JP5225812B2 - Ofdm復調装置、ofdm復調方法、プログラム、および、コンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

Ofdm復調装置、ofdm復調方法、プログラム、および、コンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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本発明は、デジタル伝送方式により伝送される信号の受信装置および受信方法に関し、特に、映像信号や音声信号を効率よく伝送できる直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex、以下、略してOFDM)の復調装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
地上デジタル放送では、建物によるゴースト妨害(フェージング、マルチパス)の克服に好適な変調方式として、マルチキャリアのOFDM変復調方式が知られている。OFDM変復調方式は、1チャンネル帯域内に多数(256〜1024程度)のサブ・キャリアを設けて、映像信号や音声信号を効率よく伝送することが可能なデジタル変調・復調方式である。全キャリアを高速フーリエ逆変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)によってOFDM変調されたベースバンド(BB:BaseBand)信号を生成する。
非特許文献1によると、サブ・キャリアの中にキャリア方向に12キャリアに1回、時間軸単位であるシンボル方向に4シンボルに1回と周期的にSP(Scattered Pilot)と呼ばれるパイロット信号が挿入されている。このパイロット信号は、予め位相と振幅が定められたもので、同期や伝送路伝達測定の推定等に用いられる。
そして、良好な受信を保つためには基準となる放送局の動作クロック周波数と受信機の動作クロック周波数との誤差を正確に計測し受信システムにフィードバックする必要がある。例えば、従来技術として、特許文献1には、OFDM信号受信機における周波数誤差を検出し、補正するための1つの構成例が開示されている。
特許文献1に記載のOFDM信号受信機は、送信機からのOFDM信号を受信するアンテナと、アンテナで受信したRF信号をベースバンド信号に周波数変換する周波数変換器と、周波数変換器に正弦波の局部発振信号を供給する局部発振器と、受信したベースバンド信号を標本化する標本化器と、標本化器の出力信号を用いて周波数オフセットおよびタイミングオフセットを検出する周波数誤差&タイミング誤差推定器と、標本化器が出力する時間領域信号を周波数領域信号に変換する高速フーリエ変換器とを備えており、周波数誤差&タイミング誤差推定器は、標本化器が出力する信号を用いて、パイロットシンボルにおいて伝送される信号と受信信号とのスライディング相関演算で得られる信号によって周波数誤差とタイミング誤差を検出する。
そして、特許文献1に記載のOFDM信号受信機は、周波数誤差&タイミング誤差推定器から出力されたキャリア周波数誤差情報を局部発振器に供給し、局部発振器を制御する(すなわち、再生キャリア信号の発振周波数を変更する)ことによって、キャリア周波数の同期捕捉とサンプリングタイミングの同期捕捉とを行う。
特開2000−341236号公報(2000年12月8日公開) 「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式ARIB STDB31 1.5版」、社団法人電波産業界、2001年5月31日初版策定、2003年7月29日1.5版改定
ところで、上述した局部発振器は、一般的に、PLL回路によって構成される。PLL回路としては、アナログ回路のみにより構成されるもの、デジタル回路のみにより構成されるもの、および、アナログ回路とデジタル回路とにより構成されるものがあり、LSI化には、通常、アナログ回路のみ、あるいは、アナログ回路とデジタル回路とにより構成されたPLL回路であって、製造プロセス毎に調整を行いハードマクロ化されたPLL回路が利用される。
しかしながら、上記従来の構成では、周波数誤差を補正する場合、PLL回路自体(局部発振器)の周波数(すなわち、再生キャリア信号の発振周波数)を動作中に微調整するため、それに対応したPLLのハードマクロを用意する必要がある。このため、製造プロセスの変更毎に対応のPLL回路を探し、無い場合には新規に作成しなければならないという問題が生じる。また、デジタル回路のみにより構成されたPLL回路のうち、特に高分解能のものは、周波数誤差の補正にも利用可能であるが、回路規模が大きくなり、消費電力が増大するなどの問題を生じる可能性がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造プロセス毎に調整する必要のあるアナログハードマクロによらず、ロジック部のみで周波数誤差を補正できることが可能な受信装置、受信方法、OFDM復調装置、制御プログラム、および、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
本発明に係る受信装置は、第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化したアナログ信号を受信する受信手段と、受信したアナログ信号を上記第1の周波数発振器とは異なる第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングして第2のサンプル系列信号を生成するサンプリング手段と、上記第1の周波数発振器の基準信号と上記第2の周波数発振器の基準信号との周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段と、上記周波数誤差から、上記第1のサンプリングタイミングを特定するためのサンプリングタイミング誤差情報を生成するサンプリングタイミング誤差情報生成手段と、上記第2のサンプル系列信号から、上記サンプリングタイミング誤差情報によって特定される上記第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を予測するサンプリング値予測手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る受信装置は、第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化したアナログ信号を受信し、第1の周波数発振器とは異なる第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングして第2のサンプル系列信号を生成する。
つまり、受信装置は例えば放送波などに重畳されたアナログ信号を受信してサンプリングする。なお、受信するアナログ信号としては、放送波に重畳されたものに限定されず、無線、有線の通信網を通じて伝送されるアナログ信号であってもよいし、一体的に備えられた他の装置から読み出したアナログ信号であってもよく、特に限定はされない。そして、このアナログ信号は、第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化することにより得られたものである。一方、上記受信装置は、このアナログ信号を受信し、第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングを行い、第2のサンプル系列信号を生成する。ここで、第2の周波数発振器の基準信号に基づく第2のサンプリングタイミングとしては、第2の周波数発振器の基準信号の1周期ごとに、1つのデータをサンプリングする構成でもよいし、複数のデータをサンプリングする構成(すなわち、オーバーサンプリングする構成)でもよい。あるいは、基準信号の複数周期ごとに1つのデータをサンプリングする構成であってもよい。
また、上記の構成によれば、周波数誤差検出手段は、上記第1の周波数発振器の基準信号と上記第2の周波数発振器の基準信号との周波数誤差を検出する。第1の周波数発振器と第2の周波数発振器とは、互いに独立した異なる周波数発振器であり、第2のサンプル系列信号には、上記第1の周波数発信器の基準信号に基づくクロック(例えば、ベースバンド信号を生成する送信装置のクロック)と、上記第2の周波数発信器の基準信号に基づくクロックとの誤差である周波数誤差が含まれており、周波数誤差検出手段は、これを検出可能な構成であればよく、特に限定はされない。なお、これは、アナログ信号をデジタル信号に変換するADCに含まれていてもよい。
また、上記の構成によれば、サンプリングタイミング誤差情報生成手段は、上記周波数誤差から、上記第1のサンプリングタイミングを特定するサンプリングタイミング誤差情報を生成する。上述したとおり受信装置において生成した第2のサンプル系列信号には、周波数誤差が含まれているため、第1のサンプリングタイミングと第2のサンプリングタイミングとは一致しないが、受信したアナログ信号に基づいて第1のサンプリング系列信号を受信装置において正確に再現するためには、真のサンプリングタイミング、すなわち、第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリングデータが必要となる。そこで、サンプリングタイミング誤差情報生成手段は、第1のサンプリングタイミングを特定するためのサンプリングタイミング誤差情報を生成する。サンプリングタイミング誤差情報としては、例えば、第2のサンプリングタイミングにおいて基準となるサンプリングタイミングからの真のサンプリングタイミングのずれを表す分数遅延量や整数遅延量などがある。
また、上記の構成によれば、サンプリング値予測手段は、上記第2のサンプル系列信号から、上記サンプリングタイミング誤差情報によって特定される上記第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を予測する。サンプリング値予測手段は、例えば、LagrangeフィルタやFarrow型フィルタなど、各種のデジタルフィルタによって、第2のサンプル系列信号を用いて、真のサンプリングタイミングにおけるデータを補間する。
