JP5239903B2 - タービン翼 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1〜4には、タービン翼の効率的な冷却を行うために、タービン翼の内部に複数のインピンジ孔が形成されたインサートが設置されたタービン翼が記載されている。
このインサートは、タービン翼の翼本体に向けて形成された複数のインピンジ孔を備えており、内部が中空とされている。そして、インサートの内部に供給された冷却ガスがインピンジ孔を介して翼本体の内壁面に吹き付けられることによって、翼本体がいわゆるインピンジ冷却される。
このような噴出後の冷却ガスの流れ(以下、噴出後冷却ガス流れと称する)がインサートと翼本体との間に形成されると、噴出後冷却ガス流れの後流側に位置するインピンジ孔から噴射された冷却ガスが噴出後冷却ガス流れに流されてしまい翼本体に到達することが困難となる。よって、噴出後冷却ガス流れの後流側に向かうに連れてインピンジ冷却の効果が弱まってしまう。
このような特許文献1の構成によれば、インサートと翼本体との間に形成された噴出後冷却ガス流れがインピンジ孔と翼本体との間の領域に侵入することを抑制し、効率的なインピンジ冷却を行うことが可能となる。
したがって、従来のインサート支えをインピンジ孔の上流側に配置する構成では、冷却ガスの翼本体への到達が確保されるインピンジ孔の数が限られるため、十分のインピンジ冷却の効率を向上させることが難しい。
したがって、インサート支えの配置等に影響されず、必要な箇所に必要な数の遮蔽手段を設置することが可能となる。
よって、本発明によれば、翼本体のインピンジ冷却の効率をより向上させることが可能となる。
図1は、本実施形態のタービン翼1の概略構成を示す断面図である。
この図に示すように、本実施形態のタービン翼1は、翼本体2と、インサート3とを供えている。
また、翼本体2は、前縁部2bと後縁部2cとを備えており、後縁部2cには、内部空間2aから翼本体2の外部に連通する貫通孔2dが形成されている。
なお、インサート支え4は、インサート3の表面に固定されている。そして、インサート支え4の先端側が翼本体2の内壁面に当接されることによってインサート3が支持される。
また、インサート3は、図2に示すように、翼本体2の内壁面に向けて形成されるインピンジ孔3bが複数形成されている。
なお、インサート3の内部空間3aには冷却ガスが供給され、当該冷却ガスがインピンジ孔3bを介して翼本体2の内壁面に吹き付けられることによって、翼本体2がインピンジ冷却される。
そして、本実施形態のタービン翼1は、インピンジ孔3bと翼本体2の内壁面との間の領域に噴出後冷却ガス流れRが侵入することを抑制する遮蔽壁5(遮蔽手段)を備えている。
そして、遮蔽壁5は、図3の拡大平面図に示すように、設置面に対する平面形状が、流体流れR方向の上流側に向けて中央部が突出する形状となるように、2つの壁5aと壁5bとが角度を持って接続されることで形成されている。
したがって、インサート支え4の配置等に影響されず、必要な箇所に必要な数の遮蔽壁5を設置することが可能となり、本実施形態のタービン翼1のように各インピンジ孔3bに対して遮蔽壁5を設置することが可能となる。
よって、本実施形態のタービン翼1によれば、翼本体2のインピンジ冷却の効率をより向上させることが可能となる。
このため、噴出後冷却ガス流れRが遮蔽壁5を通過する際の乱流の発生を抑制し、インサート3と翼本体2の内壁面との間における圧力損失を低減させることができる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、図4及び図5に示すように、噴出後冷却ガス流れRの上流側に向けて中央部が突出するように、遮蔽壁5が湾曲されて形成されていても良い。
また、遮蔽壁5の先端は翼本体2の内壁面と当接していてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図6は、本実施形態のタービン翼が備える遮蔽壁6を含む側面断面図である。
この図に示すように、本実施形態のタービン翼が備える遮蔽壁6は、設置面と鋭角をなすように、噴出後冷却ガス流れRの上流側から下流側に向けて傾斜して設置されていても良い。
また、遮蔽壁6は、先端部が翼本体2の内壁面から離間するようにインサート3に立設されている。
そして、インサート支え4の配置等に影響されず、必要な箇所に必要な数の遮蔽壁5を設置することが可能となり、各インピンジ孔3bに対して遮蔽壁6を設置することができる。
よって、本実施形態のタービン翼によれば、翼本体2のインピンジ冷却の効率をより向上させることが可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図7は、本実施形態のタービン翼が備える遮蔽壁7を含む斜視図である。図8は、本実施形態のタービン翼が備える遮蔽壁7を含む断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態のタービン翼が備える遮蔽壁7は、インピンジ孔3bの周囲を囲って設置されている。
また、遮蔽壁7は、先端部が翼本体2の内壁面から離間するようにインサート3に立設されている。
また、遮蔽壁7がインピンジ孔3bを囲っているため、インピンジ孔3bの後流側からインピンジ孔3b方向への噴出後冷却ガス流れRの回りこみを防止することができる。
よって、本実施形態のタービン翼によれば、翼本体2のインピンジ冷却の効率をより向上させることが可能となる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、翼本体2の内部を仕切板等により複数の空間に分割し、各空間にインサートを設置するようにしても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも全てのインピンジ孔3bに対して遮蔽壁を設置する必要はない。
また、1つのインピンジ孔3bに対して複数の遮蔽壁を設置しても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、インピンジ孔3bの形状が楕円形や長円形等の他の形状であっても良い。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の遮蔽手段として例えばシート部材やフィルム部材を用いることも可能である。
Claims (2)
- 中空の翼本体と、インサート支えを介して前記翼本体に固定されることによって該翼本体の内部に設置されると共に前記翼本体の内壁面に向けて冷却ガスを噴出するインピンジ孔を備えるインサートとを備えるタービン翼であって、
前記インピンジ孔から噴出された後の前記冷却ガスによって形成される流れである噴出後冷却ガス流れを遮蔽すると共に前記噴出後冷却ガス流れに対する前記インピンジ孔の少なくとも上流側に設置される遮蔽手段を前記インサート支えと別体で備え、
前記遮蔽手段は、前記噴出後冷却ガス流れに対する前記インピンジ孔の少なくとも上流側に立設される遮蔽壁であり、
前記遮蔽壁は、設置面に対する平面視形状が前記噴出後冷却ガス流れの上流側に向けて中央部が突出した形状を有すると共に、前記インピンジ孔から離間しかつ先端部が前記翼本体の内壁面から離間するように設けられている
ことを特徴とするタービン翼。 - 前記遮蔽壁は、前記インピンジ孔の周囲を囲って立設されていることを特徴とする請求項1記載のタービン翼。
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