JP5240065B2 - 排気浄化装置の故障検出装置 - Google Patents
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Description
定値と実測値との差が所定値よりも大きいときに該NOx触媒が劣化したと判定する技術
が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、アンモニアを供給する装置に異常がある場合にもNOx触媒が劣化したと判定される虞がある。つまり、NOx触媒が劣化しても、アンモニアを供給する装置に異常があっても、NOxの浄化率が低下するため、
どちらの影響によりNOxの浄化率が低下しているのか判断する必要がある。
の劣化と区別して還元剤供給装置の異常を判定することができる技術の提供を目的とする。
内燃機関の排気通路に設けられ還元剤により選択的にNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給装置と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流側のNOx濃度を検知する上流側検知手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも下流側のNOx濃度を検知する下流側検知手段と、
を備えた排気浄化装置の故障検出装置において、
前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx中のNO2の比率を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定されるNO2の比率が所定範囲内のときにおいて前記還元剤供給装置により還元剤が供給されたときの前記上流側検知手段及び前記下流側検知手段により検知されるNOx濃度に基づいて前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率を算
出する算出手段と、
前記算出手段により複数回算出されるNOx浄化率の平均値及びばらつきに基づいて前
記還元剤供給装置の異常を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
推定しても良く、センサにより測定しても良い。下流側検知手段は、選択還元型NOx触
媒によりNOxが浄化された後のNOx濃度を例えばセンサにより測定する。なお、NOx
にはNO及びNO2が含まれる。還元剤供給装置は、例えば、選択還元型NOx触媒に流
入するNOxの還元に十分な量の還元剤を供給する。
。センサ等を用いてNOx中のNO2の比率を検知しても良い。
。このNO2の比率の算出は複数回行なわれる。複数回算出することにより、NO2の比率が異なるときのNOx浄化率が夫々算出される。すなわち、NO2比率の変化に対して
、NOx浄化率がどのように変化するのかが分かる。
るため、NOとNO2とが略同じ量ずつ浄化されるので、NO2の比率が特定の値(例えば50%近傍)のときにNOxの浄化率が最大となる。選択還元型NOx触媒が劣化したときには、NOx浄化率は全体的に低下するものの、NO2の比率が特定の値のときにNOxの浄化率が最大となることに変わりはない。
きくなる。すなわち、NO2の比率によらずNOx浄化率が低下する。このため、NO2
の比率が前記特定の値のときであっても、NOx浄化率は低くなる。すなわち、NOx浄化率が全体的に低下すれば、還元剤供給装置に異常があると判定できる。ここでいう還元剤供給装置の異常は、還元剤の要求量に対して、実際の供給量が少ない場合のことをいう。そして、NOx浄化率の平均値が低下すれば、NOx浄化率が全体的に低下していると判定できる。
、NOx浄化率が大きく低下する。このように選択還元型NOx触媒が劣化しているときであっても、NO2比率に応じてNOx浄化率が変化するため、NOx浄化率のばらつきが大きくなる。すなわち、NOx浄化率のばらつきが小さい場合には、還元剤供給装置に異常
があると判定できる。
つばらつきが小さくなる。これにより、選択還元型NOx触媒の劣化と還元剤供給装置の
異常とを区別することができる。
NO2比率の範囲をいう。上述のように、NOとNO2とが略同量ずつ浄化されるため、NO2の比率が特定の値から高くなるほど、また、低くなるほど、NOx浄化率は低下す
る。そして、NO2の比率が0%近傍の場合や、100%近傍の場合には、NOx浄化率
が0%近傍になる。このような場合には、還元剤供給装置に異常がない場合であっても、NOx浄化率の平均値が低くなったり、NOx浄化率のばらつきが小さくなったりするため、該還元剤供給装置の異常を判定することが困難となる。つまり、還元剤供給装置の異常の有無によるNOx浄化率の違いが判別可能な範囲として所定範囲が設定される。
