JP5234728B2 - 耐熱アクリル樹脂の濾過方法、製造方法 - Google Patents

耐熱アクリル樹脂の濾過方法、製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5234728B2
JP5234728B2 JP2007278172A JP2007278172A JP5234728B2 JP 5234728 B2 JP5234728 B2 JP 5234728B2 JP 2007278172 A JP2007278172 A JP 2007278172A JP 2007278172 A JP2007278172 A JP 2007278172A JP 5234728 B2 JP5234728 B2 JP 5234728B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic resin
heat
resin
polymer
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007278172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008133462A (ja
Inventor
重男 乙▲め▼
秀高 中西
太司 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2007278172A priority Critical patent/JP5234728B2/ja
Publication of JP2008133462A publication Critical patent/JP2008133462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5234728B2 publication Critical patent/JP5234728B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明耐熱アクリル樹脂の溶融濾過方法に関し、より詳しくは光学用途に用いられる異物、劣化物の少ない耐熱アクリル樹脂の溶融濾過方法に関する。
PMMAに代表されるアクリル系樹脂は、光学性能に優れ、高い光線透過率や低複屈折率、低位相差の光学等方材料として各種光学材料への適応が成されていた。しかし近年、液晶表示装置やプラズマディスプレイ、有機EL表示装置等のフラットディスプレイや赤外線センサー、光導波路等の進歩に伴い、光学用透明高分子材料の異物低減に対する要請が高まっている。
通常、得られるアクリル系樹脂は重合過程や造粒過程で発生するゲル物や、周囲の環境から混入してくる外来性の異物等を含むため、上記用途に使用するには成形加工時に、例えば押出し機を用いて溶融可塑化しペレット、シートやフィルム、若しくは棒状やファイバー状に成形したり、他の相溶する熱可塑樹脂や各種添加剤と押出し混練したりする場合等において上記ゲル物や異物を除去する必要がある。
上記、ゲル物や異物をポリマー溶融状態で除去する方法としては、例えば、リーフディスクタイプのポリマーフィルターを用いて濾過する方法が知られている。
しかしながら、アクリル系樹脂は溶融粘度が高い上に耐熱性が低いため、特に多大な熱履歴を受け易い。また、濾過圧力が高くなる15μm以下の濾過精度を有するポリマーフィルターを適用する場合では、必然的に樹脂温度を上げて溶融粘度を下げなければならず、解重合や主鎖切断等により発泡や樹脂劣化が生じる。
このために、アクリル系樹脂をポリマーフィルターを用いて濾過することは困難であった。また、ポリマーフィルターは樹脂滞留が生じ易い構造のため、アクリル系樹脂ではその滞留部での熱劣化が一層促進し、着色劣化物や気泡が製品に混入する問題があった。
一方、ポリマーフィルターはその複雑な構造を有するフィルター内に溶融樹脂を流通するため、ポリマーフィルター内での樹脂滞留が生じ易く、この問題を解決するために様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1では、内流型センターポールを用いてボルトのネジ部とセンターポールの濾材通過集合部とを連通させることにより課題解決を図っている。
また、特許文献2では、ポリマーフィルターのセンターポール内の樹脂経路を二重にすることにより滞留の軽減を図っている。
特開2002−273728号公報(2002年9月25日公開) 特開2002−283344号公報(2002年10月3日公開)
しかしながら、上記方法では、外観や物性に優れたアクリル系樹脂を安定して得ることが困難であるという問題を生じる。
具体的には、特許文献1の方法では、ネジ部を含めて微小ギャップの抵抗の再現性が取れず、また、劣化樹脂により完全閉塞すると効果を失うという問題がある。
また、特許文献2の方法では、流通経路が非常に長いため樹脂劣化が進行し易く、また装置が複雑であり、装置の設置にも制限が発生するという問題があった。
更に、上記の解決策は何れも下方に向かう流通経路があり、劣化した低粘度の樹脂や気泡がフィルター内に滞留し易いという問題を抱えている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外観や物性に優れた耐熱アクリル樹脂、並びに当該耐熱アクリル樹脂を安定して提供し得る濾過方法及び製造方法を実現することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、アクリル系樹脂を15μm以下の濾過精度を有するポリマーフィルターを用いて溶融濾過する際に、アクリル系樹脂として耐熱アクリル樹脂を用い、特定の構造を有するポリマーフィルターで濾過する事により、濾過製品中への気泡や異物、樹脂劣化物の混入を防ぐ事が可能である事を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る耐熱アクリル樹脂の濾過方法は、上記課題を解決するために、ハウジングと、センターポールと、濾過精度が15μm以下であるリーフディスクフィルターと、リーフディスクフィルター上流に位置する押さえディスクと、押さえディスクをセンターポールに固定するボルトを有するキャップとを備えるポリマーフィルターを用いた耐熱アクリル樹脂の濾過方法であり、上記ポリマーフィルターは、上記センターポールと上記押さえディスクとのクリアランスにシールリングを備えていることを特徴としている。
上記方法によれば、上記クリアランスにシールリングを備えているため、センターポールと押さえディスクとのクリアランスからボルト部への樹脂流入を防ぐことが可能となる。このため、異物、樹脂劣化物、発泡等の混入を防ぐことができ、外観や物性に優れた耐熱アクリル樹脂を安定して製造することができるという効果を奏する。
尚、上記発明は、ハウジング、センターポール、濾過精度が15μm以下であるリーフディスクフィルター、リーフディスクフィルター上流に位置する押さえディスク及び押さえディスクをセンターポールに固定するボルトを有するキャップから成り、上記センターポールと押さえディスクのクリアランスにシールリングを装着してなることを特徴とするポリマーフィルターを用いた耐熱アクリル樹脂の濾過方法、とも言い換えることができる。
また、本発明に係る耐熱アクリル樹脂の濾過方法では、上記耐熱アクリル樹脂が、下記一般式(1)
Figure 0005234728
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。尚、有機残基は、酸素原子を含んでいてもよい。)
で示されるラクトン環構造を有することが好ましい。
上記方法によれば、ラクトン環構造を有する重合体は、環化縮合反応率が高いので、成形品中への気泡やシルバーストリークの混入を防ぐことができる。また、ラクトン環構造を有する重合体は、ラクトン環構造に起因する高い耐熱性を有する。従って、外観と耐熱性とに優れた耐熱アクリル樹脂を安定して製造することができる。
