JP5213569B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、インク滴を吐出することで記録媒体に記録を行なうインクジェット記録ヘッドに関し、特に、サイズの異なるインク滴を吐出する複数種のノズルを同一の基板に配したインクジェット記録ヘッドに関する。
インクジェット記録装置の高速・高画質化に伴い、記録ヘッドについては、吐出する液滴の小液滴化および吐出周波数の増加を行う試みがなされてきた。
吐出する液滴を小液滴化するためには、記録ヘッドの吐出口の開口面積を減少させていく必要がある。しかし、吐出口の開口面積が縮小化されると、それに伴って吐出口に連通する部分(吐出口部)における液体の流抵抗が増大し、所望の吐出性能や吐出効率が得られないことがある。そこで、吐出口形成部分の強度を保ちつつ、吐出口部の流抵抗を低減する方法として、特許文献1および特許文献2に開示されたインクジェット記録ヘッドがある。
特許文献1および特許文献2に開示のインクジェット記録ヘッドは、いずれも、インクが流動する複数のノズルを有する。各ノズルは、図15に示すようにインクを沸騰させ気泡を発生させる発泡室38、およびインク滴を吐出するノズルの先端開口である吐出口37を含む吐出口部36を有している。この吐出口部36は、吐出口37と発泡室38とを連通させる部分であり、吐出口37に連通する第1吐出口部36aと第2吐出口部36bとからなる。第1吐出口部36aと第2吐出口部36bは、電気熱変換素子34の中心を通過し、かつ素子基板32の主面32aと直交する1本の中心軸線を中心とした円筒形の空間となっている。また、第2吐出口部36bを主面32aと平行な方向に切断した場合、その開口部は、同方向に切断した第1吐出口部36aの開口部より外側にあり、かつ同方向における発泡室の断面よりも内側に位置する。つまり、第2吐出口36bは、第1吐出口36aより平面方向に拡大された空間となっている。
上記のように構成されたインクジェット記録ヘッド30では、第1吐出口部36aの厚みによって吐出口37の周辺部分の強度を確保できると共に、第2吐出口部36bによって拡大された空間により吐出口部全体の流動抵抗を低減することが可能となる。これによれば、小液滴を吐出する小径の吐出口が形成されたノズルであっても、吐出口部36での圧力損失を低減することができると共に、気泡を吐出方向へと成長させることが可能になり、インク滴を効率的に吐出することができる。
このような吐出液滴の小液滴化は、画像を構成するドットを小さくでき、画像における粒状感を低減することができる。このため、吐出液滴の小液滴化は、高画質化に大きく貢献するが、その一方で、小液滴化には、コストや記録速度、熱効率のなど面で不具合が伴うことも明らかになってきた。すなわち、粒状感を低減すべく画像の全領域を小さなドット(以下、小ドットと称す)で形成するためには、画像のデータ数が非常に多くなるため、ドライバや回路の規模が大きくなり、コスト高になる傾向がある。また、高速記録を行うためにノズル長を長くすることやチップ数を増やすことも、コスト増大に繋がる。さらに、大きなドット(以下、大ドットと称す)で画像を形成する際の記録速度と同等の記録速度を、小ドットを用いて実現するためには、大ドットを用いて記録を行う場合よりノズルの駆動周波数を上げる必要がある。つまり、単位時間当たりに形成されるドット数を増大させる必要がある。このため、記録動作における熱効率が低下する傾向がある。
そこで、これらの問題を解決するために、異なるサイズのインク滴を吐出する複数種のノズルを同一のヘッド基板上に設け、画像の濃度に応じてノズルの種類を使い分ける技術が提案されている。例えば、画像の低濃度部分から中間濃度部分は小さなインク滴(以下、小インク滴と称す)で小ドットを形成し、中間濃度部分から高濃度部分までは大きいインク滴(以下、大インク滴と称す)でドットを形成するようにした記録方法が提案されている。この場合、大小2種類の液滴サイズを有し、大ドットと小ドットのサイズの比が2〜4倍程度であるとすれば、画像の解像度に合わせて、低濃度部分から高濃度部分まで大小のドットをつなぎ合わせながら鮮明な画像を記録することができる。このように、記録すべき画像の濃度に応じて形成すべきドットの大きさを使い分けることにより、画像形成を高速かつ効率的に行うことができ、記録動作における熱効率も高めることができる。
特開2004−042651号公報 特開2004−042652号公報
しかしながら、サイズの異なる複数種のノズルを設けると共に、各ノズルの流動抵抗を低減させるべく、各ノズルの吐出口部を前述のように第1吐出口部と第2吐出口部で構成した従来の記録ヘッドでは、各種ノズルの吐出特性にアンバランスが発生し易いという問題がある。
これは、従来の記録ヘッドでは、吐出口の開口面積と、第2吐出口部の開口部の開口面積との比が、吐出口の大きさに拘わりなく一定に定められていたことによる。すなわち、吐出するインク滴のサイズが小さなノズルほど、吐出口部の製造誤差(第1の吐出口部36aと第2吐出口部36bとの境界部分でのアライメントずれなど)によって吐出時の圧力損失の割合が大きく変動する。その結果、インク滴の液量や着弾精度などの吐出性能に影響が出やすい。このため、上記のような製造誤差が生じた場合、吐出口が大きいノズルと吐出口が小さいノズルとで、吐出性能にアンバランスが生じ、これが大ドットと小ドットとの組み合わせによって形成される画像の品質を劣化させる要因となっている。
