JP5251218B2 - 測定装置および測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物体の中空形状を測定する測定装置および測定方法に関する。
従来、物体の中空形状を非接触で測定する方法として、距離センサ法や斜入射光学系法などが知られている。例えば、距離センサ法は、中空内側にレーザ光を投光して物体を回転させながら反射光の変位を測定し、物体の中空形状を測定する方法である(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−38820号公報
従来技術による距離センサ法は、物体の中空形状を一度に得ることができず、物体や光源を回転させる必要があり、装置が複雑になるだけでなく、精度面での問題もあった。
本発明の目的は、誤差の少ない中空形状の測定装置および測定方法を提供することである。
本発明に係る測定装置は、中空筒状の被測定物の内側形状を測定する測定装置であって、前記中空筒状の軸方向である第1の方向に光を送光する送光部と、前記光を前記第1の方向と略直交する方向に前記光の進行方向を変換する変換部と、前記変換部で変換され前記被測定物の内側に向かう前記光の一方の外縁と他方の外縁とが前記第1の方向に沿って区別可能になるように物理的変調を与える変調部と、前記変換部で方向が変換された前記光のうち前記被測定物の内側で反射した前記光の合焦情報と前記物理的変調の情報とを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと所定基準位置からのずれを求めることにより前記被測定物の内側形状を測定する形状測定部とを備えることを特徴とする。
また、前記検出部は、前記物理的変調を受けた前記光の前記一方の外縁と前記他方の外縁とを検出ることを特徴とする。
また、前記変換部と前記被測定物とを前記第1の方向に相対移動させる移動部をさらに備え、前記形状測定部は、前記変換部と前記被測定物と複数の相対位置において前記被測定物の内側形状を測定することを特徴とする。
また、前記形状測定部は、前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと、前記所定基準位置からのずれとに基づいて前記測定位置を補正することを特徴とする。
また、前記送光部は、前記光を発生する光源と、前記光源からの前記光を導き前記所定基準位置に焦点を有する第1の光学系と、前記焦点よりも前記光源側であり前記第1の光学系の前記焦点と共役な位置に配置され所定形状の開口を有する第1の光制限部材と、前記被測定物から戻ってきた前記光を結像させる第2の光学系とを備え、前記検出部は、前記第2の光学系により前記所定基準位置にある前記被測定物の像が結像する結像面に配置される受光部を備えることを特徴とする。
また、前記第1の光制限部材から前記被測定物に照射される前記光からなるリング状の光束のうち、前記リング状の光束の中心位置から片側半分だけを遮光する所定形状の開口を有する第2の光制限部材を設けたことを特徴とする。
また、前記第2の光制限部材を透過する前記リング状の光束の両端の第1の外縁と第2の外縁とで異なる変調をかける色フィルタを設けたことを特徴とする。
前記第2の光制限部材を透過する前記リング状の光束の両端の第1の外縁と第2の外縁との少なくとも一方の外縁の位置を同心円状に任意に変更する形状可変機構を設けたことを特徴とする。
前記検出部は、前記色フィルタを透過した前記リング状の光束が前記被測定物の内側で反射して投影される前記リング状の光束の色検出を行って前記一方の外縁と前記他方の外縁とを検出することを特徴とする。
また、前記送光部を前記第1の方向とは異なる方向から光を送光する位置に配置し、前記被測定物と前記送光部との間にあって、前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向に反射すると共に、前記被測定物からの戻ってくる光を前記受光部側に透過するハーフミラーを設けたことを特徴とする。
また、前記変換部を円錐形状のミラーで構成したことを特徴とする。
また、前記第1の光制限部材を、前記光をリング状に透過するスリットを有する円形スリットで構成したことを特徴とする。
本発明に係る測定方法は、中空筒状の被測定物の内側形状を測定する測定方法であって、光を送光部が前記中空筒状の軸方向である第1の方向に送光し、かつ、前記送光部が送光する前記光の進行方向を変換部が前記第1の方向と略直交する方向に変換し、かつ、変調部が前記被測定物の内側に向かう前記光の一方の外縁と他方の外縁とが前記第1の方向に沿って区別可能になるように物理的変調を与え、前記物理的変調与えられた前記光のうち前記被測定物の内側で反射した前記光の合焦情報と前記物理的変調の情報とを検出部で検出し、前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと所定基準位置からのずれを求めることにより前記被測定物の内側形状を測定することを特徴とする。
また、前記物理的変調を受けた前記光の前記一方の外縁と前記他方の外縁とを検出することを特徴とする。
また、前記変換部と前記被測定物とを前記第1の方向に相対移動させながら前記検出を行い、前記変換部と前記被測定物と複数の相対位置において前記被測定物の内側形状を測定することを特徴とする。
また、前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと、前記所定基準位置からのずれとに基づいて前記測定位置を補正することを特徴とする。
本発明によれば、内面に傾きのある中空筒状の被測定物の内側形状を測定することができる。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る中空形状測定装置101のブロック図である。中空形状測定装置101は、中空筒状の物体の内側形状を所定の高さ毎に測定して断面形状を求め、求めた断面形状を高さ方向に合成することによって、物体の中空形状を立体的に構築する装置である。
中空形状測定装置101は、光源系102と、円形スリット103と、光制限スリット104と、照明レンズ105と、ハーフミラー106と、対物レンズ107と、円錐型ミラー108と、結像レンズ110と、撮像部111と、画像処理部112と、Z軸駆動部本体113と、移動部114と、パソコン115とで構成される。
