JP5244363B2 - 分割ステータおよびモータ - Google Patents

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Description

本発明は、分割ステータと該分割ステータを具備するモータに関するものである。
自動車産業においては、ハイブリッド自動車や電気自動車のさらなる走行性能の向上を目指して、駆動用モータの高出力化、軽量化、小型化への開発が日々進められている。また、家電製品メーカーにおいても、各種家電製品に内蔵されるモータのさらなる小型化、高性能化への開発に余念がない。
モータの性能を向上させるには、モータ内部で発生する各種損失を如何に低減できるかが課題である。例えば、電気入力後においては、モータを構成するコイルにおいて導体抵抗損失に起因する銅損が生じ、ロータやステータには渦電流損失やヒステリシス損失に起因する鉄損(または高周波鉄損)が生じ、これらの損失に応じてモータ効率やトルク性能が低下することとなる。この渦電流損失は磁束密度の時間変化によって齎される損失であり、ヒステリシス損失は磁束密度の大きさに起因する損失である。
ところで、モータを構成するステータコアとして、コイル形成を含めた製造効率向上の観点から、複数の分割コアからステータ(分割ステータ)を製造する方法がある。この分割ステータにおいては、分割コアのティースにコイルを形成して各分割コアを組付けて円環状のコアユニットを形成し、このコアユニットを筒体(ケーシング)に挿入し、この筒体を焼き嵌めることにより、分割ステータが製造されている。ここで、図11は、電磁鋼板が積層されてできた分割ステータA(コイルの図示を省略している)を示しており、図12は、その横断面図であって、ヨークa1とティースa2を有し、該ティースa2まわりにコイルa3が形成されてなる分割コアaが周方向に組み付けられ、その外周に筒体bが焼き嵌めされている状態を示している。
図示する従来の分割ステータでは、分割コア同士が周方向に組み付けられ、その外周が焼き嵌め等にて一体にされているものの、隣接する分割コア同士は単にヨークで当接するのみであることから、分割ステータの一体性(強度)の向上には開発の余地がある。
上記する分割コア同士の組付け強度を向上させる技術として、鋼板積層体からなる分割コアそれぞれの鋼板同士を交互に嵌め合いした形態の分割ステータが特許文献1に開示されており、隣接する分割コア端部の一方にΩ状の凸部を設け、他方にこれに係合するΩ状の凹部を設けた形態の分割ステータが特許文献2に開示されている。
特開2000−78779号公報 特開2002−262496号公報
特許文献1に開示の分割ステータでは、1枚の鋼板同士を交互に嵌め合いする形態であることから、分割コア同士の製造や分割コア同士の組付け作業に多大な手間と時間を要し、組み付け不可の発生による製造歩留まりの低下は必至である。一方、特許文献2に開示の分割ステータでは、Ω状の凹部および凸部を形成するにはやはり時間と手間がかかり、製造コストが高騰することは必然である。
ところで、一般に分割ステータでは、図12中に示すように、隣接する分割コア同士のヨークにおいて漏れ磁束等による渦電流fが生じ易く、これに起因する渦電流損を如何に低減できるかが、分割コアからなる分割ステータを具備するモータの性能向上に重要な課題の一つである。これに対して、特許文献1,2に開示のような分割コア同士を嵌め合いすることにより、分割コア同士の接触面積が増加して磁気抵抗が低下し、分割コア間における上記漏れ磁束も低減される。しかし、今度は、分割コア間に形成されたエアギャップよりも磁気抵抗の少ない上下方向の鋼板に磁束が流れ、この磁束が鋼板を貫く際に渦損が発生するという課題が生じる。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、複数の分割コアから形成される分割ステータにおいて、製造効率を低下させることなくステータの強度を向上させることができ、分割ステータに固有の課題である分割コア同士の接続部に生じる渦損を効果的に抑止することのできる分割ステータと、これを具備するモータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による分割ステータは、円環状のヨークと該ヨークから径方向内側へ突出する複数のティースとを備えたステータであって、該ステータを形成するステータコアはその周方向に分割された複数の分割コアから形成されてなる分割ステータにおいて、隣接する前記分割コア同士が相互に対向する双方のヨークの側面には該分割コアの高さ方向に凹部と凸部が交互に具備されており、双方の分割コアの凹部と凸部が嵌め合いされることによって円環状のステータコアが形成されることを特徴とするものである。
