JP5217514B2 - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃料供給装置に関し、特に圧縮行程にてエンジンの燃焼室に燃料を直接噴射してエンジンを始動するものに関する。
特許文献1に記載のエンジンの燃料供給装置は、燃料噴射タイミングになる前の所定のタイミング(噴射時期計算タイミング)になったとき、燃料噴射タイミングでの燃料噴射弁に作用する燃料圧力の推定値を前もって算出し、エンジンの始動時に燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と所定の噴射許可燃料圧力との比較により、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力未満である間は燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上になったときに圧縮行程噴射を許可している。ここで、噴射許可燃料圧力は、成層燃焼に適した燃料圧力に設定されている。
特開2006−307800号公報
しかしながら、特許文献1では、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出する際に高圧燃料ポンプでの燃料の漏れ量を考慮していないので、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と実際値とに差異が生じてしまう。
このため、特許文献1では、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上であり、かつ、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の実際値が噴射許可燃料圧力未満である場合においても、圧縮行程噴射が許可される場合がある。
この場合、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の実際値が成層燃焼に適した燃料圧力に達する前に圧縮行程噴射が行われるので、燃料の霧化不良により良好な成層燃焼が行われず、排気エミッションが悪化すると共に始動性が悪化するという問題がある。
本発明は、このような問題を鑑み、燃料噴射タイミングの前に噴射時期計算タイミングを設けている場合において、燃料噴射タイミングでの燃料圧力を精度よく推定することを目的とする。
そのため本発明では、燃料を高圧化して吐出する高圧燃料ポンプと、高圧燃料ポンプからの高圧燃料をエンジンの燃焼室に直接供給する燃料噴射弁とを備え、エンジンの始動時に圧縮行程にて燃料噴射を行う場合に、圧縮行程での燃料噴射タイミングになる前の所定のタイミングになったとき、燃料噴射タイミングで燃料噴射弁に作用する燃料圧力の推定値を前もって算出する燃料圧力推定値算出手段と、エンジンの始動時に燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と所定の噴射許可燃料圧力との比較により、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力未満である間は燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上になったときに圧縮行程噴射を許可する燃料噴射禁止・圧縮行程噴射許可判定手段とを備える。更に、燃料圧力推定値算出手段は、エンジンの運転条件に応じて高圧燃料ポンプでの燃料漏れ量を算出する手段を有し、燃料漏れ量を算出する手段は、エンジン回転数と、エンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量との関係を示すマップを備え、エンジン回転数が高いほど、燃料漏れ量を小さく算出するとともに、エンジンの冷却水温度が低いほど、燃料漏れ量を小さく算出し、この燃料漏れ量により補正して、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出する。
また本発明では、ポンププランジャの往復動によりポンプ室の容積を変化させ、ポンププランジャが下降する行程にてポンプ室に燃料を吸入し、ポンププランジャが上昇する行程にてポンプ室の燃料を高圧化して吐出する高圧燃料ポンプと、高圧燃料ポンプからの高圧燃料をエンジンの燃焼室に直接供給する燃料噴射弁とを備え、エンジンの始動時に圧縮行程にて燃料噴射を行う場合に、ポンププランジャが上昇する行程中に圧縮行程での燃料噴射タイミングが存在する気筒について、その気筒の燃料噴射タイミングになる前の所定のタイミングになったとき、その気筒の燃料噴射タイミングで前記燃料噴射弁に作用する燃料圧力の推定値を前もって算出する燃料圧力推定値算出手段と、エンジンの始動時に前記気筒の燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と所定の噴射許可燃料圧力との比較により、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力未満である間は前記気筒の燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上になったときに前記気筒の圧縮行程噴射を許可する燃料噴射禁止・圧縮行程噴射許可判定手段とを備える。更に、燃料圧力推定値算出手段は、エンジンの運転条件に応じて高圧燃料ポンプでの燃料漏れ量を算出する手段を有し、燃料漏れ量を算出する手段は、エンジン回転数と、エンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量との関係を示すマップを備え、エンジン回転数が高いほど、燃料漏れ量を小さく算出するとともに、エンジンの冷却水温度が低いほど、燃料漏れ量を小さく算出し、この燃料漏れ量により補正して、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出する。
