JP5254217B2 - 麦汁を発酵させる方法 - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は、麦汁を発酵させる連続的な方法であって、生物学的に活性な酵母で麦汁を発酵させて、アルコール含有発酵済み液を産生し、その後、酵母の取り出しと熟成を行う方法に関する。本発明の方法は、アルコール性ビールの製造に特に適している。また本発明は、上記方法で使用するための装置を提供する。
発明の背景
ビールをつくるために、醸造者は、水と大麦を使用して、(麦汁と呼ばれる)甘い液体を作成し、これをホップで香り付けし、その後、酵母で発酵させる。基本プロセスは単純であるが、その実施は極めて高度である。最も重要なステージは、麦芽製造、醸造および発酵、その後の熟成、濾過および瓶詰めである。発酵の間に、麦汁中の抽出された炭水化物は、酵母によりアルコールと二酸化炭素に変換され、その間に新たな酵母細胞が形成される。熟成ステップは、ビール醸造プロセスの重要な側面であり;成熟した不変の香りを備えたビールをつくるために熟成は必要である。一次発酵の間、第一フェーズの一つは酵母の増殖である。このフェーズの間、酵母細胞は増殖するため、アミノ酸合成を含む全ての生化学的活性は、“スイッチオンである”。バリン合成(アミノ酸)の生化学的経路において、アルファ−アセトラクテートが過剰な量で形成され、酵母細胞により麦汁に分泌される。酵母細胞外の麦汁において、アルファ−アセトラクテートは、脱カルボキシル反応によりジケトン、ジアセチルに化学的に変換され;アルファアセトラクテートのジアセチルへの変換は、ビールのpH、温度および酸化還元状態により制御される化学反応である。
ジアセチルを含む多くのジケトンは、強い香り成分であり、非常に低い味覚の閾値を有し;ジアセチルは、約0.10〜0.15 mg/lの香りの閾値を有し、強いバターまたはバタースコッチの香りを有し、これは、“青い(green)”または“若い”または未熟なビールに特徴的である。一次発酵後にビールの香りのバランスをとるために、二次発酵または他の形態の熟成を利用して、ジアセチルの濃度をヒトの味覚の閾値以下に低減する。熟成の古典的な方法は、“二次発酵”を伴う。このフェーズの間、酵母細胞は、ジアセチルを消費し、ジアセチルを酵素で還元してアセトインを産生する。アセトインは、ジアセチルより有意に高い味覚の閾値、すなわち約8〜20 mg/lを有する。
ジアセチルのアセトインへの反応速度は、標準的な醸造温度および条件下において、アセトラクテートのジアセチルへの反応速度よりずっと速い。熟成ステージでジアセチルの形成を防ぐためには、ビールが熟成ステージを終えたときに存在するジアセチル前駆物質(アルファアセトラクテートを含む)の量を制限することが必要である。これが行われないと、“潜在的な”ジアセチルが残り、これが熟成ステージの後にビールの香りを変化させることができる。
二次発酵は、長期のプロセスであり、これは、典型的には数日以上続き、“バッチ”プロセスとして行われる。商業醸造者は、ビールを速く、安価に、効率よく“熟成させる”方法を求めている。従来法のなかで、ジアセチル“休止(rest)”が利用される。このプロセスでは、青いビールが、一次発酵後に、12〜18℃の温度で、数日〜約1週間にわたって保持される。この“休止”により、アルファ−アセトラクテートの全てまたはほとんど全てが、酵母により分泌され、ジアセチルに還元され、これは、その後、熟成の間に酵母によりアセトインに酵素で還元される。
連続的熟成プロセスの利用は、ビールの製造の効率を高め、醸造時間とコストを低減できる可能性がある。
酵母発酵飲料、たとえばビールの製造において、連続的熟成を含む連続的発酵は、以下の利点を含む多くの顕著な利点を提供することができる:
・ 高い生産性および低額な投資:フルロードで長時間にわたって設備を作動させることができ、これは、同等の生産量のために、バッチプロセスよりも小さい容器が必要であることを意味する;
・ 一定かつ良好な品質:プロセスのパラメータを局所的および瞬間的な要求に適合させることができ、かつ定常状態が非常に安定しているため、プロセスを制御し易い;
・ 高い衛生学的基準:連続的プロセスは閉鎖系で作動する;
・ 少ないエネルギー:エネルギー消費は均一に広がり、大きな使用ピークがない;および
・ 少ない仕事量:連続的プロセスの操作はあまり注意を必要としない
・ 少ない停止および洗浄:連続的プロセスは、バッチプロセスよりも非常に長い連続運転時間で作動させることができる。
連続的発酵の潜在的な利点は、昔から醸造産業によって認識されている。よって、これらの潜在的な利益を実際に得る連続的発酵プロセスを設計する多くの試みがなされている。
