、時分割多重される。
図13に、パイロット信号の一送信形態例であり、あらかじめ伝送順序が決められた送信シンボルに対する既知送信ビットの対応図を示す。パイロット信号は、図13に示すように、32APSKの場合、シンボル“00000”から“11111”に対応する信号点が順に伝送される。図13(a)、図13(b)、及び図13(c)は、それぞれ第1シンボル、第2シンボル、第32シンボルに対応する信号点を「黒丸」で表している。
図14に、このパイロット信号を用いる従来から知られている受信装置200の一部のLDPC復号部250を示す。パイロット信号を含まないシステムの場合、直交検波されたI信号及びQ信号に対し、尤度テーブルを参照しながら、LDPC復号を行うが、このLDPC復号部250では、パイロット信号についてシンボルごとに平均化を行い、伝送路における非線形歪の影響を受けた後の信号点配置を取得し、得られた信号点配置をもとに尤度テーブルを生成又は更新することで性能向上が可能である(同報告書の参考資料1‐8「パイロット信号による受信特性の改善」参照)。
具体的には、LDPC復号部250は、パイロット信号抽出部252と、パイロット信号平均化処理部253と、尤度テーブル生成部254と、所定のメモリ(図示せず)内に格納される尤度テーブル255と、LDPC復号器251とを備える。
パイロット信号抽出部252は、直交検波部220により変換された同期ベースバンド信号を入力し、事前に検出したTMCC信号内のパイロットタイミングを表す同期情報の信号(パイロットタイミング信号)を用いてパイロット信号の信号点の位置を抽出し、順次、パイロット信号平均化処理部253に送出する。
パイロット信号平均化処理部253は、シンボルごとにパイロット信号の信号点の平均化を行って、この情報を尤度テーブル生成部254に送出する。
尤度テーブル生成部254は、シンボルごとに平均化されたパイロット信号の信号点についての復号器出力対数尤度比 (LLR:Log likelihood ratio)を表す、LDPC復号における尤度計算に用いる尤度テーブル255を生成し、所定のメモリ内に格納するか、又は更新する。尚、尤度テーブル255は、予め定められたスロット長で変調方式や符号化率に応じて個別に生成するのが好適であり、尤度テーブル255の生成に用いる変調方式及び符号化率の情報は、事前に検出したTMCC信号内のTMCC情報に従う信号(変調方式・符号化率選択信号と称する)から得られる。
LDPC復号器251は、尤度テーブル255のLLR、及び変調方式・符号化率選択信号に基づいて、直交検波部220により変換された同期ベースバンド信号の情報をLDPC復号して復号信号を送出する。
尚、このような固定の既知パターン(例えば、パイロット信号点の繰り返しのパターン)を周期的に多重してしまうと、変調信号の周波数成分に線スペクトルが発生することになるために、パイロット信号も送信側でエネルギー拡散を行う。
ここで、従来からの受信装置200において伝送路歪を補償する方法として適応等化器の利用が挙げられ、適応等化器の一形態として受信信号のみから伝送路歪の影響を軽減することが可能なブラインド等化器が良く用いられる(例えば、参考文献:Kil Nam OH, ”A Single/Multilevel Modulus Algorithm for Blind Equalization of QAM Signals” IEICE TRANS. FUNDAMENTALS. VOL.E80-A, N.6. 1997年6月、参照)
受信側で用いるブラインド等化器は、LDPC復号器251の前段に設けられる適応フィルタの一種であり、フィルタのタップ長やステップサイズ、及び誤差ベクトルの計算方法を適切に選ぶことで、伝送路で生じた歪を軽減し、送信信号に近いシンボル点に受信信号点を変化させることが可能な適応等化器である。ブラインド等化器は、図15に示す判定帰還型FIRフィルタ256を用いて検証することができる。ステップサイズsは2E−4、フィードフォワードフィルタ(FF)2561のタップ長Mは10、フィードバックフィルタ(FB)2564のタップ長Lは14とし、ブラインドアルゴリズムはGCMCAアルゴリズムを用いる(上述の参考文献を参照)。
具体的には、判定帰還型FIRフィルタ256は、フィードフォワードフィルタ(FF)2561と、等化器出力部2562と、判定部2563と、フィードバックフィルタ(FB)2564と、加算部2565と、フィルタ係数更新部2566とを備える。
フィードフォワードフィルタ(FF)2561は、タップ長Mに対応するフィルタ係数WFF:[W,W,・・・,W]を有し、入力信号ベクトルx(n)に対して、入力ベクトル列xFF:[x(n),x(n−1),・・・,x(n−M)]を保持し、フィードフォワードフィルタ係数WFFと入力ベクトル列XFFとの積和演算を行う。ここでTは行列の転置を表す。
フィードバックフィルタ(FB)2564は、タップ長Lに対応するフィルタ係数WFB:[WM+1,WM+2,・・・,WM+L]を有し、後述する判定部2563の判定器出力d(n)に対して、判定器出力列dFB:[d(n−1),d(n−2),・・・,d(n−L)]を保持し、フィードバックフィルタ係数WFBと判定出力列dFBとの積和演算を行う。
