JP5227576B2 - 近赤外線領域光反射性能を有する暗色複合成形体 - Google Patents
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前記表面層(A)が合成樹脂100重量部と、アゾ系顔料、アゾメチンアゾ系顔料、ペリレン系顔料からなる群から選択される少なくとも一つの顔料1〜5重量部とを含有しており、380〜720nmの波長領域において90%以上の日射吸収率を有し、720〜1500nmの近赤外線領域において30%未満の日射吸収率を有し、且つ720〜1500nmの近赤外線領域において50%以上の日射透過率を有する、暗色を呈する合成樹脂層であり、
前記反射成形体(B)が380〜1500nmの波長領域において90%以上の日射反射率を有する合成樹脂成形体であり、且つ、
前記反射成形体(B)の表面に前記表面層(A)を積層した複合成形体の720〜1500nmの近赤外線領域における日射反射率が70%以上であるものである。
前記表面層(A)が380〜720nmの波長領域において90%以上の日射吸収率を有し、720〜1500nmの近赤外線領域において30%未満の日射吸収率を有し、且つ720〜1500nmの近赤外線領域において50%以上の日射透過率を有する、暗色を呈する合成樹脂層であり、
前記反射成形体(B)が380〜1500nmの波長領域において85%以上の日射反射率を有する合成樹脂成形体であり、且つ、
前記反射成形体(B)の表面に前記表面層(A)を積層した複合成形体の720〜1500nmの近赤外線領域における日射反射率が70%以上であるものである。
本発明にかかる表面層(A)は、380〜720nmの波長領域において90%以上の日射吸収率を有し、720〜1500nmの近赤外線領域において30%未満の日射吸収率を有し、且つ720〜1500nmの近赤外線領域において50%以上の日射透過率を有する、暗色を呈する合成樹脂層である。本発明に用いる合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、これらの樹脂からなる熱可塑性エラストマー系樹脂が挙げられる。これらの合成樹脂の中でも、風合い、耐光性及び加工性の観点から、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマー系樹脂が好ましい。また、このような表面層(A)は、密着性及びリサイクル性の観点から、後述する反射成形体(B)を構成する合成樹脂と同一系の合成樹脂からなることが好ましい。このように表面層(A)及び反射成形体(B)が同一系の合成樹脂から構成される場合には、接着剤層を設けなくとも密着性が優れたものを得ることができる。また、このように表面層(A)及び反射成形体(B)が同一の合成樹脂から構成される場合には、積層したものを分離せずにリサイクルを行うことができる点で有利である。
(日射吸収率)=100%−(日射反射率)−(日射透過率)
を用いて計算することにより、日射吸収率を導き出すことができる。
本発明にかかる反射成形体(B)は、380〜1500nmの波長領域において85%以上の日射反射率を有する合成樹脂成形体である。本発明に用いる合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、これらの樹脂からなる熱可塑性エラストマー系樹脂が挙げられる。これらの合成樹脂の中でも、耐光性及び成形性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマー系樹脂が好ましい。
本発明の暗色複合成形体は、前述した反射成形体(B)の表面に前述した表面層(A)を積層した複合成形体である。
ポリ塩化ビニル系樹脂1:鐘淵化学工業社製「PSH-23」
熱可塑性オレフィン系エラストマー樹脂1:三井化学社製「ミラストマー N-8030」
ウレタン系樹脂1:大日精化工業社製「レザミン NE-8875」
ポリプロピレン系樹脂1:プライムポリマー社製「プライムポリプロ J105G」
可塑剤:ジイソノニルフタレート、積水化学工業社製
安定剤1:旭電化工業社製「AC-183」
安定剤2:旭電化工業社製「AO-60」
充填剤1:中空ガラスバルーン、旭ガラス社製「セルスターZ27」
充填剤2:セラミックバルーン、太平洋セメント社製「E-SPHERES」
発泡剤1:化学発泡剤、大塚化学(株)社製「ユニフォームAZ」
顔料1:酸化チタン系白色顔料、テイカ(株)社製「JR600A」
顔料2:酸化チタン系白色顔料、テイカ(株)社製「JR1000」
顔料3:茶色顔料:富士色素工業(株)社製「Brown FT-9000」
顔料4:黒色顔料:レジノカラー工業社製「DPF-T-7939」
顔料5:黒色顔料:BASF AG 社製「Pariogen Black S0084」
顔料6:黒色顔料:特殊色料工業(株)社製「Black FT-10」
顔料7:黒色顔料:Shepherd Japan 社製「ARCTIC Black 10C909」
顔料8:黒色顔料:Shepherd Japan 社製「ARCTIC Black 411」。
(I)ペースト状プラスチゾル及び成形用組成物の調製
樹脂、顔料、充填剤及び各種添加剤を、それぞれ表1に記載の通りの組成となるように、混合してペースト状プラスチゾル及び成形用組成物を作製した。
表面層(A)の日射特性を評価するために、以下に示すようにして表面層(A1〜A10)の単層シートを作製した。そして、得られた表面層シートの日射特性(日射吸収率、日射透過率、日射反射率)を以下に示すようにして評価した。
