JP5228500B2 - 電磁界分布計測方法、走査型電磁界センサユニット、および走査型電磁界計測装置 - Google Patents

電磁界分布計測方法、走査型電磁界センサユニット、および走査型電磁界計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器等から放射される電磁界に関し、電子機器等の構成ユニットの近傍において電磁界分布を計測する電磁界分布計測方法、計測に用いる走査型の電磁界センサユニット、および走査型の電磁界センサユニットを用いた走査型電磁界計測装置に関する。
電子機器の多くは多機能・高速処理が要求されており、中でもプリント基板上で発生する信号ノイズや放射ノイズは機器の性能を大きく低下する要因となっている。特に携帯電話や無線機能を有するノート型パソコン等はノイズ障害の影響を直接受けるため、設計段階でのノイズ発生源の検知・対策が望まれている。
これらのノイズ対策に関して、電磁界シミュレーションを活用した構造設計評価が行われているが、実際の回路基板表面やその近傍における電磁界分布計測技術は確立されておらず、シミュレーション精度との検証がなされていないのが現状である。
波長サイズ程度のアンテナ、例えばホーンアンテナやダイポールアンテナのように、ホーンアンテナの開口部の径やダイポールアンテナのダイポール長が波長に近いアンテナを用いて、プリント基板から離れた場所での遠方電磁界分布を計測するシステムは良く知られており、また、計測結果と測定対象であるプリント基板の設計データを用いて、プリント基板近傍の電磁界分布を逆演算する手法も検討されている。しかしながら、この方式では配線の一本一本が生成する電磁界を推定することは難しく、シミュレーションの検証への適用は困難である。一方、特許文献1には、マイクロループコイルを用いて、配線電流磁界を検出する方式が提案されており、一部商品化されている。
また、特許文献2には、走査型トンネル顕微鏡(STM)で使用される探針(カンチレバー型)プローブは、測定対象物表面に対して垂直に動作することによりトンネル電流や原子間力を検知することで物質の表面状態を計測する方法である。この技術を使用することで微小領域を高分解能で測定することが可能である。
特許文献1に記載の計測手法においては、計測領域における空間分解能・走査速度は駆動モータ性能に依存するため、プリント基板全体を高分解能でスキャンしノイズの発生源を探索するのに多大な時間を要していた。
また、特許文献2に記載のカンチレバー型プローブを、単に電界分布計測に応用するだけでは、水平方向に動かした場合の位置情報を得ることができず、また微小領域しか検出できないため大面積のスキャンには不向きであることが問題であった。
特開2000−19204号公報 特許第2741629号公報
そこで本発明は、上記課題の解決を図り、プリント基板等の近傍の電磁界分布を高速に計測する電磁界分布計測方法、これに用いる走査型電磁界センサユニット、また、この走査型電磁界センサユニットを用いた走査型電磁界計測装置を提供することを目的とする。
本発明においては、プリント基板等の表面近傍の電磁界ノイズを高分解能かつ高速に計測するに、半導体プロセスを用いて圧電体上に検出用電極を形成し、圧電体両端に電圧を印加することにより、検査対象面に対しほぼ垂直に配置した検出部を高速に繰返し湾曲動作をさせながら水平方向に走査する走査型電磁界検出センサユニットを用いる。
そして、例えば、縦長形状の走査型電磁界検出センサユニットを検査対象物の表面にほぼ垂直に位置させ、検出部が検査対象物の表面近傍に位置するように他端を把持し、圧電体両端に1kHz以上500kHz以下の連続的または断続的な所望の値の電圧を印加することにより、圧電体は印加条件に応じて湾曲動作を行うため、検出部には検査対象物の表面近傍に直線的な微動往復動作をさせることができる。この微動往復動作の直線方向と、走査型電磁界検出センサユニットを把持している部分の粗動作の動作方向を一致させ、粗動作を間欠的に一定方向に行い、粗動作によって位置決めされる位置において、微動往復動作させて検出部から電界あるいは磁界を含む強度分布情報を得る。
