JP5251048B2 - 発光触媒活性を有するポリペプチド - Google Patents

発光触媒活性を有するポリペプチド Download PDF

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Description

本発明は、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含む組換えベクター、該組換えベクターを含有する形質転換体、該ポリペプチドの製造方法などに関する。
現在までに報告されているルシフェリン-ルシエラーゼ発光反応系のうち、単純な発光反応系は、発光基質(ルシフェリン)、酸素および酵素(ルシフェラーゼ)のみで行われる系である。そのような発光反応系で用いられるルシフェラーゼのうち、イミダゾピラジノン化合物であるセレンテラジンおよびウミホタルルシフェリンを発光基質とするルシフェラーゼ群(例えば、表1記載のルシフェラーゼなど)は、その遺伝子が単離されており、発光検出装置の進歩と高感度化および汎用機の普及にともない、産業上重要な酵素あるいはレポーター蛋白質としてすでに認知され広く利用されている。そのようなルシフェラーゼ群については、種々の検出法の確立も進んでいる。しかし、これまで開示されているルシフェラーゼを産業上利用する場合には、それぞれ短所、長所があり、すべての目的にあったルシフェラーゼは存在しない。したがって、それぞれの用途にあわせて、適切なルシフェラーゼを選択する必要がある。
表1 イミダゾピラジノン系ルシフェラーゼの分類
Figure 0005251048
これらイミダゾピラジノン系ルシフェラーゼの分子量は様々である。たとえば、レポーター遺伝子として使用する場合あるいは、融合蛋白質として使用する場合、分子量が小さいほど遺伝子組換え操作が簡便となり非常に有利である。分子量が小さいルシフェラーゼとしては、甲殻類に属するヒメオドシエビに由来する分泌型エビルシフェラーゼの触媒ドメイン19kDa(169 アミノ酸)およびカイアシに属するガウシアに由来する分泌型ガウシアルシフェラーゼ(168アミノ酸)などがあげられ、なかでも分泌型ガウシアルシフェラーゼがこれまで報告されているルシフェラーゼの中で最も小さいルシフェラーゼである。ガウシアルシフェラーゼの一次構造中には、遺伝子重複により形成されたと推定される71アミノ酸の重複が見いだされているが、その触媒活性についての検討は全くされていない。
ガウシアルシフェラーゼの遺伝子およびアミノ酸配列(195アミノ酸)については、すでに報告されている(例えば、特許文献1:WO99/49019)。また、ガウシアと同一種に含まれ、ガウシアルシフェラーゼと相同性を示すメトリデアルシフェラーゼ遺伝子およびアミノ酸配列(219アミノ酸)も、報告されている(例えば、非特許文献1:J. Biol. Chem. 279, 3212-3217 (2004))。
国際公開第99/49019号パンフレット Markova, S. V., Golz, S., Frank, L. A., Kalthof, B., and Vysotski, E. S. (2004) Cloning and expression of cDNA for a luciferase from the marine copepod Metridia longa. J. Biol. Chem. 279, 3212-3217.
上記状況において、ルシフェリンを発光基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドであって、より少ないアミノ酸残基数からなるアミノ酸配列を含有するポリペプチドが求められていた。そのようなポリペプチドを得ることができれば、人工触媒創出の為の重要な足がかりとなり、そのポリペプチド(ドメイン)を基に新規な発光触媒活性を有する分子であるポリペプチド(酵素)を創出することも可能となる。
本発明者は、鋭意研究の結果、深海生息の甲殻類由来の分泌型ルシフェラーゼの27〜97番目のアミノ酸配列または98〜168番目のアミノ酸配列を含有するポリペプチドが、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性を有することを見いだした。
また、ガウシアルシフェラーゼ、またはガウシアルシフェラーゼの27〜97番目のアミノ酸配列もしくは98〜168番目のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの発光触媒活性が、ハロゲン化物イオンによって活性化されることを見いだした。
これらの知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
(a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:1または配列番号:3に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
ただし、配列番号:6で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質を除く、
(1a) 以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
(a)配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:1のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:1に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:2の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
ただし、配列番号:6で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質を除く、
(1b) 以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
(a)配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:3のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:3に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
ただし、配列番号:6で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質を除く、
(2) 以下の(a)〜(d)のいずれかである上記(1)記載のポリペプチド:
(a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:1または配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(2a) 以下の(a)〜(d)のいずれかである上記(1a)記載のポリペプチド:
(a)配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:1のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:1に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:2の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド、
(2b) 以下の(a)〜(d)のいずれかである上記(1b)記載のポリペプチド:
(a)配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:3のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド、
(3) 配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドである、上記(1)記載のポリペプチド、
(3a) 配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドである、上記(1a)記載のポリペプチド、
(3b) 配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドである、上記(1b)記載のポリペプチド、
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(5) 以下の(e)〜(i)のいずれかである上記(4)記載のポリヌクレオチド:
(e)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(f)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(g)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(h)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
(i)配列番号:1または配列番号:3に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(5a) 以下の(e)〜(i)のいずれかである上記(4)記載のポリヌクレオチド:
(e)配列番号:2の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(f)配列番号:2の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(g)配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(h)配列番号:1のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
(i)配列番号:1に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(5b) 以下の(e)〜(i)のいずれかである上記(4)記載のポリヌクレオチド:
(e)配列番号:4の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(f)配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(g)配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(h)配列番号:3のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
(i)配列番号:3に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(6) 以下の(e)〜(i)のいずれかである上記(4)記載のポリヌクレオチド:
(e)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(f)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(g)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(h)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
(i)配列番号:1または配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(6a) 以下の(e)〜(i)のいずれかである上記(4)記載のポリヌクレオチド:
(e)配列番号:2の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(f)配列番号:2の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(g)配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(h)配列番号:1のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
(i)配列番号:1に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(6b) 以下の(e)〜(i)のいずれかである上記(4)記載のポリヌクレオチド:
(e)配列番号:4の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(f)配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(g)配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
(h)配列番号:3のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
(i)配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(7) 上記(4)〜(6b)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(8) 上記(7)記載の組換えベクターが導入された形質転換体、
(9) 上記(8)記載の形質転換体を培養し、上記(1)〜(3b)のいずれかに記載のポリペプチドを生成させる工程を含む、上記(1)〜(3b)のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法、
(10) 上記(1)〜(3b)のいずれかに記載のポリペプチドを含むキット、
(11) 上記(4)〜(6b)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、上記(7)記載の組換えベクターまたは上記(8)記載の形質転換体を含むキット;
