以下、本発明の実施の形態による建設機械のゲートロック回路を、小型の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は土砂の掘削作業等に用いられる小型の油圧ショベルである。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体4と、該上部旋回体4の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置5とにより大略構成されている。
ここで、作業装置5は、スイングポスト式の作業装置として構成され、例えばスイングポスト5A、ブーム5B、アーム5C、作業具としてのバケット5D、スイングシリンダ(図示せず)、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5Fおよびバケットシリンダ5G等を備えている。また、上部旋回体4は、後述の旋回フレーム6、外装カバー7、キャブ8およびカウンタウエイト9等により構成されている。
6は上部旋回体4の旋回フレームで、該旋回フレーム6は、旋回装置3を介して下部走行体2上に取付けられている。そして、旋回フレーム6には、その後部側に後述のカウンタウエイト9、エンジン16が設けられ、左前側には後述のキャブ8が設けられている。また、旋回フレーム6には、キャブ8とカウンタウエイト9との間に位置して外装カバー7が設けられ、この外装カバー7は、旋回フレーム6、キャブ8およびカウンタウエイト9と共に、エンジン16等を内部に収容する空間を画成するものである。
8は旋回フレーム6の左前側に搭載されたキャブを示し、該キャブ8は、オペレータが搭乗する運転室を内部に画成している。そして、キャブ8の内部には、図2に示すように後述の運転席10、左,右の操作レバー装置11,12、走行レバー・ペダル13,14およびゲートロックレバー15等が配設されている。また、キャブ8には、オペレータが乗り降りするための乗降口8Aが設けられ、この乗降口8Aは、図1に示すドア8Bにより開閉されるものである。
9は上部旋回体4の一部を構成するカウンタウエイトで、該カウンタウエイト9は、後述するエンジン16の後側に位置して旋回フレーム6の後端部に取付けられ、作業装置5との重量バランスをとるものである。また、カウンタウエイト9の後面側は、円弧状をなして形成され、上部旋回体4の旋回半径を小さく収める構成となっている。
10は上部旋回体4のキャブ8内に設けられた運転席で、該運転席10は、油圧ショベル1を操縦するオペレータが着座するものである。また、運転席10の左,右両側には、旋回装置3と作業装置5を操作する作業系の操作レバー装置11,12が配設されている。そして、左側の操作レバー装置11は、左側の操作レバー11A、スイッチ、表示器(図示せず)等が設けられたコンソール11Bを備えている。
また、右側の操作レバー装置12は、右側の操作レバー12A、スイッチ、表示器等が設けられたコンソール12Bを備えている。ここで、操作レバー装置11,12のコンソール11B,12B内には、例えば減圧弁型パイロット弁(図3中にパイロット弁31として1個のみ図示)が設けられ、これらのパイロット弁は、操作レバー11A,12Aの傾転操作によって夫々の方向制御弁(図3中に方向制御弁30として1個のみ図示)にパイロット圧油を供給するものである。
13,14は運転席10の前側に位置してキャブ8のフロア8C上に設けられた左,右の走行レバー・ペダルを示し、該左,右の走行レバー・ペダル13,14は、運転席10に着席したオペレータが両足で踏込み操作したり、または両手で手動操作したりすることにより傾転され、下部走行体2による走行操作を行うものである。
15は左側の操作レバー装置11の下側に設けられたゲートロックレバーで、該ゲートロックレバー15は、図2に示すように左側の操作レバー装置11から前方に向けて延びる遮断位置と、この遮断位置よりも上方に持上げられた開通位置との間で上,下方向に回動される。即ち、ゲートロックレバー15は、オペレータがキャブ8内に乗降口8Aから乗り込んだときには、この乗降口8Aを遮断するように前記遮断位置に回動され、オペレータが乗降口8Aから降りるときには、乗り降りを容易にするように前記開通位置まで上方に持上げられる。
このため、オペレータが運転席10に乗り降りするまでは、ゲートロックレバー15が上方に持上げられた開通位置となり、このときには後述のゲートロックスイッチ38が開成されて、作業装置5の作動が禁止されると共に、下部走行体2による走行動作も禁止される。そして、オペレータが運転席10に乗り込んだときには、ゲートロックレバー15が下向きに回動されて遮断位置となり、このときには後述のゲートロックスイッチ38が閉成されるため、作業装置5の作動禁止が解除されると共に,下部走行体2による走行動作の禁止も解除される。
16は旋回フレーム6の後側に配置された原動機としてのエンジンで、該エンジン16は、小型の油圧ショベル1に搭載されるため、例えば小型のディーゼルエンジンを用いて構成されている。また、エンジン16には、図3に示すようにエンジン16の起動を行うスタータ17と、発電機としてのオルタネータ18等とが設けられている。
