JP5224273B2 - タイヤ需要算出装置及びタイヤ需要算出プログラム - Google Patents

タイヤ需要算出装置及びタイヤ需要算出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両に装着されたタイヤの交換本数の需要を算出するタイヤ需要算出装置及びタイヤ需要算出プログラムに関する。
従来、車両に装着されたタイヤの需要を予測して、タイヤの生産計画、販売計画等に役立てることが行われている。本願発明者らは、タイヤ交換周期と車両の寿命とを考慮して、車両が存在している間に交換されるタイヤの総数を算出するタイヤ交換本数算出装置を提案している(特許文献1参照)。
特許文献1の技術では、1台の車両の車両寿命とタイヤ寿命とを乱数で決定し、決定した車両寿命とタイヤ寿命とから、この車両が存在している間のタイヤ交換時期を決定する。交換時期から、この車両が存在している間に交換するタイヤの本数が決定される。これを1回のシミュレーションという。
このシミュレーションは、同じ年tに登録されたN台分の車両の各々に対して実行される。更に、このシミュレーションは、年t+1,…,年t+mに登録される車両の各々に対しても実行される。実行されたシミュレーションの結果が所定期間分累積されることによって、所定期間に存在する車両において取り替えられるタイヤの取替総数の予測値が算出される。
特開2007−80082号公報
特許文献1に開示した手法は、乱数を用いて車両寿命とタイヤ寿命とを決定する。特許文献1に開示した手法は、いわゆるモンテカルロ法に基づいて取替総数を算出している。モンテカルロ法では、ある条件を設定してn回のシミュレーションを実行する。ある事象がm回発生したとき、この事象が発生する確率がm/nであるとする。このため、この事象が発生する確率の近似精度を向上させるためには、シミュレーションの回数nを増やす必要がある。
例えば、世界規模でタイヤの取替総数を算出する場合について考える。特許文献1に開示された手法では、国毎にタイヤの取替総数を算出して総和をとる。この場合、国の数に応じて演算量が増加する。また、これにより、演算処理にかかる期間が長くなる(例えば、数時間オーダ)。国毎の演算を並列して行うこともできるが、特許文献1の装置を複数台用意しなければならず、コスト増加に繋がる。
モンテカルロ法は、精度良く演算結果を得るためには相応の演算時間を必要とする。そのため、例えば、タイヤの種類、販売期間等の種々の指標を適宜変更してタイヤの取替総数を算出し、結果を比較する等の実験的操作は、時間的な観点から実質的に困難であった。
そこで、本発明は、車両に装着されたタイヤの取替総数の演算時間を短縮することができるタイヤ需要算出装置及びタイヤ需要算出プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する車両台数設定部と、第1時点と第2時点とを設定する期間設定部と、設定した前記第1時点と前記第2時点との間である所定期間に取り替えられる前記車両のタイヤの取替総数を算出するタイヤ取替総数算出部とを備え、前記タイヤ取替総数算出部は、車両の残存率の分布を表す分布関数に従って車両が残存する車両残存期間において、前記タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って実行されるタイヤ取替の前記所定期間における取替回数を算出する取替回数算出機能部と、前記所定の単位期間に販売された車両のうち前記第2時点に残存する車両台数と前記取替回数算出機能部において算出した前記取替回数とから前記第2時点におけるタイヤの取替数を算出する取替本数算出機能部と、前記取替本数算出機能部において算出された前記取替本数を用いて前記所定期間における前記取替本数の総和を算出する取替総数算出機能部とを有することを要旨とする。
かかる特徴を有するタイヤ需要算出装置は、所定の単位期間毎に販売される車両の残存率の分布を表す分布関数に従って車両が残存する車両残存期間において、タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って実行されるタイヤ取替の所定期間における取替回数を算出し、所定の単位期間に販売された車両のうち所定期間に残存する車両台数と取替回数とから第2時点におけるタイヤの取替数を算出し、所定期間における取替数の総和を算出する。
したがって、かかる特徴によれば、設定した所定期間におけるタイヤの取替総数を、車両が残存する車両残存期間において実行されるタイヤの取替回数と、残存する車両台数とから解析的に算出することができるので、いわゆるモンテカルロ法に基づく手法と比べて、タイヤの需要を算出する際の演算時間を劇的に短縮することができる。
