JP5254073B2 - スキャン露光装置およびスキャン露光装置の基板搬送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スキャン露光装置およびスキャン露光装置の基板搬送方法に関し、より詳細には、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイの基板上にマスクのマスクパターンを露光転写するのに好適なスキャン露光装置およびスキャン露光装置の基板搬送方法に関する。
大型の薄形テレビ等に用いられる液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイは、基板上にマスクのパターンを分割逐次露光方式で近接露光転写することで製造されている。この種の分割逐次露光方法としては、例えば、パネルと同寸のマスクを用い、該マスクをマスクステージで保持すると共に基板をワークステージで保持して両者を近接して対向配置する。そして、ワークステージをマスクに対してステップ移動させる毎にマスク側から基板にパターン露光用の光を照射して、複数のマスクパターンを基板上に露光転写する。
また、他の露光方法として、マスクを細分化して、これらマスクを保持する複数のマスク保持部を千鳥状に配置し、基板を一方向に移動させながら露光を行うスキャン露光方式が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この露光方式では、基板に形成されるパターンに、ある程度繰り返される部位があることを前提として、これをつなぎ合わせることで大きなパターンを形成できることを利用したものである。この場合、マスクは、パネルに合わせて大きくする必要がなく、比較的安価なマスクを用いることができる。
また、スキャン露光方式では、ラインセンサによってブラックマトリクスが形成された基板の基準線を観測することにより、基板の搬送方向と直交する方向におけるズレ量を検出し、このズレ量に対応してマスクを移動させることで補正動作を行っている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−57791号公報 特開2006−292955号公報
ところで、特許文献2に記載のスキャン露光装置では、該直交方向におけるズレ量を補正することができるが、基板搬送機構によって生じる、該搬送方向及び直交方向の両方に垂直な法線回りのθ方向のズレ量については補正がなされていない。このため、θ方向のズレ量は、基板搬送機構の通り精度に依存し、マスクのパターンが複雑な場合には、このθ方向のズレ量がそのまま露光精度となっていた。
また、近年、基板の大型化に伴う装置の大型化やツインステージへの適用等により、基板搬送機構による搬送距離が長くなっており、機械的な調整だけで通り精度を保持することは困難である。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板搬送機構の通り精度のみに依存することなく、θ方向のズレ量を補正して、露光精度を向上することができるスキャン露光装置およびスキャン露光装置の基板搬送方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 所定の方向に沿って往復自在に基板を搬送可能であるとともに、前記所定の方向と直交する方向に前記基板を移動可能な基板搬送機構と、
複数のマスクをそれぞれ保持する複数のマスク保持部と、
前記複数のマスク保持部の上方にそれぞれ配置され、露光用光を照射する複数の照射部と、
を備え、前記搬送される基板に対して前記複数のマスクを介して前記露光用光を照射し、前記基板に前記各マスクのパターンを露光するスキャン露光装置であって、
前記基板搬送機構は、前記基板を保持する保持部材と、前記保持部材を前記所定の方向に搬送するための第1の送り機構と、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2の駆動部を備えて、該保持部材を前記直交方向に移動可能、且つ、前記所定の方向及び前記直交方向に垂直な法線回りのθ方向に揺動可能な第2の送り機構と、
を有することを特徴とするスキャン露光装置。
(2) 前記第1の送り機構が前記所定の方向に移動する際、前記第1の送り機構のθ方向におけるズレ量を相殺するように、前記第2の送り機構の第1及び第2の駆動部を相対的に変位させる制御部をさらに備えることを特徴とする(1)に記載のスキャン露光装置。
(3) 前記基板搬送機構の第2の送り機構は、前記第1及び第2の駆動部が取り付けられた支持板の前記直交方向への移動を案内する直動案内部を有することを特徴とする(1)または(2)に記載のスキャン露光装置。
(4) 前記基板搬送機構には、前記保持部材の前記直交方向の移動領域より基板側で前記基板を保持する基板支持部材が取り付けられていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のスキャン露光装置。
(5) 所定の方向に沿って往復自在に基板を搬送可能であるとともに、前記所定の方向と直交する方向に前記基板を移動可能な基板搬送機構と、
複数のマスクをそれぞれ保持する複数のマスク保持部と、
前記複数のマスク保持部の上方にそれぞれ配置され、露光用光を照射する複数の照射部と、
を備え、前記基板搬送機構は、前記基板を保持する保持部材と、前記保持部材を前記所定の方向に搬送するための第1の送り機構と、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2の駆動部を備えて、該保持部材を前記直交方向に移動可能、且つ、前記所定の方向及び前記直交方向に垂直な法線回りのθ方向に揺動可能な第2の送り機構と、を有し、前記搬送される基板に対して前記複数のマスクを介して前記露光用光を照射し、前記基板に前記各マスクのパターンを露光するスキャン露光装置の基板搬送方法であって、
前記第1の送り機構が前記所定の方向に移動する際、前記第1の送り機構のθ方向におけるズレ量を測定する工程と、
