JP5251344B2 - 二相交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電力変換部により回転駆動される二相交流回転機の制御装置に関するものである。
二相交流回転機の制御装置は、二相交流回転機における二つの巻線それぞれの一端を接続した結合点と、二つの巻線それぞれの他端とを、三相インバータに接続している。従来の二相交流回転機の制御装置では、三相インバータにより二相交流回転機が必要とする二相交流電流が流れるように制御する手段を備えることによって、三相インバータで二相交流回転機の駆動をしていた(例えば、特許文献1参照)。
また、同様な構成で、二相交流回転機における二つの巻線それぞれの一端を接続した結合点の電圧が、周期的に(電圧位相が0〜2π/6,5π/6〜8π/6,11π/6〜2π[rad]の区間)一定レベルを取るように三相インバータを制御していた。この制御により、結合点に接続しているスイッチング回路で消費する電力を抑制していた(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−64593号公報(請求項1、図1) 特開平6−209594号公報(段落0014、図3)
三相インバータで二相交流回転機を駆動する従来の制御装置にあっては、二相交流回転機に印加できる最大電圧は、直流電圧源が供給する直流電圧値を大きく下回るという問題点があった。本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、より高い電圧を二相交流回転機に印加できる二相交流回転機の制御装置を得ることを目的としている。
本発明に係る二相交流回転機の制御装置は、二相交流回転機の第1の巻線の一端と接続する第1のアームと、二相交流回転機の第2の巻線の一端と接続する第2のアームと、第1及び第2の巻線の他端を結んだ結合端と接続する第3のアームとを有し、直流電源の直流電圧を交流電圧に変換して、第1及び第2の巻線に印加する電力変換部と、第1及び第2の巻線それぞれに印加すべき電圧を示す2つの線間電圧指令に基づいて、第1のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第1の制御信号、第2のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第2の制御信号、及び第3のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第3の制御信号を生成し、各々の制御信号を電力変換部に出力するスイッチング信号演算部とを備え、スイッチング信号演算部は、キャリア信号を発生するキャリア信号発生器と、2つの線間電圧指令に基づいて、第1の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第1の相電圧指令と、第2の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第2の相電圧指令と、結合端に印加すべき電圧を示す第3の相電圧指令とを生成する相電圧指令演算器と、キャリア信号と3つの相電圧指令とに基づいて3つの制御信号を生成し各々の制御信号を前記電力変換部に出力するコンパレータとを備え、相電圧指令演算器は、2つの線間電圧指令と零との3つの値の中で最大となる値と、3つの値の中で最小となる値とに基づいて、3つの相電圧指令を生成するものである。
本発明によれば、2つの線間電圧指令と零との3つの値の中で最大となる値と3つの値の中で最小となる値とに基づいて第1の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第1の相電圧指令と第2の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第2の相電圧指令と結合端に印加すべき電圧を示す第3の相電圧指令とを生成するため、従来より高い電圧を二相交流回転機に印加でき、電圧利用率を向上することができる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態1による二相交流回転機の制御装置を示す構成図である。以下の各実施の形態において、図中、図1と同一符号は、同一又は相当の構成を示す。本実施の形態1における二相交流回転機の制御装置は、電力変換部1とスイッチング信号演算部10とを備えている。
電力変換部1は、U相,V相,W相の3つのアームを備えている。第1のアームであるU相アームは、直列接続した2つのスイッチング素子2,3を設けている。同様に、第2のアームであるV相アームは、直列接続した2つのスイッチング素子4,5を設けており、第3のアームであるW相アームは、直列接続した2つのスイッチング素子6,7を設けている。スイッチング素子2〜7がオンオフすることにより、電力変換部1は直流電圧源8の直流電圧を交流電圧に変換して二相交流回転機9へ出力する。
二相交流回転機9は、第1及び第2の巻線と、3つの端子a,b,cとを備えている。第1の巻線の一端である端子aは、電力変換部1のU相アームに接続している。第2の巻線の一端である端子bは、電力変換部1のV相アームに接続している。第1の巻線の他端と第2の巻線の他端とを結んだ結合部に接続している端子cは、電力変換部1のW相アームに接続している。
スイッチング信号演算部10は、スイッチング素子2〜7をオンオフするための制御信号Su,Sv,Swを電力変換部1に出力する。第1の制御信号である制御信号SuはU相アームのスイッチング素子2,3のオンオフを制御するための2値信号である。第2の制御信号である制御信号SvはV相アームのスイッチング素子4,5のオンオフを制御するための2値信号であり、第3の制御信号である制御信号SwはW相アームのスイッチング素子6,7のオンオフを制御するための2値信号である。
制御信号Su,Sv,Swは、第1及び第2の線間電圧指令である線間電圧指令Vac*及びVbc*と所定の周期Thcとに基づいて、スイッチング信号演算部10により生成される。なお、線間電圧指令Vac*は、端子cに対する端子aの電圧で、二相交流回転機9の第1の巻線に印加すべき電圧を示している。また、線間電圧指令Vbc*は、端子cに対する端子bの電圧で、二相交流回転機9の第2の巻線に印加すべき電圧を示している。
電力変換部1は、制御信号Su,Sv,Swに基づいて、次のようにスイッチング素子2〜7をオンオフする。制御信号Suがハイレベルの場合は、U相アームにおいて、スイッチング素子2をオンするとともにスイッチング素子3をオフにする。また、制御信号Suがローレベルの場合は、U相アームにおいて、スイッチング素子2をオフするとともにスイッチング素子3をオンにする。同様に、制御信号Svがハイレベルの場合は、V相アームにおいて、スイッチング素子4をオンするとともにスイッチング素子5をオフにする。また、制御信号Svがローレベルの場合は、V相アームにおいて、スイッチング素子4をオフするとともにスイッチング素子5をオンにする。同様に、制御信号Swがハイレベルの場合は、W相アームにおいて、スイッチング素子6をオンするとともにスイッチング素子7をオフにする。また、制御信号Swがローレベルの場合は、W相アームにおいて、スイッチング素子6をオフするとともにスイッチング素子7をオンにする。
図2は本発明の実施の形態1における二相交流回転機9の線間電圧Vac,Vbc,Vabを示す波形図である。以下の各実施の形態において、端子cに対する端子aの電圧を線間電圧Vac、端子cに対する端子bの電圧を線間電圧Vbc、端子bに対する端子aの電圧を線間電圧Vabとそれぞれ定義する。
図2は線間電圧Vac,Vbcの波高値がそれぞれ200V、即ち、実効値が141Vの場合の位相と電位の関係を示している。線間電圧Vacの位相は、線間電圧Vbcの位相に対して90度進みとなっている。なお、線間電圧Vabは線間電圧Vacから線間電圧Vbcを減算することで得ることができる。線間電圧Vabの振幅は、線間電圧Vac及び線間電圧Vbcの振幅よりも√2倍大きく、線間電圧Vabの位相は、線間電圧Vacの位相に対して45度進みである。
図3は図2に示す線間電圧Vac,Vbc,Vabの振幅を示す波形図である。図3は、図2に示す線間電圧Vac,Vbc,Vabの絶対値をそれぞれプロットしたものである。位相が90度〜180度、270度〜360度となる区間で、線間電圧Vabの振幅が200Vを越えており、位相が135度と315度のとき、線間電圧Vabの振幅は最大値282Vとなる。電力変換部1が出力可能な線間電圧Vab,Vbc,Vacの最大値は、直流電圧源8の直流電圧値Vdcである。よって、電力変換部1が図3に示す線間電圧Vabを二相交流回転機9に出力するためには、直流電圧源8の直流電圧値Vdcが282V以上であることを必要とする。
図4は本発明の実施の形態1における二相交流回転機9の線間電圧Vac,Vbc,Vabを示す波形図である。図4は線間電圧Vac,Vbcの波高値がそれぞれ282V、即ち、実効値が200Vの場合の位相と電位の関係を示している。図5は図4に示す線間電圧Vac,Vbc,Vabの振幅を示す波形図である。
図5において、位相が90度〜180度、270度〜360度となる区間で、線間電圧Vabの振幅が282Vを越えており、位相が135度と315度のとき、線間電圧Vabの振幅は最大値400Vとなる。上述したように、電力変換部1が出力可能な線間電圧Vab,Vbc,Vacの最大値は、直流電圧源8の直流電圧値Vdcである。よって、電力変換部1が図5に示す線間電圧Vabを二相交流回転機9に出力するためには、直流電圧源8の直流電圧値Vdcが400V以上であることを必要とする。
直流電圧源8の直流電圧値Vdcよりも、二相交流回転機9に供給しようとする線間電圧Vac,Vbc,Vabの振幅が大きい場合、電力変換部1は所望の線間電圧Vab,Vbc,Vacを二相交流回転機9に供給できない。例えば、直流電圧値が282Vの直流電圧源8を用いて、図4に示す線間電圧Vac,Vbc,Vabを二相交流回転機9に供給しようとする場合は、電力変換部1は282V以上の振幅となる電圧を供給することができないため、所望の線間電圧Vabを供給することができない。
換言すると、直流電圧源8の直流電圧値Vdcが282Vである場合は、位相が90度〜180度、270度〜360度となる区間において、電力変換部1は所望の線間電圧Vabを出力することができない。しかし、より大きな振幅の線間電圧Vabを得ようとするのであれば、位相が90度〜180度、270度〜360度となる区間で線間電圧Vabの振幅が直流電圧源8の直流電圧値282Vと等しくなるようにすれば良い。以下の各実施の形態では、直流電圧源8の直流電圧値Vdcが282Vである場合を例として説明する。
線間電圧Vabを+282Vになるように出力するためには、第1の巻線の端子aに接続したU相アームに設けたスイッチング素子2をオン、スイッチング素子3をオフするとともに、第2の巻線の端子bに接続したV相アームに設けたスイッチング素子4をオフ、スイッチング素子5をオンすれば良い。また、線間電圧Vabを−282Vになるように出力するためには、第1の巻線の端子aに接続したU相アームに設けたスイッチング素子2をオフ、スイッチング素子3をオンするとともに、第2の巻線の端子bに接続したV相アームに設けたスイッチング素子4をオン、スイッチング素子5をオフすれば良い。
図6は本発明の実施の形態1におけるスイッチング信号演算部10を示す構成図である。以下の各実施の形態において、図中、図6と同一符号は、同一又は相当の構成を示す。スイッチング信号演算部10は、外部から入力される線間電圧指令Vac*,Vbc*及びキャリア周期の半周期Thc(以下、キャリア半周期Thcと記す。)に基づき、スイッチング素子2〜7のオンオフを制御するための制御信号Su、Sv、Swを生成する。記憶器11は、予め記憶した直流電圧源8の直流電圧値Vdcを出力する。なお、本実施の形態1では、記憶器11により直流電圧源8の直流電圧値Vdcの値を出力するようにしているが、記憶器11の代わりに、直流電圧源8が出力する電圧を検出する電圧検出器により直流電圧値Vdcを出力するようにしても良い。
相電圧指令演算器12は、線間電圧指令Vac*,Vbc*と記憶器11から得た直流電圧値Vdcとに基づいて、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を算出する。第1の相電圧指令である相電圧指令Va*は、二相交流回転機9の端子aに印加すべき電位を示している。同様に、第2の相電圧指令である相電圧指令Vb*は、二相交流回転機9の端子bに印加すべき電位を示しており、第3の相電圧指令である相電圧指令Vc*は、二相交流回転機9の端子cに印加すべき電位を示している。線間電圧指令Vac*,Vbc*と相電圧指令Va*,Vb*,Vc*との間には次式の関係が成り立つ。
Figure 0005251344
二相交流回転機9の電圧利用率を高めるためには、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*の中で、最大となる相電圧指令と最小となる相電圧指令との平均値が後述するキャリア信号αcの最大値と最小値との平均値であるVdc/2と等しくなるようにすれば良い。即ち、Voffが次式を満たせば良い。
Figure 0005251344
なお、数式2において、max(Vac*,Vbc*,0)とは、「Vac*」,「Vbc*」,「0」の3つの値の中で最大値を示し、min(Vac*,Vbc*,0)とは、「Vac*」,「Vbc*」,「0」の3つの値の中で最小値を示す。相電圧指令演算器12は、入力された線間電圧指令Vac*,Vbc*の瞬時値に基づき、数式1及び数式2を満たす相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を生成する。
図7は本発明の実施の形態1における相電圧指令演算器12を示す構成図である。以下の各実施の形態において、図中、図7と同一符号は、同一又は相当の構成を示す。最大値演算器20は、入力された3つの値である「線間電圧指令Vac*」、「線間電圧指令Vbc*」及び「0」の中から最大となる値を出力する。最小値演算器21は、入力された3つの値である「線間電圧指令Vac*」、「線間電圧指令Vbc*」及び「0」の中から最小となる値を出力する。加減算器22は、最大値演算器20の出力と最小値演算器21の出力との和から記憶器11が出力する直流電圧値Vdcを減算した結果を増幅器23へ出力する。増幅器23は、加減算器22の出力を−0.5倍した値を相電圧指令Vc*として出力する。加算器24は線間電圧指令Vac*と相電圧指令Vc*とを加算し、その結果を相電圧指令Va*として出力する。同様に、加算器25は線間電圧指令Vbc*と相電圧指令Vc*とを加算し、その結果を相電圧指令Vb*として出力する。
