JP5242155B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT装置(X-ray Computed Tomography System)に関し、特にデュアルエネルギー(dual-energy)撮影を実現させる技術に関する。
X線CT装置を用いる撮影法として、デュアルエネルギー撮影法と呼ばれる撮影法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
この撮影法は、物質によってX線エネルギーの吸収スペクトル(spectrum)が異なることを利用して、被検体における特定の物質が強調あるいは抑制(除去)された画像を得る撮影法である。具体的には、例えば、第1物質と第2物質とを含む被検体に、エネルギースペクトルが互いに異なる第1X線と第2X線とを照射して複数ビュー(view)に対応する第1X線投影データ(data)と第2X線投影データとを収集する。そして、第1X線投影データに基づいて第1画像を画像再構成するとともに、第2X線投影データに基づいて第2画像を画像再構成し、第1画像と第2画像との間で第1物質に対応する画素の画素値が略同じ値となるように、第1画像および第2画像の少なくとも一方を重み付けして、第1画像および第2画像の一方から他方を減算すること(加重減算処理)により、第1物質が抑制され第2物質が強調された(第1物質に対応する画像の画素値が略零となる)デュアルエネルギー画像を得る。
なお、上記のような第1X線投影データと第2X線投影データとを収集する方法としては、例えば、1ビューまたは2以上の所定数ビューごとに、すなわち、X線CT装置のガントリが1ビューまたは数ビュー分回転するごとに、X線管電圧を第1管電圧と第2管電圧とに交互に切り換えながら投影データを収集する方法が考えられる。
特開2004−65975号公報
ところで、X線CT装置では、一般に、被検体への不要な被曝を抑えるため、X線が、X線検出器のうちX線を検出すべき領域にのみ照射されるようコリメータの開口を設定する。X線を検出すべき領域とは、例えば、目的の画像を生成するのに用いる投影データが収集される所定領域である。
一方、X線管におけるX線焦点の位置および大きさは、X線管電圧やX線管の陽極の温度によって僅かに異なることが知られている。つまり、上記撮影法によれば、管電圧の切換え時に、X線焦点の位置および大きさが変化し、X線検出器に対するX線照射領域も変化することになる。
したがって、上記撮影法において、従来の如く、所定のX線管電圧下で、X線検出器に対するX線照射領域がX線を検出すべき領域と一致するようコリメータの開口を制御しても、管電圧を切り換えた時に、X線照射領域が変化してX線を検出すべき領域の一部にX線が照射されなくなる。そのため、投影データに情報の欠落が生じ、生成した画像にアーチファクトが発生する。
また、X線管電圧がどのように変化しても、X線を検出すべき領域すべてにX線が常に照射されるよう、コリメータの開口を十分広く設定することも考えられるが、これでは被検体への不要な被曝を増大させることとなる。
本発明は、上記事情に鑑み、X線管電圧を順次切り換えながら被検体をX線CT撮影するX線CT装置において、被検体への被曝を抑えつつ、アーチファクトが低減された画像を得ることが可能なX線CT装置を提供することを目的とする。
第1の観点では、本発明は、X線焦点からX線を発生するX線管と、前記X線を扇状のX線ビームに整形する開口を有するコリメータと、X線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に複数個配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、前記X線管の管電圧を複数の目的管電圧の間で切り換えて投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、前記X線ビームの前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線ビーム位置検出手段と、各々の前記目的管電圧で発声された前記X線ビームの前記所定方向の位置に基づいて、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向における重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記コリメータの開口を制御するコリメータ制御手段とを備えるX線CT装置を提供する。
第2の観点では、本発明は、前記コリメータ制御手段が、前記投影データの収集を開始する前に、前記検出された前記X線ビームの前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲と前記目標範囲とが一致するように、前記コリメータの開口を制御する上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第3の観点では、本発明は、前記スキャン手段が、前記管電圧を1ビューまたは2以上の所定数ビューごとに順次切換え、前記X線ビーム位置検出手段が、前記投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記所定方向の位置を複数回にわたって検出し、前記コリメータ制御手段が、前記X線ビームの前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲が前記目標範囲に近づくよう前記コリメータの開口を制御する上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第4の観点では、本発明は、前記X線ビーム位置検出手段が、少なくとも前記管電圧が切り換わるごとに前記X線ビームの前記所定方向の位置を検出し、前記コリメータ制御手段が、前記管電圧の切換えの繰返し周期または該繰返し周期の整数倍の周期に同期して前記コリメータの開口を制御する上記第3の観点のX線CT装置を提供する。
第5の観点では、本発明は、前記X線ビーム位置検出手段が、前記所定方向における前記X線ビームの端部が通過する領域に前記検出素子を前記所定方向に複数個配置して構成されるビーム検出器を有し、前記ビーム検出器から出力される信号強度のプロファイルに基づいて前記X線ビームの前記所定方向の位置を算出する、上記第1の観点から第4の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第6の観点では、本発明は、前記ビーム検出器が、前記X線検出器の一部である、上記第5の観点のX線CT装置を提供する。
第7の観点では、本発明は、前記収集された投影データに基づいて、被検体の特定の物質が強調または抑制されたデュアルエネルギー画像を前記目的画像として生成する画像生成手段をさらに備える上記第1の観点から第6の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第8の観点では、本発明は、投影データの1ビュー当たりの収集時間を設定する撮影条件設定手段をさらに備え、前記X線ビーム位置検出手段が、前記X線ビームの前記所定方向の位置を1ビューごとに検出し、前記コリメータ制御手段が、前記設定された1ビュー当たりの収集時間に応じて定まるビュー数ごとに前記コリメータの開口を制御する、上記第1の観点から第7の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第9の観点では、本発明は、X線焦点からX線を発生するX線管と、前記X線を扇状のX線ビームに整形するコリメータと、X線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に複数個配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、前記X線管の管電圧を複数の目的管電圧の間で切り換えて投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、前記X線管の前記X線焦点の前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線焦点検出手段と、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線焦点の前記所定方向の位置に基づいて、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向における重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記コリメータの開口を制御するコリメータ制御手段とを備えるX線CT装置を提供する。
第10の観点では、本発明は、前記コリメータ制御手段が、前記投影データの収集を開始する前に、前記検出された前記X線焦点の前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲と前記目標範囲とが一致するよう、前記コリメータの開口を制御する上記第9の観点のX線CT装置を提供する。
第11の観点では、本発明は、前記スキャン制御手段が、前記管電圧を1ビューまたは2以上の所定数ビューごとに順次切り換え、前記X線焦点検出手段が、前記投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線焦点の前記所定方向の位置を複数回にわたって検出し、前記コリメータ制御手段が、前記X線焦点の前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲が前記目標範囲に近づくよう前記コリメータの開口を制御する上記第9の観点のX線CT装置を提供する。
第12の観点では、本発明は、前記X線焦点検出手段が、少なくとも前記管電圧が切り換わるごとに前記X線焦点の前記所定方向の位置を検出し、前記コリメータ制御手段が、前記管電圧の切換え周期または該切換え周期の整数倍の周期に同期して前記コリメータの開口の位置を制御する上記第11の観点のX線CT装置を提供する。
