JP5235044B1 - カプセル内蔵フィルターとこのフィルターを備えたタバコ及びタバコ代用品 - Google Patents

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Abstract

【課題】風味、香り、コク等の香喫味を高めることが可能なタバコ香喫味増強液を封入したカプセル内蔵フィルターとこのフィルターを備えたタバコ及びタバコ代用品を提供する。
【解決手段】本発明によるカプセル内蔵フィルター1を搭載したタバコは、刻み葉2と、巻紙3と、フィルター4と、チップペーパー5を備えて構成されており、フィルター4に易破壊性のカプセル6が内蔵され、皮膜7内に天然カカオ抽出物を含むタバコ香喫味増強液8が封入されている。喫煙時には、フィルター部分を指で摘まんでカプセル6を潰すと、皮膜7が破れてタバコ香喫味増強液8がフィルター4に滲み出ることにより、タバコ特有の風味、香り、コク等を付与し、増強することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、風味、香り、コク等の香喫味を高めることが可能なタバコ香喫味増強液を封入したカプセル内蔵フィルターとこのフィルターを備えたタバコ及びタバコ代用品に関する。
従来、タバコを吸うことには、喫煙者にとって様々な目的(例えば、リラックス、付き合い、単なる依存症等)がある。こうした中、近年では禁煙運動が広まっており、タバコを吸うことは止めたくないが、せめて低タール・低ニコチンのタバコに変えてでも喫煙を続けようとする喫煙者は少なくない。
しかし、喫煙者にとって、それまで自分が吸っていたタバコよりも低タール・低ニコチンのタバコに変えると、味が薄い、スカスカに感じる、吸った気がしない等の理由から、結局は元の高タール・高ニコチンのタバコに戻ってしまうというのが現実である。
他方、下記の特許文献1には、実際には低タールでありながら高タールシガレットを喫煙した時と同じような感覚が得られることを目的とした喫煙物品が開示されている。この喫煙物品は、シガレットの吸口側端部に感覚刺激成分を添加し、この感覚刺激成分として苦味成分を使用したものである。
ところが、この喫煙物品によると、感覚刺激成分をチップペーパーに直接添加したものであり、この成分が常に外気に触れているため、気化して風味や香りが失われやすいという欠点がある。また、喫煙者がシガレットをくわえたときに、直接唇を介して感覚を刺激するものであり、その時の気分等によって低タールと高タールとを吸い分けるといった喫煙の仕方は不可能である。したがって、前記のような喫煙者の嗜好を十分に満足させるものとはいえない。
特開2009−148233号公報
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、低タール・低ニコチンのタバコであっても、必要に応じて風味、香り、コクといった香喫味が高タール・高ニコチンのタバコと同様に感じられるカプセル内蔵フィルターとこのフィルターを備えたタバコ及びタバコ代用品を提供することにある。
前記の目的を達成するための手段として、本発明は、フィルターに易破壊性のカプセルが内蔵されており、このカプセルの皮膜内に、カカオ豆に有機溶剤を加えて浸漬加温抽出した天然カカオ抽出物を含み、かつ、ニコチン及びタールを含まないタバコ香喫味増強液が封入されていることを特徴とするカプセル内蔵フィルターを提供するものである。ここで、易破壊性のカプセルとは、指で摘まんだ時に皮膜が破れる程度の強度を備えたカプセルをいい、例えばシームレスカプセルを使用することができる。また、天然カカオ抽出物には、タバコ本来の風味が表現できるだけでなく、呈味・ボディ感・タバコらしさ付与に関与するアルカロイド系化合物が含まれている。また、タバコ香喫味増強液には天然カカオ抽出物のみならず、それ以外の天然抽出物、又は、天然香料及び合成香料を組み合わせて使用することができる。代表的な例として、天然抽出物ではコーヒー、スパイス類、ハーブ類、天然香料ではアブソリュート、レジノイド、バルサム等、合成香料では食品香料として一般的に使用されている物が挙げられる。なお、皮膜は食品添加物で成形されていることが好ましい。
また、前記の目的を達成するための手段として、本発明は、前記カプセル内蔵フィルターを備えたタバコを提供するものである。ここで、このタバコは、フィルター部分にあらかじめ前記カプセル内蔵フィルターが搭載された形態であることが望ましいが、これに限らず、市販のタバコのフィルター部分に前記カプセル内蔵フィルターを装着する形態であっても良い。さらに、本発明は、前記カプセル内蔵フィルターを電子タバコ等のカートリッジに充填することにより、タバコ代用品を提供するものである。