19はエンジン16により回転駆動されるメインの油圧ポンプを示し、該油圧ポンプ19は、タンク20(図3参照)と共にメインの油圧源を構成するものである。また、油圧ポンプ19は、パイロットポンプ21と共にエンジン16により回転駆動され、パイロットポンプ21は、タンク20と共にパイロット油圧源を構成している。そして、油圧ポンプ19は、図3に示すように吐出管路22内に向けて圧油を吐出し、パイロットポンプ21は、パイロット管路23に向けてパイロット圧油を吐出するものである。
ここで、吐出管路22は、図3に示すように途中部位から分岐した第1、第2の分岐管路22A,22Bを有している。そして、第1の分岐管路22Aは、後述する油圧シリンダ28以外の作業系の油圧アクチュエータ(図示せず)に対して、後述の方向制御弁30とは別の方向制御弁(図示せず)を介して圧油を供給する。また、第2の分岐管路22Bは、後述する走行用モータ33以外の走行系の油圧アクチュエータ(図示せず)に対して、後述の方向制御弁35とは別の方向制御弁(図示せず)を介して圧油を供給するものである。
24,25はリリーフ弁を示し、このうちリリーフ弁24は、高圧リリーフ弁を構成し、吐出管路22と戻し管路26との間に接続して設けられている。そして、リリーフ弁24は、メインの油圧ポンプ19による圧油の最高吐出圧を設定し、これ以上の過剰圧をタンク20側に戻し管路26を介してリリーフするものである。また、リリーフ弁25は、低圧リリーフ弁を構成し、パイロット圧油の戻し管路27とパイロット管路23との間に接続して設けられている。そして、リリーフ弁25は、パイロットポンプ21の最高吐出圧を設定し、これ以上の過剰圧をタンク20側に戻し管路27を介してリリーフするものである。
28は作業系の油圧アクチュエータを構成する作業用の油圧シリンダで、この油圧シリンダ28は、例えば図1に示す作業装置5のスイングシリンダ(図示せず)、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5Fまたはバケットシリンダ5G等のいずれかを構成するものである。そして、油圧シリンダ28は、図3に示す如く油室28A,28Bおよびロッド28C等を有し、このロッド28Cは、油室28A,28Bに給排される圧油により伸長,縮小されるものである。
なお、油圧ショベル1には、スイングシリンダ(図示せず)、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5F、バケットシリンダ5Gの他に、旋回用の油圧モータ(図示せず)等が作業系の油圧アクチュエータとして一般に設けられている。しかし、図3に示す油圧回路では、その説明を簡略化するために複数の作業系の油圧アクチュエータの代表例として油圧シリンダ28を示したものである。
29A,29Bは油圧シリンダ28の油室28A,28Bに接続された一対の油圧管路を示し、該油圧管路29A,29Bは、例えば可撓性ホース等の油圧配管により構成されている。そして、油圧管路29A,29Bは、油圧ポンプ19から吐出管路22を介して供給された圧油を後述の方向制御弁30を介して油圧シリンダ28の油室28A,28Bに給排することにより、油圧シリンダ28のロッド28Cを伸縮動作させるものである。
30は油圧シリンダ28用の方向制御弁で、該方向制御弁30は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成され、その左,右両側には一対の油圧パイロット部30A,30Bが設けられている。そして、該油圧パイロット部30A,30Bには、後述のパイロット弁31からパイロット圧油が供給され、これにより、方向制御弁30は中立位置(c)から左,右の切換位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
ここで、方向制御弁30が中立位置(c)から切換位置(a)に切換えられたときには、油圧ポンプ19からの圧油が吐出管路22、油圧管路29Aを介して油圧シリンダ28の油室28Aに供給され、油室28Bからの戻り油は油圧管路29B、戻し管路26を介してタンク20に戻される。これにより、油圧シリンダ28は、ロッド28Cが伸長する方向に駆動される。
また、方向制御弁30が中立位置(c)から切換位置(b)に切換えられたときには、油圧ポンプ19からの圧油が吐出管路22、油圧管路29Bを介して油圧シリンダ28の油室28Bに供給され、油室28Aからの戻り油は油圧管路29A、戻し管路26を介してタンク20に戻される。これにより、油圧シリンダ28は、ロッド28Cが縮小する方向に駆動される。
31は油圧シリンダ28を遠隔操作する作業系の減圧弁型パイロット弁(以下、パイロット弁31という)で、該作業系のパイロット弁31は、例えば図2に示す操作レバー装置11,12のコンソール11B,12Bのうちいずれか一方に収容して設けられ、オペレータが操作レバー11Aまたは12Aを傾転操作することにより方向制御弁30に対してパイロット圧油を供給するものである。
ここで、作業系のパイロット弁31は、そのポンプポートがパイロット圧導管路32に接続され、該パイロット圧導管路32は、後述の作業系電磁弁43を介してパイロット管路23(パイロットポンプ21)と戻し管路27(タンク20)とのいずれかに一方に接続される。また、パイロット弁31のタンクポートは、戻し管路27を介してタンク20に常時接続されている。一方、パイロット弁31の出力ポートは、パイロット管路31A,31Bを介して方向制御弁30の油圧パイロット部30A,30Bに接続されている。