本発明によれば、燃料噴射タイミングになる前の所定のタイミング(噴射時期計算タイミング)にて、高圧燃料ポンプでの燃料漏れ量に基づいて燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出することにより、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と実際値とのズレを抑制することができるので、確実に噴射許可燃料圧力以上の燃料圧力にて圧縮行程噴射を行うことができる。これにより、エンジン始動時に安定した成層燃焼を実現することができるので、排気エミッションの悪化を抑制することができる。また、燃料圧力のロバスト性が向上するので、排気エミッションのばらつきを抑制することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すエンジンの燃料供給装置の概略構成図、図2は高圧燃料ポンプの吸入・吐出動作を示す図である。
図1において、エンジンの燃料供給装置は、燃料タンク1と、低圧燃料ポンプ(フィードポンプ)2と、高圧燃料ポンプ3と、コモンレール(フュエルギャラリー)4と、燃料噴射弁5A〜5Dと、を主に備える。
低圧燃料ポンプ2は電動モータ6により駆動され、燃料タンク1内の燃料を燃料供給通路7へと圧送する。低圧燃料ポンプ2の上流側、下流側にはそれぞれ燃料フィルタ8が設けられている。また、低圧燃料ポンプ2の吐出圧力を所定圧力に規制するため、燃料供給通路7より分岐して燃料タンク1に戻るリターン通路9に低圧プレッシャレギュレータ10が設けられている。
低圧燃料ポンプ2からの吐出燃料は、燃料供給通路7を介して、高圧燃料ポンプ3に供給される。燃料供給通路7には燃料圧力の脈動を吸収するためのダンパ11が設けられている。
高圧燃料ポンプ3は、主にプランジャポンプ12により構成されている。プランジャポンプ12は、カム13駆動によるプランジャ12aの往復動により高圧室(ポンプ室)12bの容積を変化させ、プランジャ12aの下降行程(吸入行程)にて吸入チェックバルブ14を介して高圧室12bに燃料を吸入し、プランジャ12aの上昇行程(吐出行程)にて吐出チェックバルブ15を介して高圧室12b内の燃料を吐出する。尚、ポンプ駆動カム13は吸気バルブ用カムシャフトに連結されている。
高圧燃料ポンプ3は、更に、制御ソレノイド16を含んで構成されている。制御ソレノイド16は、吸入チェックバルブ14に対し設けられ、通電により発生する電磁力により、高圧室12b内の圧力にかかわらず、吸入チェックバルブ14を開弁状態に保持することができる。
また、高圧燃料ポンプ3には、プランジャポンプ12のシリンダ12cとプランジャ12aの摺動部などからの漏れ燃料を回収して燃料タンク1に戻す漏れ燃料通路17が接続している。
次に、高圧燃料ポンプ3の動作について図2を用いて説明する。
図2は高圧燃料ポンプ3の吸入・吐出動作(及びソレノイドの通電開始時期)を示している。
プランジャ12aが最高リフト位置(時刻t1)から下降する吸入行程においては、高圧室12b内の負圧により、吸入チェックバルブ14が開き、高圧室12b内に燃料が吸入される。
その後、プランジャ12aが最低リフト位置(時刻t2)に達すると、ソレノイドON信号を立ち上げ、制御ソレノイド16に通電する。
プランジャ12aが最低リフト位置(時刻t2)に達した後、上昇して、スピル行程に入る。このスピル行程では、制御ソレノイド16により吸入チェックバルブ14が開弁状態に保持されているため、プランジャ12aの上昇により高圧室12b内の燃料は吸入側へ逆流し、その結果、高圧室12b内の圧力は上昇せず、吐出チェックバルブ15は閉弁状態に保持されたままで、吐出動作はなされない。
その後、プランジャ12aのリフト上昇中の任意の時期(t3)にソレノイドON信号を終了させて、制御ソレノイド16への通電を終了させ、実質的な吐出行程に入る。この吐出行程では、制御ソレノイド16への通電が終了しているので、吸入チェックバルブ14が閉弁状態である。このため、プランジャ12aの上昇によって高圧室12b内の圧力が上昇し、高圧室12b内の燃料が吐出チェックバルブ15を介して吐出する。この吐出燃料は、プランジャ12aが最高リフト位置(時刻t4)に達するまでの間、図1に示すオリフィス18を介してコモンレール4に供給される。
従って、制御ソレノイド16への通電終了による吸入チェックバルブ14の閉弁時期、詳しくは、吐出行程における吸入チェックバルブ14の閉弁期間に対応した量の燃料が高圧燃料ポンプ3から吐出され、コモンレール4に供給される。
図1に戻り、コモンレール4の後端には安全弁19を備えている。実際のコモンレール燃料圧力が許容圧力を超えるときには、この安全弁19が開いてコモンレール4内の高圧燃料の一部を燃料タンク1に戻す。
コモンレール4に蓄えられた高圧燃料は各気筒の燃料噴射弁に分配される。図1は4気筒エンジンの場合を示しており、4つの燃料噴射弁5A、5B、5C、5Dにコモンレール4に蓄えられた高圧燃料が作用している。
各気筒の点火タイミングに従い、所定のタイミングで燃料噴射弁5A〜5Dを開くと、その開かれた燃料噴射弁を有する気筒の燃焼室に燃料が供給される。また、所定量の燃料が燃料噴射弁より消失することで、コモンレール燃料圧力が低下する。
