[実施形態1]
本実施形態では、セルギャップの狭い液晶表示装置で、液晶表示装置の表示品質に影響するシール材のしみだしを押さえている。さらに液晶表示装置の構成を工夫することで微細な段差に起因する気泡や、ラビング筋をおさえ、同時にセルギャップむらをでにくくしている。
本実施形態の、液晶表示装置は垂直配向反射型プロジェクターである。垂直配向反射型プロジェクターは反射型液晶表示装置のため、透過型液晶表示装置に比べセルギャップを小さくする必要がある。液晶の屈折率異方性の大きさにもよるが、2〜4μm、望ましくは2〜3μmのセルギャップが求められる。
また、垂直配向膜は、配向膜のアンカリングエネルギーが弱いため、液晶注入に時間がかかる。特にセルギャップの狭い液晶表示装置において、段差があるとその部分で液晶が注入されにくい。
また、垂直配向のような複屈折効果を利用する表示モードはセルギャップむらが色目の変化となって見えてくる。特にセルギャップの狭い液晶表示装置では、屈折率異方性が大きい液晶を使うため、小さなセルギャップむらが色目の変化となって強調される。
しかし、本実施形態の構成によって垂直配向反射型液晶表示装置のような比較的、ラビング筋や段差に起因する気泡がでやすく、セルギャップ均一性が必要となる場合においても、表示品質の良い液晶表示装置を提供することができる。
本実施形態の構成のうちアクティブ素子形成方法を図1〜3を用いて説明する。ここでは画素部の画素TFTと、画素部の周辺に設けられる駆動回路のTFTを同一基板上に作製する方法について工程に従って詳細に説明する。
図1(A)において、基板101にはコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)など光学的異方性を有しないプラスチック基板を用いることができる。ガラス基板を用いる場合には、ガラス歪み点よりも10〜20℃程度低い温度であらかじめ熱処理しておいても良い。そして、基板101のTFTを形成する表面に、基板101からの不純物拡散を防ぐために、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの下地膜102を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜102aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜102bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。
酸化窒化シリコン膜は従来の平行平板型のプラズマCVD法を用いて形成する。酸化窒化シリコン膜102aは、SiH4を10SCCM、NH3を100SCCM、N2Oを20SCCMとして反応室に導入し、基板温度325℃、反応圧力40Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数60MHzとした。
一方、酸化窒化水素化シリコン膜102bは、SiH4を5SCCM、N2Oを120SCCM、H2を125SCCMとして反応室に導入し、基板温度400℃、反応圧力20Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数60MHzとした。これらの膜は、基板温度を変化させ、反応ガスの切り替えのみで連続して形成することもできる。
このようにして作製した酸化窒化シリコン膜102aは、密度が9.28×1022/cm3であり、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)の20℃におけるエッチング速度が約63nm/minと遅く、緻密で硬い膜である。このような膜を下地膜に用いると、この上に形成する半導体層にガラス基板からのアルカリ金属元素が拡散するのを防ぐのに有効である。
次に、25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで非晶質構造を有する半導体層103aを、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で形成する。例えば、プラズマCVD法で非晶質シリコン膜を55nmの厚さに形成する。非晶質構造を有する半導体膜には、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜があり、非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。また、下地膜102と非晶質半導体層103aとは両者を連続形成することも可能である。例えば、前述のように酸化窒化シリコン膜102aと酸化窒化水素化シリコン膜102bをプラズマCVD法で連続して成膜後、反応ガスをSiH4、N2O、H2からSiH4とH2或いはSiH4のみに切り替えれば、一旦大気雰囲気に晒すことなく連続形成できる。その結果、酸化窒化水素化シリコン膜102bの表面の汚染を防ぐことが可能となり、作製するTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変動を低減させることができる。
そして、結晶化の工程を行い非晶質半導体層103aから結晶質半導体層103bを作製する。その方法としてレーザーアニール法や熱アニール法(固相成長法)、またはラピットサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。前述のようなガラス基板や耐熱性の劣るプラスチック基板を用いる場合には、特にレーザーアニール法を適用することが好ましい。RTA法では、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを光源に用いる。或いは特開平7−130652号公報で開示された技術に従って、触媒元素を用いる結晶化法で結晶質半導体層103bを形成することもできる。結晶化の工程ではまず、非晶質半導体層が含有する水素を放出させておくことが好ましく、400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い含有する水素量を5atom%以下にしてから結晶化させると膜表面の荒れを防ぐことができるので良い。
結晶化をレーザーアニール法にて行う場合には、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやアルゴンレーザーをその光源とする。パルス発振型のエキシマレーザーを用いる場合には、レーザー光を線状に加工してレーザーアニールを行う。レーザーアニール条件は実施者が適宣選択するものであるが、例えば、レーザーパルス発振周波数30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜500mJ/cm2(代表的には300〜400mJ/cm2)とする。そして線状ビームを基板全面に渡って照射し、この時の線状ビームの重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行う。このようにして図1(B)に示すように結晶質半導体層103bを得ることができる。
レーザー結晶化の条件は実施者が適宜選択するものであるが、例えば、Nd:YAGレーザーのパルス発振周波数を10kHzとし、レーザーエネルギー密度を200〜500mJ/cm2(代表的には300〜450mJ/cm2)として、線状レーザー光をその長手方向に対し垂直な方向に走査して(或いは、相対的に基板を移動させて)非晶質半導体層を結晶化させる。線状レーザー光の線幅は100〜1000μm、例えば400μmの線状レーザー光を照射する。基板101上にはスリットが設けられ、線状レーザーの長手方向の長さを調節している。このようなスリットを設けることにより非晶質半導体層103aの一部のみを結晶化させることもできる。