また、現在のインクジェット記録装置では、ノズル内の増粘インクやインク内に混入した気泡などを吐出口から強制的に吸引して排出させ、ノズルの吐出性能を回復させる吸引回復機構が設けられている。しかし、上記のような製造上のばらつきが発生した場合、小インク滴を吐出する小吐出口部ではインクの流動抵抗が大きく増大するため、ノズル内の古くなったインクを十分に排出できなくなる、という吸引回復性の低下が生じる。つまり、従来の記録ヘッドでは、吐出するインク滴が小さいノズルほど吸引回復性が低下しやすく、これも各種ノズルの吐出性能のバランスを崩し、画像品質を劣化させる要因となっている。
本発明は、吐出するインク滴のサイズが異なる複数種のノズルを同一の基板上に配したインクジェット記録ヘッドにおいて、ノズルの種類に拘わりなく良好な吐出性能が得られ、高画質な画像を効率的かつ高速に記録可能にし得るようにすることを目的とする。
本発明は、インクを吐出する吐出口と、前記吐出口と対向する位置にインク滴を吐出するための吐出エネルギ発生素子を有した発泡室と、前記吐出口と前記発泡室とを連通させる吐出口部と、から構成されるノズルを備えるインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ノズルは、第1の液量のインク滴を吐出する第1のノズルと、前記第1の液量より少ない第3の液量のインク滴を吐出する第3のノズルと、を少なくとも含み、前記第1、第3のノズルにおいて、前記吐出口の開口面積をそれぞれS1a、S3aとし、前記吐出口部と前記発泡室とが連通する位置における開口部の開口面積をそれぞれS1b、S3bとしたとき、S1b/S1a<S3b/S3a、及び、S3b>S3aの関係を満たし、前記第1のノズルの前記吐出口部は円筒形状を有しており、前記第3のノズルの吐出口部は円錐台形状を有していることを特徴とする。
本発明によれば、異なるサイズのインク滴を吐出する複数種のノズルのうち、小さいサイズのインク滴を吐出するノズルにあっても、その吐出口部の製造誤差による影響を軽減することができ、複数種のノズルにおける着弾性能のバランスを向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1ないし図3に基づき本発明の第1の実施形態を説明する。
図1(a)は、この第1の実施形態におけるインクジェット記録ヘッド1の一部を切り欠いた状態を模式的に示す斜視図である。このインクジェット記録ヘッド1は、吐出エネルギ発生素子としての電気熱変換素子4が設けられた素子基板2と、この素子基板2の主面2aに積層された流路構成基板(オリフィスプレート)3とを備えている。
素子基板2には、図1(b)に示すように、複数の電気熱変換素子4からなる3本の記録素子列H1,H2,H3が互いに平行に配列されている。また、第1の記録素子列H1と、第2,第3の記録素子列H2,H3との間にはインク供給口5が形成されている。
一方、流路構成基板3には各記録素子列H1,H2,H3の各電気熱変換素子4に対向する位置に設けた複数の吐出口部6と、各吐出口部6に連通する複数の発泡室9と、各発泡室9に連通する複数のインク供給流路10とが形成されている。インク供給流路10は、その一端部がインク供給口5に連通している。また、各吐出口部6は、一端が流路構成基板3の一面において開口する吐出口71,72,73を有している。各吐出口71,72,73は各電気熱変換素子4と対向する位置に形成されており、これにより素子基板3には3列の吐出口列E1,E2,E3が形成されている。以下、この3列の吐出口列E1,E2,E3のうち、E1を第1の吐出口列、E2を第2の吐出口列、E3は第3の吐出口列と称す。また、前記の吐出口部6、発泡室9、インク供給流路10とによって構成された部分を、本発明においてノズルと称す。また、本発明においてインクとは、記録媒体に対して所定の色剤を付着させて画像を形成するものに限らず、記録媒体に形成される画像の発色性や耐候性などを向上させるために、画像形成前または後に記録ヘッドから吐出させる透明な処理液なども含むものとする。
上記のように複数のノズルが形成された記録ヘッドにおいて、インク供給口5には図外のインクタンクが接続されており、インクタンク内のインクはインク供給口5からインク供給流路10を介して発泡室8および吐出口部6に充填される。ここで、電気熱変換素子4が通電されると、同素子4から熱が発生し、その熱によって発泡室8内のインクが瞬時に沸騰する。このインクの液層から気相への急激な変化によって発泡室8内の圧力が急激に増大し、それによって吐出口71,72,73からインク滴が高速に吐出される。このように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド1は、素子基板と平行する面に形成された吐出口71,72,73からインクを吐出する、いわゆるサイドシュータ型のインクジェット記録ヘッドとなっている。
図2は本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口列における一部を拡大して示す底面図で、発泡室9、インク供給流路10、電気熱変換素子4および吐出口71,72,73の位置関係を示している。図2において、第1吐出口列E1は他の吐出口列E2,E3の各吐出口72,73より大きな開口面積を有する吐出口71から構成されている。この吐出口71からは他の吐出口72,73よりも大きなサイズ(多い液量)のインク滴(大インク滴)が吐出される。この大インク滴を吐出するノズルを大ノズル(第1ノズル)と称す。また第3吐出口列E3は他の吐出口列E1,E2の各吐出口71,72より小さな開口面積を有する吐出口73から構成されている。この吐出口73からは他の吐出口71,72よりも小さなサイズ(少ない液量)のインク滴(小インク滴)のインクが吐出される。この小インク滴を吐出するノズルを小ノズル(第3ノズル)と称す。さらに、第2吐出口列E2は、吐出口71より小さく、かつ吐出口73より大きい開口面積を有する吐出口72から構成されている。この吐出口72からは、吐出口71より小さく、かつ吐出口73より大きなサイズ(液量)のインク滴(中インク滴)が吐出される。この中インク滴を吐出するノズルを中ノズル(第2ノズル)と称す。なお、以下の説明において、吐出口71を大吐出口、吐出口73を小吐出口、吐出口72を中吐出口ともいう。
