JP5242117B2 - ドライブシャフトの軸トルク測定装置・測定方法 - Google Patents
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また、最近の自動車はあらゆる部分に電子制御技術が導入されており、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム(TCS)、ノンスリップデフ(LSD)、などの走行制御では車輪速信号が利用されている。このため、通常、ドライブシャフトのアウトボード側(アクスル側)にABS(アンチロックブレーキシステム)制御用のパルサーリングが設けられ、車輪の回転に伴い歯車状のパルサーリングが回転すると、それに近接して車体側に設置された電磁ピックアップに車輪回転数に比例した周波数のパルスが発生するようになっている。
また、求めた軸トルク信号に基づいてエンジンの出力を制御することにより、過大トルクの発生を防止し、この過大トルクの発生防止によってドライブシャフトの軸径および等速ジョイントのサイズダウンによる軽量化を図ることが開示されている。
また、特許文献5では、センサの形式を指定していないが、実施形態では出力パルスの位相差を時間差として検出する例が提示されている。この場合、両軸端の双方が回転してパルスを発生させないと、ドライブシャフトのねじれ量を測定することができないので、上記特許文献1〜4の場合と同様な問題がある。
この構成によると、ドライブシャフトの微小なねじれ角を高分解能に検出できるため、軸トルクを正確に検出でき、最適な印加トルクをタイヤに供給するような車両走行制御も可能になる。また、回転パルスを計数することで軸トルクを演算するので、2つのセンサターゲットのうち一方が止まっていても、つまり例えばドライブシャフトの一端側が停止状態あるいは極端に回転速度が低い場合でも、正確に軸トルクを検出できる。
各回転パルスをカウンタで計数し、ドライブシャフトの現在回転角度を計数値として保持する場合には、機械的なガタによって計数値に定常オフセットが発生したり、ノイズによる誤カウントによって両カウンタの計数値がずれたりして、軸トルク演算に誤差が生じることがある。上記オフセットキャンセル手段で、前記軸トルク演算手段のトルク出力値すなわち角度差をモニタしながら、運転状態に関するデータ(加減速状態、エンジン回転数など)に応じたフィルタ処理を行なって定常オフセット分を抽出して、軸トルク演算手段での演算処理においてオフセット分をキャンセルすると、機械的ガタなどによって発生するオフセットの影響を低減して、正確な軸トルクを検出することができる。
この構成によると、ドライブシャフトの微小なねじれ角を高分解能に検出できるため、軸トルクを正確に検出でき、最適な印加トルクをタイヤに供給するような車両走行制御も可能になる。これにより、ドライブシャフトの軽量化が可能になる。
この軸トルク測定方法によると、ドライブシャフトの微小なねじれ角を高分解能に検出できて、軸トルクを正確に検出でき、最適な印加トルクをタイヤに供給するような車両走行制御も可能になる。また、回転パルスを計数する検出方式のため、2つのセンサターゲットのうち一方が止まっていても、つまり例えばドライブシャフトの一端側が停止状態あるいは極端に回転速度が低い場合でも、正確に軸トルクを検出できる。
この発明の軸トルク測定装置付きドライブシャフトは、この発明の軸トルク測定装置をドライブシャフトに搭載するものであるため、ドライブシャフトの微小なねじれ角を高分解能に検出でき、軸トルクを正確に検出でき、最適な印加トルクをタイヤに供給するような車両走行制御も可能になり、これにより、ドライブシャフトの軽量化が可能になる。
