JP5213498B2 - カラーフィルタ基板、及び液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラーフィルタ基板、及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、高画質画像を表示する表示装置に広く利用されている。液晶表示装置は一般に、一対の基板(以下、「表示装置用基板」ともいう)間に所定の配向により画像表示を可能とする液晶層が配置されており、この基板間隔、すなわち液晶層の厚みを均一に維持することが画質を決定する要素の一つであり、そのために液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーが配設されている。この基板の間の厚みは一般に「セル厚又はセルギャップ」と称され、セル厚は通常、前記液晶層の厚み、換言すれば、表示領域の液晶に電界をかけている2枚の電極間の距離を示すものである。
表示装置用基板としてのカラーフィルタ基板は、基板上に着色パターン及びその周囲にブラックマトリックス等の構造物が形成された構成となっている。これらの構造物のうち、着色パターンやブラックマトリックスの形成方法としては、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより形成する方法が主流となっている。
また、スペーサーについても、従来はビーズ散布により形成されていたが、近年では、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィーにより位置精度の高いスペーサーが形成されるようになってきている。このような感光性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサーは、フォトスペーサーと呼ばれている。
ところで、カラーフィルタ基板において、高開口率目的でブラックマトリックスの線幅を細くすると、それに伴いフォトスペーサーの面積も小さくせざるを得ないため、強度保持のため、硬いフォトスペーサを選択することになる(例えば特許文献1等)
特開2004−212929
しかしながら、単に、硬いフォトスペーサを選択すると、ブラックマトリックスとフォトスペーサーとの硬度アンバランスが生じ、セルギャップを安定させることができず、表示ムラを生じる事態を生んでいた。
そこで、本発明は、高開口率を達成するためにブラックマトリクスの線幅を細くしても、安定した液晶表示装置のセルギャップを安定化させ、表示ムラを抑制することができるカラーフィルタ基板、及びそれを備える液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1> ブラックマトリックスとフォトスペーサとを有するカラーフィルタ基板において、
前記ブラックマトリックスの対荷重変形量をKb(μm)とし、前記フォトスペーサーの対荷重変形量をKp(μm)としたとき、Kb≦Kp(Kb=Kpを除く。)の関係を満たし、かつ、下記式(1)及び(2)の関係を満たすことを特徴とするカラーフィルタ基板
式(1):y ≦Kb≦y (ここで、y =0.001x+0.05、y =0.001x+0.15)、
式(2):y ≦Kp≦y (ここで、y =0.006x+0.15、y =0.006x+0.25)
(式(1)及び(2)中、xは負荷荷重;mNを示し、y 〜y は対荷重変形量;μm示す。)
<2> 前記ブラックマトリックスの線幅が30μm以下であることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタ基板。
> 前記フォトスペーサーの円相当直径が25μm以下であることを特徴とする、前記<1>または2>に記載のカラーフィルタ基板。
> 前記<1>〜<>のいずれか1項に記載のカラーフィルタ基板を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、高開口率を達成するためにブラックマトリクスの線幅を細くしても、安定した液晶表示装置のセルギャップを安定化させ、表示ムラを抑制することができるカラーフィルタ基板、及びそれを備える液晶表示装置を提供することができる。
<カラーフィルタ基板>
本発明のカラーフィルタ基板は、ブラックマトリックスとフォトスペーサとを有するカラーフィルタ基板である。具体的には、本発明のカラーフィルタ基板は、例えば、基板上に形成される、色相が相互に異なる2色以上のパターン化された着色画素(以下、着色パターンと称することがある)及びその周囲にブラックマトリックスと、ブラックマトリクス上に形成されるフォトスペーサーと、を備える。なお、ブラックマトリクスとフォトスペーサと間には、ITO等の透明導電層(透明電極)やポリイミド等の配向膜が存在していてもよい。
そして、本発明のカラーフィルタ基板では、ブラックマトリックスの対荷重変形量をKb(μm)とし、フォトスペーサーの対荷重変形量をKp(μm)としたとき、Kb≦Kp(Kb=Kpを除く。)の関係を満たす。このように、ブラックマトリクスとフォトスペーサーとの硬度バランスを上記所定の関係とすることで、高開口率を達成するためにブラックマトリクスの線幅を細くしても、安定した液晶表示装置のセルギャップを安定化させ、表示ムラを抑制することができる。
なお、ブラックマトリックス、及びフォトスペーサの対荷重変形量は、例えば、これらを形成する樹脂組成物の組成や、ベーク処理を調整することで、制御することができる。
また、本発明のカラーフィルタ基板では、さらに、下記式(1)及び(2)の関係を満たす。
式(1):y≦Kb≦y(ここで、y=0.001x+0.05、y=0.001x+0.15)、
式(2):y≦Kp≦y(ここで、y=0.006x+0.15、y=0.006x+0.25)
(式(1)及び(2)中、xは負荷荷重;mNを示し、y〜yは対荷重変形量;μm示す。)
この式(1)は、ブラックマトリックスの、負荷荷重に対する対荷重変形量が比較的小さいことを意味し、さらに式(2)は、フォトスペーサーの、負荷荷重に対する対荷重変形量が比較的大きいことを意味する。したがって、上記式(1)及び(2)の関係を満たすことで、より効果的に、高開口率を達成するためにブラックマトリクスの線幅を細くしても、安定した液晶表示装置のセルギャップを安定化させ、表示ムラを抑制することができる。
ここで、上記対荷重変形量は、微小硬度計(DUH−W201、(株)島津製作所製)により次のようにして測定を行った値である。測定は、50μmφの円錘台圧子を採用し、保持時間5秒として、負荷−除荷試験法により行う。そして、その負荷荷重の時の変形量を、対荷重変形量とする。
また、上記負荷荷重(mN)は、測定機器の出力できる範囲で任意に設定することができるが、負荷荷重が5mN以下のときは、誤差が大きくなってしまう為適当でなく、また負荷荷重が500mN以上のときは、レジストの物理的破壊が発生してしまう可能性があり、現実的でない。よって、上記範囲に設定することがよい。
本発明のカラーフィルタ基板について、その製造方法と共にさらに詳細に説明する。本発明のカラーフィルタ基板は、例えば、ブラックマトリックス形成工程と、着色パターン形成工程と、フォトスペーサー形成工程と、を有し、必要に応じて更に他の工程を設けて構成することができる。
以下、ブラックマトリックス形成工程と、着色パターン形成工程と、フォトスペーサー形成工程、に分けて説明する。
〔ブラックマトリックス形成工程〕
本発明において、ブラックマトリックス形成工程では、少なくとも、感光性濃色組成物を用いて感光性濃色組成物層を基板上に形成し(感光性濃色組成物層形成工程)、前記感光性濃色組成物層を露光し(露光工程)、前記露光後の前記感光性濃色組成物層を現像して(現像工程)、アンダーカットの長さが3.0〜8.0μmのブラックマトリックスパターンを形成し、形成されたブラックマトリックスパターンをベークする(ベーク工程)ことによりブラックマトリックスを形成する。ブラックマトリックス形成工程は上記各工程に加え、必要に応じて、その他の工程を設けてもよい。
−ブラックマトリックス−
本発明において、ブラックマトリックスは、光学濃度(OD値)が2.0以上8.0以下とすることが好ましく、3.0以上さらに好ましくは4.0〜6.0とすることがより好ましい。光学濃度が2.0以上であると、コントラスト低下抑制等表示装置の表示品位の低下を抑制することができる。
なお、ここで言う光学濃度とは、ISO Visual透過光学濃度をいう。ISO Visual透過光学濃度の測定に用いることができる測定器としては、例えば、サカタインクスエンジニアリング株式会社のX-Rite 361T(V)を挙げることができる。
また、ブラックマトリックスは線幅(着色パターン間に挟まれた、ブラックマトリックス長手方向と直交する方向における長さ)が30μm以下であることが、高開口率化による明度確保の観点から好ましく、より好ましくは、27.5〜5μmであり、さらに好ましくは25〜7.5μmである。そして、ブラックマトリックスの線幅を上記範囲の如く、高開口率を達成するためにブラックマトリクスの線幅を細くしても、安定した液晶表示装置のセルギャップを安定化させ、表示ムラを抑制することができる。
ブラックマトリックスの厚み(ブラックマトリックスの基板法線方向における長さ)は、ブラックマトリックスと着色パターンとが重なるオーバーラップ部の盛り上がりを小さくする(好ましくは、0.5μm以下にする)観点から、0.2〜2.0μmが好ましく、より好ましくは、0.2〜1.5μmであり、さらに好ましくは0.5〜1.2μmである。この厚みの範囲において、ブラックマトリックスが設けられた基板の凹凸、即ち、ブラックマトリックスの形成領域、非形成領域の段差が適切に維持され、ブラックマトリックス形成後にRGB等の着色パターン(着色画素)をこの上に形成する際にも精度高く形成することができる。
−感光性濃色組成物層形成工程−
本工程では、感光性濃色組成物を用いて感光性濃色組成物層を基板上に形成する。
本工程に用いうる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコン基板等が挙げられる。さらに、プラスチック基板も可能である。中でも無アルカリガラスが、耐薬品性や耐熱性の観点から好ましい。これらの基板は、まず、各画素を隔離するように格子状などにブラックマトリックスを形成し、格子の空いた部分に着色画素が形成される。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。基板は大型(おおむね1辺1m以上)である方が、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
基板上に感光性濃色組成物層を形成する方法としては、例えば、基板上へ感光性濃色組成物を塗布等により付与する方法がある。
基板上への感光性濃色組成物の付与方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の付与方法を適用することができる。中でもスリット塗布が精度と速さの観点で好ましい。前記の各種塗布を行う際には、これらの塗布を行う前に紫外線や各種洗浄液で基板を洗浄することが、塗布性向上の観点から好ましい。
また、予め仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基板上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
転写に用いるラミネータとしては、WO2006−4225公報のFig.24に記載の大型二丁貼ラミネータや国際出願番号JP2007/069132号公報に記載のラミネータを好適に用いることができる。これらのラミネータを用いることで高い生産性を得ることができる。
感光性濃色組成物を基板上に付与する際の厚み(例えば、塗布厚)は、形成するブラックマトリックスの厚みの設計値により、適宜調整されるが、一般的には、0.2〜2.2μmが好ましく、0.2〜1.6μmであることがより好ましく、0.5〜1.3μmであることがもっとも好ましい。
−露光工程−
露光工程では、前記感光性濃色組成物層形成工程において形成された感光性濃色組成物層を、所定のマスクパターンを介して露光し、パターンニング(ネガ型の場合は、光照射された塗布膜部分だけを硬化)する。露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜500mJ/cmが好ましく、10〜300mJ/cmがより好ましく、10〜200mJ/cmが最も好ましい。
露光機は、プロキシミティー方式の露光機でも、ミラープロジェクション方式でも、また、ステッパー方式でも使用可能である。
−現像工程−
次いで、アルカリ現像処理を行うことにより、例えば、感光性濃色組成物がネガ型の場合には、上記露光における光未照射部分を、アルカリ水溶液に溶出させ、光硬化した部分だけを残すことができる。
現像液としては、有機アルカリ現像液や無機アルカリ現像液又はその混合液が使用される。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
