JP5218108B2 - 接着構造体ならびにその製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの被着体を高周波誘電加熱方式で接着接合する方法及び装置、そしてそれにより得られる接着構造体に関する。さらに詳しく述べると、本発明は、例えばポリアセタール樹脂のような難接着性材料からなる被着体、例えばU溝継ぎ手や厚肉の接着継ぎ手のような被着体の接着接合を高周波誘電加熱方式を利用して強固にかつ安定的に行う方法及び装置、そしてそれにより得られる接着構造体に関する。
従来、2つの同一もしくは異なる部品、物品、部材等(以下、総称して「被着体」という)を接合するため、いろいろな手法が提案されている。例えば、熱風炉等の熱源を用いて、接着剤を加熱硬化あるいは溶融固着させて被着体どうしを接着する接着接合という技術が報告されている。しかしながら、この接着接合では、熱風炉等の熱源を用いるため、コストが高く、エネルギー消費が大きくなるという問題点が存在している。
近年、COガス排出規制等、環境に配慮した規制強化に対応するため、接着加工処理分野においても省エネ要求がますます強くなっている。この要求に対応するため、従来の熱風炉加熱等のいわゆる「外部加熱方式」に代わる加熱法として、赤外線(IR)加熱、レーザ加熱、誘導加熱、マイクロ波加熱等のいわゆる「内部加熱方式」が実用化されつつある。しかしながら、内部加熱方式を利用した接着接合にも、多くの解決されるべき問題点が存在している。
例えば、内部加熱方式の1つであるレーザ加熱による接合方法は、集光した後のレーザ光を接合部位に照射することで接着接合を行うものである。しかしながら、この方法の場合、レーザのエネルギー密度が高いという問題点がある。また、光透過性等の固有特性により、高分子被着体の耐熱温度、光透過率等の制約により秒単位の接着接合が一般的であり、又、広面積の継ぎ手接着、U溝形状の構造部品接着や被着体が厚すぎる場合の接着には不向きであるといった問題点もある。
上記の問題点を解決する手段として、マイクロ波加熱もある。しかしながら、この方法の場合、被着体の全体を密閉容器中で処理加工しなければならないため、被着体に金属ターミナルや電子部品、半導体部品等が内蔵される場合、異常発熱や回路故障を起こすことが懸念される。
また、上記のような内部加熱方式及びその他の接合方法の問題点に加えて、被着体を構成する材料によっては満足し得る接着性を達成できないという問題点も存在している。このような接着性の問題点は、被着体がポリアセタール樹脂のような難接着性材料からなる場合に顕著である。ポリアセタール樹脂は、成形性に優れており、かつバランスのとれた機械的性質、電気的性質、耐熱性、耐薬品性、摩擦磨耗特性等を有した樹脂成型体の製造に適しており、さらにはプラスチック材料としては卓越した耐疲労性を有しているため、代表的なエンジニアリング樹脂として広汎な分野において利用されている。しかしながら、他方では、ポリアセタール樹脂はそれからなる被着体に接着されるべき他の接着体(接着対象物)との接着剤による接着性が極めて低いことから、その利用が制限されることもしばしばであった。なお、ポリアセタール樹脂からなる被着体の接着性をその被着体の表面処理を通じて達成することはすでに知られている。
例えば特許文献1には、ポリアセタール樹脂を含むポリマー材料の親水性を高めるため、ポリマー材料の表面を酸化性酸溶液による溶蝕、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理などで処理し、さらに続けてポリマー表面を特定の有機化合物と接触させる方法が記載されている。また、特許文献2には、ポリアセタール樹脂からなる成形体と他の熱可塑性樹脂からなる成形体の複合成形体を提供するため、ポリアセタール樹脂の成形体の接合面を酸処理、アルカリ処理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などで表面処理する方法が記載されている。さらに、特許文献3には、アセタール樹脂からなる被着体を接着対象に対してポリウレタン接着剤により接着するためのものであって、被着体の接着面に物理的表面処理を施すことと、被着体及び接着対象の少なくとも一方にプライマーを塗布することとを含み、かつ湿気硬化型ポリウレタン接着剤を使用する方法が記載されている。
しかしながら、ポリアセタール樹脂以外の樹脂では効果が高いとされる種々の表面処理も、ポリアセタール樹脂だけでは充分な親水性の向上効果が見られていない。これは、ポリアセタール分子がオキシメチレン基を有しており、表面処理により分子鎖が切断された場合に、そこを起点として解重合が起こり易くなり、ホルムアルデヒドとして分解するためであると考えられる。