これにより、受信装置では、真のサンプリングタイミング、すなわち、当該信号が送信される場合にサンプリングされたタイミングにおけるサンプリングデータを得ることができる。したがって、上述した処理を繰り返すことによって、周波数誤差を0もしくは0近傍に収束させて、周波数誤差を補正することが可能となる。しかも、受信装置において、例えばPLL回路などを制御して動作クロック周波数を制御することなく、ロジック部のみで周波数誤差を補正することができる。したがって、動作クロック周波数を制御する構成において必要となるハードマクロ化されたアナログのPLL回路を用いる必要がないため、製造プロセスごとの調整が発生せず、プロセス依存性を解消することができ、受信装置の生産性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係る受信方法は、第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化して得られたアナログ化信号を受信する受信ステップと、受信したアナログ化信号を第1の周波数発振器とは異なる第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングして第2のサンプル系列信号を生成するサンプリングステップと、上記第1の周波数発振器の基準信号と上記第2の周波数発振器の基準信号との周波数誤差を検出する周波数誤差検出ステップと、上記周波数誤差から、上記第1のサンプリングタイミングを特定するためのサンプリングタイミング誤差情報を生成するサンプリングタイミング誤差情報生成ステップと、上記第2のサンプル系列信号から、上記サンプリングタイミング誤差情報によって特定される上記第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を予測するサンプリング値予測ステップとを含んでいることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る受信装置と同様の作用効果を奏する。
本発明に係る受信装置では、上記サンプリング値予測手段に入力される上記第2のサンプル系列信号は、上記第2の周波数発振器の基準信号に対して、オーバーサンプリング状態にある、ことが好ましい。
これにより、ナイキスト領域全体が分数遅延周波数領域とならないような場合であっても、所望の周波数領域全域にわたって、第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリングデータを精度よく補間することができる。
なお、本発明に係る受信装置は、上記サンプリング手段により得られた上記第2のサンプル系列信号を、上記第2の周波数発振器の基準信号に対して、オーバーサンプリング状態に変換するとともに、オーバーサンプリング状態に変換された上記第2のサンプル系列信号を上記サンプリング予測手段に入力するオーバーサンプリング手段を更に備えている構成であってもよい。
また、上記サンプリング手段が、上記第2のサンプル系列信号を、上記第2の周波数発振器の基準信号に対して、オーバーサンプリング状態に変換するとともに、オーバーサンプリング状態に変換された上記第2のサンプル系列信号を上記サンプリング予測手段に入力する、ように構成されていてもよい。
また、本発明に係るOFDM復調装置は、上記受信装置を備えたOFDM復調装置であって、上記サンプリング値予測手段により得られた予測値からなるサンプル系列信号を直交復調する直交復調手段と、上記直交復調手段により得られた復調信号を、FFT演算によって、データ信号とパイロット信号とを含む周波数領域の信号に変換するFFT演算手段とをさらに備え、上記サンプリングタイミング誤差情報生成手段は、上記サンプリングタイミング誤差情報により特定された上記第1のサンプリングタイミングが、上記サンプリング値予測手段の予測可能範囲を超える場合には、上記第2のサンプリングタイミングにおいて上記サンプリングタイミング誤差情報を生成するときに基準とする基準サンプリングタイミングを、上記サンプリングタイミング誤差情報によって特定される上記第1のサンプリングタイミングが該予測可能範囲を超えないようにシフトさせると共に、当該シフトを相殺するようにFFT演算の開始位置をシフトさせることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記サンプリングタイミング誤差情報によって特定される上記第1のサンプリングタイミングが所定のサンプリングタイミングの範囲(サンプリング値予測手段の予測可能範囲)を超える場合、すなわち、例えば分数遅延量によって特定される補間ポイントが、フィルタ特性に依存する精度よく補間できる領域を超えた場合、当該分数遅延量を算出する場合に基準とした基準サンプリングタイミングを例えばサンプリングクロックの1周期だけシフトさせて、シフト後の基準サンプリングタイミングを基準として算出した分数遅延量によって特定される補間ポイントが、フィルタ特性に依存する精度よく補間できる領域の範囲内に収まるようにすると共に、シフト後の基準サンプリングタイミングに応じて、FFT演算の開始位置を例えばサンプリングクロックの1周期だけシフトさせる。
これにより、常に最適なサンプリングタイミングでの補間処理が可能になると同時に、フィルタ特性に依存して精度よく補間できる領域が制限される構成、すなわち、分数遅延量を有限値とする構成のまま、回路規模を削減しつつ周波数誤差を補正することができる 。しかも、これにより、補間ポイントに対応する真のサンプリングタイミングに対して、常に同じタイミングでFFT窓が開始することになるため、サンプリングタイミングの補正を齟齬なく行うことができる。
また、本発明に係るOFDM復調装置では、上記周波数誤差検出手段は、上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号の位相の時間軸方向における位相回転量から、上記周波数誤差を検出することが好ましい。
上記の構成によれば、上記周波数誤差検出手段は、例えば、周波数誤差が含まれた時間軸上のデジタル放送波の信号をFFTにかけて周波数軸上の信号に変換し、周波数軸上に変換されたOFDM復調過程の信号からSP信号を取り出す。そして、それをシンボル方向に観測して、シンボル単位での位相回転量を求め、シンボル単位の位相回転量から1シンボルでのFFT窓シフト量を算出し、算出した1シンボルでのFFT窓シフト量から周波数誤差を算出する。
これにより、パイロット信号から周波数誤差を検出できるため、OFDM変調波の周波数誤差を容易に算出することが可能となる。
なお、この周波数誤差を求めるときに用いるパイロット信号は複数でもよく、それら複数のパイロット信号の各位相の積分を基にした値から周波数誤差を算出する構成であってもよい。あるいは、ある2つのパイロット信号の位相差を求め、それを複数のパイロット信号に対して行い、それらの積分を基にした値から周波数誤差を算出する構成であってもよい。
また、上記予め定められた範囲は、単一のバンドによって構成される周波数範囲であっても、複数のバンドによって構成される周波数範囲(群)であってもよい。
また、本発明に係るOFDM装置では、上記周波数誤差検出手段は、上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号のうち、振幅があらかじめ定められた閾値よりも大きいパイロット信号を用いて、上記周波数誤差を検出することが好ましい。
上記の構成によれば、より正確に周波数誤差を検出することが可能となる。
また、本発明に係るOFDM装置では、上記周波数誤差検出手段は、上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号のうち、上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号であって、あらかじめ定められた範囲内の周波数の信号から抽出されたパイロット信号を用いて、上記周波数誤差を検出することが好ましい。
上記の構成によれば、より正確に周波数誤差を検出することが可能となる。
また、本発明に係るOFDM装置では、上記周波数誤差検出手段は、上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号のうち、妨害波またはスプリアスノイズの影響を受けていないパイロット信号を用いて、上記周波数誤差を検出することが好ましい。
上記の構成によれば、より正確に周波数誤差を検出することが可能となる。
なお、上記受信装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記受信装置をコンピュータにおいて実現する受信プログラム、および、その受信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
また、上記OFDM復調装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記OFDM復調装置をコンピュータにおいて実現する復調プログラム、および、その復調プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明に係る受信装置は、第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化したアナログ信号を受信する受信手段と、受信したアナログ信号を上記第1の周波数発振器とは異なる第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングして第2のサンプル系列信号を生成するサンプリング手段と、上記第1の周波数発振器の基準信号と上記第2の周波数発振器の基準信号との周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段と、上記周波数誤差から、上記第1のサンプリングタイミングを特定するためのサンプリングタイミング誤差情報を生成するサンプリングタイミング誤差情報生成手段と、上記第2のサンプル系列信号から、上記サンプリングタイミング誤差情報によって特定される上記第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を予測するサンプリング値予測手段とを備えているることを特徴としている。