US 3,234,026は、飲用ビールを製造するための醸造用麦汁の連続的発酵方法であって、別々の容器で、別々の酵母増殖ステージおよびプロダクト形成プロセスステージを維持すること;酵母増殖ステージで好気条件を維持すること;プロダクト形成ステージで実質的に嫌気条件を維持すること;醸造用麦汁を酵母増殖ステージに連続して導入し、そこで酵母の増殖を維持すること;酵母増殖ステージからプロダクト形成ステージへ流出液を連続して移すこと;プロダクト形成ステージの流出液から酵母を分離し、分離された酵母の一部をプロダクト形成ステージに再導入することによりプロダクト形成ステージの酵母濃度を人為的に高レベルに維持することを含む方法を記載する。このUS特許は、分離容器で発酵済み液から酵母を分離することを教示し、分離容器で酵母は急速に凝集し、容器の底に沈降する。更に、このUS特許は、浄化された発酵済み液をパイプラインにより、温度を下げるための熱交換器へ移し、その後、保持容器に移し、そこでその液体を所定の時間保持し、保存と仕上げのために回収することを教示する。
GB-B 1 300 116は、連続的発酵方法であって、未発酵の麦汁を第一の発酵容器の下部に供給すること、麦汁を、本質的に定常状態の均質な集団の酵母を含有するゾーンを通って容器の上方へ移すこと、少ない割合の酵母を含有する部分的に発酵済みの麦汁を、第一の容器の上部から取り出すこと、部分的に発酵済みの麦汁および酵母を、第二の容器の中間ポイントに移し、ここで更に発酵を行うこと、第二の容器の上部から発酵済み麦汁を取り出し、第二の容器の底から沈降した酵母を連続的または断続的に取り出すことを含む方法を記載する。このイギリス特許は、懸濁された酵母を含有する発酵済み麦汁を、第二の容器から取り出し、沈降タンクに移し、ここで懸濁された酵母は沈降し、沈降容器の上部から浄化された発酵済み麦汁を取り出す態様を記載する。
EP-A 0 022 613は、連続的発酵方法であって、実質的に均一に分布した酵母と炭水化物溶液を含有する発酵ゾーンに炭水化物溶液を連続して供給し、発酵液の一部を加圧沈降タンクに連続して移し、沈降タンクの上部から酵母含量が低い液体を回収し、このタンクの下部から酵母リッチな液体を回収し、発酵ゾーンに戻す方法を記載する。
DE-A 100 03 155は、固定された酵母の助けにより青いビールを製造するビールの加速的製造のための不連続方法を記載する。このように製造された青いビールは、固定されていない酵母を含有し、これは、0〜10℃に冷却される一続きの2つのデカンターにおいて沈降分離により取り出される。
本発明者らは、麦汁を発酵させるための改良された連続的な方法であって、生物学的に活性な酵母で麦汁を発酵させた後、同一容器内で同時に酵母の分離と熟成を行う方法を開発した。この改良は、酵母含有発酵済み麦汁を容器に連続して導入し、6時間より長い容器内の滞留時間の後に、その容器から酵母含有沈殿物と上清液とを別々に取り出すことにより実現される。
本発明の方法は、幾つかの利点を提供する。まず、従来の連続的プロセスは、少なくとも二つの別々の処理工程、すなわち酵母の分離のための処理工程と熟成のための処理工程を必要とするが、本発明の方法は、熟成と酵母の分離を一つの処理工程に一体化する。従って、一体化した分離と熟成の本発明の方法の容器の総数は、従来の連続的プロセスと比べて、一容器少ない。次に、本発明の方法は、熟成に必要な比較的長い滞留時間が、ほとんど全ての条件下で効率的な沈降分離が行われることを保証するため、非常に頑強である。
発明の詳細な説明
よって、本発明は、麦汁を発酵させる連続的な方法であって、
生物学的に活性な酵母で麦汁を発酵させて、アルコール含有発酵済み液を作成すること;
少なくとも10 g/lの生物学的に活性な酵母を含有する発酵済み液を、熟成容器に導入すること;
容器から酵母含有沈殿物と上清液とを別々に取り出すこと;および
必要に応じて、酵母含有沈殿物の少なくとも一部を麦汁の発酵に再循環させること
を含み、
熟成容器における発酵済み液の滞留時間が、6時間より長く、好ましくは12時間より長く、最も好ましくは24時間より長い、方法に関する。
“酵母の含量”または“酵母の濃度”を参照する場合、特に別途記さない限り、ウェット酵母の濃度を意味する。懸濁液中に含有されるウェット酵母の量は、懸濁液から遠心分離により単離され得る73%水分含量の酵母ケークの量に等しい。上記水分含量は、酵母細胞に含有される水を含む。
本発明は、熟成と酵母の沈降分離が、一続きの二以上の容器内で同時に行われる方法も包含することに留意されたい。このため、“熟成容器”を参照する場合、これは、沈降分離と熟成が同時に起こる一続きの二以上の熟成容器も包含すると理解すべきである。
“酵母含有沈殿物を麦汁の発酵に再循環させる”という用語は、麦汁の発酵に直接沈殿物を再循環させること、並びに麦汁の発酵を有利に進行させる酵母の増殖ステージに再循環させることを包含する。