そして、作業系のパイロット弁31は、オペレータが操作レバー11A(または操作レバー12A)を傾転操作したときに、その操作量に対応したパイロット圧油をパイロット管路31A,31Bを通じて方向制御弁30の油圧パイロット部30A,30Bに供給する。これにより、方向制御弁30は、図3に示す中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
また、パイロット圧導管路32は、図3に示すように途中部位から分岐したパイロット圧管路部32Aを有し、このパイロット圧管路部32Aは、パイロット弁31以外の作業系のパイロット弁(図示せず)に対し後述の作業系電磁弁43を介してパイロット圧油を導くものである。なお、パイロット弁31以外の作業系のパイロット弁についても、例えば図2に示す操作レバー装置11,12のコンソール11B,12B内に収容して設けられ、オペレータが操作レバー11Aまたは12Aを傾転操作することにより作業系の方向制御弁(図示せず)に対してパイロット圧油を供給するものである。
33は走行系の油圧アクチュエータを構成する走行用の油圧モータ(以下、走行用モータ33という)で、該走行用モータ33は、例えば図1に示す下部走行体2に設けられた左,右の走行用モータのいずれか一方を構成するものである。即ち、油圧ショベル1の下部走行体2には、走行系の油圧アクチュエータとして左,右の走行用モータ等が一般に設けられている。しかし、図3に示す油圧回路では、その説明を簡略化するために複数の走行系の油圧アクチュエータの代表例として走行用モータ33を示したものである。
34A,34Bは走行用モータ33の圧油給排ポート等に接続された一対の油圧管路を示し、該油圧管路34A,34Bは、例えば可撓性ホース等の油圧配管により構成されている。そして、油圧管路34A,34Bは、油圧ポンプ19から吐出管路22を介して供給された圧油を後述の方向制御弁35を介して走行用モータ33に給排することにより、走行用モータ33を回転駆動させるものである。
35は走行用モータ33用の方向制御弁で、該方向制御弁35は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成され、その左,右両側には一対の油圧パイロット部35A,35Bが設けられている。そして、該油圧パイロット部35A,35Bには、後述のパイロット弁36からパイロット圧油が供給され、これにより、方向制御弁35は中立位置(c)から左,右の切換位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
ここで、方向制御弁35が中立位置(c)から切換位置(a)に切換えられたときには、油圧ポンプ19からの圧油が吐出管路22、油圧管路34Aを介して走行用モータ33に供給され、走行用モータ33からの戻り油は油圧管路34B、戻し管路26を介してタンク20に戻される。これにより、走行用モータ33は、一方向(例えば、車両の前進方向)に回転駆動される。
また、方向制御弁35が中立位置(c)から切換位置(b)に切換えられたときには、油圧ポンプ19からの圧油が吐出管路22、油圧管路34Bを介して走行用モータ33に供給され、戻り油は油圧管路34A、戻し管路26を介してタンク20に戻される。これにより、走行用モータ33は、他方向(例えば、車両の後進方向)に回転駆動される。
36は走行用モータ33を遠隔操作する走行系の減圧弁型パイロット弁(以下、パイロット弁36という)で、該走行系のパイロット弁36は、例えば図2に示すキャブ8のフロア8C下側に設けられ、オペレータが左,右の走行レバー・ペダル13,14のうちいずれか一方を傾転操作することにより、方向制御弁35に対してパイロット圧油を供給するものである。
ここで、走行系のパイロット弁36は、そのポンプポートがパイロット圧導管路37に接続され、該パイロット圧導管路37は、後述の走行系電磁弁44を介してパイロット管路23(パイロットポンプ21)と戻し管路27(タンク20)とのいずれかに一方に接続される。また、パイロット弁36のタンクポートは、戻し管路27を介してタンク20に常時接続されている。一方、パイロット弁36の出力ポートは、パイロット管路36A,36Bを介して方向制御弁35の油圧パイロット部35A,35Bに接続されている。
そして、走行系のパイロット弁36は、オペレータが走行レバー・ペダル13(または走行レバー・ペダル14)を操作したときに、その操作量に対応したパイロット圧油をパイロット管路36A,36Bを通じて方向制御弁35の油圧パイロット部35A,35Bに供給する。これにより、方向制御弁35は、図3に示す中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えられるものである。
また、パイロット圧導管路37は、図3に示すように途中部位から分岐したパイロット圧管路部37Aを有し、このパイロット圧管路部37Aは、パイロット弁36以外の走行系のパイロット弁(図示せず)に対し後述の走行系電磁弁44を介してパイロット圧油を導くものである。
38は運転席10の近傍に設けられたゲートロックスイッチで、該ゲートロックスイッチ38は、図3、図4に示すようにゲートロックレバー15の回動操作によって開,閉成される。即ち、ゲートロックスイッチ38は、ゲートロックレバー15が前述の如く上方に持上げられて開通位置となったときに開成され、ゲートロックレバー15が下向きに回動されて遮断位置となったときには、閉成されるものである。