キャリア信号発生器13は、記憶器11から得た直流電圧値Vdcと所定の周期Thcとに基づいて、最小値が0、最大値がVdcで、キャリア半周期がThcとなる三角波をキャリア信号αcとして出力する。図8は本発明の実施の形態1におけるキャリア信号αcを示す波形図である。図8中、Tcはキャリア周期を示している。なお、本実施の形態1ではキャリア信号αcが図8に示すような三角波である場合を扱うので、キャリア信号発生器13として三角波発生器を適用している。しかし、キャリア信号は三角波に限られたものではなく、ノコギリ波や逆ノコギリ波などを用いても良く、キャリア信号発生器13として、三角波発生器の代わりに、ノコギリ波や逆ノコギリ波などを出力するものを使用しても良い。
コンパレータ14は、相電圧指令Va*とキャリア信号αcとを比較し、制御信号Suを出力する。コンパレータ14は、相電圧指令Va*がキャリア信号αcより大きい場合は、制御信号Suとしてハイレベルを出力し、相電圧指令Va*がキャリア信号αcより小さい場合は、制御信号Suとしてローレベルを出力する。同様に、コンパレータ15は相電圧指令Vb*とキャリア信号αcとを比較し、制御信号Svを出力する。コンパレータ15は、相電圧指令Vb*がキャリア信号αcより大きい場合は、制御信号Svとしてハイレベルを出力し、相電圧指令Vb*がキャリア信号αcより小さい場合は、制御信号Svとしてローレベルを出力する。同様に、コンパレータ16は相電圧指令Vc*とキャリア信号αcとを比較し、制御信号Swを出力する。コンパレータ16は、相電圧指令Vc*がキャリア信号αcより大きい場合は、制御信号Swとしてハイレベルを出力し、相電圧指令Vc*がキャリア信号αcより小さい場合は、制御信号Swとしてローレベルを出力する。
図9は本発明の実施の形態1における相電圧指令演算器12が出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示す波形図である。図9は、スイッチング信号演算部10に入力される線間電圧指令Vac*,Vbc*がそれぞれ図4に示す線間電圧Vac,Vbcに等しい(波高値が282V、即ち、実効値が200V)場合の相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示している。
図10は本発明の実施の形態1における相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係を示す波形図である。図10(a)は、図9に示す相電圧指令Va*とキャリア信号αcとの関係を示している。同様に、図10(b)は、図9に示す相電圧指令Vb*とキャリア信号αcとの関係を示しており、図10(c)は図9に示す相電圧指令Vc*とキャリア信号αcとの関係を示している。図11は本発明の実施の形態1における制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。図11(a)は制御信号Suを、図11(b)は制御信号Svを、図11(c)は制御信号Swをそれぞれ示している。図11中、”H”はハイレベルを、”L”はローレベルを示している。
図9において、位相が0度から90度の範囲では、相電圧指令Va*は0とVdcとの間の値となっている。キャリア信号αcは最小値が0、最大値がVdcで、キャリア半周期がThcの三角波である。このため、図10(a)に示すように、位相が0度から90度の範囲では、キャリア半周期Thcの間に一度、キャリア信号αcと相電圧指令Va*との大小関係が入れ替わる。その結果、コンパレータ14はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Suをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。従って、制御信号Suは、図11(a)に示すように、位相が0度から90度の範囲においてキャリア半周期Thcの間に一度、信号レベルが反転する。なお、「キャリア半周期Thcの間に一度、信号レベルが反転する」とは、一定周期(即ち、キャリア半周期Thc)毎に等間隔で信号レベルが反転することを意味するのではなく、キャリア半周期Thcの間のどこかの時点で一度、信号レベルが反転することを意味する。
同様に、位相が0度から90度の範囲では、相電圧指令Vb*も0とVdcとの間の値となっている。このため、図10(b)に示すように、キャリア信号αcと相電圧指令Vb*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ15はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Svをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。従って、制御信号Svは、図11(b)に示すように、位相が0度から90度の範囲においてキャリア半周期Thcの間に一度、信号レベルが反転する。
同様に、位相が0度から90度の範囲では、相電圧指令Vc*も0とVdcとの間の値となっている。このため、図10(c)に示すように、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係がThcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ16はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。従って、制御信号Swは、図11(c)に示すように、位相が0度から90度の範囲においてキャリア半周期Thcの間に一度、信号レベルが反転する。
一方、位相が90度から180度の範囲では、相電圧指令Va*は0より小さい値であるが、キャリア信号αcは0以上であるため、常に相電圧指令Va*の方がキャリア信号αcよりも小さい。このため、コンパレータ14は、位相が90度から180度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Suをローレベルにする(図11(a)参照)。
また、位相が90度から180度の範囲では、相電圧指令Vb*はVdcより大きな値であり、キャリア信号αcはVdc以下であるため、常に相電圧信号Vb*の方がキャリア信号αcよりも大きい。このため、コンパレータ15は、位相が90度から180度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Svをハイレベルにする(図11(b)参照)。
しかしながら、位相が90度から180度の範囲においても、相電圧指令Vc*は0とVdcの間の値となっており、位相が0度から90度の範囲の場合と同様に、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ16は、位相が90度から180度の範囲においても、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する(図11(c)参照)。
図9に示すように、位相が180度から270度の範囲では、位相が0度から90度の範囲と同様に、相電圧指令Va*、Vb*、Vc*ともに0とVdcとの間の値となっている。このため、キャリア信号αcと相電圧指令Va*、Vb*、Vc*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる(図10(a)〜(c)参照)。その結果、位相が180度から270度の範囲では、コンパレータ14〜16は、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Su、Sv、Swそれぞれの信号レベルを反転させて出力する(図11(a)〜(c)参照)。
位相が270度から360度の範囲では、図9に示すように、常に相電圧指令Va*の方がキャリア信号αcよりも大きくなっている。このため、コンパレータ14は、位相が270度から360度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Suをハイレベルにする(図11(a)参照)。
また、位相が270度から360度の範囲では、常に相電圧指令Vb*の方がキャリア信号αcよりも小さくなっている。このため、コンパレータ15は、位相が270度から360度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Svをローレベルにする(図11(b)参照)。
一方、位相が270度から360度の範囲においても、相電圧指令Vc*は0とVdcとの間の値となっており、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ16はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する(図11(c)参照)。
なお、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Su,Sv,Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する場合は、キャリア半周期Thcの2倍であるキャリア周期Tcよりも長い間、制御信号Su,Sv,Swが同一レベル(ハイレベルまたはローレベル)の状態を継続することはない。また、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Su,Svの信号レベルをハイレベル、若しくはローレベルにする場合は、キャリア周期Tcよりも長い間、制御信号Su,Svが同一レベルの状態を継続する。
線間電圧指令Vac*と線間電圧指令Vbc*との差で表される線間電圧指令Vab*の波高値が、直流電圧源8の直流電圧値Vdcの所定倍率Kを超える場合、スイッチング信号演算部10は、少なくとも制御信号Suまたは制御信号Svの一方を次のように生成する。少なくとも制御信号Suまたは制御信号Svの一方は、ハイレベル固定またはローレベル固定の期間がキャリア周期Tcより長くなることが、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回以上ある。ここで、所定倍率Kは0<K≦1を満たす値である。
同様に、線間電圧指令Vab*の波高値の替わりに線間電圧指令Vab*の実効値を用いて表現すると、上述の所定倍率Kは、0<L≦1/√2を満たす所定倍率Lに置き換えられる。即ち、線間電圧指令Vab*の実効値が直流電圧値Vdcの所定倍率L(0<L≦1/√2)を超える場合、少なくとも制御信号Suまたは制御信号Svの一方は、ハイレベル固定またはローレベル固定の期間がキャリア周期Tcより長くなることが、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回以上ある。
線間電圧指令Vac*と線間電圧指令Vbc*との振幅比が1:1である場合、即ち第1の巻線と第2の巻線との巻数比が1である場合は、線間電圧指令Vac*の実効値及び線間電圧指令Vbc*の実効値はともに、線間電圧指令Vab*の実効値に対して1/√2倍となる。従って、第1の巻線と第2の巻線との巻数比が1である場合は、線間電圧指令Vab*の波高値の替わりに線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値を用いて表現することができる。この場合、上述の所定倍率Lは、0<M≦1/2を満たす所定倍率Mに置き換えられる。即ち、線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値が直流電圧値Vdcの所定倍率M(0<M≦1/2)を超える場合、少なくとも制御信号Suまたは制御信号Svの一方は、ハイレベル固定またはローレベル固定の期間がキャリア周期Tcより長くなることが、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回以上ある。
なお、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期とは、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の位相が360度変化する1周期と定義する。なお、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期は全て同じ長さである。
図11(a),(b)は、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に、制御信号Su,Svがハイレベル固定またはローレベル固定となる期間が2回ある場合の例を示しているが、この回数に限られたものではなく、3回以上であっても良い。
図12は本発明の実施の形態1における電力変換部1が出力する線間電圧Vac,Vbc,Vabを示す波形図である。スイッチング信号演算部10に、図4に示す線間電圧Vac,Vbcに等しい線間電圧指令Vac*,Vbc*を入力した場合、電力変換部1が出力する線間電圧Vac,Vbc,Vabはそれぞれ図12に示すような波形となる。図12に示すように、位相が90度から180度の範囲において、線間電圧Vabは−282Vで一定となっており、位相が270度から360度の範囲において、線間電圧Vabは282Vで一定となっている。電力変換部1が所望の線間電圧Vabを出力できない区間(即ち、位相が90度から180度、及び270度から360度の範囲)において、電力変換部1は出力可能な最大の電圧値、即ち直流電圧源8の直流電圧値Vdc(282V)を線間電圧Vabの振幅として出力している。
従来の二相交流回転機の制御装置では、二相交流回転機における二つの巻線それぞれの他端を共通に接続した端子cの電圧を制御する制御信号Swが、周期的に同一レベルに固定されるようにしていた。しかし、より高い電圧を二相交流回転機9に印加するためには、制御信号Swではなく、制御信号SuまたはSvが周期的に同一レベルに固定されるようにすると良い。