本発明に係る耐熱アクリル樹脂の製造方法は、上記課題を解決するために、上記本発明に係る耐熱アクリル樹脂の濾過方法により濾過する工程を含むことを特徴としている。
上記方法によれば、濾過時における異物、樹脂劣化物、発泡等の混入を防ぐことができ、外観や物性に優れた耐熱アクリル樹脂を安定して製造することができるという効果を奏する。
本発明に係る耐熱アクリル樹脂は、上記課題を解決するために、20μm以上の異物が100個/100g以下であり、着色劣化物が質量換算で30ppm以下であることを特徴としている。
上記構成によれば、外観や物性に優れた耐熱アクリル樹脂を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る耐熱アクリル樹脂の濾過方法は、以上のように、ハウジングと、センターポールと、濾過精度が15μm以下であるリーフディスクフィルターと、リーフディスクフィルター上流に位置する押さえディスクと、押さえディスクをセンターポールに固定するボルトを有するキャップとを備えるポリマーフィルターを用いた耐熱アクリル樹脂の濾過方法であり、上記ポリマーフィルターは、上記センターポールと上記押さえディスクとのクリアランスにシールリングを備えていることを特徴としている。
このため、光学用途に適した異物、着色劣化物の少ないアクリル系樹脂材料、並びにアクリル系樹脂成形体を効率良く得る事が可能となるという効果を奏する。
本発明に係る耐熱アクリル樹脂の製造方法は、以上のように、上記本発明に係る耐熱アクリル樹脂の濾過方法により濾過する工程を含むことを特徴としている。
このため、光学用途に適した異物、着色劣化物の少ないアクリル系樹脂材料、並びにアクリル系樹脂成形体を効率良く得る事が可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る耐熱アクリル樹脂は、以上のように、20μm以上の異物が100個/100g以下であり、着色劣化物が質量換算で30ppm以下であることを特徴としている。
このため、外観や物性に優れた耐熱アクリル樹脂を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
尚、本明細書では、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「ppm」は特に断らない限り質量換算で求められる値を意味し、例えば、10,000ppmは1質量%を意味する。また、「重量」は「質量」と同義語として扱い、「重量%」は「質量%」と同義語として扱い、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。
また、本明細書における「異物」とは、原料からポリマー化を経て、ペレットなどの成形品を得るまでの間の全ての工程において混入する汚染物質、重合反応中に発生するゲル等の副生物、押出し、脱揮工程で発生する炭化物等の樹脂の劣化に起因する副生物等を含み、熱可塑性樹脂になじまない性質を有する物質全般を意味する。
本実施の形態に係る耐熱アクリル樹脂の濾過方法は、ハウジングと、センターポールと、濾過精度が15μm以下であるリーフディスクフィルターと、リーフディスクフィルター上流に位置する押さえディスクと、押さえディスクをセンターポールに固定するボルトを有するキャップとを備えるポリマーフィルターを用いた耐熱アクリル樹脂の濾過方法であり、上記ポリマーフィルターは、上記センターポールと上記押さえディスクとのクリアランスにシールリングを備えている。
そして、本実施の形態に係る耐熱アクリル樹脂の製造方法は、上記濾過方法により耐熱アクリル樹脂を濾過する工程を含む。
<耐熱アクリル樹脂>
上記耐熱アクリル樹脂としては、(メタ)アクリレート単量体を共重合したガラス転移温度110℃以上の樹脂をいい、好ましくは115℃以上であり、より好ましくは120℃以上であり、更に好ましくは130℃以上、最も好ましくは135℃以上である。具体的には、無水マレイン酸と(メタ)アクリレートとの共重合体、N−置換マレイミドと(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリレート共重合体を分子内環化反応によりラクトン環構造を導入した所謂、ラクトン化重合体、(メタ)アクリレート共重合体を分子内環化反応によりグルタル酸無水物構造を導入した所謂、無水グルタル酸ポリマー、(メタ)アクリレート共重合体を分子内環化反応によりグルタルイミド環構造を導入した所謂、グルタルイミドポリマー等が挙げられる。
ここでガラス転移温度とはポリマー分子がミクロブラウン運動を始める温度であり、各種の測定方法があるが、本明細書に於いては示差走査熱量計(DSC)によってASTM−D−3418に従って中点法で求めた温度と定義する。ガラス転移温度が110℃以上あるアクリル樹脂は一般に当該業者の間では耐熱アクリル樹脂として認められる。
(メタ)アクリレート単量体としては、炭素数1〜18のアルキル基、シクロヘキシル基、及びベンジル基のうちの何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルが好適である。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸3−フェニルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルエチル等が挙げられる。これらのうち、メタクリル酸メチルが特に好ましい。これら(メタ)アクリル酸エステルは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
また、これらは耐熱性を損なわない範囲で共重合可能なその他の単量体成分を共重合した単位を有していてもよい。共重合可能なその他の単量体成分としては、具体的にはスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。
更に、本実施の形態の濾過方法には、耐熱アクリル樹脂として主鎖中に環構造を含有する重合体が好適であり、(メタ)アクリレート共重合体を分子内環化反応によりラクトン環構造を導入した所謂、ラクトン環含有重合体において用いた場合が最も効果を奏する。
ラクトン環含有重合体は、好ましくは、上記一般式(1)で表されるラクトン環構造を有する。
尚、上記一般式(1)における有機残基は、炭素数が1〜20の範囲内であれば特には限定されないが、例えば、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、直鎖若しくは分岐状のアルキレン基、アリール基、−OAc基、−CN基等が挙げられる。
ラクトン環含有重合体構造中の一般式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。ラクトン環含有重合体構造中の一般式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合が5質量%よりも少ないと、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が不十分になることがあり、好ましくない。ラクトン環含有重合体構造中の一般式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合が90質量%よりも多いと、成形加工性に乏しくなることがあり、好ましくない。
ラクトン環含有重合体は、重量平均分子量が、好ましくは1,000〜2,000,000、より好ましくは5,000〜1,000,000、更に好ましくは10,000〜500,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。
