JP5246003B2 - 燃料供給制御装置およびそれを用いた燃料供給システム - Google Patents
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Description
また、エンジンの通常運転中には、フィードポンプのフィード圧が十分に上昇しないことにより、例えば燃料噴射圧が低下し、内燃機関の出力不足、またはエミッションの悪化を招く恐れがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、リリーフ弁および逆止弁が開弁固着しているか否かを判定する燃料供給制御装置およびそれを用いた燃料供給システムを提供することを目的とする。
また、請求項1に記載の発明によると、異常判定手段は、内燃機関の運転中において、フィード圧の検出値が推定値よりも所定範囲を超えて低い場合、リリーフ弁および逆止弁の少なくともいずれか一方が開弁固着していると判定する。
リリーフ弁および逆止弁の少なくともいずれか一方が開弁固着していると、フィード圧の検出値は、フィード圧の推定値よりも公差等を考慮した所定範囲を超えて低くなる。したがって、フィード圧の検出値が推定値よりも所定範囲を超えて低い場合、リリーフ弁および逆止弁の少なくともいずれか一方が開弁固着していると判定できる。
さらに、請求項1に記載の発明によると、異常判定手段は、内燃機関の運転中において、フィード圧の検出値が推定値よりも所定範囲を超えて低く、かつフィード圧の検出値がリリーフ弁が正常なときの逆止弁の全開時におけるフィード圧の推定値以上である場合、逆止弁が開弁固着していると判定する。
リリーフ弁がフィード圧に応じて正常に作動している場合に逆止弁が開弁固着していると、フィード圧の検出値は、逆止弁が全開しているときのフィード圧の推定値以上になるはずである。したがって、内燃機関の運転中において、フィード圧の検出値が推定値よりも所定範囲を超えて低く、かつフィード圧の検出値がリリーフ弁が正常なときの逆止弁の全開時におけるフィード圧の推定値以上である場合、逆止弁が開弁固着していると判定できる。
したがって、内燃機関の運転中に逆止弁が開弁固着していると判定されていない場合、内燃機関が停止したときにフィード圧の検出値の低下量とフィード圧の推定値の低下量とに基づいて、リリーフ弁の異常を判定できる。
フィードポンプのフィード圧はフィードポンプの回転数に応じて変化するので、フィードポンプの回転数に基づいてフィードポンプのフィード圧を高精度に推定できる。
本発明の一実施形態による燃料供給システムを図1に示す。
(燃料供給システム10)
本実施形態の蓄圧式の燃料供給システム10は、例えば図示しない4気筒のディーゼルエンジンの気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁80に燃料供給ポンプ30が加圧した燃料を供給する。
フィードポンプ32は、公知のトロコイドポンプまたはベーンポンプである。フィードポンプ32は、高圧ポンプ50と同様にカムシャフト52により回転駆動される。カムシャフト52はエンジンのクランクシャフトにより回転駆動される。図2の(A)の実線300に示すように、フィードポンプ32のフィード圧Fpは、フィードポンプの回転数Npが上昇すると上昇する。ただし、フィードポンプの回転数NpがNp0を超えて上昇し、フィード圧がリリーフ弁36の開弁圧である所定圧を超えるとリリーフ弁36が開弁するので、フィードポンプの回転数NpがNp0を超えるとフィード圧の上昇率は低下する。
電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)90は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を中心とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、ECU90は、圧力センサ22、アクセル開度(Accp)センサ、エンジン回転数(NE)センサを含む各種センサから検出信号を取り込み、エンジン運転状態を制御する。
(フィード圧検出手段)
ECU90は、フィードポンプ32と燃料フィルタ20との間に設置された圧力センサ22の検出信号に基づき、フィードポンプ32のフィード圧を検出する。
フィードポンプ32のフィード圧はフィードポンプ32の吐出量により決定され、フィードポンプ32の吐出量はフィードポンプ32の回転数により決定される。前述したように、フィードポンプ32はカムシャフト52により回転駆動されるので、フィードポンプ32の回転数は、エンジン回転数(NE)により決定される。ECU90は、フィードポンプ32の回転数Npとフィード圧Fpとの関係を、図2の(A)の実線300に示す特性としてマップ等に記憶している。これにより、ECU90は、フィードポンプ32の回転数Npに基づいてフィード圧Fpを高精度に推定できる。
ECU90は、フィード圧検出手段が圧力センサ22の検出信号に基づいて検出したフィードポンプ32のフィード圧の検出値Psoutと、フィード圧推定手段がフィードポンプ32の回転数Npに基づいて推定したフィード圧の推定値Fpとの差に基づいて、リリーフ弁36および逆止弁38が開弁固着しているか否かを判定する。
(1)エンジン運転中において、リリーフ弁36および逆止弁38が開弁固着しておらず正常であれば、フィードポンプ32の回転数Npとフィード圧Fpとの関係は、フィード圧の検出値Psoutの公差Ptの範囲を含め、図2の(A)の実線300に示す特性になる。
(2)フィード圧の検出値Psoutが実線302よりも低い場合には、リリーフ弁36および逆止弁38の両方が開弁固着していると判定する。
(3)逆止弁38は正常であり開弁固着していないが、リリーフ弁36が開弁固着していることをエンジン運転中に判定することは困難である。元々、リリーフ弁36はフィードポンプ32の回転数Npが上昇しフィード圧が上昇すると開弁してフィード圧を減圧するので、リリーフ弁36が開弁固着していても、フィードポンプ32の回転数Npが上昇して検出値Psoutが上昇すると、検出値Psoutと推定値Fpとのずれが小さくなる。したがって、検出値Psoutと推定値Fpとに基づいて、リリーフ弁36が開弁固着しているか否かを判定することは困難である。