このような線状ビームを用い、同じ場所を複数回照射する。或いは線状ビームを走査しながら複数回照射する。この時の線状ビームの重ね合わせ率(オーバーラップ率)を90〜99%として行うと良い。実際には照射パルスを10〜40パルスとすると良い。重ね合わせ率を高くして同一の領域を繰り返し照射することにより、非晶質半導体層103aの結晶性を高めることに効果がある。通常、重ね合わせ率を高くすると処理時間が長くなり、スループットが低下する。しかし、半導体レーザー励起のYAGレーザー発振器を用いると発振周波数を本実施形態のように高めることができるので、スループットを悪くすることはない。このようにして結晶質半導体層103bが形成される。
そして、結晶質半導体層103b上にフォトマスク1(PM1)を用い、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストパターンを形成し、ドライエッチングによって結晶質半導体層を島状に分割し、島状半導体層104〜108を形成しする。ドライエッチングにはCF4とO2の混合ガスを用いる。
このような島状半導体層に対し、TFTのしきい値電圧(Vth)を制御する目的でp型を付与する不純物元素を1×1016〜5×1017atoms/cm3程度の濃度で島状半導体層の全面に添加しても良い。半導体に対してp型を付与する不純物元素には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)
など周期律表第一3族の元素が知られている。その方法として、イオン注入法やイオンドープ法を用いることができるが、大面積基板を処理するにはイオンドープ法が適している。イオンドープ法ではジボラン(B2H6)をソースガスとして用いホウ素(B)を添加する。このような不純物元素の注入は必ずしも必要でなく省略しても差し支えないが、特にnチャネル型TFTのしきい値電圧を所定の範囲内に収めるために好適に用いる手法である。
ゲート絶縁膜109はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、膜厚を40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。例えば、120nmの厚さで酸化窒化シリコン膜から形成すると良い。また、SiH4とN2OにO2を添加させて作製された酸化窒化シリコン膜は、膜中の固定電荷密度が低減されているのでこの用途に対して好ましい材料となる。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い(図1(C))。
図1(D)に示すように、ゲート絶縁膜109上にゲート電極を形成するための耐熱性導電層を形成する。耐熱性導電層は単層で形成しても良いが、必要に応じて二層あるいは三層といった複数の層から成る積層構造としても良い。このような耐熱性導電性材料を用い、例えば、導電性の窒化物金属膜から成る導電層(A)110と金属膜から成る導電層(B)111とを積層した構造とすると良い。導電層(B)111はタンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金膜、Mo−Ta合金膜)で形成すれば良く、導電層(A)110は窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)膜、窒化モリブデン(MoN)などで形成する。また、導電層(A)110はタングステンシリサイド、チタンシリサイド、モリブデンシリサイドを適用しても良い。導電層(B)111は低抵抗化を図るために含有する不純物濃度を低減させることが好ましく、特に酸素濃度に関しては30ppm以下とすると良かった。例えば、タングステン(W)は酸素濃度を30ppm以下とすることで20μΩcm以下の比抵抗値を実現することができた。
導電層(A)110は10〜50nm(好ましくは20〜30nm)とし、導電層(B)111は200〜400nm(好ましくは250〜350nm)とすれば良い。Wをゲート電極とする場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で、アルゴン(Ar)ガスと窒素(N2)ガスを導入して導電層(A)111を窒化タングステン(WN)で50nmの厚さに形成し、導電層(B)110をWで250nmの厚さに形成する。その他の方法として、W膜は6フッ化タングステン(WF6)を用いて熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9%のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
一方、導電層(A)110にTaN膜を、導電層(B)111にTa膜を用いる場合には、同様にスパッタ法で形成することが可能である。TaN膜はTaをターゲットとしてスパッタガスにArと窒素との混合ガスを用いて形成し、Ta膜はスパッタガスにArを用いる。また、これらのスパッタガス中に適量のXeやKrを加えておくと、形成する膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することができる。α相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電極に使用することができるが、β相のTa膜の抵抗率は180μΩcm程度でありゲート電極とするには不向きであった。TaN膜はα相に近い結晶構造を持つので、この上にTa膜を形成すればα相のTa膜が容易に得られた。尚、図示しないが、導電層(A)110の下に2〜20nm程度の厚さでリン(P)をドープしたシリコン膜を形成しておくことは有効である。これにより、その上に形成される導電膜の密着性向上と酸化防止を図ると同時に、導電層(A)110または導電層(B)111が微量に含有するアルカリ金属元素がゲート絶縁膜109に拡散するのを防ぐことができる。いずれにしても、導電層(B)111は抵抗率を10〜50μΩcmの範囲ですることが好ましい。
次に、フォトマスク2(PM2)を用い、フォトリソグラフィーの技術を使用してレジストマスク112〜117を形成し、導電層(A)110と導電層(B)111とを一括でエッチングしてゲート電極118〜122と容量配線123を形成する。ゲート電極118〜122と容量配線123は、導電層(A)から成る118a〜122aと、導電層(B)から成る118b〜122bとが一体として形成されている(図2(A))。
導電層(A)および導電層(B)をエッチングする方法は実施者が適宣選択すれば良いが、前述のようにWを主成分とする材料で形成されている場合には、高速でかつ精度良くエッチングを実施するために高密度プラズマを用いたドライエッチング法を適用することが望ましい。高密度プラズマを得る手法の一つとして、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)エッチング装置を用いると良い。ICPエッチング装置を用いたWのエッチング法は、エッチングガスにCF4とCl2の2種のガスを反応室に導入し、圧力0.5〜1.5Pa(好ましくは1Pa)とし、誘導結合部に200〜1000Wの高周波(13.56MHz)電力を印加する。この時、基板が置かれたステージには20Wの高周波電力が印加され、自己バイアスで負電位に帯電することにより、正イオンが加速されて異方性のエッチングを行うことができる。