(12) さらにルシフェリンを含む、上記(10)または(11)記載のキット、
(13) ルシフェリンがセレンテラジン類である、上記(12)記載のキット、
(14) セレンテラジン類がセレンテラジンである、上記(13)記載のキット、
(15) 以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
(a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:1または配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド、
と、ルシフェリンとを接触させることを含む、発光反応を行う方法、
(16) ハロゲン化物イオン存在下で発光反応を行う、上記(15)記載の方法、
(17) ハロゲン化物イオンが、フッ素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである、上記(16)記載の方法、
(18) ハロゲン化物イオンを用いて、以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
(a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
(b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
(c)配列番号:1または配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
(d)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;または
以下の(a)〜(d)のいずれかに記載の蛋白質:
(a)配列番号:6のアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有する蛋白質;
(b)配列番号:6のアミノ酸配列において1〜25個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加したアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有する蛋白質;
(c)配列番号:6のアミノ酸配列と約90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有する蛋白質;および
(d)配列番号:5の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリンを基質とする発光触媒活性を有する蛋白質、
の発光活性を活性化する方法、
(19) ハロゲン化物イオンが、フッ素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである、上記(18)記載の方法
などを提供する。
本発明のポリペプチドなどは、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性を有し、かつ分子量が小さいので、発光触媒活性を有するポリペプチドの生産効率を向上させることが可能となる。
本発明の発光活性を活性化する方法によれば、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質などの発光効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
1.本発明のポリペプチド
本発明のポリペプチドIとは、配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチドおよび配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドを意味する。本明細書中、配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチドおよび配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドを「カルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ」と称することがある。
本発明のポリペプチドIIとは、配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドおよび配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドを意味する。本明細書中、配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドおよび配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドを「アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ」と称することがある。
本発明のポリペプチドIと本発明のポリペプチドIIとをまとめて「本発明のポリペプチド」と称することがある。
本発明で用いられる蛋白質とは、配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質および配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質を意味する。本発明で用いられる蛋白質には、「ガウシアルシフェラーゼ」が含まれる。
実質的に同質の活性もしくは機能とは、例えば、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性、すなわち、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)が酸素分子で酸化されてオキシルシフェリンが励起状態で生成する反応を触媒する活性、を意味する。なお、励起状態で生成したオキシルシフェリンは可視光を発して基底状態となる。
本発明で用いられるルシフェリンとしては、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の基質となりうるルシフェリンであればよい。本発明で用いられるルシフェリンとしては、具体的にはセレンテラジン類があげられる。
本明細書において、セレンテラジン類とは、セレンテラジンおよびセレンテラジン誘導体を意味する。セレンテラジン誘導体としては、例えば、h-セレンテラジン、hcp-セレンテラジン、cp-セレンテラジン、f-セレンテラジン、fcp-セレンテラジン、n-セレンテラジン、Bis-セレンテラジン、MeO-セレンテラジン、e-セレンテラジン、cl-セレンテラジンch-セレンテラジンなどがあげられる。
本発明のポリペプチドとしては、より具体的には、例えば(a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチド;(b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加したアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチド;(a’)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチド;または(b’)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加したアミノ酸配列からなり、かつ配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドなどがあげられる。
本発明で用いられる蛋白質としては、より具体的には、例えば;(a)配列番号:6のアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質;(b)配列番号:6のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加したアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質;(a’)配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質;または(b’)配列番号:6のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加したアミノ酸配列からなり、かつ配列番号:6に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質などがあげられる。
本明細書において、「1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列」における「1〜複数個」の範囲は、例えば、1〜50個、1〜30個、1〜25個、1〜22個、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜9個、1〜8個、1〜7個、1〜6個(1〜数個)、1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個、1個である。欠失、置換、挿入もしくは付加したアミノ酸の数は、一般的に少ないほど好ましい。上記アミノ酸残基の欠失、置換、挿入および付加のうち2種以上が同時に生じてもよい。このような蛋白質は、「モレキュラークローニング第3版」、「カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー」、“Nuc. Acids. Res., 10, 6487 (1982)”、“Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 79, 6409 (1982)”、“Gene, 34, 315 (1985)”、“Nuc. Acids. Res., 13, 4431 (1985)”、“Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 488 (1985)”等に記載の部位特異的変異導入法を用いて、取得することができる。
配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列における欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列において、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列の5番目、6番目、8番目、26番目、27番目、29番目、30番目、31番目、34番目、39番目、44番目、45番目、48番目、50番目、51番目、53番目、65番目、68番目および71番目のアミノ酸のうち、例えば5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、11個以上、12個以上、13個以上、14個以上、15個以上、16個以上、17個以上、18個以上または19個全てのアミノ酸が欠失または置換されていないのが好ましい。前記欠失または置換されていないアミノ酸の数は、一般的に多いほど好ましい。
本発明のポリペプチドIの具体例としては、例えば、配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配列からなるポリペプチドなどがあげられる。
本発明のポリペプチドIIの具体例としては、例えば、配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番号:17のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチドなどがあげられる。
本発明で用いられる蛋白質の具体例としては、例えば、配列番号:6のアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:8のアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質、配列番号:8のアミノ酸配列からなる蛋白質などがあげられる。
配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとしては、配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号:13のアミノ酸配列からなるポリペプチドなどがあげられる。
配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとしては、配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチド、配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチドなどがあげられる。
配列番号:6のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質、配列番号:8のアミノ酸配列からなる蛋白質などがあげられる。
