JP5234091B2 - 光照射装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような光照射装置においては、それぞれの放電ランプが、照度や寿命に個体差を有していることから、各放電ランプの照度維持率を均一に保持することが困難であり、製造ラインでの高い信頼性および安定した生産性を確保するためには、個々の放電ランプの照度および照度分布(光量分布)のモニタリングが必要とされる。
また、露光処理中においては、いずれかの放電ランプの照度が低下した場合であっても、合成光の照度が低下したことが検出されるのみであるので、異常が発生した放電ランプを特定することはできない。
このような方法によれば、例えば、長時間の使用によりいずれか一つの放電ランプの照度が経時的に低下した場合には、不具合の発生した放電ランプを特定することが可能であるが、各照度測定手段によって測定されるのは、ある特定箇所での照度(特定の光源輝点から放射されて反射ミラーの特定箇所で反射された値)であり、たとえランプ光源と同数程度の照度測定手段を配置しても光照射装置による光照射領域における正確な照度分布を得ることができないため、次のような問題が生ずる。すなわち、図7を参照して説明すると、例えば、放電ランプにおける電極に力が加わって変形するなどの要因によって放電ランプの光軸がずれる現象がいずれか一つの放電ランプに生じた場合には、当該放電ランプによる光照射領域が当該放電ランプに隣接する放電ランプによる光照射領域側にシフトし、実際の照度分布は、図7において破線で示すような曲線となる。図7から明らかなように、不具合が生じた放電ランプの照度変化の影響は、当該放電ランプに隣接する放電ランプによる光照射領域にも生じているため、例えば当該隣接する放電ランプの紫外線の光量自体には、変化がないにも関わらず、当該放電ランプに対応する照度測定手段によって測定される照度が初期値より低下あるいは増加した値を示すことがある。しかしながら、上記の方法では、個々の放電ランプによる光の重なり合う領域を測定する位置には照度測定手段が無いため、このような放電ランプの異常の状態を正確に判別することはできない。そのため、各照度測定手段による測定結果に基づいて、例えば放電ランプの照度を増加あるいは低下させるよう放電ランプの点灯制御が行われた場合には、かえって、照度分布を不均一なものとしてしまうことがある。
この光出射部からの光の光到達領域に設けられた光拡散面における、個々の放電ランプによる光照射領域について前記一方向に並んだ複数の測定箇所からの拡散光の光量を検出する光検出素子アレイと
を備えてなり、
前記測定箇所における拡散光が結像光学素子を介して前記光検出素子アレイによって検出されることを特徴とする。
前記拡散板が、当該シャッタ部材における光照射面上に設けられた構成とすることができる。
前記光出射部からの光が当該反射部材を透過した透過光の光到達領域上に、拡散板が設けられており、当該拡散板からの拡散光が前記光検出素子アレイによって検出される構成とすることができる。
図1は、本発明の光照射装置の一例における構成の概略を示す斜視図、図2は、図1に示す光照射装置をA−A線で切断して示す側面断面図、図3は、図1に示す光照射装置におけるランプハウスの一部を省略した状態で示す、集光部材の背面側から見た図である。 この実施の形態に係る光照射装置は、例えばパターン化位相差フィルムを製造するために用いられるものであって、光出射部10と、この光出射部10からの光をストライプ状に整形するマスク45と、フィルム状の被照射物Wを搬送する搬送手段50とを備えている。
ランプハウス11には、下壁における集光部材40の直下の位置に一方向に伸びる光出射用開口12Aが形成されていると共に、下壁における集光部材40の背面側の位置に、後述する光出射部10による光照射領域における拡散光をランプハウス11内に入射させる拡散光入射用開口12Bが形成されている。そして、例えば石英ガラスよりなる窓板部材13が光出射用開口12Aを覆うよう設けられている。
この集光部材40は、例えば、目的とする波長の紫外光のみを反射させ、不要な可視光および赤外光を透過させる波長選択コーティングが施されてなるものであってもよい。