前記第1の送り機構が前記所定の方向に移動する際の、前記ズレ量が許容値以下となる、前記第2の送り機構の第1及び第2の駆動部の相対的な位置関係を含む補正テーブルを作成する工程と、
該補正テーブルに基づいて、前記第2の送り機構の第1及び第2の駆動部を駆動する工程と、
を有することを特徴とするスキャン露光装置の基板搬送方法。
(6) 前記補正テーブルは、第1及び第2の駆動部のメカニカルな相対的位置誤差を含むことを特徴とする(5)に記載のスキャン露光装置の基板搬送方法。
本発明のスキャン露光装置によれば、基板搬送機構は、基板を保持する保持部材と、保持部材を所定の方向に搬送するための第1の送り機構と、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2の駆動部を備えて、保持部材を直交方向に移動可能、且つ、所定の方向及び前記直交方向に垂直な法線回りのθ方向に揺動可能な第2の送り
機構と、を有するので、基板搬送機構の通り精度のみに依存することなく、θ方向のズレ量を補正して、露光精度を向上することができる。
また、本発明のスキャン露光装置の基板搬送方法によれば、上記構成を備え、第1の送り機構が所定の方向に移動する際、第1の送り機構のθ方向におけるズレ量を測定する工程と、第1の送り機構が所定の方向に移動する際の、ズレ量が許容値以下となる、第2の送り機構の第1及び第2の駆動部の相対的な位置関係を含む補正テーブルを作成する工程と、補正テーブルに基づいて、第2の送り機構の第1及び第2の駆動部を駆動する工程と、を有するので、基板搬送機構の通り精度のみに依存することなく、θ方向のズレ量を補正して、露光精度を向上することができる。
本発明の一実施形態であるスキャン露光装置の平面図である。 図1におけるスキャン露光装置の拡大平面図である。 図2におけるスキャン露光装置の拡大正面図である。 X方向搬送機構の拡大断面図である。 (a)は、Y方向搬送機構の上面図であり、(b)は、ボールねじ機構の拡大断面図である。 (a)は、基板搬入・搬出時における第1のプリアライメント台を模式的に示す上面図であり、(b)は、基板搬入・搬出時におけるプリアライメント台の側面図であり、(c)は、基板が吸着保持された状態におけるプリアライメント台の側面図である。 第1の交換領域から搬入・搬出される基板の露光動作と、第2の交換領域から搬入・搬出される基板の露光動作を示すフローチャートである。 第1の交換領域から搬入される基板と、第2の交換領域から搬入される基板の動作説明図である。 (a)は、基板搬送方向の各位置での、測定器具で測定されたヨーイング成分を示すグラフであり、(b)は、基板搬送方向の各位置での、第1のボールねじ機構に対して第2のボールねじ機構の相対的なシフト量を示すグラフである。 第1のボールねじ機構のストロークに対する、第2のボールねじ機構の位置関係を示すグラフである。 基板搬送方向の各位置での、Y方向のズレ量を測定した結果を示すグラフである。 第1実施形態の変形例に係るスキャン露光装置の平面図である。 第2実施形態に係る基板搬送機構を示す上面図である。 (a)は、図13のXIV−XIV線に沿った断面図であり、(b)は、図13のXIV´−XIV´線に沿った断面図である。 第3実施形態に係る基板搬送機構を示し、基板Wが吸排気エアパッド寄りに位置する際の基板搬送機構の上面図である。 図15のXVI−XVI線に沿った断面図である。 基板WをY方向に引き込んだ際の基板搬送機構の上面図である。 図17のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。 本発明の第4実施形態に係るスキャン露光装置の平面図である。
以下、本発明に係るスキャン露光装置及びスキャン露光装置の基板搬送方法の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、本実施形態のスキャン露光装置1の構成について概略説明する。図1に示すように、本実施形態のスキャン露光装置1は、基板Wを浮上搬送させながら基板Wに露光を行う露光機本体2と、露光機本体2の搬送方向両側に位置し、基板Wの搬入・搬出及びプリアライメントが行われる一対のプリアライメント台3,4と、各プリアライメント台3,4と図示しない基板ストッカとの間で基板Wの搬入・搬出を行う一対の基板搬送ロボット5,6と、基板搬送ロボット5,6との間に位置する配電盤7と、露光機本体2に対して配電盤7と反対側に位置し、スキャン露光装置1の各作動部分の動きを操作及び制御する操作パネルを兼ねた制御部8と、マスク搬送ロボット9と、マスクストッカ10と、を備える。
図2及び図3に示すように、露光機本体2は、基板Wを浮上させて支持すると共に、所定の方向であるX方向および該所定の方向と直交する方向であるY方向に搬送する基板搬送機構14と、Y方向に沿って並んでそれぞれ配置され、複数のマスクMをそれぞれ保持する複数(図1に示す実施形態において6個)のマスク保持部11と、マスク保持部11をそれぞれ駆動する複数のマスク駆動部12と、複数のマスク保持部11の上部にそれぞれ配置されて露光用光を照射する複数の照射部13と、を主に備える。
基板搬送機構14は、浮上ユニット15a,15bと、基板WのY方向一側(図1において上辺)を保持してX方向に搬送可能、且つY方向に移動可能な第1及び第2の基板駆動ユニット16,17とを備える。浮上ユニット15a,15bは、複数のフレーム18,19上にそれぞれ設けられた複数の排気エアパッド20及び吸排気エアパッド21を備え、ポンプ(図示せず)やソレノイドバルブ(図示せず)を介して排気エアパッド20や吸排気エアパッド21からエアを排気或いは、吸排気する。これにより、基板Wは、浮上ユニット15a,15b上に空気流によって浮上した状態で保持され、基板Wを抵抗なく搬送可能とする。
第1及び第2の基板駆動ユニット16,17は、図2に示すように、第1の送り機構であるX方向搬送機構50,51と、これらX方向搬送機構50,51によってX方向に沿って往復搬送される移動基台52,53と、各移動基台52,53上に配設される第2の送り機構であるY方向搬送機構54,55と、これらY方向搬送機構54,55によってY方向に沿って往復搬送され、吸着によって基板Wを保持する保持部材である吸着パッド56,57と、をそれぞれ備える。