被着体がアセタール樹脂からなるときに発生する上記のような不十分な接着性の問題点は、特に、被着体が内部加熱方式、特にレーザ加熱方式や高周波誘電内部加熱方式による接着剤接合を適用しにくい接着継ぎ手、例えばU溝継ぎ手や厚肉の接着継ぎ手である場合に顕著である。よって、ポリアセタール樹脂からなる被着体を高周波誘電内部加熱方式で安定に接着接合し得る方法を提供することがこの技術分野では切望されている。
特表平3−503655号公報(特許請求の範囲) 特開2003−220667号公報(特許請求の範囲) 特開2006−28474号公報(特許請求の範囲)
本発明は、従来の内部加熱方式に基づく接着接合を例えばポリアセタール樹脂などのような熱可塑性樹脂からなる被着体と任意の接着対象との接着接合に適用した場合の問題点を解決するためのものである。すなわち、本発明の目的は、被着体が例えばポリアセタール樹脂などのような熱可塑性樹脂からなるとき、従来高周波誘電内部加熱方式では安定的に接着接合を行い得なかった接着体、例えば車載用構造部品のケース接着等に用いられているU溝継ぎ手や厚肉の接着継ぎ手などを含む被着構造体を提供すること、そしてかかる接着構造体を製造する方法及び装置を提供することにある。
本発明は、1つの面において、熱可塑性材料からなる第1の被着体と、前記第1の被着体と同一もしくは異なる材料からなる第2の被着体とが高周波誘電加熱型接着剤を介して接合されてなる接着構造体であって、
前記接着剤が、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加下において実施される高周波誘電加熱において硬化可能であり、かつエポキシ樹脂からなる主剤と、潜在性硬化剤と、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加により発熱可能な高周波吸収性充填剤とを少なくとも含むエポキシ接着剤であり、そして
前記接着剤が加熱により硬化されていると同時に、該接着剤と前記熱可塑性材料からなる第1の被着体との接合界面が加熱により溶融せしめられており、かつ前記第1の被着体、接着剤及び第2の被着体の3者が一体的に接合せしめられていることを特徴とする接着構造体にある。また、本発明は、これに関連して、かかる接着構造体の製造に有用な高周波誘電加熱型接着剤にある。
本発明は、もう1つの面において、上記のような本発明の接着構造体を製造する方法であって、下記の工程:
高周波誘電加熱接着装置を用意すること、
前記接着装置の第1の高周波印加電極に前記第1の被着体を当接させること、
前記第1の高周波印加電極に対向して配置された第2の高周波印加電極に前記第2の被着体を当接させること、
前記第1の被着体に少なくとも、そして必要に応じて前記第2の被着体にも、本発明の高周波誘電加熱型接着剤を適用して、前記第1の被着体、前記接着剤及び前記第2の被着体の構造前駆体を形成すること、及び
前記第1の高周波印加電極及び前記第2の高周波印加電極のそれぞれに周波数28MHz又は40MHzの高周波を印加して、前記接着剤を加熱により硬化させると同時に、該接着剤と前記第1の被着体との接合界面を加熱により溶融せしめて、前記第1の被着体、接着剤及び第2の被着体の3者が一体的に接合せしめた接着構造体を形成すること
を含んでなることを特徴とする接着構造体の製造方法にある。
本発明は、さらにもう1つの面において、本発明の接着構造体を製造する装置であって、
前記第1の被着体に当接して使用される第1の高周波印加電極と、
前記第2の被着体に当接して使用されるものであって、前記第1の高周波印加電極に対向している第2の高周波印加電極と、
前記第1の被着体と前記第2の被着体との間に配置された本発明の高周波誘電加熱型接着剤と、
前記第1の高周波印加電極及び前記第2の高周波印加電極のそれぞれに周波数28MHz又は40MHzの高周波を印加するための高周波電源と
を備えた高周波誘電加熱接着装置を含むことを特徴とする接着構造体の製造装置にある。
本発明によれば、以下の詳細な説明から理解されるように、高周波誘電加熱を採用しかつ特定の接着剤を使用したことで、高周波誘電内部加熱方式による接着接合を適用しにくい被着体の接着接合、例えば車載用構造部品のケースの、特に難接着性被着体の典型例であるポリアセタール樹脂からなるU溝継ぎ手や厚肉の接着継ぎ手の接着接合を強固にかつ安定的に実施することができる。また、本発明によれば、接着剤の硬化温度と被着体を構成する樹脂の融点が類似するようなときでも、より好適な接着接合を達成することができる。
また、本発明によれば、接着剤に28MHz及び40MHz帯の高周波吸収特性の高い充填剤(フィラ)を配合することで、高周波誘電加熱により、より高い信頼性でかつ簡単、短時間、低コストで接着接合を行うことができる。さらに加えて、高周波を印加する電極を被着体の接着部位外面に当てて、高周波を接着層とその周囲の被着体のみに選択的に吸収させて接着剤及びその近傍の被着体の接着剤層界面を同時に加熱し、その結果、被着体の接着剤層界面の溶融と接着剤加熱を同時に行うことで、高周波誘電加熱方式による接着接合をより高い接着強度で行うことができる。