第13の観点では、本発明は、前記X線焦点検出手段が、前記所定方向における前記X線ビームの端部が通過する領域に前記検出素子を前記所定方向に複数個配置して構成されるビーム検出器を有し、前記ビーム検出器から出力される信号強度のプロファイルに基づいて前記X線焦点の前記所定方向の位置を算出する、上記第9の観点から第12の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第14の観点では、本発明は、前記ビーム検出器が、前記X線検出器の一部である、上記第13の観点のX線CT装置を提供する。
第15の観点では、本発明は、前記収集された投影データに基づいて、被検体の特定の物質が強調または抑制されたデュアルエネルギー画像を前記目的画像として生成する画像生成手段をさらに備える上記第9の観点から第14の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第16の観点では、本発明は、前記画像生成手段が、前記X線焦点検出手段により検出された前記X線焦点の位置に基づいてビューごとの前記投影データの投影方向を算出し、前記投影方向にも基づいて前記デュアルエネルギー画像を生成する、上記第15の観点のX線CT装置を提供する。
第17の観点では、本発明は、前記X線焦点検出手段が、さらに前記X線焦点の大きさを検出し、前記コリメータ制御手段が、前記X線焦点の大きさにも基づいて前記コリメータの開口を制御する、上記第9の観点から第16の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第18の観点では、本発明は、投影データの1ビュー当たりの収集時間を設定する撮影条件設定手段をさらに備え、前記X線焦点検出手段が、前記X線焦点の前記所定方向の位置を1ビューごとに検出し、前記コリメータ制御手段が、前記設定された1ビュー当たりの収集時間に応じて定まるビュー数ごとに前記コリメータの開口を制御する、上記第9の観点から第18の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第19の観点では、本発明は、電子線発生部とターゲット電極とを有し、前記電子線発生部により発生した電子線が前記ターゲット電極に衝突することによりX線を発生するX線管と、前記X線を扇状のX線ビームに整形するコリメータと、複数のX線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、前記X線管の管電圧を複数の目的管電圧の間で切り換えて投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、前記X線ビームの前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線ビーム位置検出手段と、前記X線ビーム位置検出手段により検出された、各前記目的管電圧下での前記X線ビームの前記所定方向の位置に基づいて、各前記目的管電圧下での前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向での重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記電子線の軌道を制御する電子線制御手段とを備えるX線CT装置を提供する。
第20の観点では、本発明は、電子線発生部とターゲット電極とを有し、前記電子線発生部により発生した電子線が前記ターゲット電極に衝突することによりX線を発生するX線管と、前記X線を扇状のX線ビームに整形するコリメータと、X線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に複数個配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、前記X線管の管電圧を複数の目的管電圧の間で切り換えて投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、前記X線管の前記X線焦点の前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線焦点位置検出手段と、前記X線焦点検出手段により検出された、各前記目的管電圧下での前記X線焦点の前記所定方向の位置に基づいて、各前記目的管電圧下での前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向での重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記電子線の軌道を制御する電子線制御手段とを備えるX線CT装置を提供する。
本発明のX線CT装置によれば、X線ビームの厚み方向および広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線ビーム位置検出手段と、コリメータの開口を制御するコリメータ制御手段とを有し、コリメータ制御手段が、X線ビーム位置検出手段により検出されたX線ビームの所定方向の位置に基づいて、X線検出器のビームの照射領域における所定方向の範囲の各目的管電圧下での重複範囲と、X線検出器におけるX線ビームを検出すべき領域の上記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、コリメータの開口の位置を制御するので、X線検出器に対するX線ビームの照射領域について余分なマージンを抑えながら、X線ビームの検出領域のうち画像の生成に寄与する部分全体へのX線ビームの照射を担保することができ、被検体への被曝を抑えつつ、アーチファクトが低減された画像を得ることが可能となる。
これより本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態によるX線CT装置100の構成を示すブロック(block)図である。このX線CT装置100は、操作コンソール(console)1と、撮影テーブル(table)10と、走査ガントリ(gantry)20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボード(keyboard)またはマウス(mouse)などの入力装置2と、スキャン(scan)制御処理、前処理、画像生成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ(buffer)5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、画像生成処理によって生成されたデュアルエネルギー画像などを表示するモニタ(monitor)6と、プログラム(program)、X線検出器データ、X線投影データ(投影データ)、デュアルエネルギー画像等を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件は、入力装置2から入力され記憶装置7に記憶される。
撮影テーブル10は、被検体71を載せて走査ガントリ20のボア(bore)20bに出し入れするクレードル(cradle)12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータ(motor)で昇降および水平直線移動する。
走査ガントリ20は、撮影対象である被検体71が搬送されるボア20bを有しており、X線管21と、X線管電圧やX線照射タイミング(timing)を制御するX線制御部22と、X線管21から照射されたX線を扇状のX線ビーム81に整形する開口を有するコリメータ(collimator)23と、コリメータ23の開口を制御するコリメータ制御部27と、X線管21から照射されたX線を検出するX線検出器24と、X線検出器24の出力からX線検出器データ(生データとも言う)を収集するデータ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25と、X線ビーム81の位置を検出するX線ビーム位置検出部30とを具備する。
また、走査ガントリ20は、X線管21、コリメータ23、およびX線検出器24を保持し、被検体71の体軸の回りに回転するガントリ回転部15と、ガントリ回転部15を制御する回転制御部26と、制御信号を操作コンソール1とX線制御部22、回転制御部26、撮影テーブル10などとの間でやり取りするガントリ制御部29と、をさらに具備している。なお、実装では、走査ガントリ20は、X線ビーム81の線量を空間的に制御するビーム形成X線フィルタ(filter)と、X線ビーム81の線質を制御するX線フィルタとを具備し、ガントリ回転部15が、これらのフィルタをコリメータ23とボア20bとの間に保持する構成であるが、ここでは図示および詳細な説明を省略する。
図2は、X線管21、コリメータ23、およびX線検出部24の要部の構成を示す図である。ここで、鉛直方向をy軸方向、撮影テーブル10の搬送方向(通常、X線ビーム81の厚み方向、あるいは、被検体71の体軸方向に一致する)をz軸方向、y軸方向およびz軸方向に垂直な方向をx軸方向と定義する。
これらの構成要素は、ガントリ回転部15の所定の基部に支持されて図示のような位置関係を維持している。すなわち、X線管21とX線検出器24とは、ボア20bを挟んで相対向して配置され、またコリメータ23は、X線管21とボア20bとの間に配置されている。そして、X線管21から放射されたX線が、コリメータ23が形成するスリットSを通過することによって、所定の厚み(コーン角)と広がり(ファン角)を有する扇状のX線ビーム81が形成される。
X線管21は、集束電極および陰極フィラメントを内蔵する陰極スリーブ21sと、回転するターゲット電極21tとをハウジング21hに収容した構造であり、X線焦点fから発散するX線を発生する。X線管電圧Vは可変であり、X線制御部22からの制御により、複数の目的管電圧に切り換えることができる。ここでは、目的管電圧を、第1管電圧V1、例えば80kVと、第2管電圧V2、例えば140kVの2つとし、デュアルエネルギー撮影を行う際に、X線管電圧Vを第1管電圧V1と第2管電圧V2とに交互に切り換える。なお、一般的に、X線焦点fの位置と大きさは、X線管電圧Vに応じて僅かに変化する性質があり、第1管電圧V1下でのX線焦点f1と第2管電圧V2下でのX線焦点f2とでは、その位置と大きさが微小に異なる。