X方向搬送機構50,51は、図4に示すように、移動基台52,53の裏面にスライダ58が取り付けられ、該スライダ58は、露光機本体2と、一対のプリアライメント台3,4の側方に亘って設けられたベース部材59上にX方向に沿って平行に設置された一対の案内レール60に転動体(図示せず)を介して跨架されている。
また、X方向搬送機構50,51は、駆動手段としてリニアモータ61を採用し、ベース部材59の略中央にX方向に沿って形成された溝59aの両側壁に表面の極性がN極、S極で交互に変わるように並べられた複数の永久磁石62と、移動基台52,53の裏面にX方向に沿って設けられた凸条52a,53aの両側面に取り付けられた電機子63とを備え、電機子63に流す電流を制御することで、移動基台52,53を介して吸着パッド56,57をX方向に沿って往復搬送する。なお、駆動手段としては、リニアモータ61の代わりに、ボールねじ機構であってもよい。
Y方向搬送機構54,55は、図5に示すように、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2の駆動部である第1及び第2のボールねじ機構64,65をそれぞれ備えている。各ボールねじ機構64,65は、ボールねじ64a,65aのねじ軸を回転駆動する駆動モータ64b,65bを備えると共に、ボールねじ64a,65aのナット64c,65cには、ベアリング66を介して吸着パッド56,57の端部を回動自在に支持する支持軸67が設けられている。これにより、Y方向搬送機構54,55は、吸着パッド56,57を移動基台52,53に対してY方向に移動可能、且つ、X方向及びY方向に垂直な法線回りのθ方向に揺動可能とする。
また、図3に示すように、第1の浮上ユニット15aが設けられる複数のフレーム18は、地面にレベルブロック22を介して設置されたメインベッド23上に他のレベルブロック24を介して配置されている。また、第2の浮上ユニット15bが設けられる他のフレーム19は、地面にレベルブロック25を介して設置されたサブベッド26a,26b上に他のレベルブロック27を介して配置されている。
従って、メインベッド23上には、後述する露光領域A、及び露光領域Aの上流側及び下流側にそれぞれ設けられる第1及び第2の基板保持領域B1,B2における基板Wを浮上搬送するための第1の浮上ユニット15aと、複数のマスク保持部11と、複数の照射部13と、が配置される。また、プリアライメント台3,4を構成する各サブベッド26a,26b上には、第1及び第2の基板保持領域B1,B2に対して露光領域Aと反対側にそれぞれ設けられる各第1及び第2の基板交換領域C1、C2における基板Wを浮上搬送するための各第2の浮上ユニット15bがそれぞれ配置される。
マスク駆動部12は、フレーム(図示せず)に取り付けられ、マスク保持部11をX方向に沿って駆動するX方向駆動部31と、X方向駆動部31の先端に取り付けられ、マスク保持部11をY方向に沿って駆動するY方向駆動部32と、Y方向駆動部32の先端に取り付けられ、マスク保持部11をθ方向(X,Y方向からなる水平面の法線回り)に回転駆動するθ方向駆動部33と、θ方向駆動部33の先端に取り付けられ、マスク保持部11をZ方向(X,Y方向からなる水平面の鉛直方向)に駆動するZ方向駆動部34と、を有する。これにより、Z方向駆動部34の先端に取り付けられたマスク保持部11は、マスク駆動部12によってX,Y,Z,θ方向に駆動可能である。なお、X,Y,θ,Z方向駆動部31,32,33,34の配置の順序は、適宜変更可能である。
また、図2に示すように、Y方向に沿って配置された複数のマスク保持部11には、各マスク保持部11のマスクMを同時に交換可能なマスクチェンジャ37が配設されている。マスクチェンジャ37により搬送される使用済み或いは未使用のマスクMは、マスクストッカ10との間でマスクローダー9により受け渡しが行われる。なお、マスクストッカ9とマスクチェンジャ37とで受け渡しが行われる間にマスクプリアライメント機構(図示せず)によってマスクMのプリアライメントが行われる。
図3に示すように、各マスク保持部11の上部に配置される複数の照射部13は、YAGレーザーや、エキシマレーザーなどの光源41と、この光源41から照射された光を集光する凹面鏡42と、この凹面鏡42の焦点近傍に光路方向に移動可能な機構を有するオプチカルインテグレータ43と、光路の向きを変えるための平面ミラー45及び球面ミラー46と、この平面ミラー45とオプチカルインテグレータ43との間に配置されて照射光路を開閉制御する露光制御用シャッター44と、を備える。
マスク保持部11に保持されるマスクMは、露光用光ELの照射によりマスクパターンを基板W上のフォトレジストに露光転写させるものであり、本実施形態のマスクMは、2種類のマスクパターン85、86を備える(図8参照)。2種類のマスクパターン85、86は、マスク駆動部12によってマスク保持部11を移動させることにより、いずれか一方のマスクパターン85、86が、照射部13からの露光用光ELの照射領域内に配置されることで切り替えられる。即ち、露光に際しては、2種類のマスクパターン85、86が切り替えられて、いずれか一方のマスクパターン85、86が有効となって基板Wに露光転写される。
また、Y方向に並べて配置される複数のマスク保持部11では、後述する往路で使用される隣接するマスクパターン85の間隔Gが、復路で使用されるマスクパターン86のY方向の幅と、往復動作によって重ね合わせて露光される両側の幅とを考慮して設定されている。ただし、マスクパターン85の間隔Gやマスクパターン86のY方向の幅は、後述する基板WのY方向への移動量をできるだけ小さくするように設定されている。