この発明のドライブシャフトの軸トルク測定方法は、両端にて等速ジョイントを介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフトの各等速ジョイントの外輪にセンサターゲットを設け、これら各センサターゲットに対向して設けたセンサで各センサターゲットの回転を検出し、これらのセンサの出力比較によりドライブシャフトの軸トルクを求めるドライブシャフトの軸トルク測定方法であって、前記各センサによる各センサターゲットの回転検出は、対向する前記各センサターゲットの回転を磁気センサで直接検出し、この磁気センサが出力する回転信号を逓倍回路で逓倍して高分解能な回転パルスを生成するものとし、前記各センサの逓倍回路が生成する回転パルスを計数して、これらの計数値の差分を求め、前記差分からドライブシャフトのねじれ量を測定して軸トルクを求め、前記各逓倍回路で生成した回転パルスの計数値を、前記各センサターゲットの1回転に1回リセットする方法であるため、ドライブシャフトの微小なねじれ角を高分解能に検出できて、軸トルクを正確に検出でき、最適な印加トルクをタイヤに供給するような車両走行制御も可能になる。また、回転パルスを計数する検出方式のため、2つのセンサターゲットのうち一方が止まっていても、正確に軸トルクを検出できる。
なお、センサターゲット4,5としては、前記した磁気エンコーダのほか、歯車状の磁性体からなるパルサーリングを用いても良い。
信号発生手段41は、前記磁気センサ11の出力である2相の信号sin,cos から、同一の振幅A0 と同一の平均値C0 とを有し、mをn以下の正の整数、iを1〜2m-1の正の整数として、相継いで互いに2π/2m-1 ずつ位相がずれた、2m-1個の信号si を生成する手段である。
扇形発生手段42は、2m 個の等しい扇形Pi を定義するようにコード化された、m個のディジタル信号bn-m+1 ,bn-m+2 ,……,bn-1 ,bn を発生する、2m-1個の信号si によって区切られた2m 個の扇形Pi を検出する手段である。
マルチプレクサ手段43は、上記扇形発生手段42から発生するm個の上記ディジタル信号bn-m+1 ,bn-m+2 ,……,bn-1 ,bn によって制御され、上記信号発生手段41から生成される2m-1 個の上記信号si を処理して、振幅が一連の2m-1個の上記信号si の上記平均値C0 と第1のしきい値L1 との間にある部分によって構成される一方の信号Aと、振幅が一連の2m-1 個の上記信号si の上記第1のしきい値L1 とこのしきい値よりも高い第2のしきい値L2 との間にある部分によって構成される他方の信号Bとを生成するアナログの手段である。
微細内挿手段44は、所望の分解能を得るために、角度2π/2m の2m 個の上記扇形Pi の各々を角度2π/2n の2n-m 個の同じサブ扇形に細分するようにコード化された、(n−m)個のディジタル信号b1 ,b2 ,……,b n-m-1,bn-m を生成するために、2m 個の扇形Pi の各々において、上記マルチプレクサ手段43から生成される上記一方の信号Aと上記他方の信号Bとを微細内挿する手段である。
この逓倍回路12によって、磁気センサ11で得られた2相の信号sin,cos が、逓倍信号である(n−m)個のディジタル信号b1 ,b2 ,……,b n-m-1,bn-m (ここではb1 ,b2 ,……,b8 ,b9 )の回転パルスに逓倍される。
コントローラ19は、オフセットキャンセル手段20と、計数値リセット手段21とを有する。オフセットキャンセル手段20は、前記回転パルス差分算出手段13により求められた回転パルスの差分と、自動車の制御部から送られてくる運転状態を示す所定のデータとから、前記軸トルク演算手段17により求められる軸トルクに含まれる定常オフセット分をキャンセルする手段である。計数値リセット手段21は、前記回転パルス差分算出手段13におけるカウンタ14,15が計数する計数値を、軸トルクの印加されていない運転状態においてリセットする手段である。
自動車の急発進、急加速時においては、駆動系統に発生する軸トルクは大きく、四輪および二輪車の駆動系統の中でクラッチ部を除く最も剛性の低いところはドライブシャフトである。そのため、ドライブシャフト1はねじられる。このねじり角度を磁気センサ11などからなるセンサ側ユニット6,7からの回転パルスに基づいて演算し、軸トルクを求める。
2,3…等速ジョイント
2a,3a…等速ジョイントの外輪
4,5…センサターゲット
6,7…センサ側ユニット
8,9…回転検出器
11…磁気センサ
11A,11B…磁気センサ素子
11a…センサ素子
11AA,11AB…ラインセンサ
12…逓倍回路
13…回転パルス差分算出手段
17…軸トルク演算手段
20…オフセットキャンセル手段
21…計数値リセット手段
Claims (8)