本発明においては、本現像工程後であって、後述のベーク工程の前において、アンダーカットの長さが3.0〜8.0μmとなるようにブラックマトリックスパターンを形成する。ブラックマトリックスパターンの形状、特に、アンダーカットの形状は、露光、現像、および後述のプリベークの各条件により制御することができる。そこで、まず、アンダーカットについて詳細に説明する。
ブラックマトリックスの形成工程において、露光後の感光性濃色組成物層を現像する時に、感光性濃色組成物層の表面(基板に接しない面をいう;以下、ブラックマトリックスについても同様に称する)及び該表面に近い層内部(以下、「感光性濃色組成物層上部」、ブラックマトリックスについては「ブラックマトリックス上部」ともいう)に比べて、感光性濃色組成物層の裏面(基板に接する面をいう;以下、ブラックマトリックスについても同様に称する)及び該裏面に近い層内部(以下、「感光性濃色組成物層下部」、ブラックマトリックスについては「ブラックマトリックス下部」ともいう)の現像がより進むことがある。このとき、感光性濃色組成物層下部は、えぐれた状態となり、感光性濃色組成物層(ブラックマトリックス)が形成された基板を、ブラックマトリックスの幅方向に切断した場合、感光性濃色組成物層の形状は、例えば、図1や図2に示すように逆テーパーとなっている。このような状態をアンダーカットがある状態という。
感光性濃色組成物層(ブラックマトリックス)にアンダーカットを設けることで、後の工程において、ブラックマトリックスが形成されている基板(以下、「ブラックマトリックス基板」とも称する)の上に感光性着色組成物を塗布等して着色画素を設けたときに、ブラックマトリックスと着色画素との境界部分を盛り上がりにくくすることができる。これにより、カラーフィルタを作製して画像表示させた際に、液晶の配向の乱れや、光漏れを抑制することができ、高品質な画像を得ることができる。
以下、図を用いて、アンダーカットをより詳細に説明する。
図1及び図2は、ブラックマトリックス(感光性濃色組成物層)にアンダーカットがある状態のブラックマトリックス基板を示す断面図である。
図1に示すように、アンダーカットの長さaは、感光性濃色組成物層4の幅方向の一端Pと、感光性濃色組成物層4下部のうち、感光性濃色組成物層4がえぐれて感光性濃色組成物が無い部分であって、前記一端Pから前記幅方向に最も離れた部分Qとの間の距離として求められる。前記一端Pから前記幅方向に最も離れた部分は、図1に示すような、感光性濃色組成物層4表面と基板2との接点に限定されるものではない。例えば、図2に示すように、感光性濃色組成物層4の厚み方向の上端(表面)と下端(底面)との間の中間部分がえぐられた場合には、アンダーカットの長さaは、前記一端Pから、感光性濃色組成物層4のうち、えぐられた部分であって、前記一端Pから前記幅方向に最も離れた部分Rまでの距離である。
アンダーカットの長さは、3.0〜8.0μmであることが好ましく、ブラックマトリックスと着色画素とが重なるオーバーラップ部の盛り上がりを小さくする(好ましくは、0.50μm以下にする)観点から、3.5〜8.0μmがより好ましく、4.0〜8.0μmがさらに好ましく、4.0〜7.0μmが特に好ましく、4.0〜6.0μmがもっとも好ましい。
アンダーカットの長さが、上記範囲であると、ブラックマトリックス基板上に着色画素を形成するときに、オーバーラップ部の盛り上がりを効果的に抑制できると共に、後述するベーク工程など、感光性濃色組成物層の現像後の操作中に、感光性濃色組成物層が欠けたり、感光性濃色組成物層が剥がれを効果的に抑制できる。また、ブラックマトリクスの線幅及びアンダーカットの現像液温度依存性を小さくする観点(ブラックマトリクスを制度良く形成する観点)からはアンダーカットの長さは3.0〜5.0の範囲が好ましい。
感光性濃色組成物層にアンダーカットを入れるためには、現像条件を適切に調整することが重要であり、現像の条件を変化させることで、アンダーカットの長さを調整することができる。概念的には通常良く用いられている現像条件よりもやや強い条件で現像を行うほどアンダーカット量を大きくすることができる。
より強い条件とは、より高い温度、より長い時間、より多い流量、より高いシャワー圧、などが挙げられるが、中でも温度と時間の調整は特に重要である。
具体的には、精度よくアンダーカットを調整できる点から、現像温度としては20〜35℃が好ましく、25〜30℃がより好ましい。
現像時間は、アンダーカットを入れるのが容易である点から、30〜120秒が好ましく、40〜90秒がより好ましい。
これらのうち、現像温度と現像時間の好ましい組み合わせは、例えば、温度25℃では50〜100秒であり、温度30℃では40〜80秒であることが挙げられる。
また、シャワー圧は、BMの欠けを防止できる点から、0.01〜0.5MPaが好ましく、0.05〜0.3MPaが好ましく、0.1〜0.3MPaが好ましい。
また、アンダーカットの長さをより細かく調整するためには、ブラックマトリックス形成工程に、後述するプリベーク工程を追加することが好ましい。詳細は後述するが、アンダーカットの長さは、プリベークの条件を弱くするほどアンダーカット量を大きくすることができる。
−ベーク工程−
次いで、ブラックマトリックスパターンに、ベーク処理(ポストベーク)という加熱処理を施す。ベークは、感光性濃色組成物の硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常150〜260℃の熱硬化処理を行う。
ベーク温度は、150〜260℃が好ましく、180〜260℃がより好ましく、200〜240℃が最も好ましい。ベーク時間は、10〜150分が好ましく、20〜120分がより好ましく、30〜90分がもっとも好ましい。
上記条件範囲で感光性濃色組成物層をベークすることで、ブラックマトリックスが形成された基板上に着色画素を形成する際に、ブラックマトリックスと着色画素とのオーバーラップ部の盛り上がりを抑制することができる。
ベーク処理は、現像後の感光性濃色組成物層を、上条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
−その他の工程−
本発明におけるブラックマトリックス形成工程には、さらに、前記感光性濃色組成物層形成工程の後であって前記露光工程の前に、プリベーク工程を加えてもよいし、前記現像工程後であって前記ベーク(ポストベーク)工程前に、必要により、形成されたブラックマトリックスを露光により硬化する工程を含んでいてもよい。
−プリベーク工程−
上述したように、アンダーカットの長さを調整するためには、ブラックマトリックス形成工程における露光・現像の条件を調整することのほか、プリベーク条件を適切に調整することが好ましい。本発明におけるブラックマトリックス形成工程においては、通常良く用いられているプリベーク条件よりも、低温で行うことが好ましい。
具体的には、ホットプレートによりプリベークを行う場合、プリベーク温度は、65〜120℃が好ましい。65℃以上とすることで、現像工程中に感光性濃色組成物層が剥れることを防止することができ、120℃以下とすることで、感光性濃色組成物層下部を、えぐれ易い状態にすることができる。より好ましくは、70〜100℃であり、70〜90℃が最も好ましい。また、プリベーク時間は、50〜300秒が好ましく、90〜200秒がより好ましく、100〜180秒がもっとも好ましい。上記条件範囲でプリベークを行うことで、感光性濃色組成物層にアンダーカットを入れやすくなる。
なお、プリベークは、オーブンで行うこともでき、その場合も適宜上記と同等のプリベーク条件を設定することで、アンダーカットの長さを調整することができる。
〔着色パターン形成工程〕
着色パターン形成工程では、少なくとも、ベーク後の感光性濃色組成物層(ブラックマトリックス)が形成されている基板上に、感光性着色組成物を用いて感光性着色組成物層を形成し(感光性着色組成物層形成工程)、前記感光性着色組成物層を露光し(着色層露光工程)、露光後の前記感光性着色組成物層を現像し(着色層現像工程)、現像された前記感光性着色組成物層をベークすることにより(着色層ベーク工程)、該ベーク後の、前記ブラックマトリックスと重なるオーバーラップ部のブラックマトリックス幅方向における距離が1.0〜12μmとなるように着色パターンを形成する。着色パターン形成工程は上記各工程に加え、必要に応じて、さらにプリベーク工程などの他の工程を設けてもよい。
まず、前記「オーバーラップ」について説明する。
−オーバーラップ−
ブラックマトリックスが形成された基板上に、感光性着色組成物を塗布等して着色パターン(着色画素)を形成するとき、ブラックマトリックスと着色画素との間に間隙が生じないように、感光性着色組成物とブラックマトリックスとが重なり合うように、感光性着色組成物をブラックマトリックスに若干覆い被せて(オーバーラップさせて)着色画素を形成することが一般的である。本発明では、前述のアンダーカットに加え、オーバーラップ部の距離を1.0〜12μmに調整することで高品位なカラーフィルタや液晶表示装置を得ることができる。
前記「オーバーラップ部の距離」とは、感光性着色組成物層を用いて形成される着色パターンと、ブラックマトリックスとが重なるオーバーラップ部のブラックマトリックス幅方向における距離をいう。これを、図を用いてより詳細に説明する。
図3は、ブラックマトリックス4が形成された基板2上に、感光性着色組成物を塗布等して感光性着色組成物層6を形成して、ブラックマトリックス4と感光性着色組成物層6とが重なったオーバーラップ部8が形成された状態を示すカラーフィルタの部分断面図である。ここにおいて、オーバーラップ部8は距離bの領域であり、オーバーラップ部8の距離bは、ブラックマトリックス4の幅方向における、感光性着色組成物層6と対峙する側の最外端Sと、ブラックマトリックス4に重なるように設けられた感光性着色組成物層6のブラックマトリックス4上に位置する最外端Tとの間の、ブラックマトリックス4の幅方向の距離として求めることができる。
実際に、オーバーラップ部8の距離bを求めるときは、カラーフィルタを、ブラックマトリックス4のパターンの長手方向に垂直の方向にカットし、その断面から測定することにより求めることができる。
前記オーバーラップ部の距離は、オーバーラップ部の盛り上がりを小さくする(好ましくは、0.50μm以下にする)観点から、1.0〜12μmでなければならず、1.0〜10μmが好ましく、1.0〜8.0μmがより好ましく、2.0〜6.0μmがもっとも好ましい。
また、前記オーバーラップ部の距離を12μm以下とすることで、大型基板(1辺1m以上)において、カラーフィルタと表示装置を安定に製造することができる。
オーバーラップの距離は、感光性着色組成物層の露光パターン位置や現像条件を変化させることにより調整することができる。具体的には、露光パターンのブラックマトリックスとの重なり量を少なくするほどオーバーラップ量を少なくすることができ、現像条件を弱くするほど、例えば、現像温度を低くするほど、又は現像時間を短くするほどオーバーラップ量を大きくすることができる。
より具体的には、前記オーバーラップ部の距離を1.0〜12μmとするためには、露光パターンとブラックマトリックスとが重なる距離を、1.0〜12μmとすることが好ましい。また、現像温度を、20〜35℃とすることが好ましく、25〜35℃とすることがより好ましい。さらに、現像時間を、20〜120秒とすることが好ましく、25〜70秒とすることがより好ましい。
上記各条件の好ましい組み合わせとしては、露光パターンとブラックマトリックスとが重なる距離を、2.0〜12μmとし、現像温度を、20〜35℃とし、さらに、現像時間を、20〜120秒とする組み合わせが好ましい。
より好ましい組み合わせは、露光パターンとブラックマトリックスとが重なる距離を、3.0〜9.0μmとし、現像温度を、25〜30℃とし、さらに、現像時間を、30〜70秒とする組み合わせである。
上述したように、ブラックマトリックスと感光性着色組成物層とのオーバーラップ部では、ブラックマトリックスと感光性着色組成物層とが一部重なるように、感光性着色組成物をブラックマトリックスに覆いかぶせるため、その部分が盛り上がった状態となる。このオーバーラップ部の盛り上がりの度合いを小さくすることで、液晶の配向の乱れや、光の漏れを抑制することができ、高品質の画像を得ることができる。オーバーラップ部の盛り上がりについて、図を用いて説明する。
図4は、ブラックマトリックス4が形成された基板2上に、感光性着色組成物を塗布等して感光性着色組成物層を形成し、露光・現像等して、着色パターン6とし、ブラックマトリックス4と着色パターン6とが重なったオーバーラップ部8に盛り上がりが生じている状態を示すカラーフィルタの部分断面図である。
前記「オーバーラップ部の盛り上がりの度合い」とは、より詳細には、着色パターン6の表面のうち、前記オーバーラップ部8の基板2表面(基板2の、ブラックマトリックス4や着色パターン6と接する面)から最も離れた部分と、前記オーバーラップ部8以外の平坦な表面部分との間の基板の法線における距離をいう。換言すると、前記「オーバーラップ部の盛り上がりの度合い」とは、基板2表面と、着色パターン6の表面のうちオーバーラップ部8の基板2表面から最も離れた部分との間の基板の法線における距離cから、基板2表面と、着色パターン6の表面のうちオーバーラップ部8以外の部分との間の基板の法線における距離dを差し引いた距離eをいう。