加算部2565は、フィードフォワードフィルタ(FF)2561の出力からフィードバックフィルタ(FB)2564の出力2564aを減算した値を等化器出力部2562に出力する。
判定部2563は、等化器出力部2562で得られた等化器出力z(n)に対して、既知の変調方式によって定める理想シンボル点との最小ユークリッド距離判定を行い、最小ユークリッド距離となる理想シンボル点を判定器出力d(n)としてフィードバックフィルタ(FB)2564に出力する。同時に、フィルタ係数更新のため、判定器出力d(n)をフィルタ係数更新部2566に出力する。
等化器出力部2562は、加算部2565から得られた等化器出力z(n)の信号2562bを送出する。
z(n)=x’(n)・W(n) (2)
ここに、x’(n)=[x(n),x(n−1),・・・,x(n−M),
d(n−1),d(n−2),・・・,d(n−L)]
フィルタ係数更新部2566は、等化器出力z(n)及び判定器出力d(n)から誤差ベクトルe(n)を求め、e(n)およびステップサイズsを用いて、LMSアルゴリズムによりフィードフォワードフィルタ(FF)係数WFF, フィードバックフィルタ(FB)係数WFBを逐次更新する。(上述の参考文献を参照)。
しかしながら、このようなブラインド等化器を全ての受信装置に搭載することは、受信装置のコスト増につながるため好ましくない。そこで、本発明によれば、送信装置10は、例えば衛星中継器300を介して、特定の受信装置20で用いた適応等化のフィルタ係数を取得することで、ブラインド等化器を有していない受信装置に対しても良好な主信号の信号伝送を可能にする。
以下、本発明による一実施例の送信装置及び受信装置について説明する。
図1は、本発明による一実施例の高度衛星放送方式の概略構成を示す図である。また、図2は、本発明による一実施例の送信装置の構成例を示す図である。本発明による一実施例の受信装置の構成は、図11に示す構成例を援用することができるが、図14に示すものと相違して図3に示すLDPC復号部50を有する。また、図4は、本発明による一実施例の送信装置が備える適応等化器の構成例を示す図であり、図5は、本発明による一実施例の受信装置が備える適応等化器の構成例を示す図である。
図1を参照するに、送信装置10からの変調波信号は、衛星中継器300を介する受信装置200−1,200−2,・・・,200−N(Nは、1以上の自然数。それぞれ、図11及び図14に示す受信装置に対応するものとする)への伝送と同様に、衛星中継器300を介して本実施例の受信装置20に伝送される。このような衛星デジタル放送において、衛星中継器300は、主に、入力マルチプレクサ(IMUX)フィルタ、進行波管増幅器(TWTA)、及び出力マルチプレクサ(OMUX)フィルタからなり、TWTAによる利得制御に伴って、波形歪みを生じさせる可能性がある状態を意図している。
受信装置20は、衛星中継器300を介する送信装置10からの主信号の受信C/N判定を行い、適応等化に有効なフィルタ係数を算定し、このフィルタ係数の情報を、直接接続された(又は、例えば地球局(地上中継器など)を介して)送信装置10に返送する。この一連の動作を一回以上繰り返すことで、送信装置10は、衛星中継器300を介する伝送信号の歪補償を予め行った変調波信号を伝送可能にする。歪補償を予め行った変調波信号は、受信装置200−1,200−2,・・・,200−Nが、適応等化器を有しているか否かに関わらず、良好な変調波信号を受信することができる。
より具体的にブラインド等化器等の適応等化器の一つの特徴を説明するに、適応等化器のフィルタ係数は、伝送路のインパルス応答の逆特性に対応することが挙げられる。すなわち受信側適応等化器51が安定に動作した場合(即ち、適応等化させた場合)、この受信側適応等化器51は歪を受けた信号を理想的な信号に近づけるよう動作するため、結果的に受信側適応等化器51のフィルタ係数から伝送路のインパルス応答の逆特性が得られる。
そこで、この特徴を用いて伝送路推定情報を送信側の送信信号に反映させるために、安定に動作した受信側適応等化器51で得られる受信側フィルタ係数を送信装置10における送信信号に反映させるようにする。具体的には、受信側適応等化器51と同一のフィルタ長を有する送信側適応等化器13を送信装置10にも用意し、まず、送信側適応等化器13の初期状態として、送信側フィルタ係数の中央値のみを1に固定し、他を全て0に固定した状態、つまり送信側適応等化器13を動作させず、高度BS変調信号生成部11で生成した送信信号をそのまま送信する。
続いて、送信装置10がこの初期状態を維持した状況下で、受信装置20は、衛星中継器300等の伝送路を通過した信号を直交検波部220により検波して受信する。続いて、受信装置20は、受信側適応等化器51を信号品質の良い環境(例えば、衛星伝送路の場合、晴天時等の高受信C/Nとなる環境)で動作させる。さらに、受信C/N判定部52で得られた受信C/N情報を元に、受信側フィルタ係数更新制御部53に設定する受信側フィルタ係数の監視又は更新を行うことにより、受信側適応等化器51が安定な動作に達した条件での受信側フィルタ係数を得ることができる。ここで得られる受信側フィルタ係数は、送信信号が通過した伝送路のインパルス応答の逆特性に相当する。