また、本発明に係る受信方法は、第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化して得られたアナログ化信号を受信する受信ステップと、受信したアナログ化信号を第1の周波数発振器とは異なる第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングして第2のサンプル系列信号を生成するサンプリングステップと、上記第1の周波数発振器の基準信号と上記第2の周波数発振器の基準信号との周波数誤差を検出する周波数誤差検出ステップと、上記周波数誤差から、上記第1のサンプリングタイミングを特定するためのサンプリングタイミング誤差情報を生成するサンプリングタイミング誤差情報生成ステップと、上記第2のサンプル系列信号から、上記サンプリングタイミング誤差情報によって特定される上記第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を予測するサンプリング値予測ステップとを含んでいることを特徴としている。
それゆえ、本発明に係る受信装置では、外部から受信したアナログ信号を真のサンプリングタイミング、すなわち、当該信号が送信される場合にサンプリングされたタイミングにおけるデータを補間することができるため、受信装置においてサンプリングされた信号に含まれる周波数誤差を補正することが可能となる。
しかも、ロジック部のみで周波数誤差を補正することができるため、製造プロセスの依存性を解消することができ、受信装置の生産性を向上させることが可能となる。
〔実施の形態1〕
(OFDM復調装置100の概要)
本発明の第1の実施形態に係るOFDM復調装置100について、図1に基づいて説明すれば以下のとおりである。図1は、本発明に係るOFDM復調装置100の構成を示すブロック図である。
OFDM復調装置100は、アナログデジタル変換器(ADC、サンプリング手段、オーバーサンプリング手段)101と、サンプリング受信部(オーバーサンプリング手段)102と、周波数誤差補正部(サンプリング値予測手段)103と、直交復調生成部(直交復調手段)104と、高速フーリエ変換演算部(FFT部、FFT演算手段)105と、周波数誤差検出部(周波数誤差検出手段)106と、サンプリング補正制御部(サンプリングタイミング誤差情報生成手段)107と、波形等化部108と、誤り訂正部109と、周波数発振器110と、位相ロックループ回路(PLL)111を備えている。また、OFDM復調装置100は、チューナー(受信手段)10に接続されている。
チューナー10は、アンテナを介して放送局からのデジタル放送波を受信し、RF(高周波)信号を周波数変換し、得られたアナログIF(中間周波数)信号をADC101に供給する。
周波数発振器110は、クロック信号を生成し、PLL111に供給する。PLL111は、周波数発振器からのクロック信号に基づいて、動作クロック信号を生成し、OFDM復調装置100の各部に供給する。そして、OFDM復調装置100の各部は、PLL111からの動作クロックに基づいて動作する。
ADC101は、IF信号をサンプリング(デジタル化)し、得られたデジタルIF信号をサンプリング受信部102に供給する。サンプリング受信部102は、デジタルIF信号に所定のフィルタ処理を施し、フィルタ処理済みのデジタルIF信号を周波数誤差誤差補正部103に供給する。サンプリング受信部102によるフィルタ処理としては、例えば、不要な帯域を除去するフィルタ処理などが挙げられる。なお、フィルタ処理が不要であれば、サンプリング受信部102は省略しても構わない。
周波数誤差補正部103は、サンプリング補正制御部107からの周波数誤差補正情報に基づいて、デジタルIF信号(以下、「デジタルIF信号」を、単に「IF信号」と呼称する)における周波数誤差をある量取り除いて補正する。ここで、サンプリング補正制御部107は、周波数誤差検出部106が検出した周波数誤差に基づいてサンプリングタイミングの補正に用いるサンプリングタイミング誤差を算出し、サンプリングタイミング誤差情報を周波数誤差補正部103に供給する。周波数誤差補正部103は、補正後のIF信号を直交復調生成部104に供給する。
直交復調生成部104は、補正後のIF信号を、設定されたキャリア周波数のキャリア信号を用いて直交復調し、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とからなるベースバンドOFDM信号を生成し、FFT部105に供給する。FFT部105は、ベースバンドOFDM信号に対して高速フーリエ変換(FFT演算)を行い、データ信号とパイロット信号とを含む周波数領域の複素信号に変換し、波形等化部108に供給する。なお、FFT部105は、後述するように、FFT演算の開始時刻を調整可能に構成されている。
波形等化部108は、FFT部105にて得られたデータ信号に対して波形等化を行い、フェージング等の影響を取り除き、誤り訂正部109に供給する。誤り訂正部109は、復元された送信ビット列に含まれる誤り訂正符号等を用いて、誤り訂正を行う。
本実施形態に係るOFDM復調装置100は、周波数誤差補正部103とFFT部105とによって周波数誤差を補正する構成に特徴を有している。そして、周波数誤差の補正はOFDM復調過程において繰り返し行われ、周波数誤差検出部106にて復調信号からある量の周波数誤差が取り除かれた補正後の周波数誤差が検出され、この検出された周波数誤差に基づいてサンプリング補正制御部107にて生成された周波数誤差補正情報に基づいて、周波数誤差補正部103とFFT部105とが周波数誤差を補正する。そして、周波数誤差を補正する一連の動作を繰り返すことによって、周波数誤差補正部103の出力時点での周波数誤差を0もしくは0付近に近づけることができる。
なお、周波数誤差補正部103、周波数誤差検出部106、および、サンプリング補正制御部107は、受信部1(受信装置)を形成している。本実施の形態では、受信部1は、OFDM復調装置100に一体的に備えられているが、有線・無線を問わず外部から伝送されるデジタルデータを受信する他の装置に備えられていてもよいし、独立した装置として構成されてもよく、特に限定はされない。
(分数遅延フィルタ)
OFDM復調装置100では、分数遅延(補間)フィルタを用いて、サンプリングデータを補間することにより、周波数誤差を補正する。分数遅延フィルタとしては、例えば、Lagrange補間フィルタやFarrow型フィルタや変形Farrow型フィルタなどがある。なお、分数遅延フィルタの詳細については、例えば、「Multirate Signal Processing for Communication Systems」(Fredric Harris, 2004, Prentice Hall)の「Chapter 7. Resampling Filters」を参照されたい。
入力されるサンプリンデータを{x(0),x(1),・・・,x(n−1),x(n),x(n+1),・・・}とすると、N次の分数遅延フィルタには、n番目のサンプリング値x(n)が入力された時点で、それ以前に入力されたN+1個のサンプリング値{x(n−N),x(n−N+1),・・・,x(n−1),x(n)}が格納されている。そして、分数遅延フィルタは、与えられた遅延量Dに対して、それ以前に入力されたN+1個のサンプリング値{x(n−N),x(n−N+1),・・・,x(n−1),x(n)}から、今入力されたサンプリング値x(n)に対してD遅延されたサンプリング値x(n−D)を補間処理により算出する。ここで、遅延量Dは、整数であっても、分数であってもよい。遅延量Dが整数の場合の補間処理を整数遅延処理と呼び、遅延量Dが分数の場合の補間処理を分数遅延処理と呼ぶ。図2は、x(4)が入力された直後の4次の分数遅延フィルタを示している。遅延量としてD=1+1/3が与えられた場合、図2に示したように、分数遅延フィルタは、それ以前に入力された5個のサンプリング値{x(0),x(1),x(2),x(3),x(4)}から、x(4−D)=x(2+2/3)を算出する分数遅延処理を行う。
(Lagrange補間フィルタ)
図3を参照して、Lagrange補間フィルタについて説明する。図3は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタの構成を示す図である。図3に示すFIRフィルタの係数は、数1によって定義される。
Figure 0005225812
このFIRフィルタは、レジスタに保持された整数時間における離散化データから遅延量Dに対応する補間ポイントn−Dでの値を求める補間フィルタであり、一般にLagrange補間フィルタと呼ばれる。Lagrange補間フィルタは遅延量Dが分数でも有効であり、分数遅延フィルタを実現することが可能となる。Lagrange補間フィルタでは、時間とともに補間したいターゲットポイントが変わる場合、その都度、数1の演算によってフィルタ係数を算出する必要がある。ただし、1係数当たりN個の乗算器が必要となるため、FIRフィルタ全体でN個の乗算器が必要となる。このFIRフィルタの伝達関数(Z関数)は、数2によって表される。
Figure 0005225812
また、このFIRフィルタの周波数特性は、数3によって表される。さらに、出力信号における遅延量の理論値Dint(以下、単に「遅延量Dint」と呼称する)は、数3の位相成分Θを用いて、数4によって表される。
Figure 0005225812
Figure 0005225812
このFIRフィルタ、すなわち、Lagrange補間フィルタのフィルタ特性について、図4を用いて説明する。図4は、N=7のLagrange補間フィルタにおいて、遅延量Dを変化させた場合のフィルタ特性を示す図であり、(a)は振幅周波数特性を示す図であり、(b)は数4によって算出された遅延量Dintを示す図であり、(c)は振幅および位相の両方を考慮した信号雑音電力比(SNR)を示す図である。なお、図4において、横軸は、周波数fをサンプリング周波数Fsにより規格化した規格化周波数である。また、図4(a)の縦軸はデシベル(dB)、図4(b)の縦軸はサンプリング周期Tsである。
図4(a)において|H|=0dBである周波数成分は、強度的には減衰しないでそのまま出力される。また、図4(b)より、出力信号から求めた遅延量Dintは、設定値Dと一致することがわかる。
そして、図4(a)において|H|=0dB、図4(b)においてDint≒Dとなる周波数領域が、このLagrange補間フィルタにおいて分数遅延処理の可能な周波数領域(以下では、分数遅延周波数領域と呼ぶ)となる。なお、Nを大きくすれば、分数遅延周波数領域は広がるが、回路規模も大きくなってしまう。