また、被照射物Wは、後述するローラー51に接した状態で搬送されることにより、マスク45と被照射物Wとの間のギャップは、当該被照射物Wがy方向に搬送されるにつれて変動するため、マスク45における集光部材40からの光が入射される有効照射幅は、マスク45と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値や、ローラー51の半径を考慮して可能な範囲で小さく設定することが好ましい。これは、以下の理由による。すなわち、被照射物Wが搬送されてマスク45の直下領域を通過する際には、被照射物Wとマスク45との間のギャップは、先ず、被照射物Wがy方向に移動するにつれて小さくなり、マスク45の中央位置の直下に到達した後には、被照射物Wがy方向に移動するにつれて大きくなるが、最小有効照射幅が大きい程、ギャップの変動幅も大きくなるため、マスク45のパターンに忠実で高解像度のパターンを形成することができないからである。
具体的には、マスク45と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値をa、ローラー51の半径をrとしたとき、有効照射幅dは、d=√{r2 −(r−a)2 }×2により求めることができる。この式において、理論上は、被照射物Wを厚みを勘案することが必要であるが、被照射物Wの厚みは、ローラー51の半径に比較して極めて小さいため、無視することができる。具体的な例を挙げると、マスク45と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値が50μm、ローラー41の半径rが300mmである場合には、有効照射幅dは約11mm以下であることが好ましい。従って、上記した光出射部10におけるショートアーク型の各放電ランプ30からの放射光を、各リフレクタ22および集光部材40によりx方向に伸びる線状に集光することが、かかる有効照射幅dの範囲内に光を集光させるために有効であり、ひいては、マスク45のパターンに忠実で高解像度のパターンを形成することに繋がる。
被照射物がフィルム状のものである場合には、搬送手段50が被照射物Wに接して当該被照射物Wを搬送するローラー51を有するので、ローラー51の偏芯を少なくすることにより、マスク45と、ローラー51に接したフィルム状の被照射物Wとの間のギャップを一定に保つことができる。
なお、ローラー51に水冷機構を設けることにより、被照射物Wに高照度の紫外光が照射された場合でも、被照射物Wに接したローラー51により被照射物Wを冷却することができるので、被照射物Wのシュリンクなどの変形を防止することができる。
また、紫外線で励起され主に可視域の光を発光する蛍光体を塗布、あるいは含有混合させた板も入射光に対して非常に拡散性良くかつ効率良く発光するため、拡散板として好適に用いることができる。
この実施の形態に係る光照射装置における監視手段は、光出射部10のランプハウス11内に配置された光検出素子アレイ60と、ランプハウス11に形成された拡散光入射用開口12Bに設けられた結像光学素子と、光検出素子アレイ60により得られる画像データに対して適宜の画像処理を行うことにより照度分布を取得する画像処理手段(図示せず)とにより構成されている。
光検出素子アレイ受光部の寸法の一例は、各ピクセルの寸法が高さ数mm、幅数十μmの場合、高さが数mm、幅が数十mmになる。そのため、図5では、理解を容易にするために、P1 〜Pn と代表点のみを記載したが、実際には拡散光が各ポイントにおいてスキャン方向に有限の幅を持っていてもスキャン時の積算光量は十分正確に測定することができる。
光検出素子アレイ60全体の視野角(光検出素子アレイ60の受光面601の法線と、x方向における最外方の測定箇所P1 からの拡散光R1 の光路とがなす角)θは、例えば60°以下であることが好ましく、より好ましくは45°以下である。これにより、拡散板55による拡散光を確実に検出することができる。
また、各々の光検出素子における感度は、拡散光(R1 ,R2 ,・・・,Rn-1 ,Rn )の光検出素子に対する入射方向に応じて調整されている。