X線検出部24は、X線検出素子24aをチャネル方向CH(X線ビーム81の広がり方向)に複数個、例えば1,000個配列してなる検出素子列を、z軸方向(X線ビーム81の厚み方向)に複数個、例えば64個配設してなる、いわゆる多列X線検出器である。ここでは、各検出素子列には端から1,2,3,・・・,64の番号を付す。これにより、いわゆる64列マルチスライスX線CTを実現する。もっとも、ここで64列の検出素子列は一例であり、本発明は少なくとも2列の検出素子列を有するシステムに適用することができる。X線検出器24は、これら複数のX線検出素子24aにより、被検体71を透過したX線ビーム81を検出するX線検出面24sを形成する。X線検出素子24aは、例えば、シンチレータとフォトダイオードとの組合せにより、いわゆる固体検出器として構成される。
ここでは、X線検出器24のうちチャネル方向CHの両端部に位置しz軸方向に配置された複数個のX線検出素子24aは、X線検出器24に対するX線ビーム81のz軸方向の位置を検出するためのビーム検出器として機能する。ここでは、チャネル番号1、列番号1〜64の複数個のX線検出素子24aで構成される部分を第1のビーム検出器24Lとし、チャネル番号1000、列番号1〜64の複数個のX線検出素子24aで構成される部分を、第2のビーム検出器24Rとする。
なお、X線検出器24は、フラットパネル検出器等の2次元エリア(area)検出器等であってもよい。
また、ビーム検出器は、X線検出器24とは独立して設けてもよく、例えば、X線検出素子をz軸方向に複数個配置して構成される検出器を、X線ビーム81のチャネル方向CHでの端部が通過する所定の領域に設けたものであってもよい。
コリメータ23は、2本の円柱状の遮蔽棒23a、23bと、2枚の直方形状の遮蔽板23c、23dを有する。遮蔽棒23aと23bとは、その長手方向がx軸方向に一致する向きで、z軸方向に所定の間隔を持って配置されている。また、遮蔽板23cと23dは、その長手方向がz軸方向に一致する向きで、x軸方向に所定の間隔を置いて配置されている。ここでは、z軸方向の負側(図2の手前側)の遮蔽棒を23a、z軸方向の正側(図2の遠方側)の遮蔽棒を23bとし、x軸方向の負側(図2の左側)の遮蔽板を23c、x軸方向の正側(図2の右側)の遮蔽板を23dとする。このような位置関係にある遮蔽棒23a、23bおよび遮蔽板23c、23dにより、X線を通過させるスリットS(開口)が形成される。
遮蔽棒23aと23bとは、遮蔽棒の長手方向に伸びる偏心軸を回動軸として回動可能に所定の基部に支持されており、遮蔽棒23a、23bの回動軸には、不図示のコリメータ制御モータの出力軸が連結されている。かかる構成により、コリメータ制御モータを独立に駆動させ、遮蔽棒23a、23bを回動させることで、遮蔽棒23a、23bはその平行を保ったままスリットSの位置やz軸方向の幅を制御することができる。
なお、コリメータ23の上記の構成は一例であり、スリットSの位置や幅が調整可能なものであればどのような構成であってもよい。
X線ビーム位置検出部30は、各目的管電圧下で、X線ビーム81のz軸方向およびx軸方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出する。ここでは、X線ビーム位置検出部30は、ビーム検出器24R,24Lから出力される信号強度のプロファイルに基づいて、X線検出器24に対するX線ビームのz軸方向の位置を検出する。
コリメータ制御部27は、各目的管電圧下でX線ビーム位置検出部30により検出されたX線ビーム81の所定方向の位置に基づいて、各目的管電圧下におけるX線検出器24のX線ビーム81の照射領域に対する上記所定方向での重複範囲と、X線検出器24におけるX線ビーム81を検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、コリメータ23のスリットSを制御する。ここでは、コリメータ制御部27は、X線ビーム位置検出部30により検出された、第1管電圧V1下でのX線ビーム81のz軸方向の位置と第2管電圧V2下でのX線ビーム81のz軸方向の位置とに基づいて、第1管電圧V1下におけるX線ビーム81のX線検出器24での照射領域R1のz軸方向の範囲Rz1と、第2管電圧V2下におけるX線ビーム81のX線検出器24での照射領域R2のz軸方向の範囲Rz2との重複範囲Rz12が、X線検出器24におけるX線ビーム81を検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲である目標範囲Rztに一致するよう、コリメータ23のスリットSの位置および幅を制御する。検出すべき領域Rtとしては、例えば、目的のデュアルエネルギー画像DEを生成するのに用いるX線投影データが収集される領域である。
また、本実施形態では、コリメータ制御部27は、X線投影データの収集を開始する前に、X線ビーム位置検出部30により検出されたX線ビームのz軸方向の位置に基づいて、重複範囲R12と目標範囲Rtとが一致するようなコリメータ23のスリットSの目標位置おおび目標幅を探索し、コリメータ23のスリットSをその目標位置および目標幅に合わせる。
また、本実施形態では、検出すべき領域Rtは、X線検出面24s全体とする。もちろん、この検出すべき領域Rtは、X線検出面24sの一部であってもよい。
中央処理装置3は、スキャン制御部32、投影データ処理部33、前処理部34、画像生成部35を有している。中央処理装置3は、例えば、コンピュータ(computer)により構成され、記憶装置7に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、これら各部として機能する。
スキャン制御部32は、被検体71のデュアルエネルギー撮影を行うよう、X線制御部22、コリメータ制御部25、回転制御部26、および撮影テーブル10を、ガントリ制御部29を介して制御する。具体的には、スキャン制御部32は、X線管21とX線検出器24とを被検体71の周りに回転させるとともに、X線管電圧Vを複数の目的管電圧の間で1ビューまたは2以上の所定数ビューごとに順次切り換えてX線投影データを収集すべく、上記各部を制御する。本実施形態では、第1管電圧V1を80kV、第2管電圧V2を140kVとし、X線管電圧Vを1ビューごとに切り換えて、画像再構成に必要なビュー数分のX線投影データ(180°+ファン角αまたは360°分に相当する複数ビューのX線投影データ)を収集する。これにより、第1管電圧V1に対応する第1X線投影データp1と第2管電圧V2に対応する第2X線投影データp2とが収集される。
前処理部34は、上記デュアルエネルギー撮影により得られたX線投影データに対して前処理を施す。具体的には、第1X線投影データp1と第2X線投影データp2に対して、オフセット(off-set)補正、対数変換、データ収集装置25で収集された生データに対してチャネル(channel)間の感度不均一を補正する感度補正、金属部などのX線強吸収体による極端な信号強度の低下または信号脱落を補正するX線量補正、X線ビームハードニング(beam-hardening)補正等の前処理を施す。
投影データ処理部33は、前処理された第1X線投影データp1と第2X線投影データp2に対してビュー方向に重み付け加算を行って、収集していないビューのX線投影データを補う。すなわち、ガントリ回転部15を360度分回転させてスキャンするだけで、第1X線投影データp1および第2X線投影データp2それぞれについて、360度分のビュー数のX線投影データが得られるようにする。上記デュアルエネルギー撮影では、X線管電圧Vを1ビューごとに切り換えているため、収集された第1X線投影データp1と第2X線投影データp2は、連続的な複数のビューについてのX線投影データを有していない。つまり、これら2種類のX線投影データはビュー方向に入れ子状態となっている。そこで、第1X線投影データp1と第2X線投影データp2それぞれにおいて、近接する複数のビューのX線投影データを用いて重み付け加算して新たなX線投影データを生成することにより、収集されなかったビューのX線投影データを補うようにする。なお、この重み付け加算は、2つのデータの重み付け加算でもよいし、3つ以上のデータの重み付け加算でもよい。
画像生成部35は、前処理部34で前処理された第1X線投影データp1および第2X線投影データp2に基づいて、特定の物質が強調または抑制されたデュアルエネルギー画像DEを生成する。
デュアルエネルギー画像DEを生成する方法としては、画像データ空間で加重減算処理を行う方法と投影データ空間で加重減算処理を行う方法とが考えられるが、いずれの方法を採用してもよい。
画像データ空間で加重減算処理を行ってデュアルエネルギー画像DEを生成する方法では、第1X線投影データp1に基づいて第1画像P1を画像再構成するとともに、第2X線投影データp2に基づいて第2画像P2を画像再構成し、第1画像P1と第2画像P2との間で加重減算処理を行ってデュアルエネルギー画像DEを生成する。一方、投影データ空間で加重減算処理を行ってデュアルエネルギー画像DEを生成する方法では、第1X線投影データp1と第2X線投影データp2との間においてビュー単位で加重減算処理を行い、その結果得られた処理済X線投影データに基づいてデュアルエネルギー画像DEを画像再構成する。
画像再構成は、例えば、従来公知のフェルドカンプ(Feldkamp)法による三次元画像再構成法、他の三次元画像再構成法、あるいは二次元画像再構成法等を用いて行うことができ、例えば、次のような手順により行われる。まず、これらのX線投影データに対して、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を施し、それに再構成関数Kernel(j)を乗算し、逆フーリエ変換する。そして、再構成関数Kernel(j)を乗算処理したX線投影データに対して逆投影処理を行い、被検体71を体軸方向(z軸方向)にスライス(slice)したときの同一スライスに対応する断層像(xy平面)を求める。
これより、本実施形態によるX線CT装置100の動作について説明する。なお、コリメータ23を制御する際には、走査ガントリ20のガントリ回転部15を停止させてもよいし回転させてもよい。
図3は、本実施形態によるX線CT装置100の動作の概要を示すフローチャートである。
ステップS1では、コリメータ23のスリットSの位置および幅を初期状態に設定する。具体的には、コリメータ制御部27が、例えば、コリメータ23のスリットSの幅が、標準的に設定する幅より若干狭く、かつ、閉状態からz軸方向の両方の向きに均等に広げた幅となるよう、コリメータ制御モータを駆動して遮蔽棒23a、23bを回動させる。