以下、前記オーバーラップ部の盛り上がりを、便宜上、「ツノ」といい、前記距離eを、「ツノの高さ」という。ツノの高さは、高品質の画像を得る点で、0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下がさらに好ましく、0.25μm以下がもっとも好ましい。
ツノの高さは、上述したアンダーカットの長さと、オーバーラップ部の距離と、ブラックマトリックスの厚みとを適宜設定することで調整することができる。
前記アンダーカットの長さと、オーバーラップ部の距離と、ブラックマトリックスの厚みとの好ましい組み合わせは、アンダーカットの長さを、3.5〜7.5μmとし、オーバーラップ部の距離を、1.5〜9.5μmとし、さらに、ブラックマトリックスの厚みを、0.2〜1.5μmとすることが好ましい。より好ましい組み合わせは、アンダーカットの長さを、4.0〜6.0μmとし、オーバーラップ部の距離を、2.5〜8.5μmとし、さらに、ブラックマトリックスの厚みを、0.5〜1.2μmとするものである。
次に、本発明における着色パターン形成工程において行われる各種工程について述べる。
−感光性着色組成物層形成工程−
感光性着色組成物層形成工程では、ベーク後の感光性濃色組成物層(ブラックマトリックス)が形成されている基板上に、感光性着色組成物を用いて感光性着色組成物層を形成する。
ブラックマトリックスが形成された基板上に感光性着色組成物層を形成する方法としては、基板上に感光性濃色組成物層を形成する方法と同様の方法、すなわち、塗布方法または転写方法を用いることができる。
中でもスリットコーターなどでブラックマトリックスが形成された基板前面に感光性着色組成物を塗布する方法が、本発明の効果をよく奏することができる点で好ましい。
感光性着色組成物層の層厚は、充分な色再現領域を得、且つ充分なパネルの輝度を得るために、0.5〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmの範囲であることがより好ましい。
−着色層露光工程−
着色層露光工程では、前記感光性着色組成物層を露光する。
感光性着色組成物層の露光処理は、感光性濃色組成物層の露光工程と同様にして行うことができる。複数色の着色パターンを形成するときは、各色の所定のマスクパターンを介して、各色ごとに露光し、光照射された各色の感光性着色組成物層をパターンニング(ネガ型の場合は、硬化)することができる。
−着色層現像工程−
着色層現像工程では、露光後の前記感光性着色組成物層を現像する。
露光後の感光性着色組成物層の現像処理は、感光性濃色組成物層の現像工程の説明において記載した操作と同様の操作をすることができ、前記現像工程において説明した現像液を好適に用いることができる。
現像条件としては、ブラックマトリックスと着色画素とのオーバーラップ部に生じるオーバーラップ部の距離とツノの高さを調整するために、前記オーバーラップの説明において記載した現像条件にて感光性着色組成物層を現像することが好ましい。
−着色層ベーク工程−
着色層ベーク工程では、現像された前記感光性着色組成物層をベークする。
現像後の感光性着色組成物層をベークする方法は、前述の感光性濃色組成物層をベークするベーク工程と同様の方法を用いることができる。
なお、RGB3色相等、複数色相の着色パターンを形成するときは、感光性着色組成物層の形成、露光、現像、及びベークのサイクルを、所望の色相数だけ繰り返してもよいし、各色相ごとに感光性着色組成物層の形成、露光、及び現像を行ってから、最後に全色相分まとめてベークを行なってもよい。これにより、ブラックマトリックスと所望の色相よりなる着色画素を備えたカラーフィルタが作製される。
−その他の工程−
着色パターン形成工程においても、感光性着色組成物層形成工程の後であって着色層露光工程の前に、感光性着色組成物を乾燥させるために、感光性着色組成物層をプリベークする工程(着色層プリベーク工程)を設けてもよい。
感光性着色組成物層のプリベーク温度は、60〜140℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。プリベーク時間は、30〜300秒が好ましく、80〜200秒がより好ましい。
〔フォトスペーサー形成工程〕
フォトスペーサー形成工程は、上記ブラックマトリクス形成工程及び上記着色パターン形成工程を経て、必要に応じて、ITO等の透明導電層(透明電極)やポリイミド等の配向膜が形成された後、これらが形成された基板上に、感光性樹脂組成物の被膜を形成する工程(以下、「被膜形成工程」ともいう。)と、前記被膜の少なくとも一部を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)と、露光後の前記被膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう。)と、有し、必要に応じて、現像後の前記被膜を加熱する工程(以下、「被膜ベーグ工程」ともいう。)や、更に他の工程を設けて構成されてもよい。
ここで、フォトスペーサーの円相当直径は、25μm以下であることが好ましく、22.5〜5μmであることがより好ましく、20〜7.5μmであることがもっとも好ましい。フォトスペーサーの円相当直径を上記範囲の如く、高開口率を達成するためにフォトスペーサーの円相当直径を細くしても、安定した液晶表示装置のセルギャップを安定化させ、表示ムラを抑制することができる。
−被膜形成工程−
被膜形成工程は、感光性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する。基板上に感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)既述の樹脂、重合性化合物、及び光重合開始剤を少なくとも含む感光性樹脂組成物を塗布する塗布法、及び(b)前記感光性樹脂層を有する感光性転写材料を用い、加熱及び/又は加圧により感光性樹脂層をラミネート、転写する転写法が好適に挙げられる。
(a)塗布法
感光性樹脂組成物の塗布は、公知の塗布法、例えば、スピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは米国特許第2681294号明細書に記載のポッパーを使用するエクストルージョンコート法等により行なうことができる。中でも、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリットノズルあるいはスリットコーターによる方法が好適である。
(b)転写法
転写は、感光性転写材料を用いて、仮支持体上に膜状に形成された感光性樹脂層を所望の基板面に例えば加熱及び/又は加圧したローラー又は平板を用いて圧着又は加熱圧着することによって貼り合せた後、仮支持体の剥離により感光性樹脂層を基板上に転写する。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられ、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
感光性樹脂層を形成する場合、感光性樹脂層と仮支持体との間には更に酸素遮断層(以下、「酸素遮断膜」又は「中間層」ともいう。)を設けることができる。これにより、露光感度をアップすることができる。また、転写性を向上させるために、クッション性を有する熱可塑性樹脂層を設けてもよい。
感光性転写材料を構成する仮支持体、酸素遮断層、熱可塑性樹脂層、その他の層や該感光性転写材料の作製方法については、特開2006−23696号公報の段落番号[0024]〜[0030]に記載の構成、作製方法を適用することができる。
(a)塗布法、(b)転写法ともに感光性樹脂層を形成する場合、その層厚は0.5〜10.0μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。層厚が前記範囲であると、製造時における塗布形成の際のピンホールの発生が防止され、未露光部の現像除去を長時間を要することなく行なうことができる。
感光性樹脂層を形成する基板としては、例えば、透明基板(例えばガラス基板やプラスチックス基板)、透明導電膜(例えばITO膜)付基板、カラーフィルタ付きの基板(カラーフィルタ基板ともいう。)、駆動素子(例えば、薄膜トランジスタ[TFT])付駆動基板、などが挙げられる。基板の厚みとしては、700〜1200μmが一般に好ましい。
−露光工程・現像工程−
露光工程では、前記被膜形成工程で形成された被膜の少なくとも一部を露光し、潜像を形成する。その後の現像工程では、前記露光工程で露光された被膜を現像し、所望の形状のスペーサーパターンを形成することができる。
これらの工程の具体例としては、特開2006−64921号公報の段落番号[0071]〜[0077]に記載の形成例や、特開2006−23696号公報の段落番号[0040]〜[0051]に記載の工程などが、本発明において好適な例として挙げることができる。
ここで、後述の被膜ベーグ工程を設けてもよいが、前記露光における露光量を増加させることなどにより、被膜ベーグ工程を設けることなく(以下、「加熱工程無し」ともいう)、断面形状の均一性及び高さの均一性に優れたフォトスペーサーを形成することもできる。
「加熱工程無し」とすることで、形成しようとするフォトスペーサーの劣化や、既に形成されているパターン構造物(着色パターン等)や保護膜の劣化を、より効果的に抑制できる。
「加熱工程無し」とする場合の露光量としては、1〜500mJ/cmが好ましく、10〜300mJ/cmが好ましい。
−被膜ベーグ工程−
前記現像工程における現像後の被膜を加熱する被膜ベーグ工程を設けることもできる。加熱により、被膜の硬化がより促進され、高強度を有するフォトスペーサーが得られる。また、感光性樹脂組成物中の樹脂が側鎖に分岐及び/又は脂環構造を有する場合には、圧縮弾性率、弾性回復性の良好なフォトスペーサーが得られる。
ここで、ベーグ(加熱)における最高温度は、加熱時間によっても異なるが、40℃〜145℃であることが好ましく、40℃〜140℃であることがより好ましい。最高温度が40℃〜145℃の範囲内であると、形成しようとするフォトスペーサーの劣化や、既に形成されているパターン構造物(着色パターン等)や保護膜の劣化を、より効果的に抑制できる。
中でも、加熱における最高温度が80℃〜140℃であって、加熱時間は、0.1時間〜3.0時間(さらに好ましくは0.2時間〜1.0時間)であることがより好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法に用いる感光性着色組成物、感光性濃色組成物、感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
<感光性着色組成物>
本発明のカラーフィルタの着色パターン形成用として用いられる感光性着色組成物は、感放射線性組成物(例えば、ネガ型の場合には、光により硬化する感放射線性組成物)であり、(A−1)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C−1)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び、(E)溶剤、を含有することが好ましく、所望により、さらに、高分子分散剤や界面活性剤などのその他の添加物を含んでいてもよい。
−(A−1)着色剤−
着色剤は、染料・顔料系を適宜選択することができ、着色剤として使用される顔料は、無機顔料であっても、有機顔料であってもよいが、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく粒子サイズの小さいものの使用が好ましい。平均粒子サイズは、10〜100nmであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜50nmの範囲である。本発明に用いられる感光性着色組成物においては、後述する高分子分散剤を用いることで、着色剤のサイズが小さい場合であっても、顔料分散性、分散安定性が良好となるため、膜厚が薄くても色純度に優れる着色画素を形成しうる。
着色パターン(着色画素)形成用の着色剤として用いうる無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で表される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物等を挙げることができる。