例えば、上記の各放電ランプ30の点灯状態の監視動作が行われて、図6において破線で示す照度分布が得られた場合には、左から2番目の光源素子における放電ランプが経時的に劣化したことにより、当該放電ランプによる光照射領域における照度が低下したものと判断することができる。
また、例えば、上記の各放電ランプ30の点灯状態の監視動作が行われて、図7において破線で示す照度分布が得られた場合には、何らかの異常が生じたことが検出され、これにより、放電ランプ30(光源素子21)を交換するなどの措置が講ぜられる。
また、各ピクセルの光検出素子は一つの光検出素子アレイのパッケージ内で温度等の条件はほぼ同一であり、各光検出素子間の経時的な感度差の影響もない。更に、各受光素子(光検出素子)の配線ケーブルや増幅回路を個別に用意する必要もない事から、非常に詳細な分布測定を行うことが可能であるにも関わらず、コストは低く抑えることが可能である。
また、放電ランプ30の点灯状態の監視動作において、拡散板55を光出射部10から出射される光の光路上に挿入配置し、拡散板55の光拡散面55Aにおける拡散光の光量を検出する構成とされていることにより、拡散板55が入射される光を一定の大きさに制御された拡散反射率で拡散反射させるものであるので、拡散光を光検出素子アレイ60によって確実に検出することができて検出結果に高い信頼性を得ることができる。
さらにまた、光検出素子アレイ60がランプハウス11に固定されていることにより、光検出素子アレイ60と光源素子列20(放電ランプ30)との位置関係が固定されるので、煩雑な光学調整が不要となる。
例えば、図8に示すように、複数の光検出素子アレイがx方向に並ぶよう配置された構成とすることができ、このような構成のものによれば、x方向における広い範囲にわたる領域において、各放電ランプの照度および光出射部による光照射領域における照度分布を高い信頼性で得ることができる。
この例においては、上記の実施の形態に係る光照射装置において、ランプハウス11内に、各々例えばCCDラインセンサよりなる二つの光検出素子アレイ60A,60Bが、x方向に並んで配置されたことの他は、上記の実施の形態に係る光照射装置と同一の構成を有する。
このような構成のものにおいては、第1の光検出素子アレイ60Aおよび第2の光検出素子アレイ60Bは、検出可能範囲が重複することなく並んで配置されていても、検出可能範囲の一部が重複するよう並んで配置されていても、いずれであってもよいが、第1の光検出素子アレイ60Aと第2の光検出素子アレイ60Bとの感度の個体差による照度分布のバラツキの発生を回避することができて検出結果に高い信頼性を得ることができることから、第1の光検出素子アレイ60Aと第2の光検出素子アレイ60Bとが検出可能範囲の一部が重複するよう並んで配置された構成とされていることが好ましい。
また、例えば液晶パネル用の平板状のガラス基板などの被照射物に対して線状のパターンを形成するものとして構成されている場合においては、光源素子列からの光を集光部材によって線状に集光して照射する構成とされる必要はなく、光源素子列からの光を適宜の反射部材によって反射して互いにx方向およびy方向に平行な平行光として照射(帯状の光照射領域を形成)する構成とされていてもよいが、このような構成のものにおいて、光検出素子アレイとして二次元エリアセンサが用いられることにより、上記の効果が確実に得られる。
この例においては、例えばCCDカメラ(二次元エリアセンサ)61と、拡散板55の光拡散面における拡散光をCCDカメラ61における光検出素子上に結像させる結像レンズ66(結像光学素子)とにより構成されており、CCDカメラ61によって取得される二次元的な画像データに基づいて、光出射部10による光照射領域におけるx方向およびy方向における照度分布が取得される。
このような構成の光照射装置は、例えば図11に示すように、集光部材40Aとして、目的とする波長の紫外光(270〜340nm)を反射させ、それ以外の波長の光(例えば近紫外光や可視光)を透過させる波長選択コーティングが施されてなるものが用いられており、集光部材40Aの背面側における、光出射部10からの光が集光部材40Aを透過した透過光の光路上に、当該透過光を拡散反射させる拡散板56が、光拡散面が斜め上方を向くよう透過光の光軸に傾斜した状態で、設けられている。そして、拡散板56の光拡散面における複数の測定箇所の各々の拡散光の光量をピンホール板65を介して検出する、当該測定箇所の各々に対応する複数の光検出素子(受光素子)が配列されてなる光検出素子アレイ60が設けられている。ここに、図1乃至図3に示す光照射装置と同一の構成部材については、便宜上同一の符号が付してある。