次に、この受信側フィルタ係数を送信側適応等化器13のフィルタ係数に適用し、送信側適応等化器13を動作させる。受信側フィルタ係数は、伝送路の逆特性を反映した情報を有するため、送信側において理想的な送信信号に対して当該受信側フィルタ係数を用いて適応等化した送信信号は、伝送路を通る前に伝送路の逆特性が反映された送信信号となる。よって、この伝送路の逆特性が反映された送信信号が同一伝送路を通過した場合、結果的に伝送路歪を打ち消すような作用が働くため、受信信号はより歪の影響が軽減された信号となる。
従って、伝送路の逆特性が反映された送信信号を衛星伝送路を通じて一斉に送信することができるようになり、伝送路による歪が相殺された信号が全ての受信装置20,200−1,200−2,・・・,200−Nで一斉に受信することができる。また、受信側適応等化器51は送信信号を変化させるための送信点の適応等化に必要とされるのみとして構成することもでき、他の全ての受信装置20,200−1,200−2,・・・,200−Nは、特に適応等化器を有する必要がなく、又は適応等化器を有する場合にもそのフィルタ係数の変更を伴うこと無く受信性能改善を得ることが可能となる。さらに、送受信間における適応等化器13,51のフィルタ係数の更新は、それぞれ送信側フィルタ係数更新制御部12及び受信側フィルタ係数更新制御部53を介して繰り返し行うことが可能であり、繰り返すことで更なる伝送性能を向上させることができる。従って、伝送性能の向上させる観点から、送信側及び受信側適応等化器は、LDPC符号と併用する帰還型適応等化器とするのが好適である。
以下、本実施例の送信装置10及び受信装置20について、より詳細に説明する。
図2を参照するに、送信装置10は、高度BS変調信号生成部11と、送信側フィルタ係数更新制御部12、送信側適応等化器13とを備える。高度BS変調信号生成部11は、フレーム生成部110と、LDPC符号化部120と、エネルギー拡散部130と、マッピング部140と、時分割多重/直交変調部150とを備える。即ち、送信装置10は、図10に示す送信装置100の機能と同等の高度BS変調信号生成部11を有するが、送信装置100とは、送信側適応等化器13と、送信側フィルタ係数更新制御部12とを更に備える点で相違する。従って、高度BS変調信号生成部11の説明は、図10に示す送信装置100のものと同様であり、更なる説明は省略する。
送信側フィルタ係数更新制御部12は、受信側で生成されたフィルタ係数を受信して、該フィルタ係数を送信側適応等化のフィルタ係数の設定を制御するように機能し、変調波信号の伝送に際して、初期動作モードと定常動作モードの2種類にて異なる制御を行う機能を有する。初期動作モードは、変調波信号の伝送に際して、主信号の適応等化の設定に必要なフィルタ係数を決定するための動作モードであり、定常動作モードは、適応等化のフィルタ係数の決定後に定常時の変調波信号を伝送する動作モードである。つまり、送信側フィルタ係数更新制御部12は、初期動作モードにて、受信装置20側で生成されたフィルタ係数で受信するまでは高度BS変調信号生成部11から出力される変調波信号を外部に出力するように送信側適応等化器13の適応等化を制御し、定常動作モードにて、受信装置20側で生成されたフィルタ係数について最終決定したフィルタ係数で送信側適応等化器13の適応等化のフィルタ係数を設定する。さらに、送信側フィルタ係数更新制御部12は、初期動作モードにおける初期段階では、送信用適応等化器13の送信側フィルタ係数の中央値のみを1に固定し、他を全て0に固定した状態で送信用適応等化器13を動作させる。つまり、初期動作モードにおける初期段階では、送信側適応等化器13は等化器として動作せず、送信側適応等化器13は、高度BS変調信号生成部11から出力される送信信号をそのまま変調波信号として出力する。
更に、送信側フィルタ係数更新制御部12は、初期動作モードにおける第2段階では、定常動作モードで用いるためのフィルタ係数の決定動作を繰り返すことができ、再び受信装置20から得られる受信側フィルタ係数を受信して、この受信側フィルタ係数を送信用適応等化器13の送信側フィルタ係数として送信用適応等化器13に設定することができる。つまり、初期動作モードにおける第2段階では、送信側適応等化器13は等化器として動作することになり、送信側適応等化器13は、高度BS変調信号生成部11から出力される送信信号に対して受信側フィルタ係数を用いて適応等化した変調波信号を出力する。