また、有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11、 24、 31、 53、 83、 93、 99、 108、 109、 110、138、 139、 147、 150、 151、 154、 155、 167、 180、 185、 199; C.I.ピグメント オレンジ 36、 38、 43、 71; C.I.ピグメント レッド 81、 105、 122、 149、 150、 155、 171、 175、 176、 177、209、 220、224、 242、 254、 255、 264、 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19、 23、 32、 37、39;
C.I.ピグメント ブルー 1、 2、 15、 15:1、 15:3、 15:6、 16、 22、 60、 66;
C.I.ピグメント グリーン 7、 36、 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25、 28;
C.I.ピグメント ブラック 1
等を挙げることができる。
本発明においては特に限定されるものではないが、下記の顔料がより好ましい。
C.I.ピグメント イエロー 11、 24、 108、 109、 110、 138、 139、 150、 151、 154、 167、 180、 185;
C.I.ピグメント オレンジ 36、 71;
C.I.ピグメント レッド 122、 150、 171、 175、 177、 209、 224、 242、 254、 255、 264;
C.I.ピグメント バイオレット 19、 23、 37;
C.I.ピグメント ブルー 15:1、 15:3、 15:6、 16、 22、 60、 66;
C.I.ピグメント グリーン 7、 36、 37;
これら有機顔料は、単独若しくは、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤色相(R)用の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも一種と、ビスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料との混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:50が好ましい。特に、前記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑色相(G)用の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、又は、これとビスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180又はC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青色相(B)用の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えば、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:50が好ましく、より好ましくは100:5〜100:30である。
本発明に用いられる感光性着色組成物層中における(A−1)着色剤(顔料)の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、25〜75質量%が好ましく、32〜70質量%がより好ましい。(A−1)着色剤(顔料)の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
−(B)バインダーポリマー−
本発明の前記感光性着色組成物は、皮膜特性向上、現像特性付与などの目的で、バインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマーとして下記のアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。
本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
酸価としては、10〜200mgKOH/g、好ましくは30〜180mgKOH/g、更に好ましくは50〜150mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R)(COOR) 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を
表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
また、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。前記ポリアルキレンオキサイド鎖としては ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖あるいはこれらの併用も可能であり、末端は水素原子あるいは直鎖もしくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどおよびこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体である。
前記ビニル化合物としては、CH=CR 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表す。〕具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
アクリル系樹脂は、既に述べたように、20〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有する。酸価が200以下であれば、アクリル系樹脂がアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎず、現像適正範囲(現像ラチチュード)が狭くなることを防止することができる。一方、20以上あれば、アルカリに対する溶解性が小さくなり難いので、現像時間の長時間化を防止することができる。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、感光性着色組成物を塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
また、本発明における感光性着色組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基をアルカリ可溶性樹脂に有した樹脂を単独もしくは重合性基を有しないアルカリ可溶性樹脂と併用してもよく、アリール基、(メタ)アクリル基、アリールオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等が有用である。重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液での現像が可能であって、さらに光硬化性と熱硬化性を備えたものである。これら重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、1分子中に、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素間不飽和結合とを含むものであれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する例えばメタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物、等を使用できる。OH基との反応ではエポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素間不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の添加量としては、感光性着色組成物層の全固形分中、3〜30質量%の範囲であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
感光性着色組成物の調製時にはバインダーポリマーとして、上記アルカリ可溶性樹脂に加え、さらに下記のエポキシ樹脂も添加することが好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD-115、YD-118T、YD-127、YD−128、YD-134、YD-8125、YD−7011R、ZX−10
59、YDF−8170、YDF−170など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上、ナガセ化成(株)製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられ、その他にも、これらと類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も使用可能なものとして挙げることができる。
また、Ebecryl 3700、3701、600(以上、ダイセルユーシービー(株)製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル-4,4’
−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上、東都化成(株)製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上、大日本インキ化学工業(株)製)などを挙げることができる。また1,1,2,2
−テトラキス(p-グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p-グリシジルオキシフェニ
ル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル
酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
−(C−1)重合性化合物−
本発明に用いられる感光性着色組成物は、(C−1)重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (V)
(ただし、R及びRは、各々独立に、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、着色画像部すなわち、感光性着色組成物層の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、感光性着色組成物層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
なかでも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
(C−1)重合性化合物の含有量は、本発明の感光性着色性組成物層中の全固形分中、5〜55質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜45質量%であることが更に好ましい。
−(D)光重合開始剤−
本発明の感光性着色性組成物は、(D)光重合開始剤を含有することが好ましい。
前記光重合開始剤は、光により分解し、前記(C−1)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、前記光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc
Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としてはm−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ジ(9−アクリジニル)エタン、1,3−ジ(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ジ(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ジ(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ジ(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ジ(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ジ(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ジ(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ジ(9−アクリジニル)デカン、1,11−ジ(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ジ(9−アクリジニル)ドデカン等のジ(9−アクリジニル)アルカン、などを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化琥珀酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報に記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報に記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号公報、特開昭62−150242号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報、特開2000−131837号公報、特開2002−107916号公報、特許第2764769号公報、特願2000−310808号公報等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等に記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報に記載の化合物等が挙げられる。具体例としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02などが好適である。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号明細書、米国特許第339,049号明細書、同第410,201号明細書の各明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−296514号公報の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号明細書、同390,214号明細書、同233,567号明細書、同297,443号明細書、同297,442号明細書、米国特許第4,933,377号明細書、同161,811号明細書、同410,201号明細書、同339,049号明細書、同4,760,013号明細書、同4,734,444号明細書、同2,833,827号明細書、独国特許第2,904,626号明細書、同3,604,580号明細書、同3,604,581号明細書の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello
et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
(D)光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
(D)光重合開始剤の含有量は、感光性着色組成物層中の全固形分に対し0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
−(E)溶剤−
本発明に用いられる感光性着色組成物は、一般に溶剤を用いて調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3-ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
アルコール類、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−その他の添加物−
また、本発明に用いられる感光性着色組成物には、上記成分の他に、さらに、目的に応じて種々の公知の添加剤を用いることができる。
以下、そのような添加剤について述べる。
(分散剤)
本発明における感光性着色組成物は高分子分散剤を含有することが好ましい。この高分子分散剤は重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある樹脂である。さらに、酸価が20〜300mg/gであることが好ましい。このような特定の高分子分散剤を、以下、単に、「分散樹脂」と称する場合がある。
本発明における分散樹脂は、前記(A−1)着色剤として挙げた顔料の分散剤、または、後述するブラックマトリックス形成のための感光性濃色組成物において、遮光剤(ブラックマトリックス形成用顔料)の分散剤として機能しうる化合物である。
分散樹脂は、特定の酸価を有する必要があるため、酸性基を有する高分子化合物であることが好ましい。
この高分子化合物の高分子骨格としては、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体が特に好ましい。
また、上記のような高分子骨格に酸性基の導入する方法としては、例えば、上記の高分子骨格を重合する際に酸性基を含有するモノマーを共重合する方法や、また、上記の高分子骨格を重合後に高分子反応により導入する方法が挙げられる。
酸性基を含有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステル、或いは2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール性水酸基含有モノマーと無水マレイン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物等を反応させることにより得られるモノマーなどが挙げられる。
更に、酸性基を有する高分子化合物は、更に、ビニルモノマー成分を共重合してなるものであってもよい。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
前記「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が特に好ましい。
また、分散性向上のため、塩基性窒素原子を有する基を含有することも好ましい。前記塩基性窒素原子を有する基は、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、又は−NR10;ここで、R、R、及びR10は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記化学式(a1)で表されるグアニジル基、又は、下記化学式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
上記化学式(a1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
上記化学式(a2)中、R13及びR14は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、又は−NR10;ここで、R、R、及びR10は、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。)、前記化学式(a1)で表されるグアニジル基〔化学式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。〕、前記化学式(a2)で表されるアミジニル基〔化学式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。〕などには、1〜200個の水素原子、及び0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が含まれ、これらは無置換であっても置換基を更に有していてもよい。
(他の分散剤)
本発明に用いられる感光性着色組成物は、分散樹脂以外に、従来から公知の分散剤(顔料分散剤)を併用することもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる公知の分散剤(顔料分散剤)の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−107(カルボン酸エステル)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロン#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
上記のような公知の分散剤は、必要に応じて分散樹脂に対して、10〜100質量%、即ち、1/10〜1/1(等量)の範囲で用いることができる。
(界面活性剤)
顔料濃度を大きくすると塗布液のチキソ性が一般的に大きくなるため、基板上に感光性着色組成物を塗布または転写して感光性着色組成物層(着色層塗膜)形成後の膜厚ムラを生じやすい。また特に、スリットコート法による感光性着色組成物層(着色層塗膜)形成では乾燥までに感光性着色組成物層形成用の塗布液がレベリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。このため、前記感光性着色組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が添加される。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上ADEKA(株)製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(以上竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(以上日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08(大日本インキ(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)などである。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、感光性着色組成物層を形成するための塗布液100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5質量部を超える場合は、塗布乾燥での表面あれが生じやすく平滑性が悪化しやすくなる。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、光硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
(アルコキシシラン化合物)
本発明に用いられる感光性着色組成物には、基板との密着性向上といった観点から、アルコキシシラン化合物、なかでもシランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましく、有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す(メタ)アクリロイル、フェニル、メルカプト、エポキシシランであることが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシランであることがより好ましい。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、本発明に用いられる感光性着色組成物層中の全固形分中、0.2〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜3.0質量%がより好ましい。
(共増感剤)
本発明に用いられる感光性着色組成物は、所望により共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
(重合禁止剤)
本発明においては、感光性着色組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、感光性着色組成物層中の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
(可塑剤)
さらに、本発明においては、感光性着色組成物層の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
上述した成分を用いることで、本発明における感光性着色組成物は、高感度で硬化し、かつ、保存安定性も良好となる。また、基板への高い密着性を示す。従って、前記各種成分を含有する感光性着色組成物は、カラーフィルタに好ましく使用することができる。
<感光性濃色組成物>
本発明に用いられる感光性濃色組成物は、(A−2)遮光剤、(B)バインダーポリマー、(C−2)重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有することが好ましく、必要に応じて、分散剤や界面活性剤などの他の添加剤を含有させることができる。
−(A−2)遮光剤−
(A−2)遮光剤としては、前記(A−1)着色剤のほか、カーボンブラック、チタンブラック、金属微粒子、金属酸化物、硫化物の微粒子などが挙げられる。中でも遮光性とコストのバランスに優れているカーボンブラックが特に好ましい。
これらは必要に応じて、単独又は複数種組み合わせて用いられる。例えば、カーボンブラック単独、有機顔料の混合、カーボンブラックと有機顔料の併用などである。
遮光用の材料としては従来から黒色着色剤として、可視光領域を遮蔽するように顔料を少なくとも2種以上併用して用いられてきた。これらの顔料としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の顔料を挙げることができ、これらの顔料を使用した遮光層の形成は特開平7−271020などに開示されている。
