JP5245226B2 - 樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Description
[式中、Aは、窒素原子又は燐原子を示す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、水素原子、あるいは置換基を有していても良い芳香環もしくは複素環を有する有機基又は置換基を有していても良い脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。また、R1、R2、R3及びR4の一対又はそれ以上が環構造を形成していても良い。X-は、式中のカチオン部とイオン結合を形成する酸のアニオンを示す。]
(2)前記触媒(B)は、一般式(1)におけるAとして窒素原子を含むものである第(1)項に記載の樹脂組成物。
(3)前記触媒(B)は、一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4として、これらのうち、少なくとも一つが水素原子を有するものである第(1)項又は第(2)項に記載の樹脂組成物。
(4)前記触媒(B)は、一般式(2)で表される構造を有するものである第(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[式中、R5、R6及びR7は、それぞれ、水素原子、あるいは置換基を有していても良い芳香環もしくは複素環を有する有機基又は置換基を有していても良い脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。また、R5、R6又はR7の一対又はそれ以上が環構造を形成していても良い。X-は、式中のアンモニウムカチオン部とイオン結合を形成する酸のアニオンを示す。]
(5)前記触媒は、前記式中のXとして、フッ素原子で構成される基を有するものである第(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(6)前記ポリベンズオキサゾール前駆体は、下記一般式(4)で表される繰り返し構造を含むものである第(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[式中、R 10 は水酸基を示す。Y’は、置換基を有していても良い芳香環を有する有機基又は、置換基を有していても良い複素環を有する有機基を示す。Z’は、置換基を有していても良い芳香環を有する有機基、置換基を有していても良い脂肪族基、又は置換基を有していても良い複素環を有する有機基を示す。]
(7)前記ポリアミド樹脂(A)は、アルカリ水溶液に溶解するものである第(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(8)前記樹脂組成物が、さらに感光剤(C)を含むものである第(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(9)前記感光剤(C)は、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸及び/又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステル化合物である第(8)項に記載の樹脂組成物。
(10)第(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂層を具備する半導体装置。
(11)前記樹脂層は、保護膜として具備されたものである第(10)項に記載の半導体装置。
また、本発明によれば、低温硬化性に優れ、低温硬化においても樹脂組成物が有する特性を損なうことなく、特に、熱的特性及び機械的特性に優れ、しかもエッチング性に優れ微細加工が可能な感光性樹脂組成物が得られる。
また、本発明によれば、前記樹脂組成物を用いて得られる樹脂膜を半導体装置に適用した場合においても、高い耐熱性、優れた電気特性を発現する。
本発明の樹脂組成物には、感光剤を添加することにより、感光性樹脂組成物とすることができ、上記特性に加えて、さらに、エッチング性に優れ微細加工が可能な感光性樹脂組成物が得られる。
本発明は、前記樹脂組成物を用いて樹脂層が形成された半導体装置であり、高い耐熱性と優れた電気特性を有する半導体装置が得られる。
以下、本発明の好適実施形態について詳細に説明する。
また、本発明に用いるポリアミド樹脂は、半導体装置における樹脂膜などに適用する場合、微細配線のパターニングなどにおいて、アルカリ溶解性に優れるものを用いることが好ましい。
本発明で用いる感光剤(C)としては、ジアジドキノン化合物、ハロゲン化トリアジン化合物、スルホン酸エステル化合物、ジスルホン化合物、ヨードニウム化合物、ならびに、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びホススホニウム塩等のオニウム塩類等を使用することができるが、本発明の樹脂組成物をポジ型の感光性樹脂組成物として用いる場合、感光特性の観点より、ジアジドキノン化合物が好ましい。化学線照射において未露光部の感光性樹脂組成物を構成するジアジドキノン化合物は、アルカリ水溶液に不溶であるが、露光することにより、ジアジドキノン化合物が化学変化を起こし、感光性樹脂組成物はアルカリ水溶液に可溶となる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより、未露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となり、微細加工ができるようになるものである。
前記ジアジドキノン化合物としては、1,2−ベンゾキノンジアジド及び1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物などが挙げられ、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質であり、特に好ましいものとして、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステル化合物が挙げられる。
本発明における樹脂組成物には、必要により、その他の成分として、レベリング剤、シランカップリング剤等の添加剤を含んでも良い。
塗布量は、半導体装置において具備された樹脂層において、これを保護膜とする場合、樹脂層の硬化後の最終膜厚が通常0.1〜30μmになるように塗布する。前記範囲外でも使用できるが、膜厚が0.1μm未満だと、半導体素子の保護表面膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、30μmを越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となることがある。
塗布方法としては、スピンナーを用いる回転塗布、スプレーコーターを用いる噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等の方法が挙げられる。
ここで、塗膜をパターニングする場合、上記樹脂組成物がポジ型感光性樹脂組成物である場合、塗膜除去部が開口された所望のパターン形状を所定の位置に載せて、化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及びアンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン及びn−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン及びジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン及びメチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール及びエタノールなどのアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液などを好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬及び超音波等の方式が可能である。
次に、レリーフパターンが形成された塗膜を、通常60〜130℃程度の温度でプリベークして、乾燥する。