ICPエッチング装置を使用することにより、Wなどの硬い金属膜も2〜5nm/秒のエッチング速度を得ることができる。また、残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増しオーバーエッチングをすると良い。しかし、この時に下地とのエッチングの選択比に注意する必要がある。例えば、W膜に対する酸化窒化シリコン膜(ゲート絶縁膜109)
の選択比は2.5〜3であるので、このようなオーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされて実質的に薄くなった。
そして、nチャネル型TFTにLDD領域を形成するために、n型を付与する不純物元素添加の工程(n-ドープ工程)を行った。ここではゲート電極118〜122をマスクとして自己整合的にn型を付与する不純物元素をイオンドープ法で添加した。n型を付与する不純物元素として添加するリン(P)の濃度は1×1016〜5×1019atoms/cm3の濃度範囲で添加する。このようにして、図2(B)に示すように島状半導体層に低濃度n型不純物領域124〜129を形成する。
次に、nチャネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度n型不純物領域の形成を行った(n+ドープ工程)。まず、フォトマスク3(PM3)を用い、レジストのマスク130〜134を形成し、n型を付与する不純物元素を添加して高濃度n型不純物領域135〜140を形成した。n型を付与する不純物元素にはリン(P)を用い、その濃度が1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲となるようにフォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行った(図2(C))。
そして、pチャネル型TFTを形成する島状半導体層104、106にソース領域およびドレイン領域とする高濃度p型不純物領域144、145を形成する。ここでは、ゲート電極118、120をマスクとしてp型を付与する不純物元素を添加し、自己整合的に高濃度p型不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体膜105、107、108は、フォトマスク4(PM4)を用いてレジストマスク141〜143を形成し全面を被覆しておく。高濃度p型不純物領域144、145はジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法で形成する。この領域のボロン(B)濃度は3×1020〜3×1021atoms/cm3となるようにする(図2(D))。この高濃度p型不純物領域144、145には、前工程においてリン(P)が添加されていて、高濃度p型不純物領域144a、145aには1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度で、高濃度p型不純物領域144b、145bには1×1016〜5×1019atoms/cm3の濃度で含有しているが、この工程で添加するボロン(B)の濃度を1.5から3倍となるようにすることにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能する上で何ら問題はなかった。
その後、図3(A)に示すように、ゲート電極およびゲート絶縁膜上から保護絶縁膜146を形成する。保護絶縁膜は酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはこれらを組み合わせた積層膜で形成すれば良い。いずれにしても保護絶縁膜146は無機絶縁物材料から形成する。保護絶縁膜146の膜厚は100〜200nmとする。ここで、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法で、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。酸化窒化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化シリコン膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜で形成すれば良い。この場合の作製条件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2で形成することができる。また、SiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化シリコン膜を適用しても良い。窒化シリコン膜も同様にプラズマCVD法でSiH4、NH3から作製することが可能である。
その後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型を付与する不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施例では550℃で4時間の熱処理を行った。また、基板101に耐熱温度が低いプラスチック基板を用いる場合にはレーザーアニール法を適用することが好ましい(図3(B))。
活性化の工程の後、さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体膜を水素化する工程を行った。この工程は熱的に励起された水素により島状半導体膜にある1016〜1018/cm3のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
活性化および水素化の工程が終了したら、有機絶縁物材料からなる層間絶縁膜147を1.0〜2.0μmの平均厚を有して形成する。有機樹脂材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。例えば、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用いる場合には、クリーンオーブンで300℃で焼成して形成する。また、アクリルを用いる場合には、2液性のものを用い、主材と硬化剤を混合した後、スピナーを用いて基板全面に塗布した後、ホットプレートで80℃で60秒の予備加熱を行い、さらにクリーンオーブンで250℃で60分焼成して形成することができる。
このように、層間絶縁膜を有機絶縁物材料で形成することにより、表面を良好に平坦化させることができる。また、有機樹脂材料は一般に誘電率が低いので、寄生容量を低減することができる。しかし、吸湿性があり保護膜としては適さないので、本実施例のように、保護絶縁膜146として形成した酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜などと組み合わせて用いる必要がある。
その後、フォトマスク5(PM5)を用い、所定のパターンのレジストマスクを形成し、それぞれの島状半導体膜に形成されたソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する。コンタクトホールの形成はドライエッチング法により行う。この場合、エッチングガスにCF4、O2、Heの混合ガスを用い有機樹脂材料から成る層間絶縁膜をまずエッチングし、その後、続いてエッチングガスをCF4、O2として保護絶縁膜146をエッチングする。さらに、島状半導体層との選択比を高めるために、エッチングガスをCHF3に切り替えてゲート絶縁膜をエッチングすることにより、良好にコンタクトホールを形成することができる。