本実施形態では、第1吐出口列E1を構成する大吐出口71が600dpiの間隔で配列されている。同様に、第2吐出口列E2における中吐出口72、第3吐出口列E3における小吐出口73もそれぞれ1200dpiの間隔で配列されている。但し、第2吐出口列E2における吐出口(中吐出口)72と第3吐出口列E3の吐出口(小吐出口)とは、吐出口の配列方向において1200dpiの間隔だけずれた位置に配列されいる。すなわち、吐出口の配列方向において隣接する中吐出口72と小吐出口73との吐出口配列方向の間隔は1200dpiとなっている。また、大、中、小の各吐出口71,72,73から吐出されるインク滴の液量の比は、吐出口のピッチと画像生成時のエリアファクターとによって決定される。そして、大インク滴の液量と中インク滴の液量との比、中インク滴の液量と小インク滴の液量との比は、2〜4倍程度であることが望ましい。
図3は、図2の大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図2に示す大吐出口71のA−A’線断面を、(b)は中吐出口72のB−B’線断面を、(c)は小吐出口73のC−C’線断面を、それぞれ示している。
図3(a),(b),(c)において、61,62,63は、流路構成基板3に形成されている前述の各種の吐出口71,72,73のそれぞれに連通する3種類の吐出口部を示し、91,92,93は、各吐出口部に連通する発泡室を示している。なお、図1においては、各種の吐出口部、発泡室をまとめて吐出口部6、発泡室9として示したが、ここでは、各種の吐出口部を区別する必要上、各種の吐出口部および発泡室に異なる符号を付している。
図3(a)において、吐出口部61には、一端に大吐出口71が形成された第1吐出口部61aと、一端が第1吐出口部61bの他端に連通すると共に他端がインク供給流路10の端部に形成された発泡室91に連通する第2吐出口部62bとが形成されている。なお、流路構成基板3において、大吐出口71が形成される面3aと、前記素子基板の主面2aとは互いに平行している。また、大吐出口71の中心は、素子基板の主面2aと直交すると共に発熱素子4の中心を通過する軸線(中心軸線)と一致している。
また、第1吐出口部61aおよび第2吐出口部61bは、いずれも前記中心軸線を中心とする円筒形状の空間を形成している。第1吐出口部61aの一端に形成される大吐出口71の開口面積S1aは、第2吐出口部61bの他端に形成される開口部81の開口面積S1bよりも大きい。このため、吐出口部61の内面には、第1吐出口部61aと第2吐出口部61bとの境界部分において段差部31が形成されている。つまり、本実施形態においては、段階的に吐出口61の内面が形成されている。
以上、第1吐出口部61について説明した。同様に、第2吐出口部62、第3吐出口部63についても、円筒形状の空間を形成する第1吐出口部62a,63aと、第2吐出口部62b,63bと、が形成されており、第1吐出口部と第2吐出口部との連結部には段差部31が形成されている。
本実施形態では、大インク滴の液量(第1の液量)、中インク滴の液量(第2の液量)、小インク滴の液量(第3の液量)が、それぞれVa=2.8ng、Vb=1.4ng、Vc=0.7ng、となっている。また、第1、第2、第3の吐出口71,72,73それぞれの開口面積S1a,S2a,S3aは、およそS1a=120um2、S2a=60um2、S3a=30um2となっている。さらに、各吐出口部61,62,63において、吐出口71,72,73の開口面積と第2の吐出口部の開口部81,82,83の開口面積S1b,S2b,S3bとの比は、
S1b/S1a=2.5、S2b/S2a=3.6、S3b/S3a=6.3
となっている。つまり、吐出口の開口面積に対する第2吐出口部の開口面積の比の大小関係は、
S1b/S1a<S2b/S2a<S3b/S3a・・・・(式1)
となっている。なお、各種吐出口部71,72,73に連通する発泡室91,92,93の幅は、S1c,S2c,S3cとなっており、これらは、S1c>S2c>S3cの関係になっている。但し、各発泡室91,92,93の高さは同一である。
このように、本実施形態においては、吐出口の開口面積が小さい吐出口部ほど、吐出口の開口面積に対する第2吐出口部の開口面積の比が大きくなっている。これは、大液滴を吐出する吐出口部と小インク滴を吐出する吐出口部とで、吐出口の開口面積と第2吐出口部の開口面積との比率を同一に構成すると、小インク滴の着弾精度のみが低下する虞があるからである。すなわち、開口面積の小さい吐出口から吐出される小さなインク滴ほど、空気抵抗や、製造時のアライメント誤差によって発生するインクの流動抵抗の影響を受け易い。このため、吐出口の開口面積が小さい吐出口部ほど、吐出口の開口面積に対する第2の吐出口の開口面積の比を大きくし、それによって吐出口部に生じる流動抵抗をより大きく低減させる。これによれば、吐出時におけるインクの圧力損失をより低減することが可能になると共に、吸引回復動作において大、中、小の各吐出口から確実にノズル内の古いインクを吸引・排出させることができ、ノズルの吐出不良や吐出性能の低下を軽減することができる。