マスク保持部11の下方に配置されたフレーム18には、基板WとマスクMの相対位置を検知する検知部である複数の撮像手段35が、複数のマスク保持部11ごとに配置されている。撮像手段35は、X方向に沿って配置された移動案内軸36に案内されてX方向に移動可能であり、制御部8からの指令に基づいて作動する駆動装置(図示せず)によって駆動されて、マスクMに対して基板Wの搬送方向上流側である第1検知位置SP1と、基板Wの搬送方向下流側である第2検知位置SP2との間を移動する。
このようなスキャン露光装置1は、浮上ユニット15a,15bの排気エアパッド20及び吸排気エアパッド21の空気流によって基板Wを浮上させ、基板Wの一端を第1或いは第2の基板駆動ユニット16,17で吸着・保持して、第1或いは第2の基板保持領域B1,B2から露光領域AへとX方向に搬送する。そして、露光領域Aにおいては、マスク保持部11の下方に位置する基板Wに対して、照射部13からの露光用光ELがマスクMを介して照射され、マスクMのパターンを基板Wに塗布されたフォトレジストに転写する。このとき、基板WとマスクMとの位置誤差は、複数のマスク保持部11ごとに設けられた撮像手段35が検出する基板W及びマスクMの位置データに基づいて制御部から出力される指令信号によって、θ方向駆動部33、及びY方向駆動部32が作動してマスクMの位置を微調整することで補正(位置合わせ)される。
また、図6に模式的に示すように、基板Wの搬入・搬出及びプリアライメントが行われる一対のプリアライメント台3,4(図6は、プリアライメント台3のみ示す。)では、Z方向に進退可能な複数の基板リフトピン70と、Z方向に進退して基板Wの側面に当接しながら、X方向或いはY方向に移動することで、機械的に基板Wのアライメントを調整する複数の機械式アライメントピン71と、Z方向に進退して基板Wを吸着可能であるとともにY方向に移動可能な一対の光学アライメントピン72と、基板Wの位置を下方から検出する光学アライメント用カメラ73と、が配置されている。基板リフトピン70、機械式アライメントピン71、光学アライメントピン72、光学アライメント用カメラ73は、それぞれ排気エアパッド20と干渉しない位置で、他のフレーム19上に配置されている。
従って、各プリアライメント台3,4に露光済みの基板Wが搬送されてきた際には、まず、排気エアパッド20から排気されるエアによって基板Wは浮上支持される。この状態で、基板リフトピン70を所定の吸着高さまで上昇させて、基板リフトピン70によって基板Wを吸着し、その後、第1の基板駆動ユニット16の吸着パッド56による吸着を解除する。そして、図6(b)に示すように、基板リフトピン70を基板受け渡し位置までさらに上昇させ、基板搬送ロボット5によって露光済みの基板Wが搬出され、未露光の基板Wが搬入される。基板搬送ロボット5は、2本のアームを有するハンドリングロボットで、これら2本のアームを同時に使用して、一方のアームで基板Wをプリアライメント台3から搬出した後、すぐに、他方のアームが基板Wをプリアライメント台3に搬入する。
その後、排気エアパッド20によるエアの排気を停止した状態で、搬入された基板Wが載置された基板リフトピン70を所定の吸着高さまで下降させた後、基板リフトピン70の吸着を解除し、さらに、基板Wが載置された状態で基板リフトピン70を下降させる。この状態で、基板Wは、その側面が機械式アライメントピン71と当接可能な高さとなり、これらピン71によってアライメント調整される。
そして、機械的なアライメント調整を完了した後に、これらアライメントピン71を基板Wから退避させ、光学アライメントピン72を上昇させるとともに、これら光学アライメントピン72によって基板Wを吸着する。また、排気エアパッド20によるエアの排気を開始して基板Wを浮上させ、光学アライメント用カメラ73で基板Wを見ながら2つの光学アライメントピン72をY方向に駆動して、θ方向の補正を行う。その後、第1の基板駆動ユニット16の吸着パッド56によって基板Wを吸着して、光学アライメントピン72を下降させるとともに、光学アライメントピン72による吸着を解除する。
なお、第1及び第2の基板駆動ユニット16,17は、光学アライメントピン72を設ける代わりに、第1及び第2のボールねじ機構64,65が使用されてもよい。
次に、このように構成されたスキャン露光装置1の動作について、図7のフローチャート及び図8の動作説明図を用いて説明する。なお、図7のフローチャートにおいて、左のフローは、第1の基板交換領域C1から搬入・搬出される基板Wの一連の露光動作を示し、右のフローは、第2の基板交換領域C2から搬入・搬出される基板W´の一連の露光動作を示しており、二点鎖線で仕切られた左右の各工程は、同じ時間内で動作していることを示している。
まず、第1の基板駆動ユニット16が第1の基板交換領域C1に移動した状態で(ステップS1a)、基板搬送ロボット5によって第1の基板交換領域C1に基板Wの搬入が行われる(ステップS2a)。そして、上述したように、搬入された基板Wのプリアライメントが行われた後(ステップS3a)、基板Wが第1の基板駆動ユニット16の吸着バッド56によって吸着・保持される(ステップS4a)。
その後、第1の基板駆動ユニット16を駆動して、浮上ユニット15a,15bからの空気流によって浮上支持された状態で一定の速度でX方向に搬送され、基板Wは、図8(a)に示すように、第1の基板保持領域B1へ移動する(ステップS5a)。このとき、第2の基板駆動ユニット17は、第2の基板交換領域C2へ移動する(ステップS1b)。
さらに、基板Wは、一定の速度でX方向に搬送され、マスクパターン85,86を形成した面を下にしてマスク保持部11に保持されるマスクMと近接対向する露光領域A内に進入する。ここで、2種類のマスクパターン85,86のうち、マスクパターン85が照射部13からの露光用光ELの照射領域内に配置されており、マスクパターン85が有効となっている。また、撮像手段35は、マスク保持部11に対して基板Wの搬送方向上流側である第1検知位置SP1に位置する。