そして、導電性の金属膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成し、フォトマスク6(PM6)によりレジストマスクパターンを形成し、エッチングによってソース配線148〜151、157とドレイン配線153〜156、152を形成する。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半導体層のソースまたはドレイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてアルミニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成して配線とした(図3(C))。
その後、有機樹脂からなる第二の層間絶縁膜158を0.5〜1.5μmの厚さに形成する。有機樹脂としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。本実施例では、アクリル樹脂を0.5μm塗布し、250℃で焼成する。
その上に、無機絶縁膜159を10nm〜100nmの厚さで形成する。無機絶縁膜としては酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはこれらを組み合わせた積層膜で形成すれば良い。本実施例では酸化シリコン膜を50nmの厚さで形成する。
さらに、0.5μmの厚さになるように第三の層間絶縁膜160としてアクリル樹脂を塗布する。次にアクリル樹脂をドライエッチングして、シール材の形成領域に相当する第三の層間絶縁膜160を除去してしまう。無機絶縁膜159がドライエッチングのときのストッパーとなり、エンドポイントを検出する目安となる。有機層間膜を二層に分けて形成して、一層は除去してしまうのは、狭ギャップで段差が大きいと注入に時間がかかってしまうため、これを緩和するためである。層間膜の最上層のみエッチングすることで、段差が精度良く形成できる。
層間膜をさらに上から塗布すると段差が平坦化されてしまい所望の段差が形成できない。また、本実施形態では層間絶縁膜を一層除去したが、エッチングレートが同じなら複数層の層間絶縁膜を除去することもできる。
(図4(A))。
本実施形態では、ドレイン配線と画素電極の間の層間膜をエッチングしてシール形成領域に段差を形成するが、たとえばドレイン電極が画素電極の役割をかねるときは、ゲート電極とドレイン電極の間の層間膜をエッチング選択比の異なる二層以上の膜から形成し、最上層を除去することでシール形成領域の段差を形成しても良い。この場合も最上層の層間膜をエッチングすると、さらに層間膜を形成することにより段差が平坦化されてしまうことを防ぐことができる。
そして、第二の層間絶縁膜158と第三の層間絶縁膜160および無機絶縁膜159にドレイン配線152に達するコンタクトホールを形成し、画素電極161を形成する。画素電極は、透過型液晶表示装置とする場合には透明導電膜を用いれば良く、反射型の液晶表示装置とする場合には金属膜を用いれば良い。本実施例では透過型の液晶表示装置とするために、酸化インジウム・スズ(ITO)
膜を100nmの厚さにスパッタ法で形成する(図4(B))。
TFT素子が形成された基板に柱状スペーサーを形成する様子を図5を用いて説明する。柱状スペーサー162形成のため感光性樹脂をスピン塗布する。ネガ型感光性材料のアクリル樹脂であるJSRの“NN700”を用いる。“NN700”をスピン回転数2000rpmで塗布することで、熱硬化後の柱状スペーサーの高さが画素領域で2.5μmとなる。
もちろん柱状スペーサー162の材料は感光性である必要はなく、非感光性樹脂をパターニングしてスペーサーとすることも可能である。例えば、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、ポリビニルシンナメート等が使用可能である。いずれにせよ平坦化効果のある有機樹脂を使うことが望ましい。
ところで、感光性樹脂を塗布したときに、第三の層間絶縁膜160の膜厚に起因する段差を平坦化し、画素領域、駆動回路領域及びシール材を設ける領域のセルギャップがほぼ等しくなるようにする方が、セルギャップむらを防ぐ上で望ましい。
図6を用いて説明すると、図6の201はガラス基板を示す。ガラス基板上の配線パターンは省略されている。ドライエッチングのストッパーとなる無機絶縁膜202の上に、第三の層間絶縁膜203、204がエッチングされている。205は感光性樹脂を示す。感光性樹脂はパターニング後に柱状スペーサーとなる。画素領域207に柱状スペーサー206がある。シール材を設ける領域208に柱状スペーサー209がある。
本実施形態の第三の層間絶縁膜203、204をエッチングする領域210は、シール材を設ける領域208の周辺のみである。これは、感光性樹脂205を塗布するときに、エッチングによる段差211を平坦化しやすくするためである。
シール材を設ける領域とその周辺のみ有機樹脂膜をエッチングすることで、感光性樹脂の平坦度が高くなり、画素領域207に設けられた柱状スペーサー206と、シール材を設ける領域208に設けられた柱状スペーサー209の頂点の高さが、ほぼ等しくなる。
本実施形態では、エッチングする領域(LA)210はシール材を設ける領域(LB)に対しLB+0.1mm≦LA≦LB+6mm望ましくはLB+0.1mm≦LA≦LB+2mmとする。たとえばシール材を設ける領域(LB)が1mmのとき、有機樹脂エッチングする領域610の幅(LA)をシール形成領域(LB)
に対し1mm大きくして2mmとする。
比較のための構成を図7に示す。図7の301はガラス基板示す。ガラス基板上の配線パターンは省略されている。ドライエッチングのストッパーとなる無機絶縁膜302の上に、第三の層間絶縁膜303がエッチングしてある。304は感光性樹脂を示す。感光性樹脂はパターニング後に柱状スペーサーとなる。画素領域306に柱状スペーサー305がある。シール材を設ける領域307に柱状スペーサー310がある。308は画素領域に設けられた柱状スペーサー305とシール材を設ける領域に設けられた柱状スペーサー310の高さの差を示す。
セルギャップむらをでにくくするには、高さの差308はできるだけ小さいほうが望ましい。
図7では、エッチング工程後の第三の層間絶縁膜303が、画素領域306と駆動回路上にあり、シール材を設ける領域周辺から液晶表示装置外側にかけては、第三の層間絶縁膜をエッチングしている。第三の層間絶縁膜のエッチングする領域309で示す。
つまり、図6、7の断面図の比較からわかるように、図6のように有機樹脂膜をエッチングする領域をできるだけ狭くするほうが、感光性樹脂を塗布したときに、より確実に段差の平坦化効果が高くなる。これにより画素領域、駆動回路領域とシール材を設ける領域でパターニング後の柱状スペーサーの高さを均一にできる。もちろん有機樹脂膜の粘度を低くすること、塗布回数を増やすことで図7の構成でも十分に平坦化をはかることができる。有機樹脂膜を二回にわけて塗布すると段差の平坦化効果が高くなる。
そして、図5に示すように感光性樹脂に紫外線を照射して、フォトリソグラフィーにより柱状スペーサー162を形成する。柱状スペーサー162の直径は1〜10μmが望ましい。本実施形態では柱状スペーサー162の直径を2〜3μmとする。
柱状スペーサー162は画素領域では、保持容量の上に形成する。駆動回路領域では、走査線上に形成する。また、シール材を設ける領域にも柱状スペーサー162を形成し、フィラーの替わりとする。
柱状スペーサーをパターニング後、ポストベークにより熱硬化する。ポストベーク温度は250℃とする。こうして、直径2〜3μmの柱状スペーサーが形成される。柱状スペーサーの高さは、画素領域、駆動回路領域で2.5μm、シール材を設ける領域で3μmである。素子基板のシール材を設ける領域と、画素領域、駆動回路領域上に柱状スペーサーを設け、頂点の高さがほぼ均一になるようにしている。