39は電源としてのバッテリで、該バッテリ39は、図3、図4に示すようにゲートロックスイッチ38の切換えに従って、後述のゲートロック制御弁(即ち、作業系電磁弁43、走行系電磁弁44)に対する通電,解除を行うものである。
40はバッテリ39のプラス側に接続されたリード線で、該リード線40は、図4に示すようにゲートロックスイッチ38の一方の端子とバッテリ39との間に接続して設けられた第1配線部40Aと、ゲートロックスイッチ38の他方の端子と後述のリレーコイル42Aとの間に接続して設けられた第2配線部40Bと、該第2配線部40Bの途中から分岐し後述の作業系電磁弁43に接続された第3配線部40Cとを含んで構成されている。
41はリード線40の配線部40Aと共にバッテリ39のプラス側に接続して設けられた他のリード線を示している。ここで、リード線40,41は、バッテリ39に対して互いに並列となるように接続されている。そして、リード線41は、図4に示すように後述するリレー42の共通端子42Cとバッテリ39との間に接続して設けられた第1配線部41Aと、後述の切換端子42Eと走行系電磁弁44との間に接続して設けられた第2配線部41Bとを含んで構成されている。
42は後述の走行系電磁弁44とバッテリ39との間に設けられたリレー(継電器)で、該リレー42は、図4に示すようにリード線40の配線部40A,40B等を介してバッテリ39に接続されたリレーコイル42Aと、該リレーコイル42Aへの通電(励磁),非通電(消磁)に従って閉成,開成される可動接点42Bと、該可動接点42Bの基端側に位置する共通端子42Cと、可動接点42Bの先端側が切換可能に接続される第1,第2の切換端子42D,42Eと、リレーコイル42Aに並列接続された逆起電力防止用のダイオード42Fとを含んで構成されている。
ここで、リレー42は、共通端子42Cがリード線41の第1配線部41Aを介してバッテリ39に常時接続されている。そして、リレー42の可動接点42Bは、リレーコイル42Aが通電されるまでは第1の切換端子42Dに接触して開成状態に保持される。一方、可動接点42Bは、第1の切換端子42Dから切換って第2の切換端子42Eに接触すると、閉成されるものである。
即ち、リレー42は、ゲートロックスイッチ38が閉成(ON操作)されるときに、リレーコイル42Aが通電(励磁)されることにより、可動接点42Bが切換端子42Eに接触して閉成される。これにより、後述の作業系電磁弁43と走行系電磁弁44とは、リード線40,41を介してバッテリ39から給電が行われ、それぞれが図3、図4に示す初期位置(d)から励磁位置(e)に切換わる。
また、ゲートロックスイッチ38が開成されたときには、リレー42のリレーコイル42Aに対するバッテリ39からの通電(励磁)が解除されるため、リレー42の可動接点42Bは切換端子42D側に移動(接触)して開成位置に復帰する。これにより、後述の作業系電磁弁43と走行系電磁弁44とは、リード線40,41を介したバッテリ39から給電が解除されるため、それぞれが図3、図4に示す初期位置(d)に戻されるものである。
43は後述の走行系電磁弁44と共にゲートロック制御弁を構成する作業系電磁弁で、該作業系電磁弁43は、図3に示すようにリード線40の配線部40A〜40Cとゲートロックスイッチ38とを介してバッテリ39に接続され、ゲートロックスイッチ38が閉成操作されたときに、初期位置(d)から励磁位置(e)に切換わる。また、作業系電磁弁43は、作業系のパイロット弁31のポンプポートにパイロット圧導管路32を介して接続されている。
そして、作業系電磁弁43が初期位置(d)にある間は、パイロット圧導管路32を戻し管路27を介してタンク20に接続し、パイロット圧導管路32はタンク圧(低圧)状態に保持される。このため、作業系のパイロット弁31は、操作レバー11A(12B)を傾転操作しても、パイロット管路31A,31Bにパイロット圧油が供給されず、作業系の方向制御弁30は中立位置(c)に保持されたままとなる。
一方、ゲートロックスイッチ38の閉成により作業系電磁弁43が初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えられたときには、パイロット圧導管路32がパイロット管路23を介してパイロットポンプ21に接続され、パイロット圧導管路32には、例えばリリーフ弁25で設定されたパイロット圧油が供給される。このため、作業系のパイロット弁31は、操作レバー11A(12B)を傾転操作したときに、パイロット管路31A,31Bにパイロット圧油を供給することができ、作業系の方向制御弁30を中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えることができる。
44は作業系電磁弁43と共にゲートロック制御弁を構成する走行系電磁弁で、該走行系電磁弁44は、図3に示す如くリード線41の配線部41A,41Bとリレー42の可動接点42Bを介してバッテリ39に接続され、作業系電磁弁43とはリレー42によりバッテリ39に対して並列に接続されている。また、走行系電磁弁44は、走行系のパイロット弁36のポンプポートにパイロット圧導管路37を介して接続されている。