図8(b)に示すように、第1の基板駆動ユニット16によってX方向に搬送される基板Wが、第1検知位置SP1に達すると、撮像手段35が基板WとマスクMの相対位置を検知し、この位置データに基づいて制御部から出力される指令信号によってマスク駆動部12が作動してマスク保持部11を移動させることにより、基板Wへのマスクパターン85の露光転写に先立って、基板WとマスクMとの位置誤差が修正される。
位置誤差が修正されて搬送される基板Wには、それぞれのマスクMを介して照射部13から露光用光ELが照射されてマスクパターン85が露光転写される。これにより、露光領域Aを通過して第2の基板保持領域B2に位置する基板Wには、Y方向に所定の間隔Gずつ離れた複数(図3に示す実施例では6本)の第1の転写パターン83が形成される(ステップS6a)。なお、隣接する第1の転写パターン83間の部分は未露光部である。
次に、第1の転写パターン83形成後、露光領域Aを越えた基板Wを保持する第2の基板保持領域B2では、図8(c)に示すように、第1の基板駆動ユニット16のY方向搬送機構54によって、基板Wを保持する吸着パッド56をマスク保持部11に対してY方向に所定の距離Lだけ移動させる(ステップS7a)。具体的に、各マスクパターン85,86のY方向における中心位置が一致している本実施形態においては、所定の距離Lは、隣接するマスクMのマスクパターン85,86のY方向における中心間距離Dの略1/2である。
また、同時に、図示しない駆動装置を作動させて、撮像手段35を第1検知位置SP1から第2検知位置SP2に移動させる。これにより、基板Wの往路搬送および復路搬送のいずれの搬送時にも、基板WがマスクMの下方に位置する前に、即ち、マスクパターンの露光転写に先立って、基板WとマスクMとの相対位置を検知して位置誤差を修正することができる。
更に、マスクパターン86が照射部13からの露光用光の照射領域内に位置するように、マスク駆動部12によってマスク保持部11を移動させ、有効なマスクパターンをマスクパターン85からマスクパターン86に切り替える。
そして、第1の基板駆動ユニット16は、X方向搬送機構50は基板Wの搬送方向をX方向と逆方向に切り替えて、第2の基板保持領域B2に保持されていた基板Wを、X方向と逆方向に搬送する。そして、基板Wが第2検知位置SP2に達すると、撮像手段35が基板WとマスクMの相対位置を検知し、マスク駆動部12がマスク保持部11を移動させて基板WとマスクMとの位置誤差を修正する。そして、照射部13からの露光用光ELを、それぞれのマスクMを介して照射して、第1の転写パターン83間の未露光部にマスクパターン86を露光転写して第2の転写パターン84を形成する(ステップS8a)。このとき、第2の転写パターン84の幅は、未露光部の幅より僅かに大きいので、第1の転写パターン83と第2の転写パターン84には、重ね合わせ部が形成されて、基板Wの全面にマスクパターン85,86が露光転写される。
この一連のステップS6a〜S8aの露光動作中に、第2の基板交換領域C2では、基板W´の搬入(ステップS2b)、基板W´のプリアライメント(ステップS3b)、第2の基板駆動ユニット17の吸着バッド57による吸着・保持が行われる(ステップS4b)。
そして、図8(e)に示すように、第1の基板駆動ユニット16によって保持された露光済みの基板Wが、第1の基板保持領域B1から第1の基板交換領域C1へ移動する(ステップS1a)際に、同時に、第2の基板駆動ユニット17によって保持された未露光の基板W´が第2の基板保持領域B2へ露光動作時の速度より速い速度で移動される(ステップS5b)。 同時に、マスクパターン85が照射部13からの露光用光の照射領域内に位置するように、マスク駆動部12によってマスク保持部11を移動させ、有効なマスクパターンをマスクパターン86からマスクパターン85に切り替える。
なお、第1の交換領域C1から搬入・搬出される基板Wが、第1の転写パターン83を露光後に第2の転写パターン84を露光する一方、第2の交換領域C2から搬入・搬出される基板W´が、第2の転写パターン84を露光した後に第1の転写パターン83を露光する場合には、上記マスクパターンの切換え動作を行う必要がない。
そして、第1の基板交換領域C1では、露光済み基板Wの搬出と、未露光基板Wの搬入(ステップS2a)、未露光基板Wのプリアライメント(ステップS3a)、未露光基板Wの吸着保持が行われる。一方、この間に、第2の駆動ユニット51によって保持された基板W´も上述した同様の露光動作によって、往路によるスキャン露光(ステップS6b)によって第1の転写パターン83が露光され、次に、第1の基板保持領域B1に保持された基板W´に対してY方向への基板Wの移動(ステップS7b)を行い、復路によるスキャン露光(ステップS8b)によって第2の転写パターン84が露光される。その後、上記と同様の動作が繰り返される。
ここで、本実施形態では、第1及び第2の基板駆動ユニット16,17のX方向搬送機構50,51がX方向に移動する際、即ち、X方向搬送機構50では、第1基板交換領域C1から第2基板保持領域B2まで、X方向搬送機構51では、第1基板保持領域から第2基板交換領域C2まで移動する際に発生する、各X方向搬送機構50,51のθ方向(ヨーイング方向)におけるズレ量を相殺するように、制御部8は、以下に示す基板搬送方法により、Y方向搬送機構54,55の各ボールねじ機構64,65を相対的に変位させる。
(1)まず、各Y方向搬送機構54,55の第1及び第2のボールねじ機構64,65のナット64c,65cの位置関係が機械的にX方向と平行となる基準位置(Y方向位置が一致)を治具により取得する。
(2)サーボアンプ、調整ゲインを二軸同一とし、駆動モータ64b、65bの応答性を同一とする。
(3)次に、X方向搬送機構50,51がX方向に移動する際に発生する各X方向搬送機構50,51のθ方向におけるズレ量を、移動範囲での各位置で、オートコリメータ等の測定治具を用いて測定する(図9(a)参照。)。そして、θ方向におけるズレ量に対して、第1のボールねじ機構64に対して第2のボールねじ機構65を前後に動作し、θ方向のズレ量が許容値以下になる座標を探し、第1のボールねじ機構64に対して第2のボールねじ機構65の相対的な位置関係(シフト量)を元にθ補正用の補正テーブルを作成する。即ち、図9(b)に示されたシフト量のグラフがθ補正用の補正テーブルとなる。