このため、エンジンコントロールユニット(ECU)20では、エンジン負荷とエンジン回転数とに応じたコモンレール4の目標燃料圧力をマップとして予め持っており、燃料圧力センサ21により検出される実際のコモンレール燃料圧力が、そのときのエンジン負荷とエンジン回転数とに応じた目標燃料圧力と一致するように、制御ソレノイド16を介して高圧燃料ポンプ3の吐出量を制御する。例えば、実際のコモンレール燃料圧力が目標燃料圧力より低いときには制御ソレノイド16が吐出行程における吸入チェックバルブ14の閉弁期間を長くして高圧燃料ポンプ3の吐出量を増やし実際のコモンレール燃料圧力を上昇させて目標燃料圧力に近づける。一方、実際のコモンレール燃料圧力が目標燃料圧力より高いときには制御ソレノイド16が吐出行程における吸入チェックバルブ14の閉弁期間を短くして高圧燃料ポンプ3の吐出量を減らし実際のコモンレール燃料圧力を下降させて目標燃料圧力に近づける。
エンジン負荷とエンジン回転数とが定まれば1気筒、1サイクル当たり要求燃料量が一義的に定まり、その1気筒、1サイクル当たり要求燃料量とコモンレール燃料圧力が定まれば、燃料噴射弁の開弁パルス幅が定まる。従って、ECU20では、エンジン負荷とエンジン回転数とに応じた1気筒、1サイクル当たり要求燃料量のマップを持っており、そのときのエンジン負荷とエンジン回転数とから1気筒、1サイクル当たり要求燃料量のマップを検索して、1気筒、1サイクル当たり要求燃料量を求め、この1気筒、1サイクル当たり要求燃料量とコモンレール燃料圧力とから燃料噴射弁に与える開弁パルス幅を算出し、所定の噴射タイミングとなったとき、この開弁パルス幅で燃料噴射弁を開いて各気筒に燃料を供給する。
本実施形態では、上記の燃料噴射弁5A〜5Dを各気筒の燃焼室に臨ませて設けており、ECU20により、エンジンの始動時(クランキング時)にて気筒毎に圧縮行程噴射を行って成層燃焼を行わせるように制御を行う。
次に、高圧燃料ポンプでの燃料漏れを想定していない従来技術(例えば特許文献1記載の技術)を用いた場合の高圧燃料ポンプでの燃料漏れによるコモンレール燃料圧力の影響について、図3及び図4に基づいて説明する。
図3は従来技術を用いた場合のエンジン始動時のコモンレール燃料圧力の変化波形図、図4はプランジャリフトと噴射タイミング、REF信号の立ち上がりタイミングとの関係を説明するための波形図である。ここにおいて、図3に示すT1〜T8は、図4に示すT1〜T8に対応している。また、図3及び図4に示すNo.1〜4は気筒番号に対応している。また、図3の噴射タイミングにおいて、実線は燃料噴射が行われる噴射タイミングを示す一方、点線は燃料噴射が行われない噴射タイミングを示している。
図3の最上段は、スタータスイッチをONにし、エンジンのクランキングを開始した時期(図3のT0)からのコモンレール燃料圧力の変化を示している。
このコモンレール燃料圧力において、実線はコモンレール燃料圧力の実際値を示し、点線は後述する噴射時期計算タイミング(T5)にて従来技術を用いて算出したコモンレール燃料圧力の推定値を示している。
また、コモンレール燃料圧力が上昇している区間は、図2のプランジャリフトの上昇行程(吐出行程)に対応している。
従来技術では、噴射時期計算タイミングとして各気筒のREF信号の立ち上がりタイミング(図3のT1、T3、T5、T7)を採用し、この噴射時期計算タイミングで圧縮行程噴射を許可するか否かを判定する。ここで、REF信号は公知のものであり、各気筒についてのクランク角基準位置の信号である。例えば、後述するように4気筒エンジンについて各気筒の圧縮上死点前110°で立ち上がるREF信号がある。
噴射時期計算タイミングでの圧縮行程噴射の禁止/許可判定は、具体的には、以下のように行う。
まず、ポンププランジャの上昇行程中(吐出行程中)に燃料噴射タイミングが存在する気筒について、噴射時期計算タイミングになったときに、上記気筒の燃料噴射タイミングにてコモンレール燃料圧力の推定値を前もって算出する。この燃料圧力の推定値は、噴射時期計算タイミングでのコモンレール燃料圧力の実際値と、高圧燃料ポンプでの燃料漏れを想定せずに算出された噴射時期計算タイミングから噴射タイミングまでのコモンレール燃料圧力上昇分ΔPとの和により算出される。
次に、上記気筒の燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と噴射許可燃料圧力(図3参照)とを比較する。
そして、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力未満である間は上記気筒の燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上になったときに上記気筒の圧縮行程噴射を許可する。
ここで、高圧燃料ポンプでの燃料漏れを想定せずに算出されたコモンレール燃料圧力上昇分ΔPについて図4を参照して説明する。
図4は横軸をクランク角とした高圧燃料ポンプ3のプランジャリフトを示している。吸気バルブ用カムシャフトはクランクシャフト2回転に対して1回転すること、かつポンプ駆動カム13は1回転の間に2回リフトするので、結果的に、プランジャリフトの1周期はクランク角で360°になる。いま、簡単のため、1番気筒の圧縮上死点位置でプランジャリフトがゼロになるようにポンプ駆動カム13が吸気バルブ用カムシャフトに連結されているとし、1番気筒のREF信号が圧縮上死点よりクランク角で110°前のT3のタイミングで立ち上がるものとして考える。4気筒エンジンの点火順序を1−3−4−2とすれば、1番気筒の1つ前の気筒は2番気筒であり、この2番気筒のREF信号は1番気筒のREF信号よりもさらに180°前のT1のタイミングで立ち上がる。
一方、1番気筒の噴射タイミングは、1番気筒のREF信号の立ち上がり(T3)よりも遅れたT4のクランク角で、また2番気筒の噴射タイミングは、2番気筒のREF信号の立ち上がり(T1)よりも遅れたT2のクランク角であるとする。