そして、走行系電磁弁44が初期位置(d)にある間は、パイロット圧導管路37を戻し管路27を介してタンク20に接続し、パイロット圧導管路37はタンク圧(低圧)状態に保持される。このため、走行系のパイロット弁36は、走行レバー・ペダル13(14)を傾転操作しても、パイロット管路36A,36Bにパイロット圧油が供給されず、走行系の方向制御弁35は中立位置(c)に保持されたままとなる。
一方、ゲートロックスイッチ38の閉成によりリレー42の可動接点42Bが閉成されると、走行系電磁弁44は、バッテリ39から通電されることにより初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えられる。これにより、パイロット圧導管路37がパイロット管路23を介してパイロットポンプ21に接続され、パイロット圧導管路32には、例えばリリーフ弁25で設定されたパイロット圧油が供給される。このため、走行系のパイロット弁36は、走行レバー・ペダル13(14)を傾転操作したときに、パイロット管路36A,36Bにパイロット圧油を供給することができ、走行系の方向制御弁35を中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えることができる。
本実施の形態による小型の油圧ショベル1に搭載されたゲートロック回路は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
まず、油圧ショベル1のオペレータは、上部旋回体4のキャブ8に搭乗し、運転席10に着座した状態で、ゲートロックレバー15を下側の遮断位置へと回動する。これにより、図3に示すゲートロックスイッチ38が閉成され、作業系電磁弁43は、リード線40の配線部40A〜40Cとゲートロックスイッチ38とを介してバッテリ39から給電されるため、初期位置(d)から励磁位置(e)に切換わる。
そして、作業系電磁弁43が初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えられると、パイロット圧導管路32がパイロット管路23を介してパイロットポンプ21に接続され、パイロット圧導管路32には、例えばリリーフ弁25で設定されたパイロット圧油が供給される。このため、作業系のパイロット弁31からは、操作レバー11A(12B)の傾転操作に対応したパイロット圧油がパイロット管路31A,31Bを介して方向制御弁30の油圧パイロット部30A,30Bに供給され、作業系の方向制御弁30を中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えることができる。
このように、作業系の方向制御弁30が中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えられると、油圧ポンプ19から吐出管路22を介して供給された圧油が方向制御弁30、油圧管路29A,29Bを介して油圧シリンダ28の油室28A,28Bに給排されるので、油圧シリンダ28のロッド28Cを伸縮方向に駆動することができ、作業装置5による土砂等の掘削作業を行うことができる。
また、リード線41を介してバッテリ39に接続されたリレー42は、ゲートロックスイッチ38の閉成によりリレーコイル42Aが励磁されると、可動接点42Bが閉成される。このため、走行系電磁弁44は、バッテリ39からリード線41の配線部41A,41Bを介して通電されることにより初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えられる。
これにより、パイロット圧導管路37がパイロット管路23を介してパイロットポンプ21に接続され、パイロット圧導管路32には、例えばリリーフ弁25で設定されたパイロット圧油が供給される。このため、走行系のパイロット弁36からは、走行レバー・ペダル13(14)の傾転操作に対応したパイロット圧油がパイロット管路36A,36Bを介して方向制御弁35の油圧パイロット部35A,35Bに供給され、走行系の方向制御弁35を中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えることができる。
そして、走行系の方向制御弁35が中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えられると、油圧ポンプ19から吐出管路22を介して供給された圧油が方向制御弁35、油圧管路34A,34Bを介して走行用モータ33に給排されるので、走行用モータ33を回転駆動することができ、これによって下部走行体2を前進または後退させることができる。
一方、オペレータが運転席10から離れてキャブ8の搭乗口8Aから降りるときには、ゲートロックレバー15を上方の開通位置へと回動する。これにより、図3に示すゲートロックスイッチ38が開成され、作業系電磁弁43は、リード線40の配線部40A〜40Cを介したバッテリ39からの通電が遮断されるため、励磁位置(e)から初期位置(d)へと戻る。
そして、作業系電磁弁43が初期位置(d)に戻ることにより、パイロット圧導管路32が戻し管路27を介してタンク20に接続されるので、パイロット圧導管路32内の圧力は、例えばタンク圧に近い圧力まで低下してしまう。このため、作業系のパイロット弁31は、操作レバー11A(12B)を傾転したとしてもパイロット管路31A,31B側にパイロット圧油を発生することはなく、作業系の方向制御弁30は中立位置(c)に保持され、油圧シリンダ28に対する圧油の供給を停止することができる。