調製例で得られた表面層(A1〜A7)成形用のペースト状プラスチゾルを、それぞれ表1に記載の通りの厚みとなるように、ナイフコーティング法により離型紙上にコーティングし、140℃で2分間加熱し、次いで195℃で3分間加熱した。その後、冷却して離型紙を剥離し、表面層(A1〜A7)の単層シートをそれぞれ作製した。
作製例で得られた表面層(A1〜A10)の単層シートの日射特性(日射吸収率、日射透過率、日射反射率)を前述した通りの方法で評価した。なお、自記分光光度計としては日立製作所社製の「U−4000」を用いた。また、表面層(A1〜A10)の単層シートについては、380〜720nmの波長領域における日射吸収率、日射透過率及び日射反射率、並びに720〜1500nmの波長領域における日射吸収率、日射透過率及び日射反射率を評価した。得られた結果を表3に示す。
先ず、作製例で得られた表面層(A1)の単層シートを成形型に設置した後に、真空引きすることによって単層シートを成形型に密着せしめた。その後、射出成形機(Engel社製)を用いて、調製例で得られた反射成形体(B1)成形用の組成物を成形型に射出し成形して、複合成形体を得た。なお、実施例1で得られた複合成形体の表面色相を表5に示す。
調製例及び作製例で得られた表面層(A1)の単層シート及び反射成形体(B1)成形用の組成物に代えてそれぞれ表5及び表6に記載の通りのものを用いた以外は実施例1と同様にして複合成形体を得た。なお、実施例2〜4及び比較例1〜8で得られた複合成形体の表面色相を、表5及び表6にそれぞれ示す。
(I)評価方法
以下の方法によって、複合成形体の日射特性、熱反射性能及び眩しさ、並びに複合成形体を構成する反射成形体(B1〜B5)の日射特性を評価した。
反射成形体(B1〜B5)の日射特性は以下のようにして評価した。すなわち、実施例及び比較例で得られた複合成形体から表面層(A)を除去し、反射成形体(B1〜B5)の表面を露出せしめたものを試料として、単層シートにおける日射特性の評価方法と同様の方法により評価した。
実施例及び比較例で得られた複合成形体を試料とし、試料を太陽光に曝した際の表面温度の上昇値を測定した。すなわち、厚み30mmの発泡ポリスチレンで作製した上面が開口した箱(高さ150mm、巾240mm、長さ340mm)の底面に、試料を載置し、箱の上面に厚み1.5mmのソーダガラス板を乗せて、箱内部の試料表面の温度を熱電対で測定しつつ、北関東8月の晴天の日に太陽光に暴露した。その後、試料表面の温度上昇を観測し、上昇温度が一定になった所の温度とそのときの日陰における気温との差をΔT(℃)として記録した。
実施例及び比較例で得られた複合成形体を斜め45度に傾けて設置し、複合成形体を晴天下において1mの距離から肉眼で観察し、眩しさを感じるか否かを下記の基準で評価した。
A:反射が感じられず、眩しさは無い。
B:ほとんど反射は感じられないが、長時間見ていると疲れる。
C:光が反射してきて、眩しさが感じられる。
D:非常に眩しく感じられ、長時間目を向けていられない。
実施例1〜4及び比較例1〜8で得られた複合成形体の日射特性、熱反射性能及び眩しさを評価した。なお、日射特性については、380〜720nmの波長領域における日射吸収率、日射透過率及び日射反射率、並びに720〜1500nmの波長領域における日射吸収率、日射透過率及び日射反射率を評価した。得られた結果を表5及び表6にそれぞれ示す。また、複合成形体を構成する反射成形体(B1〜B5)の日射特性を評価した。得られた結果を表4に示す。
Claims (4)
- 日射を受ける表面層(A)と反射成形体(B)とを備える合成樹脂複合成形体であって、
前記表面層(A)が合成樹脂100重量部と、アゾ系顔料、アゾメチンアゾ系顔料、ペリレン系顔料からなる群から選択される少なくとも一つの顔料1〜5重量部とを含有しており、380〜720nmの波長領域において90%以上の日射吸収率を有し、720〜1500nmの近赤外線領域において30%未満の日射吸収率を有し、且つ720〜1500nmの近赤外線領域において50%以上の日射透過率を有する、暗色を呈する合成樹脂層であり、
前記反射成形体(B)が380〜1500nmの波長領域において90%以上の日射反射率を有する合成樹脂成形体であり、且つ、
前記反射成形体(B)の表面に前記表面層(A)を積層した複合成形体の720〜1500nmの近赤外線領域における日射反射率が70%以上であることを特徴とする近赤外線領域光反射性能を有する暗色複合成形体。 - 前記表面層(A)が、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及び熱可塑性エラストマー系樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの合成樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の暗色複合成形体。
- 前記反射成形体(B)が、合成樹脂100重量部と、酸化チタン系白色顔料5〜70重量部とを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の暗色複合成形体。
- 前記反射成形体(B)が発泡構造を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の暗色複合成形体。
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