3番気筒、4番気筒については、プランジャリフトが360°進角側にずれた位置において、3番気筒、4番気筒のREF信号が2番気筒、1番気筒のREF信号の位置にくるし、3番気筒、4番気筒の噴射タイミングが2番気筒、1番気筒のREF信号の立ち上がりよりも遅れたT2、T4のクランク角にくるので、これら3番気筒、4番気筒についてのREF信号、噴射タイミングを図4の括弧書きで示している。
この場合に、REF信号の立ち上がりタイミングと噴射タイミングとがプランジャリフトの上昇側にある気筒、つまり2番気筒(または3番気筒)では、2番気筒のREF信号の立ち上がりタイミング(T1)でのコモンレール燃料圧力よりも、2番気筒の噴射タイミング(T2)でのコモンレール燃料圧力のほうがそのタイミング差の分だけ上昇する。このコモンレール燃料圧力上昇分ΔPをREF信号の立ち上がりタイミングで推定するのである。
上述した従来技術を図3に示す3番気筒に適用して、噴射時期計算タイミングでの圧縮行程噴射の禁止/許可判定を行うと、以下のような問題がある。
図3に示す3番気筒では、プランジャリフトの上昇行程中(吐出行程中)に噴射時期計算タイミング(T5)及び噴射タイミング(T6)があるので、T5の噴射時期計算タイミングにて、T6でのコモンレール燃料圧力の推定値と噴射許可燃料圧力との比較により噴射タイミング(T5)での圧縮行程噴射を許可するか否かを判定する。
このT5での判定において、T6でのコモンレール燃料圧力の推定値は、噴射時期計算タイミング(T5)でのコモンレール燃料圧力の実際値(判定時燃圧)と、高圧燃料ポンプでの燃料漏れを想定せずに算出されたコモンレール燃料圧力上昇分ΔPとの和により算出される。
この算出の結果、T6でのコモンレール燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力を上回っているので、噴射時期計算タイミング(T5)にて圧縮行程噴射が許可される。
ところが、噴射タイミング(T6)でのコモンレール燃料圧力の実際値(噴射時燃圧Pf)は、噴射許可燃料圧力を下回る場合がある。これは、高圧燃料ポンプでの燃料漏れにより、噴射タイミング(T6)でのコモンレール燃料圧力が低下するためである。
このため、噴射タイミング(T6)でのコモンレール燃料圧力の実際値が成層燃焼に適した燃料圧力に達する前に圧縮行程噴射が行われる可能性があり、安定した成層燃焼を行うことができないという問題がある。
そこで本発明では、高圧燃料ポンプでの燃料漏れを考慮したコモンレール燃料圧力の推定値を算出することにより、コモンレール燃料圧力の実際値が成層燃焼に適した燃料圧力に達する前に圧縮行程噴射が行われるのを抑制する。
次に、本実施形態におけるエンジン始動時のコモンレール燃料圧力の変化について、図5を用いて説明する。
図5は本実施形態におけるエンジン始動時のコモンレール燃料圧力の変化波形図である。
図3にて示した従来技術との差異について説明する。
図5に示す本実施形態において、噴射時期計算タイミングでの圧縮行程噴射の禁止/許可判定は、以下のように行う。
まず、ポンププランジャの上昇行程中(吐出行程中)に燃料噴射タイミングが存在する気筒について、噴射時期計算タイミングになったときに、上記気筒の燃料噴射タイミングにてコモンレール燃料圧力の推定値を前もって算出する。この燃料圧力の推定値は、噴射時期計算タイミングでのコモンレール燃料圧力の実際値と、コモンレール燃料圧力上昇分ΔP(図4参照)との和から、高圧燃料ポンプでの燃料漏れによる燃料圧力低下分Δplを差し引く補正をすることにより算出される。
次に、上記気筒の燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と噴射許可燃料圧力(図5参照)とを比較する。
そして、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力未満である間は上記気筒の燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上になったときに上記気筒の圧縮行程噴射を許可する。
この圧縮行程噴射の禁止/許可判定を、図5に示す3番気筒(噴射タイミングT6)と、2番気筒(噴射タイミングT10)とに適用した場合について説明する。
3番気筒(噴射タイミングT6)では、プランジャリフトの上昇行程中(吐出行程中)に噴射時期計算タイミング(T5)及び噴射タイミング(T6)があるので、T5の噴射時期計算タイミングにて、T6でのコモンレール燃料圧力の推定値と噴射許可燃料圧力との比較により噴射タイミング(T5)での圧縮行程噴射を許可するか否かを判定する。
このT5での判定において、T6でのコモンレール燃料圧力の推定値は、噴射時期計算タイミング(T5)でのコモンレール燃料圧力の実際値(判定時燃圧)と、コモンレール燃料圧力上昇分ΔPとの和から、高圧燃料ポンプでの燃料漏れによる燃料圧力低下分Δplを差し引く補正をすることにより算出されるので、上述した従来技術を適用した場合と異なり、T6でのコモンレール燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力を下回る。従って、噴射時期計算タイミング(T5)にて圧縮行程噴射は許可されない(禁止される)。
一方、2番気筒(噴射タイミングT10)では、プランジャリフトの上昇行程中(吐出行程中)に噴射時期計算タイミング(T9)及び噴射タイミング(T10)があるので、T9の噴射時期計算タイミングにて、T10でのコモンレール燃料圧力の推定値と噴射許可燃料圧力との比較により噴射タイミング(T10)での圧縮行程噴射を許可するか否かを判定する。