るが、これに代えてNOx中のNOの比率を用いて劣化度合いの判定を行うこともできる
。つまり、NOxがNOとNO2とからなるとすれば、NOx中のNO2の比率が大きくな
るほど、その分NOの比率は小さくなる。この関係を用いれば、NOx中のNOの比率を
用いて劣化度合いの判定を行うことができる。
下で且つ偏差が第2所定値以下のときに前記還元剤供給装置に異常があると判定することができる。
の他に、選択還元型NOx触媒の劣化または、上流側検知手段若しくは下流側検知手段の
異常も考えられる。一方、NOx浄化率の偏差が小さい場合には、還元剤の供給量が不足
していることの他に、上流側検知手段若しくは下流側検知手段の異常も考えられる。しかし、NOx浄化率の平均値が小さく且つNOx浄化率の偏差が小さい場合には、還元剤供給装置の異常しか考えられない。このような判定基準として、第1所定値及び第2所定値が設定されている。
つきを表す値を用いることもできる。
率の平均値が第1所定値よりも大きく且つ偏差が第2所定値以下のときに、前記還元剤供給装置に異常があり且つ前記上流側検知手段若しくは下流側検知手段の少なくとも一方に異常があると判定することができる。
ないか、または上流側検知手段または下流側検知手段に異常があると考えることができる。また、NOx浄化率の偏差が第2所定値よりも小さい場合には、還元剤の供給量が不足
していることの他に、上流側検知手段若しくは下流側検知手段の異常も考えられる。しかし、NOx浄化率の平均値が第1所定値よりも大きく且つNOx浄化率の偏差が第2所定値以下の場合には、還元剤供給装置に異常があり、且つ上流側検知手段若しくは下流側検知手段に異常があると考えられる。このようにして、還元剤供給装置以外の異常を判定することができる。
することができる。
が取り付けられている。噴射弁5は、後述するECU10からの信号により開弁して排気中へ尿素水を噴射する。なお、本実施例においては噴射弁5が、本発明における還元剤供給装置に相当する。また、還元剤供給装置には、還元剤を吐出するポンプ、該還元剤が流通する通路、噴射弁5を制御するECU10を含めることができる。
Ox濃度を測定する第2NOxセンサ8及び排気の温度を測定する温度センサ9が取り付けられている。なお、本実施例においては第1NOxセンサ7が、本発明における上流側検
知手段に相当する。また、本実施例においては第2NOxセンサ8が、本発明における下
流側検知手段に相当する。また、第1NOxセンサ7によりNOx濃度を測定することに代えて、内燃機関1の運転状態に基づいてNOx濃度を推定しても良い。
加量比とに応じて変化する。この添加量比とは、NOx触媒4に流入するNOxを全て還元するのに必要となる還元剤添加量に対する実際の還元剤添加量である。
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O・・・式(1)
この反応によればNOとNO2とが等しい量だけ浄化される。つまり、この反応では、NOとNO2との比が1対1のときにNOxの浄化率が最大となる。
ている。
、還元剤の添加量が不十分な場合には、全体的にNOx浄化率が低い。つまり、還元剤の
添加量が不十分な場合には、NOx浄化率に対するNO2比率の影響が殆ど無い。これは
、NH3の量が少なくなると、NO2比率よりもNH3で式(1)の反応速度が決まるため、NO2比率が還元反応速度に及ぼす影響が小さくなるためである。さらには、還元剤の添加量が十分な場合と比較して、還元剤の添加量が不十分な場合には、NOx浄化率が
かなり低くなるため、両者を区別することができる。
十分であるか否か判定する。すなわち、還元剤供給装置の異常を判定する。
剤の添加量が十分な場合と不十分な場合との両方でNOx浄化率が低くなることにより、
両者の差が小さくなる。このような範囲でNOx浄化率を用いて還元剤の添加量不足を判
定すると、判定を誤る虞がある。そこで本実施例では、NOx中のNO2の比率が30%
以上で且つ70%未満のときのNOx浄化率に基づいて還元剤の添加量不足を判定する。
元剤の添加量が正常であるか否か判定する。例えば、NOx浄化率の平均値が第1所定値
以下のときに還元剤の添加量が不十分である可能性がある。同様に、NOx浄化率の偏差
が第2所定値以下のときに還元剤の添加量が不十分である可能性がある。そして、例えば、NOx浄化率の平均値が第1所定値以下のときで、且つNOx浄化率の偏差が第2所定値
以下のときに還元剤の添加量が不十分であると判定する。
分な場合のNOx浄化率は、図3の実線で示したようにNOx中のNO2比率に応じて変化する。そして、この平均値は比較的高い。一方、還元剤添加量が不足している場合には、NOx浄化率がNOx中のNO2の比率に殆ど影響されない。そして、この平均値は比較的低い。
還元剤添加量が十分な場合を示している。このように、NOx浄化率の偏差には差があり