以下に対向基板の作製工程を示す。図5を用いて説明する。
ガラス基板163上にスパッタ法で無機材料のブラックマトリクス164としてCr(クロム)を120nmに成膜する。ブラックマトリクスは液晶のディスクリネーションによる光漏れや、スイッチング素子が光反応により劣化することを防ぐ。ブラックマトリクスの材料は金属だけでなく、金属酸化物、金属窒化物でも良い。無機材料のブラックマトリクスとしては、クロムのほかに、タンタルや、酸化クロム、窒化タンタルなどがある。無機材料のブラックマトリクスは90〜300nmのような薄い膜厚でも、4〜6、あるいはそれ以上の高いOD値(Optical Density;光学濃度)を示す。ブラックマトリクスの厚みによる段差の形成を押さえられる。
次に透明導電膜165として酸化インジウム・スズ(ITO)膜をスパッタ法で100nmに成膜する。光の干渉効果によりITO膜の透過率を高めるため、ITO膜の膜厚は100〜140nmが望ましい。こうして、本実施形態の対向基板が完成する。
素子基板と、対向基板に配向膜印刷法により配向膜166が形成されている。
本実施形態では、日産化学の垂直配向膜“SE1211”を60nm印刷する。
印刷後配向膜をプリベーク、ポストベークする。
垂直配向膜はラビングをしなくても、液晶のプレチルト角を90°とすることができ、液晶は配向膜にたいし垂直配向する。
しかし、プレチルト角が90°では、アクティブマトリクス型表示装置をライン反転駆動したときに、隣接する画素間において、電圧の極性が反転しているため、横方向電界によりディスクリネーションがでやすくなる。ディスクリネーションをおさえるためには、ラビングをしてプレチルト角85°〜89°にしたほうが良い。
ただし、垂直配向膜はラビングによるラビング筋がでやすく、ラビング筋により、表示品質が損なわれやすい。特に、ラビング面に段差があると段差をひきずったラビング筋がでてしまう。
本実施形態では、素子基板のシール材を設ける領域の有機樹脂膜をエッチングして段差を設けているが、有機樹脂膜を二層にわけて形成し、一層のみエッチングすることで段差の形成を必要最低限におさえている。また、対向基板は100〜120nmの無機材料からなるため段差は少ない。このため、段差に起因するラビング筋がでにくい構造となっている。
本実施形態では、対向基板と素子基板をラビングし、液晶表示装置を形成したときのラビング方向が反平行になるようにする。
一対の基板間にシール材168が形成されている。本実施形態ではシール材は熱硬化型エポキシ樹脂の三井化学のストラクトボンド“XN−21S”を用いる。充填剤の直径は最大5μmである。実験ではXN−21Sは、充填材の直径の関係でシール材が2.5μmまでしかつぶれなかった。かつ、2.5μmにまでセルギャップを小さくすると、シール材中の低粘度成分が画素領域に流出しやすくなった。“XN−21S”で形成できるセルギャップは2.5μm以上、表示品質を考えるとシール材の低粘度成分の流出をおさえるためには3.0μm以上が望ましいことがわかった。
本実施形態では、画素領域のセルギャップが2.5μmであり、0.5μmの厚さで有機樹脂膜をエッチングしているため、シール材は3.0μmとすることができる。このためシール材中の未硬化樹脂や低粘度成分の流出が抑えられ、かつ、所望のセルギャップを形成できる。段差を必要最低限におさえた構成にするため、シールを3.0μmとし、段差を低粘度成分の流出しない0.5μmとしている。
シール材を90℃30分で仮焼成後、対向基板と素子基板を貼り合わせ、熱プレスを行う。熱プレスの圧力は0.3kgf/cm2とする。熱プレス後にスクライバー、ブレーカーで分断を行う。
垂直配向反射型液晶表示装置では、環境温度にもよるが、液晶層のリタデーション(Δnd)は0.2〜0.3が望ましい。本実施形態ではセルギャップが2.5μmのため、液晶の屈折率異方性(Δn)が0.1のメルクのネガ型液晶“MLC2038”を注入する。
液晶167注入後、注入口をUV硬化型樹脂(図示せず)で封止した後、液晶を等方相以上の温度に加熱して、再配向処理を行う。
フレキシブルプリント配線板(FPC:Frexible Printed Circuit)(図示せず)を取り付け、外部信号を入力し液晶表示装置を駆動する。TFTに接続した画素電極161と、対向基板に設けられた画素電極165で液晶167、配向膜166に電界がかかる。
以上のようにしてアクティブマトリクス型表示装置が完成する。
垂直配向反射型液晶表示装置の表示品質を確認する。垂直配向反射型プロジェクター液晶表示装置はPBS(Polarized Beam Splitter;偏光ビームスプリッター)を用いた光学系が必要となる。図15(3)に示すように、偏光ビームスプリッター1103に入射する光のうち、偏光ビームスプリッター1103のスプリッター面1104に水平に振動する光(S偏光1105)が反射し、S偏光1105と振動方向が垂直な光(P偏光1106)が透過する。
図15(1)、(2)に垂直配向反射型プロジェクターの光学系を示す。光源1101は白色光のメタルハライドランプを用いた。光源1101から出た光は、リフレクター1102より反射され平行光線となり、偏光ビームスプリッター1103に入射する。偏光ビームスプリッターに入射した光のうち、S偏光がスプリッター面で反射され、ダイクロイックプリズム1105に入射する。ダイクロイックプリズムにより入射した白色光が赤、緑、青の3色の光に分光し、垂直配向反射型液晶表示装置1106〜1108に入射する。液晶表示装置を三枚用いてカラー表示を行う三板式の光学系のため、解像度の高い表示ができる。
黒表示では、液晶は垂直配向をしており、垂直配向反射型液晶表示装置1106〜1108に入射した光は液晶により光学変調をうけない。図15(1)に示すように液晶表示装置から反射された光はS偏光のままであるため、偏光ビームスプリッターのスプリッター面によってS偏光が光源側に反射する。このためスクリーン1109に光は入射しない。
白表示のときは、液晶表示装置には所定階調に対応した電圧が印可されている。図15(2)に示すように、垂直配向反射型液晶表示装置1106〜1108に入射した光は液晶により光学変調をうけて、偏光状態を変えるため、液晶表示装置から反射された光は、円偏光、楕円偏光、あるいはP偏光となる。偏光状態に応じた明るさで偏光ビームスプリッター1103からスクリーン1109側へ光が出射する。偏光ビームスプリッターから出射した光は投射レンズ1110によりスクリーン1109に投影される。
図15の光学系で表示の評価をする。セルギャップむら、ラビング筋は表示において問題がない。液晶表示装置を観察してもシール材付近の段差の形成を必要最低限におさえる構造のためシール材周辺の気泡は見られない。
本実施形態の特徴はまず、シール材を設ける領域の有機樹脂膜をエッチングすることでセルギャップを狭くすることにともなうシール材の未硬化樹脂、低粘度成分の流出をおさえることである。
また、本実施形態の特徴は、シール材を設ける領域の段差を、柱状スペーサーにより平坦化し、柱状スペーサーの頂点の高さを均一にすることである。対向基板も膜厚が90〜300nmと薄いクロム、ITO膜のような無機膜を使っているため平坦性が良い。平坦性の良い2枚の基板を用いてパネル組立することで均一なセルギャップが得られる。
また本実施形態の特徴は、有機樹脂膜を二層に分けて形成し、一層のみエッチングすることで、段差の形成を必要最低限におさえることである。これにより段差に起因する気泡や、ラビング筋をおさえることができる。さらに、段差の形成を必要最低限におさえているため、柱状スペーサーにより段差を平坦化しやすい。