このT9での判定において、T10でのコモンレール燃料圧力の推定値は、噴射時期計算タイミング(T9)でのコモンレール燃料圧力の実際値(判定時燃圧)と、コモンレール燃料圧力上昇分ΔPとの和から、高圧燃料ポンプでの燃料漏れによる燃料圧力低下分Δplを差し引く補正をすることにより算出される。このT10でのコモンレール燃料圧力の推定値は噴射許可燃料圧力を上回るので、噴射時期計算タイミング(T9)にて圧縮行程噴射が許可される。
次に、ECU20により実行される燃料噴射制御について、図6〜図9に基づいて説明する。
図6は本実施形態における燃料噴射制御のフローチャート、図7は本実施形態における燃料圧力の推定値の算出フローチャート、図8はエンジン回転数と、燃料漏れ量ΔL(燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)との関係を示す図、図9はエンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量ΔL(燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)との関係を示す図である。
ECU20では、ステップS1にて、エンジンの始動時であるかどうかの判定を行う。具体的には、スタータスイッチからの信号がONであるときにエンジンの始動時(クランキング時)であると判定する。エンジンの始動時ではない場合は、ステップS8に進み、通常運転時の燃料噴射制御を行う。この燃料噴射制御では、例えば、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとし、大きなエンジン出力の要求されない低負荷側では圧縮行程噴射により成層燃焼を行うことで燃費を向上させる一方、大きなエンジン出力の要求される高負荷側では、吸気行程噴射により均質燃焼を行うことで要求出力を確保する。
ステップS1にてエンジンの始動時であると判定された場合は、ステップS2に進み、エンジン始動からの経過時間Tと所定時間Tsとを比較し、経過時間Tが所定時間Ts未満であるか否かの判定を行う。ここで、経過時間Tは、スタータスイッチからの信号がONになった時期を開始時期として、ECU20に予め備えられたタイマにより計時される。また、所定時間Tsは、エンジン始動を成層燃焼で行うか均質燃焼で行うかの判定を行うための閾値である。経過時間Tが所定時間Ts以上の場合はステップS9に進み、始動性確保のために、吸気行程噴射により均質燃焼で始動する。
ステップS2にて経過時間Tが所定時間Ts未満である場合には、ステップS3に進み、燃料圧力センサ21により検出される実際のコモンレール燃料圧力Prが噴射許可燃料圧力Ps未満であるか否かの判定を行う。ここで、噴射許可燃料圧力Psは、圧縮行程噴射を許可するコモンレール圧力であり、具体的には、3MPa程度の値を設定しておく。実際のコモンレール燃料圧力Prが噴射許可燃料圧力Ps以上である場合は、ステップS6に進み、次回噴射タイミングでの燃料噴射を許可し、ステップS7にて圧縮行程噴射を実行する。
ステップS3にて燃料圧力センサ21により検出される実際のコモンレール燃料圧力Prが噴射許可燃料圧力Ps未満である場合は、ステップS4に進み、図7に示すフローにより、コモンレール圧力の推定値Pestを算出する。
ここで、コモンレール圧力の推定値Pestの算出について、図7に示すフローに基づいて説明する。
図7のステップS11では、今回のREF信号の立ち上がりタイミング(噴射時期計算タイミング)が2番気筒又は第3気筒のものであるか否かの判定を行う。今回のREF信号の立ち上がりタイミングが2番気筒又は3番気筒のものである場合には、現在のタイミングである噴射時期計算タイミングから噴射タイミングまでにコモンレール燃料圧力が上昇すると判定し、ステップS12に進んで現在のタイミングより噴射タイミングまでに昇圧し得るコモンレール燃料圧力上昇分ΔPを算出する。このコモンレール圧力上昇分ΔPは、プランジャ12aのプランジャリフト量をポンプ駆動カム13のカムプロフィールから算出し、このプランジャリフト量に基づき、予め記憶させたマップを用いて算出する。この後、ステップS13に進む。
一方、ステップS11にて、今回のREF信号の立ち上がりタイミングが2番気筒又は第3気筒のものでない場合、即ち1番気筒又は4番気筒のREF信号の立ち上がりタイミングである場合には、現在のタイミングより噴射タイミングまでにコモンレール燃料圧力が上昇することはないと判定し、ステップS22に進んでコモンレール燃料圧力上昇分ΔP=0とした後、ステップS13に進む。
ステップS13では、高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによるコモンレール燃料圧力低下分Δplを算出する。ここで、燃料圧力低下分Δplの算出には、図8及び図9を用いる。
図8はエンジン回転数と、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)との関係を示しており、図9はエンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)との関係を示している。尚、本実施形態において、図8及び図9は、高圧燃料ポンプ3の劣化による燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)を予め盛り込んでいる。
図8において、エンジン回転数が高くなるほど、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)は小さくなる。これは、エンジン回転数が高くなるほど、高圧燃料ポンプ3の吸込側での負圧が強化されると共に、吐出側での燃料の慣性力が大きくなるからである。