尚、光源系102と、照明レンズ105および対物レンズ107で構成される光学系(第1の光学系)と、第1の光学系の焦点と共役な位置に配置された円形スリット103(第1の光制限部材)と、被測定物109から戻ってきた光を撮像部111の受光面に結像させる結像レンズ110(第2の光学系)とで送光部を構成する。また、ハーフミラー106は、第1の光学系と第2の光学系の双方に属し、光源系102からの光を被測定物109側に送ると共に被測定物109から戻ってきた光を撮像部111側に送る役割をする。さらに、光源系102,円形スリット103,光制限スリット104,照明レンズ105,ハーフミラー106,対物レンズ107,円錐型ミラー108,結像レンズ110および撮像部111は、移動部114により支持され一体となって測定光学系を構成し上下に移動する。尚、光制限スリット104(第2の光制限部材)は、円形スリット103より被測定物109側に配置される。
移動部114は、ハーフミラー106に光源系102の光が入射する部分と、円錐型ミラー108の円周方向にあって被測定物109内側に挿入される移動部114の先端部分114aはガラスなどの透明な部材でできている。また、移動部114は、土台(不図示)に固定されたZ軸駆動部本体113によって、中心軸C1の方向に上下に駆動される。移動部114の先端部分114aは、被測定物109の凹部に出入りして被測定物109の内側形状を測定する。
光源系102から照射された光は、視野絞りに相当する円形スリット103のスリット103aを通って光制限スリット104に入射される。光制限スリット104を光束が通る際に、光束の半分(光束の中心を示す一点鎖線154を中心とする例えば内側部分の光束151)が遮蔽され、照明レンズ105側には出力されない。
ここで、円形スリット103および光制限スリット104の形状について、図2を用いて詳しく説明する。図2(a)に示した円形スリット103は、光源系102から照射される光をリング状に透過するスリット103aが設けられている。ここで、図1および図2(a)の一点鎖線154は、リング状の光束の中央位置を示す。
一方、図2(b)に示した光制限スリット104は、円形スリット103のスリット103aを透過する光束の内側を遮蔽して外側の光束だけを透過するリング状のスリット104aが設けられている。このため、一点鎖線C2およびC3より内側の光束は遮蔽され、一点鎖線C2およびC3より外側の光束だけが透過される。図2(b)の場合は、リング状スリット104aの内径がリング状の光束の中央位置を示す一点鎖線154の位置にあるので、リング状スリット104aは光束の外側半分だけ透過する。
また、リング状のスリット104aには、同心円状に異なる色のフィルタ104bおよびフィルタ104cがはめ込まれている。フィルタ104bおよびフィルタ104cは、一点鎖線C7およびC8で示したように、リング状のスリット104aを透過する光束の内側部分と外側部分とを分離する位置に配置される。このため、光制限スリット104を透過した光束の内側はフィルタ104bの色の光となり、光制限スリット104を透過した光束の外側はフィルタ104cの色の光となる。尚、フィルタ104bとフィルタ104cとの境界は、スリット104aの中央位置である必要はない。
ここで、円形スリット103および光制限スリット104は、例えば、液晶板を用いてリング状に光を透過するように液晶を制御することで実現できる。或いは、ガラス板などに遮光部分を蒸着したり、透過部分をエッチングするなどの方法によっても構わない。また、遮蔽率により撮像部111の感度がかわる。また、フィルタ104bおよびフィルタ104cは、光制限スリット104のスリット104aの部分に色を蒸着して実現しても構わない。
光制限スリット104で光束の半分を遮蔽された光は、照明レンズ105を通ってハーフミラー106に入射される。ハーフミラー106は入射する光の方向を変換して、対物レンズ107側に反射する。ここで、ハーフミラー106が反射する光の方向を第1の方向と定義すると、ハーフミラー106で第1の方向に反射された光は、対物レンズ107を介して円錐型ミラー108に送光され、円錐型ミラー108で第1の方向に略直交する全周方向に被測定物109の内側に向けて水平に照射される。つまり、円錐型ミラー108は、第1の方向と略直交する方向に光の方向を変換する変換部として作用する。
円錐型ミラー108から水平に照射された光は、被測定物109の内側で反射して再び円錐型ミラー108に再び入射され、対物レンズ107側に反射された後、ハーフミラー106および結像レンズ110を通って撮像部111の受光面に結像される。尚、撮像部111の受光面と、視野絞りを構成する円形スリット103と、被測定物109を設置する基準位置とは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっている。また、ハーフミラー106で反射したリング状の光束のリング中心と円錐型ミラー108の中心は一致している。
ここで、円錐型ミラー108の形状について、図3を用いて説明する。図3(a)は円錐型ミラー108の斜視図、同図(b)は上面図、同図(c)は側面図をそれぞれ示している。ハーフミラー106を介して第1の方向に反射された光束の中心を示す一点鎖線154は、円錐型ミラー108の外側に傾斜したミラー部分108aで第1の方向と略直交する方向に反射され、被測定物109の内側に照射される。この様子を詳しく描いたのが図1(a)である。光制限スリット104で遮光されずに透過した光束は、例えば、光束の中心を示す一点鎖線154から光束の外側を示す点線152の間にあり、円錐型ミラー108のミラー部分108aで反射される。さらに、光束の外側を示す点線152は被測定物109で反射し、実線153で示すように、再び円錐型ミラー108で対物レンズ107の方向に反射される。つまり、被測定物109の内側で反射して戻ってくる光束も半分が遮蔽されたままであり、光束の中心を示す一点鎖線154から光束の外側を示す実線153の間にある。