上述した特徴において、車両の残存率の分布は、ワイブル分布とすることができる。また、タイヤの使用期間の分布は、正規分布とすることができる。
また、上述した特徴を有するタイヤ需要算出装置は、車両の残存率の分布を表す分布関数に従って単位期間xに販売された車両台数をs(x)、複数の車両のうちk番目の車両に、タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従う期間で実行されるタイヤ取替の第2時点tまでの取替回数の平均値をH(t)と表すとき、タイヤ取替総数算出部は、下記式を用いて、前記第2時点tにおける取替本数の総数U(t)を近似的に算出することが好ましい。
Figure 0005224273
また、本発明の特徴は、コンピュータを、所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する車両台数設定部と、第1時点と第2時点とを設定する期間設定部と、前記車両の残存率の分布を表す分布関数に従って前記車両が残存する車両残存期間において、前記タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って、前記設定した前記第1時点と前記第2時点との間である所定期間で実行されるタイヤ取替の取替回数を算出する取替回数算出機能部と、前記所定の単位期間に販売された車両のうち前記第2時点に残存する車両台数と前記取替回数算出機能部において算出した前記取替回数とから前記第2時点におけるタイヤの取替数を算出する取替本数算出機能部と、前記所定期間における前記取替数の総和を算出する取替総数算出機能部として機能させるタイヤ需要算出プログラムであることを要旨とする。
かかる特徴を有するタイヤ需要算出プログラムは、所定の単位期間毎に販売される車両の残存率の分布を表す分布関数に従って車両が残存する車両残存期間において、タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って実行されるタイヤ取替の所定期間における取替回数を算出し、所定の単位期間に販売された車両のうち所定期間に残存する車両台数と取替回数とから第2時点におけるタイヤの取替数を算出し、所定期間における取替数の総和を算出する処理をコンピュータに実行させる。
したがって、かかる特徴によれば、設定した所定期間におけるタイヤの取替総数を、車両が残存する車両残存期間において実行されるタイヤの取替回数と、残存する車両台数とから解析的に算出させることができる。これにより、いわゆるモンテカルロ法に基づく手法と比べて、タイヤの需要を算出する際の演算時間を劇的に短縮することができる。
本発明によれば、車両に装着されたタイヤの交換総数の演算時間を短縮することができる。
(タイヤ需要算出装置の構成)
図1は、本実施形態におけるタイヤ需要算出装置100の全体構成を示す図である。図1に示すように、タイヤ需要算出装置100は、入力部10と、記憶部20と、処理部30と、表示部40とを備えている。
入力部10は、車両又はタイヤに関する、後述する情報を取得するものであり、例えば、キーボード等が挙げられる。
記憶部20は、車両の残存率の分布を表す分布関数に関する情報、及びタイヤの使用期間の分布を表す分布関数に関する情報等を記憶する。
なお、車両の残存率(寿命ともいう)の分布は、ワイブル分布に従い、タイヤの使用期間の分布は、正規分布に従うとするが、これに限定されないのは勿論のことである。
処理部30は、所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する車両台数設定部31と、第1時点と第2時点とを設定する期間設定部32と、設定した第1時点と第2時点との間の所定期間に取り替えられる前記車両のタイヤの取替総数を算出するタイヤ取替総数算出部33とを備えている。
車両台数設定部31は、所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する。所定の単位期間とは、例えば、n年〜(n+1)年の1年間、或いはn年〜(n+1)年の半期などである。本実施形態では、単位期間とは1年間であるとする。したがって、車両台数設定部31では、1年間に販売される車両台数が設定される。車両台数は、ユーザによって入力部10から入力された値であってもよいし、図示しないメモリ等に予め設定された値であってもよい。また、所定の予測演算式から予測される予測台数であってもよい。ここで、販売される車両台数とは、国内で販売された車両だけでなく、国内で製造されて輸出された車両と、海外で製造されて輸入された車両とを含む。