また、図9において、エンジンの冷却水温度が高くなるほど、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)は大きくなる。これは、エンジンの冷却水温度が高くなるほど、燃料の温度が高くなり、燃料の粘度が低くなるからである。
尚、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)の算出方法として、上述の他に、エンジン回転数と、エンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)との関係を示すマップを予め作成し、このマップを用いてエンジン回転数とエンジンの冷却水温度との両方のパラメータに基づいて燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料圧力低下分Δpl)を算出するようにしてもよい。
図7のステップS13にて高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによるコモンレール燃料圧力低下分Δplを算出した後、ステップS14に進み、以下の式により、コモンレール燃料圧力の推定値Pestを算出する。
Pest=Pr+ΔP−Δpl
Pest:コモンレール燃料圧力の推定値
Pr:コモンレール燃料圧力の実際値
ΔP:コモンレール燃料圧力上昇分
Δpl:燃料漏れによるコモンレール燃料圧力低下分
この式において、コモンレール燃料圧力の実際値Prは、今回のREF信号の立ち上がりタイミング(噴射時期計算タイミング)におけるコモンレール燃料圧力の実際値である。
ステップS14にてコモンレール燃料圧力の推定値Pestを算出した後、図6のステップS5に進む。
図6のステップS5では、コモンレール燃料圧力の推定値Pestが噴射許可燃料圧力Ps以上か否かの判定を行う。コモンレール燃料圧力の推定値Pestが噴射許可燃料圧力Ps未満の場合は、ステップS2に戻る。
一方、コモンレール燃料圧力の推定値Pestが噴射許可燃料圧力Ps以上の場合は、ステップS6に進み、次回噴射タイミングでの燃料噴射を許可し、ステップS7にて圧縮行程噴射を実行する。
本実施形態によれば、圧縮行程での燃料噴射タイミング(T2、T4、T6、T8、T10、T12)になる前の所定のタイミング(噴射時期計算タイミングT1、T3、T5、T7、T9、T11)になったとき、燃料噴射タイミング(T2、T4、T6、T8、T10、T12)で燃料噴射弁5A〜5Dに作用する燃料圧力の推定値(コモンレール燃料圧力の推定値Pest)を前もって算出する(ステップS4)。また、エンジンの始動時に燃料噴射タイミング(T2、T4、T6、T8、T10、T12)での燃料圧力の推定値Pestと所定の噴射許可燃料圧力(噴射許可燃料圧力Ps)との比較により、燃料圧力の推定値Pestが噴射許可燃料圧力Ps未満である間は燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値Pestが噴射許可燃料圧力Ps以上になったときに圧縮行程噴射を許可する(ステップS5)。更に、エンジンの運転条件に応じて高圧燃料ポンプ3での燃料漏れ量ΔL(これに対応する高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)を算出する手段を有し、この燃料漏れ量ΔL(これに対応する高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)により補正して、燃料噴射タイミング(T2、T4、T6、T8、T10、T12)での燃料圧力の推定値Pestを算出する(ステップS13、S14)。これにより、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と実際値とのズレを抑制することができるので、確実に噴射許可燃料圧力以上の燃料圧力にて圧縮行程噴射を行うことができる。
また本実施形態によれば、高圧燃料ポンプ3のポンププランジャ12aが上昇する行程中に圧縮行程での燃料噴射タイミングが存在する気筒(2番気筒又は3番気筒)について、その気筒(2番気筒又は3番気筒)の燃料噴射タイミング(T2、T6、T10)になる前の所定のタイミング(噴射時期計算タイミングT1、T5、T9)になったとき、その気筒(2番気筒又は3番気筒)の燃料噴射タイミング(T2、T6、T10)で燃料噴射弁5A〜5Dに作用する燃料圧力の推定値(コモンレール燃料圧力の推定値Pest)を前もって算出する(ステップS4)。また、エンジンの始動時に上記気筒(2番気筒又は3番気筒)の燃料噴射タイミング(T2、T6、T10)での燃料圧力の推定値Pestと所定の噴射許可燃料圧力(噴射許可燃料圧力Ps)との比較により、燃料圧力の推定値Pestが噴射許可燃料圧力Ps未満である間は上記気筒(2番気筒又は3番気筒)の燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値Pestが噴射許可燃料圧力Ps以上になったときに上記気筒(2番気筒又は3番気筒)の圧縮行程噴射を許可する(ステップS5)。更に、エンジンの運転条件に応じて高圧燃料ポンプ3での燃料漏れ量ΔL(これに対応する高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)を算出する手段を有し、この燃料漏れ量ΔL(これに対応する高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)により補正して、燃料噴射タイミング(T2、T6、T10)での燃料圧力の推定値Pestを算出する(ステップS13、S14)。これにより、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と実際値とのズレが生じやすい高圧燃料ポンプのポンププランジャの上昇行程(吐出行程)にて確実に噴射許可燃料圧力以上の燃料圧力にて圧縮行程噴射を行うことができる。