この様子を図4を用いて説明する。図4は、図1の中空形状測定装置101の光学的な構成を描いた図で、図1と同符号のものは同じものを示している。光源系102は、光源120、照明のNAを決める開口絞り121、光源120の光を集光するレンズ122、受光側のNAを決める結像絞り123で構成される。尚、先に説明したように、撮像部111の受光面と、視野絞りを構成する円形スリット103と、基準位置における被測定物109のエリアとは光学的に共役の位置にあり、これらの3ヶ所で焦点が合う状態になっていることがわかる。図4において、光制限スリット104で光束の半分が遮蔽されているので、被測定物109から戻ってくる光束も半分が遮蔽され、斜線で示した光束の半分160は撮像部111には入射されない。
次に、フィルタ104bおよびフィルタ104cの効果について、図5および図6を用いて詳しく説明する。尚、実際には、図1において、撮像素子111と被測定物109の大きさの関係によりテレセントリック光学系で縮小や拡大を行うが、ここでは説明を容易にするために、図5および図6は等倍のテレセントリック光学系として説明する。等倍テレセントリック系とすることにより、図5および図6において、光源系102から投光される光束の焦点位置に仮想スクリーン301を置いた場合の像と、受光側の焦点位置(撮像素子111の結像面)に投影される像とが等しくなる。つまり、仮想スクリーン301にできる像の大きさ(幅や長さなど)は、撮像素子111の撮影画像から測定可能である。以下、仮想スクリーン301上の像の状態で説明を行う。
尚、図5および図6とも被測定物109の内面402が垂線401に対し角度θの傾きを持っている場合について示している。特に、図5は被測定物109の内面位置が基準寸法より大きい場合を示し、図6は被測定物109の内面位置が基準寸法より小さい場合を示している。また、光制限スリット104を透過して投光される光の照明NAは、光学系の設計値などから既知であるものとする。従って、図1の光制限スリット104を透過して投光される光は、図5および図6において、照明NAにより線152から線154の角度αを持って披測定物109の内面に照射される。ここで、線152は図1の点線152に対応する光束の外側エッジで、線154は図1の一点鎖線154に対応する光束の内側エッジである。また、図2で説明したように、光制限スリット104のフィルタ104bとフィルタ104cにより、線154から線155の間の光束はフィルタ104bの色が付いており、線155から線152の間の光束はフィルタ104cの色が付いている。尚、線155は、フィルタ104bによって作られる照明NAである。また、線156は線154の平行線で、線154と垂線401は直角に交わる。
図5において、披測定物109の内面402が垂線401に対して角度θだけ傾いているので、線154の法線位置からの光線が被測定物109の内面402の点P2で反射した光は仮想スクリーン301上の位置O2に投影される。この時、点P2での入射角および反射角はそれぞれ角度θに等しいので、線分O0−P2と線分O2−P2とが為す角度は2θとなる。同様に、線152の角度からの光線が被測定物109の内面402の点P1で反射した光は仮想スクリーン301上の位置O3に投影される。この時、被測定物109の内面の傾きは、垂線401に対して時計回りを正、反時計回りを負とすると、図5のθはマイナスの値を持つ。従って、線152の角度からの光線の点P1での入射角および反射角はそれぞれ角度(α+θ)と書けるので、線分O0−P1と線分O3−P1とが為す角度は2(α+θ)となる。今、線154と平行線である線156と線分O0−P1とが為す角度はαなので、線156と線153’とが為す角度はα+2θとなる。
ところが、角度θや角度αの値や基準寸法からのずれ量Lの値によっては、位置O2と位置O3との関係が判別できないことがある。例えば、図5のように被測定物109の内面位置が基準寸法より大きい場合と、図6のように被測定物109の内面位置が基準寸法より小さい場合とでは、仮想スクリーン301に投影される像の位置O2と位置O3との位置関係が上下逆になる。このため、仮想スクリーン301に投影される像の両端位置が、光制限スリット104を透過した光束の外側エッジによるものか内側エッジによるものかを判別することができない。
そこで、本実施形態に係る中空形状測定装置101では、光制限スリット104のスリット104aを透過する光束はフィルタ104bおよびフィルタ104cを通るので、仮想スクリーン301上に投影される像の色を検出することにより(実際には撮像部111にカラーカメラ等色判別可能な撮像素子を用いることにより)、光制限スリット104の外側エッジを透過した光束か内側エッジを透過した光束かを判別することが可能になる。この結果、内側エッジを透過した光束の像の位置O2と外側エッジを透過した光束の像の位置O3とを正確に見分けることができる。尚、位置O2と位置O3の位置検出は、撮像素子111で撮影した画像を画像処理部112でエッジ検出の画像処理を行うことで実現できる。例えば、フィルタ104bまたはフィルタ104cの色毎に撮影像に微分をかけ、そのピークを検出することにより明暗の境界を求め、撮像面の座標から位置O2,位置O3の位置を読み取ることができる。
画像処理により求められた像の位置O2と位置O3と、既知の照明NAによる角度αとにより、披測定物109の内面位置の基準寸法からのずれ量L、披測定物109の内面の傾きθ、θにより実際の測定位置ΔZは、以下の式の関係を持っている。尚、各式において、O2およびO3の値は、位置O2および位置O3の位置O0に対する距離を示すものとする。また、以下の各式において、被測定物109の内面の傾きは、垂線401に対して時計回りを正、反時計回りを負としているので、先に説明したように、図5のθはマイナスの値を持ち、同様に変位ΔLもマイナスの値を持つ。
図5において、O2の値は式1により求めることができる。
O2=(L−ΔL)・tan(2θ) ・・・式1
また、O3の値は式2により求めることができる。
O3=L・tan(α+2θ)+L・tan(α) ・・・式2
ここで、ΔZは式3で表すことができ、ΔLは式3を用いて式4で表すことができる。
ΔZ=L・tan(α) ・・・式3
ΔL=ΔZ・tan(θ)= L・tan(θ)・tan(α) ・・・式4
また、式2からLの値は、式5のように求めることができる。
L=O3/(tan(α+2θ)+tan(α)) ・・・式5