この方法によれば、従来より行われていたような、電磁界検出センサを正確に位置決めして、その都度、電磁界情報を測定する方法に比べて、電磁界検出センサを粗く、しかも正確に位置決めしながら、その間の微小な位置間隔における電磁界情報は、高速に走査される電磁界検出センサの微動往復動作によって行われる所望の位置において得る。
すなわち、従来のイナーシャの大きな位置決め装置では、細かく位置決めしながら電磁界情報を得るには膨大な時間が必要であったが、本発明により、所望の粗い間隔毎に位置決めを行い、その間を高速に走査される電磁界検出センサによって電磁界情報を得るため、大幅な時間を節約できる。
以下において、電磁界検出センサは、電界または磁界を含む検出センサの意味で用い、また、走査型電磁界検出センサあるいは電磁界検出センサを単にセンサとも称す。
本発明の請求項1に記載の発明は、圧電体の内部の圧電体素子の貼り合せ面とほぼ平行な面上に電磁界検出センサが半導体プロセスにより形成された電磁界検出センサユニットの一端を、少なくとも1次元的に粗動作を行う粗動駆動部が直接的または間接的に把持し、前記センサユニットの他端には前記センサの検出部が配置され、前記圧電体に1kHz以上500kHz以下の連続的または断続的な所望の値の電圧を印加することにより、前記貼り合せ面にほぼ垂直な面内を前記センサユニットは前記一端から前記他端にかけて前記電圧に応じた湾曲動作を連続的または断続的に行う構造を有し、検査対象物の表面にほぼ垂直な面内に電圧無印加時の前記貼り合せ面が位置するように前記センサユニットの傾きを設定し、電圧無印加時の前記貼り合せ面とほぼ垂直な方向であって、かつ、前記検査対象物の表面とほほ平行な方向に前記粗動作と前記湾曲動作とを組み合わせて前記センサユニットを走査することにより、前記検査対象物の表面近傍の電界分布または磁界分布を含む分布計測することを特徴とする電磁界分布計測方法である。
請求項1記載の発明によれば、圧電体は、例えばバモルフ構造の圧電体、あるいは1つの電極の面に圧電体素子を貼り合わせた縦に長い構造のものであって、貼り合わされた圧電体素子と圧電体素子、あるいは圧電体素子と電極において圧電体素子に電圧を印加することにより、圧電体素子の縦方向の+あるいは−の歪みの方向の違いやその絶対値の量の違いにより、貼り合わせ面を境に両側の圧電体素子の伸び縮みが生じて圧電体の長手方向に湾曲するようになっている。
このような圧電体の内部にある上記の貼り合わせ面(以下、単に、貼り合わせ面と呼ぶ)とほぼ平行な表面の片面あるいは両面に直接的に、あるいは絶縁層等を介して間接的に、半導体プロセスにより電磁界検出センサが形成されており、一体となって電磁界検出センサユニットを構成している。
センサユニットは、圧電体に電圧を加える(圧電体内部の圧電体素子に電圧を加えることを、以下、単に、「圧電体に電圧を加える」と称す)ことによって、電圧無印加時の貼り合わせ面とほぼ垂直な面内にて湾曲する。
したがって、縦長形状のセンサユニットの一端に電界または磁界を検出する検出部を設けた構造のセンサユニットの他端を把持して、検査対象物の表面にほぼ垂直に、かつ、検出部を検査対象物の表面の近傍に位置させ、圧電体の両端に1kHz以上500kHz以下、好ましくは10kHz以上100kHz以下の連続的または断続的な所望の電圧値を印加することにより、圧電体は印加条件に応じた繰り返し湾曲動作を行うため、検出部を検査対象物の表面近傍でほぼ直線的な微動往復動作をさせることができる。