このため、中、小のインク滴を吐出するノズルにあっても、アライメント誤差の影響を緩和して良好なインク滴の吐出特性を維持することが可能となり、各種のノズルから吐出されるインク滴の着弾精度のばらつきを大幅に低減することができる。従って、本実施形態によれば、大、中、小のインク滴を組み合わせながら、高品位な画像を高速かつ効率的に記録することが可能になる。また、本実施形態によれば、第1、第2の吐出口部を形成することによって吐出口部全体の厚さを、吐出口部での物理的な強度を保つために必要とされる厚さに保つことが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図4はこの第2の本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口列における一部を拡大して示す底面図で、発泡室9、インク供給流路10、電気熱変換素子4および吐出口71,72,73の位置関係を示している。この第2の実施形態では、4本の吐出口列E1,E2,E3,E4が互いに平行に配列され、第1、第2吐出口列E1,E2はインク供給口5の一方(図では左方)に、第3、第4吐出口列E3,E4は、インク供給口5の他方(図では右方)に配置されている。第1、第3吐出口列E1,E3は、いずれも図3(a)に示す大吐出口71から構成されている。また、第2吐出口列E2は、図3(b)に示す中吐出口72から構成されており、第4吐出口列E4は、図3(c)に示す小吐出口73から構成されている。
この第2の実施形態において、各吐出口列は、全て600dpiの間隔で配列されている。また、第1吐出口列E1を構成する大吐出口71と、第2吐出口列を構成する中吐出口72とにおいて、吐出口の配列方向において隣接する大吐出口71と中吐出口72との間隔は1200dpiとなっている。さらに、第3吐出口列E3を構成する大吐出口71と第4吐出口列E4とにおいても、吐出口の配列方向において大吐出口71と小吐出口列73との間隔は1200dpiとなっている。
この第2の実施形態においても、大、中、小のインク滴の液量は、上記第1の実施形態と同様であり、また、第1、第2、第3の吐出口71,72,73それぞれの開口面積も同様となっている。従って、吐出口の開口面積に対する第2の吐出口部の開口面積の比は、S1b/S1a=2.5、S2b/S2a=3.6、S3b/S3a=6.3となっている。つまり、第1吐出口部の開口面積に対する第2吐出口部の開口面積の比の大小関係は、
S1b/S1a<S2b/S2a<S3b/S3a・・・(式1)
となっている。つまり、吐出口の開口面積が小さいほど、吐出口の開口面積に対する第2の吐出口の開口面積の比が大きくなっている。従って、この第2の実施形態においても、小インク滴を吐出するノズルにおいてアライメント誤差や空気抵抗などの影響を緩和することができ、良好なインク滴の吐出特性を維持することが可能となる。このため、各種のノズルから吐出されるインク滴の着弾精度のばらつきを大幅に低減することができ、大、中、小のインク滴を組み合わせながら、高品位な画像を高速かつ効率的に記録することができる。
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態を説明する。
上記第2の実施形態では、全ての吐出口部が円筒形状をなしているが、吐出口部の形状は、必ずしも円筒形状である必要はなく、その他の形状にすることも可能である。この第3の実施形態では、図5に示すように、吐出口部の横断面形状を楕円形状に形成している。
この第3の本実施形態においても、大、中、小のインク滴の液量は、Va=2.8ng、Vb=1.4ng、Vc=0.7ng、となっており、吐出口断面積は、およそS1a=120um2、S2a=60um2で、S3a=30um2となっている。また、吐出口の開口面積と第2吐出口の開口部の開口面積との比は、S1b/S1a=3.1、S2b/S2a=3.6、S3b/S3a=6.3となっている。
従って、吐出口の開口面積と第2吐出口部の開口面積との関係は、
S1b/S1a<S2b/S2a<S3b/S3a・・・(式1)
となっている。従って、この第3の実施形態においても、各種のノズルから吐出されるインク滴の着弾精度のばらつきを大幅に低減することができ、大、中、小のインク滴を組み合わせながら、高品位な画像を高速かつ効率的に記録することができる。
(第1ないし第3の実施形態の変形例)
上記第1ないし第3の実施形態において、大、中、小のドットの各インク滴の液量および各吐出口の開口面積等の値は、上記(式1)の関係を満たす範囲で適宜変更可能である。
例えば、大、中、小のインク滴の液量を、Va=5ng、Vb=2ng、Vc=0.7ngとし、大、中、小の吐出口71,72,73の開口面積を、S1a=200um2、S2a=80um2、S3a=30um2とすることも可能である。この場合、各吐出口列の吐出口部における、第1吐出口部と第2吐出口の開口面積との比を、S1b/S1a=1.7、S2b/S2a=2.9、S3b/S3a=6.25とする。これによっても、(式1)の関係を満たすため、上記第1〜第3の実施形態と同様の効果を期待できる。
また、大、中、小のインク滴の液量を、Va=2ng、Vb=1ng、Vc=0.5ngとし、各吐出口部の第1、第2吐出口部それぞれの開口面積の比を、S1b/S1a=2.9〜3.7、S2b/S2a=4.5、S3b/S3a=9.1としても良い。この場合にも、(式1)の関係を満たすこととなるため、第1〜第3の実施形態と同様の効果を期待できる。
