JP5224087B2 - モールドプレス成形用光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明はモールドプレス成形用光学ガラスに関するものである。
CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズ用に、屈折率(nd)が1.57〜1.62、アッベ数(νd)が55以上、より具体的には屈折率(nd)が1.575〜1.610、アッベ数(νd)が58.5〜62.0の光学ガラスが使用されている。従来、このようなガラスとしてSiO2−PbO−R’2O(R’2Oはアルカリ金属酸化物)を基本とした鉛含有ガラスが広く使用されていたが、近年では環境上の問題からSiO2−B23−RO(ROはアルカリ土類金属酸化物)−R’2O系等の非鉛系ガラスに切り替えられつつある(例えば特許文献1、2)。
特開平6−107425号公報 特開2000−302479号公報 特開2004−328068号公報
これらの光ピックアップレンズや撮影用レンズは、溶融ガラスをノズルの先端から滴下し一旦液滴状ガラスを作製し、研削、研磨、洗浄して得られるプリフォームガラス、または溶融ガラスを急冷鋳造し一旦ガラスブロックを作製し、同じく研削、研磨、洗浄して得られるプリフォームガラスを、精密加工を施した金型によって、軟化状態のプリフォームガラスを加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写させる、いわゆるモールドプレス成形法が広く用いられている。
モールドプレス成形により成形されるガラスには、求められる光学定数(屈折率、アッベ数)を満足するのは勿論のこと、金型を劣化させないように軟化点が低いこと、金型との融着が起こりにくいこと、耐候性が高いこと等が要求される。
また上記したような従来の非鉛系のプリフォームガラスは、十分な耐候性を有していないことが多い。ガラスの耐候性が十分でないと、切削、研磨、洗浄工程においてガラス成分の研磨洗浄水や各種洗浄溶液中への溶出によって表面の変質が起こる。その結果、成形工程で失透ブツが発生し易く、ガラスに欠陥が生じて量産化が困難になる。また最終製品においても、高温多湿状態に長時間晒されるとガラスの表面が変質し、信頼性を損なうという問題がある。
本発明の目的は、モールドプレス成形用光学ガラスとして要求される諸特性を満足し、特に屈折率(nd)が1.57〜1.62、アッベ数(νd)が55以上(好ましくは屈折率(nd)が1.575〜1.610、アッベ数(νd)が58.5〜62.0)であり、耐候性に優れる非鉛系のモールドプレス成形用光学ガラスを提供することである。
本発明者は種々の実験を行った結果、SiO2−B23−RO−R’2O−La23系ガラスの組成を厳密に限定することによって上記目的が達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
即ち、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量%で、SiO 41〜50.5%、Al 1.5〜5%、B 13〜16%、CaO 0.1〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO 1〜10%、NaO 0〜5%、La 5〜15%含有することを特徴とする。
本発明の光学ガラスは、CD、MD、DVDその他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズに使用される1.57〜1.62の屈折率(nd)、55以上のアッベ数(νd)を有している。また軟化点が低くガラス成分が揮発し難いため、成形精度の低下および金型の劣化や汚染が生じない。しかも作業温度範囲が広く、プリフォームガラスの量産性に優れるとともに、耐候性が良好であるため、製造工程や製品の使用中に物性の劣化や表面の変質を起こすことがない。それゆえモールドプレス成形用光学ガラスとして好適である。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量%で、SiO 41〜50.5%、Al 1.5〜5%、B 13〜16%、CaO 0.1〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO 1〜10%、NaO 0〜5%、La 5〜15%の基本組成を有するガラスである。一般に、非鉛系のガラスでは、高い屈折率を得るために、アルカリ土類金属酸化物であるROを多量に含有させており、この系のガラスの耐候性を低下させる原因となっている。そこで、本発明のガラスでは、屈折率を高める成分であるLaと、耐侯性を向上させる成分であるAlを含有させて、ROの含有量を抑えるとともに、ROとしてCaOを必須成分として含有することで、屈折率を維持しながら、ガラスの耐候性を改善している。また、Laを含有させると、アッベ数が低下する傾向にあるが、Bを含有させることで、アッベ数の低下を防止している。このようにすることで、優れた耐侯性と、1.57〜1.62の屈折率(nd)、55以上のアッベ数(νd)、特に1.575〜1.610の屈折率(nd)、58.5〜62.0のアッベ数(νd)を有するモールドプレス成形用光学ガラスを得ることができ、色分散が少なく、高機能で小型の光学素子用の光学レンズとして使用することができる。また、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、ガラスの軟化点が650℃以下(好ましくは640℃以下、更に好ましくは630℃以下)であることが好ましい。ガラスの軟化点が低くなると、低温でのプレス成形が可能となり、金型の酸化、ガラス成分の揮発による金型の汚染やガラスと金型との融着を抑えることができる。