ステップS2では、第1管電圧V1下と第2管電圧V2下とでX線ビーム81のz軸方向の位置をそれぞれ検出する。具体的には、次のような方法でX線ビーム81の位置を検出する。X線制御部22が、X線管電圧Vを第1管電圧V1に設定し、X線管21にX線を放射させる。データ収集装置25は、ビーム検出器の出力信号をA/D変換してビーム検出器データを生成し、このビーム検出器データを収集バッファ5を介して中央処理装置3に送る。続いて、X線制御部22が、X線管電圧Vを第2管電圧V2に設定し、X線管21にX線を放射させる。データ収集装置25は、第1管電圧V1のときと同様に、ビーム検出器の出力信号をA/D変換してビーム検出器データを生成し、このビーム検出器データを収集バッファ5を介して中央処理装置3に送る。
図4は、X線管電圧Vの切換えによって生じるX線ビーム81の位置の変化を示す図である。X線焦点fは、図4に示すように、第1管電圧V1下では焦点f1となり、第2管電圧V2下では焦点f1とは異なる焦点f2となる。したがって、コリメータ23のスリットSの位置および幅が同じであれば、X線管電圧Vを切り換えると、X線焦点fとコリメータ23のスリットSとの相対的な位置関係が変化し、X線検出器24に対するX線ビーム81の位置も変化する。
図5は、第1管電圧V1下および第2管電圧V2下で得られたビーム検出器データのz軸方向のプロファイルの一例を示す図である。図5において、横軸はビーム検出器を構成する各検出素子のz軸方向の座標zdであり、縦軸は検出素子の信号強度Iである。なお、ここでは、座標zdに対する検出素子の信号強度Iは、第1ビーム検出器24Lと第2ビーム検出器24Rとの間で座標zdが互いに同じである検出素子同士の信号強度の平均とする。座標zdは、X線検出器24のz軸方向の中心を原点とし、撮影テーブル10のクレードル12が繰り出される向きを正側とし、クレードル12が格納される向きを負側とする。第1管電圧V1下でのプロファイルPF1と第2管電圧V2下でのプロファイルPF2とは、図5に示すように、互いに略同じ形状を有し、一方を他方に対してz軸方向に若干シフトした位置関係になっている。また、これらのプロファイルでは、z軸方向の所定の範囲において信号レベルが略一定となり、その両端部の立上りおよび立下りにおいて信号レベルがなまった形で現れる。ここで、プロファイルPF1,PF2について、その中央付近の信号レベルを100%としたときに信号レベルが80%となる位置をそれぞれ境界点として求める。ここでは、第1管電圧V1下でのプロファイルPF1において、座標zdが負側の境界点をzls、正側の境界点をzleとし、第2管電圧V2下でのプロファイルPF2において、座標zdが負側の境界点をzhs、正側の境界点をzheとする。このように、座標zdの正側と負側それぞれの境界点を求めることで、X線ビーム81のz軸方向の位置を検出する。
ステップS3では、検出されたX線ビーム81の位置が適正な位置にあるか否かを判定する。具体的には、コリメータ制御部27が、ステップS2で検出された4つの境界点のうち座標zdが原点に近い内側2つの境界点を注目境界点として設定し、プロファイル上でこれら2つの注目境界点の位置が、ビーム検出器のz軸方向の両端の検出素子に対応する目的位置であるか否かを判定する。図5の例では、境界点zhs、zleが注目境界点となる。
この判定で、肯定される場合には、コリメータ23の制御を終了し、ステップS5に進む。否定される場合には、ステップS4に進み、2つの注目境界点のうち目的位置に達していない境界点について、その境界点の位置が目的位置に近づくよう、コリメータ制御モータを駆動して、コリメータ23の遮蔽棒23aまたは23bを回動させる。このときの遮蔽棒の回動については、例えば、1つの遮蔽棒につき、スリットSのz軸方向の幅が微小距離Δdだけ広がる程度に回動させる。そして、ステップS2に戻り、上記の処理を繰り返す。
ここまでの処理により、コリメータ23のSの位置および幅は適正な位置および幅に制御され、各目的管電圧下におけるX線ビーム81のz軸方向の重複範囲Rz12と、X線検出器24におけるX線ビーム81の検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲である目標範囲Rztとが一致することになる。
ステップS5では、コリメータ23のスリットSの位置および幅を保持したまま、デュアルエネルギー撮影を行ってX線投影データを収集する。具体的には、スキャン制御部32が、X線管21とX線検出器24とを被検体71の周りに回転させるとともに、X線管電圧Vを第1管電圧V1と第2管電圧V2とに1ビューごとに切り換えてX線投影データを収集すべく、X線制御部22、コリメータ制御部27、回転制御部26、および撮影テーブル10を、ガントリ制御部29を介して制御する。これにより、第1管電圧V1に対応する第1X線投影データp1と第2管電圧V2に対応する第2X線投影データp2とが収集される。
図6は、X線検出器24におけるX線ビーム81の照射領域の時間変化の一例を示す図である。図6においては、縦方向下向きを時間の経過を表す向きとして、ビュー番号i、X線管電圧V、およびX線ビーム81の照射領域の間の対応関係を示している。第1管電圧V1下でのX線ビーム81の照射領域R1のz軸方向の範囲Rz1と、第2管電圧V2下でのX線ビーム81の照射領域R2のz軸方向の範囲Rz2は異なっているが、これら照射領域R1とR2とのz軸方向での重複範囲Rz12は、X線検出器24の目標範囲RztすなわちX線検出面24sのz軸方向の幅に一致している。
ステップS6では、ステップS5で得られたX線投影データに基づいてデュアルエネルギー画像を生成する。具体的には、前処理部33が、オフセット補正、対数変換、感度補正、X線量補正、X線ビームハードニング補正等の前処理を実行する。そして、画像生成部34が、前処理部33で前処理された第1X線投影データおよび第2X線投影データに基づいて、特定の物質が強調または抑制されたデュアルエネルギー画像DEを生成する。生成されたデュアルエネルギー画像DEの画像データは、記憶装置7に記憶される。
ステップS7では、ステップS6で生成されたデュアルエネルギー画像DEを表示する。具体的には、中央処理装置3が、記憶装置7に記憶されているデュアルエネルギー画像DEの画像データを読み出してモニタ6に表示させる。
このような第1の実施形態によれば、X線ビーム81の位置を検出するX線ビーム位置検出部30と、コリメータのスリットSを制御するコリメータ制御部27とを有し、コリメータ制御部27が、X線ビーム位置検出部30により検出されたX線ビームのz軸方向の位置に基づいて、X線検出器24のX線ビーム81の照射領域におけるz軸方向の範囲の各目的管電圧下での重複範囲Rz12と、X線検出器24におけるX線ビーム81を検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲である目標範囲Rztとが一致するよう、コリメータ23のスリットSの位置および幅を制御するので、X線検出器24に対するX線ビーム81の照射領域について余分なマージンを抑えながら、X線ビーム81の検出領域のうち画像の生成に寄与する部分全体へのX線ビーム81の照射を担保することができ、被検体71への被曝を抑えつつ、アーチファクトが低減された画像を得ることが可能となる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態によるX線CT装置100の構成を示すブロック図である。
第2の実施形態によるX線CT装置100は、第1の実施形態と類似した構成であるが、ビーム位置検出部30に代えて、X線焦点fの位置および大きさを検出するX線焦点検出部40を有する点、および、コリメータ制御部27が、X線焦点検出部40により検出されたX線焦点fの位置および幅に基づいてコリメータ23を制御する点で異なる。すなわち、第1の実施形態では、X線ビーム81の位置の検出結果に基づいてコリメータ23の適正な位置を探索しているが、第2の実施形態では、X線焦点fの位置および大きさの検出結果に基づいてコリメータ23の適正な位置を幾何学的に算出する。なお、X線焦点検出部40は、各目的管電圧下で、X線焦点fのz軸方向およびx軸方向の少なくとも一方である所定方向の位置および幅を検出するものであり、ここでは、X線検出器24から出力される信号強度のプロファイルに基づいて、X線焦点fのz軸方向の位置および幅を検出する。
これより、本実施形態によるX線CT装置100の動作について説明する。
図8は、本実施形態によるX線CT装置100の動作の概要を示すフローチャートである。
ステップS11では、コリメータ23のスリットSを閉状態に設定する。具体的には、コリメータ制御部27が、例えば、コリメータ23のスリットSの幅がゼロとなるよう、コリメータ制御モータを駆動して遮蔽棒23a、23bを回動させる。
ステップS12では、第1管電圧V1下と第2管電圧V2下とでX線焦点fのz軸方向の位置および幅をそれぞれ検出する。具体的には、次のような方法でX線焦点fの位置および幅を検出する。X線制御部22が、X線管電圧Vを第1管電圧Vに設定し、X線管21にX線を放射させる。コリメータ制御部27は、コリメータ制御モータを駆動して遮蔽棒を回動させ、スリットSが閉じている状態から、X線ビーム81がX線検出器24のz軸方向の全幅に照射される状態になるまで、スリットSのz軸方向の幅をゼロからΔdずつ徐々に広げてゆく。この間、データ収集装置25は、スリットSの幅ごとに、X線検出器24のz軸方向の中心を原点として、その原点からz軸方向に左右対称な位置関係にある所定の2つの検出器列からの出力信号をA/D変換して検出器データを生成し、この検出器データをデータ収集バッファ5を介して中央処理装置3に送る。コリメータ制御部27は、その検出器データを回転制御部26経由で受け取り、スリットSの幅の変化に対する出力信号の変化を表すプロファイルから、X線焦点fのz軸方向の位置および幅を算出する。