本発明による接着構造体の好ましい一形態を示した断面図である。 本発明で使用される高周波誘電加熱接着装置の好ましい一例を示した断面図である。 本発明で使用される高周波誘電加熱接着装置のもう1つの好ましい例を示した断面図である。 本発明で使用される高周波誘電加熱接着装置のもう1つの好ましい例を示した断面図である。
本発明による接着構造体ならびにその製造方法及び製造装置は、それぞれ、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、本発明の好ましい形態を図1を参照しながら説明するが、本発明は、下記の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明による接着構造体の好ましい一形態を模式的に示した断面図である。図示される通り、接着構造体10は、第1の被着体1と、第2の被着体2と、これらの被着体を接着接合した本発明のエポキシ接着剤からなる接着剤層3とから構成されている。ここで、第1の被着体1は、熱可塑性材料、好ましくはポリアセタール樹脂からなる。第2の被着体2は、第1の接着体1と同一の材料からなっていてもよく、それとは異なる材料からなっていてもよい。本発明によると、第1の被着体1及び第2の被着体2は、高周波誘電加熱方式により、接着剤の加熱硬化と、第1の被着体の接着剤との接合界面を溶融することとを同時に行うことにより、強固にかつ安定的に接合されている。なお、第1の被着体1及び第2の被着体2は、必要に応じて、その位置を交換して、第1の被着体が参照番号2でかつ第2の被着体が参照番号1で示されてもよい。また、接着構造体10は、必要に応じて、追加の要素(部材)をその構造体中に包含していてもよい。
具体的には、本発明では、第1の被着体1と第2の被着体2を重ね合わせて接着接合するとき、両者の間に、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加により発熱可能な高誘電損率を有する高周波吸収性充填剤を含む接着剤層3を配置している。したがって、接着剤層3に高周波を印加すると、被着体1及び2の重ね合わせ部分で、充填剤が高周波を吸収して発熱源として機能し、その熱によって、接着剤成分を含む接着剤が硬化し、最終的には被着体1及び2の接着接合を行うことができる。高周波の印加による高周波誘電加熱は、従来の熱風炉等の熱源を用いた方法に比べて低コストで実施できるばかりでなく、高周波を接合部位に限って選択的に印加することができるので、得られる接着構造体における反り、変形、内部歪みの発生等の問題を抑制することができる。また、高周波は、被着体を静置又は回転させた状態で、接合部位に局所的に印加することができるので、接着接合が適用し難い複雑な形状をもった被着体にも有利に適用することができる。
さらに、本発明では、接着剤の硬化温度と被着体を構成する樹脂の融点が類似する場合において、例えば両者の温度の差が一般的に±10℃の範囲、好ましくは±5℃の範囲にあるとき、より好適な接着接合を達成することができる。かかる効果が得られる理由としては、例えば、被着体及び接着剤の両分子の運動が活発になり接着剤分子が被着体表面から内部に浸透することにより接着界面が厚くなるということを挙げることができる。なお、両者の温度差が±10℃の範囲を外れた場合、例えば、被着体の融点が接着剤の硬化温度よりも10℃以上低い場合被着体が融解してしまい正常な接着構造体を形成できないといった不具合が発生する恐れがある。
本発明の実施において、被着体は、第1の被着体が例えばポリアセタール樹脂などのような熱可塑性樹脂からなるという限定が満たされる限り、特に限定されるものではない。
第1の被着体は、熱可塑性樹脂からなる。適当な熱可塑性樹脂は、例えば、ポリアセタール樹脂や、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネートなどである。好ましくは、各種の特性に優れたポリアセタール樹脂である。本発明の実施に使用し得るポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(‐CHO‐)を主たる構成単位とする高分子化合物であって、ポリオキシメチレンホモポリマー、ならびにオキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有するコポリマー、ターポリマーおよびブロックポリマーの群から選択される任意の高分子化合物であり、必要に応じてこれらの高分子化合物の混合物であってもよく、さらに分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよい。なお、かかる高分子化合物の重合度に関しては、特に制限はなく、成形加工性を有するものであればよい。具体的には、かかる高分子化合物は、流動性を示すメルトフローインデックス(ASTM D1238−57Tの条件で測定)が、約0.5〜100g/10分の範囲が一般的であり、好ましくは約2〜80g/10分の範囲であり、より好ましくは約5〜60g/分の範囲である。