各成分の範囲を上記のように限定した理由を述べる。
SiO2はガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。その含有量は41〜50.5%、好ましくは42〜50.5%、さらに好ましくは43〜50.5%である。なおSiO2が多くなると屈折率が低下したり、軟化点が高くなる傾向がある。また失透傾向が強くなる。一方、SiO2が少なくなると耐酸性や耐水性等の耐候性が悪化する。
はガラスの骨格成分であり、耐失透性の向上に効果がある。またアッベ数を高め、軟化点を低下させる成分である。さらにガラスの塩基性度を下げる作用もあり、モールドプレス成形におけるガラスと金型の融着防止に効果がある。その含有量は13〜16%、特に好ましくは13〜15.5%、さらに好ましくは13〜15%である。なおBが多くなるとガラス溶融時にB‐R’Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長する。さらに耐候性が悪化する。一方、Bが少ないと、耐失透性が低下して十分な作業温度範囲を確保できなくなる可能性がある。また金型と融着し易くなる。さらにSiOの少ない組成域では、Bが少ないとアッベ数を55以上に維持することが難しくなる。
Al23はSiO2と共にガラスの骨格を構成する成分であり、耐候性を向上させる効果がある。特にSiO2‐B23‐RO‐R’2O‐La23系ガラスでは、ガラス中アルカリ成分の、水への選択的溶出を抑制する効果が顕著であり、その含有量は1.5〜5%、好ましくは2〜4.5%、さらに好ましくは2.7〜4.5%である。なおAl23が多いと失透し易くなる。また溶融性が悪化して脈理や泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなる可能性がある。一方、Al23が少ないと、耐水性・耐酸性が低下し、非常に高い耐候性を有するガラスを得にくくなる。
CaO、BaO、SrOといったアルカリ土類金属酸化物(RO)は融剤として作用するとともに、SiO2‐B23‐RO‐R’2O‐La23系ガラスにおいて、アッベ数を低下させずに屈折率を高める効果がある。CaO、BaO、及びSrOは合量で10〜30%、特に10〜20%、さらには12〜18%であることが望ましい。なおROが多くなると、プリフォームガラスの溶融、成形工程中に失透ブツが析出し易くなり、液相温度が上がって作業範囲が狭くなり量産化し難くなる傾向がある。さらにガラスから研磨洗浄水や各種洗浄溶液中への溶出が増大する、高温多湿状態でのガラス表面の変質が顕著になる等、耐候性が悪化し易い。一方ROが少なくなると、屈折率が低下したり、軟化点が高くなる等の不都合が生じやすい。
CaOはアッベ数を低下させることなく屈折率を高める成分である。また、高温多湿状態においてアルカリやアルカリ土類の表面への析出を防止する効果が高くなることから、耐候性向上のための必須成分である。CaOの含有量は0.1〜10%、特に0.5〜5%、さらに1〜4%であることが好ましい。なおCaOが多くなると液相温度が上がり、失透し易くなる。
BaOは屈折率を高める成分であり、またこのガラス系においては液相温度を低下させ作業性を向上させる効果もある。しかし、高温多湿状態でガラス表面からの析出量が他のRO成分に比べ著しく多いため、多量に含有させると最終製品の耐候性を損なうおそれがある。BaOの含有量は0〜10%、特に0.5〜9.5%、さらに4〜9%であることが好ましい。
SrOは屈折率を高める成分である。またBaOに比べると高温多湿状態でのガラス表面からの析出量が少ない。従ってSrOを積極的に使用することにより、耐候性に優れた製品を得ることができる。その含有量は0〜10%、好ましくは0.5〜9%、さらに好ましくは3〜8%である。なおSrOが多くなると液相温度が上がって作業範囲が狭くなる傾向にある。
なおCaO、BaO、或いはSrO以外にも、屈折率を高めるためにMgOを添加してもよい。MgOを添加する場合、その含有量は0〜5%、特に0〜3%であることが好ましい。MgOが多くなると失透し易くなる。
ZnOは屈折率を高めるとともに、耐候性を向上させる効果がある。また失透傾向が強くないため、多量に含有させても均質なガラスを得ることができる。その含有量は0〜5%、好ましくは0.5〜4%、さらに好ましくは1〜3%である。ZnOが多くなるとアッベ数が低下する傾向がある。
Li2OやNa2Oといったアルカリ金属酸化物(R’2O)は軟化点を低下させるための成分である。Li2OとNa2Oは合量で5〜12%、特に6〜11%、さらには7〜10%であることが望ましい。なおR’2Oが多くなると液相温度が上昇して作業温度範囲が狭くなり易い。この場合、量産性に悪影響を与えるおそれがある。また耐候性が悪化する傾向がある。逆にR’2Oが少なくなると軟化点が高くなる。
R’2OのなかでもLi2Oが最も軟化点を低下させる効果が大きい。その含有量は1〜10%、好ましくは3〜9%、さらに好ましくは5〜8.5%である。ただしLi2Oは分相性が強いため、多量に添加すれば液相温度が高くなって作業性を悪化させる傾向がある。またField Strength(以下F.S.と表記する)が低く、後述するガラスの塩基性度を上げる成分であるため、プレス成形時に金型との融着を引き起こす原因となる。一方、Li2Oが少なくなると軟化点が高くなる。