次に、200℃以上300℃以下の硬化温度で加熱処理を行い、樹脂層を硬化させる。硬化においては、前記樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂が脱水閉環を生じ、イミド環やオキサゾール環を形成し、ポリイミド樹脂やポリベンズオキサゾール樹脂となるが、本発明においては、全ての環が環化している必要はなく、耐熱性、機械的特性に富む最終パターンを有する樹脂層を得ることができるものである。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、ジフェニルアミン5.07g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。トリフルオロメタンスルホン酸4.50g(0.03mol)を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶9.09gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、ピリジン2.38g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。予めトリフルオロメタンスルホンイミド8.43g(0.02mol)をアセトン10mLに溶解させた溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を、濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶9.93gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、ペンタフルオロアニリン5.49g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。メタンスルホン酸2.88g(0.03mol)を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を、濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶7.79gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、トリフェニルアミン7.37g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。予め40%テトラフルオロホウ酸水溶液6.60g(0.02mol)をアセトン10mLに溶解させた溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶8.24gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、ジメチルフェニルアミン3.63g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。予め60%ヘキサフルオロリン酸水溶液7.31g(0.03mol)をアセトン10mLに溶解させた溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶7.29gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、トリブチルアミン5.57g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。予めペンタフルオロ安息香酸6.36g(0.03mol)をトルエン10mLに溶解させた溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶11.3gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、イミダゾール2.04g(0.03mol)及びアセトン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。予めp−トルエンスルホン酸・一水和物5.71g(0.03mol)をアセトン10mLに溶解させた溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶6.63gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン10.6g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。予めトリフルオロ酢酸3.42g(0.03mol)をアセトン10mLに溶解させた溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶11.2gを得た。
セパラブルフラスコ(容量:100mL)に、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン13.3g(0.03mol)及びトルエン50mLを仕込み、攪拌して均一に溶解させた。予めトリフルオロメタンスルホン酸4.50g(0.03mol)をアセトン10mLに溶解させた溶液を、フラスコ内に徐々に滴下すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾過し、ヘキサン50mLで洗浄した後、真空乾燥し白色結晶17.0gを得た。
[ポリアミド樹脂Iの合成]
温度計、攪拌機、原料仕込口及び窒素ガス導入口を備えた四つ口セパラブルフラスコに、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸258.2g(1.0モル)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール270.3g(2.0モル)とを、N−メチル−2−ピロリドン1500.0gに溶解した後、N−メチル−2−ピロリドン500.0gに溶解したジシクロヘキシルカルボジイミド412.7g(2.0モル)を、反応系の温度を0〜5℃に冷却しながら、滴下した。滴下終了後、反応系の温度を室温に戻し、そのまま12時間攪拌した。反応終了後、析出したジシクロヘキシルカルボジウレアを、ろ過を行うことによって取り除き、次に、濾液に、純水2000.0gを滴下した。沈殿物を濾集し、イソプロピルアルコールで充分に洗浄した後、真空乾燥を行い、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸の両末端に1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが2モル反応した活性エステル(D)を得た。
次に、この活性エステル(D)147.7g(0.3モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン120.9g(0.33モル)とを、N−メチル−2−ピロリドン1000.0gに溶解した。その後、反応系を75℃にして12時間反応した。次に、N−メチル−2−ピロリドン50.0gに溶解した5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物11.5g(0.07モル)を加えて、更に12時間反応した。反応混合液を水/メタノール=3/1の溶液に投入、沈殿物を回収し、純水で充分に洗浄した後、真空下で乾燥し、ポリアミド樹脂Iを得た。
上記で合成したポリアミド樹脂Iを100重量部、脱水閉環反応を促進する触媒(B)として化合物C1を6.4重量部、及び感光剤(C)として、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物である下記式(14)の構造を有するジアゾキノン(Q−1)20重量部とを、N−メチル−2−ピロリドン120重量部に溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−1)を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−1)を、シリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約7μmの塗膜を得た。この塗膜に、凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残し、パターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量100mJ/cm2から10mJ/cm2づつ増やして露光を行った。
次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に40秒浸漬することによって、露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。
感度の算出は、50μmのライン・アンド・スペースパターン(1L/1S)を1対1の幅に形成する最小露光量とした。その結果、露光量350mJ/cm2で照射した部分より、パターンが形成されていることが確認できた(感度は350mJ/cm2)。
解像度の算出は、50μmのライン・アンド・スペースパターン(1L/1S)を1対1の幅に形成する最小露光量における最小パターン寸法を解像度とした。解像度は3μmと非常に高い値を示した。
次に、クリーンオーブンで酸素濃度を2000ppm以下に制御して、150℃/30分+250℃/30分で硬化を行った。得られた硬化膜の閉環率は、赤外吸収分析による赤外吸収スペクトルを用いて決定した。
更に得られた膜を50℃で24時間乾燥した後、23℃に保った純水に乾燥後の膜を浸漬しする方法(JIS−K7209準拠)で吸水率を測定したところ、吸水率は0.3%と低かった。