エンジンが停止すると、フィードポンプ32と燃料フィルタ20との間において圧力センサ22が検出する残圧の検出値は、図2の(B)において実線310が示すように緩やかに低下する。
次に、リリーフ弁36および逆止弁38が開弁固着しているか否かを判定する異常判定ルーチンについて、図3および図4に示すフローチャートに基づいて説明する。図3はエンジン運転中の異常判定ルーチンであり、図4はエンジンが停止したときの異常判定ルーチンである。図3のルーチンは常時実行される。図4のルーチンは、図3のルーチンで逆止弁38が開弁固着していると判定されていない場合に実行される。図3および図4において「S」はステップを表している。
図3のS400においてECU90は、フィードポンプ32の回転数Npが所定回転数としてアイドル回転数Npiよりも高いか否かを判定する。フィードポンプ32の回転数Npがアイドル回転数Npi以下の場合(S400:No)、ECU90は本ルーチンを終了する。
図4のS420においてECU90は、エンジンが停止し、フィードポンプ32の回転数Npが0になったかを判定する。Np=0でなければ(S420:No)、エンジンは停止していないと判断し、ECU90は本ルーチンを終了する。
本実施形態では、リリーフ弁36が特許請求の範囲に記載したリリーフ弁に相当する。また、本実施形態では、S402およびS404でフィードポンプ32の検出値Psoutを参照している機能がフィード圧検出手段の機能に相当し、S402でフィードポンプ32の推定値Fpを参照している機能がフィード圧推定手段の機能に相当する。また、S402およびS404でフィードポンプ32の検出値Psoutと推定値Fpとに基づいてリリーフ弁36および逆止弁38の開弁固着を判定している機能が異常判定手段の機能に相当する。
上記実施形態では、フィードポンプ32が供給する燃料を高圧ポンプ50で加圧し、コモンレール70で蓄圧するコモンレール式のディーゼルエンジンの燃料供給システムに本発明を適用した例について説明した。これに対し、フィードポンプのフィード圧が所定圧を超えるとリリーフ弁が開弁してフィード圧を減圧し、フィードポンプをバイパスするバイパス通路に逆止弁が設置され、フィードポンプの下流側から上流側への燃料流れを逆止弁が禁止し、フィードポンプの上流側から下流側への燃料流れを逆止弁が許可する構成であれば、コモンレール式またはディーゼルエンジンに限らず、どのような内燃機関用の燃料供給システムに本発明を適用してもよい。
Claims (4)
- 燃料噴射弁が内燃機関の気筒に噴射する燃料を供給するフィードポンプと、
前記フィードポンプのフィード圧が所定圧を超えると開弁して前記フィード圧を減圧するリリーフ弁と、
前記フィードポンプをバイパスするバイパス通路に設置され、前記フィードポンプの下流側から前記フィードポンプの上流側への燃料流れを禁止し、前記フィードポンプの上流側から前記フィードポンプの下流側への燃料流れを許可する逆止弁と、
を備える燃料供給システムに用いられる燃料供給制御装置において、
前記フィードポンプの下流側に設置された圧力センサの検出信号に基づいて前記フィードポンプのフィード圧を検出するフィード圧検出手段と、
前記フィードポンプの運転状態に基づいて前記フィード圧を推定するフィード圧推定手段と、
前記フィード圧検出手段が検出する前記フィード圧の検出値と、前記フィード圧推定手段が推定する前記フィード圧の推定値とに基づいて前記リリーフ弁および前記逆止弁が開弁固着しているか否かを判定する異常判定手段と、
を備え、
前記異常判定手段は、前記内燃機関の運転中において、前記検出値が前記推定値よりも所定範囲を超えて低い場合、前記リリーフ弁および前記逆止弁の少なくともいずれか一方が開弁固着していると判定し、さらに、前記内燃機関の運転中において、前記検出値が前記推定値よりも所定範囲を超えて低く、かつ前記検出値が前記リリーフ弁が正常なときの前記逆止弁の全開時における前記推定値以上である場合、前記逆止弁が開弁固着していると判定する、
ことを特徴とする燃料供給制御装置。 - 前記異常判定手段は、前記内燃機関の運転中に前記逆止弁が開弁固着していると判定していない場合、前記内燃機関の運転が停止したときに、前記推定値の低下量と前記検出値の低下量とに基づいて、前記リリーフ弁が開弁固着しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給制御装置。
- 前記フィード圧推定手段は前記フィードポンプの回転数に基づいて前記フィード圧を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給制御装置。
- 内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁に蓄圧した燃料を供給するコモンレールと、
加圧した燃料を前記コモンレールに供給する高圧ポンプと、
燃料タンクから吸い上げた燃料を前記高圧ポンプに圧送するフィードポンプと、
前記フィードポンプの下流側に設置され前記フィードポンプから供給される燃料中の異物を除去する燃料フィルタと、
プライミング時に前記フィードポンプをバイパスするバイパス通路に燃料を供給するプライミングポンプと、
前記フィードポンプのフィード圧が所定圧を超えると開弁して前記フィード圧を減圧するリリーフ弁と、
前記バイパス通路に設置され、前記フィードポンプの下流側から前記フィードポンプの上流側への燃料流れを禁止し、前記プライミングポンプによるプライミング時に前記フィードポンプの上流側から前記フィードポンプの下流側への燃料流れを許可する逆止弁と、
請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料供給制御装置と、
を備えることを特徴とする燃料供給システム。
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JP2009098119A JP5246003B2 (ja) | 2009-04-14 | 2009-04-14 | 燃料供給制御装置およびそれを用いた燃料供給システム |
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