Na2Oは軟化点を低下させる効果があるが、多量に含有させると溶融時にB23‐R’2Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。またモールド成形時にも揮発が生じて金型を汚染し、金型の寿命を大きく縮めてしまう。Na2Oの含有量は0〜5%、特に0.5〜3%であることが好ましい。
なおLi2OやNa2O以外にも、軟化点を低下するためにK2Oを添加してもよい。K2Oを添加する場合、その含有量は0〜7%、特に0〜5%であることが好ましい。K2Oが多くなると耐候性が悪化する。
La23は、アッベ数を低下させることなく屈折率を高める効果があるため、多量のROを含有させる必要がなくなり耐候性の向上に効果がある。また、耐失透性を向上する効果があり、作業温度範囲を拡大することができる成分であるが、多量に含有するとガラスの分相傾向が強くなり、均質なガラスを得にくくなる。La23の含有量は5〜15%、好ましくは6〜12%、さらに好ましくは7〜10%である。
またSiO2とLa23の含有量は、質量%基準でSiO2/La23の値が3.2〜15.0、特に3.2〜10.0の範囲内となるように調節することが好ましい。この比を3.2〜15.0とすることで屈折率を低下させることなく、高い耐失透性を維持することができる。この比が小さくなると耐失透性が低下し、大きくなると屈折率が低下する傾向がある。
清澄剤としてSb23を添加することができる。ただし、ガラスに対する過度の着色を避けるため、Sb23の含有量は1%以下とすることが望ましい。
尚、TiO2、Nb25はガラスの屈折率を高める成分であるが、アッベ数を低下させたり、紫外域での吸収が大きく、390〜440nmでの透過率が減少し、短波長用レンズとしての使用に支障をきたしたりするため、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。
さらに、PbO、Bi23及びAs23は環境上の理由から、Ag及びハロゲン類は光可逆変色キャリヤーとなるため、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。
尚、本発明における「実質的なガラスへの導入を避ける」とは、含有量が0.1%以下であることを意味する。
また、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、モールドプレス成形時におけるガラスと金型の融着をより防止するには、上記特徴に加えて、ガラスの塩基性度を11以下(好ましくは9.5以下)にすることが望ましい。
尚、本発明において、塩基性度とは、(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100として定義され、Field Strength(以下F.S.と表記する)は下記の式1により求められる。
式1 F.S.=Z/r2
Zはイオン価数、rはイオン半径を示している。尚、本発明におけるZ、rの数値は表1の値(『科学便覧基礎偏 改訂2版(1975年 丸善株式会社発行)』に記載された値)を用いた。本発明者の知見によれば、塩基性度が低いほど、金型と融着しにくくなる。以下にガラスの塩基性度が融着を支配する機構について説明する。
Figure 0005224087
ここでSiO2を例に挙げて、ガラスの塩基性度の求め方を示す。
まず、酸素原子のモル数を求める。1molのSiO2中には、2molの酸素原子が含まれる。よって、この酸素の原子数2molに、ガラス組成中のSiO2のモル%を掛けることで、ガラス中のSiO2が持つ酸素原子のモル数が求められる。同様に各成分の酸素原子のモル数を求め、その合計を「酸素原子のモル数の総和」とする。
次にF.S.を求める。陽イオンSi4+はZ=4、r=0.4であるため、F.S.=25となる。Si4+はSiO2に1mol含まれているのでガラス中のF.S.は、25×1(mol)×(組成中のSiO2のモル%)として求められる。
これを各成分について求め、その合計を「陽イオンのF.S.の総和」とする。そして「酸素原子のモル数の総和」を「陽イオンのF.S.の総和」で割った値に100をかけたものを「ガラスの塩基性度」とする。
次にガラスの塩基性度が融着を支配する機構について説明する。
ガラスの塩基性度はガラス中の酸素の電子がガラス中の陽イオンにどのくらい引きつけられているかを示す指標になる。塩基性度の高いガラスではガラス中の陽イオンによる酸素の電子の引きつけが弱い。したがって、塩基性度の高いガラスは、電子を求める傾向の強い陽イオン(金型成分)と接した際、塩基性度の低いガラスに比べガラス中に金型からの陽イオンの侵入が起きやすい。金型成分である陽イオンがガラス中へ侵入(拡散)すると、界面付近のガラス相中の金型成分濃度が増加する。これによりガラス相と金型相の組成差が減少するため、両者の間の親和性が増し、ガラスが金型に濡れやすくなる。このような機構により、ガラスと金型が融着すると考えられる。従って塩基性度が低くなるにしたがって、ガラス中に金型成分が侵入しにくくなり、ガラスと金型は融着しなくなる。
具体的にはガラスの塩基性度が11以下、好ましくは9.5以下であれば融着が起こらなくなると考えられる。ガラスの塩基性度が9.5を超えると金型と融着する傾向が現れ、11を超えるとガラスと金型が融着して製品の面精度が損なわれ、量産性が顕著に悪化する傾向にある。