配列番号:1のアミノ酸配列における1もしくは数個のアミノ酸の置換の例としては、配列番号:1のアミノ酸配列の(1)1番目のArgがIleに置換、(2)2番目のGlyがProに置換、(3)3番目のLysがGluに置換、(4)4番目のLeuがIleに置換、(5)7番目のLysがPheに置換、(6)9番目のLeuがAspに置換、(7)10番目のProがLeuに置換、(8)11番目のLeuがGluに置換、(9)12番目のGluがProに置換、(10)13番目のValがMetに置換、(11)14番目のLeuがGluに置換、(12)15番目のLysがGlnに置換、(13)16番目のGluがPheに置換、(14)17番目のMetがIleに置換、(15)18番目のGluがAlaに置換、(16)19番目のAlaがGlnに置換、(17)20番目のAsnがValに置換、(18)21番目のAlaがAspに置換、(19)22番目のArgがLeuに置換、(20)23番目のLysがCysに置換、(21)24番目のAlaがValに置換、(22)25番目のGlyがAspに置換、(23)28番目のArgがThrに置換、(24)32番目のIleがLysに置換、(25)33番目のCysがGlyに置換、(26)35番目のSerがAlaに置換、(27)36番目のHisがAsnに置換、(28)37番目のIleがValに置換、(29)38番目のLysがGlnに置換、(30)40番目のThrがSerに置換、(31)41番目のProがAspに置換、(32)42番目のLysがLeuに置換、(33)43番目のMetがLeuに置換、(34)46番目のPheがTrpに置換、(35)47番目のIleがLeuに置換、(36)49番目のGlyがGlnに置換、(37)52番目のHisがAlaに置換、(38)54番目のTyrがPheに置換、(39)55番目のGluがAlaに置換、(40)56番目のGlyがSerに置換、(41)57番目のAspがLysに置換、(42)58番目のLysがIleに置換、(43)59番目のGluがGlnに置換、(44)60番目のSerがGlyに置換、(45)61番目のAlaがGlnに置換、(46)62番目のGlnがValに置換、(47)63番目のGlyがAspに置換、(48)64番目のGlyがLysに置換、(49)66番目のGlyがLysに置換、(50)67番目のGluがGlyに置換、(51)69番目のIleがGlyに置換、(52)70番目のValがGlyに置換、(53)またはこれらの置換の組み合わせなどがあげられる。
配列番号:3のアミノ酸配列における1もしくは数個のアミノ酸の置換の例としては、配列番号:3のアミノ酸配列の(1)1番目のIleがArgに置換、(2)2番目のProがGlyに置換、(3)3番目のGluがLysに置換、(4)4番目のIleがLeuに置換、(5)7番目のPheがLysに置換、(6)9番目のAspがLeuに置換、(7)10番目のLeuがProに置換、(8)11番目のGluがLeuに置換、(9)12番目のProがGluに置換、(10)13番目のMetがValに置換、(11)14番目のGluがLeuに置換、(12)15番目のGlnがLysに置換、(13)16番目のPheがGluに置換、(14)17番目のIleがMetに置換、(15)18番目のAlaがGluに置換、(16)19番目のGlnがAlaに置換、(17)20番目のValがAsnに置換、(18)21番目のAspがAlaに置換、(19)22番目のLeuがArgに置換、(20)23番目のCysがLysに置換、(21)24番目のValがAlaに置換、(22)25番目のAspがGlyに置換、(23)28番目のThrがArgに置換、(24)32番目のLysがIleに置換、(25)33番目のGlyがCysに置換、(26)35番目のAlaがSerに置換、(27)36番目のAsnがHisに置換、(28)37番目のValがIleに置換、(29)38番目のGlnがLysに置換、(30)40番目のSerがThrに置換、(31)41番目のAspがProに置換、(32)42番目のLeuがLysに置換、(33)43番目のLeuがMetに置換、(34)46番目のTrpがPheに置換、(35)47番目のLeuがIleに置換、(36)49番目のGlnがGlyに置換、(37)52番目のAlaがHisに置換、(38)54番目のPheがTyrに置換、(39)55番目のAlaがGluに置換、(40)56番目のSerがGlyに置換、(41)57番目のLysがAspに置換、(42)58番目のIleがLysに置換、(43)59番目のGlnがGluに置換、(44)60番目のGlyがSerに置換、(45)61番目のGlnがAlaに置換、(46)62番目のValがGlnに置換、(47)63番目のAspがGlyに置換、(48)64番目のLysがGlyに置換、(49)66番目のLysがGlyに置換、(50)67番目のGlyがGluに置換、(51)69番目のGlyがIleに置換、(52)70番目のGlyがValに置換、(53)またはこれらの置換の組み合わせなどがあげられる。
配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドとしては、例えば、配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列と約80%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドもあげられる。より具体的には、例えば、(c)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドとしては、例えば、配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列と約80%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドなどがあげられる。
配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質としては、例えば、配列番号:6のアミノ酸配列と約80%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質もあげられる。より具体的には、例えば、(c)配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質としては、例えば、配列番号:6のアミノ酸配列と約80%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性を有する蛋白質などがあげられる。
上記同一性の数値は、一般的に大きいほど好ましい。なお、アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、BLAST(例えば、Altzshul S. F. et al., J. Mol. Biol. 215, 403 (1990)、など参照)やFASTA(Pearson W. R., Methods in Enzymology 183, 63 (1990)、など参照)等の解析プログラムを用いて決定できる。BLASTまたはFASTAを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。
また、本発明のポリペプチドには、配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチド、(d)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドも含まれる。
また、本発明で用いられる蛋白質には、配列番号:5の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性もしくは機能を有する蛋白質、(d)配列番号:5の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含有し、かつルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光触媒活性を有する蛋白質も含まれる。
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドについては、後記する。
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質はさらに精製のためのペプチド配列および/または分泌シグナルペプチドを含んでいてもよい。精製のためのペプチド配列としては、当技術分野において用いられているペプチド配列を使用することができる。精製のためのペプチド配列としては、例えば、ヒスチジン残基が4残基以上、好ましくは6残基以上連続したアミノ酸配列を有するヒスチジンタグ配列、グルタチオン S−トランスフェラーゼのグルタチオンへの結合ドメインのアミノ酸配列またはプロテインAのアミノ酸配列などがあげられる。分泌シグナルペプチドとは、当該分泌シグナルペプチドに結合された蛋白質またはポリペプチドを、細胞膜透過させる役割を担うペプチド領域を意味する。このような分泌シグナルペプチドのアミノ酸配列およびそれをコードする核酸配列は、当技術分野において周知であり、報告されている(例えばvon Heijine G (1988) Biochim. Biohys. Acra 947: 307-333、von Heijine G (1990) J. Membr. Biol. 115: 195-201など参照)。分泌シグナルペプチドとしては、より具体的には、例えば、大腸菌の外膜蛋白質A由来の分泌シグナルペプチド(OmpA)(Ghrayeb, J. et al. (1984) EMBO J. 3:2437-2442)、コレラ菌由来コレラトキシン由来の分泌シグナルペプチドなどがあげられる。
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の取得方法については特に制限はない。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質としては、化学合成により合成したポリペプチドでもよいし、遺伝子組換え技術により作製した組換え蛋白質であってもよい。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を化学合成する場合には、例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t-ブチルオキシカルボニル法)等により合成することができる。また、アドバンスドケムテック社製、パーキンエルマー社製、ファルマシア社製、プロテインテクノロジーインストゥルメント社製、シンセセルーベガ社製、パーセプティブ社製、島津製作所社製等のペプチド合成機を利用して化学合成することもできる。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を遺伝子組換え技術により作製する場合には、通常の遺伝子組換え手法により作製することができる。より具体的には、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA)を適当な発現系に導入することにより、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を作製することができる。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードするポリヌクレオチド、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の発現系での発現などについては、後記する。
2.本発明のポリヌクレオチド
本発明は、前述した本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードするポリヌクレオチドも提供する。本発明のポリヌクレオチドとしては、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよいが、好ましくはDNAである。DNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、細胞・組織由来のcDNA、細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAなどがあげられる。ライブラリーに使用するベクターは、特に制限はなく、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織からtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
本発明のポリヌクレオチドには、(e)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;(f)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;(g)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;(h)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;または(i)配列番号:1または配列番号:3に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドなどが含まれる。
さらに、本発明のポリヌクレオチドには、(e)配列番号:5の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;(f)配列番号:5の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号:6のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;(g)配列番号:6のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;(h)配列番号:6のアミノ酸配列において1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:6のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;または(i)配列番号:6に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつ配列番号:6のアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の活性もしくは機能を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドなどが含まれる。