本発明の分割ステータを構成する分割コアは、鋼板を積層させた鋼板積層体から形成されてもよいし、軟磁性金属粉末または軟磁性金属酸化物粉末が樹脂バインダーで被覆された磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心から形成されてもよい。鋼板積層体を構成する鋼板素材としては、電磁鋼板をはじめ、冷延鋼板(SPCC)や熱延鋼板(SPHC)、炭素鋼(S45C)などを使用することができる。また、圧粉磁心を構成する磁性金属粉末としては、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などを用いることができる。
本発明の分割コアは、そのヨークの側面で隣接する他の分割コアのヨークと対向する側面に凹部と凸部が該分割コアの高さ方向に交互に形成されている。分割コアが鋼板積層体からなる場合には、この凹部および凸部のそれぞれの高さは数枚の鋼板の厚み分で双方が同じ高さを有する形態となるし、圧粉磁心からなる場合には、凹部および凸部が同じ高さを有するように成形型内にて加圧成形される。いずれにしても、凸部の高さ(厚み)が少なすぎることによる該凸部の損傷の回避と、分割コア同士を周方向に組み付ける際の作業効率性双方の観点から、凹部および凸部の高さが決定される。
上記する本発明の分割ステータによれば、分割コア同士を双方の凹部と凸部で嵌め合いすることで形成される分割ステータ自体の剛性が高められることに加えて、組み付け作業効率の良さから製造効率を低下させることもない。
また、上記する分割コアの実施の形態として、周方向のヨーク幅が同一の小分割コアを該分割コアの高さ方向に積層することで形成されるものであって、複数の小分割コアが積層方向に互い違いに積層されることで、分割コアのヨークの側面に前記凹部と前記凸部が形成される形態もある。
この実施の形態は、複数の小分割コアを積層することで一つの分割コアを形成するものであり、さらにこの積層形態が小分割コアの積層方向で互い違いに積層されることにより、形成される分割コアの側面に既述する凹部と凸部を交互に形成させるものである。
ここで、小分割コアは、一つのティースと所定の円弧長を有するヨークとからなるが、このヨークはティースと接続される箇所から左右で非対称の長さを有している。しかし、小分割コアは同形状で同寸法の一種類のコアを所定数製作すればよい。小分割コアを積層していく際に、各小分割コアを裏表反対にしながら、かつ、ティースのみを高さ方向に揃えて積層していくことで、積層方向に交互に凹部と凸部が形成されるからである。
また、本発明による分割ステータの好ましい実施の形態において、前記ヨークには、隣接する分割コア間に跨るスリットが分割ステータの高さ方向に亘って形成されていることを特徴とするものである。
分割ステータでは、隣接する分割コア間に少なからずエアギャップが生じている。上記のごとく、隣接する分割コアの側面同士を双方の凹部と凸部を嵌め合わせることでできた分割ステータでは、たとえばティースからヨークの凹部に流れる磁束は、エアギャップよりも磁気抵抗の少ない該凹部の上下に位置する隣接コアの凸部に流れることになる。この上下方向への磁束の流れは渡り磁束とも称される。分割コアが鋼板を積層させた鋼板積層体からなる場合には、この渡り磁束が上下の鋼板を貫くことで渦損が生じてしまう。
そこで、本実施の形態では、この渦損を可及的に低減するために、上下方向に流れる渡り磁束が貫く鋼板面積を小さくするべく、分割コアの端部に該分割コアの高さ方向に延びるスリットを形成しておくものである。
このスリットは、分割コアの接合部一箇所あたり2〜4本程度設けることができるが、スリット本数が増加することによる渦損低減効果と、スリット本数が増加することによる分割コアの剛性低下、さらには加工効率の低下などを勘案してその本数が設定される。
また、上記する小分割コアを積層してできる分割コアのヨークに、隣接する分割コア間に跨るスリットが形成された実施の形態では、複数の前記小分割コアが積層された姿勢において、それぞれの小分割コアの凸部を形成する側面に設けられたスリットを第1の分割スリットとし、その反対側の凹部を形成する側面に設けられたスリットを第2の分割スリットとした場合に、第1の分割スリット長は第2の分割スリット長に比して相対的に長く形成されており、分割コア同士を嵌め合いした姿勢において第1の分割スリットと第2の分割スリットが連通することによって前記隣接する分割するコア間に跨るスリットが形成されるものである。
本実施の形態は、たとえば同形状で同寸法の小分割コアを複数積層して一つの分割コアを形成するとともに、この分割コア同士を周方向に組み付けた際に、分割コア間に跨るスリットが高さ方向ですべて同じスリット幅となるようにした形態である。