次に、本発明のガラスを用いて光ピックアップレンズや撮影用レンズ等を製造する方法を述べる。
まず、所望の組成になるようにガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉中で溶融する。
次に、溶融ガラスをノズルの先端から滴下し一旦液滴状ガラスを作製し、プリフォームガラスを得る。または溶融ガラスを急冷鋳造し一旦ガラスブロックを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを得る。
続いて、精密加工を施した金型中にプリフォームガラスに入れて軟化状態となるまで加熱しながら加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写させる。この成形方法はモールドプレス成形法と呼ばれ、広く用いられている。このようにして光ピックアップレンズや撮影用レンズを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
Figure 0005224087
Figure 0005224087
Figure 0005224087
Figure 0005224087
表2、4、5は本発明の実施例(試料No.1〜4、7〜10、13)及び参考例(試料No.11〜12)を示し、表3は比較例(試料No.5〜6)を示している。
各試料は次のようにして調製した。まず表に示す組成になるようにガラス原料を調合し、白金ルツボを用いて1400℃で3時間溶融した。溶融後、融液をカーボン板上に流しだし、更にアニール後、各測定に適した試料を作製した。
得られた試料について、屈折率(nd)、アッベ数(νd)、軟化点(Ts)、耐候性を測定した。また塩基性度を算出した。それらの結果を各表に示す。
表から明らかなように、本発明の実施例及び参考例であるNo.1〜4、7〜13の各試料は、屈折率が1.5821〜1.6061、アッベ数が56.6以上、軟化点が648℃以下、液相温度が887℃以下であった。また、高温多湿状態の曝露試験前後での透過率変化は1.6%以下と小さく、耐候性も良好であった。またB23を多く含有し、塩基性度も9.55以下と低いため、金型との融着が起こりにくいと考えられる。
これに対して、比較例であるNo.5及びNo.6の各試料は、曝露試験前後での透過率の変化が3.1%以上と大きく、耐候性が低かった。
なお屈折率(nd)は、ヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
アッベ数(νd)は上記したd線の屈折率と水素ランプのF線(486.1nm)、同じく水素ランプのC線(656.3nm)の屈折率の値を用い、アッベ数(νd)={(nd−1)/(nF−nC)}式から算出した。
軟化点TSは、日本工業規格R−3104に基づいたファイバーエロンゲーション法によって測定した。
液相温度TLは、297〜500μmの粉末状になるよう試料を粉砕、分級してから白金製のボートに入れ、温度勾配を有する電気炉に24時間保持した後、空気中で放冷し、光学顕微鏡で失透の析出位置を求めることで測定した。
耐候性の評価は高温多湿状態の曝露試験前後のガラスの透過率を分光光度計で測定し、可視域の波長590nmにおけるガラスの透過率の差で評価した。なお、曝露試験は、温度60℃、湿度90%、300時間の条件で行ない、ガラス試料は、大きさ30×25mmで両面を光学研磨し、10mmの肉厚にしたものを用いた。
塩基性度は、(酸素原子のモル数の総和/陽イオンのField Strengthの総和)×100の式に基づいて算出したものである。なお式中のField Strength(以下F.S.と表記する)は次式により求められる。
F.S.=Z/r2
Zはイオン価数、rはイオン半径を示している。

Claims (7)

  1. 質量%で、SiO 41〜50.5%、Al 1.5〜5%、B 13〜16%、CaO 0.1〜10%、BaO 0〜10%、SrO 0〜10%、ZnO 0〜5%、LiO 1〜10%、NaO 0〜5%、La 5〜15%含有することを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス。
  2. 屈折率が1.57〜1.62であることを特徴とする請求項1に記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  3. アッベ数が55以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  4. LiOとNaOの合量が5〜12%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  5. CaOとBaOとSrOの合量が10〜20%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  6. 実質的にTiO及びNbを含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  7. SiOとLaの含有量が、質量%基準で、3.2≦SiO/La≦15.0の関係にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
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