図9は、X線検出器24における左右対称な位置関係にある2つの検出器列の一例として、z軸方向の原点を挟む負側の検出器列A1と正側の検出器列B1とを示す図であり、図10は、コリメータ23におけるスリットSの変化に対する検出器列A1,B1の出力信号強度の変化の一例を示す図である。図10において、横軸はコリメータSにおけるスリットSのz軸方向の境界位置の座標zcであり、縦軸はスリットSの境界位置が座標zcであるときの検出器列A1,B1の出力信号強度Iである。また、z軸方向の原点から負側のグラフは、遮蔽棒23aによるスリットSの境界位置座標と検出器列A1の出力信号強度との関係を示しており、z軸方向の原点から正側のグラフは、遮蔽棒23bによるスリットSの境界位置座標と検出器列B1の出力信号強度との関係を示している。なお、ここでは、z軸方向の原点から負側のグラフにおける出力信号強度Iは、検出器列A1を構成する各検出素子の出力信号強度の平均とし、z軸方向の原点から正側のグラフにおける出力信号強度Iは、検出器列B1を構成する各検出素子の出力信号強度の平均とする。
図10から理解されるように、コリメータ23のスリットSの幅をゼロから広げ始めると、検出器列A1,B1に対してX線焦点fの半影が入射し始め、検出器列A1,B1の出力信号強度は徐々に大きくなる。そして、スリットSの負側の境界位置座標(遮蔽棒23aのエッジ位置座標)が所定の座標zs1になると、検出器列A1に対してX線焦点fの本影が入射するようになり、検出器列A1の出力信号強度は最大レベルに達する。同様に、スリットSの正側の境界位置座標(遮蔽棒23bのエッジ位置座標)が所定の座標ze1になると、検出器列B1に対してX線焦点fの本影が入射するようになり、検出器列B1の出力信号強度は最大レベルに達する。ここで、第1管電圧V1下でのX線焦点fである焦点f1のz軸方向の座標位置は、座標位置(zs1+ze1)/2として求めることができる。また、z軸方向の原点から座標zs1までの距離|zs1|と、z軸方向の原点から座標ze1までの距離|ze1|とは、それぞれ、X線焦点fの半影の大きさpとなり、これを、X線焦点fの位置と大きさ、X線焦点fとコリメータ23との間の距離等によって定まるX線ビーム幅のコリメータ位置での拡大倍率で補正することにより、第1管電圧V1下でのX線焦点fである焦点f1のz軸方向の幅を求めることができる。
続いて、X線制御部22は、X線管電圧Vを第2管電圧V2に設定し、X線管21にX線を放射させる。コリメータ制御部27は、スリットSの幅をゼロからΔdずつ徐々に広げてゆき、この間、データ収集装置25は、スリットSの幅ごとに、検出器列A1,B1からの出力信号をA/D変換して検出データを生成し、その検出器データをデータ収集バッファ5を介して中央処理装置3に送る。コリメータ制御部27は、その検出器データを回転制御部26経由で受け取り、スリットSの幅の変化に対する出力信号の変化を表すプロファイルから、第1管電圧V1のときと同様に、第2管電圧V2下でのX線焦点fである焦点f2のz軸方向の位置および幅を算出する。
ステップS13では、検出されたX線焦点f1,f2のz軸方向の位置に基づいて、重複範囲Rz12と目標範囲Rztとが一致するようなコリメータ23のスリットSの位置および幅を幾何学的に求める。具体的には、コリメータ制御部27が、X線焦点f1のz軸方向の位置および幅と、X線焦点f2のz軸方向の位置および幅と、X線検出器24におけるz軸方向の正側の境界位置と負側の境界位置とに基づいて、重複位置Rz12が目標位置Rztに一致するような、コリメータ23の制御棒23aおよび23bの適正な境界位置を逆算で求める。
ステップS14では、コリメータ制御部27は、コリメータ23の遮蔽棒23aおよび23bの境界位置が、ステップS13で求めた適正な境界位置に一致するよう、コリメータ制御モータを駆動してコリメータ23の遮蔽棒23a,23bを回動させる。
これより先のステップS15からステップS17は、第1の実施形態におけるステップS5からステップS7と同様の処理であるため、説明を省略する。
なお、第2の実施形態においては、X線焦点検出部40はX線焦点fの位置だけを検出し、コリメータ制御部27は、検出されたX線焦点fの位置に基づいて、コリメータ23の制御棒23aおよび23bの適正な境界位置を求めるようにしてもよい。この場合、X線焦点fの幅は考慮しないか、経験則等に基づいて推定する。
このような第2の実施形態によれば、X線焦点fの位置および幅を検出するX線焦点検出部40と、コリメータ23のスリットSを制御するコリメータ制御部27とを有し、コリメータ制御部27が、X線焦点検出部40により検出されたX線焦点のz軸方向の位置および幅に基づいて、X線検出器24のビームの照射領域におけるz軸方向の範囲の各目的管電圧下での重複範囲Rz12と、X線検出器24におけるX線ビーム81を検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲である目標範囲Rztとが一致するよう、コリメータ23のスリットSを制御するので、第1の実施形態と同様に、X線検出器24に対するX線ビーム81の照射領域について余分なマージンを抑えながら、X線ビーム81の検出領域のうち画像の生成に寄与する部分全体へのX線ビーム81の照射を担保することができ、被検体71への被曝を抑えつつ、アーチファクトが低減された画像を得ることが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態によるX線CT装置100は、第1の実施形態と略同様の構成であるが、X線ビーム位置検出部30が、X線投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、各目的管電圧下におけるX線ビーム81のz軸方向の位置を複数回にわたって検出する点、コリメータ制御部27が、検出されたX線ビーム81のz軸方向の位置に基づいて、重複範囲Rz12が目標範囲Rztに近づくようコリメータ23のスリットSを制御する点で異なる。すなわち、第1の実施形態では、X線投影データの収集を開始する前に、X線ビーム81の位置を検出してその検出結果によりコリメータ23を予め制御しているが、第3の実施形態では、X線投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、X線ビーム81の位置を複数回にわたって検出し、逐次、コリメータ23を制御する。
これより、本実施形態によるX線CT装置100の動作について説明する。なお、ここでは、X線ビーム81の位置の検出とコリメータ23の制御とを、X線管電圧Vの切換えの繰返し周期またはこの繰返し周期の整数倍の周期に同期して行う。また、X線検出器24におけるX線ビーム81を検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲Rztは、X線検出面24sのz軸方向の全幅より内側に狭い範囲であるものとする。
図11は、本実施形態によるX線CT装置100の動作の概要を示すフローチャートである。
ステップS31では、コリメータ23のスリットSの位置および幅を初期状態に設定する。具体的には、コリメータ制御部27が、例えば、コリメータ23のスリットSのz軸方向の位置および幅が、機構的に予測されるスライス厚およびスライス位置が設定されるような位置および幅となるよう、コリメータ制御モータを駆動して遮蔽棒23a、23bを回動させる。なお、このステップS31において、第1の実施形態におけるステップS1からS4、あるいは、第2の実施形態におけるステップS11からS14までを実行して、コリメータ23のスリットSを制御するようにしてもよい。
ステップS32では、iビュー目の第1管電圧V1下でのX線投影データp1(i)を収集する(最初のデータ収集では、i=1)。具体的には、スキャン制御部32が、X線制御部22に制御信号を送ってX線管電圧Vを第1管電圧に設定するとともに、データ収集装置25がX線検出器24からの出力信号を読み取ってX線投影データp1(i)を収集する。
ステップS33では、i+1ビュー目の第2管電圧V2下でのX線投影データp2(i+1)を収集する。具体的には、スキャン制御部32が、X線制御部22に制御信号を送ってX線管電圧Vを第2管電圧V2に設定するとともに、データ収集装置25がX線検出器24からの出力信号を読み取ってX線投影データp2(i+1)を収集する。
ステップS34では、ステップS32およびS33で収集したX線投影データp1(i),p2(i+1)に基づいて、第1管電圧V1下におけるX線ビーム81のz軸方向の位置と、第2管電圧V2下におけるX線ビーム81のz軸方向の位置とを求める。具体的には、X線ビーム位置検出部30が、ステップS32およびS33で収集した各X線投影データp1(i),p2(i+1)から、ビーム検出器の出力信号強度を表す各プロファイルPF1(i),PF2(i+1)において、信号レベルが80%となるz軸方向の座標位置を求める。ここでは、iビュー目の第1管電圧V1下でのプロファイルPF1(i)におけるz軸座標位置が負側の境界点をzls(i)、正側の境界点をzle(i)とし、i+1ビュー目の第2管電圧V2下でのプロファイルPF2(i+1)におけるz軸座標位置が負側の境界点をzhs(i+1)、正側の境界点をzhe(i+1)とする。このように、z軸座標の正側と負側それぞれの境界点を求めることで、X線ビーム81のz軸方向の位置を検出する。なお、このようなプロファイルの端部で信号レベルが80%以上ある場合には、その端部より外側に境界点があるものとする。
図12は、ビーム検出器の出力信号強度を表すプロファイルにおける境界点の時間変化の一例を示す図である。図12においては、縦方向下向きを時間の経過を表す向きとして、ビュー番号と、X線管電圧Vと、プロファイルにおける境界点との間の対応関係を示している。この図では、X線管電圧Vに応じて境界点が異なるだけでなく、同じX線管電圧V下であっても、ビューが異なると境界点が異なる場合の例を示している。例えば、iビュー目の第1管電圧V1下での境界点zls(i),zle(i)と、i+1ビュー目の第2管電圧V2下での境界点zhs(i+1),zhe(i+1)とが異なるだけでなく、iビュー目の第1管電圧V1下での境界点zls(i),zle(i)と、i+2ビュー目の第1管電圧V1下での境界点zls(i+2),zle(i+2)との間や、i+1ビュー目の第2管電圧V2下での境界点zhs(i+1),zhe(i+1)と、i+3ビュー目の第2管電圧V2下での境界点zhs(i+3),zhe(i+3)との間でも異なっている。
ステップS35では、コリメータ制御部27は、ステップS34で求めた4つの境界点、すなわちzls(i),zle(i),zhs(i+1),zhe(i+1)のうち、z軸座標が原点に近い内側2つの境界点を注目境界点として設定する。図12の例では、境界点zhs(i),zle(i+1)が注目境界点となる。
