JP5245094B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透明度が高く、水蒸気に対するバリア性に優れるガスバリアフィルムに関する。
従来、ディスプレイやタッチパネルなどの電子表示デバイスでは、ガラス基板が利用されてきたが、ガラス基板には、割れる、重い、曲げられない、といった問題がある。そのため、近年は、ガラス基板に代えて、樹脂基材を利用して構成されたフレキシブル基板なども開発されている。
しかし、樹脂基材の場合、ガラス基板とは異なり、水蒸気を透過させやすいという性質があり、このようなガスの透過を十分に抑制しないと、電子デバイスの劣化を引き起こしやすい、という問題がある。
こうした問題に対し、ガスバリア性の高いフィルムとしては、従来、アルミ蒸着フィルムや金属酸化物を蒸着したフィルムなどが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特公昭53−12953号公報
しかしながら、アルミ蒸着フィルムの場合、十分なガスバリア性を確保すると、透明度がきわめて低いフィルムとなるので、透明性が必要なデバイスには使用できない、という問題があった。
また、金属酸化物薄膜を蒸着したフィルムの場合、アルミ蒸着フィルムよりも透明度が高くなるものの、ガスバリア性が不十分である、という問題があった。
さらに、有機物層や無機物層を4層以上にわたって多重に積層することでガスバリア性を改善したフィルムなどもあるが、積層数が過剰に増えると製造プロセスが複雑になり、高コストになる、という問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、十分に透明度が高く、水蒸気に対するバリア性にも優れたガスバリアフィルムを提供することにある。
以下、本発明において採用した構成について説明する。
本発明のガスバリアフィルムは、透明なフィルム状の樹脂基材と、前記樹脂基材の一方の面に樹脂組成物をコーティングして形成される層であり、前記コーティング後の表面粗さをJIS B 0601−2001に規定された算術平均粗さRaでRa≦2.5nmまで平坦化する平坦化処理層と、前記樹脂基材に前記平坦化処理層が形成されてから、前記平坦化処理層側の面に成膜される層であり、表面粗さはJIS B 0601−2001に規定された算術平均粗さRaで、Ra≦2.5nm、表面における水の接触角は55度以上、且つ、酸素量xは1.6≦x<2.0の範囲内とされたSiOx層とを備えることを特徴とする。
本発明のガスバリアフィルムにおいて、樹脂基材としては、十分な透明性を確保可能な樹脂フィルムを利用すればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂フィルムを用いることができる。また、透明性が確保されていれば、ポリエステル樹脂以外のフィルム材でもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド樹脂、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール樹脂、さらにはポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルサルホン、環状ポリオレフィンなどの合成樹脂からなるフィルムを用いることができる。中でも、透明性が高く、機械的強度も高く、寸法安定性にも優れる点では、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。樹脂基材の厚さは、用途によっても変わり得るが、実用上一般的と考えられる厚さとしては、25〜188μm程度とされていると好適である。
また、本発明のガスバリアフィルムにおいて、平坦化処理層は、樹脂基材の表面に形成されることで、樹脂基材の表面を平坦化する層である。この平坦化処理層を形成する樹脂組成物としては、本発明で規定した通りの平坦化を実現でき、樹脂基材の透明性を過剰に損ねることがないものであれば、任意の樹脂組成物を利用できる。
このような樹脂組成物の一例としては、例えば、エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂組成物を挙げることができる。また、ここでいうエネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線などを挙げることができる。
エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂組成物としては、アクリル系の光重合性プレポリマーや光重合性モノマーなどを主成分として、さらに光重合開始剤などが添加された組成物を利用することができる。
アクリル系の光重合性プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレートなどを挙げることができる。また、アクリル系の光重合性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類等が挙げられる。また、具体的には、市場より、チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア907(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、BASF社製ルシリンTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)等を容易に入手出来る。また、これらは、単独又は2種以上を混合して使用しても良い。