これに対し、大、中、小の異なるインク滴を吐出するノズルにおいて、吐出口部の液量を仮に、(式1)の関係を満たさないような関係とした場合には、上記実施形態と同様の効果を期待することはできない。例えば、Va=2.8ng、Vb=1.4ng、Vc=0.7ngとなるような3種類のノズルにおいて、各吐出口部の開口面積の比が、従来のように、S1b/S1a=S2b/S2a=S3b/S3a=2.5であったとする。この場合、製造工程における吐出口部のアライメント誤差があれば、吐出量が小さいノズルほど着弾位置のずれ量は大きくなる。例えば、第2吐出口部が第1吐出口部に対して1um程度ずれると、Vc=0.7ngのインク滴を吐出するノズルから吐出されたインク滴の着弾位置のずれ量は、Va=2.8ngのインク滴を吐出するノズルと比べて2倍程度増大する。記録画像の高品位化を図る上では、小さなインク滴ほど着弾精度への要求は高まるので、製造公差などの誤差を吸収できるように設計することは極めて重要である。
従って、上記実施形態によれば、製造誤差を吸収して着弾位置のずれ量を軽減するために、第1吐出口部S1aの開口面積と第2吐出口部S1bの開口面積との比が、ノズルの吐出量が小さくなるに従って、(式1)の関係、すなわち、
S1b/S1a<S2b/S2a<S3b/S3a・・・・・(式1)
の関係を満たすようにしている。
さらに、吐出量が2倍程度異なる2種類のノズルが同一のヘッド基板に形成されていたとする。この場合、一方のノズルの吐出口部の第1、第2吐出口部の開口面積をS1a,S1bとし、他方のノズルの吐出口部における第1、第2吐出口部の開口面積をS2a,S2bとすると、これらの関係は、経験的には、
S1b/S1a=α×S2b/S2a (α>1.2)
であることが好ましい。
上記実施形態では、大、中、小の3種類のインク滴を吐出するノズルを配置した場合を示したが、液滴量のサイズは大、中、小の3種類に限ったものではなく、大、小の2種類であっても、大、中、小、極小の4種類であってもよい。また、吐出口の配列の仕方も上記実施形態に限定されるものではない。要するに、吐出口の開口面積が小さいものほど、吐出口と第2吐出口部の開口面積との比が大きくなるような関係が成立すればよい。
また、上記実施形態では、吐出口部の内面が第1の吐出口部と、第2の吐出口部とによって2段階に変化する形状を例に採り説明したが、吐出口部をさらに多段階に分けて形成することも可能である。すなわち、3段階あるいはそれ以上の段階に分けて形成することも可能である。但し、各段階に位置する吐出口部は、吐出口から吐出口部と発泡室とが連通する位置まで、その開口面積が拡大されるように形成する必要がある。
(第4の実施形態)
次に、図6,および図7(a),(b),(c)に基づき本発明の第4の実施形態を説明する。
図6は本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口列における一部を拡大して示す底面図で、インク供給流路10、電気熱変換素子4および吐出口71,72,73の位置関係を示している。この第4の実施形態では、第1の実施形態と同様に、大吐出口71からなる第1吐出口列E1と、中吐出口72からなる第2吐出口列E2と、小吐出口73からなる第3吐出口列E3とが、互いに平行に配列されている。さらに、このような大、中、小の吐出口の配列に加え、発泡室9およびインク供給流路10などの構成は、上記第1の実施形態と同様である。但し、この第4の実施形態では、各ノズルの吐出口部の形状が上記第1の実施形態と異なる。
図7(a)は、図6に示された大吐出口のA−A’線断面図、図7(b)は、図6に示された中吐出口のB−B’線断面図、図7(c)は、図6に示された小吐出口のC−C’線断面図である。
第1〜第3の実施形態では、第1吐出口部と第2吐出口部とが形成され、両吐出口部の境界部分には段差部31が形成されている。これに対し、この第4の実施形態における各吐出口部161,162,163の内面は、図7に示すように、連続した面によって形成されており、第1の実施形態のような段差部31が形成されていない。つまり、上記第1〜3の実施形態のように吐出口部が第1吐出口部と第2吐出口とに分かれていない。
図7(a)に示すように、この第4の実施形態において、大インク滴を吐出するノズルの吐出口部161は、円筒形状の空間を形成している。吐出口71とこれに対向する発泡室側の開口部81とは同一の径を有している。これに対し、図7(b)に示す中インク滴を吐出するノズルの吐出口部162および、図7(c)に示す小インク滴を吐出するノズルの吐出口部163は、いずれも吐出口72,73に近づくに従って横断面の面積が連続的に減少する円錐台形状の空間を形成している。すなわち、吐出口部162,163はテーパ形状を有しており、そのテーパ角度はいずれもαとなっている。このテーパ角度は、5〜15°程度とすることが望ましい。なお、この第4の実施形態においても、各種吐出口部71,72,73に連通する発泡室91,92,93の幅S1c,S2c,S3cは、S1c>S2c>S3cの関係になっている。但し、各発泡室91,92,93の高さは同一である。
より具体的には、大、中、小に共通する吐出口部の高さHoは、20μm〜30μm程度であり、インク供給流路の高さHcは10μm〜20μm程度である。また、吐出口部の径は、大ノズルで11μm程度以上、中ノズルで8μm〜11μm程度、小ノズルで5μm〜8μm程度である。
以上のように、この第4の実施形態においては、中、小のインク滴を吐出するノズルの吐出口部162,163を形成する面をテーパ形状に形成し、そのテーパ角度をいずれもαとしている。このため、本実施形態においても、吐出口の開口面積と吐出口部の開口面積との比の大小関係は、