本実施の形態1における二相交流回転機9の制御装置は、相電圧指令演算器12において、数式1及び数式2を満たす相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を生成している。この相電圧指令Va*,Vb*,Vc*に基づき、制御信号Su,Sv,Swが生成される。少なくとも制御信号Suまたは制御信号Svの一方は、信号レベルが同一レベルに固定される期間がキャリア周期Tcより長くことが、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回以上あるという特徴を有する。
このような制御により、本実施の形態1における二相交流回転機9の制御装置は、従来より高い電圧を二相交流回転機9に印加でき、電圧利用率の向上という効果を得ることができる。また、U相アームのスイッチング素子2、3及びV相アームのスイッチング素子4、5のスイッチング回数が減るため、スイッチングに起因する消費電力の抑制効果を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、キャリア信号αcとして、最大値を直流電圧源8の直流電圧値Vdc、最小値を0とする三角波を用いていたが、最大値を0.5Vdc、最小値を−0.5Vdcとする三角波をキャリア信号αcとしても良い。この場合、相電圧指令演算器12aに対して直流電圧源8の直流電圧値Vdcを入力する必要がなくなる。
図13は本発明の実施の形態2におけるスイッチング信号演算部10aを示す構成図である。図14は本発明の実施の形態2におけるキャリア信号αcを示す波形図である。キャリア信号発生器13aは、記憶器11が出力する直流電圧値Vdcと所定の周期Thcとに基づいて、図14に示すような、最大値が0.5Vdc、最小値が−0.5Vdc、キャリア半周期がThcの三角波をキャリア信号αcとして出力する。なお、その他の構成は、実施の形態1と同一のものであり、その説明を省略する。
図15は本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aを示す構成図である。本実施の形態2においては、キャリア信号αcの最大値は0.5Vdcで、最小値は−0.5Vdcである。二相交流回転機9の電圧利用率を高めるためには、相電圧指令Va*、Vb*、Vc*の中で、最大となる相電圧指令と最小となる相電圧指令との平均値が、キャリア信号αcの最大値と最小値との平均値である0と等しくなるようにすれば良い。相電圧指令演算器12aは、入力された線間電圧指令Vac*,Vbc*の瞬時値に基づき、数式1及び数式3を満たす相電圧指令Va*、Vb*、Vc*を生成する。
Figure 0005251344
図7に示す実施の形態1における相電圧指令演算器12と本実施の形態2における相電圧指令演算器12aとの相違点は、加減算器22の代わりに、最大値演算器20の出力と最小値演算器21の出力とを加算した結果を増幅器23へ出力する加算器22aを用いる点だけである。
図16は本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*、Vb*、Vc*を示す波形図である。図16は、スイッチング信号演算部10aに入力される線間電圧指令Vac*,Vbc*がそれぞれ図4に示す線間電圧Vac,Vbcに等しい(波高値が282V、即ち、実効値が200V)場合の相電圧指令Va*、Vb*、Vc*を示している。
図16において、位相が0度から90度の範囲では、相電圧指令Va*は−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっている。キャリア信号αcの最小値は−0.5Vdc、最大値は0.5Vdcであるので、位相が0度から90度の範囲では、キャリア半周期Thcの間に一度、キャリア信号αcと相電圧指令Va*との大小関係が入れ替わる。その結果、位相が0度から90度の範囲では、コンパレータ14はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Suをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
同様に、位相が0度から90度の範囲では、相電圧指令Vb*も−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっているので、キャリア信号αcと相電圧指令Vb*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、位相が0度から90度の範囲では、コンパレータ15はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Svをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
同様に、位相が0度から90度の範囲では、相電圧指令Vc*も−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっているので、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、位相が0度から90度の範囲では、コンパレータ16はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
位相が90度から180度の範囲では、相電圧指令Va*は−0.5Vdcより小さい値であるが、キャリア信号αcは−0.5Vdc以上であるため、常に相電圧指令Va*の方がキャリア信号αcよりも小さい。このため、コンパレータ14は、位相が90度から180度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Suをローレベルにする。
また、位相が90度から180度の範囲では、相電圧指令Vb*は0.5Vdcより大きな値であり、キャリア信号αcは0.5Vdc以下であるため、常に相電圧指令Vb*の方がキャリア信号αcよりも大きい。このため、コンパレータ15は、位相が90度から180度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Svをハイレベルにする。
一方、位相が90度から180度の範囲においても、相電圧指令Vc*は−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっているので、位相が0度から90度の範囲の場合と同様に、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、位相が90度から180度の範囲においても、コンパレータ16はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
以上のように、スイッチング信号演算部10aは、記憶器11が出力する直流電圧値Vdcの値を相電圧指令演算器12aに入力することなく、実施の形態1と同様の制御信号Su,Sv,Swを出力することができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
図16では、波高値が282V、即ち、実効値が200Vの線間電圧指令Vac*,Vbc*が相電圧指令演算器12aに入力された場合の相電圧指令Va*,Vb*,Vc*について扱ったが、以下では線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値を別の値にした場合について説明する。
図17は本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示す波形図である。図17は、スイッチング信号演算部10aに入力される線間電圧指令Vac*,Vbc*がそれぞれ図2に示す線間電圧Vac,Vbcに等しい(波高値が200V、即ち、実効値が141V)場合の相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示している。線間電圧指令Vab*は、図2に示す線間電圧Vabに等しい電圧となる。線間電圧指令Vab*の波高値は、282Vで直流電圧値Vdcと等しい。また、線間電圧指令Vab*の実効値は、200Vで直流電圧値Vdcの1/√2倍となっている。
図14に示したようにキャリア信号αcは最小値が−0.5Vdc(=−141V)、最大値が0.5Vdc(=141V)である。コンパレータ14,15,16はそれぞれ相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとを比較する。図17において、位相が0度から360度の全範囲で、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*のいずれもが−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっている。従って、位相が0度から360度のいずれの範囲でも、キャリア半周期Thcの間に一度、キャリア信号αcと相電圧指令Va*の大小関係が入れ替わる。その結果、コンパレータ14はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Suをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
同様に、位相が0度から360度のいずれの範囲でも、キャリア半周期Thcの間に一度、キャリア信号αcと相電圧指令Vb*との大小関係が入れ替わる。その結果、コンパレータ15はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Svをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。同様に、位相が0度から360度のいずれの範囲でも、キャリア半周期Thcの間に一度、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係が入れ替わる。その結果、コンパレータ16はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
以上のように、スイッチング信号演算部10aは、線間電圧指令Vab*の実効値が直流電圧値Vdcに対して1/√2倍を超えない場合は、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Su,Sv,Swそれぞれの信号レベルを反転させる。この制御信号Suに基づいて、U相アームのスイッチング素子2、3は、キャリア半周期Thcの間に一度スイッチングの極性が反転する。同様に、制御信号Svに基づいて、V相アームのスイッチング素子4、5は、キャリア半周期Thcの間に一度スイッチングの極性が反転する。同様に、制御信号Swに基づいて、W相アームのスイッチング素子6、7も、キャリア半周期Thcの間に一度スイッチングの極性が反転する。
図18は本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示す波形図である。図18は、スイッチング信号演算部10aに入力される線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が400V、即ち、実効値が282Vの場合の相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示している。線間電圧指令Vab*の実効値は400Vであり、直流電圧値Vdcに対して1/√2倍を超えている。
図18において、位相が0度から45度の範囲では、相電圧指令Va*は0.5Vdc(=141V)より大きな値となっている。キャリア信号αcの最大値は0.5Vdc(=141V)であるので、位相が0度から45度の範囲では、常に相電圧指令Va*の方がキャリア信号αcよりも大きい。このため、コンパレータ14は、位相が0度から45度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Suをハイレベルにする。
位相が45度から82度の範囲では、相電圧指令Va*は−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっており、キャリア信号αcと相電圧指令Va*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度入れ替わる。その結果、コンパレータ14は、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Suをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
位相が82度から225度の範囲では、相電圧指令Va*は−0.5Vdcより小さな値となっている。キャリア信号αcの最小値は−0.5Vdcであるので、位相が82度から225度の範囲では、常に相電圧指令Va*の方がキャリア信号αcよりも小さい。このため、コンパレータ14は、位相が82度から225度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Suをローレベルにする。
位相が225度から262度の範囲では、相電圧指令Va*は−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっているので、キャリア信号αcと相電圧指令Va*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度入れ替わる。その結果、コンパレータ14は、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Suをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
位相が262度から360度の範囲では、相電圧指令Va*は0.5Vdcより大きな値となっている。キャリア信号αcの最大値は0.5Vdcであるので、位相が262度から360度の範囲では、常に相電圧指令Va*の方がキャリア信号αcよりも大きい。このため、コンパレータ14は、位相が262度から360度の範囲では、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Suをハイレベルにする。