(4)また、θ方向におけるズレ量を補正するには、第1及び第2のボールねじ機構64,65の正確なストロークが要求される。このため、ボールねじ64a,65aのリードピッチや機構部の組み付けによって発生するメカニカルな相対的位置誤差を第1及び第2のボールねじ機構64,65の位置偏差から把握し、図10に示すようなボールねじ機構64,65のストロークの相対関係の補正テーブルを作成する。
(5)さらに、θ補正用の補正テーブル、及びストローク相対関係の補正テーブルを取得後、これらを元に、Y方向のズレ量を測定し、図11に示す補正テーブルを作成する。ここで、レーザー測長機等、Y方向のズレ量を測定する測定手段が設けられている場合には、実測されたY方向のズレ量と、2つの補正テーブルを用いて、図11に示す補正テーブルを作成する。一方、測定手段がない場合には、本実施形態の倣いカメラを使用して、基板Wのブラックマトリクスの線をトレースして、Y方向のズレ量を計測したものをY方向の補正テーブルとして取得してもよい。
(6)そして、各X方向搬送機構50,51が基板WをX方向に搬送する際、駆動モータ64b,65bの同期制御において理論上生成される指令パルスに(5)で得られた補正テーブルにて算出される補正データを加え、各ボールねじ機構64,65のサーボアンプに対して指令パルスを出力し、各ボールねじ機構64,65を駆動する。
(7)第1のボールねじ機構64と第2のボールねじ機構65間の位置偏差を監視して、偏差が規定値(2軸偏差拡大エラー量)以上の場合、追従アラームとして基板搬送機構14を保護する。
以上説明したように、本実施形態のスキャン露光装置1によれば、基板搬送機構14の各基板駆動ユニット16,17は、基板Wを吸着保持する吸着パッド56,57と、吸着パッド56,57をX方向に搬送するためのX方向搬送機構50,51と、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2のボールねじ機構64,65を備えて、吸着パッド56,57をY方向に移動可能、且つ、θ方向に揺動可能なY方向搬送機構54,55と、を有するので、基板搬送機構14のX方向搬送機構50,51の通り精度のみに依存することなく、θ方向のズレ量を補正して、露光精度を向上することができる。
特に、本実施形態のような、ツインステージのスキャン露光装置1においては、X方向搬送機構50,51の移動距離が長くなるため、θ方向のズレ量を補正することは、露光精度向上に非常に有効である。
また、本発明のスキャン露光装置1の基板搬送方法によれば、上記構成を備え、X方向搬送機構50,51がX方向に移動する際、第1の送り機構のθ方向におけるズレ量を測定する工程と、X方向搬送機構50,51がX方向に移動する際の、ズレ量が許容値以下となる、Y方向搬送機構54,55の第1及び第2のボールねじ機構64,65の相対的な位置関係を含む補正テーブルを作成する工程と、補正テーブルに基づいて、これらボールねじ機構64,65を駆動する工程と、を有するので、基板搬送機構14のX方向搬送機構50,51の通り精度のみに依存することなく、θ方向のズレ量を補正して、露光精度を向上することができる。
さらに、補正テーブルは、第1及び第2のボールねじ機構64,65のメカニカルな相対的位置誤差を含むので、ボールねじ機構64,65の組み付けやリードピッチによる誤差によって影響されることなく、θ方向のズレ量を補正することができ、露光精度をさらに向上することができる。
なお、本実施形態では、基板交換領域C1,C2にプリアライメント台3,4を配置して、基板Wの搬入・搬出とプリアライメントとを同じ位置で行っているが、図12に示すように、基板交換部80,81をプリアライメント台3,4とを別々に設けて、基板の搬入・搬出とプリアライメントとを別な位置で行っても良い。
この場合、基板搬送機構14によるX方向における移動距離はさらに長くなるので、本発明のθ方向のズレ量を補正することは有効である。
或いは、第1及び第2の基板保持領域にそれぞれプリアライメント機構を設けて、プリアライメント及び露光動作を行っている間に、基板の搬入・搬出を行うように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、往路搬送から復路搬送に切り替える際の、複数のマスクMと基板Wとが直交方向に移動する所定の距離Lは、隣接するマスクMのマスクパターン85,86のY方向における中心間距離Dの略1/2としたが、コストとタクトとの関係が供される範囲で、中心間距離Dの略1/3あるいは略1/4であってもよい。
また、撮像手段35は、1台の撮像手段35を第1検知位置SP1と第2検知位置SP2との間で移動させるようにしたが、撮像手段35を2台準備してそれぞれ第1検知位置SP1および第2検知位置SP2に固定設置してもよい。或いは、1台の撮像手段35を第1検知位置SP1に固定設置すると共に、第1検知位置SP1および第2検知位置SP2にそれぞれ可動ミラーおよび固定ミラーを配置して、第1検知位置SP1においては直接、撮像手段35で基板WとマスクMの相対位置を検知し、第2検知位置SP2においてはミラーを介して基板WとマスクMの相対位置を検知するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るスキャン露光装置1について、図13及び図14を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分いついては、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。本実施形態は、第1及び第2の基板駆動ユニット16,17の構成において、一対の案内レールと一対のリニアガイドを追加した以外は、第1実施形態の構成と同様であり、これらの構成を以下に説明する。