期間設定部32は、タイヤの取替総数を算出する開始時点である第1時点と終点である第2時点とを設定する。第1時点及び第2時点は、ユーザによって入力部10から入力される値であってもよい。例えば、第2時点が現在の年であって、第1時点が現在から遡る20年前等を設定することができる。
タイヤ取替総数算出部33は、取替回数算出機能部331と、取替本数算出機能部332と、取替総数算出機能部333とを有しており、例えば、CPU(図示せず)、RAM(図示せず)、ROM(図示せず)等により構成される。
取替回数算出機能部331は、設定された台数の車両の各々に所定の分布関数を適用し、車両が分布関数に従う残存率で残存するとき、車両が残存する車両残存期間において、タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って実行されるタイヤ取替の所定期間における取替回数を算出する。
取替本数算出機能部332は、所定の単位期間に販売された車両のうち設定された第2時点に残存する車両台数と取替回数算出機能部331において算出した取替回数とから第2時点におけるタイヤの取替本数を算出する。
取替総数算出機能部333は、期間設定部32において設定された所定期間における取替数の総和を算出する。
したがって、上述した構成を有するタイヤ取替総数算出部33は、例えば、車両台数設定部31において、過去20年間において毎年販売された車両台数の実績データが設定されたときには、現在の年までに取替に必要なタイヤの取替総数を算出することができる。また、タイヤ取替総数算出部33は、例えば、車両台数設定部31において、現在よりも先の所定期間において毎年販売される車両台数の予測データが設定されたときには、現在の年から時間的に先の時点において取替に必要なタイヤの取替総数の予測値を算出することができる。
(タイヤ需要算出装置の動作)
次に、本発明の実施形態として示すタイヤ需要算出装置100のタイヤ需要算出処理について説明する。図2は、本実施形態におけるタイヤ需要算出装置100の動作を示す図である。
図2に示すように、ステップS1において、タイヤ需要算出装置100は、所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する。次に、ステップS2において、所定期間が設定される。すなわち、所定期間の開始点(第1時点)と終点(第2時点)とが設定される。
ステップS3以降の処理において、タイヤ需要算出装置100は、タイヤ取替総数算出部33において、ステップS2で設定した第1時点と第2時点との間に、ステップS1において設定した車両が必要とするタイヤの取替総数を算出する。
具体的に、ステップS3において、タイヤ取替総数算出部33は、ステップS1において設定した車両の残存率の分布を表す分布関数に従って車両が残存する車両残存期間において、タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って、ステップS2で設定された所定期間内におけるタイヤの取替回数を算出する。
ステップS4において、タイヤ取替総数算出部33は、ステップS1で設定した車両のうちステップS2で設定した第2時点で残存する車両台数と、算出した取替回数とから第2時点におけるタイヤの取替本数の総数を算出する。
ステップS5において、タイヤ取替総数算出部33は、取替本数の所定期間における総和を算出する。
(タイヤ取替総数算出処理)
タイヤ取替総数算出部33において実行されるタイヤ取替総数算出処理について具体的に説明する。本実施形態では、下式(1)に基づいて、時点tにおけるタイヤの取替総数U(t)を算出することができる。
Figure 0005224273
但し、s(x)は、同じ期間に販売された車両台数を表す。また、N (k)(t)は、複数の車両のうちk番目の車両に、タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従う期間で実行されるタイヤ取替の第2時点tでの取替回数を表す。
更に、式(1)は、s(x)(但し、0≦x≦t)が大きいとき、近似的に下記式(2)のように表すことができる。なお、H(t−x)は、車両が販売されたx年からt年までの期間に残存する車両において必要なタイヤの取替数の平均値を表す。
Figure 0005224273