また、リード線41を介してバッテリ39に接続されたリレー42は、ゲートロックスイッチ38の開成によりリレーコイル42Aが消磁されるので、可動接点42Bが開成され、これによって、走行系電磁弁44は、バッテリ39からのリード線41を介した通電が解除され、励磁位置(e)から初期位置(d)へと戻る。
これにより、パイロット圧導管路37が戻し管路27を介してタンク20に接続されるので、走行系のパイロット弁36からパイロット管路36A,36Bを介してパイロット圧油が供給されることはなく、走行系の方向制御弁35は、中立位置(c)に保持され、走行用モータ33に対する圧油の供給も停止されるものである。
ところで、ゲートロックレバー15によりゲートロックスイッチ38をON操作(閉成)しているときでも、例えば断線等の電気系統の失陥により作業系電磁弁43への通電(励磁)が解除されてしまうと、作業系電磁弁43が初期位置(d)に戻ってパイロット圧導管路32内の圧力が低下し、作業系の方向制御弁30が中立位置(c)に戻ると共に、油圧シリンダ28に対する圧油の供給も停止されてしまう。
然るに、本実施の形態によれば、電源としてのバッテリ39と走行系電磁弁44との間には、リード線41の配線部41A,41B間に位置してリレー42を設け、該リレー42により作業系電磁弁43と走行系電磁弁44とをバッテリ39に対して並列に接続する構成としている。
これにより、仮に作業系電磁弁43が断線等によって通電が解除され、作業系電磁弁43が作動不良となった場合でも、この影響が走行系電磁弁44に及ぶのを防ぐことができる。そして、走行系電磁弁44に対してはゲートロックスイッチ38を閉成している限り通電を行うことができ、走行系電磁弁44を初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えておくことができる。
このため、走行系のパイロット弁36からは走行レバー・ペダル13(14)の傾転操作に対応したパイロット圧油を、パイロット管路36A,36Bを介して方向制御弁35の油圧パイロット部35A,35Bに供給でき、走行系の方向制御弁35を中立位置(c)から切換位置(a),(b)のいずれかに切換えることができると共に、走行用モータ33に対する圧油の供給、停止をゲートロックスイッチ38の切換えに従って制御することができる。
従って、本実施の形態によれば、作業系の油圧シリンダ28が電気系統の失陥等で作動停止されるような事態が発生しても、この影響が走行系の油圧アクチュエータ等に及ぶのを防ぐことができ、走行用モータ33(走行系の油圧アクチュエータ)に対する駆動制御を確保することができると共に、至急に移動させる等の要求に対して車両を素早く移動させることができる。
これにより、作業系の故障に影響されて走行系の作動制御ができなくなるような事態を解消することができ、現場での作業効率等を向上することができる。
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、作業系電磁弁、走行系電磁弁のうち少なくとも一方の電磁弁と電源との間に操作スイッチを設け、ゲートロックスイッチを開成しているときにも当該電磁弁を操作スイッチによって切換操作できる構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、51は本実施の形態で採用した操作スイッチを示し、該操作スイッチ51は、リレー42の可動接点42B(切換端子42D)側とリード線41の第2配線部41Bの途中位置との間に迂回配線52を介して接続されている。ここで、迂回配線52は、リレー42の切換端子42Dと操作スイッチ51の一方の端子との間に接続して設けられた第1配線部52Aと、操作スイッチ51の他方の端子と第2配線部41Bの途中位置との間に接続して設けられた第2配線部52Bとにより構成されている。
そして、迂回配線52の第1配線部52Aは、リレー42の可動接点42Bが開成されて切換端子42Dと接触しているときにリード線41の第1配線部41Aを介してバッテリ39に接続され、リレー42の可動接点42Bが切換端子42Eに接触して閉成されたときには、リード線41の第1配線部41A(バッテリ39)に対して遮断される。
また、操作スイッチ51は、オペレータ等によって任意に押圧操作され、閉成されたときには迂回配線52の配線部52A,52B間を電気的に接続する。そして、操作スイッチ51は、オペレータによる押圧操作が解除されると、自動的に開成されて迂回配線52の配線部52A,52B間を遮断するものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、ゲートロックスイッチ38を開成(OFF操作)しているときにも、オペレータが任意に操作スイッチ51を操作することにより、下記のような作用効果を得ることができる。
即ち、ゲートロックスイッチ38を開成している状態で、オペレータが任意に操作スイッチ51を押下するように操作したときには、開成状態にあるリレー42の可動接点42Bが迂回配線52、操作スイッチ51を介してリード線41の第2配線部41Bに接続される。これにより、バッテリ39からの電流がリード線41、迂回配線52等を介して走行系電磁弁44に流れ、該走行系電磁弁44を初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えることができる。