ラクトン環含有重合体は、ダイナミックTG測定における150〜300℃の間での質量減少率が1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下である。
ラクトン環含有重合体は、環化縮合反応率が高いので、成形後の成形品中に泡やシルバーストリークが入るという欠点が回避できる。更に、高い環化縮合反応率によってラクトン環構造が重合体に十分に導入されるため、得られたラクトン環含有重合体が十分に高い耐熱性を有している。
ラクトン環含有重合体は、15質量%のクロロホルム溶液中での着色度(YI)が10以下となるものが好ましく、より好ましくは6以下、更に好ましくは3以下、最も好ましくは1以下である。着色度(YI)が10を越えると、着色により透明性が損なわれ、本来目的とする用途に使用できない場合がある。
ラクトン環含有重合体は、熱重量分析(TG)における5%質量減少温度が、280℃以上であることが好ましく、より好ましくは290℃以上、更に好ましくは300℃以上である。熱重量分析(TG)における5%質量減少温度は、熱安定性の指標であり、これが280℃未満であると、十分な熱安定性を発揮できない恐れがある。
ラクトン環含有重合体は、それに含まれる残存揮発分の総量が、好ましくは5,000ppm以下、より好ましくは2,000ppm以下である。残存揮発分の総量が5,000ppmよりも多いと、成形時の変質等によって着色したり、発泡したり、シルバーストリーク等の成形不良の原因となる。
〔その他の熱可塑性樹脂や添加剤〕
上記耐熱アクリル樹脂は、押出し成形品の耐熱性や光学的性質、機械的物性を損なわない範囲で、その他の熱可塑性樹脂や添加剤を含んでもよい。その他の熱可塑樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート等の脂肪族ポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂等のゴム質重合体;等が挙げられる。
ラクトン環含有重合体と熱力学的に相溶する熱可塑性樹脂としては、シアン化ビニル系単量体単位と芳香族ビニル系単量体単位とを含む共重合体、具体的にはアクリロニトリル−スチレン系共重合体やポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル酸エステル類を50質量%以上含有する重合体が挙げられる。それらの中でもアクリロニトリル−スチレン系共重合体が最も相溶性に優れ、耐熱性を損なわずに透明な成形体を得る事ができる。
尚、ラクトン環含有重合体とその他の熱可塑性樹脂とが熱力学的に相溶することは、これらを混合して得られた熱可塑性樹脂組成物のガラス転移点を測定することによって確認することができる。具体的には、示差走査熱量測定器により測定されるガラス転移点がラクトン環含有重合体とその他の熱可塑性樹脂との混合物について1点のみ観測されることによって、熱力学的に相溶していると言える。
その他の熱可塑性樹脂としてアクリロニトリル−スチレン系共重合体を用いる場合、その製造方法は、乳化重合法や懸濁重合法、溶液重合法、バルク重合法等を用いる事が可能であるが、光学フィルムを得る場合における透明性や光学性能の観点から溶液重合法かバルク重合法で得られたものである事が好ましい。
上記添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;フェニルサリチレート、(2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;難燃剤;等が挙げられる。
上記耐熱アクリル樹脂中における上記その他の熱可塑性樹脂や添加剤の各含有割合は、好ましくは0〜5質量%の範囲内、より好ましくは0〜2質量%の範囲内、更に好ましくは0〜0.5質量%の範囲内である。上記添加剤は、後述する押出し機に耐熱アクリル樹脂を投入する前に、添加していてもよいし、当該押出し機に耐熱アクリル樹脂を投入する際に同時に添加してもよいし、当該押出し機に耐熱アクリル樹脂を投入した後に添加してもよい。
〔押出し機〕
上記耐熱アクリル樹脂は、ポリマーフィルターにより濾過する前に押出し機により可塑化される。当該可塑化に用いる押出し機は、単軸押出し機、多軸押出し機の何れでも適応する事が可能である。充分な可塑化や混練状態を得る為に、L/D(Lは押出し機のシリンダー長さ、Dはシリンダー内径を表す)が、10以上100以下が好ましく、20以上50以下が更に好ましく、25以上40以下が最も好ましい。L/Dが10以下であれば、十分な可塑化や混練状態が得られ難く、100以上であれば、樹脂に過度な剪断発熱が加わり、樹脂が分解する可能性がある。
また、シリンダーの設定温度は好ましくは200℃以上、330℃以下であり、更に好ましくは220℃以上300℃以下である。200℃以下では樹脂の溶融粘度が高くなるため、必要以上の高い動力や可塑化に必要なL/Dが必要となり生産性に支障をきたす。330℃を超えると樹脂が分解する恐れがある。
また、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機に関わらず押出機とフィルターとの間にはギアポンプを設置し、フィルター内の樹脂圧力を安定化することが更に好ましい。
また上記可塑化方法は、押出し機の形状を特段規定するものではないが、押出し機が1個以上の開放ベント部を有し、減圧状態で発生する分解ガスを吸引する方が、残存揮発分の増加を抑制できるため好ましい。開放ベント部を減圧状態にする場合、その減圧度は、931〜1.3hPa(700〜1mmHg)の範囲が好ましく、798〜13.3hPa(600〜10mmHg)の範囲がより好ましい。上記圧力が931hPaより高いと、溶融樹脂中の残存揮発分や樹脂分解により発生する単量体成分等が残存し易い。また1.3hPaより低いと、工業的な実施が困難になっていくという問題がある。
〔ポリマーフィルター〕
本実施の形態で使用するポリマーフィルターとしては、ハウジング内に多数枚のリーフディスク型フィルター(以下、「リーフディスクフィルター」と略する場合もある)を配したポリマーフィルターが挙げられる。
図1は、ハウジングを除いた、一般的なポリマーフィルターの概略構成を示す断面図である。図1に示すように、上記ポリマーフィルターは、リーフディスクフィルター7の支持体とフィルター濾過後の流通経路とを兼ね備えたセンターポール(内流型センターポール)4に、複数枚のリーフディスクフィルター7及び整流効果を有するスペーサー6を交互に積み重ねた構造を有している。そして、フィルター一次側からの未濾過樹脂の流入を避けるためにそれぞれのリーフディスクフィルター7とスペーサー6との間にガスケット5を配し、押さえディスク3にて加圧してキャップ1によりボルト締めされる。
また、内流型のセンターポール4の場合、センターポール4内の最上流部に位置する樹脂流路に、樹脂の滞留に起因するガスや樹脂劣化物が滞留し易く、この部分に円錐、六角錐等の錐体状の構造を有するトゥーピード12を配置して樹脂流れを整流化し、滞留を抑制することが可能である。しかしながら、上記トゥーピード12を配置したポリマーフィルター構造であっても、センターポール4の外周面と押さえディスク3との間には僅かな間隙を有し、高い樹脂圧力のもとでは、当該間隙を通じた、フィルター濾過された樹脂のボルト部への浸入を避けることは出来ない。
図2は、ハウジングを除いた、本実施の形態に係るポリマーフィルターの一例の概略構成を示す断面図である。図2に示すように、当該ポリマーフィルターは、センターポール(外流型センターポスト)9と押さえディスク3とのクリアランスにシールリング10を配した構造であり、その他の構成は上述した図1に示すポリマーフィルターとほぼ同様である。尚、外流型センターポール9においては、上述した内流型センターポール4内の最上流部に位置する滞留部位に該当する部分が無い構造の樹脂流路を備えており、樹脂滞留に起因するガスや樹脂劣化を抑制することが可能である。