更に、送信側フィルタ係数更新制御部12は、続けて受信装置10から得られる受信側フィルタ係数を受信して、この受信側フィルタ係数を送信用適応等化器13の送信側フィルタ係数として送信用適応等化器13に設定することもできる。従って、送受信部間の送受信等化処理に関する共通パラメータとして定義される送受信等化繰り返し数Pとしたとき、送信側フィルタ係数更新制御部12は、初期動作モードにおける第P段階では、設定される所定の送受信等化繰り返し目標数Gまでフィルタ係数の設定又は変更を繰り返し行うことができる。例えば、送信側フィルタ係数更新制御部12は、初期動作モードにて、複数回にわたって受信装置20側で生成されたフィルタ係数を受信し、当該繰り返し回数が予め設定した値を上回るか否かによって、定常動作モードで用いるフィルタ係数を最終決定することができる。受信装置20側では、初期動作モードにおける送受信間で用いるフィルタ係数の決定に際し、規定した受信C/N相当値が所定の閾値以上の状況下で受信側適応フィルタが動作した場合のフィルタ係数が得られるように決定される。
送信側適応等化器13は、図4に示す判定帰還型FIRフィルタとして機能する等化器であり、高度BS変調信号生成部11から出力される送信信号に対して、送信側フィルタ係数更新制御部12によって制御されるフィルタ係数に従って適応等化を施し、この適応等化を施した変調波信号を外部に送信する。尚、送信側適応等化器13の適応等化のために設定されるフィルタ係数は、受信装置20側で用いる適応等化のフィルタ係数と同一フィルタ長を有するのが好適である。
図3を参照するに、高度衛星放送方式の本実施例の受信装置20におけるLDPC復号部50の概略構成が示されている。
本実施例のLDPC復号部50は、パイロット信号抽出部252と、パイロット信号平均化処理部253と、尤度テーブルリスト生成部254と、所定のメモリ(図示せず)内に格納される尤度テーブル255と、LDPC復号器251と、受信側適応等化器51と、受信C/N判定部52と、受信側フィルタ係数更新制御部53とを備える。尚、本実施例のLDPC復号部50におけるパイロット信号抽出部252と、パイロット信号平均化処理部253と、尤度テーブルリスト生成部254と、尤度テーブル255と、LDPC復号器251は、それぞれ図14に示すものと同様の機能を有し、同様に動作する。従って、本実施例のLDPC復号部50は、受信側適応等化器51と、受信C/N判定部52と、受信側フィルタ係数更新制御部53とを更に備える点で、図14に示すLDPC復号部250とは相違する。従って、受信側適応等化器51、受信C/N判定部52、及び受信側フィルタ係数更新制御部53について詳細に説明する。
受信側適応等化器51は、図5に示す判定帰還型FIRフィルタとして機能する等化器であり、直交検波部220からエネルギー逆拡散部240を経て得られるI信号及びQ信号(受信IQ信号と称する)に対し、適応等化を行った出力をLDPC復号器51に送出する。
受信C/N判定部52は、受信IQ信号から変調誤差比(MER)等を利用して、パイロット信号の受信C/Nを判定し、その受信C/Nに相当する任意に定めた値(受信C/N相当値)を受信側フィルタ係数更新制御部53に送出する。
受信側フィルタ係数更新制御部53は、受信C/N判定部52において評価された受信C/N相当値を入力して、受信C/Nの既定値(例えば、20dB以上)を満たす条件下で受信側適応等化器51が動作した場合のフィルタ係数が入手可能なよう、係数更新の継続及び停止を制御するフィルタ係数更新制御信号を生成し、受信側適応等化器51に送信するとともに、受信側適応等化器51に設定されているフィルタ係数を、初期動作モード中に受信側フィルタ係数の情報として送信装置10に送信する。
図4に、送信装置10における送信側適応等化器13に対応する適応フィルタの構成例を示す。この適応フィルタは、図4に示すようにブラインド等化器として構成することができ、フィルタのタップ長やステップサイズ、及び誤差ベクトルの計算方法を適切に選ぶことで、伝送路で生じた歪を軽減し、送信信号に近いシンボル点に受信信号点を変化させることが可能である。尚、図4に示すブラインド等化器(判定帰還型FIRフィルタ)は、フィードフォワードフィルタ(FF)131と、等化器出力部132と、判定部133と、フィードバックフィルタ(FB)134と、加算部135と、フィルタ係数更新部136とを備え、それぞれ図15を参照して前述した判定帰還型FIRフィルタにおけるフィードフォワードフィルタ(FF)2561と、等化器出力部2562と、判定部2563と、フィードバックフィルタ(FB)2564と、加算部2565と、フィルタ係数更新部2566に対応する機能を有する。フィルタ係数更新部136は、送信側フィルタ係数更新制御部12から得られるフィルタ係数(例えば、受信装置10で得られる受信側フィルタ係数)をフィードフォワードフィルタ(FF)131、及びフィードバックフィルタ(FB)134に設定することで動作する。