(Farrow Structure)
以下に、Farrow型分数遅延フィルタおよび変形Farrow型分数遅延フィルタについて説明する。図5は、Farrow型分数遅延フィルタの構成を示す図である。図5に示すとおり、Farrow型分数遅延フィルタは、複数の次数NのFIRフィルタをHoner結合したものである。ここで、数5〜7によって定義される行列式を考えると、数8に示すC(z)によって、図5に示すFarrow型分数遅延フィルタを構成するFIRフィルタは定義される。つまり、数6(数7)の係数行列Qのn番目の列ベクトルq(k)が、FIRフィルタC(z)のフィルタ係数に相当する。
Figure 0005225812
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Farrow型分数遅延フィルタも、Lagrange補間フィルタと同様、任意の遅延量Dでの補間が可能となる。しかし、Farrow型分数遅延フィルタでは、遅延量Dに関する乗算は全部でN−1である。したがって、Lagrange補間フィルタよりもFarrow型分数遅延フィルタの方が小さい回路規模で構成可能となる。
Farrow型分数遅延フィルタのフィルタ特性について、図6を用いて説明する。図6は、N=7のFarrow型分数遅延フィルタにおいて、遅延量Dを変化させた場合のフィルタ特性を示す図であり、(a)は振幅周波数特性を示す図であり、(b)は数4によって算出された遅延量Dintを示す図であり、(c)は振幅および位相の両方を考慮した信号雑音電力比(SNR)を示す図である。図6の縦軸および横軸は、図4と同様である。図4と同様、図6(a)において|H|=0dBである周波数成分(f≒−0.2Fs〜+0.2Fs)は、強度的には減衰しないでそのまま出力される。また、図6(b)より、出力信号から求めた遅延量Dintは、設定値Dと一致することがわかる。
なお、フィルタ係数の次数は、本発明を実際のシステムに適用する際に何を重視するかに応じて異なり、特に限定はされない。例えば、実際の補間タイミングを重視する場合には、図6(b)においてDint≒Dとなる周波数領域が、このFarrow型分数遅延フィルタで分数遅延処理が可能な周波数領域で検討する。また、振幅と位相をトータルに考慮したSNRで検討する方法もある。例えば、変調方式がQPSKの所要CNR(Carrier to Noise Ratio)は、符号化率によって微妙に変化するが4dB付近である。この場合には、SNR≧20dBの演算誤差は無視できる。したがって、図6の特性を有するフィルタでは、図6(c)より、f=−0.3Fs〜+0.3Fsの周波数帯域成分でSNR≧20dBの演算誤差が確保可能である。一方、64QAMの所要CNは、符号化率によって微妙に変化するが、20dB付近である。この場合には、SNR≒20dBの演算精度は、所要CNに影響を与えてしまうので、30dBもしくは40dB以上の演算精度が必要となる。図6(c)より、f=−0.2Fs〜+0.2Fsの周波数帯域成分でSNR≧40dBの演算誤差が確保可能である。このように、変調方式や符号化率等のパラメータが決まれば、必要な演算精度がきまる。要求する演算精度とフィルタの演算精度の比較で、フィルタ次数Nが決定できる。
Farrow型分数遅延フィルタの変形版として、変形Farrow型分数遅延フィルタがある。ここで行列T、行列Q’をそれぞれ数9、数10で定義すると、数11のC’n(z)で定義される複数のFIRフィルタを図5のようにHoner結合したものを、変形型Farrow型分数遅延フィルタと呼ぶ。つまり、Farrow型分数遅延フィルタと変形Farrow型分数遅延フィルタとでは、いずれも図5に示す構成であって、係数だけが異なる。
Figure 0005225812
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Farrow型分数遅延フィルタと変形Farrow型分数遅延フィルタは、補間ポイントの設定の仕方が異なるが、分数遅延処理という機能は共通である。Farrow型フィルタに与える遅延量Dは、図5のシフトレジスタの段数を考慮して、round(N/2)−1/2<D<round(N/2)+1/2(ここで、round(x)はxの四捨五入値)の範囲内で設定される。すなわち、round(N/2)を中心に±1/2の範囲内で設定される。一方、変形Farrow型フィルタに与える遅延量D´は、0を中心に±1/2の範囲内で設定される。すなわち、遅延量D’は、−1/2<D'<+1/2の範囲内で設定される。このように、遅延量の設定方法は異なる。しかし、遅延量Dと遅延量D’とがD’=D−round(N/2)の関係を満たすとき、Farrow型の遅延量Dに対する補間処理は、変形Farrow型の遅延量D’に対する補間処理に相当する。
以下の説明では、Lagrange補間フィルタまたはFarrow型分数遅延フィルタを利用する場合には、そのフィルタに遅延量Dを入力するものとし、変形Farrow型分数遅延フィルタを利用する場合には、そのフィルタに遅延量D’を入力するものとする。なお、Lagrange補間フィルタもしくはFarrow型分数遅延フィルタは、round(N/2)−1/2〜round(N/2)+1/2の範囲外にある遅延量Dを与えられた場合でも補間可能である。すなわち、遅延量Dを、例えば、round(N/2)+1もしくはround(N/2)−1を中心に±1/2のサンプリング点の範囲内で設定してもよい。また、round(N/2)からround(N/2)+1の範囲で設定してもよい。同様に、Farrow型分数遅延フィルタの分数遅延量D‘についても、0<D'<+1、もしくは、−1<D'<0の範囲で設定してもよい。
Lagrange補間フィルタと同様に、図6(a)で|H|=0dB、図6(b)でDint≒Dとなる周波数領域が、このFarrow型分数遅延フィルタで分数遅延処理が可能な周波数領域となる。また、分数遅延周波数領域は、回路規模に比例する。
なお、図4に示すN=7のLagrange補間フィルタや図6に示すFarrow型分数遅延フィルタでは、D=3〜4の分数遅延処理により、分数遅延周波数領域を広く確保することが可能である。このようにN次の分数遅延フィルタは、Farrow型分数遅延フィルタの場合にはround(N/2)−1/2〜−round(N/2)+1/2の範囲の分数遅延処理によって、変形Farrow型分数遅延フィルタの場合にはD=-1/2〜+1/2の分数遅延処理によって、分数遅延周波数領域を広く確保することが可能である。
(周波数誤差補正)
上述したとおり、本発明に係るOFDM復調装置100では、周波数誤差補正部103とFFT部105とによって、周波数誤差を補正する。
周波数誤差検出部106は、デジタル放送波のキャリア周波数(すなわち、送信側でのOFDM変調におけるサンプリング周波数)とOFDM復調装置100においてPLL111から供給される動作クロック周波数(すなわち、受信側でのOFDM復調におけるサンプリング周波数)との周波数誤差αを検出し、サンプリング補正制御部107に供給する。ここで、送信側でのOFDM変調により得られたデジタル信号が、特許請求の範囲における第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号に対応する。そして、受信側でのOFDM復調の対象となるデジタル信号(ADC101により生成されるデジタル信号)が、特許請求の範囲における第2のサンプリングタイミングでサンプリングして生成される第2のサンプル系列信号に対応する。
サンプリング補正制御部107は、周波数誤差αから、周波数誤差を補正するための情報として、サンプリングタイミング誤差を算出し、その分数部分を周波数誤差補正部103に供給する。サンプリングタイミング誤差は、OFDM復調装置100において受信したデジタル放送波をサンプリングするときのサンプリングタイミングと、真のサンプリングタイミング(放送局でのOFDM変調時のサンプリングタイミング)との差である。サンプリング補正制御部107におけるサンプリングタイミング誤差の算出方法について、より詳細に説明すれば以下のとおりである。
OFDM復調装置100における受信側サンプリング周波数をF's、真のサンプリング周波数をFs、真のサンプリングクロック周期をTsとすると、受信側サンプリングクロック周期T'sは、周波数誤差αを用いて数12によって表される。
Figure 0005225812
また、クロック1周期あたりのサンプリングタイミング誤差δTs(受信側サンプリングクロック周期T'sに対する、真のサンプリングクロック周期Tsのズレ)は、数13によって表される。
Figure 0005225812
そして、例えば、OFDM復調装置100においてMT's時間が経ったときには、全誤差は、数13に示すδTsのM倍となる。したがって、受信側サンプリング周波数F'sで動作する分数遅延フィルタでサンプリングタイミング誤差MδTs(秒単位)を補正すれば、真のサンプリングタイミングでの値を抽出することが可能となる。
サンプリング補正制御部107は、サンプリングタイミング誤差を、秒単位ではなく、受信側サンプリングクロック周期単位で算出する。すなわち、サンプリング補正制御部107は、数14によって周波数誤差αからサンプリングタイミング誤差Δを算出する。
Figure 0005225812
そして、サンプリング補正制御部107は、算出したサンプリングタイミング誤差Δを、整数部Δintと分数部分(小数部)Δfracとに分解する(Δ=Δint+Δfrac)。そして、サンプリングタイミング誤差Δの分数部Δfracを、サンプリングタイミング誤差情報として周波数誤差補正部103に与え、また、サンプリングタイミング誤差Δの整数部Δintを、サンプリングタイミング誤差情報としてFFT部105に与える。
周波数誤差補正部103は、サンプリングタイミング誤差情報Δfracを受け取ると、サンプリングタイミング誤差情報Δfracに応じた分数遅延フィルタ処理を実行する。例えば、分数遅延フィルタとしてN次のLagrangeフィルタまたはFarrow型分数遅延フィルタを用いる場合、D=round(N/2)−Δfracを分数遅延フィルタに入力することによって、真のサンプリングタイミングにおけるサンプル値を得る。また、分数遅延フィルタとしてN次の変形Farrow型分数遅延フィルタを用いる場合には、D’=−Δfracを分数遅延フィルタに入力することによって、真のサンプリングタイミングにおけるサンプル値を得る。