従って、第2の実施の形態によれば、ゲートロックスイッチ38を開成(OFF操作)しているときにも、オペレータが任意に操作スイッチ51を操作することにより、走行系電磁弁44の切換操作を行うことができ、走行用モータ33(走行系の油圧アクチュエータ)に対する圧油の供給、停止を制御することができる。
このため、作業系電磁弁43側での故障、オペレータの意思とは別に何らかの理由で作業系電磁弁43の励磁が失効、解除された場合、さらには、ゲートロックスイッチ38側に故障等が発生した場合でも、オペレータが任意に操作スイッチ51を至急移動用スイッチとして操作することにより、走行系電磁弁44の切換操作を行うことができ、至急に移動させる等の要求に対して車両を素早く移動させることができる。そして、操作スイッチ51の操作を解除すれば、車両の走行を自動的に停止することができる。
次に、図6は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、操作スイッチにより電磁弁を切換操作したときに、これを報知する報知装置を備える構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、61は本実施の形態で採用した報知装置としての警報ブザーで、該警報ブザー61は、前記第2の実施の形態で述べた迂回配線52のうち第2配線部52Bの途中に接続されている。このため、ゲートロックスイッチ38を開成している状態で、オペレータが操作スイッチ51を押下する操作を行ったときには、バッテリ39から警報ブザー61に通電が行われると共に、走行系電磁弁44が切換操作される。
そして、警報ブザー61は、ゲートロックスイッチ38を開成している状態で操作スイッチ51により走行系電磁弁44を切換操作したときに、油圧ショベル1を至急に移動させていることを、ブザー音により報知することができる。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第2の実施の形態と同様な効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、ゲートロックスイッチ38を開成している状態で、オペレータが操作スイッチ51を操作したときには、このことを警報ブザー61により報知することができる。また、操作スイッチ51の操作時には警報ブザー61が作動するため、緊急性のない状態での操作スイッチ51のむやみな操作を回避することができる。
次に、図7は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、リレーの可動接点側に作業系電磁弁と走行系電磁弁とを並列に接続して設ける構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、71はバッテリ39のプラス側に接続されたリード線で、該リード線71は、ゲートロックスイッチ38の一方の端子とバッテリ39との間に接続して設けられた第1配線部71Aと、ゲートロックスイッチ38の他方の端子とリレー42のリレーコイル42Aとの間に接続して設けられた第2配線部71Bとを含んで構成されている。
72はリード線71の配線部71Aと共にバッテリ39のプラス側に接続して設けられた他のリード線を示している。ここで、リード線71,72は、バッテリ39に対して互いに並列な関係をなすように接続されている。そして、リード線72は、リレー42の共通端子42Cとバッテリ39との間に接続して設けられた第1配線部72Aと、切換端子42Eと作業系電磁弁43との間に接続して設けられた第2配線部72Bと、該第2配線部72Bと並列関係をなすように切換端子42Eと走行系電磁弁44との間に接続して設けられた第3配線部72Cとを含んで構成されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、ゲートロックスイッチ38の開,閉成に応じてリレー42の可動接点42Bを同様に開,閉成することができ、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、リレー42の可動接点42Bが閉成されたときに、互いに並列関係をなすように切換端子42Eに接続された第2,第3配線部72B,72Cを介して作業系電磁弁43と走行系電磁弁44とを共に切換操作することができる。
そして、仮に作業系電磁弁43が電気系統の失陥等で作動停止される事態にあっても、走行系電磁弁44により走行用モータ33に対する駆動制御を確保することができ、至急に移動させる等の要求に対して車両を素早く移動させることができる。これにより、作業現場に油圧ショベル1を放置するような事態が解消することができ、現場での作業効率等を向上することができる。