図5に、受信装置20における受信側適応等化器51に対応する適応フィルタの構成例を示す。この適応フィルタは、図5に示すようにブラインド等化器として構成することができ、フィルタのタップ長やステップサイズ、及び誤差ベクトルの計算方法を適切に選ぶことで、伝送路で生じた歪を軽減し、送信信号に近いシンボル点に受信信号点を変化させることが可能である。尚、図5に示すブラインド等化器(判定帰還型FIRフィルタ)は、フィードフォワードフィルタ(FF)511と、等化器出力部512と、判定部513と、フィードバックフィルタ(FB)514と、加算部515と、フィルタ係数更新部516とを備え、それぞれ図4を参照して前述した判定帰還型FIRフィルタにおけるフィードフォワードフィルタ(FF)131と、等化器出力部132と、判定部133と、フィードバックフィルタ(FB)134と、加算部135と、フィルタ係数更新部136に対応する機能を有する。フィルタ係数更新部516は、受信側フィルタ係数更新制御部53から得られるフィルタ係数更新制御情報を受信して、受信C/N判定部52において評価された受信C/N相当値に基づいて、受信C/Nの既定値(例えば、20dB以上)を満たす条件下で受信側適応等化器51が動作した場合の受信側フィルタ係数(フィードフォワードフィルタ(FF)511、及びフィードバックフィルタ(FB)514)を、受信側フィルタ係数として、受信側フィルタ係数更新制御部53を介して送信装置10に送信する。一方、フィルタ係数更新部516は、初期動作モードにて繰り返し送受信間でフィルタ係数の更新を行う場合には、フィードフォワードフィルタ(FF)511、及びフィードバックフィルタ(FB)514で得られたフィルタ係数を受信側フィルタ係数の情報として送信装置10に送信することができる。
次に、図6を参照して、本実施例の送信装置及び受信装置の動作について説明する。
図6は、本実施例の送信装置及び受信装置の動作を説明するフローチャートである。ここで、前述したように、シンボル列は全て複素信号を想定し、32APSKを例に説明する。また、本実施例の送信装置10及び受信装置20は、同じフィルタ長を持った図4及び図5に示す判定帰還型FIRフィルタに代表される判定帰還型ブラインド適応等化器を有する。図6に示す衛星中継器300を介して信号を受信することを想定し、伝送路歪みは送信部から伝送路を介して受信装置へ経る過程においてのみ発生することを想定する。
図1に示したように、送信装置10及び受信装置20は、フィルタ係数を受信装置20から送信装置10に伝達するため、お互いを接続した構成とすることができる。衛星伝送路(衛星中継器200等)を考慮した場合、送信装置10及び受信装置20の両者は、同一場所に設置するのが最も容易な構成であるが、必ずしも同一場所にある必要はなく、両者が離れている場合、送受信間においてフィルタ係数を伝達する任意の通信経路を確保すればよい。
図6を参照するに、ステップS1において、送信装置10は、高度BS変調信号生成部11により、高度衛星デジタル放送用伝送信号に則した32APSK変調信号を生成する。以後の各ステップでは、本実施例に係る適応等化器の動作によらず、伝送される送信信号は停止すること無く恒久的に送信し続けることを想定して説明する。
続いて、ステップS2において、送信装置10は、高度BS変調信号生成部11から送出される32APSK変調信号を受信して、送信側適応等化器13に入力する。ステップS2おける送信側適応等化器13の初期動作モードの初期段階においては、送信側適応等化器13の送信側フィルタ係数の中央値のみを1に固定し、他を全て0に固定した状態で送信側適応等化器13を動作させる。つまり初期動作モードの初期段階において送信側適応等化器13は等化器として動作せず、送信側適応等化器13からは送信信号がそのまま出力される。ここで、後述の説明の便宜のために、送受信部間の送受信等化処理に関する共通パラメータとして、送受信間の等化動作の繰り返し数(本明細書中、送受信等化繰り返し数と称する)Pを定義する。即ち、ステップS2の時点で、送受信等化繰り返し数Pは0である。併せて、送受信間の等化動作の繰り返し目標数(本明細書中、送受信等化繰り返し目標数と称する)Gを設定する。これらの送受信等化繰り返し数P、及び送受信数等化繰り返し目標数Gは、送信側フィルタ係数更新制御部12で制御される。
続いて、ステップS3において、送信側適応等化器13の出力を送信信号として伝送路へ出力する。
続いて、ステップS4において、受信装置20は、直交検波部220で伝送路を通過した信号を受信し、受信C/N判定部52により受信C/Nを評価する。また、この受信信号は受信側適応等化器51にも入力される。この受信C/Nに相当する値(本明細書中、受信C/N相当値と称する)は、変調誤差比(MER)等を利用して、常時、受信装置20において監視及び把握することが可能である。受信側フィルタ係数更新制御部53は、評価された受信C/N相当値を入力して、受信側適応等化器51に対してフィルタ係数更新制御信号を生成する。この制御信号により、受信側適応等化器51は、受信C/Nに応じたフィルタ係数更新の継続及び停止を制御する。フィルタ係数更新制御情報の一例として、“受信C/NがC/N評価部52で設定する閾値(ここでは、AdBとする)を上回り、且つ受信側適応等化器51の入力シンボルが所定のシンボル数(ここでは、Bシンボルとする)を超えた場合、フィルタ係数を固定する”等のように、条件付情報とすることができる。