上記の式1,式4,式5において、先に述べたように、O2の値とO3の値と角度αとは既知なので、式1と式4と式5の連立方程式を解けば、被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面の傾きθ,変位ΔLの3つの変数を求めることができる。また、ずれ量Lが分かれば、式3より実際の垂線方向(Z軸方向)の測定位置のずれ量ΔZが求まる。尚、照明NA値の算出は、基準寸法からの水平方向のずれ量Lが既知で、且つ被測定物109として内面の傾きがない校正用被測定物を用いることにより、式5から角度αとして求めることができる。また、先に説明したように、上記の各式は等倍のテレセントリック光学系の場合を示し、実際の撮像部111に投影される像は等倍とは限らないため、拡大率または縮小率に応じた係数を掛ける必要がある。
同様に、図6に示した被測定物109の内面位置が基準寸法より小さい場合においても、式1から式5は成立するので、被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面の傾きθ,変位ΔL,Z軸方向の測定位置のずれ量ΔZを求めることができる。尚、図6において、図5と同符号のものは同じものを示す。図6が図5と異なるのは、仮想スクリーン301が被測定物109の内面401より外側に位置することである。
図6において、披測定物109の内面402が垂線401に対して角度θだけ傾いているので、線154の法線位置からの光線が被測定物109の内面402の点P3で反射した光(線154’)は仮想スクリーン301上の位置O2に投影されるのと等価である。このため、線分O0−P3と線分O2−P3とが為す角度は2θとなる。同様に、線152の角度からの光線が被測定物109の内面402の点P4で反射した光(線153’)は仮想スクリーン301上の位置O3に投影されるのと等価である。この時、被測定物109の内面402の傾きは、垂線401に対して時計回りを正、反時計回りを負とすると、図6のθはマイナスの値を持つので、線152の方向から到来する光線の点P4での入射角および反射角はそれぞれ角度(α+θ)と書けるので、線分O0−P4と線分O3−P4とが為す角度は2(α+θ)となる。今、線154と平行線である線156と線分O0−P4とが為す角度はαなので、線156と線153’とが為す角度はα+2θとなる。
このようにして、図5で説明した場合と同様に、仮想スクリーン301と同じ像を撮像部111で撮影して、画像処理部112で位置O2および位置O3を求めることができる。また、照明NAから角度αは既知なので、式1と式4と式5の連立方程式を解けば、被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面の傾きθ,変位ΔLの3つの変数を求めることができる。また、ずれ量Lが分かれば、式3より実際の垂線401方向(Z軸方向)の測定位置のずれ量ΔZが求まる。以降、図5および図6で説明した方法で、被測定物109の全周方向の内面402の位置を求め、そのZ軸位置での被測定物109の内側形状を測定できる。例えば、図7は被測定物109の穴径が基準内径(点線円)より大きい場合に、45度毎に被測定物109の内面位置を求める場合を示しており、像が広がっている光リング(網掛け部分)の中央位置としてポイント8点(×印)が求まる。その後、これらのポイントから最小自乗法などの数学的手法を用いて測定誤差を排除し、被測定物の中心や被測定物の内径を算出する。
次に、画像処理部112は、ケーブル117を介して接続されているZ軸駆動部本体113に指令を送り、円錐型ミラー108を保持する移動部114をZ軸方向に所定ピッチで上下させる。つまり、測定光学系と円錐型ミラー108との相対位置を変化させる。以降同様に、移動部114のZ軸方向の所定位置毎に撮像部111から画像データを入力し、入力した画像データを処理して、Z軸方向の所定位置における被測定物109の内側形状をZ軸方向の位置毎に求めていく。
次に、撮像部111の受光面に結像される画像を構成する点の像について図8を用いて説明する。同図(a)は、光制限スリット104が無い場合に、被測定物109の内側のある点を撮像部111で撮影した時の様子を示した図で、測定位置において穴径が異なる場合の光束の広がり、つまり撮像部111におけるピントのずれ(画像のボケ)の変化を描いてある。ここで、被測定物109の内径によってピントがずれるが、合焦位置の内径を基準穴径と定義し、中空形状測定装置101の光学系は、この基準穴径でピントがぴったり合うように予め校正されているものとする。
同図(a)の451および451aから451fは撮像部111で撮像される像を示しており、直線401で示した部分が基準穴径の場合を示し、直線401より紙面上側に向かって穴径が大きくなり、逆に紙面下側に向かって穴径が小さくなる。例えば、基準穴径を撮影した場合は、光束451のように画像のボケはないが、穴径が基準穴径より大きくなるに従って、光束451a,451bおよび451cのように光束が広がっていく。同様に、穴径が基準穴径より小さくなるに従って、光束451d,451eおよび451fのように光束が広がっていく。つまり、光束の広がり量から基準穴径からのずれの大きさを計測することができる。ところが、この時の光束の広がり方は、穴径が大きくなっても小さくなっても基準穴径の合焦位置を通る軸C4の両側に同じように光束が広がるので、このままでは穴径が大きくなったのか小さくなったのか判別できない。
これに対して、本実施形態の場合は光制限スリット104によって被測定物109に照射する光束の半分を遮光しているので、穴径が異なる場合の光束の広がりの変化は図8(b)のようになる。同図において、基準穴径を撮影した場合は、光束452のように画像のボケはないが、穴径が基準穴径より大きくなるに従って、光束452a,452bおよび452cのように点線C5に沿って光束が広がっていく。同様に、穴径が基準穴径より小さくなるに従って、光束452d,452eおよび452fのように点線C5に沿って光束が広がっていく。ところが、図8(a)の場合とは異なり、光束452a,452bおよび452cの光束の広がり方は軸C4の紙面右側の点線C5の方向だけであり、同様に、光束452d,452eおよび452fの光束の広がり方は軸C4の紙面左側の点線C5の方向だけである。つまり、点線C5が軸C4より右側方向に広がっているか左側方向に広がっているかによって、被測定物109の穴径が基準穴径より大きくなったのか小さくなったのかを判別することができる。画像処理部112は、この判別結果と光束の広がり量から基準穴径からのずれの大きさを計測し、被測定物109の内側形状が基準穴径に対してどれだけ大きいか或いは小さいかを求めることができる。