段差の形成をおさえた構成は、液晶注入という点では、垂直配向のように配向膜のアンカリングエネルギーが弱く液晶注入に時間がかかる表示モードや、液晶の粘性が高く液晶注入に時間がかかる表示モードに有用である。また気泡が残りやすい大型の液晶表示装置にも有用である。
また、自発分極を有するスメクチック液晶は、液晶が注入されにくく段差部で気泡となりやすい。そして気泡を起点として層方向に配向欠陥が広がり、液晶表示装置全面で均一な配向を得るのが難しくなる。実験では配向膜(30〜230nm)や透明電極(90〜140nm)に起因する30〜370nmの段差でさえ、液晶表示装置のサイズや注入条件によっては、液晶がうまく注入されず気泡となった。このため、段差の形成を必要最低限におさえた本実施形態の構成は、スメクチック液晶を使用する液晶表示装置において有用である。
本実施形態の段差の形成を必要最低限におさえた構成は、ラビング筋を防ぐという点では、垂直配向のようにプレチルトが高くラビング筋がでやすい表示モードや、ディスクリネーション対策に比較的プレチルトを高くした(5〜10°)
、ラビング筋がでやすい表示モードに有用である。
またラビングによる段差を防ぐという点では、段差形成後に有機樹脂膜を塗布し、段差部に緩やかなテーパーをつけることも可能である。緩やかなテーパーをつけることでラビングロールの毛先の乱れが少なくなり、ラビング筋を減らすことができる。
駆動回路一体型のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、対角2〜3インチ以下の小型パネルの場合、駆動回路とシール材を形成する領域にのみスペーサーを設け、表示領域には設けないことも可能である。スペーサー周囲の液晶配向が乱れることによる光漏れを防止できる。石英基板を用いると表示領域にギャップを制御する材料を設けなくても精度の良いセルギャップ制御ができる。
本実施形態を液晶表示装置に応用する場合は、本実施形態の構成の特徴をすべて備えている必要はなく、実施者が必要に応じて適宜選択すれば良い。本実施形態では素子基板の有機樹脂膜をエッチングしたが、無機膜をエッチングして段差を形成することも可能である。
[実施形態2]
本実施形態では、煩雑な工程をともなわず、均一なセルギャップの液晶表示装置を形成する方法を説明する。
液晶表示装置では、シール材を設ける領域と画素領域の段差から、シール材中のフィラー径と画素領域のスペーサーの径を設定するといった作業をするときがある。しかし、測定装置の精度の問題で段差測定値からフィラー径の最適化をしてもセルギャップむらがでてしまうことがある。
しかし、本実施形態では、シール材にフィラー、スペーサーを設けない。このためシール材のセルギャップは、画素領域、駆動回路領域に形成されたスペーサーにより決められる。このため、アクティブマトリクス型表示装置のシール下にあるFPC配線による段差により、セルギャップが局所的に厚くなることをおさえられる。
図8に実施形態2の構成を示す。素子基板はガラス基板401、真性半導体層402、半導体nチャネル領域403、半導体pチャネル領域404、ゲート絶縁膜405、耐熱性導電体層406、保護膜407、第一の層間絶縁膜408、ソース配線409、411と、ドレイン配線410、412、第二の層間絶縁膜413、画素電極414、柱状スペーサー423からなる。
実施形態2では対向基板にある有機樹脂膜をシール材を設ける領域においてエッチングしている。このため、素子基板の層間絶縁膜はシール材形成用にエッチングしていない。
また、本実施形態では柱状スペーサーの高さを1.0μmとしている。柱状スペーサー材料としてはJSRの“NN700”を希釈して粘度を下げ、スピン塗布し、1.0μmのセルギャップ形成を行った。
対向基板はガラス基板415、無機材料のブラックマトリクス416、カラーフィルター417、オーバーコート材418、透明導電膜419からなる。対向基板の特徴を図11を用いて説明する。
図11(1)のように、対向基板のガラス701には、無機材料のブラックマトリクス702が成膜されている。本実施形態ではクロム120nmが使われる。
無機材料のブラックマトリクス702の上にカラーフィルター703が形成されている。カラーフィルターは顔料が分散された有機樹脂からなる。カラーフィルターの厚さは反射型液晶表示装置で0.3μm〜1.5μmであり、透過型液晶表示装置で0.8μm〜2.0μmが望ましい。カラーフィルターは各色のカラーモザイクを組み合わせてカラー表示を行う。カラーモザイクとして用いる色の組み合わせは、赤、青、緑のような加法混色の三原色だけでなく、シアン、マゼンダ、イエローのような減法混色の三原色も可能である。
本実施形態では赤、青、緑の加法混色の三原色でカラー表示を行う。カラーフィルターとして感光性アクリル樹脂が緑、青、赤の順で、それぞれ1.4〜1.6μmの厚さでストライプ状に形成されている。図示してはいないが、ブラックマトリクスを隣接するカラーモザイクの間に設けると、カラーモザイクが重なることによる混色を防ぐことができる。
本実施形態では、カラーフィルター703のカラーモザイク緑、赤、青のうち、少なくともいずれか一色が駆動回路708領域にも形成してあるのが特徴である。これにより、少なくとも、駆動回路領域708と画素領域706が同じ高さに平坦化され、セルギャップむらがでにくくなる。駆動回路一体型のアクティブマトリクス型液晶表示装置のうち、デジタル駆動パネルのような、駆動回路領域の大きな液晶表示装置にこのような構成は特に有効である。
カラーフィルター703にオーバーコート材704を形成する。オーバーコート材の厚さは0.5〜5μmが望ましい。オーバーコート材はアクリル、ポリイミドのような透明な有機樹脂膜であり、隣接するカラーモザイクの重なりによってできる微細な段差の平坦化効果がある。本実施形態ではオーバーコート材の厚さを1μmとする。
透明導電膜705として酸化インジウム・スズ(ITO)膜をスパッタ法で100nmに成膜し、レジスト709をパターニングする。
その後、図11(2)のようにドライエッチングにより、シール材を設ける領域707にあるオーバーコート材704を透明導電膜705と一緒にエッチングする。エッチング後に剥離液にてレジストを剥離する。
図11と比較する構成を図12に示す。対向基板の駆動回路領域808にカラーフィルターがない。
ガラス基板801があり、無機材料のブラックマトリクス802の上にカラーフィルター803が形成されている。本実施形態では赤、青、緑の加法混色の三原色でカラー表示を行う。カラーフィルターとして感光性アクリル樹脂が緑、青、赤の順で、それぞれ1.4〜1.6μmの厚さでストライプ状に形成されている。図示してはいないが、ブラックマトリクスを隣接するカラーモザイクの間に設けると、カラーモザイクが重なることによる混色を防ぐことができる。カラーフィルターは画素領域にある。
カラーフィルター803にオーバーコート材804を形成する。オーバーコート材の厚さは0.5〜5μmが望ましい。オーバーコート材はアクリル、ポリイミドのような透明な有機樹脂膜であり、隣接するカラーモザイクの重なりによってできる微細な段差の平坦化効果がある。本実施形態ではオーバーコート材の厚さを1μmとする。
透明導電膜805として酸化インジウム・スズ(ITO)膜をスパッタ法で100nmに成膜し、レジストによりパターニングする。
その後、ドライエッチングにより、シール材を設ける領域807にあるオーバーコート材804を透明導電膜805だけをエッチングする。
このように作製した対向基板では、画素領域806と駆動回路領域808の間にカラーフィルターの厚さ起因の段差809が残る。段差809に起因するセルギャップむらができやすい。図11では、画素領域706と駆動回路領域708は平坦である。