例えば、圧電体に数十〜数百ボルトの直流電圧を印加することで、検出部はX方向に数nm〜数μmの移動量を得ることができる。この微動往復動作の直線方向と、走査型電磁界検出センサユニットを把持している部分の粗動作の動作方向を一致させ、粗動作を間欠的に一定方向に行い、粗動作によって位置決めされる各位置において、微動往復動作させて検出部から微小間隔あるいは連続的な電界あるいは磁界を含む強度分布情報を得る。電磁界はスペクトラムアナライザーやオシロスコープに接続し計測する。
微動往復動作するセンサユニットの検出部の位置は、検出部における振れ幅がセンサユニットを把持する位置からの距離に比して十分短かければ、検出部と検査対象物との距離の変動は無視できる。
また、圧電体への印加電圧に対する検出部の移動量に対する関係は予めキャリブレーションすることにより求められる。
ここで、例として、検出部を微動往復動作させているが、連続的な一定周期かつ一定最大振幅の振動モードであっても、片側振幅モードであっても、ステップ状の移動モードであっても構わない。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記検出部に対して前記圧電体を駆動する電気信号から遮断するシールドを前記圧電体と前記検出部との間に設けることを特徴とする請求項1記載の電磁界分布計測方法である。
請求項2記載の発明によれば、圧電体を駆動する信号を遮断するためのシールド電極を圧電体と検出部との間に配置する。シールド電極上に絶縁体を配置し、その上に電磁界を計測するための電極を形成する。さらに好ましくは、検出部の周囲を覆うようにシールドを配置する。
本発明の請求項3に記載の発明は、前記圧電体上に配置される前記検出センサはアンテナ構造を有して電界検出を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁界分布計測方法ある。
請求項3記載の発明によれば、検出センサを先端がT型、L型、I 型等のアンテナ状として電界の検出を行い、電界分布を計測する。
本発明の請求項4に記載の発明は、前記圧電体上に配置される前記検出センサはコイル構造を有して磁界検出を行うことを特徴とする請求項1記載の電磁界分布計測方法である。
請求項4記載の発明によれば、検出センサをループ状として磁界の検出を行い、磁界分布を計測する。
本発明の請求項5に記載の発明は、圧電体の内部の圧電体素子の貼り合せ面とほぼ平行な面上に電磁界検出センサが半導体プロセスにより形成された走査型電磁界センサユニットであって、前記圧電体は前記圧電体内部の圧電体素子と非圧電体素子、あるいは圧電体素子同士の貼り合わせ面を有し、外部から前記圧電体素子に電圧が印加されると前記圧電体素子が前記貼り合せ面とほぼ平行な方向に歪みを生じ、前記貼り合せ面を含み前記圧電体が湾曲することにより前記センサユニットが湾曲する構造を有し、前記電磁界検出センサは電磁界を検出する検出部と、前記検出部と電気的に接続された引出し線と、前記引出し線と電気的に接続された電極とを有し、前記センサユニットは前記圧電体素子が外部からの電圧印加により歪みを生ずる方向に略平行な縦長の形状であって、前記センサユニットの前記電極が配置された一端を直接的または間接点に把持して前記センサユニットを検査対象物の表面に対してほぼ垂直に位置づけ、前記圧電体に外部から1kHz以上500kHz以下の連続的または断続的な所望の値の電圧が印加されることにより、電圧無印加時の前記検出部の表面と垂直な面内を前記検出部が前記所望の値の電圧に応じて湾曲動作を行うことにより走査する構造を有することを特徴とする走査型電磁界センサユニットである。
本発明の請求項6に記載の発明は、走査型電磁界計測装置であって、請求項5記載の走査型電磁界センサユニットと、前記センサユニットを把持しかつ三次元方向に粗動駆動する粗動駆動部と、前記粗動駆動部の粗動駆動回路と、前記粗動駆動回路を制御する粗動駆動制御回路と、前記粗動駆動制御回路と連携して前記検査対象物の表面に対し前記検出部を一次元方向に走査する湾曲動作回路と、前記湾曲動作回路を制御する湾曲動作制御回路とを有し、前記センサユニットを前記検査対象物の表面と平行な方向に粗動駆動する動作と、前記湾曲動作とを組み合わせて前記検査対象物の表面を走査して検出する電磁界測定値を計算処理して表示する電磁界分布処理ユニットとを有することを特徴とする走査型電磁界計測装置である。