図8では撮像部111の受光面に結像された光束の様子について説明したが、図8は被測定物109の内面の傾きθが0の場合を示している。先に図5および図6で説明したように、被測定物109の内面の傾きθが0でない場合は、図9に示したように撮像部111の受光面に結像される。尚、図9(a)はθがマイナスの場合の図8(b)の図面に対応し、図9(b)はθがプラスの場合の図8(b)の図面に対応する。尚、図9において、図8と同符号のものは同じものを示し、θが0の場合は図8と同様に一点鎖線C4と点線C5とで挟まれた部分に穴径に応じた幅の像が広がっていく。これに対して、図9(a)のθがマイナスの場合は、実線C2と実線C3とで挟まれた部分に像が広がっていく。同様に、図9(b)のθがプラスの場合は、実線C2’と実線C3’とで挟まれた部分に像が広がっていく。尚、像が広がる方向は、θが0の場合と同様に、穴径が大きい場合は実線C2または実線C2’を基準として右側方向に像が広がり、穴径が小さい場合は実線C2または実線C2’を基準として左側方向に像が広がる。このようにして、画像処理部112は、撮像部111の受光面に結像された画像データを受け取ると、光束が広がる方向から被測定物109の内側形状が基準穴径よりも大きいか小さいかを判別することができる。
次に、中空形状測定装置101の測定の流れについて、図10のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)先ず、被測定物109を移動部114の下にセットする。
(ステップS202)次に、移動部114のZ軸方向の測定レンジ(移動範囲)やZ軸方向の測定ピッチ(移動ピッチ)などの測定仕様をパソコン115から入力する。パソコン115で入力された測定仕様は、ケーブル118を介して画像処理部112に出力され、画像処理部112はケーブル117を介してZ軸駆動部本体113に移動部114を測定開始位置に移動するよう指令する。
(ステップS203)移動部114の現在位置で光源系102から光を照射し、撮像部111で画像を撮影する。
(ステップS204)撮像部111で受光した画像をケーブル116を介して画像処理部112に出力する。
(ステップS205)画像処理部112は、被測定物109の内径(形状)を求める。この時、図5および図6で説明したように、被測定物109の内面の傾きθによる誤差を補正した内径を求める。
(ステップS206)測定仕様に従って、測定が完了したか否かを判断する。例えば、移動部114が設定されたZ軸方向の移動範囲の終了位置に達していない場合はステップS207に進み、終了位置に達している場合はステップS208に進む。
(ステップS207)移動部114を設定されたZ軸方向の測定ピッチに従って、次の測定位置までZ軸方向に移動してステップS203に戻り、当該位置での測定を行う。
(ステップS208)移動部114が設定されたZ軸方向の移動範囲の終了位置に達して測定を終了した場合は、被測定物109の内側の高さ(測定光学系との相対位置)毎の形状を求め、これらの形状を合成して中空形状データを作成する。
ここで、中空形状データの作成方法について、図11を用いて説明する。同図において、701から706は、Z軸方向(高さ方向)にそれぞれ高さ(n)から(n+5)まで所定ピッチ毎に可変した時の内側形状を示している。尚、図では分かり易いように内側形状は円で示しているが、被測定物109によっては半径が異なる凹凸のある形状になる。また、面の傾きによりΔZの位置ずれが各ポイントに生じるので、各高さ毎にΔZを加味した上で内側形状701から706を合成することによって、被測定物109の中空形状データを求めることができ、この中空形状データから立体的な中空形状109aを構築することができる。また、測定時に測定光の中心と被測定物109の中心とが一致していることが好ましいが、ずれていた場合には中空データを求めるときに補正することができる。
さて、図10のフローチャートに戻って説明を続ける。
(ステップS209)画像処理部112で作成された中空形状データは、ケーブル118を介してパソコン115に出力され、パソコン115の画面に表示される。
(ステップS210)必要に応じて、パソコン115では、キーボードやマウスを操作して、画面に表示されている被測定物109の任意の位置を指定して、画像処理部112から受け取った被測定物109の中空形状データから指定された各部の大きさや長さを表示する。
(ステップS211)全ての計測を終了する。
このようにして、所定ピッチで移動部114をZ軸方向に上下させながら被測定物に光が当たっている部分の内側形状を抽出し、これらを所定位置毎の内側形状として合成することによって、被測定物109の中空形状を測定することができる。測定した被測定物109の中空形状データは、ケーブル118を介してパソコン115に送られ、パソコン115で被測定物109の中空形状を表示することができる。
特に、本実施形態では、中空筒状の被測定物109の内面402が傾いている場合であっても、傾きθに応じてずれ量ΔZを補正するので、被測定物109の内側形状を高精度で測定することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る中空形状測定装置101は、図1に示した第1の実施形態に係る中空形状測定装置101と基本的には同じ構造であるが、光制限スリット104が異なる。本実施形態では、第1の実施形態の図2の光制限スリット104の代わりに、例えば、図12(b)および(c)に示した光制限スリット104’を用いる。尚、図12(a)は図2(a)と同じ円形スリット103を示している。ここで、図1および図12の一点鎖線154は、リング状の光束の中央位置を示す。
本実施形態における光制限スリット104’の特徴は、スリット幅を同心円上に可変できることである。図12(b)はスリット幅を狭くした場合を示し、図12(c)はスリット幅を広くした場合を示している。
図12(b)の場合の光制限スリット104’は、円形スリット103を透過した光束の半分を遮蔽して残りの半分を透過するリング状のスリット104’dが設けられている。光制限スリット104’の特徴は、一点鎖線C2およびC3で示したように、リング状のスリット104’dの内径がリング状の光束の中央位置を示す一点鎖線154の位置に対応しているため、リング状のスリット104’dは光束の外側の一部しか透過しない。