ステップS36では、コリメータ制御部27は、ビーム検出器データのプロファイル上でこれら2つの注目境界点の位置が、ビーム検出器のうち、X線ビーム81の検出すべき領域Rtのz軸方向の両端の検出素子に対応する位置(目的位置)となるようなコリメータ23のスリットSの位置および幅を算出する。すなわち、上記注目境界点の位置と上記目的位置とが一致するような遮蔽棒23a,23bの位置を求める。
ステップS37では、i+2ビュー目およびi+3ビュー目において、コリメータ23のスリットSの位置および幅がステップS36で算出したスリットSの位置および幅となるように、コリメータ制御モータを駆動して、コリメータ23の遮蔽棒23aまたは23bを回動させる。すなわち、上記の求めた位置と現時点の遮蔽棒の位置との差をコリメータ制御モータの駆動系にフィードバックする。
ステップS38では、スキャン制御部32が、全ビュー分のX線投影データの収集が終了したか否かを判定する。ここで、否定される場合には、i←i+2となるようにパラメータiを更新して、ステップS32に戻ってX線投影データの収集を継続し、肯定される場合には、X線投影データの収集を終了し、ステップS39に進む。
これより先のステップS39からS40は、第1の実施形態におけるステップS6からステップS7と同様の処理であるため、説明を省略する。
このような第3の実施形態によれば、X線管21の発熱やガントリ回転部15の回転中の機械的な歪等により、X線焦点fが時間の経過とともに変動する場合であっても、それに追従してコリメータ23のスリットSを制御することができる。
ところで、X線投影データ収集時の1ビューに対応する時間は、ガントリ回転部15の回転速度と1回転当たりのビュー数に応じて変化する。例えば、ガントリ回転部15を1秒周期で回転させ1回転当たり1000ビューのX線投影データを収集する場合には、1ビューに対応する時間は1ミリ秒、また例えば、ガントリ回転部15を0.4秒周期で回転させ1回転当たり1000ビューのX線投影データを収集する場合には、1ビューに対応する時間は0.4ミリ秒となる。
しかし、コリメータ23の制御応答速度は、通常、移動距離に略比例し、コリメータ23の制御応答速度が、コリメータ23の制御におけるフィードバックの周期に対して十分速くない場合には、制御が追いつかずに発振してしまう場合もある。
そこで、実際には、撮影条件に応じてフィードバックの周期を最適化するのが好ましい。すなわち、本実施形態では、コリメータ制御部27は、第1管電圧V1におけるX線投影データと第2管電圧V2におけるX線投影データとをそれぞれ1ビュー分ずつ用いてコリメータ23を1回制御しているが、例えば、中央処理装置3が、投影データの1ビュー当たりの収集時間を設定する撮影条件設定部を有し、X線ビーム位置検出部30が、X線ビーム81のz軸方向の位置を1ビューごとに検出し、コリメータ制御部27が、その設定された1ビュー当たりの収集時間に応じて定まるビュー数ごとに、コリメータ23のスリットSを制御するようにしてもよい。例えば、コリメータ23の静定時間をTとしたときに、1ビュー当たりの収集時間がT/6より大きくT/4以下のときに、第1管電圧V1におけるX線投影データと第2管電圧V2におけるX線投影データとをそれぞれ2ビュー分ずつ、計4ビュー分のX線投影データを用いてコリメータ23を1回制御し、1ビュー当たりの収集時間がT/6以下のときに、第1管電圧V1におけるX線投影データと第2管電圧V2におけるX線投影データとをそれぞれ3ビュー分ずつ、計6ビュー分のX線投影データを用いてコリメータ23を1回制御するようにする。
(第4の実施形態)
第4の実施形態によるX線CT装置100は、第2の実施形態と略同様の構成であるが、X線焦点検出部40が、X線投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、各目的管電圧下におけるX線管21のX線焦点fのz軸方向の位置および幅を複数回にわたって検出する点、コリメータ制御部27が、検出されたX線焦点のz軸方向の位置および幅に基づいて、重複範囲Rz12が目標範囲Rztに近づくようコリメータ23のスリットSを制御する点で異なる。すなわち、第2の実施形態では、X線投影データの収集を開始する前に、X線焦点fの位置および幅を検出してその検出結果によりコリメータ23を制御しているが、第4の実施形態では、X線投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、X線焦点fの位置および幅を複数回にわたって検出し、逐次、コリメータ23を制御する。
これより、本実施形態によるX線CT装置100の動作について説明する。なお、ここでは、X線焦点fの位置および大きさの検出とコリメータ23の制御とを、X線管電圧Vの切換えの繰返し周期またはこの繰返し周期の整数倍の周期に同期して行う。また、X線検出器24におけるX線ビーム81を検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲Rztは、X線検出面24s全幅より内側に狭い範囲であるものとする。
図13は、本実施形態によるX線CT装置100の動作の概要を示すフローチャートである。
ステップS41では、コリメータ23のスリットSの位置および幅を初期状態に設定する。具体的には、コリメータ制御部27が、例えば、コリメータ23のスリットSのz軸方向の位置および幅が、機構的に予測されるスライス厚およびスライス位置に設定されるような位置および幅となるよう、コリメータ制御モータを駆動して遮蔽棒23a、23bを回動させる。なお、このステップS41において、第1の実施形態におけるステップS1からS4、あるいは、第2の実施形態におけるステップS11からS14までを実行して、コリメータ23のスリットSを制御するようにしてもよい。
ステップS42では、iビュー目の第1管電圧V1下でのX線投影データp1(i)を収集する(最初のデータ収集では、i=1)。具体的には、スキャン制御部32が、X線制御部22に制御信号を送ってX線管電圧Vを第1管電圧V1に設定するとともに、データ収集装置25がX線検出器24からの出力信号を読み取ってX線投影データp1(i)を収集する。
ステップS43では、i+1ビュー目の第2管電圧V2下でのX線投影データp2(i+1)を収集する。具体的には、スキャン制御部32が、X線制御部22に制御信号を送ってX線管電圧Vを第2管電圧V2に設定するとともに、データ収集装置25がX線検出器24からの出力信号を読み取ってX線投影データp2(i+1)を収集する。
ステップS44では、ステップS42とS43とで収集した各X線投影データp1(i),p2(i+1)に基づいて、iビュー目の第1管電圧V1下でのX線焦点fである焦点f1(i)のz軸方向の位置Lz1(i)および幅dz1(i)と、第2管電圧V2下でのX線焦点fである焦点f2(i)のz軸方向の位置Lz2(i+1)および幅dz2(i+1)とを求める。
ここで、X線焦点の位置および幅を求める方法について説明する。
図14は、X線投影データから得られるビーム検出器の出力信号強度を表すプロファイルを示す図である。X線焦点検出部40は、ステップS42とS43とで収集した各X線投影データdz1(i)から、図14に示すような、ビーム検出器の出力信号強度を表すプロファイルPF1(i),PF2(i+1)を生成する。そして、これらのプロファイルにおいて、X線焦点fの半影に対応する範囲、すなわち、信号レベルが0より大きく100%未満となるz軸方向の座標範囲を求める。ここでは、第1管電圧V1下でのプロファイルPF1(i)における上記半影に対応する座標範囲のうち、z軸座標位置が負側の座標範囲をzlsr(i)、正側の座標範囲をzler(i)とし、第2管電圧V2下でのプロファイルPF2(i+1)における上記半影に対応する座標範囲のうち、z軸座標位置が負側の座標範囲をzhsr(i+1)、正側の座標範囲をzher(i+1)とする。そして、座標範囲zlsr(i)の中心座標および幅と、座標範囲zler(i)の中心座標および幅と、コリメータ23の遮蔽棒23a,23bの各境界位置座標とに基づいて、iビュー目の第1管電圧V1下での焦点f1(i)のz軸方向の位置Lz1(i)および幅dz1(i)を幾何学的に求める。同様に、座標範囲zhsr(i+1)の中心座標および幅と、座標範囲zher(i+1)の中心座標および幅と、コリメータ23の遮蔽棒23a,23bの各境界位置座標とに基づいて、i+1ビュー目の第2管電圧V2下での焦点f2(i+1)のz軸方向の位置Lz2(i+1)および幅dz2(i+1)を幾何学的に求める。
ステップS45では、コリメータ制御部27は、ステップS44で求めたX線焦点fのz軸方向の位置および幅、すなわち、iビュー目の焦点f1(i)のz軸方向の位置Lz1(i)および幅dz1(i)と、i+1ビュー目焦点f2(i+1)のz軸方向の位置Lz2(i+1)および幅dz2(i+1)とに基づいて、第1管電圧V1下と第2管電圧V2下でのX線ビーム81のz軸方向の照射範囲の重複範囲Rz12が、X線検出器24のうち検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲である目標範囲Rztと一致するようなコリメータ23のスリットSの位置および幅を算出する。すなわち、重複範囲Rz12と目標範囲Rztとが一致するようなコリメータ23の遮蔽棒23a,23bの位置を求める。
ステップS46では、i+2ビュー目およびi+3ビュー目において、コリメータ23のスリットSの位置および幅がステップS46で算出したスリットSの位置および幅となるように、コリメータ制御モータを駆動して、コリメータ23の遮蔽棒23aまたは23bを回動させる。すなわち、上記の求めた位置と現時点の遮蔽棒の位置との差に比例した量をコリメータ制御モータの駆動系にフィードバックする。
ステップS47では、スキャン制御部32が、全ビュー分のX線投影データの収集が終了したか否かを判定する。ここで、否定される場合には、i←i+2となるようにパラメータiを更新して、ステップS42に戻ってX線投影データの収集を継続し、肯定される場合には、X線投影データの収集を終了し、ステップS48に進む。
これより先のステップS48からS49は、第1の実施形態におけるステップS6からステップS7と同様の処理であるため、説明を省略する。