そのための構成として、分割コアの凸部に形成されるスリット(第1の分割スリット)の長さを凹部に形成されるスリット(第2の分割スリット)のそれよりも長くしておくことで、分割コア同士が組み付けられた際にこの第1、第2の分割スリットが連通してできるスリットの幅を分割ステータの高さ方向で統一することが可能となる。
また、本発明による分割ステータの好ましい実施の形態において、隣接するティース間に形成されるスロット幅をW1,隣接する分割コア間に跨る前記スリット幅をW2とした場合に、W2/W1が0.3〜0.6の範囲となっていることを特徴とするものである。
既述するスリットの幅とティース間のスロットの幅に関し、スリット幅が長くてスロット幅程度であれば上記する渡り磁束に起因する渦損低減効果は大きくなるが、その一方で、今度は分割ステータの剛性が大きく低下する。
スロット幅をW1,スリット幅をW2とした場合、本発明者等の実験によれば、W2/W1が0.6を超えてしまうと座屈の問題が顕著になること、W2/W1が0.3を下回ると渡り磁束に起因する渦損低減効果が十分に期待できなくなることより、本実施の形態は、双方の課題および効果を満足する最適範囲として、W2/W1を0.3〜0.6の範囲に設定したものである。
上記する本発明の分割ステータを具備するモータは、分割コア同士が強固に組み付けられるとともに、接続部の磁束の流れで生じる渦損を効果的に抑止することができ、さらにはその製造効率も高い。
以上の説明から理解できるように、本発明の分割ステータによれば、分割コア同士が嵌め合いされることで全体の剛性が高く、分割コア間に跨るスリットが設けられている場合にはさらにコア間で生じる渦損を抑止することができる。さらに、本発明による分割ステータは、一種類の小分割コアを複数用意することで分割コアや分割ステータを形成することができ、したがって、剛性の高い分割ステータを廉価な製造コストで製造することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1aは本発明の分割ステータの一実施の形態を示した斜視図であり、図1bは小分割コアを拡大した斜視図である。図2は本発明の分割ステータの他の実施の形態を示した斜視図であり、図3は隣接する2つの分割コアを拡大した斜視図であり、図4は図3のIV方向から見た矢視図である。図5は従来の分割コアからなる分割ステータ(比較例1)と図1で示す本発明の分割ステータ(実施例1)それぞれの分割コア接続部に生じる応力を比較した解析結果であり、図6は比較例1と実施例1それぞれの分割コア接続部に生じる応力に起因した損失を比較した解析結果である。図7は図1で示す本発明の分割ステータ(実施例1)と図2で示す本発明の分割ステータ(実施例2)の渡り磁束による損失を比較した解析結果であり、図8はスリット幅とスロット幅の比の最適範囲を説明するためのグラフである。図9は鋼板から分割コアを打抜く方法の一実施の形態を説明した図であり、図10は鋼板から分割コアを打抜く方法の違いによる損失を比較した解析結果である。なお、図示する分割ステータは、電磁鋼板を積層した小分割コアからできる分割コア同士を組み付けて形成されるものであるが、本発明の分割ステータは圧粉磁心からなる分割コア同士を組み付けて形成されるものを包含することは勿論のことである。
図1aは本発明の分割ステータの一実施の形態を示したものである。この分割ステータ100は、複数の電磁鋼板を所定高さに積層して図1bに示すような一つの小分割コア10を形成し、これを分割ステータの高さ方向にその上下面を交互に反対にしながら積層することでその両側面に凹部と凸部を有する一つの分割コアを形成し、周方向に分割コア同士を双方の凹部と凸部を嵌め合いすることで一体とし、これを中空筒状の筒体20で焼き嵌めすることで製作される。なお、各小分割コア10は一つのティース10bとこのティース10bの左右で非対称に延びたヨーク10aを有している。
この小分割コアは複数の電磁鋼板を積層してできており、したがって、一枚ずつ電磁鋼板を嵌め合いする従来の形態に比して製造効率も格段に高まり、製造歩留まりも向上する。
図2は、本発明の分割ステータの他の実施の形態を示したものである。この分割ステータ100Aは、隣接する分割コア間に跨るスリット2が分割コア接合箇所ごとに3つ形成されたものであり、このスリット2は分割ステータ100Aの上端から下端に貫通するように形成されている。たとえば10mm幅のヨークには、1mm程度の幅のスリットを2または3本配置することが可能である。
図3は、図2の分割ステータ100Aから隣接する2つの分割コアを取り出して拡大したものである。