また、本明細書では、図2に示すような、ポリマーフィルターのセンターポールが外流型センターポストである場合について説明するが、本発明の範囲はこれには限定されない。センターポールが図1に示した内流型センターポールであってもかまわない。どちらの場合であっても、センターポールと押さえディスク3とのクリアランスにシールリング10を配していれば同様の効果が得られる。
上記リーフディスクフィルター7における濾材としては、金属繊維不織布を焼結したタイプ、金属粉末を焼結したタイプ、金網を数枚積層したタイプ、あるいはそれらを組み合わせたハイブリッドタイプ等何れでもよいが、金属繊維不織布を焼結したタイプが最も好ましい。
また、リーフディスクフィルター7の濾過精度としては15μm以下であり、更に好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下である。1μm以下であると濾過滞留時間が長くなり、樹脂の熱劣化、生産性の観点から好ましくないため、上記濾過精度は1μmを超えていることがより好ましい。一方、15μmを超えると異物が混入し易くなるため好ましくない。
上記ポリマーフィルターの時間あたり樹脂処理量に対する濾過面積は特に限定されず、処理量に応じて適宜設定されるが、例えば0.001〜0.15m/(kg/h)である。
センターポール9の形状に特に制限は無いが、例えば、図3(b)〜(d)に断面形状を示すように、断面が複数の頂点若しくは面でリーフディスクフィルター内周面に接し、センターポール9の外面に樹脂流路がある外流型が挙げられる。また、センターポールが内流型センターポールである場合には、例えば、図3(a)に断面形状を示すように、樹脂流通口が複数あり、センターポール内に樹脂流路を有する内流型が挙げられる。これらの中では、樹脂流路において滞留箇所の少ない外流型がより好ましい。
本実施の形態に係るポリマーフィルターでは、ポリマーフィルターのセンターポール9と押さえディスク3とのクリアランスにシールリング10が装着されている。
このシールリング10により、センターポール9と押さえディスク3とのクリアランスからボルト部への樹脂流入を防ぐことが可能となる。特にアクリル系樹脂では220℃以上の温度で解重合、主鎖切断が生じ易いため、例え、耐熱アクリル樹脂を使用したとしても、図1に示すような上記シールリング10が無い場合には、このデッドスペース(滞留箇所8)に樹脂が浸入して滞留劣化する。そして、連続して濾過処理される中で、ポリマーフィルター内の圧力に対してこの滞留部(滞留箇所8)の圧力が高くなった場合に、分解したガス成分や着色劣化物が流出し、製品中に泡や着色物の混入を招く。
ここで着色劣化物とは、成形品とした場合に欠点と認められる50μm以上の色差の異なる樹脂を言う。また、例えばフィルム成形体の場合であれば、この着色劣化物の着色が見難いことがあるがフィルム中における欠点として穴開きや流れ模様、流れスジ等によって現れる。
本実施の形態に係る方法により得られる耐熱アクリル樹脂及びそのフィルム成形体を、光学材料に用いる場合、上記着色物の含有質量は30ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましく、10ppm以下が更に好ましく、最も好ましくは0ppmである。
上記シールリング10の断面形状については特に制限は無いが、センターポール9と押さえディスク3とのクリアランスをシールすることが可能な形状をしていればよく、図4(a)〜(e)等に示すようなものが例示される。即ち、上記シールリング10の断面形状は、正方形、長方形等の四角形であってもよいし(図4の(a)、(c)参照)、円形若しくは楕円形であってもよいし(図4の(b)参照)、三角形であってもよいし(図4の(c)参照)、L字型であってもよい(図4の(d)参照)。
特に断面形状が三角形で、押さえディスク3に斜めに接触し、押さえディスク3底部よりわずかに突出した図4(c)に示す形状である構成は、リーフディスクフィルター7を取り付ける時の圧力によりシールリング10がセンターポール9側に締め付けられてシール性が向上するため、好ましい形態である。
シールリング10の材質としては特に限定されないが、テフロン(登録商標)等のプラスチック類、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等の金属類が挙げられ、圧力に対する耐性から金属類が好適である。
上記ポリマーフィルターは樹脂上流から下流側に向かって、センターポール9の軸が地面に対して水平を超え90度以下の範囲内の角度で上向きに設置されていることが好ましい。つまり、上記ポリマーフィルターは、センターポール9におけるキャップ1側を下に向けて設置されていることが好ましい。
例えば、地面に対して下向きに設置された場合(センターポール9におけるキャップ1側を上に向けて設置した場合)、低粘度の樹脂や気泡が滞留し易くなる。最も好ましい形態は、センターポール9におけるキャップ1側を下に向けて、センターポール9の軸が地面に対して垂直に設置された場合である。
上記ポリマーフィルターでの濾過時における滞留時間については特に制限は無いが、好ましくは20分以下、更に好ましくは10分以下、最も好ましくは5分以下である。また、濾過時におけるフィルター入口圧及びフィルター出口圧は、例えば、それぞれ3〜15MPa、0.3〜10MPaの範囲であり、圧力損失(フィルターの入口圧と出口圧の圧力差)は1MPa〜15MPaの範囲内であることが好ましい。圧力損失が1MPa以下ではポリマーがフィルターを通過する流路に偏りが生じ易く、品質の低下が起こる傾向がある。逆に15MPaを超えるとフィルターの破損が起こり易くなる。
ポリマーフィルターへ導入される耐熱アクリル樹脂の樹脂温度は粘度に合わせて適宜設定されるが220〜320℃の範囲であり、好ましくは240〜300℃の範囲であり、最も好ましくは260〜280℃の範囲である。
ポリマーフィルターによる濾過処理により異物、着色物の少ない最終成形体を得るには1)ポリマー製造時にクリーン環境下で濾過処理を行い、引き続きクリーン環境下で成形を行うプロセス、2)異物、着色物を有するポリマーを一度クリーン環境下で濾過処理を行い、引き続きクリーン環境下で成形を行うプロセス、3)異物、着色物を有するポリマーをクリーン環境下で濾過処理をすると同時に成形を行うプロセス等が挙げられ、それぞれの工程毎に複数回ポリマーフィルター処理を行ってもよい。
上述した製造方法により、20μm以上の異物が100個/100g以下であり、着色劣化物が質量換算で30ppm以下である耐熱アクリル樹脂を得ることができる。安定生産を行う場合に特に好適であり、具体的には1t以上の連続生産が可能となる。
上記20μm以上の異物は、より好ましくは40個/100g以下とすることができ、特に好ましくは30個/100g以下とすることができる。
また、上記着色劣化物は、より好ましくは質量換算で15ppm以下とすることができ、更に好ましくは質量換算で10ppm以下とすることができ、最も好ましくは質量換算で0ppmとすることができる。
本実施の形態に係る濾過方法にて濾過された耐熱アクリル樹脂の色相は特に問わないが、透明であり黄変度が小さい方がアクリル樹脂の本来の特徴を損なわない為、好適である。
また、本実施の形態に係る濾過方法にて濾過された耐熱アクリル樹脂は例えば3mm厚の成形体とした場合のヘイズ値が3以下、更に好ましくは2以下、最も好ましくは1以下である。また、15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)が10以下、好ましくは6以下、更に好ましくは3以下、最も好ましくは1以下である。