第2の被着体は、第1の被着体を構成するポリアセタール樹脂と同一の材料からなっていてもよく、さもなければ、ポリアセタール樹脂以外の材料、例えばその他の熱可塑性材料やその他の樹脂材料、金属材料(合金、めっきを含む)、例えば、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、スズ、金、銀など、セラミック材料、例えば、アルミナ、チタニア、PZTなどであってもよい。第2の被着体は、例えば、汎用のプラスチック材料、エンジニアリングプラスチックなどであることができる。第2の被着体を構成する材料として、なかんずく、エンジニアリングプラスチックが好適である。エンジニアリングプラスチックとは、耐熱温度が100℃以上であり、強度が50MPa以上であり、曲げ弾性率が2.4GPa以上のプラスチックである。そのため、エンジニアリングプラスチックは、高性能であり、工業用途に適している。
エンジニアリングプラスチックとして、一般的なエンジニアリングプラスチック、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、非晶ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドなどを挙げることができる。また、エンジニアリングプラスチック中の吸水率が0.1%前後以上であれば、被着体自体の発熱によりより効率的な接着が可能となる。かかる吸水率を満足させるエンジニアリングプラスチックは、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートなどである。
被着体の材料に加えて、被着体の形状及び寸法も特に限定されるものではなく、所望とする被着構造体の構成、形状、寸法等のファクタに応じて任意に変更することができる。例えば、第1及び第2の被着体は、平板等の単純な構造を有する形状であってもよく、さもなければ、三次元構造等の複雑な構造を有する形状であってもよい。本発明の実施に好適な形状は、例えば、レーザ内部加熱方式による接着接合を適用しにくい構造体の形状、例えば車載用構造部品で用いられている複雑な形状、例えばU溝継ぎ手、厚肉の接着継ぎ手などである。これらの被着体の寸法は、任意に変更することができる。例えば、接合部位が平板状であるとみなして、第1及び第2の被着体の膜厚は、それぞれ、通常、約2〜3mmである。高周波誘電加熱では、発熱エネルギーは周波数及び電界強度に依存しているので、これらの要件を満足させるため、被着体の膜厚として約2〜3mmの上限が求められるわけである。
本発明において、接着剤層の形成に使用されるエポキシ接着剤は、高周波誘電加熱方式のために設計されたものであり、また、高周波誘電加熱を行ったとき、加熱硬化により接着剤を硬化可能であり、かつ同時に、第1の被着体との接着剤層界面を溶融可能であり、また、これらの2つの機能を同時に達成する結果、第1及び第2の被着体を強固にかつ安定的に接合することができる。
本発明の実施において使用される高周波誘電加熱は、常用の方法を使用して、高周波誘電加熱に一般的に使用されている装置を用いて実施することができる。例えば、高周波誘電加熱は、1〜5000MHzの周波数及び0.1〜100kWの高周波出力を有する高周波電力を1〜1000秒にわたって接合部位に印加することによって実施することができる。なお、本発明の実施では、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加を必須の構成要件としているが、これは、現行の電波法による規制を考慮したものであり、電波法等の改正によりその他の周波数帯が使用可能となれば、上記したような1〜5000MHzの周波数の範囲内において本発明を実施できることはいうまでもない。また、高周波誘電加熱装置は、磁界を発生させるための高周波電源、通常AC電源、ワークコイルなどから構成される。
エポキシ接着剤は、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加下において実施される高周波誘電加熱に対して感応性であること、すなわち、かかる誘電加熱により硬化可能であるとともに、その接着剤の被着体との接合界面を溶融させることが必要である。
また、エポキシ接着剤は、(1)エポキシ樹脂からなる主剤と潜在性硬化剤とを含む接着剤成分及び(2)接着剤成分中に分散せしめられた、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加により発熱可能な高周波吸収性充填剤(フィラ)を含むことを必須の要件とし、必要に応じて、任意の添加剤をさらに含むことができる。