以上のような樹脂組成物をコーティングして樹脂基材の表面に対する平坦化処理を行うには、平坦化処理層として、厚さ1〜10μm程度のコーティング層を形成すると望ましい。この平坦化処理層の厚さが1μm未満になると、期待するような平坦化を十分に行うことが難しくなる。一方、平坦化処理層の厚さが10μmを超過しても、さらなる平坦化を期待することはできないので、資源的にも経済的にも無駄である。
さらに、本発明のガスバリアフィルムにおいて、SiOx層は、ガスバリア性を発現させるための層である。このようなSiOx層は、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理的蒸着技術によって形成することができる。
このSiOx層は、樹脂基材に平坦化処理層が形成されてから、平坦化処理層側の面に成膜される。これにより、このSiOx層もきわめて平坦化された表面を持つ層となり、その表面粗さを、JIS B 0601−2001に規定された算術平均粗さRaで、Ra≦2.5nmとすることが可能となる。SiOx層の表面粗さは、平滑であればあるほどよく、算術平均粗さRaは2.5nm以下であれば、その下限値は特に限定されない。
また、SiOx層の表面は、水との親和性が低い方が望ましく、その指標として、SiOx層の表面における水の接触角は55度以上となっていると好ましい。この接触角が55度を下回ると水との親和性が高まることで、水蒸気に対するバリア性が低下する傾向がある。なお、この接触角は55度以上であれば特に上限値は限定されない。
さらに、SiOx層において、酸素量xは1.6≦x<2.0の範囲内とされることも重要である。この酸素量が1.6を下回る場合、2.0以上となる場合は、いずれもガスバリア性が期待するほど高くならない傾向がある。
以上のように構成された本発明のガスバリアフィルムによれば、平坦化処理層によって事前に表面が平坦化された樹脂基材上に、本発明で規定する諸特性を兼ね備えたSiOx層を形成しているので、従来品に比べ、格段に高いガスバリア性能を有するガスバリアフィルムとなる。
ガスバリア性能の詳細については、後述する実験例等により明らかとなるが、本発明のガスバリアフィルムによれば、透湿度が0.02g/m2/day未満というきわめて高い水蒸気バリア性を示す。
したがって、高い水蒸気バリア性が要求される様々な用途、例えば、光学部材、エレクトロニクス部材、一般包装部材、薬品包装部材など幅広い用途において、本発明のガスバリアフィルムを用いることで、保護対象物を水蒸気から保護することができる。
本発明の実施形態として説明したガスバリアフィルムの一部を拡大して示す断面図。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
〔1〕ガスバリアフィルムの構造
図1に例示するガスバリアフィルム1は、樹脂基材2と、平坦化処理層3と、SiOx層4とを積層してなる三層構造のフィルムである。
樹脂基材2は、ポリエステル樹脂製(本実施形態では、ポリエチレンテレフタレート製)のフィルムで、本実施形態においては、その厚さが125μmとされている。
平坦化処理層3は、樹脂基材2に対して紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物をコーティングするとともに、そこに紫外線を照射して硬化させたもので、本実施形態においては、その厚さが6μmとされている。
また、平坦化処理層3は、きわめて平滑な表面を持つ層であり、その表面粗さがJIS B 0601−2001に規定された算術平均粗さRaで、Ra=1.1nmとされている。この表面粗さは、本実施形態においては、原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope、KEYENCE社製、VN−8010)を利用して測定した。
具体的には、まず、測定に当たっては、サンプルフィルムをガラスに貼付してから測定台にセットし、測定条件として、測定モード:DFM(dynamic force microscope)、スキャンエリア:200μm×200μm、スキャン速度:Autoを設定し、AFM測定を行った。そして、この測定で得られたAFM画像の傾きを補正したのち、JIS B 0601−2001法準拠の表面粗さ計測を実施した。なお、この計測については、1サンプルにつき3点の計測を実施し、その平均値を測定データとして採用した。
SiOx層4は、樹脂基材2に平坦化処理層3が形成されてから、スパッタリングにより、平坦化処理層3側の面に成膜された層で、本実施形態においては、その厚さが50〜75nmとされている。