以下に、実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「質量部」を単に「部」と、「リットル」を単に「L」と記すことがある。
尚、本実施例で使用するポリマーフィルターは、図2に示す外流型センターポールを有するリーフディスクタイプのポリマーフィルターであり、ハウジングと、センターポールと、リーフディスクフィルターと、リーフディスクフィルター上流に位置する押さえディスクと、押さえディスクをセンターポールに固定するボルトを有するキャップとを少なくとも備えている。尚、上記センターポールは、図3(b)に示す形状のものを用い、シールリングは図4(c)に示す形状のものを用いた。
<重合反応率、重合体組成分析>
重合反応時の反応率及び重合体中の特定単量体単位の含有率は、得られた重合反応混合物中の未反応単量体の量をガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、装置名:GC17A)を用いて測定して求めた。
<ダイナミックTG>
重合体(若しくは重合体溶液あるいはペレット)を一旦テトラヒドロフランに溶解若しくは希釈し、過剰のヘキサン若しくはメタノールへ投入して再沈殿を行い、取り出した沈殿物を真空乾燥(1mmHg(1.33hPa)、80℃、3時間以上)することによって揮発成分等を除去し、得られた白色固形状の樹脂を以下の方法(ダイナミックTG法)で分析した。
測定装置:Thermo Plus2 TG−8120 Dynamic TG((株)リガク社製)
測定条件:試料量 5〜10mg
昇温速度:10℃/min
雰囲気:窒素フロー 200ml/min
方法:階段状等温制御法(60℃〜500℃の間で質量減少速度値0.005%/sec以下で制御)
<脱アルコール反応率とラクトン環構造の占める割合>
脱アルコール反応率を、重合で得られた重合体組成からすべての水酸基がメタノールとして脱アルコールした際に起こる質量減少量を基準にし、ダイナミックTG測定において質量減少が始まる前の150℃から重合体の分解が始まる前の300℃までの脱アルコール反応による質量減少から求めた。
即ち、ラクトン環構造を有した重合体のダイナミックTG測定において150℃から300℃までの間の質量減少率の測定を行い、得られた実測質量減少率を(X)とする。他方、当該重合体の組成から、その重合体組成に含まれる全ての水酸基がラクトン環の形成に関与するためアルコールになり脱アルコールすると仮定した時の理論質量減少率(即ち、その組成上において100%脱アルコール反応が起きたと仮定して算出した質量減少率)を(Y)とする。尚、理論質量減少率(Y)は、より具体的には、重合体中の脱アルコール反応に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体のモル比、即ち当該重合体組成における前記原料単量体の含有率から算出することができる。これらの値(X、Y)を脱アルコール計算式:
1−(実測質量減少率(X)/理論質量減少率(Y))
に代入してその値を求め、%で表記すると、脱アルコール反応率が得られる。そして、この脱アルコール反応率だけ所定のラクトン環化が行われたものとして規定する。
ここで、後述する製造例1で得られるペレットにおいてラクトン環構造の占める割合を計算する。この重合体の理論重量減少率(Y)を求めてみると、メタノールの分子量は32であり、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの分子量は116であり、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの重合体中の含有率(質量比)は組成上20.0質量%であるから、(32/116)×20.0≒5.52質量%となる。
一方、ダイナミックTG測定による実測質量減少率(X)は0.15質量%であった。これらの値を上記脱アルコール反応率の式に当てはめると、
(1−(0.15/5.52))≒0.973
であり、脱アルコール反応率は97.3%となる。
そして、上記脱アルコール反応率の分だけラクトン環化反応が行われたと仮定して、下記式
ラクトン環の含有割合(質量%)=B×A×M/M
(式中、Bは、ラクトン環化に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体の当該共重合に用いられた単量体組成における質量含有割合であり、Mは生成するラクトン環構造単位の式量であり、Mはラクトン環化に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体の分子量であり、Aは脱アルコール反応率である)
により、ラクトン環含有割合を算出することができる。
製造例1の場合、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの重合体における含有率が20.0質量%、算出した脱アルコール反応率が97.3%、分子量が116の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルがメタクリル酸メチルと縮合した場合に生成するラクトン環構造単位の式量が170であることから、当該重合体中におけるラクトン環の含有割合は28.5(=20.0×0.973×170/116)質量%となる。
<重量平均分子量>
重合体の重量平均分子量は、GPC(東ソー社製GPCシステム)のポリスチレン換算により求めた。展開液はクロロホルムを用いた。
<樹脂の熱分析>
樹脂の熱分析は、試料約10mg、昇温速度10℃/min、窒素フロー50cc/minの条件で、DSC((株)リガク社製、装置名:DSC−8230)を用いて行った。尚、ガラス転移温度(Tg)は、ASTM−D−3418に従い、中点法で求めた。
<メルトフローレート>
メルトフローレートは、JIS−K7210に基づき、試験温度240℃、荷重10kgで測定した。
<MMA残揮成分の定量>
ペレットをジメチルアセトアミドに溶解して10質量%溶液を作製し、炭酸ジフェニルを内部標準物質としてガスクロマトグラフィーにて定量した。
<イエローインデックス(YI)>
成型品を15質量%となるようにクロロホルムに溶解させた溶液を石英セルに入れ、JIS K−7103に準拠し、色差計(日本電色工業社製、製品名;SZ−Σ90)を用いて、透過光で測定した。
<溶融粘度>
十分に乾燥したペレットをボーリンインストルメンツ社製キャピラリーレオメーターRH10を用いて測定した。
<異物数>
成形品を20質量%となるように、精製されたクロロホルム溶液に溶解し、直径47mm、濾過精度1μのテフロン(登録商標)フィルターで吸引を行い、テフロン(登録商標)フィルター上に残存する異物を顕微鏡下目視で計測した。尚、20μm以上の異物とは、異物の最も大きな径が20μm以上である異物を意味するものである。
<着色劣化物含有量(平均着色物量)>
Optical Control Systems社製ペレット検査システムを用い、ペレット10kg中の着色異物を計測した。感度は50μm以上の着色物を検知できるように調整を行い、以下のように着色物の含有量を求めた。即ち、検出された着色物を球状と仮定し、画像より得られる長直径と短直径との平均から体積を求め、その体積と樹脂密度との積から10kg中に含まれる総着色物質量を算出した。
尚、測定条件については、当該着色物が顕微鏡下による目視観察で認知されるか確認を行い測定感度を設定した。