次に、相電圧指令Vb*は、位相が0度から8度の範囲で、キャリア信号αcの最小値−0.5Vdcより小さな値となっている。このため、コンパレータ15はキャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Svをローレベルにする。位相が8度から45度の範囲では、相電圧指令Vb*は−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっているので、キャリア信号αcと相電圧指令Vb*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ15はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Svをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
位相が45度から188度の範囲では、相電圧指令Vb*はキャリア信号αcの最大値0.5Vdcより大きな値となっている。このため、位相が45度から188度の範囲では、コンパレータ15はキャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Svをハイレベルにする。また、位相が188度から225度の範囲では、相電圧指令Vb*は−0.5Vdcと0.5Vdcの間の値となっているので、キャリア信号αcと相電圧指令Vb*との大小関係がキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ15は、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Svをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
位相が225度から360度の範囲では、相電圧指令Vb*はキャリア信号αcの最小値−0.5Vdcより小さな値となっている。このため、位相が225度から360度の範囲では、コンパレータ15は、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Svをローレベルにする。
相電圧指令Vc*は、位相が0度から105度の範囲で、キャリア信号αcの最小値−0.5Vdcより小さな値となっている。このため、位相が0度から105度の範囲では、コンパレータ16は、キャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Swをローレベルにする。また、位相が105度から165度の範囲では、相電圧指令Vc*は−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっており、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係はキャリア半周期Thcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ16は、キャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
また、位相が165度から285度の範囲では、相電圧指令Vc*はキャリア信号αcの最大値0.5Vdcより大きな値となっているので、コンパレータ16はキャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Swをハイレベルにする。また、位相が285度から345度の範囲では、相電圧指令Vc*は−0.5Vdcと0.5Vdcとの間の値となっているので、キャリア信号αcと相電圧指令Vc*との大小関係はThcの間に一度、入れ替わる。その結果、コンパレータ16はキャリア半周期Thcの間に一度、制御信号Swをハイレベルからローレベルへ、若しくはローレベルからハイレベルへ変更する。
位相が345度から360度の範囲では、相電圧指令Vc*はキャリア信号αcの最小値−0.5Vdcより小さな値となっているので、コンパレータ16はキャリア信号αcの瞬時値とは関係なく制御信号Swをローレベルにする。
続いて、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の波高値を変更した場合、相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*、Vb*、Vc*それぞれとキャリア信号αcとの関係、制御信号Su、Sv、Swがどのように変化するかについて説明する。
図19は本発明の実施の形態2における相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。図19(a)は、相電圧指令Va*とキャリア信号αcとの関係を示している。同様に、図19(b)は、相電圧指令Vb*とキャリア信号αcとの関係を示しており、図19(c)は相電圧指令Vc*とキャリア信号αcとの関係を示している。図19(d)〜(f)はそれぞれ、制御信号Su,Sv,Swを示している。なお、図19〜図21において、”H”は2値信号のハイレベルを、”L”は2値信号のローレベルを示している。
図19は、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が200V、即ち、実効値が141Vの場合に、相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示している。なお、図19において、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の周波数は100Hz、即ち線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期は0.01秒であり、キャリア半周期Thcは250μ秒である。
この場合、線間電圧指令Vab*の波高値は282Vで、直流電圧値Vdcと等しい。換言すると、線間電圧指令Vab*の実効値は200Vであり、直流電圧値Vdcに対して1/√2倍となっている。所定倍率Lは0<L≦1/√2を満たす値であるが、例えば、所定倍率L=1/√2とすると、線間電圧指令Vab*の実効値は直流電圧値Vdcの所定倍率Lを超えていない。従って、制御信号Su,Svの信号レベルが、ハイレベル固定またはローレベル固定となる期間は存在しない。制御信号Su,Sv,Swはそれぞれ、図19(d)〜(f)に示すように、キャリア半周期Thcの間に一度、信号レベルが反転する。
図20は本発明の実施の形態2における相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。図20(a)は、相電圧指令Va*とキャリア信号αcとの関係を示している。同様に、図20(b)は、相電圧指令Vb*とキャリア信号αcとの関係を示しており、図20(c)は相電圧指令Vc*とキャリア信号αcとの関係を示している。図20(d)〜(f)はそれぞれ、制御信号Su,Sv,Swを示している。
図20は、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が282V、即ち、実効値が200Vの場合に、相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示している。なお、図19と同様に、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期は0.01秒で、キャリア半周期Thcは250μ秒である。この場合、線間電圧指令Vab*の波高値は400Vで、直流電圧値Vdcに対して√2倍となっている。換言すると、線間電圧指令Vab*の実効値は282Vであり、直流電圧値Vdcと等しい。例えば、所定倍率L=1/√2とすると、線間電圧指令Vab*の実効値は直流電圧値Vdcの所定倍率Lを超えている。従って、制御信号Su,Svの信号レベルが、ハイレベル固定またはローレベル固定となる期間が存在する。
図20(f)に示すとおり、制御信号Swはキャリア半周期Thcの間に一度、信号レベルが反転する。一方、制御信号Suは、図20(d)に示すように、0.0025秒から0.0055秒の区間、ローレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Suは、キャリア半周期Thcの2倍(=キャリア周期Tc)より長い間、ローレベルに固定された状態を継続する。また、0.0075秒から0.01秒の区間、制御信号Suはハイレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Suは、キャリア周期Tcより長い間、ハイレベルに固定された状態を継続する。このように、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回、制御信号Suがハイレベル固定若しくはローレベル固定となる状態がキャリア周期Tcよりも長い間継続する。
また、制御信号Svは、図20(e)に示すように、0.0025秒から0.0055秒の区間、ハイレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Svは、キャリア周期Tcより長い間、ハイレベルに固定された状態を継続する。また、0.0075秒から0.01秒の区間、制御信号Svはローレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Svは、キャリア周期Tcより長い間、ローレベルに固定された状態を継続する。このように、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回、制御信号Svがハイレベル固定若しくはローレベル固定となる状態がキャリア周期Tcよりも長い間継続する。
図21は、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が400V、即ち、実効値が282Vの場合に、相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示している。なお、図19と同様に、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期は0.01秒で、キャリア半周期Thcは250μ秒である。この場合、線間電圧指令Vab*の波高値は564Vで、直流電圧値Vdcに対して2倍となっている。換言すると、線間電圧指令Vab*の実効値は400Vであり、直流電圧値Vdcに対して√2倍となっている。例えば、所定倍率L=1/√2とすると、線間電圧指令Vab*の実効値は直流電圧値Vdcの所定倍率Lを超えている。従って、制御信号Su,Svの信号レベルが、ハイレベル固定またはローレベル固定となる期間が存在する。更に、制御信号Swについても、信号レベルがハイレベル固定またはローレベル固定となる期間が存在する。
制御信号Suは、図21(d)に示すように、0.002秒から0.0065秒の区間、ローレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Suは、キャリア周期Tcより長い間、ローレベルに固定された状態を継続する。また、0.007秒から0.01秒の区間、制御信号Suはハイレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Suは、キャリア周期Tcより長い間、ハイレベルに固定された状態を継続する。このように、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回、制御信号Suがハイレベル固定若しくはローレベル固定となる状態がキャリア周期Tcよりも長い間継続する。
また、制御信号Svは、0.001秒から0.005秒の区間、ハイレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Svは、キャリア周期Tcより長い間、ハイレベルに固定された状態を継続する。また、0.006秒から0.01秒の区間、制御信号Svはローレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Svは、キャリア周期Tcより長い間、ローレベルに固定された状態を継続する。
さらに、制御信号Swは、0.00秒から0.003秒の区間、ローレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Swは、キャリア周期Tcより長い間、ローレベルに固定された状態を継続する。また、0.0045秒から0.008秒の区間、制御信号Swはハイレベルの状態を継続する。即ち、制御信号Swは、キャリア周期Tcより長い間、ハイレベルに固定された状態を継続する。
このように、線間電圧指令Vab*の実効値が直流電圧値Vdcに対して所定倍率Lを超える場合は、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回以上、U相アーム及びV相アームに設けられたスイッチング素子2〜5はそれぞれ、キャリア周期Tcよりも長い間継続してオン状態もしくはオフ状態になる。それとともに、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回以上、W相アームに設けられたスイッチング素子6,7はそれぞれ、キャリア周期Tcよりも長い間継続してオン状態もしくはオフ状態になる。
図22は本実施の形態2における線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値と二相交流回転機9に印加される線間電圧Vac,Vbcの実効値との関係を示す図である。二相交流回転機9の制御装置に対して、線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値をそれぞれ0〜350Vとして与えた場合における、線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値と二相交流回転機9に印加される線間電圧Vac,Vbcの実効値との関係をプロットしたものである。
図22において、●印は本実施の形態2における二相交流回転機9の制御装置を用いた場合を示している。また、比較のため、従来の二相交流回転機の制御装置を用いた場合を□印で示している。なお、実施の形態1における二相交流回転機9の制御装置を用いた場合も、本実施の形態2における二相交流回転機9の制御装置を用いた場合と同一の結果が得られる。
従来の二相交流回転機の制御装置では、二相交流回転機の第1及び第2の巻線それぞれの一端を結んだ接合部に印加すべき電位を示す相電圧指令Vc*が周期的に一定レベルとなるようにしていた。このため、電力変換部が出力可能な線間電圧Vac,Vbcの実効値は最大でも141V、即ち直流電圧値Vdcに対して1/2倍であった。これに対し、本実施の形態2における電力変換部1が出力可能な線間電圧Vac,Vbcの実効値は、最大200Vである。この値は、直流電圧値Vdcの1/√2倍であり、従来の電力変換部が出力可能な線間電圧Vac,Vbcの実効値を大きく上回る。