小分割コア10は、ティース10bから左右非対称に円弧状に突出したヨーク10aを有しており、相対的に突出長の長いヨークの端部には第1のスリット2aが形成され、突出長の短いヨークの端部には第2のスリット2bが形成され、第1のスリット2aの幅:a1は第2のスリット2bの幅:a2よりも長く設定されている。分割コア同士が嵌め合いされた姿勢において、第1のスリット2aと第2のスリット2bが連通することで幅:W2のスリット2が形成される。
しかも、同形状で同寸法の小分割コア10が上下を反対にして交互に積層されていることで、図3のIV方向から見た図4で示すように、形成されるスリット2は分割ステータの上端から下端にかけて一定幅:W2が確保される。
ティースからヨークに流れた磁束がエアギャップを回避して上下方向へ流れ、上下方向に位置する電磁鋼板を貫く際に渦損が生じるが、スリット2が分割コア接続部に形成されていることにより、磁束が貫く鋼板面積が小面積に分断される結果、発生する渦損を可及的に低減することができる。
[従来の分割コアからなる分割ステータ(比較例1)と図1で示す本発明の分割ステータ(実施例1)それぞれの分割コア接続部に生じる応力を比較した解析とその結果]
本発明者等は、隣接する分割コアそれぞれのヨークの接続面を斜めに形成した(径方向に対して所定の角度を有している)従来の分割ステータ(比較例1)と、図1に示す本発明の分割ステータ(実施例1)をモデル化し、焼き嵌め時の締め付け力によって双方の接続部で生じる最大応力を解析によって求めた。ここで、比較例1の場合には、ヨーク同士の接続面が斜めに形成されていることからその端部で応力が集中し、最大応力を生じることになる。
応力解析の結果、図5に示すように、比較例1の最大応力を100とした場合に、実施例1の最大応力はその5割程度となる結果が得られた。さらに、図6に示すように、比較例1のヨークにおける鉄損等の損失を100とした場合に、実施例1の損失はその8割程度に低減される結果が得られた。
比較例1では、ヨークの応力集中箇所における磁気特性の劣化やこれに起因する鉄損の増加と発熱、座屈等の欠損の問題が懸念される一方で、実施例1ではこの問題が解消されると結論付けることができる。
[図1で示す本発明の分割ステータ(実施例1)と図2で示す本発明の分割ステータ(実施例2)の渡り磁束による損失を比較した解析と結果]
本発明者等は、図1で示す分割ステータ(実施例1)と図2で示す分割ステータ(実施例2)の渡り磁束による損失を解析によって比較することにより、スリットの効果を確認した。なお、本解析では、ヨーク内に同幅のスリットを3本モデル化している。
解析の結果を示す図7より、実施例1の渡り磁束による損失(渦損)を100とした場合に、実施例2ではその75%程度に損失が低減する結果が得られた。このことは、分割コア接合部にスリットを形成することで、大きな損失低減効果が得られることを実証している。
図7の解析結果から判断すれば、分割コア接合部にスリットを入れる効果は十分に期待できるが、その一方で、スリットを入れることによる分割ステータ自体の強度(剛性)の低下が問題となる。そこで、本発明者等は、スリットの幅をティース間に形成されるスロットの幅との比率で規定し、この比の最適な範囲を検証した。ここで、図3,4に示すように、スリット幅をW2、スロット幅をW1とし、その比:W2/W1を変化させて渡り磁束による損失低減と分割ステータ強度のそれぞれの変化を解析するとともに共通する座標上にグラフ化した。この結果を図8に示す。
図8より、双方のグラフがW2/W1の大小によって正反対の結果となることは明らかであるが、検証の結果、W2/W1が0.6を超えた領域ではスリット幅が長すぎて局所的な座屈等、分割ステータに欠損が生じ易くなること、W2/W1が0.3を下回った領域ではスリット幅が短すぎて渦損低減効果が十分に期待できないことが特定された。
この結果より、スリット幅はスロット幅の3〜6割程度の長さに設定されるのが好ましいと結論付けることができる。
図9は鋼板から分割コアを打ち抜き加工する際の最適な方法を説明するための図である。分割コアの打ち抜きに際しては、ロール状の鋼板を圧延し、圧延された鋼板から分割コアが連続的に打抜かれるものであるが、この際に、分割コアのティースの方向が鋼板ロールの圧延方向(L方向)となるように打ち抜き加工するのが好ましい。
一般に、電磁鋼板は圧延方向の磁気特性が最も良好であり、ステータの損失が主にティースに発生することを考慮すると、最も磁気特性が良好な方向をティース方向とすることにより、分割ステータのトータル損失を最小とすることが可能となる。