一方、FFT部105は、受信側サンプリング周波数F'sで動作しており、FFT演算の開始時刻を受信側サンプリングクロック周期T's単位でシフトさせることができる。そして、サンプリングタイミング誤差情報Δの整数部Δintが変化したら、すなわち、サンプリングタイミング誤差MδTs(秒単位)が±T's変化したら、それを相殺するようにFFT演算の開始位置を±T'sシフトさせる。
この様に、サンプリングタイミング誤差情報Δの分数部Δfracを周波数誤差補正部103で、整数部ΔintをFFT演算部105で補正することによって、サンプリングタイミング誤差情報Δ全体の補正が可能となる。
より具体的には、周波数誤差補正部103は、Lagrangeフィルタの場合には数15によって、Farrow型分数遅延フィルタの場合には数16によって、変形Farrow型分数遅延フィルタの場合には数17によって、遅延量DまたはD'に対応する補間ポイントにおけるサンプリング値を補間する。Lagrange補間フィルタおよびFarrow型分数遅延フィルタは、上述したように、n番目のサンプリング値x(n)が入力された時点で、D遅延されたサンプリング値x(n−D)を補間により求める。具体的には、Lagrange補間フィルタは、N+1個のサンプリング値{x(n−N),x(n−N+1),・・・,x(n−1),x(n)}を参照して、数15に従ってx(n−D)を算出する。また、Farrow型分数遅延フィルタは、N+1個のサンプリング値{x(n−N),x(n−N+1),・・・,x(n−1),x(n)}を参照して、数16に従ってx(n−D)を算出する。また、変形Farrow型分数遅延フィルタは、N+1個のサンプリング値{x(n−N),x(n−N+1),・・・,x(n−1),x(n)}を参照して、数17に従ってx(n−D)を算出する。ただし、数17からも分かるように、x(n−D)を算出する際、変形Farrow型分数遅延フィルタには、遅延量Dそのものではなく、D’=D−round(N/2)を指定(入力)する必要がある。
Figure 0005225812
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上述したとおり、LagrangeフィルタおよびFarrow型分数遅延フィルタには、D=round(N/2)−Δfracを入力すれば良い。一方、変形Farrow型分数遅延フィルタには、D’=−Δfracを入力すれば良い。これによって、LagrangeフィルタまたはFarrow型分数遅延フィルタを分数遅延フィルタとして用いる場合にも、変形Farrow型分数遅延フィルタを分数遅延フィルタとして用いる場合にも、サンプリング周期T's内の同じタイミングで補間を行うことができる。
なお、DおよびD’は遅延量なので現在から過去に向かってその時間軸が設定されている。一方、タイミング誤差情報Δは現在から未来に向かって時間軸が設定されているので、Δfracの前にマイナス符号をつけた。フィルタの実装でDやD’の時間軸が、Δと同様に現在から未来に定義されている場合にはD=round(N/2)+Δfrac、D’=+Δfracとなる。この様に分数遅延フィルタに分数部Δfracを入力する場合には、Δfrac、D、D’における時間軸の向きに注意する必要がある。
なお、分数部Δfracの取りうる範囲は、−0.5≦Δfrac<+0.5や、0≦Δfrac<+1などが考えられる。実装に用いるサンプリング値予測手段の特性や、制御回路の仕様などから、最適な定義を採用して問題無い。整数部は分数部Δfracにあわせて定義すればよい。
なお、数16のフィルタ係数qn(k)は、数7の行列Qの要素Q(n,k)であり、Σqn(k)x(n−k)が図5に示すFarrow型フィルタを構成する各FIRフィルタCn(z)に相当し、Σ{D(Σqn(k)x(n−k))}が図5に示すHonerの方法に相当する。また、数17のフィルタ係数q'n(k)は、数10の行列Q'の要素Q'(n,k)である。
そして、本実施形態に係るOFDM復調装置100では、周波数誤差検出部106、サンプリング補正制御部107、周波数誤差補正部103、および、FFT部105における以上の処理を繰り返すことにより、周波数誤差補正部103の出力時点での周波数誤差を0もしくは0近傍に収束させる。
OFDM復調装置100における周波数誤差の補正について図7および図8を用いて、処理概要を説明すれば以下のとおりである。
図7は、OFDM復調装置100のサンプリングタイミングと真のサンプリングタイミングとのサンプリングタイミング誤差を説明する図である。図7に示す例では、OFDM復調装置100の動作クロックのサイクルはT'sであり、T'sごとにサンプリングが行われるが、放送局でのデジタルベースバンド処理におけるサンプリングのクロックサイクルはTsであり、1周期ごとにδTsの誤差が発生する様子が示されている。ここで、OFDM復調装置100のサンプリングタイミングと真のサンプリングタイミングとが一致しているタイミングをt=0とすると、t=T'sのサンプリング時のタイミング誤差はδTs、t=2T'sのサンプリング時のタイミング誤差はδTs×2、t=3T'sのサンプリング時のタイミング誤差はδTs×3となる。つまり、t=MT'sのサンプリング時のタイミング誤差は、MδTsとなる。
このとき、サンプリング補正制御部107が、周波数誤差検出部106から受け取った周波数誤差αを用いて、数14によってサンプリングタイミング誤差Δ=Mαを算出する。そして、サンプリングタイミング誤差Δの分数部Δfracを周波数誤差補正部103に供給し、サンプリングタイミング誤差Δの整数部ΔintをFFT部105に供給する。そして、周波数誤差補正部103は、サンプリングタイミング誤差Δの分数部Δfracを参照して、真のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を算出し、FFT部105は、サンプリングタイミング誤差Δの整数部Δintを参照してFFT演算の開始位置をシフトする。
なお、Lagrangeフィルタは、フィルタ係数h(k,D)を変えない限り、同じ補間ポイントにおける補間値を算出する。一方、Farrow型分数遅延フィルタ、および、変形Farrow型分数遅延フィルタは、フィルタ係数qn(k)、および、q'n(k)のいずれも常に固定であるものの、図5に示す乗算器(×D)の値を変えることにより、補間処理を行うポイントをダイナミックに変えることが可能である。
図8は、変形Farrow型分数遅延フィルタを用いた補間処理のイメージを示す図であって、(a)はあるサンプリングタイミング(t=4T's)における補間処理のイメージを示す図であり、(b)は(a)の次のサンプリングタイミング(t=5T's)における補間処理のイメージを示す図である。
図8に示す例では、時刻t=4T'sにおいては、(a)に示したように、レジスタに格納されているX(0)〜X(4)の5つのサンプリング値から、真のサンプリングタイミング(遅延量D'に対応する補間ポイント)におけるサンプリング値X(4−D)=X(2−D’)を算出し、時刻t=5T’sにおいては、(b)に示したように、レジスタに格納されているX(1)〜X(5)の5つのサンプリング値から、真のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値X(5−D)=X(3−D’)を算出する。図8に示す変形Farrow型分数遅延フィルタの例では、遅延量D’=−Δfracであり、周波数誤差補正部103が、数17の演算を行う。
これにより、OFDM復調装置100における各サンプリングタイミングにおいて、真のサンプリングタイミング(OFDM変調を行う放送局でのサンプリングタイミング)におけるデータが順次補間されるため、周波数誤差を補正することが可能となる。
なお、本発明に係るOFDM復調装置は、ダイレクトコンバージョン方式のチューナーに接続して用いられる構成であってもよい。図9は、本発明に係る他のOFDM復調装置200の構成を示すブロック図である。図9に示すとおり、OFDM復調装置200は、ダイレクトコンバージョン方式のチューナー20に接続して用いられる。チューナー20は、放送局からのデジタル放送波を受信し、直交復調してIチャネル信号とQチャネル信号とからなるベースバンドOFDM信号を生成し、OFDM復調装置200に供給する。OFDM復調装置200に含まれる各ブロックは、図1に示したOFDM復調装置100において同一の参照符号を付したブロックと同一の機能を有しており、チューナー20からのIチャンネル信号およびQチャネル信号に対して、上述したサンプリング受信および周波数誤差の補正を行い、OFDM復調装置100と同じ動作によって周波数誤差を補正する。なお、Iチャネル信号とQチャネル信号は独立な信号であるので、ADC101、サンプリング受信部102、周波数誤差補正部103は、Iチャネル信号とQチャネル信号用に同じ回路を2個並列に実装する。
また、図1はIF方式チューナの場合、図9はゼロIF方式チューナの場合の、本発明実施の構成例である。図1ではデジタルIF信号を、図9ではデジタルBB信号のI・Q成分2系統を独立に周波数誤差補正部103で補正する。しかし、図1の場合でも、デジタル直交検波部104でデジタルBB信号が生成されるので、このI・Q成分2系統を独立に周波数誤差補正部103で補正する構成で実施しても良い。
(オーバーサンプリング)
オーバーサンプリングを用いて周波数誤差を補正する構成における分数遅延フィルタの処理とその制御について説明する。なお、OFDM復調装置100では、ADC101、または、サンプリング受信部102においてオーバーサンプリングが行われる。
Lagrange補間フィルタやFarrow型分数遅延フィルタは、図4や図6に示すように、ナイキスト領域全体が分数遅延周波数領域とはならない。仮に、ナイキスト領域の80%程度の範囲を分数遅延周波数領域にするには、Lagrange補間フィルタやFarrow型分数遅延フィルタの次数は、N≧200となるため、回路実装が現実的ではなくなる。
そこで、用途に応じて要求される分数遅延周波数領域を確保できるフィルタを設計することになる。つまり、所望する分数遅延周波数領域の幅をFとして、f=−F/2〜+F/2の範囲において分数遅延処理の可能なフィルタを設計することを考える。実際のOFDM復調装置の設計では、OFDM波の周波数帯域において許容されるキャリア周波数誤差のマージンの和がFに相当する。