化合物C1に代わり、化合物C2:7.2重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−2)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−2)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、化合物C3:5.6重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−3)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−3)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、化合物C4:6.7重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−4)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−4)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、化合物C5:5.3重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−5)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−5)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、化合物C6:8.0重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−6)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−6)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、化合物C7:5.2重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−7)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−7)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、化合物C8:9.3重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−8)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−8)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、化合物C9:11.9重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−9)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−9)を用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
[ポリアミド樹脂IIの合成]
温度計、攪拌機、原料仕込口及び窒素ガス導入口を備えた四つ口セパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.7g(0.3モル)をグリセロールジメタクリレート68.5g(0.3モル)に、メタノール9.6g(0.3モル)をN−メチル−2−ピロリドンに懸濁し、ピリジン49.8g(0.63モル)を加え、25℃で10時間反応させた。次に、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール81.1g(0.6モル)を加え、1時間で完全に溶解した後、反応系を10℃以下に保ちながら、N−メチル−2−ピロリドン150gに溶解したジシクロヘキシルカルボジイミド123.8g(0.6モル)を約20分かけて滴下した。その後、25℃で3時間反応を行った。反応した反応溶液に、1,3−フェニレンジアミン35.7g(0.33モル)を加え、30℃で5時間反応を行った。次に、N−メチル−2−ピロリドン50.0gに溶解した5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物11.5g(0.07モル)を加えて、更に12時間反応した。反応混合液を、水/メタノール=3/1の溶液に投入、沈殿物を回収し、純水で充分に洗浄した後、真空下で乾燥し、ポリアミド樹脂を得た。ジシクロヘキシルウレアを濾別した後、反応混合物をメタノールに再沈し、固形物を濾集し、メタノールで洗浄後、48時間減圧乾燥し、ポリアミド樹脂IIを得た。
上記で合成したポリアミド樹脂IIを100重量部、脱水閉環反応を促進する触媒(B)として化合物C1を6.4重量部、及び感光剤(C)として、実施例で用いたのと同じフェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物であるジアゾキノン(Q−1)20重量部とを、N−メチル−2−ピロリドン120重量部に溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−10)を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−10)を用い、実施例1と同様の方法で行った。その結果、露光量450mJ/cm2で照射した部分より、パターンが形成されていることが確認できた(感度は450mJ/cm2)。解像度は5μmと高い値を示した。吸水率は0.6%と低かった。
化合物C1に代わり、化合物C8:9.3重量部を用いた以外は、前記実施例10と同様にして、ポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−11)を得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニス(W−11)を用いて、前記実施例10と同様にして硬化膜を得た。
脱水閉環反応を促進する触媒(B)を用いない以外は、前記実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニスを用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、ベンズイミダゾール:4.8重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニスを用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
化合物C1に代わり、4−ヒドロキシピリジン:3.8重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニスを用いて、前記実施例1と同様にして硬化膜を得た。
脱水閉環反応を促進する触媒(B)を用いない以外は、前記実施例10と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニスを用いて、前記実施例10と同様にして硬化膜を得た。
前記実施例1〜11、比較例1〜4と同様にして、それぞれのポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得、このポジ型感光性樹脂組成物のワニスを用いて、塗膜の特性評価において、クリーンオーブンでの硬化温度及び時間を、150℃/30分+200℃/60分とした以外は、それぞれ、実施例12〜20及び比較例5〜7については前記実施例1と同様にして、実施例21〜22及び比較例8については、実施例10と同様にして、硬化膜を作製し評価を行った。
<実施例23〜34>
実施例1〜11で得られた樹脂組成物のワニスを、それぞれ、シリコンウェハー上に塗布し、実施例1と同様の加工条件で、配線のボンディングパッド部分に孔が形成された厚さ約5μmの樹脂層を、アルミ配線上に形成した。このシリコンウェハーをダイシングソーで裁断し、リードフレーム(42−アロイ)上にマウントし、リードフレームとシリコンウェハー上のボンディングパッド部を金線にて接続した後、エポキシ樹脂封止材(住友ベークライト社製EME−6300H)で封止することにより、26ピンSOJ型のICパッケージを形成した。得られたICパッケージを、温度40℃、相対湿度90%の条件下に96時間放置したのち、IRリフロー炉内で230℃90秒加熱したが、何ら変化は観測されなかった。さらに、加熱後のパッケージ内部を超音波探傷装置にて観察したが、パッケージ内各層間で剥離は観察されなかった。
Claims (11)
- 前記触媒(B)は、一般式(1)におけるAとして窒素原子を含むものである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記触媒(B)は、一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4として、これらのうち、少なくとも一つが水素原子を有するものである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記触媒は、前記式中のXとして、フッ素原子で構成される基を有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリアミド樹脂(A)は、アルカリ水溶液に溶解するものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物が、さらに感光剤(C)を含むものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記感光剤(C)は、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸及び/又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステル化合物である請求項8に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂層を具備する半導体装置。
- 前記樹脂層は、保護膜として具備されたものである請求項10に記載の半導体装置。
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