また本実施形態によれば、所定のタイミング(噴射時期計算タイミングT1、T3、T5、T7、T9、T11)から燃料噴射タイミング(T2、T4、T6、T8、T10、T12)までの燃料圧力の上昇分ΔPを算出し(ステップS12、S22)、この算出値と燃料漏れ量ΔLによる補正値(高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)とに基づいて燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値Pestを算出する(ステップS14)。これにより、各噴射タイミングごとに最適な燃料圧力の推定値Pestを算出することができる。
また本実施形態によれば、燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値Pestは、所定のタイミング(噴射時期計算タイミングT1、T3、T5、T7、T9、T11)で燃料噴射弁5A〜5Dに作用する燃料圧力(コモンレール燃料圧力の実際値Pr)と、燃料圧力の上昇分ΔPとを足し合せた値から、高圧燃料ポンプ3での燃料漏れによる燃料圧力の低下分Δplを差し引いて補正した値であるので、簡易な計算式を用いて精度よく燃料圧力の推定値Pestを算出することができる。
また本実施形態によれば、エンジン回転数に応じて燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)を算出することにより、エンジン回転数のばらつきによる燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)のばらつきを抑制することができる。これにより、燃料圧力のロバスト性が向上するので、排気エミッションのばらつきを抑制することができる。
また本実施形態によれば、エンジン回転数が高いほど、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)を小さく算出するので、エンジン回転数が高い場合に良好な始動性を確保することができる。
また本実施形態によれば、エンジンの冷却水温度に応じて燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)を算出することにより、エンジンの冷却水温度のばらつきによる燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)のばらつきを抑制することができる。これにより、燃料圧力のロバスト性が向上するので、排気エミッションのばらつきを抑制することができる。
また本実施形態によれば、エンジンの冷却水温度が低いほど、燃料漏れ量ΔL(これに対応する燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)を小さく算出するので、エンジンの冷却水温度が低い場合に良好な始動性を確保することができる。
尚、本実施形態では、噴射時期計算タイミングをREF信号の立ち上がりタイミングとする場合で説明したが、噴射時期計算タイミングをREF信号の立ち下がりタイミングとする場合でもかまわない。更に、REF信号のタイミングに限定されるものでない。要は、噴射タイミングより時間的に前の所定のクランク角を噴射時期計算タイミングとして設けているものに対して、本発明の適用が可能である。
また、本実施形態では、吸気バルブ用カムシャフトにポンプ駆動カム13を連結させ、このポンプ駆動カムにより高圧燃料ポンプを駆動する場合で説明したが、この構成に限定されるものでない。例えば、排気バルブ用カムシャフトにポンプ駆動カム13を連結させてもかまわない。更に、ポンプ駆動カムはカムシャフト以外のシャフトにも設け得る。また、コモンレールを備えることも必須でない。
本発明の一実施形態を示すエンジンの燃料供給装置の概略構成図 高圧燃料ポンプの吸入・吐出動作を示す図 従来技術を用いた場合のエンジン始動時のコモンレール燃料圧力の変化波形図 プランジャリフトと噴射タイミング、REF信号の立ち上がりタイミングとの関係を説明するための波形図 本実施形態におけるエンジン始動時のコモンレール燃料圧力の変化波形図 本実施形態における燃料噴射制御のフローチャート 本実施形態における燃料圧力の推定値の算出フローチャート エンジン回転数と、燃料漏れ量ΔL(燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)との関係を示す図 エンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量ΔL(燃料漏れによる燃料圧力低下分Δpl)との関係を示す図
符号の説明
1 燃料タンク
2 低圧燃料ポンプ(フィードポンプ)
3 高圧燃料ポンプ
4 コモンレール(フュエルギャラリー)
5A〜5D 燃料噴射弁
6 電動モータ
7 燃料供給通路
8 燃料フィルタ
9 リターン通路
10 低圧プレッシャレギュレータ
11 ダンパ
12 プランジャポンプ
12a プランジャ
12b 高圧室(ポンプ室)
12c シリンダ
13 ポンプ駆動カム
14 吸入チェックバルブ
15 吐出チェックバルブ
16 制御ソレノイド
17 漏れ燃料通路
18 オリフィス
19 安全弁
20 エンジンコントロールユニット(ECU)
21 燃料圧力センサ

Claims (6)