〔製造例1〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した1mの反応釜に、136kgのメタクリル酸メチル(MMA)、34kgの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、166kgのトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、開始剤として187gのターシャリーアミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製、商品名:ルパゾール570)を添加すると同時に、374gの開始剤と3.6kgのトルエンとからなる溶液とを2時間かけて滴下しながら、還流下(約105〜110℃)で溶液重合を行い、更に4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、170gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学製、商品名:Phoslex A−18)を加え、還流下(約90〜110℃)で5時間、環化縮合反応を行った。次いで、上記環化縮合反応で得られた重合体溶液を、バレル温度250℃、回転数150rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=42mm、L/D=42)に、樹脂量換算で13kg/hの処理速度で導入し、該押出し機内で環化縮合反応と脱揮を行い、押出すことにより、透明なペレットを得た。
得られたペレットをダイナミックTGで測定したところ0.15質量%の質量減少を検知した。また、このラクトン環含有重合体は重量平均分子量が147,000、メルトフローレートが11.0g/10min、ガラス転移温度が130℃、また270℃、せん断速度100(/s)における粘度は470Pa・sであった。
〔製造例2〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した1mの反応釜に、113kgのメタクリル酸メチル(MMA)、44.8kgのシクロヘキシルマレイミド(CHMI)、179kgのトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、100℃まで昇温し、還流したところで、開始剤として0.108kgのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(化薬アクゾ社製、商品名:カヤカルボン BIC−75)を添加した。続いて、上記反応槽に対し、113kgのメタクリル酸メチル、44.8kgのN−シクロへキシルマレイミド、43kgのスチレン、179kgのトルエン、0.58kgのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートの混合物を予め窒素ガスでバブリングしておき、3.5時間かけて滴下し、還流下(約110℃)で溶液重合を行い、更に3.5時間かけて熟成を行った。
次いで、上記重合体溶液を、バレル温度240℃、回転数150rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=42mm、L/D=42)に、樹脂量換算で13kg/時間の処理速度で導入し、脱揮を行い、押出すことにより透明なペレットを得た。
得られたペレットの重量平均分子量が182,000、メルトフローレートが12.0g/10min、ガラス転移温度が135℃であった。
〔製造例3〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を付した1mの反応釜に、161.5kgのメタクリル酸メチル(MMA)、8.5kgのアクリル酸メチル、160kgのトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、100℃まで昇温し、還流したところで、開始剤として0.187kgのターシャリーアミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製、商品名:ルパゾール570)を添加すると同時に、0.374kgの開始剤と3.6kgのトルエンとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、還流下(約105〜110℃)で溶液重合を行い、更に4時間かけて熟成を行った。
次いで、上記重合体溶液を、バレル温度210℃、回転数150rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=42mm、L/D=42)に、樹脂量換算で13kg/時間の処理速度で導入し、脱揮を行い、押出すことにより透明なペレットを得た。
得られたペレットの重量平均分子量が147,000、メルトフローレートが14.0g/10min、ガラス転移温度が103℃であった。
〔実施例1〕
クラス1万のクリーンルーム内にて、センターポールと押さえディスクとのクリアランスにシールリングを有するポリマーフィルター(濾過精度5μ、濾過面積1.5m)を設置したφ50mm、L/D=36を有するベント付き単軸押出し機を用いて、製造例1で得られた耐熱アクリル樹脂ペレットを400ppmの酢酸亜鉛と共に91kg/hの処理速度で溶融混錬、脱揮処理すると同時に濾過処理を行い、押出されたストランドを、オルガノ製1μフィルターで処理された水中で固化させることによりペレット(1A)を1t作製した。この時シリンダー及びフィルターの設定温度は押し出されたストランドの樹脂温度が280℃となるように適宜調整し、ポリマーフィルター入口での圧力は10.0MPaを示した。尚、本実施例では連続的に1t以上生産が可能であった。
目視による確認ではストランドの押出し状態は安定しており、得られたペレット(1A)のMFRは14g/10min、MMAの残揮量は420ppm、15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)は0.5であった。また、100kg毎に採取したサンプルを用いた20μm以上の平均異物数は13個、ペレット検査システムにより算出された平均着色物量は0ppmであった。
尚、終了後にポリマーフィルターを解体したところ、樹脂の滞留した痕跡は認められなかった。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005234728
〔実施例2〕
製造例1で得られた耐熱アクリル樹脂ペレット90部、AS樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名:スタイラックAS783)10部、酢酸亜鉛400ppmのドライブレンド物を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、ペレット(2A)を1t作製した。この時、ポリマーフィルター入口での圧力は10.0MPaを示した。尚、本実施例では連続的に1t以上生産が可能であった。
目視による確認ではストランドの押出し状態は安定しており、得られたペレット(2A)のMFRは14g/10min、MMAの残揮量は440ppm、15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)は3.7であった。また、100kg毎に採取したサンプルより計測された20μm以上の平均異物数は17個、ペレット検査システムにより算出された平均着色物量は0ppmであった。
尚、終了後にポリマーフィルターを解体したところ、樹脂の滞留した痕跡は認められなかった。得られた結果を表1に示す。
〔実施例3〕
製造例2で得られた耐熱アクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にペレット(3A)を1t作製した。この時、ポリマーフィルター入口での圧力は10.5MPaを示した。尚、本実施例では連続的に1t以上生産が可能であった。