SiOx層4を成膜するためのスパッタリングは、ロールトゥロール方式のスパッタリング装置にフィルム(=樹脂基材2に平坦化処理層3が形成されたもの)を取り付けて実施した。また、スパッタリング装置が備えるデュアルマグネトロンカソードには、スパッタリングのターゲット材として、シリコン(住友金属鉱山株式会社製)を取り付けた。
スパッタリングを開始するに当たっては、まず、真空ポンプにてスパッタリング装置の真空槽内を減圧し、真空槽内の圧力が4×10-4Paになるまで排気したのち、放電ガスであるアルゴンガスをマスフロコントローラーで流量制御しながら真空槽内に導入した。
そして、放電ガス導入後、アルゴンガス流量を調整して真空槽内の圧力を0.4Paとし、放電電源(PE−II、Advanced Energy社製)を用いて、任意の成膜出力をカソードへ供給しプレスパッタを実施した。
その後、プレスパッタ開始から10分が経過したら、反応ガスとして酸素ガスをマスフロコントローラーで流量制御しながら真空槽内に導入した。酸素ガス導入後、任意の放電電圧になるよう酸素ガス流量を調整した。そして、最終的な成膜圧力が0.4Paになるようアルゴンガスと酸素ガスの流量を低減し、フィルムを搬送しながら所期のSiOx層4を成膜した。
〔2〕物性・性能測定
上述したガスバリアフィルム1について、その物性及び性能を測定した。物性及び性能の測定に当たっては、製造条件を変えることで物性の異なる試料を多数作製し、それらの試料についてスクリーニングを行い、性能が優れた試料の選定を行った。
物性・性能測定の評価項目としては、(A)平坦化処理層3の表面粗さRa、(B)SiOx層4内の酸素量x、(C)SiOx層4の表面粗さRa、(D)SiOx層4表面における水の接触角、(E)透湿度を選び、これらの測定を行った。
これらの評価項目のうち、(A),(C)については、すでに説明した方法で、JIS B 0601−2001に準拠して、算術平均粗さRaを計測した。(B)については、ESCA(ESCA5400、ULVAC−PHI社製)を用い、X線源としては、Mgアノード(出力400W、管電圧14kV)を用い、測定範囲0.8mmφで、Si:2p、O:1sのバインディングエネルギー(Binding Energy)に相当するピークが現れる範囲で測定を実施した。得られた測定結果は、ESCA装置に付属のソフトウェア(MultiPak、ULVAC−PHI社製)にて解析を行った。このとき、各ピークに対し、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正を行い、原子数比を求める。得られた原子数比について、Si原子数を1とし、O原子数を計算した。1サンプルにつき3点測定し平均値を酸素量xとして採用した。
(D)については、自動接触角計(DM−500、協和界面科学株式会社製)を利用し、サンプルフィルムをスライドガラスに貼付して、自動接触角計の台にセットし、蒸留水1μLを滴下し、滴下したあと3秒後の接触角を計測した。なお、この接触角については、1サンプルにつき5点計測し、平均値を測定データとして採用した。
(E)については、水蒸気透過試験機(PERMATRAN W3/33、MOCON社製)を利用して、温度40℃、相対湿度90%の環境で、JIS K7129 Bに準拠して測定した。
また、以上の評価項目以外に、SiOx層4の膜厚、全光線透過率なども測定した。全光線透過率はヘーズメータ(HZ−2、スガ試験機)を用いJIS K 7136法に準拠して測定した。代表的な試料をいくつか抜粋し、それらの試料についての測定結果等を表1に示す。
表1中、実施例1〜3として示した試料は、透湿度が測定装置の測定保証値以下(0.02g/m2/day以下)となり、きわめて高い水蒸気バリア性を示す結果となった。
これに対し、比較例1として示した試料は、平坦化処理層3の表面粗さが9.0nmと比較的粗く、SiOx層4の表面粗さも9.4nmと比較的粗いものであり、比較例1は、期待するほど高い水蒸気バリア性を示さない結果となった。
そこで、この結果について、さらに検証をするため、平坦化処理層3の表面粗さを変更して実験を重ねた。そして、その実験結果を検証したところ、平坦化処理層3の表面粗さについては、少なくとも2.5nmを超える試料に関し、十分に高い水蒸気バリア性を確保できていないことが判明した。
ただし、比較例2〜6にも示した通り、平坦化処理層3の表面粗さが2.5nm以下の試料でも十分に高い水蒸気バリア性を確保できない場合があるため、この点についても、さらに検討を行った。具体的には、SiOx層4の表面粗さについても種々変更してさらに実験を重ね、その実験結果を検証した。
その結果、SiOx層4の表面粗さについても、少なくとも2.5nmを超える試料に関しては、十分に高い水蒸気バリア性を確保できていないことが判明した。この点に関しては、表1に例示した比較例1〜6においても、比較例5以外は、SiOx層4の表面粗さが2.5nmを超える測定結果となっており、実施例1〜3ほど高い水蒸気バリア性を備えていないことがわかる。
一方、比較例5に関しては、SiOx層4の表面粗さが2.5nm以下ながら、実施例1〜3ほどは高い水蒸気バリア性を示さない結果となった。そこで、さらにこの点についても、さらに多数の実験結果を検証したところ、水の接触角が55度未満になると、十分に高い水蒸気バリア性を確保できない傾向が見受けられた。