同様に、図12(c)の場合の光制限スリット104’は、円形スリット103を透過した光束の半分を遮蔽して残りの半分を透過するリング状のスリット104’eが設けられている。図12(c)の光制限スリット104’は、一点鎖線C2およびC3で示したように、リング状のスリット104’eの内径は図12(b)のリング状のスリット104’dの内径と変わらないが、リング状のスリット104’eの外側エッジC11およびC12は図12(b)のリング状のスリット104’dの外側エッジC9およびC10より広くなっている。
このように、光制限スリット104’を透過する光束の外側エッジの位置を可変することができる。尚、光制限スリット104’のスリット幅を可変する方法として、例えば、カメラの絞りの構造を応用することができる。このような可動部を光制限スリット104’に設け、画像処理部112またはパソコン115から光制限スリット104’の可動部を制御することによって、測定中に任意に光制限スリット104’のスリット幅を可変することができる。
次に、本実施形態に係る中空形状測定装置101の測定方法について説明する。本実施形態においても、第1の実施形態の図5および図6で説明した測定方法と同じようにして、被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面の傾きθ,変位ΔL,Z軸方向の測定位置のずれ量ΔZを求めることができる。
但し、第1の実施形態では、光制限スリット104に設けたフィルタ104bおよびフィルタ104cによって、図5および図6の位置O2と位置O3を区別するようにしたが、本実施形態では図12で説明した光制限スリット104’によって位置O2と位置O3を区別する。本実施形態に係る中空形状測定装置101は、測定中に光制限スリット104’は光束の外側エッジの位置を狭くしたり広くしたりできるので、例えば図5において、光束の外側エッジを示す線152の位置が線154に対して広がったり狭まったりする。この結果、仮想スクリーン301に投影される位置O3が仮想スクリーン301上を動く。画像処理部112は、撮像部111から入力する画像を解析して、動いている方のエッジを位置O3であると識別する。逆に動いていない方のエッジはO2であることがわかる。図6においても、動いている方のエッジを位置O3、動いていない方のエッジを位置O2であると識別することができる。
位置O2および位置O3を求めることができれば、第1の実施形態と同様に、式1と式4と式5の連立方程式より、被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面の傾きθ,変位ΔLの3つの変数を求めることができる。また、式3よりZ軸方向の測定位置のずれ量ΔZも求まる。
上記以外の処理は、第1の実施形態の図10のフローチャートと同じなので重複する説明は省略する。
このようにして、所定ピッチで移動部114をZ軸方向に上下させながら被測定物に光が当たっている部分の内側形状を抽出し、これらを所定位置毎の内側形状として合成することによって、被測定物109の中空形状を測定することができる。測定した被測定物109の中空形状データは、ケーブル118を介してパソコン115に送られ、パソコン115で被測定物109の中空形状を表示することができる。
特に、本実施形態では、光制限スリット104’の外側エッジの位置を可変するので、撮像部111から入力する画像において、光制限スリット104’のスリットを透過した光束の外側エッジと内側エッジとを容易に判別することが可能になる。この結果、中空筒状の被測定物109の内面402が傾いている場合であっても、傾きθに応じてずれ量ΔZを補正するので、被測定物109の内側形状を高精度で測定することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図13を用いて説明する。本実施形態に係る中空形状測定装置101は、図1に示した第1の実施形態に係る中空形状測定装置101と基本的には同じ構造であるが、撮像部111の配置が異なる。第1の実施形態の撮像部111は、被測定物109を設置する基準位置とは光学的に共役の位置にあったが、本実施形態に係る中空形状測定装置101’の撮像部111’は被測定物109を設置する基準位置と光学的な共役位置よりも上方に平行移動した位置に配置してある。
このため、図14および図15に示したように、被測定物109の内面形状を求めることができる。尚、図14は、第1の実施形態の図5に相当し、被測定物109の内面位置が基準寸法より大きい場合を示し、図15は、第1の実施形態の図6に相当し、被測定物109の内面位置が基準寸法より小さい場合を示している。また、図5および図6と同符号のものは同じものを示す。図14および図15において、図5および図6と異なるのは仮想スクリーン302の位置で、仮想スクリーン301の位置に対してΔXだけずれている。この理由は、先に説明したように、撮像部111’の位置が撮像部111の位置からずらして配置されているからである。この仮想スクリーンのずれΔXによって、位置O2および位置O3が投影される位置が位置O2’および位置O3’の位置にずれる。
次に、位置O2’および位置O3’から被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面402の傾きθ,変位ΔL,Z軸方向の測定位置のずれ量ΔZの求め方について説明する。
画像処理により求められた像の位置O2’と位置O3’と、既知の照明NAによる角度αとにより、披測定物109の内面位置の基準寸法からのずれ量L、披測定物109の内面の傾きθ、θによる測定位置のずれ量ΔZは、以下の式の関係を持っている。尚、各式において、O2’およびO3’の値は、位置O2’および位置O3’の位置O0’に対する距離を示すものとする。また、以下の各式において、被測定物109の内面402の傾きは、垂線401に対して時計回りを正、反時計回りを負としているので、図5のθはマイナスの値を持つ。同様に、変位ΔLもマイナスの値を持つ。また、ΔXもマイナスの値を持つ。
図14において、O2’の値は式6により求めることができる。
O2’=(L−ΔL+ΔX)・tan(2θ) ・・・式6
また、O3’の値は式7により求めることができる。