ここで、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド(例えばDNA)」とは、配列番号:2、配列番号:4または配列番号:5の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドまたは配列番号:1、配列番号:3または配列番号:6のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの全部または一部をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法またはサザンハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるポリヌクレオチドをいう。具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/LのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(Saline-sodium citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/L塩化ナトリウム、15mmol/Lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるポリヌクレオチドをあげることができる。
ハイブリダイゼーションは、Sambrook J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001)(以下、モレキュラー・クローニング第3版と略す)、Ausbel F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley and Sons (1987-1997)、Glover D. M. and Hames B. D., DNA Cloning 1: Core Techniques, A practical Approach, Second Edition, Oxford University Press (1995)等の実験書に記載されている方法に準じて行うことができる。
本明細書でいう「ストリンジェントな条件」は、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%(w/v)SDS、50%(v/v)ホルムアミド、32℃の条件である。また、「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%(w/v)SDS、50%(v/v)ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5(w/v)%SDS、50%(v/v)ホルムアミド、50℃の条件である。条件を厳しくするほど、二本鎖形成に必要とする相補性が高くなる。具体的には、例えば、これらの条件において、温度を上げるほど高い相同性を有するDNAが効率的に得られることが期待できる。ただし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度、プローブ濃度、プローブの長さ、イオン強度、時間、塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
なお、ハイブリダイゼーションに市販のキットを用いる場合は、例えばAlkphos Direct Labelling Reagents(アマシャムファルマシア社製)を用いることができる。この場合は、キットに添付のプロトコルにしたがい、標識したプローブとのインキュベーションを一晩行った後、メンブレンを55℃の条件下で0.1% (w/v) SDSを含む1次洗浄バッファーで洗浄後、ハイブリダイズしたDNAを検出することができる。
これ以外にハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドとしては、FASTA、BLAST等の解析プログラムにより、デフォルトのパラメータを用いて計算したときに、配列番号:1もしくは配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは配列番号:6のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするポリヌクレオチドと約80%以上、85%以上、88%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.3%以上、99.5%以上、99.7%以上、99.8%以上、99.9%以上の同一性を有するポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドをあげることができる。なお、アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、前述した方法を用いて決定できる。
あるアミノ酸配列に対して、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、部位特異的変異導入法(例えば、Gotoh, T. et al., Gene 152, 271-275 (1995)、Zoller, M.J., and Smith, M., Methods Enzymol. 100, 468-500 (1983)、Kramer, W. et al., Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456 (1984)、Kramer W, and Fritz H.J., Methods. Enzymol. 154, 350-367 (1987)、Kunkel,T.A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82, 488-492 (1985)、Kunkel, Methods Enzymol. 85, 2763-2766 (1988)、など参照)、アンバー変異を利用する方法(例えば、Gapped duplex法、Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456 (1984)、など参照)などを用いることにより得ることができる。
また目的の変異(欠失、付加、置換および/または挿入)を導入した配列をそれぞれの5’端に持つ1組のプライマーを用いたPCR(例えば、Ho S. N. et al., Gene 77, 51 (1989)、など参照)によっても、ポリヌクレオチドに変異を導入することができる。
また欠失変異体の一種であるポリペプチドの部分断片をコードするポリヌクレオチドは、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド中の作製したい部分断片をコードする領域の5’端の塩基配列と一致する配列を有するオリゴヌクレオチドおよび3’端の塩基配列と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを鋳型にしたPCRを行うことにより取得できる。
本発明のポリヌクレオチドの具体例としては、例えば、配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:13のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:17のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:13のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、などがあげられる。
本発明のポリヌクレオチドの具体例としては、例えば、配列番号:6のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:8のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:6のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、配列番号:8のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、などもあげられる。
配列番号:1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号:2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドなどがあげられる。配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号:4に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドなどがあげられる。配列番号:13に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号:14に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドなどがあげられる。配列番号:17に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号:18に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドなどがあげられる。
本発明のポリヌクレオチドは、精製のためのペプチド配列をコードするポリヌクレオチドおよび/または分泌シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでいてもよい。精製のためのペプチド配列をコードするポリヌクレオチドとしては、当技術分野において用いられている精製のためのペプチド配列をコードする塩基配列を含有するポリヌクレオチドを使用することができる。精製のためのペプチド配列としては、前記したものなどがあげられる。分泌シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、当記述分野において知られている分泌シグナルペプチドをコードする核酸配列を含有するポリヌクレオチドを使用することができる。分泌シグナルペプチドとしては、前記したものなどがあげられる。
3.本発明の組換えベクターおよび形質転換体
さらに、本発明は、上述した本発明のポリヌクレオチドを含有する組換えベクターおよび形質転換体を提供する。
(1)組換えベクターの作製
本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明のポリヌクレオチド(例えば、DNA)を連結(挿入)することにより得ることができる。より具体的には、精製されたポリヌクレオチド(DNA)を適当な制限酵素で切断し、適当なベクターの制限酵素部位またはマルチクローニングサイトに挿入して、ベクターに連結することにより得ることができる。本発明のポリヌクレオチドを挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミド、バクテリオファージ、動物ウイルス等があげられる。プラスミドとしては、例えば、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322, pBR325, pUC118, pUC119等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110, pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13, YEp24, YCp50等)などがあげられる。バクテリオファージとしては、例えば、λファージなどがあげられる。動物ウイルスとしては、例えば、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、昆虫ウイルス(例えば、バキュロウイルスなど)などがあげられる。
本発明のポリヌクレオチドは、通常、適当なベクター中のプロモーターの下流に、発現可能なように連結される。用いられるプロモーターとしては、形質転換する際の宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、Trpプロモーター、T7プロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーターなどが好ましい。宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなどが好ましい。宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH1プロモーター、GALプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
本発明の組換えベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)、選択マーカーなどを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子などがあげられる。
(2)形質転換体の作成
このようにして得られた、本発明のポリヌクレオチド(すなわち、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードするポリヌクレオチド)を含有する組換えベクターを、適当な宿主中に導入することによって、形質転換体を作成することができる。宿主としては、本発明のポリヌクレオチド(DNA)を発現できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、シュードモナス属菌、リゾビウム属菌、酵母、動物細胞または昆虫細胞などがあげられる。エシェリヒア属菌としては、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)などがあげられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)などがあげられる。シュードモナス属菌としては、例えば、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)などがあげられる。リゾビウム属菌としては、例えば、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)などがあげられる。酵母としては、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などがあげられる。動物細胞としては、例えば、COS細胞、CHO細胞などがあげられる。昆虫細胞としては、例えば、Sf9、Sf21などがあげられる。
