JP5215986B2 - 異材接合継手および異材接合方法 - Google Patents
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図1は、後述する実施例において、ハイテン鋼板と高強度6000系アルミニウム合金板とのスポット溶接による重ね合わせ継手のナゲットの板厚方向断面を、後述する実施例の通り、SEMの反射電子像にて組織観察したもので、表4の発明例1(溶接条件は表3のg)である。
本発明では、前記鋼板の被接合面に、スポット溶接される前に、予めCuめっきを施す。鋼板の被接合面に予めCuめっきを施すことで、加圧力や溶接電流を高くし、溶接時間を短くした特別な条件のスポット溶接との組み合わせで、形成された界面反応層をAlとCuとの金属間化合物と金属Alとからなる組成とできる。すなわち、この界面反応層の残りがFeとAlとの金属間化合物であるか、または、この界面反応層にFeとAlとの金属間化合物を有さないものとすることができ、接合強度に優れた異材接合継手を得られる。
このためのCuめっきの平均厚みは3〜10μmの範囲とする。このCuめっきの平均厚みが3μm未満では、アルミニウム合金板と点接触するCuの量が少なすぎて、前記Cuの良導電性による効果が発揮されずに、鋼板側が均一に発熱せず、前記図1のような、組成が均一で薄いあるいは層状な界面反応層(スポット溶接後の界面層)が得られない。すなわち、前記特別な条件のスポット溶接との組み合わせでも、界面反応層をAlとCuとの金属間化合物と金属Alとからなる組成とできなくなり、FeとAlとの金属間化合物が増した組成で、しかも、この金属間化合物のみの部分が現れるなど、不均一な層状界面反応層となって、接合強度が不足する。
本発明におけるCuめっきは、界面反応層をAlとCuとの金属間化合物と金属Alとからなる組成とするための原材料でもあり、前記Cuの良導電性による効果を発揮させるためにも、Cuめっきの組成は好ましくは純Cu(純銅)めっきとする。すなわち、前記特許文献8に記載されたような、第三の元素を多く含むCu合金とした場合には、却って、アルミニウム合金板と点接触するCu合金めっきの導電性が低下して、界面反応層をAlとCuとの金属間化合物と金属Alとからなる組成とできにくくなる。
本発明におけるスポット溶接条件も、前記鋼板の接合面に予め施すCuめっき層との組み合わせで、形成された界面反応層をAlとCuとの金属間化合物と金属Alとからなる組成とするために重要である。すなわち、この界面反応層の残りがFeとAlとの金属間化合物であるか、または、この界面反応層にFeとAlとの金属間化合物を有さないものとすることができ、接合強度に優れた異材接合継手を得るために重要である。
本発明異材接合継手に使用する素材鋼板について、本発明では通常の軟鋼板が使用できる。ただ、自動車部材などの軽量化と高強度が要求される用途からして、引張強度が450MPa以上の高強度鋼板(ハイテン)を使用することが好ましい。
前記高強度鋼板の成分組成としては、Si、Mnなどを所定量含む鋼板組成が好ましく、例えば、質量%で、C:0.01〜0.30%、Si:0.1〜3.00%、Mn:0.1〜3.00%を各々含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とすることが好ましい。これに加えて、更に、Al:0.002〜0.1%を含有しても良い。また、更に、このAlに加えて、あるいはAlの代わりに、Nb:0.005〜0.10%、Ti:0.005〜0.10%、Zr:0.005〜0.10%、Cr:0.05〜3.00%、Mo:0.01〜3.00%、Cu:0.01〜3.00%、Ni:0.01〜3.00%、の1種または2種以上を含有しても良い。なお、本発明における化学成分の単位(各元素の含有量)は、アルミニウム合金を含めて、すべて質量%である。
接合する鋼板の板厚t1 は0.5〜5.0mmの範囲から、アルミニウム材側の板厚t2 に応じて選択することが好ましい。鋼板の板厚t1 が0.5mm未満と薄過ぎる場合、前記自動車部材などとして必要な強度や剛性を確保できない。また、スポット溶接時の鋼材の熱変形が大きくなって、これが著しい場合には、鋼材の材料が抜け落ち、健全な溶接継ぎ手が得られなくなる。一方、鋼材の板厚t1 が5.0mmを越えて厚過ぎると、入熱量の制御が難しくなり、スポット溶接が困難となり、継手の異材化の利点の一つである軽量化も犠牲になる。
本発明異材接合継手に使用する素材アルミニウム合金板は、その合金の種類を特に限定するものではないが、上記鋼板の場合と同様に、自動車部材などの軽量化と高強度が要求される用途からして、強度が高い方が望ましい。この点、アルミニウム合金の中でも、強度が高く、この種構造用材として汎用されている、AA(あるいはJIS)6000系、7000系、あるいは5000系などのアルミニウム合金板の使用が最適である。
このようにして製作した各異材接合継手の、界面反応層の厚さと形成範囲とを測定した。これらの結果も表4に示す。界面反応層の板厚方向の厚さ測定は、各スポット溶接部の中央にて板厚方向に切断し、樹脂に埋め込んで研磨をし、スポット溶接部全体に渡り0.5mm間隔でのSEM(反射電子像)による観察を行った。界面反応層の厚さが1μm以上の場合は3000倍の視野にて、1μm未満の場合は10000倍の視野にて測定し、各スポット溶接部ごとに平均値を求め、これらを前記10箇所のスポット溶接部で平均化した値を界面反応層の平均厚みとした。この結果を表4に示す。
Claims (3)
- アルミニウム合金板と被接合面に予めCuめっきが施された鋼板とを重ね合わせてスポット溶接により接合した異材接合継手であって、前記鋼板とアルミニウム合金板との界面に前記スポット溶接によって形成された界面反応層がAlとCuとの金属間化合物相と金属Al相との共晶組織からなり、この共晶組織における前記各相の割合として、前記界面反応層の板厚方向断面の単位面積当たりの平均面積率で、前記AlとCuとの金属間化合物相が70〜90%であるとともに、前記金属Al相が10〜30%であることを特徴とする接合強度に優れた異材接合継手。
- 前記鋼板の接合面に予め施すCuめっき層の平均厚みが3〜10μmであり、前記スポット溶接が、加圧力:3kNを超え、6kN以下、溶接電流:18kAを超え、30kA以下、溶接時間40〜500msecの各条件を満足するとともに、フラックスを用いないものである、請求項1に記載の接合強度に優れた異材接合継手。
- 鋼板とアルミニウム合金板とを重ね合わせてスポット溶接により接合する異材接合方法であって、前記鋼板の被接合面に予め厚さ3〜10μmのCuめっきを施した上で、加圧力:3kNを超え、6kN以下、溶接電流:18kAを超え、30kA以下、溶接時間40〜500msecの各条件を満足するように、かつフラックスを用いずにスポット溶接し、前記鋼板とアルミニウム合金板との界面に前記スポット溶接によって形成された界面反応層をAlとCuとの金属間化合物相と金属Al相との共晶組織とし、この共晶組織における前記各相の割合として、前記界面反応層の板厚方向断面の単位面積当たりの平均面積率で、前記AlとCuとの金属間化合物相を70〜90%とするとともに、前記金属Al相を10〜30%としたことを特徴とする、接合強度に優れた異材接合方法。
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