本実施の形態2における二相交流回転機9の制御装置は、相電圧指令演算器12aにおいて、数式1及び数式3を満たす相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を生成している。この相電圧指令Va*,Vb*,Vc*に基づき、制御信号Su,Sv,Swが生成される。少なくとも制御信号Suまたは制御信号Svの一方は、信号レベルが同一レベルに固定される期間がキャリア周期Tcより長くことが、線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の基本波周期の間に2回以上あるという特徴を有する。
このような制御により、本実施の形態2における二相交流回転機9の制御装置は、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。即ち、従来より高い電圧を二相交流回転機9に印加でき、電圧利用率の向上という効果を得ることができる。また、U相アームのスイッチング素子2、3及びV相アームのスイッチング素子4、5のスイッチング回数が減るため、スイッチングに起因する消費電力の抑制効果を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2における相電圧指令演算器12,12aは、3つの変数のうち最大となる値を出力する最大値演算器20と、3つの変数のうち最小となる値を出力する最小値演算器21とを備えていた。この相電圧指令演算器12,12aを、最大値演算器20及び最小値演算器21を廃して加減算と増幅器とを有する構成の相電圧指令演算器12bに置換しても良い。これにより、相電圧指令演算器12bは演算が簡素になる。
図23は本実施の形態3におけるスイッチング信号演算部10bを示す構成図である。相電圧指令演算器12b以外は、実施の形態2と同一であるため、説明を省略する。
線間電圧指令Vac*,Vbc*,Vab*の中で振幅が最大となるのは線間電圧指令Vab*である。そこで、二相交流回転機9の電圧利用率を高めるためには、U相アームが出力する電圧とV相アームが出力する電圧とが逆位相になるようにすれば良い。即ち、相電圧指令Va*と相電圧指令Vb*とが次式の関係になれば良い。
Figure 0005251344
数式1及び数式4から、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*は次式を満たせば良い。
Figure 0005251344
図24は本実施の形態3における相電圧指令演算器12bを示す構成図である。減算器30は線間電圧指令Vac*から線間電圧指令Vbc*を減算し、その結果を増幅器31へ出力する。増幅器31は減算器30の出力を0.5倍し、相電圧指令Va*として出力する。減算器32は線間電圧指令Vbc*から線間電圧指令Vac*を減算し、その結果を増幅器33へ出力する。増幅器33は減算器32の出力を0.5倍し、相電圧指令Vb*として出力する。加算器34は線間電圧指令Vac*と線間電圧指令Vbc*とを加算し、その結果を増幅器35へ出力する。増幅器35は加算器34の出力を−0.5倍し、相電圧指令Vc*として出力する。
相電圧指令演算器12bは、線間電圧指令Vac*と線間電圧指令Vbc*との差(Vac*−Vbc*)に基づいて、第1の巻線の一端aに接続したU相アームが出力すべき相電圧指令Va*を生成する。同様に、相電圧指令演算器12bは、線間電圧指令Vbc*と線間電圧指令Vac*との差(Vbc*−Vac*)に基づいて、第2の巻線の一端bに接続したV相アームが出力すべき相電圧指令Vb*を生成する。また、相電圧指令演算器12bは、線間電圧指令Vac*と線間電圧指令Vbc*との和(Vac*+Vbc*)に基づいて、第1の巻線の他端と第2の巻線の他端とを結んだ結合端cに接続したW相アームが出力すべき相電圧指令Vc*を生成する。
相電圧指令演算器12bは、線間電圧指令Vac*,Vbc*の和(Vac*+Vbc*)及び差(Vac*−Vbc*)に基づいて生成した相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を出力する。このため、相電圧指令演算器12bは、簡単な演算のみで、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を生成することができる。第1の巻線の一端aに接続したU相アーム、及び第2の巻線の一端bに接続したV相アームの消費電力を抑制しつつ、高い電圧を二相交流回転機9に出力することができる。
図25は本実施の形態3における線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値と二相交流回転機9に印加される線間電圧Vac,Vbcの実効値との関係を示す図である。二相交流回転機9の制御装置に対して、線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値をそれぞれ0〜350Vとして与えた場合における、線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値と二相交流回転機9に印加される線間電圧Vac,Vbcの実効値との関係をプロットしたものである。
図25において、●印は本実施の形態3における二相交流回転機9の制御装置を用いた場合を示している。また、比較のため、従来の二相交流回転機の制御装置を用いた場合を□印で示している。
従来の二相交流回転機の制御装置では、二相交流回転機の第1及び第2の巻線それぞれの他端を結んだ接合部に印加すべき電位を示す相電圧指令Vc*が周期的に一定レベルとなるようにしていた。このため、電力変換部が出力可能な線間電圧Vac,Vbcの実効値は最大でも141V、即ち直流電圧値Vdcに対して1/2倍であった。これに対し、本実施の形態3における電力変換部1が出力可能な線間電圧Vac,Vbcの実効値は、最大175Vであり、従来技術よりも電圧利用率が向上している。
本実施の形態3によれば、相電圧指令演算器12bにおける演算を簡素化できる。その結果、スイッチング信号演算部10bを、マイコンやゲートアレイ、アナログ回路などで実現する場合、その構成や回路規模を簡素化することが可能となり、安価な構成で実現することが可能である。
また、本実施の形態3によれば、従来の二相交流回転機の制御装置を用いた場合より高い電圧を二相交流回転機9に印加でき、電圧利用率の向上という効果を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3のおける相電圧指令演算器12,12a,12bは、線間電圧指令Vac*と線間電圧指令Vbc*との位相関係を考慮せず、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を算出していた。しかし、線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と線間電圧指令Vac*,Vbc*の正負の符号とから、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を算出する演算式を変更するようにしても良い。
図26は本実施の形態4におけるスイッチング信号演算部10cを示す構成図である。相電圧指令演算器12c以外は実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。相電圧指令演算器12cは線間電圧指令Vac*,Vbc*と記憶器11から得た直流電圧値Vdcとに基づいて相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を生成する。以下、相電圧指令演算器12cの内部演算について説明する。図27〜29は本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cを示すフローチャートである。図27において、STEP101より相電圧指令演算器12c内部の演算を開始する。STEP102では線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係及び正負の符号に関し、次式の関係が成立するか否かを判断する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式6が成立する場合STEP103を実行し、数式6が不成立の場合STEP106を実行する。STEP103では、線間電圧指令Vac*と直流電圧値Vdcとの間で次式の関係が成立するか否かを判定する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*と直流電圧値Vdcとの間に数式7の関係が成立する場合、STEP104を実行する。STEP104では相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP104を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。一方、STEP103において、線間電圧指令Vac*と直流電圧値Vdcとの間に数式7の関係が不成立の場合、STEP105を実行する。STEP105では相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP105を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。
一方、STEP102において、線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式6の関係が不成立の場合、STEP106を実行する。STEP106では線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、次式の関係が成立するか否かを判断する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式10が成立する場合STEP107を実行し、数式10が不成立の場合、後述する分岐Bに進む。STEP107では、線間電圧指令Vbc*と直流電圧値Vdcとの間で次式の関係が成立するか否かを判定する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に、数式11の関係が成立する場合、STEP108を実行する。STEP108では、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP108を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。一方、STEP107において、線間電圧指令Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に数式11の関係が不成立の場合、STEP109を実行する。STEP109では、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP109を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。
図28は、STEP106において、数式10の関係が不成立であった場合に移行する分岐B以降の演算を示すフローチャートである。STEP111では、線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、次式の関係が成立するか否かを判断する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式14が成立する場合、STEP112を実行し、数式14が不成立の場合、後述するSTEP115を実行する。STEP112では、線間電圧指令Vac*,Vbc*と直流電圧値Vdcとの間で次式の関係が成立するか否かを判定する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*,Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に数式15の関係が成立する場合、STEP113を実行する。STEP113では相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP113を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。一方、STEP112において、線間電圧指令Vac*,Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に数式15の関係が不成立の場合、STEP114を実行する。STEP114では、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP114を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。
一方、前記STEP111において、線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式14の関係が不成立の場合、STEP115を実行する。STEP115では線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、次式の関係が成立するか否かを判断する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式18が成立する場合、STEP116を実行し、数式18が不成立の場合、後述する分岐Cに進む。STEP116では線間電圧指令Vac*と直流電圧値Vdcとの間で、次式の関係が成立するか否かを判定する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*と直流電圧値Vdcとの間に数式19の関係が成立する場合、STEP117を実行する。STEP117では相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP117を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。一方、STEP116において、線間電圧指令Vac*と直流電圧値Vdcとの間に数式19の関係が不成立の場合、STEP118を実行する。STEP118では相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP118を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。