続いて、ステップS5において、受信装置20は、受信側適応等化器51により、受信信号に対し適応等化処理を行い、受信側フィルタ係数更新制御部53から得られた受信C/N相当値に基づくフィルタ係数更新制御情報を用いて受信側フィルタ係数を固定する。 受信側フィルタ係数の固定後は、受信側適応等化器51は、フィルタ係数を固定のまま、入力される受信信号に対して一般的な固定フィルタ係数の等化器として動作する。同時に、受信側フィルタ係数は、受信側フィルタ係数更新制御部53に出力される。ここで受信側において受信側適応等化器51が当該制御情報を満たして安定動作に至る場合、受信側適応等化器51は、歪を受けた信号を理想的な信号に近づけるよう動作することを意味しており、結果的にこの受信側適応等化器51のフィルタ係数から伝送路のインパルス応答の逆特性が得られる。よって、受信側適応等化器51が安定動作するか否かを条件として、初期動作モードとして送受信間で繰り返し等化動作を行うにあたり、高受信C/N下で行うことが望ましい。例えば、高受信C/N下の例として、衛星伝送路を仮定した場合、晴天時やより大きな受信アンテナを用いることが挙げられる。より好適には、衛星地球局等で用いられる数m級の大型パラボラアンテナ等を利用することも考えられる。
続いて、ステップS6において、受信装置20は、フィルタ係数更新制御部53で得られた受信側フィルタ係数を、送信側適応等化器13に設定するために送信側フィルタ係数更新部12に出力する。併せて、送信側フィルタ係数更新制御部12において送受信等化繰り返し数Pを1インクリメントする。
続いて、ステップS7において、送信装置10は、送信側フィルタ係数更新制御部12の制御により、送受信間の等化動作の繰り返し数Pが目標数G以下の場合には、ステップS8に進み、送信側適応等化器13のフィルタ係数の更新を行う。ここで、送受信間で必ずしも同一フィルタ長の情報とする必要があるわけではないが、送受信間の適応等化器のフィルタ長を同じ長さに保つことが好適となり、この場合、受信側フィルタ係数をそのまま送信側フィルタ係数に適用することができる。また、この繰り返し数Pが目標数G以下の場合、初期動作モードの継続を意味しており、送信側適応等化器13は、ステップS6で得られた受信フィルタ係数の値でフィルタ係数を固定したまま変調波信号の送信を継続し、本来の適応等化処理で行われるフィルタ係数の更新動作を行うことはない。つまり、図4に示すような判定帰還型適応等化器を考慮した場合、送信側適応等化器13は、入力される送信信号に対して固定フィルタ係数の判定帰還型等化器として動作する。
ステップS8の処理によって、送信装置10は、受信側フィルタ係数を用いて送信側適応等化器13から等化処理した送信信号は、伝送路を通る前に伝送路の逆特性が反映された送信信号となる。よって、この伝送路の逆特性が反映された送信信号が同一伝送路を通過した場合、結果的に伝送路歪を打ち消すような作用が働くため、受信信号はより歪の影響が軽減された信号となる。
よって、この伝送路の逆特性が反映された送信信号が同一伝送路を通過した場合、結果的に伝送路歪を打ち消すような作用が働くため、受信信号はより歪の影響が軽減された信号となる。
もし、ステップS7において送受信等化繰り返し数Pが目標数Gを超えた場合、送信側適応等化器13のフィルタ係数更新処理であるステップS8には進まず、現状のフィルタ係数を継続して使用する。つまり、ステップS3に戻り、送信用適応等化器13に格納されたフィルタ係数で送信側適応等化器12が動作し、定常動作モードに移行する。
更に、ステップS3からステップS8を送受信器間で繰り返すことで、より精度の良いフィルタ係数を受信装置20から送信装置10に供給し、送信信号に事前に伝送路の逆特性を反映させた送信信号を生成させることができる。
図7(a)〜図7(f)に図6の計算フローを1回実施した場合(送受信等化繰り返し数P=1)の32APSKのコンスタレーションの変化の様子を示す。ここで、計算機シミュレーションに用いた伝送路の系統としては、衛星伝送路を想定した。つまり、衛星伝送路としては、一般的な衛星中継器を構成するIMUXフィルタ、TWTA、OMUXフィルタを想定し、計算機シミュレーションにより系統を再現した。TWTAの動作点は3.4dBについて計算を行った。送信側及び受信側適応等化器においては、ステップサイズ:2E−4,フィードフォワードフィルタタップ長:10、フィードバックフィルタタップ長:14を用いた。受信側適応等化器53は、前述したブラインド等化器として動作させ、適応アルゴリズムはLMSアルゴリズム、ブラインドアルゴリズムはGCMCAアルゴリズムを用いた。
図7(a)は、ステップS2のP=0における32APSK送信信号のコンスタレーションを示している。この時点では送信側適応等化器は動作していないため、通常の理想的な送信信号が送信される。続いて図7(b)は、ステップS4のP=0における32APSKの受信信号である。図7(b)より、送信信号が衛星中継器で生じる伝送路歪によって劣化していることがわかる。続いて図7(c)は、ステップS5のP=0における受信C/N=30dB相当の受信信号のコンスタレーションである。続いて、図7(d)は、ステップS5のP=0における、図7(c)に示す受信C/N=30dB相当の受信信号に対し、受信側適応処理を行ったコンスタレーションである。適応等化処理によりコンスタレーションの品質が改善していることがわかる。