S1b/S1a<S2b/S2a<S3b/S3a・・・(式1)
となる。
つまり、吐出口の開口面積が小さい吐出口部ほど、吐出口の開口面積に対する吐出口部の開口面積の比を大きくしている。このため、吐出口部に生じる流動抵抗を、吐出口の開口面積が小さい吐出口部ほど、より大きな比率で低減することができる。すなわち、吐出口の開口面積が小さい吐出口部にあっても、吐出時におけるインクの圧力損失の割合を低減することが可能となる。しかも、この第4の実施形態では、各吐出口部71,72,73の内面がすべて連続した形状になっているため、吐出口部の内面に段差部が形成されている第1〜第3の実施形態に比べて、インクの流動抵抗をより一層低減することができる。
このため、アライメント誤差に起因するインク滴の吐出性能や吸引回復動作によるインクの吸引・排出性を、より良好な状態に保つことが可能となり、各種のノズルから吐出されるインク滴の着弾精度のばらつきを大幅に低減することができる。さらに、大インク滴を吐出する吐出口部は、円筒形状(以下、その断面形状からストレート形状ともいう)に形成されている。このため、吐出するインク滴の液量に対する吐出口部と発泡室の容積の和を小さくすることが可能になり、濃度ムラが目立ちやすい大液滴の吐出量変動を少量に抑えることができる。
ここで、テーパ形状をなす吐出口部と、円筒形状をなす吐出口部のそれぞれにおいて、各吐出口部でのインク流動抵抗と吐出口の径との関係を、図8に示す。
ここでは、素子基板の高さ(発泡室の高さ)は10μm、テーパ形状をなす吐出口のテーパ角度は10°として、各吐出口部内のインクの流動抵抗を算出した結果を示している。なお、円筒形状の吐出口部の直径を16μmとしたときの流動抵抗を1とし、各種吐出口部の流動抵抗を縦軸に、吐出口径を横軸に示している。
図8に示すように、円筒形状のノズルでは、吐出口径が約11μmより小さくなるにつれて、吐出口部のインクの流動抵抗が急激に大きくなることがわかる。これに対し、テーパ形状をなす吐出口部におけるインク流動抵抗は、吐出口の径が11μm〜4μmの範囲では、円筒形状の吐出口部におけるインク流動抵抗の約40%〜60%程度にまで低減される。また、吐出口をテーパ形状とすることによるインク流動抵抗の低減効果は、吐出口が小さくなるにつれて顕著になる。例えば、吐出口部の高さが10μmである場合を例にとると、テーパ角度10°をつけたことによる粘性抵抗低減効果は、吐出口の径が16μmでは30%程度であるが、吐出口径が4μmになると60%程度に増大する。
このように、吐出口部をテーパ形状にすることによって、小インク滴を吐出する吐出口部であっても、流路構成基板3の高さ(厚さ)や発泡室の高さを変えることなく、インク流動抵抗を大幅に低減することが可能になる。従って、中、小のインク滴を吐出する各ノズルの吐出口部に上記のようなテーパ形状を採用することによって、いずれのサイズのインク滴も適正に吐出することができる。このため、各サイズのインク滴を組み合わせて良好な品質の画像を形成することが可能となる。なお、複数種の吐出口のうちいずれか1種の吐出口に上記のテーパ形状を適用してもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
図9は本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口列における一部を拡大して示す底面図で、発泡室9、インク供給流路10、電気熱変換素子4および吐出口71,72,73の位置関係を示している。
図9に示すように、この第5の実施形態においては、3本の吐出口列E1,E2,E3が互いに平行に配列されている。このうち、第1吐出口列E1はインク供給口5の一方(図では左方)に、第2、第3吐出口列E2,E3は、インク供給口5の他方(図では右方)に配置されている。第1の吐出口列は、複数の大吐出口71から構成され、第2,第3の吐出口列E2,E3は、いずれも同一サイズのインク滴(小インク滴)を吐出する複数の小吐出口72,73から構成されている。第1の吐出口列E1は、大吐出口71が吐出口の配列方向において600dpiのピッチで配置されている。従って、第1の吐出口列E1によれば、吐出口の配列方向において600dpiの密度で大ドットが形成される。これに対し、第2吐出口列E2と第3吐出口列E3の吐出口(小吐出口)73は、吐出口の配列方向において1200dpiの間隔だけずれた位置に配列されいる。従って、両吐出口列E2,E3によれば、吐出口の配列方向において1200dpiの密度、すなわち大ドットの密度の2倍の密度で小ドットを形成することができる。従って、大インク滴と小インク滴とを組み合わせて高解像度の画像を効率的に形成することができる。
図10(a)は、図9に示された第1吐出口列の大吐出口のA−A’線断面図、図10(b)は、図9に示された第2吐出口列の中吐出口のB−B’線断面図、図10(c)は、図9に示された第3吐出口列の小吐出口のC−C’線断面図である。
図10(a)に示すように、大ドットを形成する第1のノズル列の吐出口部は略円筒形状をなしている。図10(b),(c)に示すように、小ドットを形成する第2、第3のノズル列E2,E3の各吐出口部163は、吐出口に近づくに従って断面積が連続的に減少するテーパ形状となっており、そのテーパ角度αは5〜15°程度となっている。なお、各種のノズルのノズル高さHnは20μm〜30μm程度、インク供給流路の高さHcは10μm〜20μmであり、これらの値はいずれのノズルも同一である。また、吐出口の径は、大吐出口が11μm程度以上、小吐出口が5μm以上11μm未満程度である。その他の構成は上記第4の実施形態と同様である。