本発明のエポキシ接着剤において、それに含まれる接着剤成分は、いろいろな化合物等から構成することができる。好適な接着剤成分としては、下記のものに限定されないけれども、例えば次のような接着剤成分を挙げることができる。
例えば、接着剤成分は、エポキシ樹脂からなる主剤と、硬化剤とを含むエポキシ接着剤とから構成することができる。ここで、主剤のエポキシ樹脂は、例えば、p−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などであり、また、潜在性硬化剤は、例えば、アンチモンカチオン重合剤、リンカチオン重合剤、ヒ素カチオン重合剤、ホウ素カチオン重合剤、アミンイミド重合剤などである。特に、p−ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる主剤とアンチモンカチオン重合剤からなる潜在性硬化剤との組み合わせが接着剤成分として好適である。
これらの接着剤成分は、接着剤中において任意の望ましい量で使用することができるけれども、通常、接着剤の全量を基準にして少なくとも90%の量である。接着剤成分の含有量が90%を下回ると、所期の接着接合を達成できなくなる。
接着剤の調製において接着剤成分に併用される充填剤(フィラ)は、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加により発熱可能な高誘電損率を有する高周波吸収性充填剤である。適当な充填剤として、この技術分野で一般的に使用されている各種の無機充填剤を使用することができる。とりわけ有用な無機充填剤は、例えば、カーボンブラック、炭化ケイ素などである。カーボンブラック、炭化ケイ素などは、特に高い誘電損率を有し、高周波の吸収を効果的に行うことができ、したがって、高周波の印加により発熱し易く、接着を効率よく行うことができる。また、これらの無機充填剤に代えて、例えばシリカなども、水分率が高ければ発熱に有効に機能し得るので、必要に応じて使用してもよい。さらに、必要ならば、ニグロシンなどの有機充填剤を使用してもよい。
充填剤は、いろいろな形態で使用することができる。適当な形態として、例えば、球状、粒子状、針状などを挙げることができる。しかしながら、チクソ比を考慮すると、比表面積が小さいほうが有利なため、球形であることが好ましい。球形の充填剤の粒径は、通常、約20〜100nmである。ここで、「チクソ比」とは、構造接着剤としての塗布性に要求される性質であり、充填剤の配合比が高くなると比表面積が上昇し、粘度の顕著な上昇が起こって、その塗布性が低下する。
ここで、充填剤の比表面積について言及すると、比表面積は、通常、50m/g以下であることが好ましい。このような比表面積をもった充填剤であれば、良好な粘度を保つことができ、優れた塗布性を達成することができる。実際、比表面積が50m/gを上回ると、接着剤の粘度の上昇を招き、塗布性が低下するおそれがある。
充填剤は、通常、接着剤成分中に少なくとも1質量%の量で分散せしめられる。充填剤の使用量が1質量%以上であれば、高周波の吸収による発熱を効果的に誘起することができる。充填剤は、好ましくは、接着剤の全量を基準として、約1〜10質量%の範囲で含まれ、好ましくは、約1〜2質量%の範囲で含まれる。発熱特性からは、この充填剤の含有量が多いほうが好ましいけれども、充填剤が例えばカーボンブラックのような導電性材料である場合、絶縁破壊を起こし易いので、接着剤の硬化物性の面から、上記のように10質量%位までが許容範囲である。
本発明の接着剤では、必要に応じて、添加剤を補助的に使用してもよい。適当な添加剤として、例えば、酸化防止剤、レベリング剤(例えば、シロキサン類)などを挙げることができる。
本発明の接着剤は、上記したような接着剤成分、充填剤及び任意に添加剤を、接着剤の製造に一般的に使用されている技法を使用して、所定の配合量で配合することによって製造することができる。
また、本発明の接着剤を第1及び第2の被着体に適用することも、任意の適用方法に従って行うことができる。適当な適用方法として、例えば、刷毛塗り、ポッティング、ディスペンサなどを挙げることができる。その際、接着剤は、第1及び第2の被着体の一方に適用してもよく、両方に適用して高周波誘電加熱に供してもよい。接着剤の適用によって形成される接着剤層の厚さは、特に限定されないというものの、通常、約50μm〜1mmに範囲である。接着剤層の厚さは、本発明で使用される接着剤がエポキシ接着剤(硬質接着剤)であるので、比較的に薄く、例えば、約50〜200μmの薄膜で成膜するのが一般的である。