本発明の方法は、酵母発酵麦芽飲料、たとえばビール、エール、麦芽酒、ポーターおよびシャンディーを製造するのに特に適している。好ましくは、本発明の方法は、ビール、とりわけアルコール性ビールを製造するために使用される。
本発明の利点は、発酵済み液が高レベルの酵母を含有する場合、特に顕著である。このため、好ましい態様によれば、発酵済み液は、少なくとも15 g/l、より好ましくは少なくとも20 g/l、更に好ましくは少なくとも40 g/l、最も好ましくは少なくとも60 g/lの酵母を含有する。通常、発酵容器内の酵母の濃度は、300 g/lを超えず、好ましくは280 g/lを超えず、最も好ましくは250 g/lを超えない。
本発明の方法において、発酵済み液は、適切には、熟成容器の上部近くに導入され、酵母含有沈殿物と上清液の両方が、容器の底部から取り出される。あるいは、発酵済み液は、熟成容器の底部近くに導入され、酵母含有沈殿物が、容器の底部から取り出され、上清液が、容器の上部から取り出される。効率的な分離と効率的な熟成の両方を達成するために、下向きまたは上向きフローは、乱流とすべきではない。特に好ましい態様によれば、発酵済み液は、垂直に下向きまたは上向きの層流で、熟成容器を通過する。最も好ましくは、液体は、垂直に下向きのフローで、熟成容器を通過する。
本発明の方法の分離の効力は、取り出し時の上清液中の生物学的に活性な酵母の濃度が、典型的に、熟成容器への導入前の発酵済み液中の生物学的に活性な酵母の濃度より少なくとも5倍低いという事実から明らかである。好ましくは、酵母の濃度の低下は、少なくとも7倍であり、より好ましくは少なくとも10倍である。
熟成容器から取り出す際、酵母沈殿物は、通常、少なくとも100 g/lの酵母を含有する。好ましくは、取り出される沈殿物の酵母の含量は、少なくとも200 g/l、より好ましくは少なくとも250 g/l、更に好ましくは少なくとも300 g/lである。特に好ましい態様によれば、取り出される沈殿物の酵母の含量は、少なくとも400 g/l、最も好ましくは少なくとも500 g/lである。発酵が、高い酵母濃度で行われる場合は特に、高い酵母濃度で沈殿物を取り出し、それを増殖/発酵に再循環させるため有利である。
効率的な分離と熟成を達成するために、発酵済み液は、酵母含有沈殿物が形成されるレベルより十分に高いレベルで、熟成容器に導入されるべきである。この好ましい態様は、下記のとおり数学的に公式化され得る:
レベル(x)は、熟成容器に含有される液体のレベルを表し;
レベル(y)は、熟成容器中の酵母沈殿物のレベルを表し;
レベル(a)は、発酵麦汁が熟成容器に導入されるレベルを表し、ただし、発酵麦汁が上記レベル(x)で導入される場合、レベル(a)はレベル(x)と一致するとし;
レベル(b)は、上清が熟成容器から取り出されるレベルを表す場合;
レベル(x)、(a)および(b)は、レベル(y)より高く;
レベル(a)と(b)の垂直距離は、レベル(x)と(y)の垂直距離の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%を表す。
熟成の効力は、熟成の間に達成されるアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルのレベルの減少により適切に実証される。本発明の方法において、取り出し直後の上清中のアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度は、発酵済み液中のアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度に対して、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも70%低下する。
熟成容器内の液体の温度は、有利には、10〜30℃の範囲内、より好ましくは10〜20℃の範囲内の温度に維持される。これら温度の範囲内において、非常に効率よく熟成を達成することができる。
本発明の方法において、発酵は、好ましくは、懸濁された酵母の助けにより、すなわち担体に固定された酵母を使用することなく、行われる。
発酵済み液は、典型的には、10〜35 °Pの範囲内の初期比重(original gravity)を有する。
好ましい態様に従って、麦汁の発酵は、以下の工程を含む:
a.麦汁を一連の一または複数の増殖容器に導入し、ここで、麦汁を、酵母含有残渣の再循環の流れと一体化し、酵母を懸濁して維持しながら好気条件下で増殖させる工程;および
b.酵母含有麦汁を増殖容器から一連の一または複数の発酵容器に移し、ここで、酵母を嫌気条件下で懸濁して維持し、麦汁に存在する炭水化物を代謝する工程。