この実施の形態に係る光照射装置において用いられる拡散板56としては、例えば波長350〜700nmの可視光の拡散反射率が90%以上であるものである。
また、この構成の場合には、光検出素子アレイのパッケージを冷却の容易な場所に配置することも可能で、各光検出素子間の温度係数の差による経時的な感度差の影響もなく、メンテナンスも容易である。更に、各受光素子(光検出素子)の配線ケーブルや増幅回路を個別に用意する必要もないことから、非常に詳細な分布測定を行うことが可能であるにも関わらず、コストは低く抑えることが可能である。
このような構成によれば、光源素子列20における各放電ランプ30の点灯状態の監視動作を行いながら、被照射物Wに対する光照射処理を行うことができるので、いずれかの放電ランプの異常が検出されたときには、製造ラインを停止させて放電ランプを交換するなどの措置を速やかに講ずることができる。
11 ランプハウス
12A 光出射用開口
12B 拡散光入射用開口
13 窓板部材
20 光源素子列
21 光源素子
22 リフレクタ
23 光反射面
24 光出射面
C リフレクタの光軸
F リフレクタの焦点
26 固定部材
30 放電ランプ
31 発光管
32 発光部
33 封止部
35 電極
36 金属箔
37 外部リード
S 放電空間
40,40A 集光部材
41 光反射面
L 集光部材による反射光の光軸
f 集光部材の焦点
45 マスク
50 搬送手段
51 ローラー
W 被照射物
G 最小ギャップ
55,56 拡散板
55A 光拡散面
60 光検出素子アレイ
60A 第1の光検出素子アレイ
60B 第2の光検出素子アレイ
601 受光面
61 CCDカメラ
65 ピンホール板
66 結像レンズ
70 光源素子
71 放電ランプ
72 リフレクタ
75 インテグレータ
80 照度測定手段
Claims (5)
- ショートアーク型の放電ランプ、および当該放電ランプを取り囲むよう配置された、当該放電ランプからの光を反射するリフレクタよりなる光源素子の複数が、一方向に並んで配置されてなる光源素子列を有する光出射部と、
この光出射部からの光の光到達領域に設けられた光拡散面における、個々の放電ランプによる光照射領域について前記一方向に並んだ複数の測定箇所からの拡散光の光量を検出する光検出素子アレイと
を備えてなり、
前記測定箇所における拡散光が結像光学素子を介して前記光検出素子アレイによって検出されることを特徴とする光照射装置。 - 前記光拡散面を有する拡散板が、前記光出射部から出射される光の光路に進退自在に設けられており、当該拡散板の光拡散面における拡散光の光量が前記光検出素子アレイによって検出されることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
- 動作時において前記光出射部から出射される光の光路上に位置されて当該光出射部からの光を遮光するシャッタ部材が設けられており、
前記拡散板が、当該シャッタ部材における光照射面上に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。 - 前記光出射部からの光を前記一方向に伸びる線状に集光する集光部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光照射装置。
- 前記光出射部からの光のうち所定の波長範囲の光を反射させ、当該波長範囲以外の光を透過させる波長選択コーティングが施されてなる反射部材を備えており、
前記光出射部からの光が当該反射部材を透過した透過光の光到達領域上に、拡散板が設けられており、当該拡散板からの拡散光が前記光検出素子アレイによって検出されることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
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