このように、この第5の実施形態においても、ノズルの各吐出口部162,163を形成する面は、テーパ形状に形成している。このため、本実施形態においても、吐出口71,72,73の開口面積S1a,S2a,S3aと、吐出口部161,162,163と発泡室91,92,93との境界部における開口部81,82,83の開口面積S1b,S2b,S3bとの比の大小関係は、
S1b/S1a<S2b/S2a=S3b/S3a
となる。
従って、この第5の実施形態においても、アライメント誤差に起因するインク滴の吐出性能や吸引回復動作によるインクの吸引・排出性も、より良好な状態に保つことが可能になる。このため、各種のノズルから吐出されるインク滴の着弾精度のばらつきを大幅に低減することができる。さらに、吐出口部71,72,73は、段差のない連続した内面を有しているため、インクの流動抵抗を低減することができる。また、大インク滴を吐出する吐出口部は円筒状に形成され、吐出するインク滴の液量と、吐出口部と発泡室の容積の和との比を小さくすることが可能になり、大液滴の吐出量変動を少量に抑えることができる。
(第6の実施形態)
次に本発明の第6の実施形態を図11および図12に基づき説明する。
図11は本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口列における一部を拡大して示す底面図で、発泡室9、インク供給流路10、電気熱変換素子4および吐出口71,72,73の位置関係を示している。図12は、図11に示された大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図10に示す大吐出口71のA−A’線断面を、(b)は図10に示す大吐出口71のB−B’線断面を、(c)は図10に示す大吐出口71のC−C’線断面を、それぞれ示している。
図11および図12に示すように、この第6の実施形態は、上記第1の実施形態と同様に、大、中、小のインク滴を吐出するノズルを備え、各種ノズルの吐出口部61,62,63が、それぞれ第1吐出口部61aと第2吐出口部62を備えた構成となっている。但し、この第6の実施形態においては、吐出口部62,63の第1吐出口部が、それぞれの吐出口に向かうに従って、断面積が連続的に減少する円錐台形状(テーパ形状)をなしており、この点が上記第1の実施形態と異なる。なお、その他の点は、上記第1の実施形態と同様である。
これによれば、中インク滴、小インク滴を吐出するノズルの吐出口部62,63の第1吐出口部62a,63aがテーパ形状をなしているため、上記第1実施形態よりも、吐出口部におけるインクの流動抵抗を低減することができる。このため、吐出口部の製造時に生じるばらつきの影響をより低減することができると共に、吸引回復動作におけるインクの排出性をより高めることが可能となり、優れた画像品質を実現することができる。
また、第1、第2の吐出口部を形成することによって、吐出口部全体の厚みを保つことも可能となり、第4、第5の実施形態に比べ、吐出口部に高い物理的強度を得ることができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態を図13および図14に基づき説明する。
図13は本実施形態のインクジェット記録ヘッドの吐出口列における一部を拡大して示す底面図で、発泡室9、インク供給流路10、電気熱変換素子4および吐出口61,62,63の位置関係を示している。図14は、図13に示す各吐出口列の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図13に示す大吐出口のA−A’線断面を、(b)は中吐出口のB−B’線断面を、(c)は小吐出口のC−C’線断面を、それぞれ示している。
図13および図14に示すように、この第7の実施形態は、上記第6の実施形態と同様に、大、小のインク滴を吐出するノズルを備え、各種ノズルの吐出口部71,72,73が、それぞれ第1吐出口部61と、第2吐出口部62と、第3吐出口部63と、を備えた構成となっている。但し、この第7の実施形態においては、第3吐出口列E3を構成する吐出口73が、第2吐出口列を構成する吐出口72と同径の小吐出口となっており、第2、第3の吐出口列E2,E3によって、1200dpiの密度でドットを形成できるようになっている。この点は、図9に示した上記第5の実施形態と同様である。
従って、この第7の実施形態によれば、第6の実施形態と第5の実施形態を融合させた構成を備えたものであるといえる。よって、この第7の実施形態では、上記第6の実施形態と同様に、吐出口部の製造時に生じるばらつきの影響の低減、吸引回復動作におけるインクの排出性の向上、吐出口部における物理的強度の向上などを実現できる。さらに、この第7の実施形態では、上記効果に加え、第5の実施形態と同様に、小インク滴によって高解像度の画像を形成することが可能になる。