遮光効果をより大きくするために特開2000−147240、特開2000−143985、特開2005−338328、特開2006−154849などでは、カーボンブラック、チタンブラック、または黒鉛等が遮光材料の好適なものとして開発されてきた。本発明においては、遮光性やコストの観点から、カーボンブラックは遮光材料のひとつとして好ましいものである。
カーボンブラックの例としては、ピグメント・ブラック7(カーボンブラック)が好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP;デグサ社製のカーボンブラックColor
Black FW200、Color Black FW2、Color Black
FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S160、Special Black6、Special Black5、Special Black4、Special Black4A、Printex U、PrintexV、Printex 140U、Printex 140V、Printex 35;Cabot社製のカーボンブラックREGAL 400、REGAL 400R、REGAL XC72、VULCAN XC72R、MOGUL L、MONARCH 1400、MONARCH 1000、BLACK PEARLS1400;旭カーボン社製のカーボンブラックSUNBLACK900、同910、同930、同960、同970等を挙げることができる。また電気抵抗を大きくするためにこれらを高分子化合物で被覆したものも好ましいものである。これらのカーボンブラックの好ましい単粒子の大きさは10〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。
−(C−2)重合性化合物−
ブラックマトリックス形成用の感光性濃色組成物における(C−2)重合性化合物としては、前記感光性着色組成物において用いられた(C−1)重合性化合物も、好ましいものとして挙げられるが、特に以下に示すものが好ましい。
感光性濃色組成物における重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
また酸性多官能光硬化性化合物も好ましい化合物である。酸性多官能光硬化性化合物としては、(1)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを二塩基酸無水物で変性することによりカルボキシル基を導入したもの、(2)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーに、グリシジル基もしくはイソシアネート基とCOOH基とを併せ持つ化合物等を付加することによってカルボキシル基を導入したもの、あるいは(3)3つ以上の光硬化性官能基を有する芳香族化合物を濃硫酸や発煙硫酸で変性することによりスルホン酸基を導入したもの等を用いることができる。また、酸性多官能光硬化性化合物そのものであるモノマーを繰返し単位として含むオリゴマーを、酸性多官能光硬化性化合物として用いてもよい。
酸性多官能光硬化性化合物の例としては、下記一般式(i)、一般式(ii)で表されるものが好ましい。なお、一般式(i)及び一般式(ii)において、T又はGがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がR、X及びWに結合する。
一般式(i)中、Rは、(メタ)アクリロイロキシ基を表し、Xは、−COOH基、又は−OPO基を表す。Tは、オキシアルキレン基を表し、ここでアルキレン基の炭素数は1〜4である。nは、0〜20である。
一般式(ii)中、Wは、一般式(i)におけるR又はXを表し、6個のWのうち、3個以上のWがRである。Gは、一般式(i)におけるTと同義である。Zは、−O−又は、−OC=ONH(CH)qNHCOO−を表す。pは0〜20であり、qは1〜8で
ある。一分子内に複数存在するR、X、T、Gは、各々同一であっても、異なっていても良い。
一般式(i)及び一般式(ii)で表される酸性多官能光硬化性化合物の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、上記カルボキシル基含有5官能アクリレートなどが好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
ブラックマトリックス形成用として用いられる感光性濃色組成物における(C−2)重合性化合物の含有量としては、感光性濃色組成物層の全固形分中、5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
感光性濃色組成物に用いられる(B)バインダーポリマー、(D)重合開始剤、(E)溶剤、その他の添加剤などは前記した着色パターン形成用の感光性着色組成物におけるものと同様であり、好ましい含有量も同様である。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、〔A〕側鎖に、C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造、酸性基、並びにエチレン性不飽和結合を有する樹脂と、〔B〕重合性化合物と、〔C〕光重合開始剤と、を含んで構成されることがよい。無論、本発明の感光性樹脂組成物は、上記構成に限られないが、上記構成とすることにより、露光時の硬化性が向上し、低い加熱温度又は加熱処理なしでパターン構造物の形成が可能となる。このため、形成しようとするパターン構造物の劣化、及び、既に基板上に形成されているパターン構造物の劣化を効果的に抑制できる。したがって、この本発明の感光性樹脂組成物は、フォトスペーサー用のみならず、着色パターン形成用の上記感光性着色樹脂組成物、及びブラックマトリックス形成用の上記感光性濃色樹脂組成物に適用してもよい。
以下、本発明の感光性樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
〔A〕樹脂
本発明の感光性樹脂組成物は、側鎖に、C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造、酸性基、並びにエチレン性不飽和結合を有する樹脂の少なくとも一種を含有する。
この樹脂は、側鎖に、C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造を備えるため、露光時の硬化性が向上する。
また、この樹脂は、酸性基を有して現像性を具えると共に、エチレン性不飽和結合を有することで、高い重合反応性を具えつつ、優れた液保存性及び乾膜での経時保存性を有しているので、パターン構造物を所望の形状及びそれに必要な膜厚(高さなど)に制御可能な制御性を付与することができる。
また、後述するように分岐及び/又は脂環構造を有する場合には、形成されたパターン構造物の外力を受けた際の圧縮弾性率、圧縮変形からの弾性回復性を高めることができる。これより、例えばカラーフィルタ用のスペーサなどのパターン構造物を構成するのに有用である。
ここで、C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造、酸性基、並びにエチレン性不飽和結合は、それぞれが異なる側鎖中に含まれていてもよいし、一部が組み合わされて同じ側鎖中に含まれていてもよいし、全てが同じ側鎖中に含まれていてもよい。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリロイル基はアクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを表し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを表し、(メタ)アクリルアニリドはアクリルアニリド又はメタクリルアニリドを表す。
〜〜 C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造 〜〜
〔A〕樹脂は、樹脂の主鎖に結合する側鎖に、C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造(以下、「特定環状構造」ともいう)の少なくとも1種を含む。特定環状構造は、〔A〕樹脂の側鎖中に複数含まれていてもよい。また、特定環状構造は、〔A〕樹脂の側鎖中に、酸性基、及び/又は、エチレン性不飽和結合とともに含まれていてもよい。
また、特定環状構造は、〔A〕樹脂の主鎖に直接結合して特定環状構造のみで〔A〕樹脂の側鎖を構成していてもよいし、〔A〕樹脂の主鎖に2価の有機連結基を介して結合し、特定環状構造を有する基として〔A〕樹脂の側鎖を構成していてもよい。
前記2価の有機連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、エステル基、アミド基、及びエーテル基から選ばれる一つ又は組み合わせが好ましい。前記アルキレン基としては、総炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、さらに好ましくは1〜10が好ましい。具体的には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ドデシレン、オクタデシレンなどが挙げられ、これらは分岐/環状構造、官能基を有していてもよく、さらに好ましくは、メチレン基、エチレン基、オクチレン基が好ましい。前記アリーレン基としては、総炭総数6〜20のアリーレン基が好ましく、さらに好ましくは6〜12が好ましい。具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基などが挙げられ、これらは分岐、官能基を有していてもよく、さらに好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基が好ましい。
特定環状構造は、露光時の硬化性の観点から、少なくともエステル基(−COO−)を介して〔A〕樹脂の主鎖に結合されている形態が好ましい。この形態は、特定環状構造がエステル基(−COO−)のみを介して〔A〕樹脂の主鎖に結合されている形態に限られず、特定環状構造がエステル基(−COO−)を含む2価の連結基を介して〔A〕樹脂の主鎖に結合されている形態であってもよい。すなわち、特定環状構造とエステル基との間、及び/又は、エステル基と〔A〕樹脂の主鎖との間に、他の原子や他の連結基が含まれていてもよい。
前記C=Oを含む連結部位としては、下記式で表される部位が挙げられる。
なお、本明細書中では、結合手を*で示す。
前記P=Oを含む連結部位としては、下記式で表される部位が挙げられる。
また、C=Oを含む連結部位及び/又はP=Oを含む連結部位を有する5員又は6員の環状構造の具体例としては特に限定はないが、例えば、下記式で表される構造が挙げられる。
〔A〕樹脂の側鎖に特定環状構造を導入するための単量体としては、スチレン類、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類などが挙げられ、(メタ)アクリレート類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類が好ましく、(メタ)アクリレート類がより好ましい。
〔A〕樹脂の側鎖に特定環状構造を導入するための具体的な単量体としては、下記の化合物が挙げられる(化合物M−1〜化合物M−16)。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔A〕樹脂の側鎖に特定環状構造を導入するための単量体としては、適宜合成した単量体を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
この単量体は、例えば、macromolecules,Vol36、No.11、2003のp3871に記載の方法などにより合成できる。
前記市販品としては、例えば、化合物M−3として小畑産業(株)の1−AdA、化合物M−10として小畑産業(株)のGBLMAなどが挙げられる。
〜〜酸性基〜〜
〔A〕樹脂は、主鎖に連結する側鎖に、酸性基の少なくとも1種を含む。酸性基は、側鎖中に複数含まれていてもよい。また、酸性基は、〔A〕樹脂の側鎖中に、前記特定環状構造、並びにエチレン性不飽和結合とともに含まれていてもよい。
また、前記酸性基は、〔A〕樹脂の主鎖に直接結合し酸性基のみで〔A〕樹脂の側鎖を構成してもよいし、〔A〕樹脂の主鎖に2価の有機連結基を介して結合し、酸性基を有する基として〔A〕樹脂の側鎖を構成してもよい。ここで、2価の有機連結基については前記特定環状構造における説明で例示した2価の有機連結基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
前記酸性基としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホンアミド基、リン酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。これらの中でも、現像性、及び硬化膜の耐水性が優れる点から、カルボキシ基、フェノール性水酸基であることが好ましい。