ところで、図6(b)から、±0.2Fsの範囲の周波数領域では正しく分数遅延処理が行われており、誤差が小さいことがわかる。したがって、サンプリング周波数が、Fs=5Fであれば、±F(=±0.2×5F)の周波数領域においては、正しく分数遅延処理が行われることになる。つまり、規準クロック周波数では所望の分数遅延周波数領域を実現できない場合、所望の分数遅延周波数領域に応じてサンプリング周波数をオーバーサンプリング状態に変換することによって、所望の周波数領域全体における補間が可能となる。上述した「Multirate Signal Processing for Communication Systems」によれば、整数倍のサンプリング周波数のレート変換は、デジタル信号処理にこえる一般的な技術である。そして、このレート変換をOFDM復調装置100に適用することにより、次数Nの低いFarrow型分数遅延フィルタによって、広範な分数遅延周波数領域を実現できる。そして、このサンプリングレートの変換機能と次数Nの低いFarrow型分数遅延フィルタとを組み合わせた構成は、N≧200のフィルタよりも小規模で容易に実装可能である。
なお、サンプリング周波数は、Fs=5Fに限定されるものではない。例えば、図6(b)より、誤差を低減する必要がある場合には、さらに変換レートを高めにする必要がある。逆に、誤差よりも消費電力の低減を重視してサンプリング周波数を低くしたい場合には、レート変換比を小さめにする必要がある。
(分数遅延処理シフト)
図10は、本発明に係る他のOFDM復調装置300の構成を示すブロック図である。OFDM復調装置300は、図1に示したOFDM復調装置100と同じブロックを備えており、OFDM復調装置300に含まれる各ブロックは、図1に示したOFDM復調装置100において同一の参照符号を付したブロックと同一の基本機能を有している。以下では、OFDM復調装置300の各ブロックにおいて、図1のOFDM復調装置100とは異なる動作について説明する。
図1のOFDM復調装置100との違いは、サンプリング補正制御部107から周波数誤差補正部103にサンプリングクロックシフト量を供給している点と、同じくサンプリング補正制御部107からFFT部105にFFT窓シフト量を供給している点にある。
上述したとおり、例えば、変形Farrow型フィルタでは、遅延量D’=−Δfrac(分数遅延量)であるが、遅延量D’は、そのフィルタ特性が図6の様な特性であるならば、その演算誤差を考慮すれば、Nが偶数の場合には−1/2<D´<+1/2の範囲内に、Nが奇数の場合には0<D´<1の範囲内に設定されるのが好ましい(上限値および下限値はいずれも受信側サンプリングクロック周期単位)。そのため、分数遅延量が有限値(例えば、−1/2〜+1/2)の範囲を超える場合においても齟齬なく周波数誤差を補正させる構成が必要となる。なお、有限値の範囲が、特許請求の範囲における所定のサンプリングタイミングの範囲に対応する。
以下に、OFDM復調装置300の動作について説明する。上述したサンプリングクロックシフト量およびFFT窓シフト量は、分数遅延量が上述した有限値を超えた場合に使用されるものであり、OFDM復調装置300のでは、周波数誤差補正部103へのサンプリングクロックシフト量とFFT部105へのFFT窓シフト量とを連動させて供給することにより、分数遅延量が有限値を超えた場合でも齟齬なく周波数誤差を補正する構成を実現している。
OFDM復調装置300において経過する時間を上述したMT's(T'sはOFDM復調装置300におけるサンプリング周期)と表す場合、復調を継続すると、時間の経過に伴ってMの値は単調に増加する。しかし、分数遅延フィルタで補正できる領域は有限であり、Mが大きくなると、サンプリングタイミング誤差Δ=Mαは上述した有限値を超えてしまう。
ここで、変形Farrow型分数遅延フィルタの場合を例にとると、遅延量D’=−Δfracは、−1/2〜+1/2に設定されている。そこで、OFDM復調装置300では、Mが増加した結果、D'=+−1/2になったら、図11のように、D'=−+1/2に変更する。図11は、サンプリング値を補正する例を示す図である。図11の各行はシンボル内のタイミングを表している。各行の左から右へとサンプリング単位で、また、上の行から下の行へとシンボル単位で時間が進行する。図11において、太い矢印が動作クロックによる受信側サンプリングタイミング、細い矢印が放送波の真のサンプリングタイミングを示す。周波数誤差が一定である場合には、図11の様に真のタイミングは時間とともに一定の間隔でシフトする。なお、シンボル全体はサンプリングクロック周期で表示するのは困難なので、図11ではFFT窓位置付近のみを拡大して表示した。また、同時に、FFT窓をD'の変化の逆方向に1T'sだけシフトさせる。これはサンプリングタイミング誤差Δの整数部Δintと分数部Δfracが逆方向に1T'sシフトすることに相当する。シフト前後ではトータルのΔは不変である。この処理によって、遅延量D'やΔfracを、−1/2〜+1/2に設定することが可能となる。なお、図11においては、受信側サンプリングクロックの立ち下りタイミングで処理を行うものとしているが、逆に、立ち上がりタイミングで処理を行うようにしてもよい。その場合は、その場合には、図中の立ち上がりと立下りを逆転させれば良い。
例えば、図8(b)に示す状態が例えばD'=2/3とすると、遅延量D’は、有限値(=1/2)を超えており、精度よく補間値を算出することができない。図8に示す例では、真のサンプリングタイミングに対応する遅延量D'として、n=0を基準サンプリングタイミングとした分数遅延量が設定される。しかし、遅延量D'に対応する補間ポイントは、n=0のサンプリングタイミングよりn=1のサンプリングタイミングに近い。つまり、n=0を基準サンプリングタイミングとする代わりに、n=1を基準サンプリングタイミングとした遅延量D'を用いることによって、遅延量D’を有限値−1/2〜+1/2の範囲に収めることができ、精度よく補間値(真のサンプリングタイミングのサンプリング値)を算出することができる。
このような基準サンプリングタイミングの更新は、サンプリングクロック毎に算出されるサンプリングタイミング誤差Δ(サンプリングクロック単位)を整数部Δintと分数部Δfracとに分け、遅延量D'をD'=−Δfracと設定することによって実現される(D’を−1〜0の範囲に収める場合)。D’を−1/2〜+1/2に収めるのであれば、例えば、(Δ+1/2)の分数部から1/2を減算することにより遅延量D’を算出するようにすればよい。サンプリング補正制御部107は、このようにして算出した遅延量D’をサンプリングクロックシフト量として周波数誤差補正部103に供給するとともに、同時に算出された(Δ+1/2)の整数部をFTT窓シフト量としてFTT部105に供給する。あるいは、整数部によるシフトを考慮したFFT窓の開始タイミング生成し、開始タイミングをFFT部105に供給するように構成してもよい。
周波数誤差補正部103は、(1)新たなデータを変形Farrow型分数遅延フィルタにラッチし、(2)遅延量D'をサンプリング補正制御部107から取得し、(3)取得した遅延量D'を変形Farrow型分数遅延フィルタに入力することによって、新たなサンプリング値を得る、という一連の処理をサンプリングクロック毎に繰り返す。同時に、FFT部105は、(1)FFT窓シフト量(Δ+1/2の整数部)をサンプリング補正制御部107から取得し、(2)取得したFFT窓シフト量が前回取得したFFT窓シフト量と比べて±1増減したとき(かつ、そのときに限って)、FFT演算の開始位置を±T'sシフトさせる、という一連の処理をサンプリングクロック毎に繰り返す。あるいは、周波数誤差補正部103が供給するFFT窓開始タイミングにしたがって、FFT窓を設定してFFT処理を行うように構成してもよい。
これにより、分数遅延量は常に有限値を超えることはなく、D'は−1/2〜+1/2の範囲に収まる。また、図11に示すとおり、サンプリングクロックに対して、常に、同じタイミングでFFT窓が開始することになる。つまり、補間ポイントの範囲の制約(すなわち、分数遅延量の範囲の制約)を受けることなく、無限時間で周波数誤差によるサンプリングタイミング誤差を補正することが可能となる。
(オーバーサンプル状態での補間処理)
また、オーバーサンプル状態にて分数遅延処理を行なうと、分数遅延周波数領域が実効的に広くなることは上述した説明のとおりであるが、ここでは、FFTの規準サンプリングクロック周波数Fsの4倍にオーバーサンプルして分数遅延処理を行なう場合について考える。オーバーサンプリングして分数遅延処理を行う場合においても、最終的なタイミング補正の目標は、Fsクロックにおける誤差を補正することである。したがって、基準サンプリングクロックに対する分数遅延(D’=−1/2〜+1/2)を行なうためには、オーバーサンプリングクロックに対する整数遅延(D’=±0、±1、±2、±3)(以下、「オーバーサンプル整数遅延」と呼称)と、オーバーサンプリングクロックに対する分数遅延分数遅延(D’=−1/2〜+1/2)(以下、「オーバーサンプル分数遅延」と呼称)の両方が必要となる。
この場合、サンプリングクロックシフト量を受ける周波数誤差補正部103は、サンプリングクロックシフト部が追加された構成となる。図12は、整数遅延処理に対応した周波数誤差補正部103の具体的な構成を示す図である。
図12に示すとおり、周波数誤差補正部103は、オーバーサンプル整数遅延(D’=±0、±1、±2、±3)のための整数遅延部1032および1033と、オーバーサンプル分数遅延(D’=−1/2〜+1/2)のための分数遅延部1031を備えた構成である。整数遅延部1032は、周波数偏差が負のとき周波数誤差を補正する整数遅延部であり、整数遅延部1033は、周波数偏差が正のときの周波数誤差を補正する整数遅延部である。つまり、オーバーサンプル状態にて分数遅延処理を行う場合には、図12に示す構成によってオーバーサンプル分数遅延量をシフトさせながらオーバーサンプル整数遅延量もシフトさせる。