O3’=(L+ΔX)・tan(α+2θ)+(L+ΔX)・tan(α) ・・・式7
ここで、ΔZは式8で表すことができ、ΔLは式8を用いて式9で表すことができる。
ΔZ=L・tan(α) ・・・式8
ΔL=ΔZ・tan(θ)= L・tan(θ)・tan(α) ・・・式9
また、式7からLの値は、式10のように求めることができる。
L=O3’/(tan(α+2θ)+tan(α)) ・・・式10
上記の式6,式9,式10において、O2’の値とO3’の値と角度αとは既知なので、式6と式9と式10の連立方程式を解けば、被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面の傾きθ,変位ΔLの3つの変数を求めることができる。また、ずれ量Lが分かれば、式8より実際の垂線方向(Z軸方向)の測定位置のずれ量ΔZが求まる。尚、照明NAの値の算出は、基準寸法からの水平方向のずれ量Lが既知で、且つ被測定物109として内面の傾きがない校正用被測定物を用いることにより、式10より角度αとして求めることができる。また、上記の各式は等倍のテレセントリック光学系の場合を示し、実際の撮像部111’に投影される像は等倍とは限らないため、拡大率または縮小率に応じた係数を掛ける必要がある。
ここで、被測定物109の内面位置が基準位置に等しい場合、つまりL=0の場合、第1の実施形態で説明した式1から式5では、位置O3を特定できないので被測定物109の内面の傾きθを求めることはできないが、本実施形態の場合は以下のように算出できる。
O2’=ΔX・tan(2θ)
O3’=ΔX・tan(2θ+α)+ΔX・tan(α)
となり、O2’の値とO3’の値を算出できる。
また、L=ΔXの時も式6および式7より、
O3’=0
O2’=−ΔL・tan(2θ)
=L・tan(θ)・tan(α)・L・tan(2θ)
=ΔX・tan(θ)・tan(α)・L・tan(2θ)
となり、O2’の値とO3’の値を算出できる。
このようにして、被測定物109の基準位置からのずれ量L,披測定物109の内面の傾きθ,変位ΔL,Z軸方向の測定位置のずれ量ΔZを求めることができる。
本実施形態に係る中空形状測定装置101’の測定方法は、基本的には第1の実施形態の図10のフローチャートと同じであるが、ステップS205において被測定物109の内面の傾きθを求める際の処理が異なり、図14および図15で説明した方法により傾きθを求める。これ以外の処理は第1の実施形態と同じなので重複する説明は省略する。
このようにして、所定ピッチで移動部114をZ軸方向に上下させながら被測定物に光が当たっている部分の内側形状を精度良く抽出し、これらを所定位置毎の内側形状として合成することによって、被測定物109の中空形状を測定することができる。測定した被測定物109の中空形状データは、ケーブル118を介してパソコン115に送られ、パソコン115で被測定物109の中空形状を表示することができる。特に、本実施形態では、被測定物109の内面位置が基準位置に等しい場合、つまりL=0の場合でも被測定物109の内面402の傾きθを求めることができるので、より正確に被測定物109の中空形状を測定することができる。尚、撮像部111’を基準位置と光学的に共役位置よりも下方に平行移動しても同様に処理できる。
以上、各実施形態において説明してきたように、本発明の中空形状測定装置101は、中空筒状の物体の所定の高さ毎に基準穴径とのずれから内側形状を求め、高さを可変しながら測定した所定位置毎の内側形状を合成することによって物体の中空形状を立体的に構築することができる。特に、基準穴径とのずれから内側形状を求めるので、簡易な構成で複雑な演算を行う必要がない。また、一度に全ての等高線を得るモアレ法は、物体の高低差によって誤差が大きくなるという問題があったが、本実施形態による中空形状測定装置および測定方法では、高さ毎に内側形状を求めるので、物体の高低差に依らず高精度な測定が可能になる。また、全周にわたる内側形状を1回の撮影で得ることができるため、従来の触診式の3次元計測に比べて極めて高速に3次元計測を行うことができる。
尚、第1および第3の実施形態では光制限スリット104をカラーフィルタで構成し、第2の実施形態では光制限スリット104’を外側エッジを機械的に可変する用にしたが、光制限スリットを透過する光束の両端、つまり外側エッジ側(第1エッジ側)と内側エッジ側(第2エッジ側)とで異なる変調をかける手段であれば、例えば光制限スリットを液晶素子で構成し、外側エッジと内側エッジとで開口タイミングを変えて時間的変調を与えても、上記の実施例と同様の効果が得られることは明らかである。
また、各実施形態では、画像処理を行う画像処理部112と、中空形状測定装置101全体の操作や測定結果の表示を行うパソコン115とを別々に設けたが、パソコン115に画像処理部112のハードウェアおよびソフトウェアを内蔵するようにしても構わない。或いは、逆に画像処理部112に操作部や表示部を設けて、中空形状測定装置101専用の制御部としても構わない。
第1の実施形態に係る中空形状測定装置101の構成図である。 中空形状測定装置101の円形スリット103および光制限スリット104の構成図である。 中空形状測定装置101の円錐型ミラー108の構成図である。 中空形状測定装置101の光学系を示す補助図である。 測定原理を説明するための補助図である。 測定原理を説明するための補助図である。 測定原理を説明するための補助図である。 穴径と像の広がりを説明するための補助図である。 穴径と像の広がりを説明するための補助図である。 中空形状測定装置101の測定手順を示すフローチャートである。 中空形状の構築を説明するための補助図である。 第2の実施形態に係る中空形状測定装置101の光制限スリット104’を説明するための補助図である。 第3の実施形態に係る中空形状測定装置101’の構成図である。 測定原理を説明するための補助図である。 測定原理を説明するための補助図である。
符号の説明
101・・・中空形状測定装置;102・・・光源系;103・・・円形スリット;104・・・光制限スリット;105・・・照明レンズ;106・・・ハーフミラー;107・・・対物レンズ;108・・・円錐型ミラー;109・・・被測定物;110・・・結像レンズ;111・・・撮像部;112・・・画像処理部;113・・・Z軸駆動部本体;114・・・移動部;115・・・パソコン