本発明は、上記したようなエポキシ接着剤やそれを使用して作製した接着構造体の他に、本発明の接着構造体を製造する方法及び装置、特に高周波誘電加熱接着装置にある。本発明の高周波誘電加熱接着装置は、したがって、ポリアセタール樹脂からなる第1の被着体と、任意の材料、例えばポリアセタール樹脂やその他の材料からなる第2の被着体とを高周波誘電加熱方式により、本発明のエポキシ接着剤の加熱硬化及び接着剤層界面の溶融を同時に行うことにより接合するために用いられる。
高周波誘電加熱接着装置は、少なくとも、第1の被着体に当接して使用される第1の高周波印加電極と、第2の被着体に当接して使用されるものであって、第1の高周波印加電極に対向している第2の高周波印加電極と、第1の被着体と第2の被着体との間に配置された、エポキシ接着剤に由来する接着剤層と、第1の高周波印加電極及び第2の高周波印加電極のそれぞれに周波数28MHz又は40MHzの高周波を印加するための高周波電源とを備えている。
第1及び第の高周波印加電極は、高周波誘電加熱接着装置に一般的に使用されている電極であることができ、任意の材料から任意の形状で形成することができる。例えば、これらの電極は、ステンレス鋼、アルミニウム材などから、平板状、円板状などの形状で形成することができる。
また、高周波電源も特に限定されるものではない。高周波誘電加熱接着装置に一般的に使用されている電源、好ましくはAC電源のなかから、周波数28MHz又は40MHzの高周波を印加可能な電源を任意に使用することができる。電源がワークコイルに電流を流して磁界を発生させ、さらにその磁界により、被着体の接合部位の近傍において渦電流を発生させ、最終的には所望とする加熱をその接合部位の近傍において実施することができる。
高周波誘電加熱接着装置は、その効率化を図るため、電極や接合部位の近傍などに接着剤のための加熱源を装備していてもよい。加熱源は、接着剤を加熱するものであり、ヒータ等が一般的であるが、必要なら、温水循環によって加熱を実施してもよい。加熱源は、例えば、少なくとも片方の電極に取り付けるが、さもなければ、電極の内部に内蔵してもよい。すなわち、第1の高周波印加電極及び第2の高周波印加電極の少なくとも一方は、接着剤を加熱するための加熱源を内蔵していてもよい。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでない。
実施例1
本例では、図2に示したようにして、高周波誘電加熱方式により接着構造体を製造した。
第1の被着体1としてポリアセタール樹脂成形体(幅20mm、長さ120mm及び厚さ3.5mm;ポリプラスチックス社製、商品名「ジュラコンM90‐44」)を用意した。また、第2の被着体2としてポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂成形体(幅20mm、長さ120mm及び厚さ3.5mm;ポリプラスチックス社製、商品名「1140 A1」)を用意した。次いで、図2に示すように、2つの被着体1及び2の重ね合わせ部分(後段の工程で接着接合される部分)に接着剤層3を適用した。接着剤層3の適用は、選択した接着剤を刷毛塗りで、幅10mm及び厚さ50〜200μmで行った。なお、図2や先に参照した図1、そしてこれから参照する図3及び図4では、理解を容易にするために第1の被着体1と第2の被着体2の間を強調して大きく示していることに留意されたい。
本例で使用した接着剤層3は、エポキシ接着剤からなる。この接着剤は、接着成分としてエポキシ接着成分を含有している。エポキシ接着成分は、主剤としてp−ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有し、かつ硬化剤としてアンチモンカチオン重合材を含有している。また、この接着剤は、高周波吸収性充填剤として、比誘電損率が200〜400の、高周波吸収特性の高いカーボンブラック(粒径50nm)を含有している。さらに、エポキシ接着成分と充填剤の配合比は、両者の合計量を100%とすると、エポキシ接着成分が90%、残部の10%が充填剤であった。この接着剤は、周波数28MHzの高周波を1kV程度の電圧で印加するときに約3秒以内で硬化可能な性質を有するものである。
次いで、上記の接着剤を適用して作製した、被着体1及び2が重ね合わされた試料について、下記の手順で高周波誘電加熱接着を実施した:試料を、被着体1及び2を重ね合わせた状態で高周波誘電加熱接着装置20にセットし、図示されるように、第1の被着体1に第1の高周波印加電極4を当接させ、かつ第2の被着体2に第2の高周波印加電極5を当接させた。それぞれの高周波印加電極を高周波電源6に接続した。このようにして2つの対向電極の間に試料を挿入し、加圧固定した後、周波数28MHzの高周波を1〜20kV程度の電圧で約30秒間にわたって印加した。高周波の印加により、高周波吸収性充填剤が発熱し、その熱によって、接着成分を含有する接着剤が加熱硬化して接着剤層3を形成し、被着体1及び2を接着接合した。また、接着剤の加熱硬化と同時に、アセタール樹脂からなる第1の被着体1の表面のうち接着剤層3との界面が溶融せしめられ、それにより形成された粗面化部分に接着剤が喰い込み、アンカー効果が発現した。得られた接着構造体において、接着剤を介在させていた位置に接着剤層3が形成され、強固で安定な接合状態が得られた。