組換えベクターの宿主への導入方法およびこれによる形質転換方法は、一般的な各種方法によって行うことができる。組換えベクターの宿主細胞への導入方法としては、例えば、例えばリン酸カルシウム法(Virology, 52, 456-457 (1973))、リポフェクション法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 7413 (1987))、エレクトロポレーション法(EMBO J., 1, 841-845 (1982))などがあげられる。エシェリヒア属菌の形質転換方法としては、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69, 2110 (1972)、Gene, 17, 107 (1982)などに記載の方法などがあげられる。バチルス属菌の形質転換方法としては、例えば、Molecular & General Genetics,168, 111 (1979)に記載の方法などがあげられる。酵母の形質転換方法としては、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,75,1929 (1978)に記載の方法などがあげられる。動物細胞の形質転換方法としては、例えば、Virology,52, 456 (1973)に記載の方法などがあげられる。昆虫細胞の形質転換方法としては、例えば、Bio/Technology, 6, 47-55 (1988)に記載の方法などがあげられる。このようにして、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードするポリヌクレオチド(本発明のポリヌクレオチド)を含有する組換えベクターで形質転換された形質転換体を得ることができる。
4.本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の製造
また、本発明は、前記形質転換体を培養し、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を生成させる工程を含む、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の製造方法を提供する。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質は、前記形質転換体を本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードするポリヌクレオチド(DNA)が発現可能な条件下で培養し、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を生成・蓄積させ、分離・精製することによって製造することができる。
(1)形質転換体の培養
本発明の形質転換体の培養は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。該培養によって、形質転換体によって本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質が生成され、形質転換体内または培養液中などに本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質が蓄積される。
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する培地としては、該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプンなどの炭水化物、酢酸、プロピオン酸などの有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩またはその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカーなどが用いられる。無機塩類としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウムなどが用いられる。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときにはイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)などを、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)などを培地に添加してもよい。
宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加える。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加える。
宿主が酵母である形質転換体を培養する培地としては、たとえばバークホールダー(Burkholder)最小培地(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4505 (1980))や0.5%(w/v)カザミノ酸を含有するSD培地(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, 5330 (1984))があげられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する培地としては、たとえば約5〜20%(v/v)の胎児牛血清を含むMEM培地(Science, 122, 501 (1952)),DMEM培地(Virology, 8, 396 (1959))などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する培地としては、Grace's Insect Medium(Nature,195,788(1962))に非働化した10%(v/v)ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
(2)本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の分離・精製
上記培養物から、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を分離・精製することによって、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を得ることができる。ここで、培養物とは、培養液、培養菌体もしくは培養細胞、または培養菌体もしくは培養細胞の破砕物のいずれをも意味する。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の分離・精製は、通常の方法に従って行うことができる。
具体的には、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質が培養菌体内もしくは培養細胞内に蓄積される場合には、培養後、通常の方法(例えば、超音波、リゾチーム、凍結融解など)で菌体もしくは細胞を破砕した後、通常の方法(例えば、遠心分離、ろ過など)により本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の粗抽出液を得ることができる。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質がペリプラズムスペース中に蓄積される場合には、培養終了後、通常の方法(例えば浸透圧ショック法など)により本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を含む抽出液を得ることができる。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質が培養液中に蓄積される場合には、培養終了後、通常の方法(例えば、遠心分離、ろ過など)により菌体もしくは細胞と培養上清とを分離することにより、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を含む培養上清を得ることができる。
このようにして得られた抽出液もしくは培養上清中に含まれる本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の精製は、通常の分離・精製方法に従って行うことができる。分離・精製方法としては、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、透析法、限外ろ過法などを単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質が上述した精製のためのペプチド配列を含有する場合、これを用いて精製するのが好ましい。具体的には、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質がヒスチジンタグ配列を含有する場合にはニッケルキレートアフィニティークロマト法、S−トランスフェラーゼのグルタチオンへの結合ドメインを含有する場合にはグルタチオン結合ゲルによるアフィニティークロマト法、プロテインAのアミノ酸の配列を含有する場合には抗体アフィニティークロマト法を用いることができる。
5.本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質などの利用
(レポーター蛋白質としての利用)
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質は、レポーター蛋白質としてプロモーターなどの転写活性の測定に利用することもできる。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質をコードするポリヌクレオチド(すなわち、本発明のポリヌクレオチド)を、目的のプロモーターまたは他の発現制御配列(例えば、エンハンサーなど)に融合したベクターを構築する。前記ベクターを宿主細胞に導入し、ルシフェリン存在下、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質に由来する発光を検出することにより、目的のプロモーターまたは他の発現制御配列の活性を測定することができる。
本発明のポリヌクレオチドは、上述のようにして、レポーター遺伝子として利用することができる。
(発光による検出マーカーとしての利用)
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質は、ルシフェリン存在下、発光による検出マーカーとして利用することができる。本発明の検出マーカーは、例えば、イムノアッセイまたはハイブリダイゼーションアッセイなどにおける目的物質の検出に利用することができる。本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を化学修飾法など通常用いられる方法により目的蛋白質あるいは目的核酸と結合させて使用することができる。このような検出マーカーを用いた検出方法は、通常の方法によって行うことができる。また、本発明の検出マーカーは、例えば、目的蛋白質との融合蛋白質として発現させ、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入することによって、前記目的蛋白質の分布を測定するために利用することもできる。このような目的タンパク質などの分布の測定は、発光イメージング等の検出法などを利用して行うこともできる。なお、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質は、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入する以外に、細胞内で発現させて用いることもできる。
(アミューズメント用品の材料)
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質は、ルシフェリンが酸素分子で酸化されてオキシルシフェリンが励起状態で生成される反応を触媒する活性を有する。励起状態のオキシルシフェリンは可視光を発して基底状態となる。よって、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質などは、アミューズメント用品の材料の発光基材として好適に使用することができる。アミューズメント用品としては、たとえば、発光シャボン玉、発光アイス、発光飴、発光絵の具等があげられる。本発明のアミューズメント用品は、通常の方法によって製造することができる。
6.本発明のキット
本発明は、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質、本発明のポリヌクレオチド、本発明の組換えベクターおよび本発明の形質転換体から選択されるいずれかを含むキットも提供する。本発明のキットには、さらにルシフェリン(例えば、セレンテラジンもしくはその誘導体)を含んでいてもよい。本発明のキットは、通常用いられる材料および方法で製造することができる。本発明のキットは、例えば、サンプルチューブ、プレート、キット使用者に対する指示書、溶液、バッファー、試薬、標準化のために好適なサンプルまたは対照サンプルを含んでもよい。本発明のキットには、さらに、ハロゲン化物イオンを含む塩などを含んでいてもよい。