本発明により、電子機器等のプリント基板等における微小領域から大領域までの電磁界強度を高速に、かつ、高分解能で検出し、高速な電磁界分布計測ができる。そして、高精度なノイズ発生源の探索が可能となる。
図1に、本発明による走査型電磁界検出センサユニットの一実施例を示す。
図1(a)において、センサユニット100として、平板状で、Z方向を長手方向とする長方形をした圧電体101を用いる。圧電体101は、圧電体101と外形がほぼ同じ平板状で長方形をした図示されていない圧電体素子を層状に貼り合せた、例えばバイモルフ型の圧電体素子により形成されている。
圧電体素子としては、例えばZnOやAlN等の薄膜材料やPZT等の圧電セラミックスを用いる。
圧電体101はその両面に、例えば半導体プロセスにより形成される電極A102と電極B103を備え、各々に圧電体素子に電圧を印加するための図示が省略されているリード線が接続されている。電極B103の表面にアルミナ、SiO等により絶縁層104を形成し、絶縁層104の表面にアルミニウム、金、あるいは銅等をスパタリングすることにより、電極105−1、引出し線105−2、そして、例えばT字型の検出部105−3を電気的に接続された状態で電磁界検出センサ105が形成される。
センサユニット100全体は、必要に応じて絶縁層で覆われている。
電極105−1には、検出部105−3で検出する電磁界強度(ここでは電界強度)を図示省略されている計測器に接続するためのリード線(図示省略)が接続される。
電磁界検出センサ105の厚さは数mm程度以下となっている。
図のZ方向が検査対象物の表面に垂直に向かう方向であり、検出部105−3はZ方向の端部近傍に配置される。センサユニット100は、検出部105−3とは反対側の端部に、例えば図示されていないアルミナ製のホルダによって、検査対象物の表面に略垂直に把持される。ホルダによって把持されたセンサユニット100は外部から電圧が印加されることによりX方向に湾曲するため、外部の粗動駆動部によりX方向に間欠的に粗動駆動しながら、X方向に、例えば1kHz以上500kHz以下、好ましくは10kHz以上100kHz以下の連続的または断続的な電圧を印加されることにより、湾曲動作を繰り返えし、検出部107−3はX方向に間欠的な粗動をしつつX方向に微小な正逆繰返し動作が行われる。圧電体の両端に1kHz以上500kHz以下の連続的または断続的な所望の電圧値を印加するのは、圧電体の動きは、例えば、数Hz以上500kHz程度までに応答するため、センサユニット100を外部の粗動駆動部により所定の速度でX方向に間欠的に粗動駆動し、かつ、Xの+−方向に湾曲動作を繰り返えすので、Xの+方向へセンサユニット100を全体的に実用的な速度で移動させて計測を続けるに適しているからである。
圧電体101に印加する電圧を、例えば数十〜数百ボルトの直流電圧とすることで検出部105−3のX方向の変位は数nm〜数μm程度を得ることができる。
すなわち、検出部107−3は直線的な一方向の所定間隔で停止した位置において、その直線上を微小な往復運動を行なうことにより、粗動駆動で離間的に停止される直線上のポイント間をスイープし、計測点が密、あるいは連続するようになっている。X方向に微小な正逆繰返し動作は、粗動駆動により離間的に停止する直線上のポイント間を十分にカバーする振幅を有することが望ましい。
図1(b)から図1(g)までは、電磁界検出センサ107の表面をX方向から見た外観図の例であり、図1(b)から図1(d)は、検出部107−3の形状が各々T型、L型、I型の電界検出センサの例を示す。また、図1(e)から図1(g)は、検出部107−3の形状が各々L型、T型、円形型のループをもった磁界検出センサの例を示す。