図13及び図14に示すように、第1及び第2の基板駆動ユニット16,17では、第1実施形態と同様、移動基台52,53は、X方向搬送機構50,51によってX方向に沿って往復搬送される。一方、移動基台52,53上に配設される第2の送り機構である本実施形態のY方向搬送機構54,55は、第1及び第2の駆動軸(ボールねじ機構)64,65、直動案内部としての一対のリニアガイド93a,93b、支持板94、支持軸95、転がり軸受96、軸受ハウジング97をそれぞれ備える。また、各Y方向搬送機構54,55の軸受ハウジング97の上面には、吸着パッド56,57を備えたチャックベース98の両端部がそれぞれ取り付けられている。
Y方向搬送機構54,55の各第1及び第2のボールねじ機構64,65は、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2の駆動部を構成する。各第1及び第2のボールねじ機構64,65は、断面が略コ字状に形成され、Y方向に沿って延びる凹部100aを形成するベース100と、ベース100の凹部100a内で、外周面に形成された螺旋状のねじ溝101aを有してY方向に沿って延びるねじ軸101と、平らな支持板94の裏面に取り付けられ、ねじ軸101に沿って移動可能なスライダ102と、このねじ軸101の両端側に設けられ、図示しない軸受がそれぞれ取り付ける軸受板103a,103bと、軸受板103aを越えて延びるねじ軸101の一端に連結される駆動モータ104と、を備える。スライダ102には、ねじ軸101のねじ溝101aと対向して螺旋状通路を形成するねじ溝が設けられており、この螺旋状通路内を図示しない転動体が循環することでスライダ102がねじ軸101に沿って移動する。
ベース100の凹部100aを画成する幅方向両内側面には、Y方向に沿って延びる一対の案内レール100bが形成されている。なお、図示しないが、この一対の案内レール100bとスライダ102の幅方向外側面との間、及びスライダ102内には、転動体が循環する転動体循環路が形成されており、転動体の転動を介してナット102が一対の案内レール100bによってスライド可能に案内される。
また、一対のリニアガイド93a,93bは、第1及び第2のボールねじ機構64,65のX方向両側に配置されており、支持板94の裏面にスライダ110a、110bが取り付けられ、該スライダ110a,110bは、移動基台52,53上にY方向に沿って平行に配置された一対の案内レール111a,111bに転動体(図示せず)を介して跨架されている。
従って、駆動モータ104によってねじ軸101が回転駆動することで、案内レール100b及び一対のリニアガイド93a,93bによって案内されながら、スライダ102が取り付けられた支持板94がY方向に沿って移動する。
また、支持板94には、支持軸95が立設されており、支持軸95と軸受ハウジング97との間に転がり軸受96が介在している。これら支持軸95、転がり軸受96、及び軸受ハウジング97は、チャックベース98と支持板94との間に設けられ、支持板94に対してチャックベース98のθ方向への移動を許容する角度調整機構を構成する。なお、転がり軸受96には、玉軸受やころ軸受等の任意の軸受が適用できる。
これにより、Y方向搬送機構54,55は、各第1及び第2のボールねじ機構64,65を同期して駆動することで、チャックベース98の吸着パッド56、57を移動基台52,53に対してY方向に移動することができる。また、Y方向搬送機構54,55は、各第1及び第2のボールねじ機構64,65の移動量を変えて支持板94のY方向位置を変更することで、転がり軸受96によってチャックベース98の吸着パッド56、57を移動基台52,53に対してθ方向に揺動可能とする。
従って、本実施形態の第1及び第2の基板駆動ユニット16,17においても、上記構成とすることで、θ方向のズレ量をリアルタイムで補正することができ、露光精度を向上することができる。また、このような構成により、図6に示すようなアライメントピン72によるθ方向の補正を行うことなく、基板Wを第1及び第2の基板駆動ユニット16,17に載置した後で該補正を行うことができる。
さらに、Y方向搬送機構54,55によるY方向駆動は、第1及び第2のボールねじ機構64,65の案内レール100bと、一対のリニアガイド93a,93bによって精度良く案内することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るスキャン露光装置1について、図15〜図18を参照して説明する。なお、第1及び第2実施形態と同一又は同等部分いついては、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。なお、本実施形態は、第1及び第2の基板駆動ユニット16,17の構成において、基板支持部材21を追加した以外は、第2実施形態の構成と同様であり、これらの構成を以下に説明する。
本実施形態の第1及び第2基板搬送ユニット16,17には、第2実施形態のY方向搬送機構54,55に加え、移動基台52,53の上面にボルト固定されるL字状の基板支持部材120が設けられている。基板支持部材120の自由端は、基板WのX方向の幅より長く形成され、その自由端側の上端面は、吸着パッド56,57のY方向の移動領域より基板側、即ち、吸着パッド56,57が基板W側(吸排気エアパッド21寄り)に移動した位置よりもさらに基板側となる位置に設けられ、吸着パッド56,57の吸着面と略等しい高さを有して、基板Wの下面を支持する。なお、基板支持部材の形状は、移動するチャックベース98と干渉しない構成であればよく、L字状に限定されるものでない。