次に、図8は本発明の第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、作業系電磁弁、走行系電磁弁と電源との間に操作スイッチを設け、ゲートロックスイッチを開成しているときにも両方の電磁弁を操作スイッチによって切換操作できる構成としたことにある。なお、第5の実施の形態では、前述した第4の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、81は本実施の形態で採用した操作スイッチを示し、該操作スイッチ81は、リレー42の可動接点42B(切換端子42D)側とリード線72の第3配線部72Cの途中位置との間に迂回配線82を介して接続されている。ここで、迂回配線82は、リレー42の切換端子42Dと操作スイッチ81の一方の端子との間に接続して設けられた第1配線部82Aと、操作スイッチ81の他方の端子と第3配線部72Cの途中位置との間に接続して設けられた第2配線部82Bとにより構成されている。
そして、迂回配線82の第1配線部82Aは、リレー42の可動接点42Bが開成されて切換端子42Dと接触しているときにリード線72の第1配線部72Aを介してバッテリ39に接続され、リレー42の可動接点42Bが切換端子42Eに接触して閉成されたときには、リード線72の第1配線部72A(バッテリ39)に対して遮断される。
また、操作スイッチ81は、オペレータ等によって任意に押圧操作され、閉成されたときには迂回配線82の配線部82A,82B間を電気的に接続する。そして、操作スイッチ81は、オペレータによる押圧操作が解除されると、自動的に開成されて迂回配線82の配線部82A,82B間を遮断するものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第4の実施の形態と同様な効果を得ることができる。特に、第5の実施の形態によれば、ゲートロックスイッチ38を開成(OFF操作)しているときにも、オペレータが任意に操作スイッチ81を操作することにより、開成状態にあるリレー42の可動接点42Bが迂回配線82、操作スイッチ81を介してリード線72の第3配線部72Cに接続される。
これにより、バッテリ39からの電流がリード線72、迂回配線82等を介して走行系電磁弁44に流れ、該走行系電磁弁44を初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えることができる。また、操作スイッチ81の操作時には、バッテリ39からの電流がリード線72の配線部72A、迂回配線82および配線部72B等を介して作業系電磁弁43にも流れるので、該作業系電磁弁43についても操作スイッチ81を操作している限り初期位置(d)から励磁位置(e)に切換えることができる。
従って、ゲートロックスイッチ38側に故障等が発生した場合でも、オペレータが任意に操作スイッチ81を至急移動用スイッチとして操作することにより、作業系電磁弁43と走行系電磁弁44との双方を切換えることができる。また、仮に作業系電磁弁43側で故障が発生したり、オペレータの意思とは別に何らかの理由で作業系電磁弁43の励磁が失効、解除されたりした場合でも、この影響が走行系電磁弁44に及ぶのを防ぐことができ、至急に移動させる等の要求に対して車両を素早く移動させることができる。そして、操作スイッチ81の操作を解除すれば、車両の走行を自動的に停止することができる。
次に、図9は本発明の第6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、操作スイッチにより電磁弁を切換えたときに、これを報知する報知装置を備える構成としたことにある。なお、第6の実施の形態では、前述した第5の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、91は本実施の形態で採用した報知装置としての警報ブザーで、該警報ブザー91は、前記第5の実施の形態で述べた迂回配線82のうち第2配線部82Bの途中に接続されている。このため、ゲートロックスイッチ38を開成している状態で、オペレータが操作スイッチ81を押下する操作を行ったときには、バッテリ39から警報ブザー91に通電が行われると共に、走行系電磁弁44が切換操作される。
そして、警報ブザー91は、ゲートロックスイッチ38を開成している状態で操作スイッチ81により走行系電磁弁44を切換操作したときに、至急に油圧ショベル1を移動させていることを、ブザー音により報知することができる。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第5の実施の形態と同様な効果を得ることができる。特に、第6の実施の形態によれば、ゲートロックスイッチ38を開成している状態で、オペレータが操作スイッチ81を操作したときには、このことを警報ブザー91により報知することができると共に、緊急性のない状態での操作スイッチ81のむやみな操作を回避することもできる。
なお、前記第3,第6の実施の形態では、報知装置として警報ブザー61,91を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば警報ランプ、音声合成装置または表示器等の手段で報知装置を構成してもよい。
また、前述した各実施の形態では、ゲートロック回路を小型の油圧ショベル1に搭載した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明によるゲートロック回路はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベル、ホイールローダ、フォークリフト、油圧クレーン等の建設機械、または建設機械以外の油圧作業機等にも広く適用することができるものである。