一連の増殖容器中の酵母の濃度は、10 g/lより高く、より好ましくは20〜300 g/lの範囲内である。
麦汁と酵母含有残渣を混合した後、麦汁が増殖容器から離れる場合または一または複数の発酵容器中での発酵の間、たとえば更に麦汁を添加することにより、酵母の濃度を低下させてもよい。好ましくは、酵母の濃度は、増殖後に低下しないし、酵母の分離前にも低下しない。
酵母沈殿物の一部を熟成容器から一または複数の増殖容器に再循環させることにより、麦汁の発酵を、高い酵母濃度で行うことができる。高い酵母濃度の利用は、発酵時間および/または発酵槽体積を実質的に低下させることができるという利点を提供する。更に、高い酵母濃度で行われる連続的発酵は、微生物の感染を受けにくい。本発明の方法は、熟成容器から得られる酵母含有残渣の大部分を再循環させることにより高効率で行うことができる。好ましい態様によれば、熟成容器から取り出される酵母沈殿物の10〜100%、最も好ましくは50〜100%が、発酵に再循環される。
典型的には、発酵済み液に存在する酵母の少なくとも40%が、増殖容器に再循環される。より好ましくは、発酵済み液に存在する酵母の少なくとも60%が再循環され、最も好ましくは、発酵済み液に存在する酵母の少なくとも75%が再循環される。通常、発酵済み液に存在する酵母の98%以下が再循環される。
本発明の方法において、有利には、発酵済み液に存在する酵母の少なくとも20%、とりわけ少なくとも40%が、浄化を受ける前に、あるいはそうでない場合パッケージングの前に、取り出される。好ましくは、発酵済み液に存在する酵母の少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%が取り出される。
高い酵母の増殖率を達成するためには、酵母は、懸濁して維持されることが重要である。これは、適切には、撹拌、再循環、二酸化炭素の放出(evolution)および/またはエアレーションにより行うことができる。一連の一または複数の発酵容器中の酵母の生産性は、酵母が懸濁して維持されている場合、最適である。好ましくは、酵母は、撹拌、再循環および/または二酸化炭素の放出により、一連の一または複数の発酵容器中に懸濁して維持される。とりわけ好ましい態様によれば、本発明の方法で使用される増殖容器および発酵容器は、酵母を懸濁して維持し、かつこれら容器内の懸濁液の均質性を確保するために、継続して撹拌される。
酵母の増殖は、好気条件を必要とするため、充分な増殖率を達成するためには、充分な酸素を増殖容器中で酵母細胞に利用できるようにすることが重要である。撹拌および/または再循環は、適切には、酵母含有麦汁に空気を継続して導入するために使用することができる。本発明の有利な態様では、加圧酸素含有ガス(たとえば空気)が、酵母含有麦汁に、または酵母含有麦汁上のヘッドスペースに継続して導入される。あるいは、前述の加圧酸素含有ガスは、増殖容器に入る前に、麦汁の流れまたは酵母含有残渣の再循環される流れに注入される。別のオプションにおいて、酸素含有ガスは、たとえば増殖容器の底部近くで複数のインジェクターを介してガスを注入することにより、酵母含有麦汁に直接導入される。とりわけ好ましい態様によれば、酸素は、増殖容器に入る前に、麦汁の流れに導入することにより供給される。この態様は、酸素の濃度をかなり正確に制御することができるという利点を提供する。酸素は、典型的には、主要な麦汁の流れで計算して、少なくとも8 ppmの量、好ましくは10〜40 ppmの量で、酵母含有麦汁に導入される。
増殖容器で使用される好ましい増殖条件のために、相当量の酵母が、本発明の方法で産生される。典型的には、少なくとも5グラム、好ましくは10グラム以上のウェット酵母が、発酵麦汁1リットルあたり産生される。好ましくは、少なくとも0.05 g、より好ましくは少なくとも0.08 g、最も好ましくは少なくとも0.1 gのウェット酵母が、発酵抽出物1グラムあたり産生される(15 °Pは、150 g抽出物/kgに相当する)。増殖容器中で高い酵母濃度を維持するためには、再循環される酵母含有残渣が、高い酵母含量を有していなければならない。
一連の一または複数の増殖容器内の液体の温度は、適切には、5〜40℃の範囲内、好ましくは6〜25℃の範囲内、最も好ましくは8〜18℃の範囲内に維持される。増殖容器は、加圧空気または酸素が容器に導入される場合は特に、超大気圧下で操作することができる。好ましくは、増殖容器は、大気圧または1.5気圧(絶対)までの高い圧力で操作される。