本発明によれば、喫煙者が必要に応じて指でカプセルを押し潰すことにより、カプセル内に封入された天然カカオ抽出物を含むタバコ香喫味増強液がフィルターに滲み出すので、刻み葉に添加されたケーシングソースだけでは補えなかったタバコ特有の風味、香り、コク等を付与し、増強することができる。したがって、わざわざ高タール・高ニコチンのタバコを選ばなくても、低タール・低ニコチンのタバコでそれと同様な香喫味を喫煙者に提供することができるという効果がある。また、本発明を電子タバコ等に適用することにより、タールやニコチンが含まれていないのにもかかわらず本物のタバコと同様の味がするため、タバコ代用品として嗜好することができるという効果がある。
本発明のカプセル内蔵フィルターを備えたタバコの一形態を示す断面図である。 本発明のカプセル内蔵フィルターを備えたタバコの別形態を示す断面図である。 本発明のカプセル内蔵フィルターを備えた電子タバコの一形態を示す断面図である。 試験1の結果を示すグラフである。 試験2の結果を示すグラフである。 試験3の結果を示すグラフである。 試験4の結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すタバコは、一般的な紙巻タバコに本発明のカプセル内蔵フィルター1を搭載したものである。この紙巻タバコは、刻み葉2と、巻紙3と、フィルター4と、チップペーパー5を備えて構成されている。
刻み葉2は、種類の異なる葉タバコを細かく刻んで混ぜ合わせ、これに香料を添加することにより、火を付けた時にタバコ特有の風味を生み出すものである。刻み葉2に添加する香料は、葉タバコ本来の味や香りを調えることを主な役割としたケーシングソースと、銘柄ごとの味や香りを仕上げる役割のトップフレーバーとがある。ケーシングソースとしては、糖類、ココア、カンゾウ等が使用され、トップフレーバーとしてはメンソール、ウイスキー、ラム酒、果物、バニラ等が使用される。
巻紙3は、筒状に巻いて刻み葉2を包み込み、火を付けた時にゆっくりと燃焼する紙である。その素材として麻やパルプを原料とした紙が使用される。
フィルター4は、煙を濾過してタールやニコチンを減らし、味をまろやかにする働きをする。フィルター4の種類としては、セルロースアセテートからなるプレーンフィルターや、セルロースアセテートと活性炭(チャコール)を組み合わせたチャコールフィルター等が使用される。
チップペーパー5は、刻み葉2とフィルター4を接合するために、その一部を巻紙3の上に重ね合わせ、筒状に巻き付けた状態で接着されている。チップペーパー5の素材としては、主に木材を原料とするパルプが使用される。また、チップペーパー5には微細な通気孔が開けられており、空気の通る量を調節して味を軽くしたり、タールやニコチンを軽減する役割も果たしている。
本発明のカプセル内蔵フィルター1は、フィルター4の中に易破壊性のカプセル6が内蔵されている。このカプセル6は、チップペーパー5の外側から指で摘まむと皮膜7が破れ、内部のタバコ香喫味増強液8が滲み出てフィルター4に吸収されるようになっている。
本実施形態では、このカプセル6として、継ぎ目のない球形のシームレスカプセルを使用している。シームレスカプセルは滴下法により製造されるもので、2重ノズルの内側ノズルから内容液を、外側ノズルから皮膜液を液体中に流出させ、この2層の流液を所定間隔でカットして界面張力で液滴にした後、外側の皮膜液をゲル化させてカプセル状に成形される。なお、カプセル6のサイズは直径0.5〜7.0mm程度に成形される。また、1本のフィルター4に内蔵されるカプセル6の個数は、1個に限られず、複数個であっても良い。
皮膜7の原料は、口に触れても安全なものが望ましい。例えば、各種の食品添加物や各種の増粘安定剤を使用することができる。各種食品添加物や各種増粘安定剤の中で、カプセル6にしたときに破裂しやすいという観点からすると、カラギーナン又は寒天が適している。カラギーナン又は寒天は、熱が加わっても溶けにくく、耐熱性の観点からも好ましい。