以下、式(1),(2)の導出過程について説明する。
時間経過とともに、所定の単位期間(ここでは、年単位とする)毎に複数の車両が次々と生成される状況において、各車両は、車両寿命が尽きると消滅すると仮定する。すなわち、設定された台数の車両は、ある年には、所定の分布関数で表される残存率に従う数が存在するものと仮定する。本実施形態では、車両の残存率は、ワイブル分布に従うとする。
また、各車両に装着されるタイヤは、各車両の残存中には、所定の分布関数に従う使用期間で取り替えられるとする。本実施形態では、タイヤの取替は、正規分布に従うものとする。
なお、タイヤの使用期間には、新品の状態から摩耗等による使用限界に達するまでを表すタイヤの寿命のほか、タイヤの寿命を迎える前に交換される場合も含むと考えることができる。以下では、これらを全て含めて「タイヤ寿命」という。
・1台の車両における平均のタイヤ取替回数
ワイブル分布に従って決まる車両寿命をLと表す。Lは、タイヤ寿命Tn(nは自然数)の列から独立した非負値確率変数とする。ここで、ある1台の車両が車両寿命Lを有するとき、この車両が車両寿命Lを迎えるまでに行われるタイヤの取替回数を、寿命ある再生過程(a renewal process with termination)という。また、この寿命ある再生過程を下記式(3)と定義する。
Figure 0005224273
式(3)において、N(t)は、ある年に販売された車両のなかの1台の車両が時点t(第2時点)までに交換したタイヤの取替回数を表す。
図3は、ある車両において、車両寿命Lまでに起こり得る取替回数N(t)を説明する図である。T=0は、この車両が販売された時を意味する。T1,T2,…は、正規分布に従うタイヤの使用期間(タイヤ寿命)を表し、S1,S2,…,は、車両が販売されたときからの年数を表す。
タイヤ寿命(確率変数:Tnで表される)の確率分布関数をFとするとき、Tn(n:自然数)は、互いに独立であるから、取替時期Sn=T1+T2+…Tnの分布関数は、Fのn回の合成積Fn(=F*n=F*F*…*F)となる。
車両が車両寿命Lを迎えるまでに行われるタイヤの取替回数N(t)の分布P{N(t)}は、下記式(4)となる。
Figure 0005224273
また、このとき、車両が車両寿命Lを迎えるまでに行われるタイヤの取替回数NL(t)の期待値E[N(t)](=H(t))は、次式(5)で与えられる。下記式(5)に示すH(t)は、車両寿命がないとしたときの再生過程の再生関数である。G(x)は、車両寿命Lの分布関数であり、下記式を満たす。
Figure 0005224273
Figure 0005224273
式(5)において、H(t)は、ある年に販売された車両のなかの1台の車両が時点t(第2時点)までに交換したタイヤの平均取替回数を表す。
これにより、無限小区間において、車両寿命Lを有する1台の車両における平均の取替回数(平均再生率という)E[dN(t)]=dH(t)は、下記式(6)で与えられる。
Figure 0005224273
タイヤ寿命の確率分布関数Fが絶対連続である場合、すなわち、下記式(7)で表される密度関数fを有する場合の平均再生率h(t)は、下記式(8)で表される。
Figure 0005224273
Figure 0005224273
但し、式(8)におけるh(t)は、車両寿命Lを考慮しないときの時点tにおける平均再生率を表しており、下記式(9)で与えられる。
Figure 0005224273
この車両が車両寿命Lを迎えるまでに行われるタイヤの取替回数(寿命ある再生過程){N(t)}t>0の分散は、次式(10)で与えられる。
Figure 0005224273
また、この車両が車両寿命Lを迎えるまでに行われるタイヤの取替回数(寿命ある再生過程){N(t)}t>0の増分の分散は、次式(11)で与えられる。
Figure 0005224273
分布関数Fが絶対連続の場合には、下記式(12)と表すことができる。
Figure 0005224273
・再生総数(x年に販売された複数車両におけるタイヤの取替総数)
次に、上述した1台の車両についての平均再生率に基づいて、ある単位期間に販売された全車両において、時点tに取り替えられるタイヤの取替本数の総数を算出することを考える。
ある単位期間x(単位「年」)に販売された車両の台数をs(x)とする。また、s(x)台の車両のうち第k番目に販売された車両のt期間後における取替回数をN (k)(t)とすると、s(x)台の車両が時点tにおいて取り替えるタイヤの取替本数は、式(13)で表すことができる。