図10は、ティースの長手方向が圧延方向(L方向)となるように打ち抜いてできた分割コアからなる分割ステータと、ティースの長手方向が圧延方向に直交する方向(C方向)となるように打ち抜いてできた分割コアからなる分割ステータとを用意して、双方のトータル損失を比較したものである。
図10より、ティースの長手方向をC方向とした場合の損失100に対し、ティースの長手方向をL方向とした場合の損失は85程度に低減される結果が得られた。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
(a)は本発明の分割ステータの一実施の形態を示した斜視図であり、(b)は小分割コアを拡大した斜視図である。 本発明の分割ステータの他の実施の形態を示した斜視図である。 隣接する2つの分割コアを拡大した斜視図である。 図3のIV方向から見た矢視図である。 従来の分割コアからなる分割ステータ(比較例1)と図1で示す本発明の分割ステータ(実施例1)それぞれの分割コア接続部に生じる応力を比較した解析結果である。 従来の分割コアからなる分割ステータ(比較例1)と図1で示す本発明の分割ステータ(実施例1)それぞれの分割コア接続部に生じる応力に起因した損失を比較した解析結果である。 図1で示す本発明の分割ステータ(実施例1)と図2で示す本発明の分割ステータ(実施例2)の渡り磁束による損失を比較した解析結果である。 スリット幅とスロット幅の比の最適範囲を説明するためのグラフである。 鋼板から分割コアを打抜く方法の一実施の形態を説明した図である。 鋼板から分割コアを打抜く方法の違いによる損失を比較した解析結果である。 従来の分割ステータを示した斜視図である。 図11の分割ステータにおいて、分割コアの端部で漏れ磁束に起因する渦電流が生じている状況を説明した図である。
符号の説明
1…電磁鋼板、2…スリット、2a…第1のスリット、2b…第2のスリット、10…小分割コア、20…筒体、100,100A…分割ステータ

Claims (5)

  1. 円環状のヨークと該ヨークから径方向内側へ突出する複数のティースとを備えたステータであって、該ステータを形成するステータコアはその周方向に分割された複数の分割コアから形成されてなる分割ステータにおいて、
    隣接する前記分割コア同士が相互に対向する双方のヨークの側面には該分割コアの高さ方向に凹部と凸部が交互に具備されており、双方の分割コアの凹部と凸部が嵌め合いされることによって円環状のステータコアが形成されており、
    前記ヨークには、隣接する分割コア間に跨るスリットが分割ステータの高さ方向に亘って形成されていることを特徴とする分割ステータ。
  2. 円環状のヨークと該ヨークから径方向内側へ突出する複数のティースとを備えたステータであって、該ステータを形成するステータコアはその周方向に分割された複数の分割コアから形成されてなる分割ステータにおいて、
    隣接する前記分割コア同士が相互に対向する双方のヨークの側面には該分割コアの高さ方向に凹部と凸部が交互に具備されており、双方の分割コアの凹部と凸部が嵌め合いされることによって円環状のステータコアが形成されており、
    前記分割コアは、周方向のヨーク幅が同一の小分割コアを該分割コアの高さ方向に積層することで形成されるものであり、複数の小分割コアが積層方向に互い違いに積層されることで、分割コアのヨークの側面に前記凹部と前記凸部が形成されるものであり、
    前記ヨークには、隣接する分割コア間に跨るスリットが分割ステータの高さ方向に亘って形成されており、
    複数の前記小分割コアが積層された姿勢において、それぞれの小分割コアの凸部を形成する側面に設けられたスリットを第1の分割スリットとし、その反対側の凹部を形成する側面に設けられたスリットを第2の分割スリットとした場合に、第1の分割スリット長は第2の分割スリット長に比して相対的に長く形成されており、分割コア同士を嵌め合いした姿勢において第1の分割スリットと第2の分割スリットが連通することによって前記隣接する分割するコア間に跨るスリットが形成される分割ステータ。
  3. 隣接するティース間に形成されるスロット幅をW1,隣接する分割コア間に跨る前記スリット幅をW2とした場合に、W2/W1が0.3〜0.6の範囲となっていることを特徴とする、請求項またはに記載の分割ステータ。
  4. 前記分割コアまたは前記小分割コアは、鋼板が積層された鋼板積層体からなることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の分割ステータ。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の分割ステータを具備するモータ。
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