皮膜7の内部に封入されるタバコ香喫味増強液8は、天然カカオ抽出物を主成分とする液体であり、タバコ特有の風味、香り、コク等を高めるものである。天然カカオ抽出物を採用した理由は、タバコのケーシングソースにはニコチンと同様の構造を持つアルカロイド系化合物を含むものを用いることが多いからであり、アルカロイド系化合物としては、例えば、テオブロミンを含むカカオ、カフェインを含むコーヒーや茶類などが挙げられる。これらはタバコ本来の風味を表現できるだけでなく、呈味・ボディ感・タバコらしさ付与に関与する重要な天然抽出物である。
タバコ香喫味増強液8は、浸漬抽出法、還流抽出法、溶剤抽出法、水蒸気蒸留法、向流抽出法、炭酸ガス抽出法などの各種方法を利用して抽出した天然カカオ抽出物をベースとするものである。タバコ香喫味増強液8を得るための原料としては、カカオ豆単一か、又はカカオ豆とコーヒー豆を任意にブレンドしたものを用いることができる。カカオ豆は、アオギリ科の植物でカカオ(Theobroma cacao L.)であるファラステロ種、クリオロ種、トリニタリオ種などの品種が挙げられ、焙炒処理されたものである。コーヒー豆は、アカネ科コーヒーノキ属植物の総称であり、主な栽培品種として、アラビカ種、ロブスタ種がある。本発明に使用するコーヒー豆については、特に、品種、産地、銘柄、品質、処理方法、収穫時期等に限定はないが、カプセル6の皮膜液との相性が重要となる。
タバコ香喫味増強液8は、カカオ豆単一か、又はカカオ豆とコーヒー豆をブレンドした原料から抽出して得られるエキス(天然カカオ抽出物)を含むものである。この天然カカオ抽出物は、その抽出方法の一例として、カカオ豆単一か、又はカカオ豆とコーヒー豆をブレンドした原料に有機溶剤を加えて浸漬加温抽出を行い、エキス分を抽出後、不溶物を除去して得られる溶液状態のものである。このとき、単一又はブレンドした原料の質量に対して、3〜20質量倍の有機溶剤を加え、15〜120分、20〜80℃の条件下で、適宜撹拌しながら抽出を行うものとする。抽出に用いる有機溶剤としては特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール等のアルコール類や、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類や、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類や、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類や、食用油脂が挙げられる。これらの中でも安全性の観点から特に、エタノールや食用油脂が望ましい。
タバコ香喫味増強液8は、前記の方法で得られた天然カカオ抽出物を単独で使用しても良く、また、他の原料を組み合わせて使用しても良い。すなわち、天然カカオ抽出物に、天然カカオ抽出物以外の天然抽出物や、天然由来の香料及び合成香料を適宜混ぜ合わせて使用することができる。例えば、天然抽出物としては、コーヒー等のビーンズ類、スパイス類、ハーブ類の香辛料抽出物、茶類、ナッツ類、洋酒/リキュール類が挙げられ、天然由来の香料及び合成香料としてはアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2−エチル−3,6−ジメチルピラジンの混合物、エチルバニリン、2−エチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン、2−エチル−5−メチルピラジン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸1−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、5,6,7,8−テトラヒドロキノキサリン、2,3,5,6−テトラメチルピラジン、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、2,3,5−トリメチルピラジン、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、へプタン酸エチル、1−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、5−メチルキノキサリン、6−メチルキノリン、メチルβ−ナフチルケトン、2−メチルピラジン、2−メチルブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチルブチルアルデヒド、d1−メントール、1−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等が挙げられる。特に、香喫味の観点からすると、コーヒー、スパイス類、ハーブ類、エステル類、ピラジン類が適している。