本発明のキットは、上述したレポーター蛋白質もしくはレポーター遺伝子を用いた測定、蛍光マーカーなどに利用することができる。
7.発光反応方法および発光活性を活性化する方法
本発明は、ハロゲン化物イオンを用いて、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光活性(発光触媒活性)を活性化する方法も提供する。
(発光活性)
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質は、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を酸素分子で酸化して励起状態のオキシルシフェリンを生成させる反応を触媒する活性を有する。励起状態のオキシルシフェリンは、基底状態となる際に可視光を発する。すなわち、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質は、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光反応を触媒し、発光を生じさせる活性を有する。この活性を、本明細書において、「発光活性」と称することがある。
(発光反応)
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を用いた、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光反応は、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質ルシフェリンとを接触させることにより行うことができる。反応条件としては、ガウシアルシフェラーゼを用いた発光反応に通常用いられる条件またはそれに準じた条件で行うことができる(例えば、WO99/49019、J. Biol. CHem. 279, 3212-3217 (2004)、およびそれらの引用文献など参照)。
具体的には、反応溶媒としては、例えば、Tris-HCl緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液などの緩衝液、水、などが用いられる。
反応温度は、通常約10℃〜約40℃、好ましくは約20℃〜約40℃である。
反応溶液のpHは、通常約5〜約10、好ましくは約6〜約9、より好ましくは約7〜約8、特に好ましくは約7.5である。
ルシフェリンとしては、セレンテラジン類が好ましく、特にセレンテラジンが好ましい。
ルシフェリンは、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド等の極性溶媒や、メタンール、エタノール、ブタノール等のアルコール溶液として反応系に加えてもよい。
(発光活性の活性化)
本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の、ルシフェリン(例えば、セレンテラジン類)を基質とする発光活性(発光触媒活性)は、ハロゲン化物イオンにより活性化される。
ハロゲン化物イオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどがあげられ、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンが好ましい。
ハロゲン化物イオンの濃度は、通常約10μM〜約100mM、好ましくは約100μM〜約50mM、特に好ましくは約1mM〜約20mMである。
反応系にハロゲン化物イオンを添加する方法としては、塩として添加する方法などがあげられる。用いられる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩などがあげられる。より具体的には、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2、MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2、などがあげられる。
発明を実施するための最良の形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いる場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を実施できる。発明を実施するための最良の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
本明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
[配列番号:1]カルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ(本発明のポリペプチドI)のアミノ酸配列を表す。このアミノ酸配列は、配列番号:6のアミノ酸配列の27〜97番目のアミノ酸配列に相当する。
[配列番号:2]配列番号:1のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列を表す。
[配列番号:3]アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ(本発明のポリペプチドII)のアミノ酸配列を表す。このアミノ酸配列は、配列番号:6のアミノ酸配列の98〜168番目のアミノ酸配列に相当する。
[配列番号:4]配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列を表す。
[配列番号:5]ガウシアルシフェラーゼ遺伝子(hGL遺伝子)から分泌シグナル配列をコードする領域を除いたポリヌクレオチドの塩基配列を表す。
[配列番号:6]配列番号:5の塩基配列からなるポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質、すなわちガウシアルシフェラーゼから分泌シグナル配列を除いた蛋白質のアミノ酸配列を表す。
[配列番号:7]実施例1で作製したガウシアルシフェラーゼ発現ベクターpCold-hGLに挿入された組換えガウシアルシフェラーゼをコードするポリヌクレオチドの塩基配列を表す。
[配列番号:8]配列番号:7の塩基配列からなるポリヌクレオチドによってコードされる組換え蛋白質のアミノ酸配列を表す。
[配列番号:9]実施例1で用いられたプライマーの塩基配列を表す。
[配列番号:10]実施例1で用いられたプライマーの塩基配列を表す。
[配列番号:11]実施例2で用いられたプライマーの塩基配列を表す。
[配列番号:12]実施例2で用いられたプライマーの塩基配列を表す。
[配列番号:13]実施例2で作製したカルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質(ポリペプチド)のアミノ酸配列を表す。
[配列番号:14]実施例2で作製したガウシアガウシアルシフェラーゼのカルボキシ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質(ポリペプチド)の発現ベクターpCold-hGL-27/97に挿入された、カルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質(ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を表す。
[配列番号:15]実施例2で用いられたプライマーの塩基配列を表す。
[配列番号:16]実施例2で用いられたプライマーの塩基配列を表す。
[配列番号:17]実施例2で作製したアミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質(ポリペプチド)のアミノ酸配列を表す。
[配列番号:18]実施例2で作製したガウシアガウシアルシフェラーゼのアミノ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質(ポリペプチド)の発現ベクターpCold-hGL-98/168に挿入された、アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質(ポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を表す。
以下に実施例により本発明を説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1 ガウシアルシフェラーゼ発現ベクターpCold-hGLの構築
深海コペポーダであるガウシアプリンセス由来のガウシアルシフェラーゼを大腸菌内で発現させるために、ガウシアルシフェラーゼ遺伝子(hGL遺伝子)から分泌シグナル配列をコードする領域を除いたポリヌクレオチド(配列番号:5)を発現ベクターpCold II(タカラバイオ社製)に挿入することにより発現ベクター,pCold-hGL,を構築した(図1)。配列番号:5で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質のアミノ酸配列を配列番号:6に示す。pCold-hGLに挿入された、組換えガウシアルシフェラーゼをコードするDNAの塩基配列を配列番号:7に示す。配列番号:7で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質のアミノ酸配列を配列番号:8に示す。
ガウシアルシフェラーゼ発現ベクターpCold-hGLは、具体的には、以下の方法に従って構築した。ガウシアルシフェラーゼ遺伝子を有するpcDNA3-hGL(プロルミ社製)を鋳型として2種のPCRプライマー:
GL5-N/SacI(5' gcc-GAG-CTC-AAG-CCC-ACC-GAG-AAC-AAC-GAA 3')(配列番号:9;SacI制限酵素部位はアンダーライン)およびGL2-C/EcoRI(5' gcc-GAA-TTC-TTA-GTC-ACC-ACC-GGC-CCC-CTT 3' )(配列番号:10;EcoRI制限酵素部位はアンダーライン)を用いて、PCRキット(タカラバイオ社製)にてPCR(サイクル条件25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を実施して、所望のDNA領域を増幅した。得られた断片をPCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、常法により制限酵素SacI/EcoRIにて消化した後、pColdII(タカラバイオ社製)の制限酵素SacI/EcoRI部位に連結することによって、発現ベクターpCold-hGLを構築した(図2)。
実施例2 ドメイン欠失組換え蛋白質発現ベクターの構築
ガウシアルシフェラーゼ(hGL)のアミノ末端およびカルボキシ末端のドメインが欠失した蛋白質を発現させるために、ガウシアルシフェラーゼ遺伝子(hGL遺伝子)の完全長を有するphGL(プロルミ社製)より、PCR法によりドメイン欠失hGL遺伝子を取得し、発現ベクター,pCold II(タカラバイオ社製)に挿入することにより発現ベクター, pCold-hGL-27/97及びpCold-hGL-98/168,を構築した(図1)。
具体的には、ガウシアルシフェラーゼからアミノ末端にある17残基の分泌シグナル配列を除いたポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:6)の27番目から97番目を有する、ガウシアルシフェラーゼのカルボキシ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質の発現ベクターは、phGLを鋳型として2種のPCRプライマー:GL13-N-27/EcoRI(5' ggc-GAA-TTC-CGC-GGG-AAG-TTG-CCC-GGC-AAG 3')(配列番号:11;EcoRI制限酵素部位はアンダーライン)およびGL8-C-71/XbaI(5' cgg-TCT-AGA-TTA-GTC-GAC-GAT-CGC-CTC-GCC 3'(配列番号:12;XbaI制限酵素部位はアンダーライン)を用いて、PCRキット(タカラバイオ社製)にてPCR(サイクル条件25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を実施して、所望のDNA領域を増幅した。得られた断片をPCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、常法により制限酵素EcoRI/XbaIにて消化した後、pColdII(タカラバイオ社製)の制限酵素EcoRI/XbaI部位に連結することによって、カルボキシ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質の発現ベクター, pCold-hGL-27/97を構築した(図3)。カルボキシ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質(配列番号:13)は6個のヒスチジン配列を含む22アミノ酸残基からなる配列をアミノ末端側に付加した93アミノ酸よりなる。