目視による確認ではストランドの押出し状態は安定しており、得られたペレット(3A)のMFRは13g/10min、MMAの残揮量は440ppm、15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)は8であった。また、100kg毎に採取したサンプルを用いた20μm以上の平均異物数は24個、ペレット検査システムにより算出された平均着色物量は0ppmであった。
尚、終了後にポリマーフィルターを解体したところ、樹脂の滞留した痕跡は認められなかった。得られた結果を表1に示す。
〔比較例1〕
センターポールと押さえディスクとのクリアランスにシールリングの無いポリマーフィルターを用いたこと以外は実施例1と同様に行ったところ、途中でストランドに泡が入るためにストランド切れが度々生じ、ペレタイズが中断された。また中断時に吐出量を下げたところ、着色した樹脂劣化物がダイスより噴出した。このため、比較例1では長時間の連続生産を行うことができず、約400kg毎に生産が中断した。
得られた樹脂ペレット(1B)のMFRは14g/10min、MMAの残揮量は520ppm、15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)は1.7であった。また、100kg毎に採取したサンプルより計測された20μm以上の平均異物数は48個、ペレット検査システムにより算出された平均着色物量は36ppmであった。
尚、終了後にポリマーフィルターを解体したところ、押さえディスクとボルトとの間にあるデッドスペースに劣化した着色樹脂が滞留していた。得られた結果を表1に示す。
〔比較例2〕
ポリマーフィルターを使用しなかったこと以外は実施例2と同様に行った。この時、押出し機出口の圧力は3MPaを示した。尚、本比較例では連続的に1t以上生産が可能であった。
目視による確認ではストランドの押出し状態は安定しており、得られたペレット(2B)のMFRは12g/10min、MMAの残揮量は330ppm、15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)は0.2であった。また、100kg毎に採取したサンプルより計測された20μm以上の平均異物数は350個、ペレット検査システムにより算出された平均着色物量は0.3ppmであった。得られた結果を表1に示す。
〔比較例3〕
製造例3で得られたアクリル樹脂を用いて実施例1と同じ装置にて濾過処理を行った。
処理量91kg/hに設定し、ポリマーフィルター入口での圧力を15MPa以下となるようにシリンダー及びフィルターの設定温度を調整したが、ストランドの発泡やストランド切れが生じたためにペレタイズができなかった。この時のストランドの樹脂温度は265℃であった。
尚、終了後にポリマーフィルターを解体したところ、樹脂の滞留した痕跡は認められなかった。得られた結果を表1に示す。
〔比較例4〕
ポリマーフィルターを使用しなかったこと以外は実施例3と同様にペレット(4B)を作製した。この時、ポリマーフィルター入口での圧力は3MPaを示した。尚、本比較例では連続的に1t以上生産が可能であった。
目視による確認ではストランドの押出し状態は安定しており、得られたペレット(4B)のMFRは12g/10min、MMAの残揮量は300ppm、15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)は6.5であった。また、100kg毎に採取したサンプルを用いた20μm以上の平均異物数は330個、ペレット検査システムにより算出された平均着色物量は0.2ppmであった。得られた結果を表1に示す。
〔参考例1〕
AS樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名:スタイラックAS783)を用いること以外は比較例1と同様に濾過処理を行い樹脂ペレット(1C)を得た。この時シリンダー及びフィルターの設定温度は押し出されたストランドの樹脂温度が280℃となるように適宜調整し、ポリマーフィルター入口での圧力は9.7MPaを示した。尚、本参考例では連続的に1t以上生産が可能であった。
目視による確認ではストランドの押出し状態は安定しており、得られた樹脂ペレット(1C)の15質量%クロロホルム溶液とした場合の着色度(YI)は9であった。20μm以上の異物数は36個、ペレットチェッカーにより検出された着色物を含むペレットは5ppmであった。
尚、終了後にポリマーフィルターを解体したところ、押さえディスクとボルトの間にあるデッドスペースに劣化した着色樹脂が滞留していた。得られた結果を表1に示す。
〔実施例4〕
クラス1万のクリーンルーム内にて、実施例2で得られた耐熱アクリル樹脂ペレット(2A)を、φ65mm、L/D=32、バリヤフライト型スクリューを有するベント付き単軸押出機に仕込んだ。ペレット(2A)の温度は、ホッパーに加温した除湿空気を送風することにより、60℃前後にした。また、ホッパー下部に窒素導入管を設けて、押出機内に窒素ガスを導入した。ベント口から13hPa(10mmHg)にて吸引を行いながら、バリヤフライト型スクリューにて溶融混錬した。溶融樹脂はギアポンプを用いて、センターポールと押さえディスクとのクリアランスにシールリングを有するポリマーフィルターに通し、幅700mmのTダイより、90℃の冷却ロール上にフィルムを成形した。シリンダー、ギアポンプ、ポリマーフィルター、Tダイの温度は275℃、押出量を33kg/hに設定した。
得られたフィルムの膜厚は90μm、顕微鏡下、目視による観察で見られた20μm以上のフィルム欠点としては、異物数が平均3個/mであった。また100m巻きロールを検査したところ、その他のフィルム欠点は見られなかった。
尚、本実施例では連続的に1t以上生産が可能であった。
〔比較例5〕
センターポールと押さえディスクとのクリアランスにシールリングの無いポリマーフィルターを用いたこと以外は実施例4と同様に行った。
得られたフィルムの膜厚は90μm、目視による観察でみられた20μm以上のフィルム欠点としては、異物が5個/m、100mロール中に劣化した樹脂由来による穴空き2点及び流れ模様が3点あった。
尚、本実施例では連続的に1t以上生産が可能であった。
以上のように、本発明によれば、濾過精度の高いポリマーフィルターにより処理され、異物、樹脂劣化物、発泡等の混入を防いだ外観や物性に優れたアクリル系樹脂材料ならびにアクリル系樹脂成形体を提供することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る耐熱アクリル樹脂の濾過方法では、上記センターポールと上記押さえディスクとのクリアランスにシールリングを備えているポリマーフィルターを用いる。このため、外観や物性に優れた耐熱アクリル樹脂を製造することができ、このような耐熱アクリル樹脂は、特に光学材料に関連する分野で好適に用いることができる。
ハウジングを除いた、一般的なポリマーフィルターの概略構成を示す断面図である。 ハウジングを除いた、本実施の形態に係るポリマーフィルターの一例の概略構成を示す断面図である。 本実施の形態で使われるセンターポールの断面形状の例を示す断面図である。 本実施の形態で使われるシールリングの断面形状の例を示す断面図である。
符号の説明
1 キャップ
2 ガスケット
3 押さえディスク
4 内流型センターポール(センターポール)
5 ガスケット
6 スペーサー
7 リーフディスクフィルター
8 滞留箇所
9 外流型センターポスト(センターポール)
10 シールリング
11 樹脂流路
12 トゥーピード

Claims (3)

  1. ハウジングと、センターポールと、濾過精度が15μm以下であるリーフディスクフィルターと、リーフディスクフィルター上流に位置する押さえディスクと、押さえディスクをセンターポールに固定するボルトを有するキャップとを備えるポリマーフィルターを用いた耐熱アクリル樹脂の濾過方法であり、
    上記ポリマーフィルターは、上記センターポールと上記押さえディスクとのクリアランスにシールリングを備えていることを特徴とする耐熱アクリル樹脂の濾過方法。