ここで、タバコ香喫味増強液8の製造方法を説明すると、まず前記の方法で得られた天然カカオ抽出物をフィルター処理して固体と液体に分離する。次に液体の天然カカオ抽出物を取り出して品質検査し、計量後、天然抽出物や香料を計量・添加する。次いでこれらを調合・撹拌し、比重調製して、比重、水分量、pHをカプセル化可能な範囲内に調製する。最後にフィルター処理して異物を除去し、品質検査した後、計量・小分け・充填してタバコ香喫味増強液8が製造される。なお、前記の原料から明らかなように、タバコ香喫味増強液8にはニコチンとタールの成分は一切含まれていない。
カプセル6は以上のように構成されており、喫煙時に喫煙者が指でカプセル6を押し潰すと、皮膜7が破れ、タバコ香喫味増強液8が滲み出てフィルター4に吸収される。このため、フィルター4を通過する主流煙がタバコ香喫味増強液8に混じって苦味成分として喫煙者の口元まで届くので、刻み葉2に添加されたケーシングソースだけでは補えないタバコ特有の風味、香り、コク等の香喫味を付与し、増強することができる。
このように、本実施形態のタバコによれば、天然カカオ抽出物を含むタバコ香喫味増強液8をカプセル6に封入し、そのカプセル6をフィルター4に搭載することにより、刻み葉2の部分だけでなくカプセル6内のタバコ香喫味増強液8に香料を賦香することができる。また、喫煙時に刻み葉2に火を付けても香料がすぐに気化することがなく、熱による影響を最小限に抑えることができる。したがって、タバコのトップフレーバーとして、より新鮮な香喫味の効果が得られやすい。
また、香料が含まれるタバコ香喫味増強液8をカプセル化したことにより、タバコ香喫味増強液8が皮膜7内に封じ込められ、喫煙時まで外気に触れないように保護されている。このため、刻み葉2に直接香料を賦香するよりも、揮発性の高い香料を使用することができるとともに、喫煙時まで香りの鮮度を確実に保持することができる。また、タバコ香喫味増強液8に含まれる香料として食品用香料を使用しており、皮膜7の原料はタバコ香喫味増強液8と同様に食品添加物で形成されているため、万が一カプセル6が口に触れることがあっても安全である。
図1に示したタバコは、紙巻タバコのフィルター4に、初めからカプセル6を内蔵した本発明のカプセル内蔵フィルター1を搭載した形態であったが、これに代えて、市販のタバコに本発明のカプセル内蔵フィルター1を後から装着する形態であっても良い。
図2に示すタバコは、喫煙時に、紙巻タバコのフィルター部分の外側に本発明のカプセル内蔵フィルター1を装着して喫煙するものである。このカプセル内蔵フィルター1は、軟質材料からなるケース9の内部にフィルター4が充填されており、このフィルター4の内部に易破壊性のカプセル6が内蔵されている。なお、フィルター4の素材、カプセル6の皮膜7やタバコ香喫味増強液8の原料は前述のものと同様である。このように、カプセル6を内蔵したカプセル内蔵フィルター1を市販の紙巻タバコに装着して喫煙することによっても、前記と同様な効果が得られる。
以上のとおり、図1と図2では本発明のカプセル内蔵フィルター1を本物のタバコに適用した例について説明したが、本発明のカプセル内蔵フィルター1を電子タバコ等のタバコ代用品に適用することもできる。
図3に示す例は、一般的な電子タバコに本発明のカプセル内蔵フィルター1を搭載したものである。この電子タバコは、図3に示すように本体10とカートリッジ11を備えて構成されている。
本体10は、リチウムイオン電池からなるバッテリー12と、電熱線の加熱により液体を霧状に気化するアトマイザー(噴霧器)13と、気流センサにより本体内の気流を感知してバッテリー12を駆動する電子回路14と、通電時に点灯する赤色LEDからなるインジケータ15を有している。また、カートリッジ11は、内部に詰め替え用のフィルターを充填し、本体10に着脱可能に装着されるものである。本実施形態では、このカートリッジ11にカプセル内蔵フィルター1を充填して使用する。
使用時にはまず充電器でバッテリー12を充電し、この電子タバコを使用可能な状態にしておく。そして、カプセル内蔵フィルター1を指で摘まんでカプセル6を潰し、これをカートリッジ11内に充填する。このとき、カプセル6内のタバコ香喫味増強液8が滲み出てフィルター4に吸収された状態になっている。