引き続いて、高周波吸収性充填剤として、カーボンブラックに代えて粒径50nmの炭化ケイ素(SiC)を同量で使用して上記の手法を繰り返したところ、上記の場合と同様に、被着体1及び2の強固な接合状態を得ることができた。
実施例2
本例では、図3に示したようにして、高周波誘電加熱方式により接着構造体を製造した。
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、被着体として、電子素子を実装したケーシングを使用した。ケーシングは、ポリフェニレンスルフィド樹脂成形体(ポリプラスチックス社製、商品名「1140 A1」)からなる容器部2と、ポリアセタール樹脂成形体(ポリプラスチックス社製、商品名「ジュラコンM90‐44」)からなる蓋部1とから構成されていた。両者は、図示されるように、U溝継ぎ手で接合されている。容器部2には電子素子(ここでは、LSIチップ)7が実装され、ターミナル8を介して容器外に引き出されていた。
図示されるように、容器部2の嵌合溝の部分と、その嵌合溝に差し込まれる蓋部1の端部の両方に接着剤を塗布し、自然乾燥させた。容器部2に蓋部1を重ね合わせた後、ケーシングを高周波誘電加熱接着装置20にセットし、蓋部1に第1の高周波印加電極4を当接させ、かつ容器部2に第2の高周波印加電極5を当接させた。それぞれの高周波印加電極を高周波電源6に接続した。このようにして2つの対向電極の間にケーシングを挿入し、加圧固定した後、周波数28MHzの高周波を1〜20kV程度の電圧で約30秒間にわたって印加した。高周波の印加により、高周波吸収性充填剤が発熱し、その熱によって、接着成分を含有する接着剤が加熱硬化して接着剤層3を形成した。また、接着剤の加熱硬化と同時に、接着剤層3と接する蓋部1の界面が溶融した。得られたケーシング(接着構造体)は、接着剤を介在させていた位置に接着剤層3が形成され、蓋部1と容器部2の強固で安定な接合状態が得られた。
実施例3
本例では、図4に示したようにして、高周波誘電加熱方式により接着構造体を製造した。
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、第1の被着体1及び第2の被着体2には変更を加えず、但し、第1の高周波印加電極4及び第2の高周波印加電極5のそれぞれにヒータHを内蔵した。本例で使用したヒータHは、ニクロム発熱体を用いたものであった。
試料を、被着体1及び2を重ね合わせた状態で高周波誘電加熱接着装置20にセットし、図示されるように、第1の被着体1に第1の高周波印加電極4を当接させ、かつ第2の被着体2に第2の高周波印加電極5を当接させた。それぞれの高周波印加電極を高周波電源6に接続した。このようにして2つの対向電極の間に試料を挿入し、加圧固定した後、ヒータHを作動させ、それぞれの被着体を約80℃まで加熱した。加熱を保持する一方で、周波数28MHzの高周波を1〜20kV程度の電圧で約30秒間にわたって印加した。高周波の印加により、高周波吸収性充填剤が発熱し、その熱によって、それぞれの接着成分を含有する接着剤が加熱硬化して接着剤層3を形成し、被着体1及び2を接着接合した。本例では、被着体の加熱を併用したため、接着剤の加熱硬化と第1の被着体の接着剤層界面の溶融とをより効果的に実施することができた。得られた接着構造体において、接着剤を介在させていた位置に接着剤層3が形成され、強固で安定な接合状態が得られた。
本例では両方の電極にヒータを内蔵することにより接着剤の加熱硬化と第1の被着体の接着剤層界面の溶融とを効果的に実施することができたけれども、一般的には、少なくとも片方の電極に発熱体を取り付けもしくは内蔵させ、被着体を直接加熱する構成とすることは、特に被着体が金属材料からなる場合やポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂等の誘電損率が小さいエンジニアリングプラスチックからなる場合に有効である。なぜなら、被着体がかかる材料からなる場合、高周波通電により生じた接着剤層の熱が熱伝導現象により被着体に流出し硬化に必要な温度に到達しないことがあるからである。本発明は、電極に取り付けもしくは内蔵した発熱体により被着体を加熱昇温させ接着層からの熱流出を低減させるものであり、接着剤の加熱硬化に関して補助的な役割を担うことができる。
本発明は、レーザ加熱方式や高周波誘電内部加熱方式による接着剤接合を適用しにくい広面積や複雑形状の接着構造体の製造に有利に利用することができる。具体的には、例えば、接着継ぎ手、すなわち、難接着性被着体の代表例であるポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂から作製されたケースのU溝継ぎ手や厚肉の接着継ぎ手の接着接合を強固にかつ安定的に行うのに有利に利用することができる。また、接着剤の硬化温度と被着体の融点が類似する場合において、より好適な高周波誘電加熱接着を行うことができる。