Figure 0005224273
式(13)で表される取替本数の、ある単位期間(第1時点が含まれる)に販売された車両の単位期間t(第2時点が含まれる)までの総和から、xからtまでに取り替えられるタイヤの取替総数U(t)を求めることができる。式(14)(式(1)に同じ)で表される。
Figure 0005224273
各車両の車両寿命が、互いに独立事象であると仮定するとき、取替総数U(t)の期待値は、式(6)に倣って下記式(15)で表すことができる。
Figure 0005224273
式(15)は、x年に販売された車両のうちk番目の車両の時点tにおける平均再生率を、ワイブル分布で表される残存率に従って存在する車両台数について足し合わせ、更に、計測を開始する年(時点0)から時点tまでの期間で総和をとることにより、時点tまでに必要となるタイヤの取替総数を算出できることを意味している。
・再生総数(x年に販売された複数車両におけるタイヤの取替総数)の平均と分散
また、各車両の車両寿命が、互いに独立事象であると仮定すると、取替総数U(t)の分散は、下記式(16)となる。
Figure 0005224273
車両台数s(x)が大きくなるとき(s(x)→∞のとき)大数の法則から、下記式(17)となる。車両台数s(x)が大きいときには、近似的に式(18)が成り立つ。
Figure 0005224273
Figure 0005224273
s(x)が十分大きいとき、式(18)の両辺を時点0〜tまで総和すると、取替総数(取替総数U(t)の期待値に等しい)は、式(19)と表される。
Figure 0005224273
なお、ここでの総数には、新たに販売される車両に予め装着される数と、先に販売された車両において所定の寿命に従って発生した取替にかかる本数とが含まれる。
以上説明したように、本実施形態によれば、タイヤ需要算出装置100は、式(19)に基づいて、所定の単位期間毎に販売される車両の残存率の分布を表す分布関数G(x)に従って車両が残存する車両残存期間(車両寿命L)において、タイヤの使用期間(タイヤ寿命)の分布を表す分布関数F(x)に従って実行されるタイヤ取替の所定期間における取替回数を算出し、単位期間xに販売された車両のうち所定期間に残存する車両台数と取替回数とから第2時点tにおけるタイヤの取替数を算出し、更に所定期間における取替数の総和を算出することができる。
・再生総数(タイヤ取替総数)の精度の検証
以下に、車両の販売数(設定される車両台数)が所定期間(20年間とする)において各単位期間(「年」とする)一定s(t)とするとき、上記式(16)〜式(19)に基づいて、平均取替数u(t)(実線)と標準偏差(点線)とを算出した結果を示す。図4は、s(t)=1(車両台数1)、図5は、s(t)=10(車両台数10)、図6は、s(t)=100(車両台数100)、図7は、s(t)=10000(車両台数10000)のときの取替総数の算出結果を示す図である。但し、車両寿命Lは、ワイブル分布に従い、タイヤ寿命は、正規分布に従うとする。
図4〜図7の結果は、車両台数s(x)が十分に大きくなると、年度tにおける平均取替数u(t)が殆どの車両において取替総数の期待値に等しくなることを示している。すなわち、式(19)によって求められるタイヤ取替総数が、大数の法則、中心極限定理に従うことを意味している。
したがって、上述した、式(19)(式(2)と同一)に基づいて解析的に算出されるタイヤの取替総数が、例えば、モンテカルロ法を用いた全件シミュレーション結果に遜色ないものであることが確認できる。
・実施例
図8は、車両の販売数(設定される車両台数)が所定期間(20年間とする)において、年度ごとに一定とするとき、年度tで残存する車両の取替本数の総和を実際に算出した結果を示す。図8では、第2時点を現在の年度tとし、第1時点t=0が20年前に設定されている。また、車両の販売期間も20年に設定されている。販売される車両台数は、毎年一定で、1000台(s(t)=1000)に設定されている。
すなわち、図8は、車両が毎年1000台ずつ20年間販売された後に販売終了になるという条件の下で、車両の販売後に残存する車両において年度tで発生するタイヤの取替本数を算出した結果である。但し、車両は同一車種であって同一サイズのタイヤが装着されることを前提としている。また、車両寿命Lは、ワイブル分布に従い、タイヤ寿命は、正規分布に従うとする。