(a)は、本発明の第1の実施形態によるインクジェット記録ヘッド1の一部を切り欠いた状態を模式的に示す斜視図、(b)は(a)に示した記録素子基板における電気熱変換素子4の配列状態を模式的に示す底面図である。 図1に示すインクジェット記録ヘッドの一方の吐出口列における一部を拡大して示す底面図である。 図2に示す大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図2に示す大吐出口のA−A'線断面を、(b)は中吐出口のB−B'線断面を、(c)は小吐出口のC−C'線断面を、それぞれ示している。 本発明の第2の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一方の吐出口列における一部を拡大して示す底面図である。 本発明の第3の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一方の吐出口列における一部を拡大して示す底面図である。 本発明の第4の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一方の吐出口列における一部を拡大して示す底面図である。 図6に示す大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図6に示す大吐出口のA−A'線断面を、(b)は中吐出口のB−B'線断面を、(c)は小吐出口のC−C'線断面を、それぞれ示している。 テーパ形状をなす吐出口部と、円筒形状をなす吐出口部のそれぞれのインク流動抵抗と吐出口の径との関係を示す。 本発明の第5の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一方の吐出口列における一部を拡大して示す底面図である。 図9の大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図9に示す第1吐出口列の大吐出口のA−A'線断面を、(b)は第2吐出口列の吐出口のB−B'線断面を、(c)は第3吐出口列の吐出口のC−C'線断面を、それぞれ示している。 本発明の第6の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一方の吐出口列における一部を拡大して示す底面図である。 図11に示す大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図11に示す大吐出口のA−A'線断面を、(b)は中吐出口のB−B'線断面を、(c)は小吐出口のC−C'線断面を、それぞれ示している。 本発明の第7の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの一方の吐出口列における一部を拡大して示す底面図である。 図13の大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は図13に示す第1吐出口列の大吐出口のA−A'線断面を、(b)は第2吐出口列の吐出口のB−B'線断面を、(c)は第3吐出口列の吐出口のC−C'線断面を、それぞれ示している。 従来のインクジェット記録ヘッドにおける大、中、小の各吐出口の縦断側面図であり、(a)は大吐出口の断面を、(b)は中吐出口の断面を、(c)は小吐出口の断面を、それぞれ示している。
符号の説明
1 インクジェット記録ヘッド
2 素子基板
3 流路構成基板
4 電気熱変換素子
5 インク供給口
6 吐出口部
61 第1吐出口部
62 第2吐出口部
71,72,73 吐出口
9 発泡室
81,82,83 吐出口部と発泡室との境界部における開口部
91,92,93 発泡室
S1a,S2a,S3a 吐出口の開口面積
S1b,S2b,S3b 開口部81,82,83の開口面積
161,162,163 吐出口部
α テーパ角

Claims (4)

  1. インクを吐出する吐出口と、前記吐出口と対向する位置にインク滴を吐出するための吐出エネルギ発生素子を有した発泡室と、前記吐出口と前記発泡室とを連通させる吐出口部と、から構成されるノズルを備えるインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルは、第1の液量のインク滴を吐出する第1のノズルと、前記第1の液量より少ない第3の液量のインク滴を吐出する第3のノズルと、を少なくとも含み、
    前記第1、第3のノズルにおいて、前記吐出口の開口面積をそれぞれS1a、S3aとし、
    前記吐出口部と前記発泡室とが連通する位置における開口部の開口面積をそれぞれS1b、S3bとしたとき、
    S1b/S1a<S3b/S3a、及び、S3b>S3a
    の関係を満たし、
    前記第1のノズルの前記吐出口部は円筒形状を有しており、前記第3のノズルの吐出口部は円錐台形状を有していることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記複数種のノズルは、前記第1の液量より少なく、前記第3の液量より多い第2の液量のインク滴を吐出する第2ノズルをさらに備え、
    前記1、第2、第3のノズルそれぞれの吐出口の開口面積をS1a、S2a、S3aとし、前記第1、第2、第3のノズルにおいて、前記吐出口部と前記発泡室とが連通する位置における開口部の開口面積をそれぞれS1b、S2b、S3bとしたとき、
    S1b/S1a<S2b/S2a<S3b/S3a
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記第1ノズルの吐出口が配列された第1の吐出口列と、前記第3ノズルの吐出口が配列された第3の吐出口列と、を含み、前記第3の吐出口列における各吐出口は、前記第1の吐出口列の各吐出口より狭い間隔で配列されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記発泡室と前記吐出口部の高さの和は、前記複数種のノズルにおいて同一であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
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