このような第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、X線管21の陽極部の発熱やガントリ回転部15の回転中の機械的な歪等により、X線焦点fが時間の経過とともに変動する場合であっても、それに追従してコリメータ23のスリットSを制御することができる。
なお、第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、中央処理装置3が、1ビューに対応する時間を設定する撮影条件設定部を有し、X線ビーム位置検出部30が、X線ビームのz軸方向の位置を1ビューごとに検出し、コリメータ制御部27が、その設定された1ビューに対応する時間に応じたビュー数ごとに、コリメータ23のスリットSを制御するようにしてもよい。
また、コリメータ23の制御応答速度が、投影データの1ビュー当たりの収集時間に対して十分に速い場合には、1ビューごとにコリメータ23のスリットSを制御するようにしてもよい。
また、X線焦点fの位置および大きさを特定する情報をX線投影データによらず直接的に取得できる構成である場合には、X線焦点検出部40は、その取得した情報に基づいてX線焦点fの位置および大きさを特定するようにしてもよい。
なお、第3および第4の実施形態では、過去2ビュー分の測定値に基づいてフィードバック制御することによりコリメータ23の制御を行っているが、例えば、過去4ビュー分や過去6ビュー分の測定値からこれら測定値の平均を求め、この測定値の平均に基づいてフィードバック制御するようにしてもよい。また、第3および第4の実施形態では、フィードバック制御を2ビューごとに行っているが、例えば、4ビューごと、あるいは6ビューごとに行うようにしてもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態によるX線CT装置100は、第4の実施形態と略同様の構成であるが、画像生成部34が、X線焦点検出部40によりビューごとに検出されたX線焦点fの位置に基づいてビューごとのX線投影データの投影方向を算出し、その算出された投影方向にも基づいてデュアルエネルギー画像DEを生成する点で異なる。すなわち、第4の実施形態では、X線焦点fの位置は変動しないものとして各X線投影データの投影方向を定めた上でデュアルエネルギー画像DEを生成するが、第5の実施形態では、各X線投影データの投影方向をX線焦点fの位置から求め、求められた投影方向に対して逆投影処理を行う等の画像再構成処理を行ってデュアルエネルギー画像DEを生成する。
第1管電圧V1下におけるX線焦点fの位置と第2管電圧V1下におけるX線焦点fの位置とのずれ量が、X線検出器24における1チャネル分に相当するX線ビーム幅より大きい場合には、各ビューにおけるX線ビーム81の位置が理想とする位置から無視できないほどずれてしまい、デュアルエネルギー画像DEに発生するアーチファクトの原因となる場合がある。
このような第5の実施形態によれば、X線焦点fの位置を考慮して画像を生成するので、アーチファクトの原因となるX線ビーム81の位置ずれの影響を排除することができ、より画質のよい画像を得ることができる。
(第6の実施形態)
第1から第5の実施形態では、重複範囲Rz12と目標範囲Rztとが一致するようコリメータ23を制御しているが、コリメータ23を制御する代わりに、X線焦点fの位置そのものを制御するようにしてもよい。
第6の実施形態では、X線CT装置100は、コリメータ制御部27に代えて、各目的管電圧下でX線ビーム位置検出部30により検出されたX線ビーム81の位置に基づいて、あるいは、X線焦点検出部40により検出されたX線焦点fの位置に基づいて、X線ビーム81のX線検出器24に対する照射領域Rcのz軸方向の範囲Rzcと、X線検出器24におけるX線ビーム81の検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲Rztとが一致するよう、X線管21の電子ビーム(電子線)の軌道を制御する電子ビーム制御部を有する。
図15は、X線管21の要部を示す図であり、図15(1),(2),(3)はそれぞれ側面図、正面図、斜視図を示している。X線管21は、図15(1)に示すように、陰極スリーブ(電子線発生部)21sに内蔵される陰極フィラメント21fから発せられた電子ビーム21eを回転するターゲット電極21tに衝突させて、その衝突領域であるX線焦点fからX線80を発生させる。
例えば、X線投影データの収集を開始する前に、図15(2)に示すような、第1管電圧V1下でのX線焦点fである焦点f1の中心位置と、第2管電圧V2下でのX線焦点fである焦点f2の中心位置とを、それぞれ、所定の原点からの相対座標(Δxf1,Δyf1)、(Δxf2,Δyf2)として求めておく。そして、X線投影データを収集する際に、図15(3)に示すように、第1管電圧V1でX線ビーム81を照射するときには、焦点f1の中心位置が(−Δxf1,−Δyf1)だけずれるように電子ビーム21eの軌道を制御し、第2管電圧V2でX線ビーム81を照射するときには、焦点f2の位置が(−Δxf2,−Δyf2)だけずれるように電子ビーム21eの軌道を制御する。電子ビーム21eの軌道の制御は、例えば、電子ビーム21eに作用する電界または磁界を変化させることにより行うことができる。このようにすれば、X線焦点fを常に原点に位置させることができるので、コリメータ23のスリットSは、X線焦点fがその原点に位置する場合に、X線ビーム81のX線検出器24に対する照射領域Rcのz軸方向の範囲Rzcと、X線検出器24におけるX線ビーム81の検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲Rztとが一致するように調整しておけばよい。
このような第6の実施形態よれば、X線焦点fの変動を打ち消すように電子ビーム21eの軌道を制御してX線焦点fの位置を固定させるので、X線ビーム81の位置そのものが変動せず、照射領域Rcのz軸方向の範囲Rzcと、検出すべき領域Rtのz軸方向の範囲Rztとを常に一致させることができる。これにより、X線検出器24に対するX線ビーム81の照射領域について余分なマージンを抑えながら、X線ビーム81の検出領域のうち画像の生成に寄与する部分全体へのX線ビーム81の照射を担保することができ、被検体71への被曝を抑えつつ、アーチファクトが低減された画像を得ることが可能となる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
上記の各実施形態では、説明を容易にするため、X線焦点fのz軸方向での位置ずれに対してのみ制御を行っているが、もちろん同様の方法で、X線焦点fのx軸方向での位置ずれに対して制御を行うこともできるし、z軸方向とx軸方向の両方向での位置ずれに対して同時に制御を行うこともできる。
また、上記の各実施形態では、X線検出器として多列X線検出器を用いているが、この他、フラットパネル(flat-panel)X線検出器に代表されるマトリクス(matrix)構造の二次元X線エリア(area)検出器を用いてもよい。
また、上記の各実施形態では、本発明を医用X線CT装置に適用した場合について説明しているが、本発明は、産業用X線CT装置、または、他の装置と組み合わせたX線CT−PET装置、X線CT−SPECT装置などにも適用可能である。
また、上記の各実施形態では、撮影に用いるスキャン方式としてノンヘリカルスキャン(アキシャルスキャン)を適用した場合について説明したが、ヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャン、あるいは可変ピッチヘリカルスキャン等を適用することもできる。
また、上記の各実施形態では、デュアルエネルギー撮影において目的管電圧として80kVと140kVとを用いているが、他の管電圧を用いてもよい。
また、上記の各実施形態では、上記複数の目的管電圧を2種類の管電圧とした場合について説明したが、3種類以上の管電圧にすることもできる。
第1の実施形態によるX線CT装置の構成を示すブロック図である。 X線管、コリメータ、およびX線検出部の要部の構成を示す図である。 第1の実施形態によるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 X線管電圧の切換えによって生じるX線ビームの位置の変化を示す図である。 第1管電圧下および第2管電圧下で得られたビーム検出器データのz軸方向のプロファイルの一例を示す図である。 X線検出器におけるX線ビームの照射領域の時間変化の一例を示す図である。 第2の実施形態によるX線CT装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態によるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 X線検出器における左右対称な位置関係にある2つの検出器列A1,B1の一例を示す図である。 コリメータにおけるスリットSの変化に対する検出器列A1,B1の出力信号強度の変化の一例を示す図である。 第3の実施形態によるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 ビーム検出器の出力信号強度を表すプロファイルにおける境界点の時間変化の一例を示す図である。 第4の実施形態によるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 X線投影データから得られるビーム検出器の出力信号強度を表すプロファイルを示す図である。 X線管の要部を示す図である。
符号の説明
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 クレードル
15 ガントリ回転部
20 走査ガントリ
21 X線管
21e 電子ビーム
21f 陰極フィラメント
21h ハウジング
21s 陰極スリーブ
21t ターゲット電極
22 X線制御部
23 コリメータ
23a,23b 遮蔽棒
23c,23d 遮蔽板
24 X線検出器
24a X線検出素子
24s X線検出面
24R,24L ビーム検出器
25 データ収集装置
26 回転制御部
27 コリメータ制御部
29 ガントリ制御部
30 X線ビーム位置検出部
32 スキャン制御部
33 投影データ処理部
34 前処理部
35 画像生成部
40 X線焦点検出部
71 被検体
80 X線
81 X線ビーム
100 X線CT装置