図29は、STEP115において、数式18の関係が不成立であった場合に移行する分岐C以降の演算を示すフローチャートである。STEP121では、線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、次式の関係が成立するか否かを判断する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式22が成立する場合、STEP122を実行し、数式22が不成立の場合、後述するSTEP125を実行する。STEP122では、線間電圧指令Vbc*と直流電圧値Vdcとの間で次式の関係が成立するか否かを判定する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に数式23の関係が成立する場合、STEP123を実行する。STEP123では、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP123を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。一方、STEP122において、線間電圧指令Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に数式23の関係が不成立の場合、STEP124を実行する。STEP124では、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP124を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。
一方、STEP121において、線間電圧指令Vac*,Vbc*の大小関係と正負の符号に関し、数式22の関係が不成立の場合、STEP125を実行する。STEP125では線間電圧指令Vac*,Vbc*と直流電圧値Vdcとの間で次式の関係が成立するか否かを判定する。
Figure 0005251344
線間電圧指令Vac*,Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に数式26の関係が成立する場合、STEP126を実行する。STEP126では、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP126を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。一方、STEP125において、線間電圧指令Vac*,Vbc*と直流電圧値Vdcとの間に数式26の関係が不成立の場合、STEP127を実行する。STEP127では、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を次式の演算を行うことにより決定する。
Figure 0005251344
STEP127を実行後、分岐Aへ戻り、再度STEP102を実行する。
以上の流れに従って、スイッチング信号演算部10c内部の相電圧指令演算器12cは、線間電圧指令Vac*,Vbc*と記憶器11から得た直流電圧値Vdcとに基づいて、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を生成する。
続いて、本実施の形態4におけるスイッチング信号演算部10cの演算方法の原理について説明する。図30は本発明の実施の形態4における電力変換部1が出力可能な線間電圧Vacと線間電圧Vbcとの関係を示すベクトル図である。図中の○印は、線間電圧Vacと線間電圧Vbcとの関係を示す電圧ベクトルの終点を示している。
電圧ベクトルV(N=0〜6)に添えられた括弧書きは(Su,Sv,Sw)の組合せを示している。例えば、電圧ベクトルV(1,0,0)は、制御信号Suをハイレベル、制御信号Svをローレベル、制御信号Swをローレベルにしたときに、電力変換部1が二相交流回転機9に対して出力する線間電圧Vacと線間電圧Vbcとの関係を示している。このとき、電力変換部1が出力する線間電圧はVac=Vdc、Vb=0である。なお、括弧内の”1”はは2値信号のハイレベルを示しており、”0”は2値信号のローレベルを示している。
また、例えば、電圧ベクトルV(0,0,1)は、制御信号Suをローレベル、制御信号Svをローレベル、制御信号Swをハイレベルにしたときに、電力変換部1が二相交流回転機9に対して出力する線間電圧Vacと線間電圧Vbcとの関係を示している。このとき、電力変換部1が出力する線間電圧はVac=−Vdc、Vbc=−Vdcである。
電力変換部1は、図30に示す六角形状の領域内(即ち、網掛け部分)の線間電圧Vac,Vbcを出力可能である。電力変換部1が二相交流回転機9に対して出力可能な線間電圧Vac,Vbcの振幅は次式に示す制限があるためである。
Figure 0005251344
二相交流回転機9に印加すべき線間電圧指令Vac*,Vbc*には位相と振幅が存在する。線間電圧指令Vac*,Vbc*の位相及び振幅と図30のベクトル図とを勘案すれば、印加すべき相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を導出することが可能である。以下、二相交流回転機9に印加すべき線間電圧指令Vac*,Vbc*の位相(以下、電圧ベクトルの位相θと記す)が0〜45度の場合と90度〜180度の場合を例に取り具体的に説明する。
図31、図32は電圧ベクトルの位相θが0〜45度の場合に、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比の導出手法を説明するためのベクトル図である。図31はVac*<Vdcの場合を示しており、図32はVac*≧Vdcの場合を示している。
電圧ベクトルの位相θが0〜45度の場合は、上述した数式6が成り立つ。この関係の下で、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比、Du,Dv,Dwの導出手法を説明する。図31、図32において座標が(Vac,Vbc)=(Vac*,Vbc*)となる点(図中の△印)の電圧ベクトルV,Vの出力方法を説明する。まず、図31及び図32中の●印の電圧ベクトルVを出力する方法について説明する。原点と△印の点とを結ぶ直線は次式で表現できる。
Figure 0005251344
また、電圧ベクトルV(1,0,0)の終点と電圧ベクトルV(1,1,0)の終点とを結ぶ直線は次式で表現できる。
Figure 0005251344
数式30で表される直線と数式31で表される直線とが交差する点の座標は、(Vac,Vbc)=(Vdc,Vbc*÷Vac*×Vdc)である。電圧ベクトルVの終点は、電圧ベクトルV(1,0,0)の終点と電圧ベクトルV2(1,1,0)の終点とを(Vbc*÷Vac*)対(1−Vbc*÷Vac*)に内分する点である。電圧ベクトルVを出力するには、電圧ベクトルV(1,0,0)のときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルと電圧ベクトルV(1,1,0)のときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルとの出力時間の比を(1−Vbc*÷Vac*)対(Vbc*÷Vac*)にすれば良い。即ち、制御信号Su,Sv,SwのDuty比(Du,Dv,Dw)が次式となれば良い。
Figure 0005251344
換言すると、電圧ベクトルVを出力するには、電力変換部1のU相アームのスイッチング素子2、3をオンオフ制御するための制御信号Suをハイレベルにし、V相アームのスイッチング素子4、5をオンオフ制御するための制御信号SvのDuty比をVbc*÷Vac*にし、W相アームのスイッチング素子6、7をオンオフ制御するための制御信号Swをローレベルにすれば良い。
続いて、Vac*<Vdcの場合に、電力変換部1が出力すべき△印の電圧ベクトルVの出力方法について説明する。図31の横軸に注目すると、電圧ベクトルVは電圧ベクトルVをVac*÷Vdc倍したものであることが分かる。即ち、電圧ベクトルVの終点は、原点と電圧ベクトルVの終点とを(Vac*÷Vdc)対(1−Vac*÷Vdc)に内分する点である。
ここで、Vac=Vbc=0となる零ベクトルはV(0,0,0)とV(1,1,1)のいずれでも良く、またV(0,0,0)とV(1,1,1)を任意の割合で出力しても良い。本実施の形態4では、Vac=Vbc=0となる零ベクトルをV(0,0,0)で出力させることとする。従って、Vac*<Vdcの場合、電圧ベクトルVを出力するには、電圧ベクトルV(0,0,0)のときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルと電圧ベクトルVのときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルとの出力時間の比を(1−Vac*÷Vdc)対Vac*÷Vdcにすれば良い。即ち、制御信号Su,Sv,SwのDuty比(Du,Dv,Dw)が次式となれば良い。
Figure 0005251344
また、線間電圧VacはVdcより大きな電圧振幅を発生できない。図32に示すようなVac*≧Vdcの場合は、△印の電圧ベクトルVは出力できないため、●印の電圧ベクトルVを出力すれば良い。即ち、制御信号Su,Sv,SwのDuty比(Du,Dv,Dw)が次式となれば良い。
Figure 0005251344
以下では、数式33,数式34と、スイッチング信号演算部10cとの関係について説明する。制御信号Su,Sv,SwのDuty比を数式33で示す値とするためには、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*をどのような値にすれば良いかについて説明する。
Duは制御信号SuのDuty比である。Duが数式33で表される場合、制御信号SuがVac*÷Vdcの割合でハイレベルになれば良い。キャリア信号発生器13が出力するキャリア信号αcは最小値が0、最大値がVdcとなる三角波である。このため、コンパレータ14が制御信号Suをデューティ比がVac*÷Vdcとなるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*として(Vac*÷Vdc)をVdc倍した値、即ちVac*を出力すれば良い。
同様に、Dvは制御信号SvのDuty比であり、Duが数式33で表される場合、制御信号SvがVbc*÷Vdcの割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ15が制御信号Svをデューティ比がVbc*÷Vdcとなるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vb*として(Vbc*÷Vdc)をVdc倍した値、即ちVbc*を出力すれば良い。
同様に、Dwは制御信号SwのDuty比であり、Dwが数式33で表される場合、制御信号Swが0の割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ16が制御信号Swをデューティ比が0となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vc*として0を出力すれば良い。これらの関係を勘案すれば、数式6及び数式7の関係が成立する場合に電圧ベクトルVを出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を上述した数式8で与えれば良い。
次に、制御信号Su,Sv,SwのDuty比を数式34で示す値とする方法も同様に考えれば良い。Duは制御信号SuのDuty比である。Duが数式34で表される場合、制御信号Suが1の割合でハイレベルになれば良い。キャリア信号発生器13が出力するキャリア信号αcは最小値が0、最大値がVdcとなる三角波である。このため、コンパレータ14が制御信号Suをデューティ比が1となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*として1をVdc倍した値、即ちVdcを出力すれば良い。
同様に、Dvは制御信号SvのDuty比であり、Duが数式34で表される場合、制御信号SvがVbc*÷Vac*の割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ15が制御信号Svをデューティ比がVbc*÷Vac*となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vb*として(Vbc*÷Vac*)をVdc倍した値、即ち(Vbc*÷Vac*)×Vdcを出力すれば良い。
同様に、Dwは制御信号SwのDuty比であり、Dwが数式34で表される場合、制御信号Swが0の割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ16が制御信号Swをデューティ比が0となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vc*として0を出力すれば良い。これらの関係を勘案すれば、数式6の関係が成立し、且つ数式7の関係が成立しないときに、電圧ベクトルVを出力しようとする場合は、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を上述した数式9で与えれば良い。
以上の説明から、電圧ベクトルの位相θが0〜45度の場合について、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*の導出が可能となった。図33は本発明の実施の形態4における相電圧演算器12cが演算する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*の演算式を示す表である。上記説明の電圧ベクトルの位相θが0〜45度の場合と同様に考えれば、電圧ベクトルの位相θが45度〜90度、180〜225度、225〜270度の場合も相電圧指令Va*,Vb*,Vc*の導出が可能である。