ガウシアルシフェラーゼから分泌シグナル配列を除いたポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:6)の98番目から168番目を有するアミノ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質の発現ベクターの構築は、以下の方法に従って行った。phGLを鋳型として2種のPCRプライマー:GL15-N-97/EcoRI(5' ggc-GAA-TTC-ATT-CCT-GAG-ATT-CCC-GGG-TTC 3'(配列番号:15;EcoRI制限酵素部位はアンダーライン)およびGL7-C/XbaI(5' gcc-TCT-AGA-TTA-GTC-ACC-ACC-GGC-CCC-CTT 3'(配列番号:16;XbaI制限酵素部位はアンダーライン)を用いて、PCRキット(タカラバイオ社製)にてPCR(サイクル条件25サイクル;1分/94℃、1分/50℃、1分/72℃)を実施して、所望のDNA領域を増幅した。得られた断片をPCR精製キット(キアゲン社製)で精製し、常法により制限酵素EcoRI/XbaIにて消化した後、pColdII(タカラバイオ社製)の制限酵素EcoRI/XbaI部位に連結することによって、アミノ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質の発現ベクター, pCold-hGL-98/168を構築した(図4)。アミノ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質(配列番号:17)は6個のヒスチジン配列を含む22アミノ酸残基からなる配列をアミノ末端側に付加した93アミノ酸よりなる。配列番号:17で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列を配列番号:18に示す。
本発現ベクターは、低温で誘導可能であり、発現したガウシアルシフェラーゼのカルボキシ末端またはアミノ末端のドメインが欠失した組換え蛋白質は、アミノ末端にヒスチジンダグを有する。
本明細書中、ガウシアルシフェラーゼのカルボキシ末端またはアミノ末端のドメインが欠失した蛋白質を「ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ」と称することがある。ガウシアルシフェラーゼのカルボキシ末端のドメインが欠失した蛋白質を「カルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ」と称することがある。ガウシアルシフェラーゼのアミノ末端のドメインが欠失した蛋白質を「アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ」と称することがある。配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドを「カルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ」と称することがある。配列番号:3のアミノ酸配列を含むポリペプチドを「アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ」と称することがある。ガウシアルシフェラーゼのカルボキシ末端またはアミノ末端のドメインが欠失した蛋白質の組み換えタンパク質を「ドメイン欠失組換え蛋白質」と称することがある。
実施例3 蛋白質の精製法
1)蛋白質の大腸菌での発現
発現ベクターpCold-hGL 、pCold-hGL-27/97及びpCold-hGL-98/168を常法により大腸菌BL21株に導入し、得られた形質転換株をアンピシリン(50μg/ml)を含有する10mlのLB液体培地(水1リットルあたり、バクトトリプトン10g、イーストエクストラクト5g、塩化ナトリウム5g)に植菌し、37℃で18時間培養を行った。次いで、その培養菌体液を新たなLB液体培地400mlに添加して、37℃で4.5時間培養した後、氷水上で冷却して、イソプロピル-β-D(−)-チオガラクトピラノシド(IPTG、和光純薬工業社製)を最終濃度0.2mMになるように培養液に添加し、15℃にて17時間培養を行った。培養菌体は遠心分離により回収(5,000rpm、5分)し、これを蛋白質抽出の出発材料とした。
2)培養菌体からの蛋白質の抽出
集菌した菌体を80mlの50mM Tris-HCl (pH7.6)で懸濁し、氷冷下で超音波破砕処理(ブランソン社製、Sonifier model cycle 250)を2分間、3回行った。その菌体破砕液を10,000rpm(12,000×g)で20分間遠心し、可溶性画分と不溶性沈殿画分を得た。可溶性画分は、これを直接蛋白質精製の出発材料とした。一方、不溶性沈殿画分は、50mlの 6M尿素を含む50mM Tris-HCl(pH7.6)に懸濁、溶解し、10,000 rpm (12,000×g) で 20 分間遠心を行った。得られた6M尿素の可溶化画分を不溶性沈殿画分からの蛋白質精製の出発材料とした。
3)ニッケルキレートカラムクロマトグラフ法による蛋白質の可溶性画分の精製
前記可溶解性画分(80 ml)を、50mM Tris-HCl(pH7.6)で平衡化したニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径2.5×6.5cm)に添加して吸着させた。カラムに吸着した蛋白質を0.1 Mイミダゾール(和光純薬工業社製)を含む50mM Tris-HCl(pH7.6)、次いで0.3 Mイミダゾールを含む50mM Tris-HCl(pH7.6)にて溶出した。0.3 Mイミダゾールを含む画分に、発光活性および12%SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法で蛋白質の溶出を確認した。
4)ニッケルキレートカラムクロマトグラフ法による蛋白質の不溶性画分の精製
前記不溶解性画分(50 ml)を、6M尿素を含む50mM Tris-HCl(pH7.6)で平衡化したニッケルキレートカラム(アマシャムバイオサイエンス社、カラムサイズ:直径2.5×6.5cm)に添加して吸着させた。カラムに吸着した蛋白質を0.1 Mイミダゾール(和光純薬工業社製)を含む6M Urea (pH8.0)、次いで0.3 Mイミダゾールを含む6M尿素(pH8.0)にて溶出した。0.3 Mイミダゾールを含む6M尿素(pH8.0)画分に、発光活性および12%SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法で蛋白質の溶出を確認した。
16%SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法による蛋白質の純度は95%以上であった。(図5)。
蛋白質濃度をブラッドフォードの色素結合法(Anal. Biochem. 72, 248-254 (1976))により、市販のキット(バイオラド社製)および標準物質としてウシ血清アルブミン(ピアス社製)を用いて測定した。SDS-PAGE分析は、還元条件下で12%分離ゲル(テフコ社製)を用いてレムリ法(Nature 227, 680-658 (1970))に従って行った。
ガウシアルシフェラーゼ蛋白質については、2Lの培養液の可溶性画分から15.0mg、不溶性画分から217.7mgの精製蛋白質を得た。
カルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの組換え蛋白質については、800mlの培養液の可溶性画分から2.0mg、不溶性画分から15.4mgの精製蛋白質を得た。アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの組換え蛋白質は、800mlの培養液の可溶性画分から9.2mg、不溶性画分から36.8mgの精製蛋白質を得た。表2に精製蛋白質の比活性(蛋白質当りの活性)を示す。その結果、ガウシアルシフェラーゼのアミノ末端及びカルボキシ末端のドメインのみ、すなわちすなわち71アミノ酸配列のみで活性を示すことが明らかとなった。
Figure 0005251048
実施例4 質量分析による分子量の確認法
SDS-ポリアクリルアミド電気泳動による分析によると(図5)、アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの推定分子量は6.5KDaである。より正確な分子量を、マトリックス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF-MS)をオートFLEX(ブルーカー・ダルトニクス)上で、マトリックスとしてシナピン酸(インビトロジェン社製)を用いて、Anal. Biochem. 316, 216-222 (2003)に記載の方法に従って測定した。データはポジティブリフレクターモードで得た。時間−質量変換をアポミオグロビン(ウマ、m/z = 16952.6)を標準に用いた外部較正により行った。分子量の計算値をプログラムExPASy PeptideMass(http://www.expasy.ch/cgi-bin/peptide-mass.pl)を用いて得た。
精製したガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質またはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質においてヒスチジンヘキサマーを有することを確認するために、MALDI-TOF-MSを用いて質量分析を行った。
ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質では、[M+H]+に対するm/z 20019.1の質量値が観察された。この値はヒスチジンヘキサマーを有するガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質(配列番号:8)に対する計算平均質量19977.1によく一致していた。カルボキシ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質では、[M+H]+に対するm/z 10742.8の質量値が観察された。この値はヒスチジンヘキサマーを有するカルボキシ末端欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質(配列番号:13)に対する計算平均質量10696.5によく一致していた。アミノ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質では、[M+H]+に対するm/z 10354.5の質量値が観察された。この値はヒスチジンヘキサマーを有するアミノ末端欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質(配列番号:17)に対する計算平均質量10309.9によく一致していた。
実施例5 発光活性の測定法
ガウシアルシフェラーゼまたはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ(1μl)を10mM EDTAを含む50mM Tris-HCl (pH7.6) 100μlに懸濁し、エタノールに溶解した基質セレンテラジン(1μg/μl)を混合して発光反応を開始させ、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200(アトー社製)で60秒間発光活性の測定を行った。発光活性は最大値(Imax)で示した。
実施例6 至適pHの検討
上記の発光活性測定法を用いて、精製したガウシアルシフェラーゼ(hGL)またはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ(hGL-27/97、hGL-98/168)の至適pHを検討した。具体的には、精製したガウシアルシフェラーゼまたはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼを酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0, pH 5.5)、リン酸ナトリウム緩衝液 (pH 6.0, pH 6.5, pH 7.0, pH 7.5, pH 8.0)、グリシン-水酸化ナトリウム緩衝液 (pH 9.0, pH 9.5, pH 10.0, pH 10.5) 100μlに懸濁し、エタノールに溶解した基質セレンテラジン(1μg/μl)を混合して発光反応を開始させ、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200(アトー社製)で60秒間発光活性の測定を行った。各緩衝液の発光強度は相対活性(%)で示した(図6)。使用した蛋白質量は、hGLが1.0μg、hGL-27/97が0.45μg、hGL-98/168が0.3μgであった。この結果より、アミノ末端およびカルボキシ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼは、ガウシアルシフェラーゼと同じ至適pHを有することを示している。
実施例7 発光スペクトル測定
精製したガウシアルシフェラーゼまたはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの発光スペクトルを確認した。具体的には、10mM EDTAを含む30mM Tris-HCl (pH7.6)中で、ジャスコ(東京)FP-560 蛍光発光測定器(バンドパス 20nm;応答 0.5nm, Medium;スキャン速度 2000nm/分)、22〜25℃にて、石英キュベット(10mm光路)を用いて測定した。使用したガウシアルシフェラーゼ(hGL)の蛋白質濃度は140μg/mlであった。ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼのhGL-27/97およびhGL-98/168の蛋白質量は、それぞれ80μg/ml、210μg/mlであった。発光強度を相対強度(%)で示した(図7)。
この結果より、アミノ末端およびカルボキシ末端のドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼは、ガウシアルシフェラーゼの発光スペクトルと同じであることが明らかとなった。これは、発光反応における励起分子種は同一であることを示している。
実施例8 銅イオンによる阻害及び塩素イオンによる活性化