Claims (20)

  1. ターゲット電極上に生成されたX線焦点からX線を発生するX線管と、
    X線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に複数個配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、

    前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、複数の目的管電圧のX線を、前記X線管における同じ位置の前記ターゲット電極におけるX線焦点から、繰り返し切り換えて発生させることにより得られる投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、

    前記X線を扇状のX線ビームに整形するための一つの開口を有するコリメータと、
    前記X線ビームの前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線ビーム位置検出手段と、

    前記X線ビーム位置検出手段で検出された各々の前記目的管電圧の前記X線ビームの所定方向の位置が一致しない場合に、当該所定方向の位置に基づいて、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向における重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記コリメータの開口を制御するコリメータ制御手段と

    を備えるX線CT装置。
  2. 前記コリメータ制御手段は、前記投影データの収集を開始する前に、前記検出された前記X線ビームの前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲と前記目標範囲とが一致するように、前記コリメータの開口を制御する請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記スキャン手段は、前記管電圧を1ビューまたは2以上の所定数ビューごとに順次切換え、
    前記X線ビーム位置検出手段は、前記投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記所定方向の位置を複数回にわたって検出し、

    前記コリメータ制御手段は、前記X線ビームの前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲が前記目標範囲に近づくよう前記コリメータの開口を制御する請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 前記X線ビーム位置検出手段は、少なくとも前記管電圧が切り換わるごとに前記X線ビームの前記所定方向の位置を検出し、

    前記コリメータ制御手段は、前記管電圧の切換えの繰返し周期または該繰返し周期の整数倍の周期に同期して前記コリメータの開口を制御する請求項3に記載のX線CT装置。
  5. 前記X線ビーム位置検出手段は、前記所定方向における前記X線ビームの端部が通過する領域に前記検出素子を前記所定方向に複数個配置して構成されるビーム検出器を有し、前記ビーム検出器から出力される信号強度のプロファイルに基づいて前記X線ビームの前記所定方向の位置を算出する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  6. 前記ビーム検出器は、前記X線検出器の一部である、請求項5に記載のX線CT装置。
  7. 前記収集された投影データに基づいて、被検体の特定の物質が強調または抑制されたデュアルエネルギー画像を前記目的画像として生成する画像生成手段をさらに備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  8. 投影データの1ビュー当たりの収集時間を設定する撮影条件設定手段をさらに備え、
    前記X線ビーム位置検出手段は、前記X線ビームの前記所定方向の位置を1ビューごとに検出し、
    前記コリメータ制御手段は、前記設定された1ビュー当たりの収集時間に応じて定まるビュー数ごとに前記コリメータの開口を制御する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  9. ターゲット電極上に生成されたX線焦点からX線を発生するX線管と、
    X線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に複数個配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、

    前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、複数の目的管電圧のX線を、前記X線管における同じ位置の前記ターゲット電極におけるX線焦点から、繰り返し切り換えて発生させることにより得られる投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、

    前記X線を扇状のX線ビームに整形するための一つの開口を有するコリメータと、
    前記X線管の前記X線焦点の前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線焦点検出手段と、

    前記X線焦点位置検出手段で検出された各々の前記目的管電圧の前記X線焦点の所定方向の位置が一致しない場合に、当該所定方向の位置に基づいて、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向における重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記コリメータの開口を制御するコリメータ制御手段と

    を備えるX線CT装置。
  10. 前記コリメータ制御手段は、前記投影データの収集を開始する前に、前記検出された前記X線焦点の前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲と前記目標範囲とが一致するよう、前記コリメータの開口を制御する請求項9に記載のX線CT装置。
  11. 前記スキャン制御手段は、前記管電圧を1ビューまたは2以上の所定数ビューごとに順次切り換え、
    前記X線焦点検出手段は、前記投影データの収集を開始してから終了するまでの間に、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線焦点の前記所定方向の位置を複数回にわたって検出し、

    前記コリメータ制御手段は、前記X線焦点の前記所定方向の位置に基づいて、前記重複範囲が前記目標範囲に近づくよう前記コリメータの開口を制御する請求項9に記載のX線CT装置。
  12. 前記X線焦点検出手段は、少なくとも前記管電圧が切り換わるごとに前記X線焦点の前記所定方向の位置を検出し、
    前記コリメータ制御手段は、前記管電圧の切換え周期または該切換え周期の整数倍の周期に同期して前記コリメータの開口の位置を制御する請求項11に記載のX線CT装置。
  13. 前記X線焦点検出手段は、前記所定方向における前記X線ビームの端部が通過する領域に前記検出素子を前記所定方向に複数個配置して構成されるビーム検出器を有し、前記ビーム検出器から出力される信号強度のプロファイルに基づいて前記X線焦点の前記所定方向の位置を算出する、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  14. 前記ビーム検出器は、前記X線検出器の一部である、請求項13に記載のX線CT装置。
  15. 前記収集された投影データに基づいて、被検体の特定の物質が強調または抑制されたデュアルエネルギー画像を前記目的画像として生成する画像生成手段をさらに備える請求項9から請求項14のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  16. 前記画像生成手段は、前記X線焦点検出手段により検出された前記X線焦点の位置に基づいてビューごとの前記投影データの投影方向を算出し、前記投影方向にも基づいて前記デュアルエネルギー画像を生成する、請求項15に記載のX線CT装置。
  17. 前記X線焦点検出手段は、さらに前記X線焦点の大きさを検出し、
    前記コリメータ制御手段は、前記X線焦点の大きさにも基づいて前記コリメータの開口を制御する、請求項9から請求項16のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  18. 投影データの1ビュー当たりの収集時間を設定する撮影条件設定手段をさらに備え、
    前記X線焦点検出手段は、前記X線焦点の前記所定方向の位置を1ビューごとに検出し、
    前記コリメータ制御手段は、前記設定された1ビュー当たりの収集時間に応じて定まるビュー数ごとに前記コリメータの開口を制御する、請求項9から請求項17のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  19. 電子線発生部とターゲット電極とを有し、前記電子線発生部により発生した電子線が前記ターゲット電極に衝突することによりX線を発生するX線管と、

    複数のX線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、

    前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、複数の目的管電圧のX線を、前記X線管における同じ位置の前記ターゲット電極におけるX線焦点から、繰り返し切り換えて発生させることにより得られる投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、

    前記X線を扇状のX線ビームに整形するための一つの開口を有するコリメータと、
    前記X線ビームの前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線ビーム位置検出手段と、

    前記X線ビーム位置検出手段で検出された各々の前記目的管電圧の前記X線ビームの所定方向の位置が一致しない場合に、当該所定方向の位置に基づいて、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向における重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記電子線の軌道を制御する電子線制御手段と

    を備えるX線CT装置。
  20. 電子線発生部とターゲット電極とを有し、前記電子線発生部により発生した電子線が前記ターゲット電極に衝突することによりX線を発生するX線管と、

    X線検出素子を前記X線ビームの広がり方向に複数個配列してなる検出素子列を前記X線ビームの厚み方向に複数個配設してなるX線検出器と、

    前記X線管と前記X線検出器とを被検体の周りに回転させるとともに、複数の目的管電圧のX線を、前記X線管における同じ位置の前記ターゲット電極におけるX線焦点から、繰り返し切り換えて発生させることにより得られる投影データを収集すべく、前記X線管および前記X線検出器を制御するスキャン制御手段と、

    前記X線を扇状のX線ビームに整形するための一つの開口を有するコリメータと、
    前記X線管の前記X線焦点の前記厚み方向および前記広がり方向の少なくとも一方である所定方向の位置を検出するX線焦点検出手段と、

    前記X線焦点位置検出手段で検出された各々の前記目的管電圧の前記X線焦点の所定方向の位置が一致しない場合に、当該所定方向の位置に基づいて、各々の前記目的管電圧で発生された前記X線ビームの前記X線検出器における照射領域の前記所定方向における重複範囲と、前記X線検出器における前記X線ビームを検出すべき領域の前記所定方向の範囲である目標範囲とが一致するよう、前記電子線の軌道を制御する電子線制御手段と

    を備えるX線CT装置。
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