以下に、オーバーサンプリング状態でのオーバーサンプル整数遅延およびオーバーサンプル分数遅延について、より詳細に説明する。オーバーサンプリングを行わない場合(すなわちFsクロック)において、分数遅延量が有限値を超えたときに、オーバーサンプル分数遅延量をD'=+−1/2からD'=−+1/2に変更すると同時に、FFT窓の開示タイミングを逆方向にシフトさせる処理が必要であることは上述した説明のとおりである。
これに対して、オーバーサンプリングのレート変換比率が整数のオーバーサンプリング状態の場合には、例えば、オーバーサンプリングクロックが4Fsクロックのときには、オーバーサンプル遅延量をD'=+−1/2からD'=−+(4−1/2)に変更し、FFT窓の開始タイミングを逆方向にFsクロック、1周期T'sだけシフトさせることになる。つまり、オーバーサンプリング状態に応じたオーバーサンプル整数遅延量のシフトが必要となるが、図12のように、周波数誤差補正部103を、分数遅延フィルタ1031の前後に、トータルのオーバーサンプル遅延量がセレクタによって選択可能な整数遅延部1032および1033を設けた構成とすることで、オーバーサンプル整数遅延量のシフトが可能となる。
また、ベースバンド処理部全体の制約によって、レート変換比が非整数の場合がある。例えば、4.5倍のオーバーサンプリングのときには、4.5Fsクロックのオーバーサンプル整数遅延(D’=±0、±1、±2、±3)とオーバーサンプル分数遅延(D’=−1/2〜+1/2)の両方でタイミング調整を行う。
ただし、この場合、FFT窓開始タイミングは、あくまでFFT基準クロック周波数の周期Ts単位でシフトさせるため注意が必要となる。したがって、オーバーサンプリングクロックが4.5Fsクロックのときには、オーバーサンプル遅延量をD'=+−1/2からD'=−+(4.5−1/2)に変更するが、FFT窓の開始タイミングを逆方向にFsクロック、1周期Ts、すなわち、オーバーサンプリングクロックが4Fsクロックのときと同じだけシフトさせることになる。
以上の説明では、レート変換比が4倍と4.5倍の場合を例に説明したが、レート変換比率はこれに限定される訳ではない。分数遅延処理の演算精度やベースバンド信号処理の要請に応じて任意のレート変換比において同様の方法で実施可能である。
(周波数誤差検出)
図13は、本発明に係る他のOFDM復調装置400の構成を示すブロック図である。OFDM復調装置400は、図1に示したOFDM復調装置100と同じブロックを備えており、OFDM復調装置400に含まれる各ブロックは、図1に示したOFDM復調装置100において同一の参照符号を付したブロックと同一の基本機能を有している。以下では、OFDM復調装置400の各ブロックにおいて、図1のOFDM復調装置100とは異なる動作について説明する。
図13のOFDM復調装置400では、周波数誤差検出部106が、OFDM復調過程においてFFT部205から出力される周波数領域の複素信号からSP(Scattered Pilot)信号を取り出し、このSP信号の時間方向の位相回転量から周波数誤差αを求める。ここで、この位相回転量から周波数誤差を求める為の一例を挙げる。
FFTのサンプリング点数をN、ガードインターバル比をgとすると、有効シンボル期間はN[Ts’]となり、シンボル期間は(1+g)N[Ts’]となる。1シンボル後のサンプリングタイミング誤差の累積誤差δTsymは、数14から、数18によって表される。
Figure 0005225812
また、FFT窓をτ[Ts’]をシフトさせたときのFFT出力キャリアkの位相回転量ψ(k)は、数19によって表される。
Figure 0005225812
数18および数19より、前記1シンボル後のサンプリングタイミング誤差の累積誤差と同等の意味を有する1シンボル当たりのFFT窓シフト量δTsymによって生じる位相回転量の変化θ(k)は、数20によって求められる。
Figure 0005225812
そして、数20の位相回転量から、数21によって、周波数誤差αが求められる。
Figure 0005225812
すなわち、OFDM復調装置400では、周波数誤差検出部106が、FFT部105から出力された周波数軸情報に変換された信号からSP信号を取り出し、このSP信号を時間軸方向に観測して、その位相回転量を、1シンボル当たりの回転量に変換することにより、周波数誤差を検出することができる。
さらに、FFT部105から出力される周波数領域の信号から抽出したSP信号のうち、位相の信頼度が低いもの、より具体的には、次の(1)〜(3)に該当するものを周波数誤差の検出に使用しないことにより、周波数誤差値の精度を向上させることが可能となる。SP信号は、(1)SP信号の振幅が小さい、(2)FFT出力の中心周波数キャリアもしくはその付近、妨害波の影響を受けている、(3)スプリアスノイズの影響を受けている、などの場合には、ノイズの影響を強く受けている、もしくは、値の精度が低くなるため、SP信号の位相の信頼度が低い。
SP信号の振幅が小さいか否かは、直接SPの振幅を求めたり、あるいは、振幅の2乗の値を求めて、予め定められた閾値と比較して判定する。また、FFT出力の中心周波数キャリアまたはその付近(あらかじめ定められた範囲内の周波数)か否かは、使用するFFT出力のタイミングによって判別することができる。図14は、周波数誤差による窓位置シフトとFFT出力のキャリアの位相回転との関係を示す図である。図14に示すとおり、中心周波数キャリア付近のキャリアの位相回転は小さくなる。これにより、中心周波数キャリアの場合、数21の分母が0になって値が求まらない、もしくは、中心周波数キャリア付近では数21の分子の値そのものが小さくなり、精度が悪くなるため、信頼度が低くなる。さらに、妨害波の影響を受けているか否か、あるいは、スプリアスノイズの影響を受けているか否かを判定する方法の一例として、振幅の変動を時間軸方向で調べ、定常的に高い振幅を持ったものを妨害波もしくはスプリアスノイズの影響を受けていると判定する構成が挙げられる。定常的に高い振幅を持ったSP信号の位相は、窓位置シフトによる位相変化よりも妨害波もしくはスプリアスノイズの位相が強く影響されるため、信頼度は低くなる。
したがって、周波数誤差検出部106は、FFT部105からの出力に含まれるSP信号が上記(1)〜(3)に該当するか否かを判定し、該当しないSP信号、すなわち、位相の信頼度が高いSP信号のみを用いて、周波数誤差を検出する構成とすることで、算出する周波数誤差値の精度を向上させることが可能となる。
最後に、上記の説明で用いたガードインターバル比、有効シンボル期間、および、シンボル期間について、簡単に説明する。
OFDM変復調方式における伝送シンボルは、ガードインターバルと、ガードインターバルに続く有効シンボルとにより構成されている。伝送シンボルを時間軸上に表現したとき、ガードインターバルが占める期間をガードインターバル期間と呼び、有効シンボルが占める期間を有効シンボル期間と呼ぶ。伝送シンボルが時間軸上で占めるシンボル期間は、当然、ガードインターバル期間と有効シンボル期間との和になる。ガードインターバル期間における伝送シンボルの波形は、有効シンボル期間の末尾の波形と同一になっている。そして、有効シンボル期間に対するガードインターバル期間の比を、ガードインターバル比gと呼ぶ。なお、詳細については、非特許文献1を参照されたい。
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、OFDM復調装置100,200,300,400の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
例えば、本発明は以下のように表現、あるいは、変形することができる。
1.所定のパターンで配置されたパイロット信号を含むサブキャリアの集合を特定の周波数発信器を基に生成されたクロックを用いて直交周波数分割多重変調(OFDM)されたデジタル送信波を前記周波数発信器とは別の周波数発信器を基に生成されたクロックを用いて受信・復調したときの周波数誤差を補正するOFDM復調装置であって、前記OFDM復調装置側の周波数発信器を基に生成されたクロックを用いてサンプリングした受信サンプル系列信号を生成するサンプリング受信部と、前記周波数誤差検出部が検出した周波数誤差情報から真のサンプリングタイミングに相当する分数遅延量を算出するサンプリング補正制御部と、前記受信サンプル系列信号の前期分数遅延量でのサンプリング値を補間処理する事により前記周波数誤差を補正した補正信号を生成する周波数誤差補正部と、
を備えていることを特徴とするOFDM復調装置。
2.1に記載のOFDM復調装置において、オーバーサンプリング手段を有し、前記オーバーサンプリング手段は請求項1記載のサンプル列のサンプリング周波数を規準クロック周波数に対しオーバーサンプリング状態に変換し、1に記載の補間処理が前記オーバーサンプリングされたデータ列の補間処理を行なうことを特徴とするOFDM復調装置。
3.2に記載のOFDM受信装置において、時間軸情報から周波数軸情報の信号に変換するFFT部(Fast Fourier Transform)と、FFT演算開始位置をずらすFFT窓位置制御手段を有し、1に記載のサンプリング補正制御部があらかじめ定められた値を超える遅延量を算出した際に規準サンプリングクロック1周期分だけシフトした分数遅延量を出力し、FFT窓位置制御手段はFFT窓位置を規準サンプリングクロック1周期分だけ同時にシフトさせることで、サンプリングタイミング補正を常に処理することが可能となることを特徴とするOFDM受信装置。
4.1に記載のOFDM受信装置において、時間軸情報から周波数軸情報の信号に変換するFFT部(Fast Fourier Transform)と、前記周波数軸情報に変換された信号に含まれる前記パイロット信号から位相を取り出しこの時間軸方向における位相回転量から前記周波数誤差を検出する周波数誤差検出部と、を備えていることを特徴とするOFDM復調装置。
5.4に記載のOFDM受信装置において、周波数誤差検出に用いるパイロット信号に、振幅の小さなものかつ、FFT出力の中心周波数もしくはその付近のものかつ、妨害波の影響を受けているものかつ、スプリアスノイズの影響を受けているもの、を用いないことを特徴とするOFDM復調装置。