続いて、図7(e)は、ステップS3のP=1における、受信側フィルタ係数を用いて送信信号に対し送信側適応等化処理を行った送信信号のコンスタレーションである。図7(a)に示す送信等化処理が行われていない理想的な送信信号に対し、図7(e)のコンスタレーションは伝送路の逆特性が反映されているため、コンスタレーションが逆歪を受けて広がっていることがわかる。続いて、図7(f)にステップS4のP=1、即ち図7(e)に示す伝送路特性を反映した送信信号が伝送路を通過した後の受信信号のコンスタレーションを示す。図7(f)と図7(b)を比較するに、図7(f)のコンスタレーションは、図7(e)によって事前に逆歪特性を受けた送信信号が同じ歪を受け、お互いの特性が相殺されるため、図7(b)の受信信号コンスタレーションに比べ信号品質が改善していることがわかる。
続いて、図8に図6のフローによって求めた図7(f)の信号における32APSK符号化率4/5 C/N対ビット誤り率特性の計算機シミュレーション結果の一例を示す。図7(f)の信号は一斉に送信された信号の受信結果であるため、図7(f)の信号を受信側で適応等化した場合(ケースA)と、受信機に適応等化器がない場合(ケースB)について計算を行った。図8には図7(b)の信号に対し適応等化器を用いずに復号した場合の特性(ケースC)と、図7(b)の信号に対し受信側適応等化器53のみ用いて復号した場合の特性(ケースD)も合わせて示した。LDPC復号時における、図13に示すようなパイロット信号の尤度テーブル計算時の利用については、ケースA,B,Dについては最外周円に属するシンボルのみ理想信号点を利用し、内周円および最内周円に属するシンボルについてはパイロット信号を利用した。ケースCについては全てのシンボルについてパイロット信号を利用した。
図8を参照するに、等化器を用いない場合(ケースC)や通常のブラインド等化による伝送性能(ケースD)よりも、本発明に係る構成を用いることで((ケースA)、(ケースB))共に伝送性能が向上していることがわかる。また、ケースAはケースBよりさらに伝送性能が改善されており、伝送路歪が反映された信号(図7(f))を更に等化することで伝送性能が改善可能であることを示している。
本方式の特徴として、衛星伝送路を想定した場合、図8のケースBに示す性能を有する送信信号を一斉に送信することが可能であり、他の等化器を搭載していない受信機に対しても、同様の性能を得ることが可能となる。また、本実施例では受信装置20から送信装置10へのフィルタ係数更新を1回実施した場合の効果について明示したが、上記処理は送受信器間でフィルタ係数の更新を繰り返し行うことでフィルタ係数の精度を高めることが可能であり、さらなる伝送性能向上を得ることが可能である。また、本方式は32APSKに限らず、複数の振幅レベルを有する多様な変調方式の利用において伝送路歪が含んだ信号に対する伝送特性改善を図ることが可能である。また、送信装置10及び受信装置20は、定期的に、又は受信C/N相当値を監視してフィルタ係数の更新を行う任意のタイミングで、初期動作モードを実行するように構成することもできる。また、受信装置20が、初期動作モードであるか、又は定常動作モードであるかの識別を行うような構成を所望する場合には、送信装置10は、受信装置20のモード識別のためのフラグを伝送制御信号(TMCC等)内に含めるようにしてもよい。
また、上述の実施例では、特定の衛星中継器、変調方式、及びLDPC符号を適用した場合について説明したが、本発明は、地上中継器や他の変調方式、並びに尤度計算を要する任意の誤り訂正符号に適用することができることは実施例の説明から明らかである。また、高度BS変調信号方式に限定されることなく、本発明を適用できる任意のデジタル伝送に応用することができる。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明は、受信側で伝送路歪みを好適に低減させることができるので、任意のデジタル伝送方式の送信装置及び受信装置に有用である。
10 送信装置
11 高度BS変調信号生成部
12 送信側フィルタ係数更新制御部
13 送信側適応等化器
20 受信装置
51 受信側適応等化器
52 受信C/N判定部
53 受信側フィルタ係数更新制御部
100 送信装置
110 フレーム生成部
120 LDPC符号化部
130 エネルギー拡散部
140 マッピング部
150 時分割多重/直交変調部
200,200−1,200−2,・・・,200−N 受信装置
210 チャンネル選択部
220 直交検波部
230 伝送制御信号復号部
240 エネルギー逆拡散部
250 LDPC復号部
251 LDPC復号器
252 パイロット信号抽出部
253 パイロット信号平均化処理部
254 尤度テーブル生成部
255 尤度テーブル
256 判定帰還型FIRフィルタ
300 衛星中継器
2561 フィードフォワードフィルタ(FF)
2562 等化器出力部
2563 判定部
2564 フィードバックフィルタ(FB)
2565 加算部
2566 フィルタ係数更新部

Claims (11)

  1. 一つの送信装置から送信される信号を共通の伝送路特性を有する伝送路を介して複数の受信装置が受信するデジタル伝送において、デジタル伝送の送信信号を、複素誤差量に基づき適応等化して、前記伝送路の逆特性を含む変調波信号を伝送する送信装置であって、