このように基板支持部材120を配置することで、図17及び図18に示すように、第1実施形態の露光工程のステップS7a,S7bに示す、吸着パッド56,57をY方向に移動させて基板Wを引き込んだ際、吸排気エアパッド21と吸着パッド56,57との間の基板Wは、基板支持部材120の上端面120aによって支持される。従って、基板Wが吸排気エアパッド21と吸着パッド56,57との間で撓むのを防止することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るスキャン露光装置1aについて、図19を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分いついては、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態のスキャン露光装置1aでは、複数のマスク保持部11がY方向に千鳥状に二列に並んで配置される。また、基板WがX方向において一方向からのみ搬送されて露光される構成であり、基板搬送機構14は1台の基板駆動ユニット16を備える。
このような本実施形態のスキャン露光装置1aにおいても、基板駆動ユニット16が第2又は第3実施形態と同様の構成を備え、同様の基板搬送方法が適用されることで、基板搬送機構14の通り精度のみに依存することなく、θ方向のズレ量を補正して、露光精度を向上することができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
また、本実施形態では、基板搬送ロボットとして、2本のアームを有するハンドリングロボットを使用したが、コンベアやエア浮上させて駆動する機構等、他の搬送方法であってもよい。
さらに、本実施形態においては、基板搬送機構14は、浮上ユニット15a,15bと第1及び第2基板駆動ユニット16,17によって基板Wを浮上して保持しながら搬送する場合について述べたが、これに限らず、基板Wを上面に載置しながら保持及び搬送するものであってもよい。
1,1a スキャン露光装置
3,4 プリアライメント台
10 基板搬送機構
11 マスク保持部
13 照射部
16 第1の基板駆動ユニット
17 第2の基板駆動ユニット
35 撮像手段
50,51 X方向搬送機構(第1の送り機構)
54,55 Y方向搬送機構(第2の送り機構)
64 第1のボールねじ機構(第1の駆動軸)
65 第2のボールねじ機構(第2の駆動軸)
83 第1の転写パターン
84 第2の転写パターン
85,86 マスクパターン
93a,93b リニアガイド
94 支持板
95 支持軸(角度調整機構)
96 転がり軸受(角度調整機構)
97 軸受ハウジング(角度調整機構)
A 露光領域
B1 第1の基板保持領域
B2 第2の基板保持領域
C1 第1の基板交換領域
C2 第2の基板交換領域
L 所定の距離
M マスク
W 基板

Claims (6)

  1. 所定の方向に沿って往復自在に基板を搬送可能であるとともに、前記所定の方向と直交する方向に前記基板を移動可能な基板搬送機構と、
    複数のマスクをそれぞれ保持する複数のマスク保持部と、
    前記複数のマスク保持部の上方にそれぞれ配置され、露光用光を照射する複数の照射部と、
    を備え、前記搬送される基板に対して前記複数のマスクを介して前記露光用光を照射し、前記基板に前記各マスクのパターンを露光するスキャン露光装置であって、
    前記基板搬送機構は、前記基板を保持する保持部材と、前記保持部材を前記所定の方向に搬送するための第1の送り機構と、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2の駆動部を備えて、該保持部材を前記直交方向に移動可能、且つ、前記所定の方向及び前記直交方向に垂直な法線回りのθ方向に揺動可能な第2の送り機構と、
    を有することを特徴とするスキャン露光装置。
  2. 前記第1の送り機構が前記所定の方向に移動する際、前記第1の送り機構のθ方向におけるズレ量を相殺するように、前記第2の送り機構の第1及び第2の駆動部を相対的に変位させる制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のスキャン露光装置。
  3. 前記基板搬送機構の第2の送り機構は、前記第1及び第2の駆動部が取り付けられた支持板の前記直交方向への移動を案内する直動案内部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のスキャン露光装置。
  4. 前記基板搬送機構には、前記保持部材の前記直交方向の移動領域より基板側で前記基板を保持する基板支持部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスキャン露光装置。
  5. 所定の方向に沿って往復自在に基板を搬送可能であるとともに、前記所定の方向と直交する方向に前記基板を移動可能な基板搬送機構と、
    複数のマスクをそれぞれ保持する複数のマスク保持部と、
    前記複数のマスク保持部の上方にそれぞれ配置され、露光用光を照射する複数の照射部と、
    を備え、前記基板搬送機構は、前記基板を保持する保持部材と、前記保持部材を前記所定の方向に搬送するための第1の送り機構と、互いに平行に配置され、且つ互いに独立して駆動可能な第1及び第2の駆動部を備えて、該保持部材を前記直交方向に移動可能、且つ、前記所定の方向及び前記直交方向に垂直な法線回りのθ方向に揺動可能な第2の送り機構と、を有し、前記搬送される基板に対して前記複数のマスクを介して前記露光用光を照射し、前記基板に前記各マスクのパターンを露光するスキャン露光装置の基板搬送方法であって、
    前記第1の送り機構が前記所定の方向に移動する際、前記第1の送り機構のθ方向におけるズレ量を測定する工程と、
    前記第1の送り機構が前記所定の方向に移動する際の、前記ズレ量が許容値以下となる、前記第2の送り機構の第1及び第2の駆動部の相対的な位置関係を含む補正テーブルを作成する工程と、
    該補正テーブルに基づいて、前記第2の送り機構の第1及び第2の駆動部を駆動する工程と、
    を有することを特徴とするスキャン露光装置の基板搬送方法。
  6. 前記補正テーブルは、第1及び第2の駆動部のメカニカルな相対的位置誤差を含むことを特徴とする請求項5に記載のスキャン露光装置の基板搬送方法。
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