なお、上記実施形態のOFDM復調装置の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、インターフェース部などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態のOFDM復調装置の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は、デジタル伝送方式にて、映像信号や音声信号を効率よく伝送できる受信装置に適用することができ、特に、OFDM復調装置、OFDM復調方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に好適である。また、OFDM方式に従って信号を受信する装置、例えば、無線LANのための復調装置、PLC(Power Line Communication)のための復調装置、3GPPが規定する携帯電話規格の第3.9世代規格(LTE:Long Term Evolution)や第4世代規格の為のOFDM復調装置、BSデジタル放送、CSデジタル放送を受信するための復調装置、ケーブルテレビの復調装置に対しても本発明を適用することができる。
本発明に係るOFDM復調装置の構成例を示すブロック図である。 分数遅延フィルタによる補間処理を示す図である。 FIRフィルタの構成を示す図である。 Lagrange補間フィルタにおいて、補間ポイントを変化させた場合のフィルタ特性を示す図であり、(a)は振幅周波数特性を示す図であり、(b)は位相特性を考慮した実際の補正タイミングDintを示す図であり、(c)は振幅および位相の両方を考慮したSNRを示す図である。 Farrow型分数遅延フィルタの構成を示す図である。 Farrow型分数遅延フィルタにおいて、補間ポイントを変化させた場合のフィルタ特性を示す図であり、(a)は振幅周波数特性を示す図であり、(b)は位相特性を考慮した実際の補正タイミングを示す図であり、(c)は振幅および位相の両方を考慮したSNRを示す図である。 OFDM復調装置のサンプリングタイミングと真のサンプリングタイミングとのサンプリングタイミング誤差を説明する図である。 変形Farrow型分数遅延フィルタを用いた補間処理のイメージを示す図であって、(a)はあるサンプリングタイミングにおける補間処理のイメージを示す図であり、(b)は(a)の次のサンプリングタイミングにおける補間処理のイメージを示す図である。 本発明に係るOFDM復調装置の構成例を示すブロック図である。 本発明に係るOFDM復調装置の構成例を示すブロック図である。 サンプリング値を補正する例を示す図である。 整数遅延処理に対応した周波数誤差補正部の構成を示す図である。 本発明に係るOFDM復調装置の構成例を示すブロック図である。 周波数誤差による窓位置シフトとFFT出力のキャリアの位相回転との関係を示す図である。
符号の説明
1 受信部(受信装置)
10 チューナ(受信手段)
20 ダイレクトコンバージョン方式チューナ
100 OFDM復調装置
200 OFDM復調装置
300 OFDM復調装置
400 OFDM復調装置
101 ADC(サンプリング手段、オーバーサンプリング手段)
102 サンプリング受信部(オーバーサンプリング手段)
103 周波数誤差補正部(サンプリング値予測手段)
104 直交復調生成部(直交復調手段)
105 FFT部(FFT演算手段)
106 周波数誤差検出部(周波数誤差検出手段)
107 サンプリング補正制御部(サンプリングタイミング誤差情報生成手段)
108 波形等化部
209 誤り訂正部
110 周波数発信器
111 PLL回路
1031 分数遅延フィルタ
1032 サンプリングクロックシフトレジスタ
1033 サンプリングクロックシフトレジスタ

Claims (11)

  1. データ信号とパイロット信号を含むOFDM信号を復調するOFDM復調装置であって、
    第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化したアナログ信号を受信する受信手段と、
    受信したアナログ信号を上記第1の周波数発振器とは異なる第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングして第2のサンプル系列信号を生成するサンプリング手段と、
    上記第1の周波数発振器の基準信号と上記第2の周波数発振器の基準信号との周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段と、
    上記周波数誤差から、上記第1のサンプリングタイミングと上記第2のサンプリングタイミングとの差であるサンプリングタイミング誤差の分数部分を表す第1のサンプリング誤差情報と、該サンプリングタイミング誤差の整数部分を表す第2のサンプリングタイミング誤差情報とを生成するサンプリングタイミング誤差情報生成手段と、
    上記第2のサンプル系列信号に対して上記第1のサンプリング誤差情報に応じた分数遅延フィルタ処理を実行することによって、上記第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を予測するサンプリング値予測手段と、
    上記サンプリング値予測手段により得られた予測値からなるサンプル系列信号を直交復調する直交復調手段と、
    上記直交復調手段により得られた復調信号を、FFT演算によって、データ信号とパイロット信号とを含む周波数領域の信号に変換するFFT演算手段であって、上記第2のサンプリングタイミング誤差情報を参照して、上記サンプリングタイミング誤差の整数部分の変化を相殺するようにFFT演算の開始位置をシフトさせるFFT演算手段と、を備えている、ことを特徴とするOFDM復調装置。
  2. 上記サンプリング値予測手段に入力される上記第2のサンプル系列信号は、上記第2の周波数発振器の基準信号に対して、オーバーサンプリング状態にある、ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM復調装置
  3. 上記サンプリング手段により得られた上記第2のサンプル系列信号を、上記第2の周波数発振器の基準信号に対して、オーバーサンプリング状態に変換するとともに、オーバーサンプリング状態に変換された上記第2のサンプル系列信号を上記サンプリング予測手段に入力するオーバーサンプリング手段を更に備えている、ことを特徴とする請求項に記載のOFDM復調装置
  4. 上記サンプリング手段は、上記第2のサンプル系列信号を、上記第2の周波数発振器の基準信号に対して、オーバーサンプリング状態に変換するとともに、オーバーサンプリング状態に変換された上記第2のサンプル系列信号を上記サンプリング予測手段に入力する、ことを特徴とする請求項に記載のOFDM復調装置
  5. 上記周波数誤差検出手段は、
    上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号の位相の時間軸方向における位相回転量から、上記周波数誤差を検出することを特徴とする請求項に記載のOFDM復調装置。
  6. 上記周波数誤差検出手段は、
    上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号のうち、振幅があらかじめ定められた閾値よりも大きいパイロット信号を用いて、上記周波数誤差を検出することを特徴とする請求項に記載のOFDM復調装置。
  7. 上記周波数誤差検出手段は、
    上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号のうち、上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号であって、予め定められた範囲内の周波数の信号から抽出されたパイロット信号を用いて、上記周波数誤差を検出することを特徴とする請求項に記載のOFDM復調装置。
  8. 上記周波数誤差検出手段は、
    上記FFT演算手段により得られた周波数領域の信号に含まれるパイロット信号のうち、妨害波またはスプリアスノイズの影響を受けていないパイロット信号を用いて、上記周波数誤差を検出することを特徴とする請求項に記載のOFDM復調装置。
  9. データ信号とパイロット信号を含むOFDM信号を復調するOFDM復調方法であって、
    第1の周波数発振器の基準信号に基づいて第1のサンプリングタイミングでサンプリングされた第1のサンプル系列信号をアナログ化して得られたアナログ化信号を受信する受信ステップと、
    受信したアナログ化信号を第1の周波数発振器とは異なる第2の周波数発振器の基準信号に基づいて第2のサンプリングタイミングでサンプリングして第2のサンプル系列信号を生成するサンプリングステップと、
    上記第1の周波数発振器の基準信号と上記第2の周波数発振器の基準信号との周波数誤差を検出する周波数誤差検出ステップと、
    上記周波数誤差から、上記第1のサンプリングタイミングと上記第2のサンプリングタイミングとの差であるサンプリングタイミング誤差の分数部分を表す第1のサンプリング誤差情報と、該サンプリングタイミング誤差の整数部分を表す第2のサンプリングタイミング誤差情報とを生成するサンプリングタイミング誤差情報生成ステップと、
    上記第2のサンプル系列信号に対して上記第1のサンプリング誤差情報に応じた分数遅延フィルタ処理を実行することによって、上記第1のサンプリングタイミングにおけるサンプリング値を予測するサンプリング値予測ステップと
    上記サンプリング値予測ステップにて得られた予測値からなるサンプル系列信号を直交復調する直交復調ステップと、
    上記直交復調ステップにて得られた復調信号を、FFT演算によって、データ信号とパイロット信号とを含む周波数領域の信号に変換するFFT演算ステップであって、上記第2のサンプリングタイミング誤差情報を参照して、上記サンプリングタイミング誤差の整数部分の変化を相殺するようにFFT演算の開始位置をシフトさせるFFT演算ステップと、を含んでいることを特徴とするOFDM復調方法。
  10. コンピュータを請求項1から8までのいずれか1項に記載のOFDM復調装置として動作させるための復調プログラムであって、上記コンピュータを上記OFDM復調装置が備えている各手段として機能させるための復調プログラム。
  11. 請求項10に記載の復調プログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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