Claims (16)

  1. 中空筒状の被測定物の内側形状を測定する測定装置であって、
    前記中空筒状の軸方向である第1の方向に光を送光する送光部と、
    前記光を前記第1の方向と略直交する方向に前記光の進行方向を変換する変換部と、
    前記変換部で変換され前記被測定物の内側に向かう前記光の一方の外縁と他方の外縁とが前記第1の方向に沿って区別可能になるように物理的変調を与える変調部と、
    前記変換部で方向が変換された前記光のうち前記被測定物の内側で反射した前記光の合焦情報と前記物理的変調の情報とを検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと所定基準位置からのずれを求めることにより前記被測定物の内側形状を測定する形状測定部と
    を備えることを特徴とする測定装置。
  2. 請求項1に記載の測定装置において、
    前記検出部は、前記物理的変調を受けた前記光の前記一方の外縁と前記他方の外縁とを検出ること
    を特徴とする測定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の測定装置において、
    前記変換部と前記被測定物とを前記第1の方向に相対移動させる移動部をさらに備え、
    前記形状測定部は、前記変換部と前記被測定物と複数の相対位置において前記被測定物の内側形状を測定すること
    を特徴とする測定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の測定装置において、
    前記形状測定部は、前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと、前記所定基準位置からのずれとに基づいて前記測定位置を補正すること
    を特徴とする測定装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の測定装置において、
    前記送光部は、前記光を発生する光源と、前記光源からの前記光を導き前記所定基準位置に焦点を有する第1の光学系と、前記焦点よりも前記光源側であり前記第1の光学系の前記焦点と共役な位置に配置され所定形状の開口を有する第1の光制限部材と、
    前記被測定物から戻ってきた前記光を結像させる第2の光学系と
    を備え、
    前記検出部は、前記第2の光学系により前記所定基準位置にある前記被測定物の像が結像する結像面に配置される受光部を備えること
    を特徴とする測定装置。
  6. 請求項5に記載の測定装置において、
    前記第1の光制限部材を、前記光をリング状に透過するスリットを有する円形スリットで構成したこと
    を特徴とする測定装置。
  7. 請求項に記載の測定装置において、
    前記第1の光制限部材から前記被測定物に照射される前記光からなるリング状の光束のうち、前記リング状の光束の中心位置から片側半分だけを遮光する所定形状の開口を有する第2の光制限部材を設けたこと
    を特徴とする測定装置。
  8. 請求項に記載の測定装置において、
    前記第2の光制限部材を透過する前記リング状の光束の両端の第1の外縁と第2の外縁とで異なる変調をかける色フィルタを設けたこと
    を特徴とする測定装置。
  9. 請求項に記載の測定装置において、
    前記第2の光制限部材を透過する前記リング状の光束の両端の第1の外縁と第2の外縁との少なくとも一方の外縁の位置を同心円状に任意に変更する形状可変機構を設けたこと
    を特徴とする測定装置。
  10. 請求項に記載の測定装置において、
    前記検出部は、前記色フィルタを透過した前記リング状の光束が前記被測定物の内側で反射して投影される前記リング状の光束の色検出を行って前記一方の外縁と前記他方の外縁とを検出すること
    を特徴とする測定装置。
  11. 請求項から請求項10のいずれか一項に記載の測定装置において、
    前記送光部を前記第1の方向とは異なる方向から前記光を送光する位置に配置し、
    前記被測定物と前記送光部との間にあって、前記送光部が送光する前記光を前記第1の方向に反射すると共に、前記被測定物からの戻ってくる前記光を前記受光部側に透過するハーフミラーを設けたこと
    を特徴とする測定装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の測定装置において、
    前記変換部を円錐形状のミラーで構成したこと
    を特徴とする測定装置。
  13. 中空筒状の被測定物の内側形状を測定する測定方法であって、光を送光部が前記中空筒状の軸方向である第1の方向に送光し、かつ、前記送光部が送光する前記光の進行方向を変換部が前記第1の方向と略直交する方向に変換し、かつ、変調部が前記被測定物の内側に向かう前記光の一方の外縁と他方の外縁とが前記第1の方向に沿って区別可能になるように物理的変調を与え、前記物理的変調与えられた前記光のうち前記被測定物の内側で反射した前記光の合焦情報と前記物理的変調の情報とを検出部で検出し、前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと所定基準位置からのずれを求めることにより前記被測定物の内側形状を測定すること
    を特徴とする測定方法。
  14. 請求項13に記載の測定方法において、
    前記物理的変調を受けた前記光の前記一方の外縁と前記他方の外縁とを検出すること
    を特徴とする測定方法。
  15. 請求項13または請求項14に記載の測定方法において、
    前記変換部と前記被測定物とを前記第1の方向に相対移動させながら前記検出を行い、前記変換部と前記被測定物と複数の相対位置において前記被測定物の内側形状を測定すること
    を特徴とする測定方法。
  16. 請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の測定方法において、
    前記第1の方向に対する前記被測定物の内側の測定位置における傾きと、前記所定基準位置からのずれとに基づいて前記測定位置を補正する
    ことを特徴とする測定方法。
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