発酵容器内での発酵麦汁の温度は、適切には、5〜25℃の範囲内、好ましくは6〜25℃の範囲内、最も好ましくは8〜18℃の範囲内に維持される。とりわけ好ましい態様によれば、本発明の方法は、少なくとも2つの発酵容器を使用する。2つ以上の発酵容器の使用は、最後の発酵容器の前の容器で、より高い基質変換率を達成することができるという利点を提供する。典型的には、一続きの4つ以下の発酵容器が使用される。最も好ましくは、本発明の方法は、一続きの2つまたは3つの発酵容器を使用する。
本発明の方法の特に有利な態様において、一連の増殖容器に導入される麦汁の比重(gravity)は、10〜35 °Pの範囲内、より好ましくは12〜30 °Pの範囲内、最も好ましくは12〜25 °Pの範囲内である。高い比重の麦汁、すなわち高レベルの発酵可能抽出物を含有する麦汁を使用することにより、本発明の方法で使用される高い酵母濃度から、最大の利益を得ることができる。高い比重と高い酵母濃度を組合せることにより、発酵槽のサイズに対して非常に高い生産性で発酵済み麦汁を生産することが可能である。発酵後、高い比重の発酵済み麦汁を希釈して、たとえば、約5 vol.%のアルコール含量のビールを製造することができる。
本発明の方法は、低い酵母濃度を利用するバッチプロセスおよび連続的プロセスと比べて、発酵時間を有意に短縮することができるという利点を提供する。好ましくは、増殖容器および発酵容器中の合計滞留時間は、80時間を越えず、より好ましくは40時間を越えず、最も好ましくは30時間を越えない。とりわけ好ましい態様によれば、増殖容器および発酵容器中の合計滞留時間は、20時間を越えない。
一連の一または複数の増殖容器中の滞留時間は、典型的には、10時間を越えず、好ましくは5時間を越えない。通常、一連の一または複数の増殖容器中の滞留時間は、0.5時間を越える。容器中の滞留時間は、容器のオペレーション体積を、プロセスへの麦汁の流速で割ることにより計算することができる。容器のオペレーション体積は、容器内に含有される懸濁液の全体積に相当する。一連の2つ以上の容器が使用される場合、かかる一連の容器内の合計滞留時間は、個々の容器の滞留時間を足し合わせることにより計算することができる。
本発明の方法において、増殖および発酵は、好ましくは閉鎖系で実行される。閉鎖系の使用は、感染および/またはコンタミネーションのリスクを低減するという利点を提供する。加えて、閉鎖系の使用は、酵母により生成される二酸化炭素を回収し易くする。増殖容器および/または発酵容器から回収される二酸化炭素は、たとえば、酵母発酵飲料に炭酸ガスを飽和させるために使用することができる。後者の適用は、飲料に添加する前に、通常、二酸化炭素を回復させる(recuperate)ことが必要である。
酵母含有残渣を発酵済み液から取り出した後、取り出された液体の上清に更なる処理を行うことができる。ビールの製造の場合、更なる処理には、好ましくは、低温保存、浄化、安定化、炭酸ガス飽和、および充填が含まれる。好ましくは、低温保存、炭酸ガス飽和、および充填も、連続様式で行われる。
本発明の別の側面は、上述の方法を行うための装置であって、
生物学的に活性な酵母を発酵済み液中に懸濁して含有するアルコール含有発酵済み液を保持する発酵容器、
酵母含有沈殿物および上清液を保持し、発酵容器に連結された入り口を有する熟成容器
を具備し、
熟成容器が、その上部または下部に、生物学的に活性な酵母を含有する発酵済み液を受け取るための入り口を有し、
熟成容器が、酵母含有沈殿物および上清液の連続的分離のためのセパレーター部材を有し、
セパレーター部材が、上清液を、熟成済み液のアウトプットに供給し、酵母含有沈殿物を、酵母のアウトプットに供給し、
酵母のアウトプットが、熟成容器の下部に位置し、
上清液のアウトプットは、発酵済み液を受け取るための入り口が熟成容器の上部にある場合には、熟成容器の下部に位置し、発酵済み液を受け取るための入り口が熟成容器の下部にある場合には、熟成容器の上部に位置する、装置に関する。好ましくは、発酵済み液を受け取るための入り口は上部に位置し、上清液のアウトプットは下部に位置する。
発酵済み液に含有される生物学的に活性な酵母は、担体に固定されていない。発酵容器は、有利には、酵母を懸濁して維持するために使用することができる撹拌装置を備える。
酵母含有発酵済み液は、適切には、そのまま熟成容器に導入され得る。このため、発酵済み液を熟成容器に導入する前に、酵母を取り出す必要はない。よって、発酵容器と熟成容器の間にフィルター部材を置かないことが好ましい。
上記で説明されるとおり、上清液および酵母含有沈殿物は、有利には、熟成容器の下端で取り出される。よって、上清液のアウトプットおよび酵母のアウトプットは、好ましくは、熟成容器の下部に位置する。本発明のとりわけ好ましい態様によれば、熟成容器は、円錐状の下部を備える。円錐状の下部は、典型的には、150°未満、とりわけ130°未満の円錐角を有する。好ましくは、円錐角は100°未満、より好ましくは90°未満、最も好ましくは70°未満である。