次に、このカートリッジ11を本体10に装着し、カートリッジ12端部の吸引口16を口にくわえて吸引する。すると、本体10の内部の気流センサが反応し、電子回路14により駆動されたバッテリー12からアトマイザー13に電力が供給される。この電力により、アトマイザー13の電熱線が加熱され、フィルター4に吸収されたタバコ香喫味増強液8が霧状の水蒸気に気化される。
そして、気化された水蒸気はフィルター4を介して吸引口16から体内に吸い込まれ、口から吐き出しても煙のように見えるため、本物のタバコを吸っているかのような感覚を楽しむことができる。また、バッテリー12の駆動により、本体先端のインジケータ15が赤色に点灯し、まるで火が付いているかのように見えるため、よりタバコに近い感覚が得られる。
このように、本実施形態ではカプセル内蔵フィルター1を電子タバコのカートリッジ12に充填して使用し、タバコ香喫味増強液8を気化した水蒸気を吸引することによって、本物のタバコと同様の風味、香り、コク等の香喫味を味わうことができる。しかも、タバコ香喫味増強液8にはタールやニコチンの成分が含まれていないため、体に無害なタバコ代用品を提供することができる。
最後に本発明の効果について、発明者が行った試験に基づいて説明する。
〈試験1〉
目的:タバコ香喫味増強液のベース原料を決定するための試験
方法:数多くの原料の中から試験・研究の結果、最も効果があると推測される3種類を選定し、この中から最適なベース原料を決定するための試験を行った。3種類の原料は、いずれもカフェインを含むカカオ豆、コーヒー豆、茶葉である。これらの原料を同一の条件下で浸漬加温抽出して調製した溶液A、B、Cを滴下法でシームレスカプセル化し、それぞれのカプセルをX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)のフィルターに内蔵した。そして、カプセルを潰した後に着火して被験者に喫味させるとともに、カプセルを内蔵していないX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)を喫味させ、両者の味を比較した感想を図4にまとめた。なお、被験者は一般的な喫煙者100名である。
結果:図4に示すように、A、B、Cのいずれもタバコの香喫味を増強させる効果が得られたが、試験1の目的から判断してAが最適であることが判明した。Aはカカオ豆をベース原料としたものである。
〈試験2〉
目的:天然カカオ抽出物の配合比率を見極めるための試験
方法:試験1の結果に基づいてベース原料にカカオ豆を選択し、天然カカオ抽出物の配合比率が異なる3種類の溶液D、E、Fを調製した。調製方法は試験1と同様であり、各溶液の組成は下記の表のとおりとした。
3種類の溶液D、E、Fを滴下法でシームレスカプセル化し、それぞれのカプセルをX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)のフィルターに内蔵した。そして、カプセルを潰した後に着火して被験者に喫味させるとともに、カプセルを内蔵していないX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)を喫味させ、両者の味を比較した感想を図5にまとめた。なお、被験者は一般的な喫煙者100名である。
結果:図5に示すように、D、E、Fのいずれもタバコの香喫味を増強させる効果が得られたが、試験2の目的から判断してFが最適であることが判明した。Fは天然カカオ抽出物の配合比率が75%のものである。
〈試験3〉
目的:X社製のタバコの喫煙者に味を比較してもらうための試験
方法:試験2の結果に基づいてFの溶液を滴下法でシームレスカプセル化し、それぞれのカプセルをX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)のフィルターに内蔵した。そして、カプセルを潰した後に着火して被験者に喫味させるとともに、カプセルを内蔵していないX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)を喫味させ、両者の味を比較した感想を図6にまとめた。なお、被験者は試験1、2とは別の喫煙者10名である。この10名は日常的にX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)を喫煙している者である。
結果:結果は図6のとおりである。また、被験者のその他の感想は次のようなものであった。