図8では、現在の年度よりも時間的に先の年度についても示されている。一定台数の車両が販売されるのは、現在の年度までであるので、現在の年度よりも先では車両台数の減少に伴って、ある年度に必要なタイヤの取替本数は減少に転じる。そして、一定期間が経過した後(図8では、現在から20年後)には、車両の残存数が0に近づくため、その年に必要なタイヤの取替本数も0に近づく。全年度を通じてのタイヤ需要(全年度に亘るタイヤの取替本数の合計)は、各年度におけるタイヤ取替本数を累積することにより算出することができる。
このように、タイヤ需要算出装置100によれば、設定した所定期間におけるタイヤの取替総数U(t)を、車両が車両寿命Lを迎えるまでに実行されるタイヤの取替回数と、残存する車両台数とから解析的に算出することができるので、いわゆるモンテカルロ法に基づく手法と比べて、タイヤの需要を算出する際の演算時間を劇的に短縮することができる。
例えば、同一のパーソナルコンピュータを用いて、いわゆるモンテカルロ法に基づく演算方法と、本実施形態の方法とでタイヤ需要を算出する際の演算時間を比較したところ、前者が3時間程度要したところ、本実施形態の方法では30秒程度に短縮することができた。一般的に、パーソナルコンピュータの性能がより高性能であれば、前者においても演算時間を短縮することは可能である。しかし、上述したように、本実施形態の方法がモンテカルロ法を用いた全件シミュレーション結果に遜色ないものであることから、時間的コスト、経済的コストの両面で、本実施形態の方法は、優位であると言える。
設定される車両台数は、上述した例のように、仮の値であってもよいし、実際の販売実績に基づくデータであってもよい。更には、所定の予測演算式によって算出される予測値であってもよい。予測値を用いる場合には、第1時点を現在とし、現在よりも先の所定時点におけるタイヤ需要を予測することができる。
なお、タイヤ需要算出装置100は、解析的手法によって演算時間を劇的に短縮することができるため、タイヤの種類、販売期間等の種々の指標を適宜変更してタイヤの交換総数を演算し、結果を比較する等の実験的操作が容易に可能となる。また、これにより、例えば、実績データに最も近い交換総数が得られる各種指標の条件を探索する作業が容易になる。また、探索により見出した条件を用いれば、時間的に進んだ時点におけるタイヤの需要を予測することができる。また、この予測の精度を向上させることができる。
また、本実施形態におけるタイヤ需要算出装置100は、同一の分布曲線に従うタイヤ寿命しか考慮していないが、これに限定されず、例えば、タイヤサイズ毎に設定された分布曲線に従うタイヤ寿命を設定しても良い。この場合には、タイヤ需要算出装置100は、タイヤサイズ毎に設定されたタイヤ寿命から、タイヤの取替総数をタイヤサイズ毎に高精度に算出することができる。
(プログラム)
上記タイヤ需要算出装置100において動作するタイヤ需要算出プログラムは、コンピュータを、所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する車両台数設定部31と、第1時点と第2時点とを設定する期間設定部32と、設定した第1時点と第2時点との間である所定期間に取り替えられる前記車両のタイヤの取替総数を算出するタイヤ取替総数算出部33として機能させるものである。なお、タイヤ交換本数算出プログラムは、記録媒体に記録されて提供されてもよい。記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどが挙げられる。
以上、本発明の一例を説明したが、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。また、実施形態の構成及び各変更例の構成はそれぞれ組み合わせることが可能である。また、実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、実施形態及び各変更例に記載されたものに限定されるものではない。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本実施形態におけるタイヤ需要算出装置の構成を示す図である。 本実施形態におけるタイヤ需要算出装置の動作を示す図である。 ある車両において、車両寿命Lまでに起こり得る取替回数N(t)を説明する図である。 