更に有利な態様において、セパレーター部材は、一または複数の入り口開口部を含有する上清液のためのアウトプット管を備え、前記入り口開口部は、熟成容器の底で、酵母含有沈殿物の上に位置する。
酵母含有沈殿物の少なくとも一部を麦汁の発酵に再循環させるために、酵母のアウトプットは、好ましくは、発酵容器に連結されるか、または発酵容器の上流に位置する増殖容器に連結される
本発明は、以下の実施例により更に詳細に説明される。
この実施例は、一つの増殖容器、二つの発酵容器、および一つの沈降分離/熟成容器を利用するプロセスにおける麦汁の連続的発酵を記載する。
15 °Pの初期比重を有する酸素添加された麦汁を、0.8 hl/hrの流速で増殖容器に連続して供給する。この麦汁は、この増殖容器に、0.5 hl/hrの流速で再循環の流れを供給することにより整えられ、再循環の流れは、熟成容器からの沈殿酵母を含有する。増殖容器は、0.5 hlの液体体積を含有し、この液体は、約12℃の温度を有する。増殖容器中の酵母濃度は、81 gウェット酵母/lである。
増殖容器中の液体体積は、一次発酵容器へ発酵ブロスを移すことにより一定に維持され、これは、7.7 hlの液体体積を含有する。一次発酵容器中の温度は、15℃で一定に維持される。この容器中の酵母濃度は、酵母の増殖のために86 gウェット酵母/lに増大した。
一次発酵容器中の液体体積は、二次発酵容器へ発酵ブロスを移すことにより一定に維持され、これは7.7 hlの液体体積を含有する。二次発酵容器中の温度は、15℃で一定に維持される。この容器中の酵母濃度は、酵母の増殖のために90 gウェット酵母/lに増大した。二次発酵容器中の見かけの比重は、2〜3 °Pである。二次発酵容器中の液体の全ジアセチル含量(アセトラクテートとジアセチル)は、0.83 mg/lであり、全ペンタンジオン含量(アセトブチレートとペンタンジオン)は、0.91 mg/lであった。
二次発酵容器中の液体体積は、熟成/沈降分離容器のトップに発酵ブロスを移すことにより一定に維持される。この円柱円錐(cylindroconical)容器は、約90 hlの液体体積、60°の円錐角、2 mの直径を有する。沈殿酵母の一部(0.5 hl/l)は、増殖容器に再循環される。酵母含量の低下した発酵ブロスは、更なる処理のために、ビール保存容器に継続的に送られる。分離/熟成容器の上清液中の全ジアセチル含量(アセトラクテートとジアセチル)は、0.21 mg/lであり、全ペンタンジオン含量(アセトブチレートとペンタンジオン)は、0.4 mg/lであった。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 麦汁を発酵させる連続的な方法であって、
生物学的に活性な酵母で麦汁を発酵させて、アルコール含有発酵済み液を作成すること;
少なくとも10 g/lの生物学的に活性な酵母を含有する発酵済み液を、熟成容器に導入し、ここで生物学的に活性な酵母の濃度が、発酵済み液から遠心分離により単離され得る73%水分含量の酵母ケークの量に等しいこと;
容器から酵母含有沈殿物と上清液とを別々に取り出すこと;および
必要に応じて、酵母含有沈殿物の少なくとも一部を麦汁の発酵に再循環させること
を含み、
熟成容器における発酵済み液の滞留時間が、6時間より長く、好ましくは12時間より長く、最も好ましくは24時間より長い、方法。
[2] [1]に記載の方法であって、発酵済み液が、垂直に下向きの層流で、熟成容器を通過する、方法。
[3] [1]または[2]に記載の方法であって、取り出し時の上清液中の生物学的に活性な酵母の濃度が、熟成容器への導入前の発酵済み液中の生物学的に活性な酵母の濃度より少なくとも5倍低い、方法。
[4] [1]〜[3]の何れか1に記載の方法であって、取り出し時の酵母沈殿物が、少なくとも100 g/l、好ましくは少なくとも200 g/l、最も好ましくは少なくとも250 g/lの酵母を含有する、方法。
[5] [1]〜[4]の何れか1に記載の方法であって、
レベル(x)は、熟成容器に含有される液体のレベルを表し;
レベル(y)は、熟成容器中の酵母沈殿物のレベルを表し;
レベル(a)は、発酵済み麦汁が熟成容器に導入されるレベルを表し、ただし、発酵済み麦汁が上記レベル(x)で導入される場合、レベル(a)はレベル(x)と一致するとし;
レベル(b)は、上清が熟成容器から取り出されるレベルを表し;
レベル(x)、(a)および(b)は、レベル(y)より高く;
レベル(a)と(b)の垂直距離は、レベル(x)と(y)の垂直距離の少なくとも50%を表す、方法。