この傾向は、表1に例示した試料においても見受けられ、例えば、実施例1〜3については、平坦化処理層3の表面における水の接触角が62度、60度、64度と、いずれも55度以上の大きい角度となっている。これに対し、上述した比較例5の場合、SiOx層4の表面粗さは2.5nm以下であるものの、水の接触角については51度となっており、55度を下回っている。
さらに、以上のような検証を行う中で、SiOx層4の酸素量xも透湿度に影響を及ぼす傾向があることを見いだした。具体的には、酸素量xが1.6を下回ると(例えば、比較例6)、水蒸気バリア性が低下する(すなわち、透湿度が高くなる)傾向があった。
この酸素量xについては、1.6以上とすれば十分に透湿度を低下させることができ、所期の水蒸気バリア性を発現させることができ、特に、酸素量xを1.8以上とすれば、格段に透湿度を低下させることができた(例えば、実施例1〜3)。
ただし、この酸素量xは多いほどよいものではなく、酸素量xが2.0以上になると水蒸気バリア性が低下する傾向を示した(例えば、比較例3〜5)。特に、比較例3にも示すように、酸素量xが2.2以上になると、著しく水蒸気バリア性が低下する傾向が見受けられた。
したがって、以上のような傾向を踏まえて、十分に高い水蒸気バリア性を確保するには、まずは、平坦化処理層3については表面粗さを2.5nm以下のレベルまで平坦化し、且つ、SiOx層4についても表面粗さを2.5nm以下のレベルまで平坦化することが好ましいと考えられる。また、SiOx層4については、その表面における水の接触角が55度以上となるように製造条件(例えば、スパッタリング時の処理時間や放電電圧等)を調節し、さらに、酸素量xは1.6以上2.0未満となるように調節すると、十分に高い水蒸気バリア性が発現するものと考えられる。
〔3〕変形例等
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、樹脂基材2の一例として、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムを示したが、他のポリエステル樹脂フィルムを用いることもでき、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどフィルムを用いてもよい。また、この他、必要とされる透明性や機械的強度に問題がなければ、ポリエステル樹脂以外のフィルム材でもよく、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニルなどのフィルムを樹脂基材2として用いてもよい。
また、上記実施形態では、平坦化処理層3を形成する樹脂組成物として、紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物を例示したが、この他、電子線硬化型の樹脂組成物でコーティングを行っても、所期の平坦化処理層3を形成することができる。また、このような紫外線や電子線で硬化するエネルギー線硬化型のコーティング組成物以外であっても、樹脂基材表面に適用することにより、樹脂基材表面の平坦化を実現できるのであれば、任意の樹脂組成物を利用して、平坦化処理層3を形成することができる。
さらに、上記実施形態では、SiOx層4をスパッタリング法にて形成していたが、他の物理的蒸着技術によって形成することも可能であり、例えば、イオンプレーティング法により、所期のSiOx層4を形成してもよい。
加えて、上記実施形態では、樹脂基材2、平坦化処理層3、及びSiOx層4、それぞれの厚さについて、具体的な数値を例示したが、これら各層の厚さについては、ガスバリアフィルム1の用途に応じて適宜調整されていればよい。
1・・・ガスバリアフィルム、2・・・樹脂基材、3・・・平坦化処理層、4・・・SiOx層。

Claims (3)

  1. 透明なフィルム状の樹脂基材と、
    前記樹脂基材の一方の面に樹脂組成物をコーティングして形成される層であり、前記コーティング後の表面粗さをJIS B 0601−2001に規定された算術平均粗さRaでRa≦2.5nmまで平坦化する平坦化処理層と、
    前記樹脂基材に前記平坦化処理層が形成されてから、前記平坦化処理層側の面に成膜される層であり、表面粗さはJIS B 0601−2001に規定された算術平均粗さRaで、Ra≦2.5nm、表面における水の接触角は55度以上、且つ、酸素量xは1.6≦x<2.0の範囲内とされたSiOx層と
    を備えることを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 前記平坦化処理層を形成する樹脂組成物が、エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂組成物である
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記樹脂基材が、ポリエステル樹脂フィルムである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスバリアフィルム。
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