前記酸性基を〔A〕樹脂に導入するための単量体の具体例としては、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、α−シアノ桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体と環状酸無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記水酸基を有する単量体と環状酸無水物との付加反応物に用いられる水酸基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記環状酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
単量体の市販品としては、東亜合成化学工業(株)製:アロニックスM−5300、アロニックスM−5400、アロニックスM−5500、アロニックスM−5600、新中村化学工業(株)製:NKエステルCB−1、NKエステルCBX−1、共栄社油脂化学工業(株)製:HOA−MP、HOA−MS、大阪有機化学工業(株)製:ビスコート#2100等が挙げられる。これらの中でも現像性に優れ、低コストである点で(メタ)アクリル酸等が好ましい。
〜〜エチレン性不飽和結合〜〜
〔A〕樹脂は、主鎖に連結する側鎖に、エチレン性不飽和結合の少なくとも1種を含む。〔A〕樹脂中において、エチレン性不飽和結合は、主鎖との間にエステル基を介して配されることが好ましい。
このエチレン性不飽和結合は、側鎖中に複数含まれていてもよい。また、エチレン性不飽和結合は、〔A〕樹脂の側鎖中に、前記特定環状構造、並びに/又は前記酸性基とともに含まれていてもよい。
また、エチレン性不飽和結合は、〔A〕樹脂の主鎖との間に少なくとも1つのエステル基(−COO−)を介して結合し、エチレン性不飽和結合とエステル基のみで〔A〕樹脂の側鎖を構成していてもよい。また、〔A〕樹脂の主鎖とエステル基との間、及び/又は、エステル基とエチレン性不飽和結合との間に、さらに2価の有機連結基を有してもよく、エチレン性不飽和結合は「主鎖との間にエステル基を介して配されたエチレン性不飽和結合を有する基」として〔A〕樹脂の側鎖を構成していてもよい。ここで、2価の有機連結基については、特定環状構造における説明で例示した2価の有機連結基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
エチレン性不飽和結合としては、(メタ)アクリロイル基を導入して配されることが好ましい。
〔A〕樹脂の側鎖に(メタ)アクリロイル基を導入する方法は、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、ヒドロキシル基を持つ繰り返し単位にイソシアネート基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、イソシアネート基を持つ繰り返し単位にヒドロキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法などが挙げられる。
その中でも、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法が最も製造が容易であり、低コストである点で好ましい。
前記エポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限はないが、例えば、下記構造式(1)で表される化合物及び下記構造式(2)で表される化合物が好ましい。
但し、前記構造式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。
但し、前記構造式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。Wは4〜7員環の脂肪族炭化水素基を表す。
前記構造式(1)で表される化合物及び構造式(2)で表される化合物の中でも、構造式(1)で表される化合物が構造式(2)よりも好ましい。前記構造式(1)及び(2)においては、L及びLがそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基のものがより好ましい。
前記構造式(1)で表される化合物又は構造式(2)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の例示化合物(1)〜(10)が挙げられる。
〜〜分岐及び/又は脂環構造〜〜
〔A〕樹脂は、樹脂の主鎖に結合する側鎖に、分岐及び/又は脂環構造の少なくとも1種を含んでもよい。分岐及び/又は脂環構造を含む〔A〕樹脂を感光性樹脂組成物に含有させることにより、該感光性樹脂組成物を用いてパターン構造物を形成した際、該パターン構造物の、外力を受けた際の圧縮弾性率、圧縮変形からの弾性回復性をさらに高めることができる。
〔A〕樹脂が分岐及び/又は脂環構造を含む場合、分岐及び/又は脂環構造は、〔A〕樹脂の側鎖中に複数含まれていてもよい。また、〔A〕樹脂が分岐及び/又は脂環構造を含む場合、分岐及び/又は脂環構造は、〔A〕樹脂の側鎖中に、特定環状構造、酸性基、及び/又は、エチレン性不飽和結合とともに含まれていてもよい。
また、〔A〕樹脂が分岐及び/又は脂環構造を含む場合、分岐及び/又は脂環構造は、〔A〕樹脂の主鎖に直接結合して分岐及び/又は脂環構造のみで〔A〕樹脂の側鎖を構成していてもよいし、〔A〕樹脂の主鎖に2価の有機連結基を介して結合し、分岐及び/又は脂環構造を有する基として〔A〕樹脂の側鎖を構成していてもよい。ここで、2価の有機連結基については、特定環状構造における説明で例示した2価の有機連結基が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
分岐及び/又は脂環構造は、現像性及び弾性回復率の観点から、少なくともエステル基(−COO−)を介して〔A〕樹脂の主鎖に結合されている形態が好ましい。この形態は、分岐及び/又は脂環構造がエステル基(−COO−)のみを介して〔A〕樹脂の主鎖に結合されている形態に限られず、分岐及び/又は脂環構造がエステル基(−COO−)を含む2価の連結基を介して〔A〕樹脂の主鎖に結合されている形態であってもよい。すなわち、分岐及び/又は脂環構造とエステル基との間、及び/又は、エステル基と〔A〕樹脂の主鎖との間に、他の原子や他の連結基が含まれていてもよい。
前記分岐構造としては、炭素原子数3〜12個の分岐状のアルキル基が挙げられ、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、i−アミル基、t−アミル基、3−オクチル、t−オクチル等が好ましい。これらの中でも、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基等がより好ましく、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が特に好ましい。
前記脂環構造としては、炭素原子数5〜20個の脂環式炭化水素基が挙げられ、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンタニル基、トリシクロペンテニル基、及びトリシクロペンタニル基等並びにこれらを有する基が好ましい。これらの中でも、ジシクロペンテニル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、トリシクロペンテニル基、トリシクロペンタニル基等がより好ましく、ジシクロペンテニル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロペンテニル基等が更に好ましく、ジシクロペンテニル基、トリシクロペンテニル基が特に好ましい。
更には、分岐及び/又は脂環構造を有する基として、下記一般式(3)で表される基を有して構成された形態が好ましい。
一般式(3)において、Xは、2価の有機連結基を表し、無置換でも置換基を有していてもよい。yは、1又は2を表し、nは0〜15の整数を表す。
前記2価の有機連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、エステル基、アミド基、及びエーテル基から選ばれる1つ又は組み合わせが好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
前記アルキレン基としては、総炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、さらに好ましくは1〜10のアルキレン基である。具体的には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ドデシレン、オクタデシレンなどの基が挙げられ、これらは分岐/環状構造、官能基を有していてもよく、さらに好ましくは、メチレン基、エチレン基、オクチレン基である。
前記アリーレン基としては、総炭総数6〜20のアリーレン基が好ましく、さらに好ましくは6〜12のアリーレン基である。具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基などが挙げられ、これらは分岐、官能基を有していてもよく、さらに好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基である。
置換されている場合の置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン基、芳香環基、脂環構造を有する基などが挙げられる。
〔A〕樹脂の側鎖に分岐及び/又は脂環構造を導入するための単量体としては、スチレン類、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類などが挙げられ、(メタ)アクリレート類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類が好ましく、(メタ)アクリレート類がより好ましい。
〔A〕樹脂の側鎖に分岐構造を導入するための具体的な単量体としては、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸sec−iso−アミル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸3−オクチル、(メタ)アクリル酸t−オクチル等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等が好ましく、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸t−ブチル等がより好ましい。
〔A〕樹脂の側鎖に脂環構造を導入するための単量体としては、炭素原子数5〜20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的な例としては、(メタ)アクリル酸(ビシクロ〔2.2.1]ヘプチル−2)、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジメチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸3−メチル−5−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5,8−トリエチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジメチル−8−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−5−イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−1−イルメチル、(メタ)アクリル酸1−メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチル−ビシクロ〔3.1.1〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸3,7,7−トリメチル−4−ヒドロキシ−ビシクロ〔4.1.0〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フエンチル、(メタ)アクリル酸2,2,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンテニル等が挙げられる。
これら(メタ)アクリル酸エステルの中でも、嵩高い官能基 で圧縮弾性率、弾性回復性が良好になる点で、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸フエンチル、(メタ)アクリル酸1−メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンテニルなどが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸トリシクロペンテニルが特に好ましい。