[6] [1]〜[5]の何れか1に記載の方法であって、取り出し直後の上清中のアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度が、熟成容器への導入前の発酵済み液中のアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度に対して、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも70%低下している、方法。
[7] [1]〜[6]の何れか1に記載の方法であって、熟成容器から取り出される酵母沈殿物の10〜100%、最も好ましくは50〜100%が、発酵に再循環される、方法。
[8] [1]〜[7]の何れか1に記載の方法であって、麦汁が、担体に固定されていない酵母で発酵される、方法。
[9] [1]〜[8]の何れか1に記載の方法であって、発酵済み液が、少なくとも10 g/l、好ましくは少なくとも20 g/l、最も好ましくは少なくとも40 g/lの酵母を含有する、方法。
[10] [1]〜[9]の何れか1に記載の方法であって、熟成容器内の液体の温度が、10〜30℃の範囲内、好ましくは10〜20℃の範囲内に維持される、方法。
[11] [1]〜[10]の何れか1に記載の方法であって、発酵済み液が、10〜35 °Pの範囲内の初期比重を有する、方法。
[12] [1]〜[11]の何れか1に記載の方法を行うための装置であって、
必要に応じて、生物学的に活性な酵母を液体中に懸濁して含有する酸素添加(oxygenated)液体を保持する増殖容器、
生物学的に活性な酵母を発酵済み液中に懸濁して含有するアルコール含有発酵済み液を保持する発酵容器、
酵母含有沈殿物および上清液を保持し、発酵容器に連結された入り口を有する熟成容器を具備し、
熟成容器が、その上部または下部に、生物学的に活性な酵母を含有する発酵済み液を受け取るための入り口を有し、
熟成容器が、酵母含有沈殿物および上清液の連続的分離のためのセパレーター部材を有し、
セパレーター部材が、上清液を、熟成済み液のアウトプットに供給し、酵母含有沈殿物を、酵母のアウトプットに供給し、
酵母のアウトプットが、熟成容器の下部に位置し、
上清液のアウトプットは、発酵済み液を受け取るための入り口が熟成容器の上部にある場合には、熟成容器の下部に位置し、発酵済み液を受け取るための入り口が熟成容器の下部にある場合には、熟成容器の上部に位置する、装置。
[13] [12]に記載の装置であって、上清液のアウトプットおよび酵母のアウトプットが、熟成容器の下部に位置する、装置。
[14] [13]に記載の装置であって、熟成容器が、円錐状の下部を備え、セパレーター部材が、一または複数の入り口開口部を含有する上清液のアウトプット管を備え、前記入り口開口部が、酵母含有沈殿物の上に位置する、装置。
[15] [12]〜[14]の何れか1に記載の装置であって、酵母のアウトプットが、発酵容器に連結されるか、または発酵容器の上流に位置する増殖容器に連結される、装置。

Claims (15)

  1. 麦汁を発酵させる連続的な方法であって、
    生物学的に活性な酵母で麦汁を発酵させて、アルコール含有発酵済み液を作成すること;
    少なくとも10 gの生物学的に活性な酵母の量1リットルあたり含有する発酵済み液を、熟成容器に導入し、ここで生物学的に活性な酵母の前記量が、発酵済み液の1リットルから遠心分離により単離される73%水分含量の酵母ケークの量であること;
    容器から酵母含有沈殿物と上清液とを別々に取り出すこと
    を含み、
    発酵済み液が、垂直に下向きまたは上向きの層流で熟成容器を通過し、熟成容器における発酵済み液の滞留時間が、6時間より長、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、発酵済み液が、垂直に下向きの層流で、熟成容器を通過する、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、取り出し時の上清液中の生物学的に活性な酵母の濃度が、熟成容器への導入前の発酵済み液中の生物学的に活性な酵母の濃度より少なくとも5倍低い、方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法であって、取り出し時の酵母沈殿物が、少なくとも100 g/lの酵母を含有する、方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法であって、
    レベル(x)は、熟成容器に含有される液体のレベルを表し;
    レベル(y)は、熟成容器中の酵母沈殿物のレベルを表し;
    レベル(a)は、発酵済み麦汁が熟成容器に導入されるレベルを表し、ただし、発酵済み麦汁が上記レベル(x)で導入される場合、レベル(a)はレベル(x)と一致するとし;