1 第1の被着体
2 第2の被着体
3 接着剤層
4 第1の高周波印加電極
5 第2の高周波印加電極
6 高周波電源
10 接着構造体
20 高周波誘電加熱接着装置
H 加熱源

Claims (10)

  1. ポリアセタール樹脂からなる第1の被着体と、前記第1の被着体と同一もしくは異なる材料からなる第2の被着体とが高周波誘電加熱型接着剤を介して接合されてなる接着構造体であって、
    前記接着剤が、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加下において実施される高周波誘電加熱において硬化可能であり、かつエポキシ樹脂からなる主剤と、潜在性硬化剤と、周波数28MHz又は40MHzの高周波の印加により発熱可能な高周波吸収性充填剤とを少なくとも含むエポキシ接着剤であり、そして
    前記接着剤が加熱により硬化されていると同時に、該接着剤と前記ポリアセタール樹脂からなる第1の被着体との接合界面が加熱により溶融せしめられており、かつ前記第1の被着体、接着剤及び第2の被着体の3者が一体的に接合せしめられていることを特徴とする接着構造体。
  2. 前記エポキシ接着剤の主剤はp−ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の接着構造体。
  3. 前記エポキシ接着剤の潜在性硬化剤はアンチモンカチオン重合剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着構造体。
  4. 前記充填剤はカーボンブラック又は炭化ケイ素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着構造体。
  5. 前記充填剤は、前記接着剤の全量を基準として、1〜10質量%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着構造体。
  6. 接着継ぎ手構造体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の接着構造体。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の接着構造体を製造する方法であって、下記の工程:
    高周波誘電加熱接着装置を用意すること、
    前記接着装置の第1の高周波印加電極に前記ポリアセタール樹脂からなる第1の被着体を当接させること、
    前記第1の高周波印加電極に対向して配置された第2の高周波印加電極に前記第2の被着体を当接させること、
    前記第1の被着体に少なくとも請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤を適用して、前記第1の被着体、前記接着剤及び前記第2の被着体の構造前駆体を形成すること、及び
    前記第1の高周波印加電極及び前記第2の高周波印加電極のそれぞれに周波数28MHz又は40MHzの高周波を印加して、前記接着剤を加熱により硬化させると同時に、該接着剤と前記第1の被着体との接合界面を加熱により溶融せしめて、前記第1の被着体、接着剤及び第2の被着体の3者が一体的に接合せしめた接着構造体を形成すること
    を含んでなることを特徴とする接着構造体の製造方法。
  8. 前記高周波印加工程において、通電時間は30秒以内であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の接着構造体を製造する装置であって、
    前記ポリアセタール樹脂からなる第1の被着体に当接して使用される第1の高周波印加電極と、
    前記第2の被着体に当接して使用されるものであって、前記第1の高周波印加電極に対向している第2の高周波印加電極と、
    前記第1の被着体と前記第2の被着体との間に配置された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤と、
    前記第1の高周波印加電極及び前記第2の高周波印加電極のそれぞれに周波数28MHz又は40MHzの高周波を印加するための高周波電源と
    を備えた高周波誘電加熱接着装置を含むことを特徴とする接着構造体の製造装置。
  10. 前記第1の高周波印加電極及び前記第2の高周波印加電極の少なくとも一方は、前記接着剤を加熱するための加熱源を内蔵していることを特徴とする請求項に記載の製造装置。
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