図1(b)から図1(d)において電極107−1を各1個づつもつが、図1(e)から図1(g)においては電極107−1を各ループの引出し線に対応して2個づつもつ。
寸法としては、例えば図1(d)のタイプの場合、配線幅(引出し線105−2、検出部105−3の幅が共に同じ)は5〜100μm程度、長さは数mm程度である。また図1(e)のタイプの場合、検出部105−3のループ状の辺の長さは10〜100μm程度である。
図2に、本発明による走査型電磁界センサユニットを用いた検出方法の一実施例を示す。図1に示したセンサユニット100と同じタイプのセンサユニット200には、例えばアルミナ製のホルダ201が取り付けられ、検査対象物であるプリント基板202にセンサユニット200が略垂直に位置するように配置される。
図2において、プリント基板202上にY方向に配置された配線パターン203の近傍の電磁界分布を計測するため、配線パターン203に直角なX方向に垂直に検出部(図示省略)表面が配置されたセンサユニット200の先端をZ方向に近接させ、Z方向の高さを数μm〜数10μm程度に保つ。ホルダ201のX方向の粗動速度を100μm/Sec程度以上とし、図示していないカメラにて検査対象物をキャプチャーしながらホルダ201を把持する駆動部(図示省略)をZ方向に移動させて検査対象物との衝突を回避させるようになっている。したがって、図2の(a)の位置から、(b)、そして(c)の位置へとセンサユニット200を走査しながら、電磁界強度を計測できる。
ここで、例として検査対象物をプリント基板上の配線パターン203としたが、プリント基板上に実装されたLSI、またその端子のリード線等も検査対象物となる。
検出部の位置情報に関しては予め標準信号源近傍においてキャリブレーションを実施することにより、圧電体への印加電圧に対する移動量と各信号に対する校正係数を求める。また、ホルダ201のX,Y,Z方向への粗動駆動による位置情報は、粗動駆動装置(図示省略)に組み込んである精密スケールを用いて行われる。
センサユニット200の湾曲動作の周波数を10kHz以上、最大振幅を100μm以上とすると、計測データの平均処理時間を含め、X方向の平均粗動速度を100μm/s程度とすることができる。計測範囲内を直線状に走査されたセンサユニット200は、計測範囲内の境界に達すると、粗動駆動装置は所定の距離だけ、センサユニット200をY方向に移動させ、再びX方向を逆戻りして走査するようにすることにより、計測範囲内を広く設定した場合でも走査できるようになっている。
ここで、例えば計測される信号ノイズの大きさは−80dBm、放射ノイズの大きさは−70dBm程度である。検出された電磁界の強度は図示されていないスペクトラムアナライザーやオシロスコープに接続され計測される。
図3に、本発明による走査型電磁界計測装置の一実施例を示す。走査型電磁界計測装置300はベース301の上に、剛性を備えたXYテーブル302と粗動駆動部(固定側)303を有し、粗動駆動部(固定側)303にはX,Y,Z方向に移動する粗動駆動部(可動側)304が組み込まれている。
粗動駆動部(可動側)304は図示されていない把持部を備え、センサユニット306をXYテーブル302表面に垂直にセラミック製のホルダ305を介して把持している。XYテーブル302の上に固定されたプリント基板307が備える配線パターン307−1近傍の電磁界分布を計測するため、センサユニット306内の圧電体(図示省略)に数十〜数百ボルトの直流電圧を印加し、センサユニット306の先端においてX方向に数nm〜数μm程度の振れ幅が得られるようになっている。