- 両端にて等速ジョイントを介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフトの各等速ジョイントの外輪にセンサターゲットを設けると共に、これら各センサターゲットに対向して、各センサターゲットの回転を検出するセンサを設け、これらのセンサの出力比較によりドライブシャフトの軸トルクを求めるドライブシャフトの軸トルク測定装置であって、
前記各センサは、対向する前記各センサターゲットの回転を直接検出する磁気センサと、この磁気センサが出力する回転信号を逓倍して高分解能な回転パルスを生成する逓倍回路とを有するものとし、前記各センサの逓倍回路が生成する回転パルスを計数して、これらの計数値の差分を求める回転パルス差分算出手段と、前記差分からドライブシャフトのねじれ量を測定して軸トルクを求める軸トルク演算手段とを設け、前記回転パルス差分算出手段は、前記各逓倍回路が生成する回転パルスを計数する複数のカウンタを有し、これらのカウンタによる計数値を前記各センサターゲットの1回転に1回リセットする機能を有することを特徴とするドライブシャフトの軸トルク測定装置。 - 請求項1において、前記センサターゲットが前記等速ジョイントの外輪と同心のリング状に設けられた磁気エンコーダであり、前記磁気センサが、前記磁気エンコーダの磁極ピッチ内で互いにずれた位置に配置された複数のセンサ素子を有し、sin および cosの2相の信号出力を得られるものであって、前記逓倍回路が生成する回転パルスは、前記磁極内における位置を逓倍して検出するものであるドライブシャフトの軸トルク測定装置。
- 請求項1において、前記センサターゲットが前記等速ジョイントの外輪と同心のリング状に設けられた磁気エンコーダであり、前記磁気センサが、前記磁気エンコーダの磁極の並び方向に沿ってセンサ素子が並ぶラインセンサで構成され、sin, cosの2相の信号出力を演算によって生成するものであって、前記逓倍回路が生成する回転パルスは、前記磁極内における位置を逓倍して検出するものであるドライブシャフトの軸トルク測定装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記各センサの逓倍回路のうちいずれか1つの逓倍回路の生成する回転パルスが、互いに90°位相の異なるA相およびB相の2つのパルス信号であるドライブシャフトの軸トルク測定装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記回転パルス差分算出手段により求められた回転パルスの差分と、運転状態を示す所定のデータとから、前記軸トルク演算手段により求められる軸トルクに含まれる定常オフセット量を推定して、前記軸トルクからオフセット分をキャンセルするオフセットキャンセル手段を設けたドライブシャフトの軸トルク測定装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記回転パルス差分算出手段が計数する計数値を、軸トルクの印加されていない運転状態においてリセットする計数値リセット手段を設けたドライブシャフトの軸トルク測定装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の軸トルク測定装置をドライブシャフトに搭載した軸トルク測定装置付きドライブシャフト。
- 両端にて等速ジョイントを介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフトの各等速ジョイントの外輪にセンサターゲットを設け、これら各センサターゲットに対向して設けたセンサで各センサターゲットの回転を検出し、これらのセンサの出力比較によりドライブシャフトの軸トルクを求めるドライブシャフトの軸トルク測定方法であって、
前記各センサによる各センサターゲットの回転検出は、対向する前記各センサターゲットの回転を磁気センサで直接検出し、この磁気センサが出力する回転信号を逓倍回路で逓倍して高分解能な回転パルスを生成するものとし、前記各センサの逓倍回路が生成する回転パルスを計数して、これらの計数値の差分を求め、前記差分からドライブシャフトのねじれ量を測定して軸トルクを求め、前記各逓倍回路で生成した回転パルスの計数値を、前記各センサターゲットの1回転に1回リセットすることを特徴とするドライブシャフトの軸トルク測定方法。
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