  1. 燃料を高圧化して吐出する高圧燃料ポンプと、
    前記高圧燃料ポンプからの高圧燃料をエンジンの燃焼室に直接供給する燃料噴射弁と、を備え、
    エンジンの始動時に圧縮行程にて燃料噴射を行うエンジンの燃料供給装置において、
    圧縮行程での燃料噴射タイミングになる前の所定のタイミングになったとき、前記燃料噴射タイミングで前記燃料噴射弁に作用する燃料圧力の推定値を前もって算出する燃料圧力推定値算出手段と、
    エンジンの始動時に前記燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と所定の噴射許可燃料圧力との比較により、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力未満である間は燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上になったときに圧縮行程噴射を許可する燃料噴射禁止・圧縮行程噴射許可判定手段とを備え、
    前記燃料圧力推定値算出手段は、エンジンの運転条件に応じて前記高圧燃料ポンプでの燃料漏れ量を算出する手段を有し、
    前記燃料漏れ量を算出する手段は、エンジン回転数と、エンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量との関係を示すマップを備え、前記エンジン回転数が高いほど、前記燃料漏れ量を小さく算出するとともに、前記エンジンの冷却水温度が低いほど、前記燃料漏れ量を小さく算出し、
    前記燃料漏れ量により補正して、前記燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出することを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  2. ポンププランジャの往復動によりポンプ室の容積を変化させ、ポンププランジャが下降する行程にて前記ポンプ室に燃料を吸入し、ポンププランジャが上昇する行程にて前記ポンプ室の燃料を高圧化して吐出する高圧燃料ポンプと、
    前記高圧燃料ポンプからの高圧燃料をエンジンの燃焼室に直接供給する燃料噴射弁と、を備え、
    エンジンの始動時に圧縮行程にて燃料噴射を行うエンジンの燃料供給装置において、
    前記ポンププランジャが上昇する行程中に圧縮行程での燃料噴射タイミングが存在する気筒について、その気筒の燃料噴射タイミングになる前の所定のタイミングになったとき、その気筒の燃料噴射タイミングで前記燃料噴射弁に作用する燃料圧力の推定値を前もって算出する燃料圧力推定値算出手段と、
    エンジンの始動時に前記気筒の燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値と所定の噴射許可燃料圧力との比較により、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力未満である間は前記気筒の燃料噴射を禁止し、燃料圧力の推定値が噴射許可燃料圧力以上になったときに前記気筒の圧縮行程噴射を許可する燃料噴射禁止・圧縮行程噴射許可判定手段とを備え、
    前記燃料圧力推定値算出手段は、エンジンの運転条件に応じて前記高圧燃料ポンプでの燃料漏れ量を算出する手段を有し、前記燃料漏れ量を算出する手段は、エンジン回転数と、エンジンの冷却水温度と、燃料漏れ量との関係を示すマップを備え、前記エンジン回転数が高いほど、前記燃料漏れ量を小さく算出するとともに、前記エンジンの冷却水温度が低いほど、前記燃料漏れ量を小さく算出し、前記燃料漏れ量により補正して、前記燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出することを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  3. 前記所定のタイミングから前記燃料噴射タイミングまでの燃料圧力の上昇分を算出し、この算出値と前記燃料漏れ量による補正値とに基づいて前記燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出することを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料供給装置。
  4. 前記燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値は、前記所定のタイミングで前記燃料噴射弁に実際に作用している燃料圧力と、前記燃料圧力の上昇分とを足し合せた値から、前記高圧燃料ポンプでの燃料漏れによる燃料圧力の低下分を差し引いて補正した値であることを特徴とする請求項3記載のエンジンの燃料供給装置。
  5. 前記気筒の燃料噴射タイミングにある前の所定のタイミングから前記気筒の燃料噴射タイミングまでの燃料圧力の上昇分を算出し、この算出値と前記燃料漏れ量による補正値とに基づいて前記燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値を算出することを特徴とする請求項2記載のエンジンの燃料供給装置。
  6. 前記気筒の燃料噴射タイミングでの燃料圧力の推定値は、前記気筒の燃料噴射タイミングにある前の所定のタイミングで前記気筒の燃料噴射弁に実際に作用している燃料圧力と、前記気筒の燃料噴射タイミングまでの燃料圧力の上昇分とを足し合せた値から、前記高圧燃料ポンプでの燃料漏れによる燃料圧力の低下分を差し引いて補正した値であることを特徴とする請求項5記載のエンジンの燃料供給装置。
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