被験者1:コクがあり美味しかった
被験者2:味わい深かった
被験者3:コクがあり美味しい
被験者4:少しきついがこの位のタバコなら吸える
被験者5:きついが煙の香りは良かった
被験者6:タバコを吸っている感が久々に感じられた
被験者7:タールがきついが美味しかった
被験者8:残り感が低タールのタバコではなかった
被験者9:きつくて最後まで吸えなかった
被験者10:タールがきつかった
以上の結果から明らかなように、Fの溶液はタバコの香喫味を増強させる効果が得られることが判明した。
〈試験4〉
目的:X社製のタバコ以外の喫煙者にも味を比較してもらうための試験
方法:試験2の結果に基づいてFの溶液を滴下法でシームレスカプセル化し、それぞれのカプセルをX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)のフィルターに内蔵した。そして、カプセルを潰した後に着火して被験者に喫味させるとともに、カプセルを内蔵していないX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)を喫味させ、両者の味を比較した感想を図7にまとめた。なお、被験者は試験1、2、3とは別の喫煙者10名である。この10名は日常的にX社製のタバコ(タール1mg、ニコチン0.1mg)を喫煙しておらず、他のメーカーのタバコを喫煙している者である。
結果:結果は図7のとおりである。また、被験者のその他の感想は次のようなものであった。
被験者11:普通に吸える美味しいタバコだった…日常タール8mg喫煙者
被験者12:普通に吸えた…日常タール6mg喫煙者
被験者13:きつさがあって吸い応えがあった…日常タール6mg喫煙者
被験者14:普段がメンソール(を吸っている)なので強いタバコだった…日常タール8mg喫煙者
被験者15:のどに(きつさを)感じた…日常タール1mg喫煙者
被験者16:マイルドのタバコの味だった…日常タール10mg喫煙者
被験者17:香りはいいがタールは少し物足りない…日常タール12mg喫煙者
被験者18:吸い味の割に喫煙後の残り香が少なく良かった…日常タール6mg喫煙者
被験者19:もっと強いタバコが好きだ…日常タール9mg喫煙者
被験者20:口残りが他のタバコよりすっきりしていた…日常タール10mg喫煙者
以上の結果から明らかなように、タール1mg、ニコチン0.1mgのタバコでも、Fの溶液を使用することによりタバコの香喫味を増強させる効果が得られることが判明した。
1…カプセル内蔵フィルター
2…刻み葉
3…巻紙
4…フィルター
5…チップペーパー
6…カプセル
7…皮膜
8…タバコ香喫味増強液
9…ケース
10…本体
11…カートリッジ
12…バッテリー
13…アトマイザー
14…電子回路
15…インジケータ
16…吸引口

Claims (7)

  1. フィルターに易破壊性のカプセルが内蔵されており、このカプセルの皮膜内に、カカオ豆に有機溶剤を加えて浸漬加温抽出した天然カカオ抽出物を含み、かつ、ニコチン及びタールを含まないタバコ香喫味増強液が封入されていることを特徴とするカプセル内蔵フィルター。
  2. 前記天然カカオ抽出物に、アルカロイド系化合物が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のカプセル内蔵フィルター。
  3. 前記タバコ香喫味増強液には天然カカオ抽出物以外の天然抽出物、又は、天然香料及び合成香料が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカプセル内蔵フィルター。
  4. 前記皮膜が食品添加物で成形されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセル内蔵フィルター。
  5. 前記カプセルがシームレスカプセルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカプセル内蔵フィルター。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセル内蔵フィルターを備えたことを特徴とするタバコ。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセル内蔵フィルターを備えたことを特徴とするタバコ代用品。
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