図11の対向基板と素子基板を組み合わせてパネル組立をする。パネル組立工程を図8を用いて説明する。配向膜420は表示モードに応じて適宜選択する。
シール材422は熱硬化型エポキシ樹脂の三井化学のストラクトボンド“XNー21F”を使う。ファインピッチ形成用に市販されている材料であり、充填材の最大径は4μmである。実験では、充填材の径の関係で、XN−21Fはシール材が2.3μmまでしかつぶれなかった。かつ2.5μmにまでセルギャップを小さくすると、シール材中の低粘度成分が画素領域に流出しやすくなった。つまり、“XN−21F”で形成できるセルギャップは2.3μm以上、表示品質を考えると2.9μm以上が望ましいことがわかった。
シール材を仮焼成後、対向基板と素子基板を貼り合わせ、熱プレスを行う。貼り合わせ後の対向基板と素子基板のラビング軸は90°に交差する。熱プレスの圧力は0.3kgf/cm2とする。熱プレス後にスクライバー、ブレーカーで分断を行う。液晶421は表示モードに応じて適宜選択し、液晶注入後にUV硬化樹脂で注入口を硬化する。
対向基板シール材を設ける領域の1.0μmのオーバーコート材418と1.5μmのカラーフィルター417をエッチングすることで、本実施形態ではシール材を設ける領域のセルギャップを画素領域のセルギャップに比べて2.5μm高くすることができる。1.0μmのセルギャップの液晶表示装置に対して、シール材を設ける領域は3.5μmのセルギャップとすることができる。これによりシール材の低粘度成分、未硬化樹脂の流出をおさえることができる。3.5μmのセルギャップなら、充填材がつぶれることができ、セルギャップ形成が可能である。
本実施形態はシール材に特徴があり、シール材中にフィラー等のセルギャップ制御をする材料がないため、駆動回路領域と、画素領域のスペーサーの高さで液晶表示装置のセルギャップが決まる。このため、シール材を設ける領域に大きく段差を設けても、フィラー径の最適化という煩雑な作業がなくても、均一なセルギャップとなる。
また、本実施形態の構成は対向基板に特徴があり、図11のように駆動回路領域にもカラーフィルターを形成し、画素領域と駆動回路領域にあたる部分を平坦化してセルギャップむらを出にくくしている。さらに、対向基板のシール材を設ける領域の有機樹脂膜をエッチングしているためセルギャップを狭くすることにともなうシール材のしみ出しが見られない。
本実施形態ではスペーサーとして、柱状スペーサーを用いて説明したが、それに限るものでなく球状のSiO2、有機樹脂のスペーサー、壁スペーサーなど自由に使える。
本実施形態の対向基板の構成は、アクティブマトリクス型表示装置だけでなく、単純マトリクス型表示装置にも適用できる。
[実施形態3]
本実施形態では、シール材の信頼性の関係でシール材を設ける領域の段差を大きく設けた基板において、段差に起因するラビング筋をおさえる方法を開示する。
以下に本実施形態の構成を説明する。素子基板、対向基板は図8に示す基板を用いる。各構成要素の説明は実施形態2においてすでにした。対向基板はシール材を設ける領域のオーバーコート材、カラーフィルターがエッチングされ2.5μmの段差ができている。柱状スペーサー423としてはJSRの“NN700”が画素領域と駆動回路に1.0μmの高さで形成されている。本実施形態では実施形態2と異なる点を説明する。
本実施形態では、光配向により液晶の配向制御を行う。光配向は配向膜に対し非接触な工程で、配向膜に液晶の配向機能を発現させる。このため、シール材を設ける領域の段差に起因するラビングむらをおさえることができる。
配向膜のラビング工程は、基板の段差を引きずったラビング筋が現われることがある。しかし、液晶の配向制御にラビングレスの表示モードを組み合わせて使うことで、段差によるラビング筋を防止する。
配向膜は光配向機能を有する配向膜として感光性樹脂であるポリビニルシンナメート(PVCi)を用いる。膜厚は30nmとする。ポリビニルシンナメートはネガ型のフォトレジストであり、光反応により分子構造が変化し、二量化反応が起こる。
ポリビニルシンナメート(PVCi)の二量化反応を図13に示す。ポリビニルシンナメート900の側鎖のスチリル基901は、カルボニル基からベンゼン環にかけて二重結合の共役系が伸びており、紫外線を強く吸収する。
側鎖のスチリル基901に平行な紫外線の直線偏光902を照射すると、側鎖が紫外線を吸収して、スチリル基901の炭素−炭素二重結合が開環し、903のようにポリビニルシンナメートが二量化する。
二量化したポリビニルシンナメートは液晶の配向性を失う。液晶はポリビニルシンナメートの側鎖方向に配向するため、結果として照射した紫外線の偏光方向に対し直交する方向に液晶長軸が配向する。
ポリビニルシンナメートを光配向するには、図14に示すように配向膜に対し直線偏光を二回にわけて照射する。一回目の光照射は配向膜に対し、垂直方向から行い液晶長軸の配向方向を決める。
二回目の直線偏光の照射は配向膜に対し、斜め方向からする。二回目の光照射により液晶のプレチルト角が決まる。照射した直線偏光と同一平面で、照射した直線偏光に対し直行する方向に液晶の長軸が配向する。
二回に分けて紫外領域の直線偏光を照射することで、液晶の配向軸1001とプレチルト角が決まる。液晶の配向方向は表示モードに応じて適宜選択する。
紫外光の光源としては、水銀ランプ、エキシマレーザー、アルゴンイオンレーザー等がある。
光配向後、シール材を塗布する。シール材仮焼成、基板貼り合わせ、熱プレス、分断を行って液晶を注入する。液晶注入後に注入口に紫外線硬化材を塗布し、紫外線照射することで液晶注入口を封止する。フレキシブルプリント配線板をパネルにつけて、アクティブマトリクス型表示装置ができる。
本実施形態の特徴はセルギャップの狭い液晶表示装置におけるシール材のしみだしを防止するために、シール材を設ける領域をエッチングして段差を設けている。さらに段差によりラビング筋がでることを防ぐために光配向処理をほどこしている。
素子基板には図8のように柱状スペーサー423が形成されているが、柱状スペーサーの高さが1.0μmと小さいので、柱状スペーサーの影による光照射むらはそれほど大きくなく、液晶の配向は液晶表示装置内で均一である。
ラビングレスの表示モードは、光配向法だけでなく、電界スリット制御法、垂直配向型液晶表示装置において微細突起で液晶を配向するMVA(Multi Vertical Align)モードがある。シール材を設ける領域をエッチングしたような段差の大きい基板では、これらのラビングレスモードもラビング筋の防止に有用である。
[実施形態4]
配向膜のラビング工程は、基板上に基板の段差を引きずったラビング筋が現われることがある。本実施形態では、セルギャップを狭くするための段差が、ラビング工程に影響しない構成を開示する。
本実施形態では、対向基板、素子基板とも、ラビングの上流方向をさけて、有機樹脂膜のエッチングによる段差を設けて、段差に起因するラビング筋が画素領域にかからないようにすることを特徴とする。
本実施形態の構成を図9を用いて説明する。図9において、対向基板501と配向膜のラビング方向502、シール材を設ける領域においてシール材のしみだし防止のために有機樹脂膜がエッチングされた領域503が図示されている。簡単のために対向基板の画素電極、ブラックマトリクス、カラーフィルター等は図示していない。段差によるラビング筋が画素領域にかかることを防ぐために、ラビング方向502の上流側をさけて有機樹脂膜をエッチングしていることが特徴である。本実施形態では、エッチングする領域503において、カラーフィルター1.0μmと、オーバーコート材1.0μmを取り去っており、2.0μmの段差がある。