プリント基板307上の検査対象物表面とセンサユニット306の先端との間隔は数μm〜数10μm程度に保たれる。粗動駆動部(可動側)304に取り付けられている図示していないカメラにて検査対象物をキャプチャーし、センサユニット306のX,Y,Z方向への粗動駆動による位置情報は、粗動駆動部(固定側)303に組み込まれている図示されていない精密スケールを用いて行われ、センサユニット306の先端と検査対象物との衝突を回避させるようになっている。
粗動駆動部(可動側)304をX,Y,Z方向に駆動する粗動駆動回路部(X,Y,Z)308、センサユニット306の圧電体をX方向に駆動する微動湾曲動作回路(X)309、センサユニット306からの電磁界強度の出力を処理する電磁界計測処理ユニット310とこれらを連携させて制御するCPUを備えた制御回路311はそれぞれ電気的に接続され、計測された電磁界強度分布がディスプレイ312に表示されるようになっている。
センサユニット306の湾曲動作の周波数を10kHz以上、最大振幅を100μm以上とすると、計測データの平均処理時間を含め、X方向の平均粗動速度は100μm/s程度である。計測範囲内をX方向に直線状に走査するセンサユニット306は、計測範囲内の境界に達すると、粗動駆動部(可動側)304は所定の距離だけ、センサユニット306をY方向に移動させ、再びX方向を逆戻りして走査するステップを繰り返す。
計測範囲内においてセンサユニット306が計測したデータは、電磁界計測処理ユニット310で合成処理され、ディスプレイ312に表示される。
図4に、本発明におけるセンサユニットのキャリブレーションフローの一例を示す。マイクロストリップラインに正弦波を印加して標準信号源とし、センサユニットを近づける(S41)。センサユニットの振幅を決定し(S42)、駆動電圧ごとの振幅と距離ごとの検出信号を取得する(S43)。
市販の電磁界シミュレーション解析ソフト等を利用して、標準信号源に対する電界・磁界を計算し、実際のセンサユニットで検出される信号と比較する(シミュレーション比較と呼ぶ)(S44)。シミュレーション比較を行った際、許容範囲として決めた電磁界強度より大き過ぎるまたは小さ過ぎる場合は、センサユニットの振幅を決定した駆動信号が不適であるため、再度センサユニットに駆動信号を印加し、許容範囲になるまで、キャリブレーションを繰り返す(S45)。許容範囲内となったらキャリブレーションを終了する(S46)。
図5に本発明による電磁界計測フローの一例を示す。キャリブレーションを行ったセンサユニットを検査対象物の表面に近接し(S51)、センサユニットの圧電体に電圧を印加し(S52)、X方向に走査して電磁界信号を検出する(S53)。電磁界信号を取得しながら測定領域の境界に達したら(S54)、センサユニットを所定の距離だけY方向へステップ移動させ(S55)、繰返しセンサユニットを走査し測定領域の電磁界を検出する。
測定領域内で測定された電磁界信号を、センサユニットを駆動して得られる距離に対する検出信号と粗動の位置情報を重ね合わせ、測定領域内の電磁界分布データとして出力するために合成を行い(S56)、ディスプレイ等へ表示をして(S57)、測定を終了する(S58)。
本発明による走査型電磁界検出センサユニットの一実施例 本発明による走査型電磁界検出センサユニットを用いた検出方法の一実施例 本発明による走査型電磁界計測装置の一実施例 本発明におけるセンサユニットのキャリブレーションフローの一例 本発明による電磁界計測フローの一例
符号の説明
100、200,306 センサユニット
101 圧電体
102 電極A
103 電極B
104 絶縁層
105 電磁界検出センサ
201,305 ホルダ
202,307 プリント基板
203 配線パターン
300 走査型電磁界計測装置
301 ベース
302 XYテーブル
303 粗動駆動部(固定側)
304 粗動駆動部(可動側)
308 粗動駆動回路(X,Y,Z)
309 微動湾曲動作回路(X)
310 電磁界計測処理ユニット
311 制御回路

Claims (6)