    レベル(b)は、上清が熟成容器から取り出されるレベルを表すときに、
    レベル(x)、レベル(y)、レベル(a)およびレベル(b)は、下記の関係(i)および(ii)を満たす:
    (i) レベル(x)、(a)および(b)は、レベル(y)より高く;
    (ii) レベル(a)と(b)の垂直距離は、レベル(x)と(y)の垂直距離の少なくとも50%を表す、方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の方法であって、取り出し直後の上清中のアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度が、熟成容器への導入前の発酵済み液中のアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度に対して、少なくとも30%低下している、方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の方法であって、熟成容器から取り出される酵母沈殿物の10〜100%が、発酵に再循環される、方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の方法であって、麦汁が、担体に固定されていない酵母で発酵される、方法。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の方法であって、発酵済み液が、少なくとも10 g/lの酵母を含有する、方法。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の方法であって、熟成容器内の液体の温度が、10〜30℃の範囲内に維持される、方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の方法であって、発酵済み液が、10〜35 °Pの範囲内の初期比重を有する、方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の方法を行うための装置であって、
    生物学的に活性な酵母を液体中に懸濁して含有する酸素添加(oxygenated)液体を保持する増殖容器であって、懸濁された活性な酵母を含有する酸素添加液体のための出口を有する増殖容器
    担体に固定されていない少なくとも10 g/lの生物学的に活性な酵母を発酵済み液中に懸濁して含有するアルコール含有発酵済み液を保持する発酵容器であって、増殖容器の出口に連結された入り口を有し、生物学的に活性な酵母を含有するアルコール含有発酵済み液のための出口を有する発酵容器
    酵母含有沈殿物および上清液を保持し、発酵容器の出口に連結された、生物学的に活性な酵母を含有する発酵済み液を受け取るための入り口を有する熟成容器
    を具備し、
    熟成容器が、その上部または下部に、生物学的に活性な酵母を含有する発酵済み液を受け取るための入り口を有し、
    熟成容器が、酵母含有沈殿物および上清液の連続的分離のためのセパレーター部材を有し、
    セパレーター部材が、上清液を、熟成済み液のアウトプットに供給し、酵母含有沈殿物を、酵母のアウトプットに供給し、
    酵母のアウトプットが、熟成容器の下部に位置し、
    上清液のアウトプットは、
    (i)発酵済み液を受け取るための入り口が熟成容器の上部にある場合には、熟成容器の下部に位置し、
    (ii)発酵済み液を受け取るための入り口が熟成容器の下部にある場合には、熟成容器の上部に位置し、
    上清液のアウトプットにおける熟成液のアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度が、発酵済み液の入り口におけるアルファ−アセトラクテートおよびジアセチルの全濃度より少なくとも50%低い、装置。
  13. 請求項12に記載の装置であって、上清液のアウトプットおよび酵母のアウトプットが、熟成容器の下部に位置する、装置。
  14. 請求項13に記載の装置であって、熟成容器が、円錐状の下部を備え、セパレーター部材が、一または複数の入り口開口部を含有する上清液のアウトプット管を備え、前記入り口開口部が、酵母含有沈殿物の上に位置する、装置。
  15. 請求項12〜14の何れか1項に記載の装置であって、酵母のアウトプットが、発酵容器に連結されるか、または発酵容器の上流に位置する増殖容器に連結され、前記増殖容器が、生物学的に活性な酵母を液体中に懸濁して含有する酸素添加液体を保持する、装置。
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