素子基板504に、FPC配線引出し線505、ゲートドライバー506、ソースドライバー507がある。素子基板の配向膜ラビング方向508の上流側をさけて、有機樹脂膜エッチングする領域509を設けている。素子基板では、FPC配線を保護するために、FPC配線側の有機樹脂膜は残してある。本実施形態では、エッチングする領域509において、有機樹脂膜を2.0μm取り去っており、対向基板と同じ段差がある。
対向基板にシール材511を形成し、対向基板と素子基板をパネル組立する。
パネル組立後のシール材511は、対向基板と素子基板に2.0μmの段差をもうけた領域512にある。本実施形態のラビング方向では左巻きのツイストのTN型液晶表示装置ができる。パネル組立後にFPC510の貼りつけを行い、アクティブマトリクス型表示装置が完成する。
本実施形態では、セルギャップを狭くすることによるシール材のしみだしを防ぐために、対向基板と、素子基板の有機樹脂膜をエッチングしている。さらに、エッチング後の段差に起因するラビング筋を防ぐために、ラビング方向の上流側をさけて有機膜をエッチングしている。これによりラビング筋のできにくい良好な表示品質の液晶表示装置を形成する。
[実施形態5]
実施形態5では、ラビング筋防止のため、ラビングの上流方向を避けるようにして段差を設けた液晶表示装置の構成を説明する。本実施形態では、一対の基板に反平行のラビング処理を施す。表示モードとしては、垂直配向液晶表示装置、反強誘電性液晶表示装置、強誘電性液晶表示装置のような反平行のラビング処理が必要な液晶表示装置に適用できる。
本実施形態では、対向基板、素子基板とも、ラビングの上流方向に、有機樹脂膜のエッチングによる段差を設けないようにして、段差に起因するラビング筋が画素領域にかからないようにすることを特徴とする。
本実施形態の構成を図10を用いて説明する。図10において、対向基板601と配向膜のラビング方向602、シール材を設ける領域においてシール材のしみだし防止のために有機樹脂膜がエッチングされた領域603がある。簡単のために対向基板の画素電極、ブラックマトリクス、カラーフィルター等は図示していない。段差によるラビング筋が画素領域にかかることを防ぐために、ラビング方向602の上流側をさけて有機樹脂膜をエッチングしていることが特徴である。本実施形態では、エッチングする領域603において、カラーフィルター1.0μmと、オーバーコート材1.0μmを取り去っており、2.0μmの段差がある。
素子基板604に、FPC配線引出し線605、ゲートドライバー606、ソースドライバー607がある。素子基板配向膜のラビング方向608の上流側をさけて、有機樹脂膜エッチングする領域609を設けている。素子基板では、FPC配線を保護するために、FPC配線側の有機樹脂膜は残してある。本実施形態では、エッチングする領域609において、有機樹脂膜を2.0μm取り去っており、対向基板と同じ段差がある。
対向基板上にシール材611を塗布し、対向基板と素子基板をパネル組立する。パネル組立後のシール材611は、対向基板と素子基板の2.0μmの段差をもうけた領域612にある。本実施形態では反平行にラビング処理を施した液晶表示装置ができる。パネル組立後にFPC610の貼りつけを行い、アクティブマトリクス型表示装置が完成する。
[実施形態6]
本実施形態では、本発明のアクティブマトリクス型液晶表示装置を組み込んだ半導体装置について図18、図19、図20で説明する。
このような半導体装置には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、スチルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ等が挙げられる。それらの一例を図18と図19に示す。
図18(A)は携帯電話であり、本体9001、音声出力部9002、音声入力部9003、表示装置9004、操作スイッチ9005、アンテナ9006から構成されている。本願発明は音声出力部9002、音声入力部9003、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9004に適用することができる。
図18(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。本願発明は音声入力部9103、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9102、受像部9106に適用することができる。
図18(C)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本願発明は受像部9203、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9205に適用することができる。
図18(D)はヘッドマウントディスプレイであり、本体9301、表示装置9302、アーム部9303で構成される。本願発明は表示装置9302に適用することができる。また、表示されていないが、その他の信号制御用回路に使用することもできる。
図18(E)はテレビであり、本体9401、スピーカー9402、表示装置9403、受信装置9404、増幅装置9405等で構成される。実施例5で示す液晶表示装置や、実施例6または7で示すEL表示装置は表示装置9403に適用することができる。
図18(F)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9502、9503、記憶媒体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。表示装置9502、9503は直視型の表示装置であり、本発明はこの適用することができる。
図19(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。
図19(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。
図19(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。
図20(A)はフロント型プロジェクターであり、表示装置3601、スクリーン3602で構成される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適用することができる。
図20(B)はリア型プロジェクターであり、本体3701、投射装置3702、ミラー3703、スクリーン3704で構成される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適用することができる。
なお、図20(C)は、図20(A)及び図20(B)中における投射装置3601、3702の構造の一例を示した図である。投射装置3601、3702は、光源光学系3801、ミラー3802、3804〜3806、ダイクロイックミラー3803、プリズム3807、液晶表示装置3808、位相差板3809、投射光学系3810で構成される。投射光学系3810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図20(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
また、図20(D)は、図20(C)中における光源光学系3801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系3801は、リフレクター3811、光源3812、レンズアレイ3813、3814、偏光変換素子3815、集光レンズ3816で構成される。なお、図20(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。