本発明の実施形態に係るタイヤ需要算出装置において、20年間において毎年1台の車両が生成されるとしたときのタイヤの平均取替数u(t)と標準偏差とを算出した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るタイヤ需要算出装置において、20年間において毎年10台の車両が生成されるとしたときのタイヤの平均取替数u(t)と標準偏差とを算出した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るタイヤ需要算出装置において、20年間において毎年100台の車両が生成されるとしたときのタイヤの平均取替数u(t)と標準偏差とを算出した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るタイヤ需要算出装置において、20年間において毎年10000台の車両が生成されるとしたときのタイヤの平均取替数u(t)と標準偏差とを算出した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るタイヤ需要算出装置において、20年間において毎年1000台の車両が生成されるとしたときのタイヤの取替総数U(t)を算出した結果を示す図である。
符号の説明
10…入力部、20…記憶部、30…処理部、31…車両台数設定部、32…期間設定部、33…タイヤ取替総数算出部、331…取替回数算出機能部、332…取替本数算出機能部、333…取替総数算出機能部40…表示部、100…タイヤ需要算出装置

Claims (5)

  1. 所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する車両台数設定部と、
    第1時点と第2時点とを設定する期間設定部と、
    設定した前記第1時点と前記第2時点との間である所定期間に取り替えられる前記車両のタイヤの取替総数を算出するタイヤ取替総数算出部と
    を備え、
    前記タイヤ取替総数算出部は、
    車両の残存率の分布を表す分布関数に従って車両が残存する車両残存期間において、前記タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って実行されるタイヤ取替の前記第2時点における車両1台あたりの平均取替回数を算出する取替回数算出機能部と、
    前記所定の単位期間に販売された車両のうち前記第2時点に残存する車両台数と前記取替回数算出機能部において算出した前記平均取替回数とから前記第2時点におけるタイヤの取替本数を算出する取替本数算出機能部と、
    前記取替本数算出機能部において算出された前記取替本数を用いて前記所定期間における前記取替本数の総和を算出する取替総数算出機能部と
    を有することを特徴とするタイヤ需要算出装置。
  2. 前記車両の残存率の分布は、ワイブル分布に従うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ需要算出装置。
  3. 前記タイヤの使用期間の分布は、正規分布に従うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ需要算出装置。
  4. 前記車両の残存率の分布を表す分布関数に従って単位期間xに販売された車両台数をs(x)、複数の車両のうちk番目の車両に、前記タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従う期間で実行されるタイヤ取替の前記第2時点tまでの取替回数の平均値をHL(t)と表すとき、
    前記タイヤ取替総数算出部は、下記式を用いて、前記第2時点における前記取替本数の総数U(t)を近似的に算出することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ需要算出装置。
    Figure 0005224273
  5. コンピュータを、
    所定の単位期間毎に販売される車両台数を設定する車両台数設定部と、
    第1時点と第2時点とを設定する期間設定部と、
    前記車両の残存率の分布を表す分布関数に従って前記車両が残存する車両残存期間において、タイヤの使用期間の分布を表す分布関数に従って、前記設定した前記第1時点と前記第2時点との間である所定期間で実行されるタイヤ取替の車両1台あたり平均取替回数を算出する取替回数算出機能部と、
    前記所定の単位期間に販売された車両のうち前記第2時点に残存する車両台数と前記取替回数算出機能部において算出した前記平均取替回数とから前記第2時点におけるタイヤの取替数を算出する取替本数算出機能部と、
    前記所定期間における前記取替数の総和を算出する取替総数算出機能部と
    して機能させるタイヤ需要算出プログラム。
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