続いて、電圧ベクトルの位相θが90度〜180度の場合について説明する。図34、図35は電圧ベクトルの位相θが90〜180度の場合に、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比の導出手法を説明するためのベクトル図である。図34は−Vac*+Vbc*<Vdcの場合を示しており、図35は−Vac*+Vbc*≧Vdcの場合を示している。電圧ベクトルの位相θが90〜180度の場合は上述した数式14が成り立つ。
この関係の下で、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比、Du,Dv,Dwの導出手法を説明する。図34、図35において座標が(Vac,Vbc)=(Vac*,Vbc*)となる点(図中の△印)の電圧ベクトルV11,V12の出力方法を説明する。まず、図34及び図35中の●印の電圧ベクトルV10を出力する方法について説明する。原点と△印の点とを結ぶ直線は数式30で表現できる。また、電圧ベクトルV(0,1,0)の終点と電圧ベクトルV(0,1,1)の終点とを結ぶ直線は次式で表現できる。
Figure 0005251344
数式30で表される直線と数式35で表される直線とが交差する点の座標は、(Vac,Vbc)=(Vac*÷(−Vac*+Vbc*)×Vdc,Vbc*÷(−Vac*+Vbc*)×Vdc)である。電圧ベクトルV10の終点は、電圧ベクトルV(0,1,0)の終点と電圧ベクトルV(0,1,1)の終点とを−Vac*対Vbc*に内分する点である。電圧ベクトルV10を出力するには、電圧ベクトルV(0,1,0)のときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルと電圧ベクトルV(0,1,1)のときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルとの出力時間の比を(Vbc*÷(−Vac*+Vbc*))対(−Vac*÷(−Vac*+Vbc*))にすれば良い。即ち、制御信号Su,Sv,SwのDuty比(Du,Dv,Dw)が次式となれば良い。
Figure 0005251344
換言すると、電圧ベクトルV10を出力するには、電力変換部1のU相アームのスイッチング素子2、3をオンオフ制御するための制御信号Suをローレベルにし、V相アームのスイッチング素子4、5をオンオフ制御するための制御信号Svをハイレベルにし、W相アームのスイッチング素子6、7をオンオフ制御するための制御信号SwのDuty比をVac*÷(Vac*−Vbc*)にすれば良い。
続いて、−Vac*+Vbc*<Vdcの場合に、電力変換部1が出力すべき△印の電圧ベクトルV11の出力方法について説明する。図34の横軸に注目すると、電圧ベクトルV11は電圧ベクトルV10を(−Vac*+Vbc*)÷Vdc倍したものであることが分かる。即ち、電圧ベクトルV11の終点は、原点と電圧ベクトルV10の終点とを((−Vac*+Vbc*)÷Vdc)対(1−(−Vac*+Vbc*)÷Vdc)に内分する点である。
従って、−Vac*+Vbc*<Vdcの場合、電圧ベクトルV11を出力するには、電圧ベクトルV(0,0,0)のときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルと電圧ベクトルV10のときに出力する制御信号Su,Sv,Swの信号レベルとの出力時間の比を(1−(−Vac*+Vbc*)÷Vdc)対((−Vac*+Vbc*)÷Vdc)にすれば良い。即ち、制御信号Su,Sv,SwのDuty比(Du,Dv,Dw)が次式となれば良い。
Figure 0005251344
また、線間電圧VabはVdcより大きな電圧振幅を発生できない。図35に示すような−Vac*+Vbc*≧Vdcの場合は、△印の電圧ベクトルV12は出力できないため、●印の電圧ベクトルV10を出力すれば良い。即ち、制御信号Su,Sv,SwのDuty比(Du,Dv,Dw)が次式となれば良い。
Figure 0005251344
以下では、数式37,数式38と、スイッチング信号演算部10cとの関係について説明する。制御信号Su,Sv,SwのDuty比を数式37で示す値とするためには、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*をどのような値にすれば良いかについて説明する。
Duは制御信号SuのDuty比である。Duが数式37で表される場合、制御信号Suが0の割合でハイレベルになれば良い。キャリア信号発生器13が出力するキャリア信号αcは最小値が0、最大値がVdcとなる三角波である。このため、コンパレータ14が制御信号Suをデューティ比が0となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*としてデューティ比DuをVdc倍した値、即ち0を出力すれば良い。
同様に、Dvは制御信号SvのDuty比であり、Dvが数式37で表される場合、制御信号Svが(−Vac*+Vbc*)÷Vdcの割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ15が、制御信号Svをデューティ比が(−Vac*+Vbc*)÷Vdcとなるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vb*として(−Vac*+Vbc*)÷VdcをVdc倍した値、即ち−Vac*+Vbc*を出力すれば良い。
同様に、Dwは制御信号SwのDuty比であり、Dwが数式37で表される場合、制御信号Swが−Vac*÷Vdcの割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ16が制御信号Swをデューティ比が−Vac*÷Vdcとなるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vc*として−Vac*÷VdcをVdc倍した値、即ち−Vac*を出力すれば良い。これらの関係を勘案すれば、数式14及び数式15の関係が成立する場合に電圧ベクトルV11を出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を上述した数式16で与えれば良い。
次に、制御信号Su,Sv,SwのDuty比を数式38で示す値とする方法も同様に考えれば良い。Duは制御信号SuのDuty比である。Duが数式38で表される場合、制御信号Suが0の割合でハイレベルになれば良い。キャリア信号発生器13が出力するキャリア信号αcは最小値が0、最大値がVdcとなる三角波である。このため、コンパレータ14が制御信号Suをデューティ比が0となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*として0をVdc倍した値、即ち0を出力すれば良い。
同様に、Dvは制御信号SvのDuty比であり、Dvが数式38で表される場合、制御信号Svが1の割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ15が制御信号Svをデューティ比が1となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vb*として1をVdc倍した値、即ちVdcを出力すれば良い。
同様に、Dwは制御信号SwのDuty比であり、Dwが数式38で表される場合、制御信号SwがVac*÷(Vac*−Vbc*)の割合でハイレベルになれば良い。コンパレータ16が制御信号Swをデューティ比がVac*÷(Vac*−Vbc*)となるように出力するには、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Vc*としてVac*÷(Vac*−Vbc*)をVdc倍した値、即ちVac*÷(Vac*−Vbc*)×Vdcを出力すれば良い。これらの関係を勘案すれば、数式14の関係が成立し、且つ数式15の関係が成立しないときに、電圧ベクトルV12を出力しようとする場合は、相電圧指令演算器12cは相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を上述した数式17で与えれば良い。
以上の説明から、図33に記した表の電圧ベクトルの位相θが90〜180度の場合の相電圧指令Va*,Vb*,Vc*について導くことが可能である。同様に考えれば、電圧ベクトルの位相θが270〜360度の場合の相電圧指令Va*,Vb*,Vc*も導出することが可能である。図27〜29に記したフローチャートは、図33の表に示す相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を具体的に算出する手法を示したものである。
続いて、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値を変化させた場合、相電圧指令演算器12cが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係、及びスイッチング信号演算部10cが出力する制御信号Su,Sv,Swがどのように変化するかについて説明する。
図36〜図39は本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係、及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。図36〜図39において、線間電圧指令Vac*,Vbc*の周波数は100Hz、Vdcは282V、キャリア半周期Thcは250μ秒である。即ち、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期は0.01秒である。また、図中の”H”は2値信号のハイレベルを示し、”L”は2値信号のローレベルを示している。
図36は、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が141V、即ち、実効値が100Vの場合を示している。図36(a)〜(c)は相電圧指令Va*,Vb*,Vc*それぞれとキャリア信号αcとの関係を示しており、図36(d)〜(f)は制御信号Su,Sv,Swそれぞれを示している。
相電圧指令演算器12cが出力する相電圧指令Va*が0とVdcとの間の値である場合は、制御信号Suはキャリア信号αcの半周期Thcの間に一度、ハイレベルからローレベル、若しくはローレベルからハイレベルに変化する。相電圧指令Va*が0に等しい場合は、制御信号Suはローレベルに固定される。従って、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期の間に必ず一度は、制御信号Suの信号レベルがキャリア周期Tcより長い間固定されることがある。制御信号Sv,Swについても同様であり、制御信号Su,Sv,Swのそれぞれについて、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期の間に必ず一度は、信号レベルがキャリア周期Tcより長い間固定されることがある。
図37は、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が200V、即ち、実効値が141Vの場合を示している。図37(a)〜(c)は相電圧指令Va*,Vb*,Vc*それぞれとキャリア信号αcとの関係を示しており、図37(d)〜(f)は制御信号Su,Sv,Swそれぞれを示している。この場合も、図36の説明と同様に、制御信号Su,Sv,Swのそれぞれについて、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期の間に必ず一度は、信号レベルがキャリア周期Tcより長い間固定されることがある。
図38は、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が282V、即ち、実効値が200Vの場合を示している。図38(a)〜(c)は相電圧指令Va*,Vb*,Vc*それぞれとキャリア信号αcとの関係を示しており、図38(d)〜(f)は制御信号Su,Sv,Swそれぞれを示している。この場合も、制御信号Su,Sv,Swのそれぞれについて、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期の間に必ず一度は、信号レベルがキャリア周期Tcより長い間固定されることがある。特に、制御信号Su,Svについては、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期の間に2回、信号レベルがキャリア周期Tcより長い間固定されることがある。
図39は、線間電圧指令Vac*,Vbc*の波高値が400V、即ち、実効値が282Vの場合を示している。図39(a)〜(c)は相電圧指令Va*,Vb*,Vc*それぞれとキャリア信号αcとの関係を示しており、図39(d)〜(f)は制御信号Su,Sv,Swそれぞれを示している。この場合は、制御信号Su,Sv,Swのそれぞれについて、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期の間に2回、信号レベルがキャリア周期Tcより長い間固定されることがある。
以上のように、相電圧指令演算器12cは、線間電圧指令Vac*,Vbc*と零との3つの値の大小関係をSTEP102,STEP106,STEP111,STEP115,STEP121において場合分けし、その結果に基づいて、相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を出力する。図33の表に示したように、電圧ベクトルの位相θに応じて、適切な相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を出力することが可能である。その結果、第1の巻線の一端aに接続したU相アーム、及び第2の巻線の一端bに接続したV相アームの消費電力を抑制しつつ、高い電圧を二相交流回転機9に出力することができる。
また、本実施の形態4の場合、線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値の大きさに係わらず(即ち、線間電圧指令Vab*の実効値の大きさに関わらず)、制御信号Su,Sv,Swのそれぞれについて、線間電圧指令Vac*,Vbc*の基本波周期の間に少なくとも一度は、信号レベルがキャリア周期Tcより長い間固定されるようにしている。