100mM リン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.5) 200μlにエタノールに溶解した基質セレンテラジン(1μg/μl)と塩化銅溶液または塩化カルシウム溶液を懸濁した。この懸濁液、精製したガウシアルシフェラーゼ(hGL)またはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ(hGL-27/97、hGL-98/168)(2μl)を混合して発光反応を開始させ、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200(アトー社製)で10秒間発光活性の測定を行った。使用した蛋白質量は、hGLが0.4μg、hGL-27/97が0.08μg、hGL-98/168が0.1μgであった。塩化銅溶液または塩化カルシウム溶液の最終濃度は、0.001μM、0.01μM、0.1μM、1μM、10μM、100μM、1000μMとした。発光活性は最大値(Imax)を相対活性(%)で示した(図8)。この結果より、アミノ末端またはカルボキシ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼは、ガウシアルシフェラーゼと同様に銅イオンによる阻害および塩素イオンによる活性化を受けることが明らかとなった。
実施例9 ハロゲン化物イオンによる活性化
100mM リン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.5) 200μlに、エタノールに溶解した基質セレンテラジン(1μg/μl)とハロゲン化物イオン溶液(最終濃度5mM)を懸濁した。この懸濁液に、精製したガウシアルシフェラーゼ(hGL)またはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ(hGL-27/97、hGL-98/168)(2μl)を混合して発光反応を開始させ、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200(アトー社製)で10秒間発光活性の測定を行った。使用した蛋白質量は、hGLが0.32μg、hGL-27/97が0.08μg、hGL-98/168が0.04μgであった。発光活性は最大値(Imax)を相対活性(%)で示した(表3)。この結果より、アミノ末端またはカルボキシ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼおよびガウシアルシフェラーゼにおいて、いずれも同様に塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンにより活性化(最大約17倍)されることが明らかとなった。
Figure 0005251048
実施例10 基質特異性
10mM EDTAを含む50mM Tris-HCl (pH7.6) 100μlにエタノールに溶解した基質セレンテラジンの誘導体(1μg/μl)を懸濁した。この懸濁液に、精製したガウシアルシフェラーゼ(hGL)またはドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ(hGL-27/97、hGL-98/168)(2μl)を混合して発光反応を開始させ、発光測定装置Luminescencer-PSN AB2200(アトー社製)で10秒間発光活性の測定を行った。使用した蛋白質量は、hGLが0.32μg、hGL-27/97が0.08μg、hGL-98/168が0.10μgであった。発光活性は最大値(Imax)を相対活性(%)で示した(表4)。アミノ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼ、カルボキシ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼおよびガウシアルシフェラーゼは、いずれもセレンテラジンがもっとも良い基質であった。この結果より、アミノ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼ、カルボキシ末端のドメインが欠失したガウシアルシフェラーゼおよびガウシアルシフェラーゼは、いずれも同様の基質特異性を示すことが明らかとなった。
Figure 0005251048
本発明のポリペプチドなどは、レポーター蛋白質としてプロモーターなどの転写活性の測定に利用することができる。さらに、本発明のポリペプチドなどは、検出マーカー、アミューズメント用品の材料などとして利用することもできる。
本発明のポリヌクレオチドは、上述した本発明のポリペプチドをコードしているので、レポーター遺伝子として利用することができる。
また、本発明のポリヌクレオチド、本発明のベクター、本発明の形質転換体などは、本発明のポリペプチドの製造に利用することができる。
本発明の発光活性を活性化する方法によれば、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質の発光効率を向上させることができる。よって、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を用いた検出マーカーなどの検出感度を向上させることができる。また、本発明のポリペプチドまたは本発明で用いられる蛋白質を用いたアミューズメント用品などの発光強度を向上させることができる。
図1は、ガウシアルシフェラーゼ、カルボキシ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ及びアミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの発現領域を示した図である。 図2は、ガウシアルシフェラーゼの発現ベクター, pCold-hGLを示した図である。 図3は、カルボキシル末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの発現ベクター, pCold-hGL-27/97を示した図である。 図4は、アミノ末端ドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの発現ベクター, pCold-hGL-98/168を示した図である。 図5は、精製したガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質およびドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼ組換え蛋白質の16%ポリアクリルアミド電気泳動分析の図である。 図6は、精製したガウシアルシフェラーゼおよびドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの至適pHの比較を示した図である。 図7は、精製したガウシアルシフェラーゼおよびドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの発光スペクトルの比較を示した図である。 図8は、精製したガウシアルシフェラーゼおよびドメイン欠失ガウシアルシフェラーゼの銅イオンによる阻害および塩素イオンによる活性化を示した図である。

Claims (15)

  1. 以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
    (a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
    (c)配列番号:1または配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
    (d)配列番号:13または配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  2. 以下の(a)〜(d)のいずれかである請求項1記載のポリペプチド:
    (a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
    (c)配列番号:1または配列番号:3に対して95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
    (d)配列番号:13または配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  3. 配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項1記載のポリペプチド。
  4. 配列番号:13または配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項1記載のポリペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  6. 以下の(e)〜(i)のいずれかである請求項5記載のポリヌクレオチド:
    (e)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
    (f)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
    (g)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
    (h)配列番号:1または配列番号:3に対して90以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
    (i)配列番号:14または配列番号:18の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  7. 以下の(e)〜(i)のいずれかである請求項5記載のポリヌクレオチド:
    (e)配列番号:2または配列番号:4の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
    (f)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
    (g)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜3個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;
    (h)配列番号:1または配列番号:3に対して95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド;および
    (i)配列番号:14または配列番号:18の塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクターが導入された形質転換体を培養し、請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを生成させる工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチドを含むキット。
  10. 請求項5〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチド含むキット。
  11. さらにセレンテラジンを含む、請求項または10記載のキット。
  12. 以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
    (a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
    (c)配列番号:1または配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
    (d)配列番号:13または配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチドと、セレンテラジンとを接触させることを含む、発光反応を行う方法。
  13. ハロゲン化物イオン存在下で発光反応を行う、請求項12記載の方法。
  14. ハロゲン化物イオンが、フッ素イオン、臭素イオンまたはヨウ素イオンである、請求項13記載の方法。
  15. 臭素イオンまたはヨウ素イオンを用いて、以下の(a)〜(d)のいずれかに記載のポリペプチド:
    (a)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド;
    (b)配列番号:1または配列番号:3のアミノ酸配列において1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加したアミノ酸配列を含有し、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;
    (c)配列番号:1または配列番号:3に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有するポリペプチド;および
    (d)配列番号:13または配列番号:17のアミノ酸配列からなるポリペプチド;または
    以下の(a)〜(d)のいずれかに記載の蛋白質:
    (a)配列番号:6のアミノ酸配列を含有し、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有する蛋白質;
    (b)配列番号:6のアミノ酸配列において1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加したアミノ酸配列を含有し、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有する蛋白質;
    (c)配列番号:6のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含有し、かつセレンテラジンを基質とする発光触媒活性を有する蛋白質;および
    (d)配列番号:8のアミノ酸配列からなる蛋白質、
    のセレンテラジンを基質とする発光活性を活性化する方法。
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