、還元剤添加量が不足している場合のほうが偏差は小さくなる。
浄化率の平均値を求めるときにNOx量を記憶した回数をカウントするために用いる。初
期値として0が代入される。
、カウンタTCと関連付けてECU10に記憶される。
て、カウンタTCと関連付けてECU10に記憶される。
ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS103へ戻り入NOx量及び出NOx量を引き続き算出する。
は、入NOx量に対し、NOx触媒4で浄化されるNOx量の比率であり以下の式により求
める。
NOx浄化率=(入NOx量−出NOx量)/(入NOx量)
なお、本実施例ではNOx浄化率を算出するECU10が、本発明における算出手段に
相当する。そして、NOx浄化率平均値NOx_aveは、この平均値である。
浄化率の最大値と最小値との差としても良い。
添加量の不足を判定することができるため、還元剤供給装置に異常があるか否か判定することができる。この判定を行うときには、NOx触媒4の劣化と区別することができる。
すなわち、還元剤添加量が不足している場合には、NOx浄化率に対するNO2比率の影
響が小さいことから還元剤供給装置の異常をNOx触媒4の劣化と区別して判定すること
ができる。ここで、NOx浄化率は排気浄化装置が正常の場合にはNOx中のNO2比率によって変化するが、このNO2比率を正確に求めることが困難な場合もある。例えばNOx触媒4やその上流に備わる触媒の劣化度合いによってもNO2比率が変化するため、こ
れらの触媒の劣化度合いを正確に求めなくてはNO2比率を正確に求めることが困難となる。このように、NO2比率の正確な推定が困難な場合であっても、おおよそのNO2比率が分かれば還元剤添加システムの異常を判定することができる。
又は第2NOxセンサ8の異常を判定することができる。
る。NOx浄化率の平均値及び偏差は実施例1と同様にして得る。
つまり、NO2比率に応じてNOx浄化率が変化し、且つNOx浄化率が高い。
元剤添加量が減少していると考えられる。しかし、NOx浄化率の平均値が高いことによ
れば還元剤添加量は正常であると考えられる。このような場合には、還元剤添加量の異常及び第1NOxセンサ7若しくは第2NOxセンサ8の異常と判定される。
還元剤添加量の異常である。
は第2NOxセンサ8が異常であると判定される。
2 排気通路
4 選択還元型NOx触媒
5 噴射弁
7 第1NOxセンサ
8 第2NOxセンサ
9 温度センサ
10 ECU
11 アクセルペダル
12 アクセル開度センサ
13 クランクポジションセンサ
Claims (3)
- 内燃機関の排気通路に設けられ還元剤により選択的にNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給装置と、
前記選択還元型NOx触媒よりも上流側のNOx濃度を検知する上流側検知手段と、
前記選択還元型NOx触媒よりも下流側のNOx濃度を検知する下流側検知手段と、
を備えた排気浄化装置の故障検出装置において、
前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx中のNO2の比率を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定されるNO2の比率が所定範囲内のときにおいて前記還元剤供給装置により還元剤が供給されたときの前記上流側検知手段及び前記下流側検知手段により検知されるNOx濃度に基づいて前記選択還元型NOx触媒におけるNOxの浄化率を算
出する算出手段と、
前記算出手段により複数回算出されるNOx浄化率の平均値及びばらつきに基づいて前
記還元剤供給装置の異常を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする排気浄化装置の故障検出装置。 - 前記判定手段は、前記NOx浄化率の平均値が第1所定値以下で且つ偏差が第2所定値
以下のときに前記還元剤供給装置に異常があると判定することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置の故障検出装置。 - 前記判定手段は、前記算出手段により算出されるNOx浄化率の平均値が第1所定値よ
りも大きく且つ偏差が第2所定値以下のときに、前記還元剤供給装置に異常があり且つ前記上流側検知手段若しくは下流側検知手段の少なくとも一方に異常があると判定することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置の故障検出装置。
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2009
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