    変調波信号の伝送に際して、主信号の適応等化の設定に必要なフィルタ係数を決定するための初期動作モードと、該フィルタ係数の決定後に定常時の変調波信号を伝送するための定常動作モードを有し、
    主信号の変調波信号を生成する変調信号生成手段と、
    生成した主信号の変調波信号に対して適応等化を施す送信側適応等化手段と、
    前記複数の受信装置のうちの特定の受信装置から、信号品質の良い環境において前記主信号を複素誤差量に基づき適応等化して生成された適応等化のフィルタ係数を受信して、該フィルタ係数に応じて前記送信側適応等化手段のフィルタ係数の設定を、適応等化処理した送信信号が前記伝送路を通る前に前記伝送路の逆特性が反映された送信信号となるように制御する送信側フィルタ係数更新制御手段とを備え、
    前記送信側フィルタ係数更新制御手段は、前記初期動作モードにて、前記特定の受信装置で生成されたフィルタ係数受信するまでは前記変調信号生成手段から出力される変調波信号を外部に出力するように前記送信側適応等化手段の適応等化を制御し、前記定常動作モードにて、受信側で生成されたフィルタ係数について最終決定したフィルタ係数で前記送信側適応等化手段の適応等化のフィルタ係数を設定することを特徴とする送信装置。
  2. 前記送信側適応等化手段の適応等化のために設定されるフィルタ係数は、受信側で適応等化に用いるフィルタ係数と同一のフィルタ長を有することを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記送信側フィルタ係数更新制御手段は、前記初期動作モードにて、複数回にわたって前記受信側のフィルタ係数の受信を繰り返し、当該繰り返し回数が予め設定した値を上回るか否かによって、最終決定したフィルタ係数として判定することを特徴とする、請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記フィルタ係数は、受信側で規定した受信C/N相当値が所定の閾値以上の状況下で決定された値であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の送信装置。
  5. 前記送信側適応等化手段は、LDPC符号と併用する帰還型適応等化器であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の送信装置。
  6. 一つの送信装置から送信される信号を共通の伝送路特性を有する伝送路を介して複数の受信装置が受信するデジタル伝送において、デジタル伝送の送信信号を複素誤差量に基づき適応等化して変調波信号を伝送する特定の受信装置であって、
    変調波信号の伝送に際して、主信号の適応等化の設定に必要なフィルタ係数を決定するための初期動作モードと、該フィルタ係数の決定後に定常時の変調波信号を伝送するための定常動作モードを有し、
    デジタル伝送の変調波信号を直交検波する直交検波手段と、
    直交検波した主信号に対して受信C/Nを判定し、受信C/N相当値を生成する受信C/N判定手段と、
    信号品質の良い環境で動作し、直交検波した主信号に対して、複素誤差量に基づき適応等化を施す受信側適応等化手段と、
    前記受信C/N相当値を用いてフィルタ係数更新の継続及び停止を制御するフィルタ係数更新制御信号を生成し、前記受信側適応等化手段の適応等化のフィルタ係数の設定を制御する受信側フィルタ係数更新制御手段とを備え、
    前記初期動作モードにて、前記受信側フィルタ係数更新制御手段は、前記受信側適応等化手段の適応等化に設定したフィルタ係数を送信側に送信する手段を有し、
    前記定常動作モードでは、送信側で適応等化処理されて前記伝送路を通る前に前記伝送路の逆特性が反映された送信信号を受信することを特徴とする受信装置。
  7. 前記受信側適応等化手段の適応等化のために設定されるフィルタ係数は、送信側で適応等化に用いるフィルタ係数と同一のフィルタ長を有することを特徴とする、請求項6に記載の受信装置。
  8. 前記受信側フィルタ係数更新制御手段は、前記初期動作モードにて、複数回にわたって前記受信側適応等化手段の適応等化に設定したフィルタ係数の送信側への送信を繰り返すことを特徴とする、請求項7に記載の受信装置。
  9. 前記受信側フィルタ係数更新制御手段は、規定した受信C/N相当値が所定の閾値以上の状況下で動作した受信側適応フィルタのフィルタ係数が出力できるよう、前記フィルタ係数を決定するための制御信号を前記受信側適応等化手段に送出することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の受信装置。
  10. 前記受信側適応等化手段は、LDPC符号と併用する帰還型適応等化器であることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項に記載の受信装置。
  11. 請求項1に記載の送信装置と請求項6に記載の受信装置とを備えることを特徴とする送受信装置。
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