本実施の形態4における二相交流回転機9の制御装置は、従来より高い電圧を二相交流回転機9に印加でき、電圧利用率の向上という効果を得ることができる。また、U相アームのスイッチング素子2、3及びV相アームのスイッチング素子4、5のスイッチング回数が減るため、スイッチングに起因する消費電力の抑制効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1による二相交流回転機9の制御装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における二相交流回転機9の線間電圧Vac,Vbc,Vabを示す波形図である。 図2に示す線間電圧Vac,Vbc,Vabの振幅を示す波形図である。 本発明の実施の形態1における二相交流回転機9の線間電圧Vac,Vbc,Vabを示す波形図である。 図4に示す線間電圧Vac,Vbc,Vabの振幅を示す波形図である。 本発明の実施の形態1におけるスイッチング信号演算部10を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における相電圧指令演算器12を示す構成図である。 本発明の実施の形態1におけるキャリア信号αcを示す波形図である。 本発明の実施の形態1における相電圧指令演算器12が出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示す波形図である。 本発明の実施の形態1における相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係を示す波形図である。 本発明の実施の形態1における制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。 本発明の実施の形態1における電力変換部1が出力する線間電圧Vac,Vbc,Vabを示す波形図である。 本発明の実施の形態2におけるスイッチング信号演算部10aを示す構成図である。 本発明の実施の形態2におけるキャリア信号αcを示す波形図である。 本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aを示す構成図である。 本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*、Vb*、Vc*を示す波形図である。 本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示す波形図である。 本発明の実施の形態2における相電圧指令演算器12aが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*を示す波形図である。 本発明の実施の形態2における相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。 本発明の実施の形態2における相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。 本発明の実施の形態2における相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。 本実施の形態2における線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値と二相交流回転機9に印加される線間電圧Vac,Vbcの実効値との関係を示す図である。 本実施の形態3におけるスイッチング信号演算部10bを示す構成図である。 本実施の形態3における相電圧指令演算器12bを示す構成図である。 本実施の形態3における線間電圧指令Vac*,Vbc*の実効値と二相交流回転機9に印加される線間電圧Vac,Vbcの実効値との関係を示す図である。 本実施の形態4におけるスイッチング信号演算部10cを示す構成図である。 本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4における電力変換部1が出力可能な線間電圧Vacと線間電圧Vbcとの関係を示すベクトル図である。 本発明の実施の形態4における電圧ベクトルの位相θが0〜45度の場合に、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比の導出手法を説明するためのベクトル図である。 本発明の実施の形態4における電圧ベクトルの位相θが0〜45度の場合に、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比の導出手法を説明するためのベクトル図である。 本発明の実施の形態4における相電圧演算器12cが演算する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*の演算式を示す表である。 本発明の実施の形態4における電圧ベクトルの位相θが90〜180度の場合に、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比の導出手法を説明するためのベクトル図である。 本発明の実施の形態4における電圧ベクトルの位相θが90〜180度の場合に、制御信号Su,Sv,SwそれぞれのDuty比の導出手法を説明するためのベクトル図である。 本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係、及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。 本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係、及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。 本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係、及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。 本発明の実施の形態4における相電圧指令演算器12cが出力する相電圧指令Va*,Vb*,Vc*とキャリア信号αcとの関係、及び制御信号Su,Sv,Swを示す波形図である。
符号の説明
1 電力変換部、2〜7 スイッチング素子、8 直流電圧源、
9 二相交流回転機、10,10a,10b,10c スイッチング信号演算部、
12,12a,12b,12c 相電圧指令演算器、
13,13a キャリア信号発生器、14〜16 コンパレータ。

Claims (4)

  1. 二相交流回転機の第1の巻線の一端と接続する第1のアームと、前記二相交流回転機の第2の巻線の一端と接続する第2のアームと、前記第1及び第2の巻線の他端を結んだ結合端と接続する第3のアームとを有し、直流電源の直流電圧を交流電圧に変換して、前記第1及び第2の巻線に印加する電力変換部と、
    記第1及び第2の巻線それぞれに印加すべき電圧を示す2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第1の制御信号、前記第2のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第2の制御信号、及び前記第3のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第3の制御信号を生成し、各々の制御信号を前記電力変換部に出力するスイッチング信号演算部とを備え、
    前記スイッチング信号演算部は、
    キャリア信号を発生するキャリア信号発生器と、
    前記2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第1の相電圧指令と、前記第2の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第2の相電圧指令と、前記結合端に印加すべき電圧を示す第3の相電圧指令とを生成する相電圧指令演算器と、
    前記キャリア信号と前記3つの相電圧指令とに基づいて前記3つの制御信号を生成し各々の制御信号を前記電力変換部に出力するコンパレータとを備え、
    前記相電圧指令演算器は、前記2つの線間電圧指令と零との3つの値の中で最大となる値と、前記3つの値の中で最小となる値とに基づいて、前記3つの相電圧指令を生成する
    ことを特徴とする二相交流回転機の制御装置。
  2. 二相交流回転機の第1の巻線の一端と接続する第1のアームと、前記二相交流回転機の第2の巻線の一端と接続する第2のアームと、前記第1及び第2の巻線の他端を結んだ結合端と接続する第3のアームとを有し、直流電源の直流電圧を交流電圧に変換して、前記第1及び第2の巻線に印加する電力変換部と、
    前記第1及び第2の巻線それぞれに印加すべき電圧を示す2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第1の制御信号、前記第2のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第2の制御信号、及び前記第3のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第3の制御信号を生成し、各々の制御信号を前記電力変換部に出力するスイッチング信号演算部とを備え、
    前記スイッチング信号演算部は、
    キャリア信号を発生するキャリア信号発生器と、
    前記2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第1の相電圧指令と、前記第2の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第2の相電圧指令と、前記結合端に印加すべき電圧を示す第3の相電圧指令とを生成する相電圧指令演算器と、
    前記キャリア信号と前記3つの相電圧指令とに基づいて前記3つの制御信号を生成し各々の制御信号を前記電力変換部に出力するコンパレータとを備え、
    前記相電圧指令演算器は、前記2つの線間電圧指令の差に基づいて前記第1及び前記第2の相電圧指令を生成し、前記2つの線間電圧の和に基づいて前記第3の相電圧指令を生成する
    ことを特徴とする二相交流回転機の制御装置。
  3. 二相交流回転機の第1の巻線の一端と接続する第1のアームと、前記二相交流回転機の第2の巻線の一端と接続する第2のアームと、前記第1及び第2の巻線の他端を結んだ結合端と接続する第3のアームとを有し、直流電源の直流電圧を交流電圧に変換して、前記第1及び第2の巻線に印加する電力変換部と、
    前記第1及び第2の巻線それぞれに印加すべき電圧を示す2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第1の制御信号、前記第2のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第2の制御信号、及び前記第3のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第3の制御信号を生成し、各々の制御信号を前記電力変換部に出力するスイッチング信号演算部とを備え、
    前記スイッチング信号演算部は、
    キャリア信号を発生するキャリア信号発生器と、
    前記2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第1の相電圧指令と、前記第2の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第2の相電圧指令と、前記結合端に印加すべき電圧を示す第3の相電圧指令とを生成する相電圧指令演算器と、
    前記キャリア信号と前記3つの相電圧指令とに基づいて前記3つの制御信号を生成し各々の制御信号を前記電力変換部に出力するコンパレータとを備え、
    前記相電圧指令演算器は、前記2つの線間電圧指令と零との3つの値の大小関係に基づいて、前記3つの相電圧指令を生成する
    ことを特徴とする二相交流回転機の制御装置。
  4. 二相交流回転機の第1の巻線の一端と接続する第1のアームと、前記二相交流回転機の第2の巻線の一端と接続する第2のアームと、前記第1及び第2の巻線の他端を結んだ結合端と接続する第3のアームとを有し、直流電源の直流電圧を交流電圧に変換して、前記第1及び第2の巻線に印加する電力変換部と、
    前記第1及び第2の巻線それぞれに印加すべき電圧を示す2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第1の制御信号、前記第2のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第2の制御信号、及び前記第3のアームに設けられたスイッチング素子を制御するための第3の制御信号を生成し、各々の制御信号を前記電力変換部に出力するスイッチング信号演算部とを備え、
    前記スイッチング信号演算部は、
    キャリア信号を発生するキャリア信号発生器と、
    前記2つの線間電圧指令に基づいて、前記第1の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第1の相電圧指令と、前記第2の巻線の一端に印加すべき電圧を示す第2の相電圧指令と、前記結合端に印加すべき電圧を示す第3の相電圧指令とを生成する相電圧指令演算器と、
    前記キャリア信号と前記3つの相電圧指令とに基づいて前記3つの制御信号を生成し各々の制御信号を前記電力変換部に出力するコンパレータとを備え、
    前記相電圧指令演算器は、
    前記第1の巻線に印加すべき電圧を示す第1の線間電圧指令及び前記第2の巻線に印加すべき電圧を示す第2の線間電圧指令が共に正の値である場合は、前記第3の相電圧指令を0とし、前記第1の線間電圧指令が前記第2の線間電圧指令より小さく、且つ前記第1の線間電圧指令が負の値である場合は、前記第1の相電圧指令を0とし、前記第1の線間電圧指令が前記第2の線間電圧指令より大きく、且つ前記第2の線間電圧指令が負の値である場合は、前記第2の相電圧指令を0とする、
    ことを特徴とする二相交流回転機の制御装置。
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