  1. 圧電体の内部の圧電体素子の貼り合せ面とほぼ平行な面上に電磁界検出センサが半導体プロセスにより形成された電磁界検出センサユニットの一端を、少なくとも1次元的に粗動作を行う粗動駆動部が直接的または間接的に把持し、
    前記センサユニットの他端には前記センサの検出部が配置され、
    前記圧電体に1kHz以上500kHz以下の連続的または断続的な所望の値の電圧を印加することにより、前記貼り合せ面にほぼ垂直な面内を前記センサユニットは前記一端から前記他端にかけて前記電圧に応じた湾曲動作を連続的または断続的に行う構造を有し、
    検査対象物の表面にほぼ垂直な面内に電圧無印加時の前記貼り合せ面が位置するように前記センサユニットの傾きを設定し、
    電圧無印加時の前記貼り合せ面とほぼ垂直な方向であって、かつ、前記検査対象物の表面とほほ平行な方向に前記粗動作と前記湾曲動作とを組み合わせて前記センサユニットを走査することにより、
    前記検査対象物の表面近傍の電界分布または磁界分布を含む分布計測することを特徴とする電磁界分布計測方法。
  2. 前記検出部に対して前記圧電体を駆動する電気信号から遮断するシールドを前記圧電体と前記検出部との間に設けることを特徴とする請求項1記載の電磁界分布計測方法。
  3. 前記圧電体上に配置される前記検出センサはアンテナ構造を有して電界検出を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁界分布計測方法。
  4. 前記圧電体上に配置される前記検出センサはコイル構造を有して磁界検出を行うことを特徴とする請求項1記載の電磁界分布計測方法。
  5. 圧電体の内部の圧電体素子の貼り合せ面とほぼ平行な面上に電磁界検出センサが半導体プロセスにより形成された走査型電磁界センサユニットであって、
    前記圧電体は前記圧電体内部の圧電体素子と非圧電体素子、あるいは圧電体素子同士の貼り合わせ面を有し、
    外部から前記圧電体素子に電圧が印加されると前記圧電体素子が前記貼り合せ面とほぼ平行な方向に歪みを生じ、前記貼り合せ面を含み前記圧電体が湾曲することにより前記センサユニットが湾曲する構造を有し、
    前記電磁界検出センサは、
    電磁界を検出する検出部と、
    前記検出部と電気的に接続された引出し線と、
    前記引出し線と電気的に接続された電極とを有し、
    前記センサユニットは前記圧電体素子が外部からの電圧印加により歪みを生ずる方向に略平行な縦長の形状であって、
    前記センサユニットの前記電極が配置された一端を直接的または間接点に把持して前記センサユニットを検査対象物の表面に対してほぼ垂直に位置づけ、
    前記圧電体に外部から1kHz以上500kHz以下の連続的または断続的な所望の値の電圧が印加されることにより、
    電圧無印加時の前記検出部の表面と垂直な面内を前記検出部が前記所望の値の電圧に応じて湾曲動作を行うことにより走査する構造を有することを特徴とする走査型電磁界センサユニット。
  6. 走査型電磁界計測装置であって、
    請求項5記載の走査型電磁界センサユニットと、
    前記センサユニットを把持しかつ三次元方向に粗動駆動する粗動駆動部と、
    前記粗動駆動部の粗動駆動回路と、
    前記粗動駆動回路を制御する粗動駆動制御回路と、
    前記粗動駆動制御回路と連携して前記検査対象物の表面に対し前記検出部を一次元方向に走査する湾曲動作回路と、
    前記湾曲動作回路を制御する湾曲動作制御回路とを有し、
    前記センサユニットを前記検査対象物の表面と平行な方向に粗動駆動する動作と、前記湾曲動作とを組み合わせて、前記検査対象物の表面を走査して検出する電磁界測定値を計算処理して表示する電磁界分布処理ユニットとを有することを特徴とする走査型電磁界計測装置。
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