  2. 上記耐熱アクリル樹脂が、下記一般式(1)
    Figure 0005234728
    (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の有機残基を表す。尚、有機残基は、酸素原子を含んでいてもよい。)
    で示されるラクトン環構造を有することを特徴とする請求項1に記載の耐熱アクリル樹脂の濾過方法。
  3. 請求項1又は2に記載の耐熱アクリル樹脂の濾過方法により耐熱アクリル樹脂を濾過する工程を含むことを特徴とする耐熱アクリル樹脂の製造方法。
JP2007278172A 2006-10-25 2007-10-25 耐熱アクリル樹脂の濾過方法、製造方法 Active JP5234728B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007278172A JP5234728B2 (ja) 2006-10-25 2007-10-25 耐熱アクリル樹脂の濾過方法、製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006289798 2006-10-25
JP2006289798 2006-10-25
JP2007278172A JP5234728B2 (ja) 2006-10-25 2007-10-25 耐熱アクリル樹脂の濾過方法、製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008133462A JP2008133462A (ja) 2008-06-12
JP5234728B2 true JP5234728B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=39558511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007278172A Active JP5234728B2 (ja) 2006-10-25 2007-10-25 耐熱アクリル樹脂の濾過方法、製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5234728B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170066979A (ko) * 2015-12-07 2017-06-15 주식회사 엘지화학 고분자 필터
KR101875357B1 (ko) 2017-02-10 2018-07-05 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 폴리머 필터 및 폴리머 필름의 제조 방법

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5280144B2 (ja) * 2008-10-09 2013-09-04 大倉工業株式会社 ディスクフィルター装置およびそれを用いたプラスチックフィルムの製造方法
KR101632456B1 (ko) * 2008-11-27 2016-06-21 가부시기가이샤 닛뽕쇼꾸바이 광학 필름과 그 제조 방법
JP6682178B2 (ja) * 2014-09-30 2020-04-15 株式会社日本触媒 樹脂組成物及びその製造方法
JP6694685B2 (ja) * 2015-09-25 2020-05-20 株式会社日本触媒 アクリル系重合体およびその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4107064B2 (ja) * 2002-11-26 2008-06-25 Jsr株式会社 フィルムまたはシートおよびその用途

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170066979A (ko) * 2015-12-07 2017-06-15 주식회사 엘지화학 고분자 필터
KR102034461B1 (ko) * 2015-12-07 2019-10-21 주식회사 엘지화학 고분자 필터
KR101875357B1 (ko) 2017-02-10 2018-07-05 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 폴리머 필터 및 폴리머 필름의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008133462A (ja) 2008-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5234728B2 (ja) 耐熱アクリル樹脂の濾過方法、製造方法
JP6731913B2 (ja) 樹脂組成物およびフィルム
JP2011112733A (ja) 位相差フィルムの製造方法
US9656408B2 (en) Method for producing thermoplastic molding compounds, and thermoplastic molding compounds produced according thereto
WO2008047836A1 (fr) Composition de résine thermoplastique
JP2012031332A (ja) 光学フィルムの製造方法
JP2006171464A (ja) 光学フィルム
KR101010089B1 (ko) 수지 조성물 및 필름
CN107540779B (zh) 甲基丙烯酸系树脂组合物、该甲基丙烯酸系树脂组合物的制造方法、颗粒、以及成型体
TWI644962B (zh) Resin material, and film thereof
JP2009051950A (ja) フィルム
JP2019035015A (ja) 光学部材用メタクリル系樹脂組成物、成形体、及び光学部材
KR20190025588A (ko) 메타크릴계 수지 조성물, 이 메타크릴계 수지 조성물의 제조 방법, 펠릿 및 성형체
JP7032885B2 (ja) メタクリル系樹脂組成物、成形体、及び光学部材
JP5086727B2 (ja) アクリル系重合体及び光学フィルムの製造方法
JP2009191248A (ja) 熱可塑性樹脂組成物とそれを用いた樹脂成形品および偏光子保護フィルムならびに樹脂成形品の製造方法
JP2014098133A (ja) 樹脂組成物とそれを用いた樹脂成形品
JP2019035017A (ja) メタクリル系樹脂の製造方法
JP4616134B2 (ja) 耐熱アクリル樹脂の可塑化方法
JP2008286859A (ja) 光学フィルムおよびその製造方法、位相差板、楕円偏光板、並びに画像表示装置
JP5350640B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物とそれを用いた樹脂成形品および偏光子保護フィルム
JP2014046464A (ja) 延伸樹脂フィルムの製造方法
JP2010271690A (ja) 位相差フィルムの製造方法
JP4804432B2 (ja) 光学用フィルム及びその製造方法
JP2010243581A (ja) リン酸エステルを含むアクリル樹脂よりなる光学フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130206

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5234728

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3