また、〔A〕樹脂の側鎖に脂環構造を導入するための単量体としては、下記一般式(4)又は(5)で表される化合物が挙げられる。ここで、一般式(4)、(5)において、Xは2価の有機連結基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。yは1又は2を表し、nは0〜15を表す。一般式(4)、(5)の中でも、y=1又は2、n=0〜8が好ましく、更に好ましくは、y=1又は2、n=0〜4(より好ましくはn=0〜2)である。一般式(4)又は(5)で表される化合物の好ましい具体例として、下記化合物D−1〜D−11、T−1〜T−12が挙げられる。
中でも、二重結合部位の反応性による弾性回復率の点で、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
一般式(4)〜(5)において、Xで表される2価の有機連結基は、無置換であっても、置換基を有していてもよく、前記一般式(3)のXで表される2価の有機連結基と同義であり、好ましい態様も同様である。
〔A〕樹脂の側鎖に脂環構造を導入するための単量体としては、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、日立化成工業(株)製:FA−511A、FA−512A(S)、FA−512M、FA−513A、FA−513M、TCPD−A、TCPD−M、
H−TCPD−A、H−TCPD−M、TOE−A、TOE−M、H−TOE−A、H−TOE−M等が挙げられる。これらの中でも現像性に優れ、変形回復率に優れる点で、FA−512A(S),512Mが好ましい。
〜〜その他の単量体〜〜
本発明における〔A〕樹脂には、その他の単量体を用いて、その他の基が導入されていてもよい。
前記その他の単量体としては、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエーテル、二塩基酸無水物基、ビニルエステル基、炭化水素アルケニル基等を有する単量体などが挙げられる。
前記ビニルエーテル基としては、特に制限はなく、例えば、ブチルビニルエーテル基などが挙げられる。
前記二塩基酸無水物基としては、特に制限はなく、例えば、無水マレイン酸基、無水イタコン酸基などが挙げられる。
前記ビニルエステル基としては、特に制限はなく、例えば、酢酸ビニル基などが挙げられる。
前記炭化水素アルケニル基としては、特に制限はなく、例えば、ブタジエン基、イソプレン基などが挙げられる。
前記〔A〕樹脂におけるその他の単量体の含有率としては、組成比が、1〜40質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
〔A〕樹脂の具体例としては、例えば、下記構造で表される化合物(例示化合物P−1〜P−40)が挙げられる。
また、例示化合物中のx、y、z、及びlは、各繰り返し単位の組成比(モル比)を表し、後述の好ましい範囲で構成する形態が好適である。また、各例示化合物の重量平均分子量も、後述の好ましい範囲で構成する形態が好適である。




<合成法>
〔A〕樹脂は、モノマーの(共)重合反応の工程とエチレン性不飽和基を導入する工程の二段階の工程から合成することができる。
まず、(共)重合反応は種々のモノマーの(共)重合反応によって作られ、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、重合の活性種については、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合などを適宜選択することができる。これらの中でも合成が容易であり、低コストである点からラジカル重合であることが好ましい。また、重合方法についても特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、バルク重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などを適宜選択することができる。これらの中でも、溶液重合法であることがより望ましい。
<炭素数>
〔A〕樹脂の主鎖の総炭素数としては、弾性係数(硬さ)の点で、10以上が好ましい。中でも、主鎖の総炭素数は、10〜30がより好ましく、特に好ましくは10〜15である。
<分子量>
〔A〕樹脂の分子量としては、重量平均分子量で10,000〜10万が好ましく、12,000〜60,000が更に好ましく、15,000〜45,000が特に好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、樹脂(好ましくは共重合体)の製造適性、現像性の点で望ましい。また、溶融粘度の低下により形成された形状が潰れ難い点で、また、架橋不良となり難い点、現像でのスペーサ形状の残渣がない点で好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定される。GPCについては、後記する実施例の項で詳細に示す。
<ガラス転移温度>
〔A〕樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜180℃であることが好ましく、45〜140℃であることはより好ましく、50〜130℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が前記好ましい範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られる。
<酸価>
〔A〕樹脂の酸価は、とりうる分子構造により好ましい範囲が変動するが、一般には20mgKOH/g以上であることが好ましく、40mgKOH/g以上であることはより好ましく、50〜130mgKOH/gであることが特に好ましい。酸価が前記好ましい範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られる。
<Tg>
前記〔A〕樹脂は、良好な現像性、力学強度を有するスペーサが得られる点で、ガラス転移温度(Tg)が40〜180℃であり、かつ重量平均分子量が10,000〜100,000であることが好ましく、Tgが45〜140℃(更には50〜130℃)であり、かつ重量平均分子量が12,000〜60,000(更には15,000〜45,000)であることが好ましい。
更に、前記〔A〕樹脂の好ましい例は、好ましい前記分子量、ガラス転移温度(Tg)、及び酸価のそれぞれの組合せがより好ましい。
本発明における〔A〕樹脂は、特定環状構造(C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造)と、酸性基と、エチレン性不飽和結合と、をそれぞれ別の繰り返し単位(共重合単位)に有する3元共重合以上の共重合体であることが、パターン構造物(例えばカラーフィルタ用のフォトスペーサー)を形成したときの変形回復率、現像残渣、レチキュレーションの観点から好ましい。
具体的には、前記〔A〕樹脂は、特定環状構造を有する繰り返し単位:X(xモル%)と、酸性基を有する繰り返し単位:Y(yモル%)と、エチレン性不飽和結合を有する繰り返し単位:Z(zモル%)と、を少なくとも有する3元共重合以上の共重合体であることが好ましい。さらに、必要に応じてその他の繰り返し単位:L(lモル%)を有していてもよい。
このような共重合体は、例えば、特定環状構造を有する単量体と、酸性基を有する単量体と、エチレン性不飽和結合を有する単量体と、必要に応じて他の単量体と、を共重合させて得ることができる。
前記〔A〕樹脂が共重合体である場合の共重合組成比については、ガラス転移温度と酸価を勘案して決定される。一概に言えないが、下記の範囲とすることができる。
〔A〕樹脂における、特定環状構造を有する繰り返し単位の組成比(x)は、10〜70モル%が好ましく、10〜65モル%が更に好ましく、15〜60モル%が特に好ましい。組成比(x)が前記範囲内であると、良好な現像性が得られると共に、画像部の現像液耐性も良好である。
〔A〕樹脂における、酸性基を有する繰り返し単位の組成比(y)は、5〜70モル%が好ましく、10〜60モル%が更に好ましく、10〜50モル%が特に好ましい。組成比(y)が前記範囲内であると、良好な硬化性、現像性が得られる。
〔A〕樹脂における「エチレン性不飽和結合」を有する繰り返し単位の組成比(z)は、10〜70モル%が好ましく、20〜70モル%が更に好ましく、30〜60モル%が特に好ましい。組成比(z)が前記範囲内であると、顔料分散性に優れると共に、感度及び硬化性が良好であり、調液後の液保存性、及び塗布後の乾膜状態で長期保持された際の経時安定性が良好になる。
更には、〔A〕樹脂としては、組成比(x)が10〜70モル%(更には10〜65モル%、特には15〜60モル%)であって、組成比(y)が5〜70モル%(更には10〜60モル%、特には10〜50モル%)であって、組成比(z)が10〜70モル%(更には20〜70モル%、特には30〜60モル%)である場合が好ましい。
また、〔A〕樹脂に「分岐及び/又は脂環構造」を有する場合、「分岐及び/又は脂環構造」の組成比(l)は、10〜60モル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましい。
この場合、〔A〕樹脂としては、組成比(x)が10〜70モル%(更には10〜65モル%)であって、組成比(y)が5〜70モル%(更には10〜60モル%、特には10〜50モル%)であって、組成比(z)が10〜70モル%(更には20〜70モル%、特には30〜60モル%)であって、組成比(l)が10〜60モル%(更には10〜50モル%、特には15〜50モル%)である場合が好ましい。
前記〔A〕樹脂の感光性樹脂組成物中における含有量としては、組成物の全固形分に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
〔A〕樹脂は、後述するその他の樹脂と併用できるが、前記〔A〕樹脂のみで構成される場合が好ましい。
〜その他の樹脂〜
前記〔A〕樹脂と併用することができる樹脂としては、アルカリ性水溶液に対して膨潤性を示す化合物が好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性である化合物がより好ましい。
アルカリ性水溶液に対して膨潤性又は溶解性を示す樹脂としては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられ、具体的には、エポキシ化合物にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物(エポキシアクリレート化合物)、側鎖に(メタ)アクリロイル基、及び酸性基を有するビニル共重合体、エポキシアクリレート化合物と、側鎖に(メタ)アクリロイル基、及び酸性基を有するビニル共重合体との混合物、マレアミド酸系共重合体、などが好ましい。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、などが挙げられ、これらの中でも、原料の入手性などの観点から、カルボキシル基が好ましく挙げられる。
前記〔A〕樹脂とその他の樹脂とを併用する場合、〔A〕樹脂と併用することができる樹脂との合計の含有量(固形分)としては、感光性樹脂層の全固形分に対して、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。この含有量が、5質量%以上であると感光樹脂層の膜強度を維持でき、該感光樹脂層の表面のタック性を良好に保つことができ、70質量%以下であると露光感度が良好になる。
〔B〕重合性化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、重合性化合物の少なくとも一種を含有する。後述の光重合開始剤からのラジカルの作用を受けて重合反応を起こし、硬化膜を形成する。
前記重合性化合物としては、公知の組成物を構成する重合性の化合物から選択して用いることができ、例えば、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0020]に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0053]に記載の成分を挙げることができる。
前記重合性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、露光時の硬化性をより向上させる観点からは、本発明における〔B〕重合性化合物は、C=Oで表される部位及び/又はP=Oで表される部位を含む5員又は6員の環状構造(即ち、特定環状構造)と、エチレン性不飽和二重結合と、を有する重合性化合物(以下、「特定重合性化合物」ともいう)を含むことが好ましい。
C=Oで表される部位、P=Oで表される部位、C=Oを含む連結部位及び/又はP=Oを含む連結部位を有する5員又は6員の環状構造、については、既述の〔A〕樹脂の説明で述べたとおりであり、好ましい範囲も同様である。
前記特定重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する。
この際、重合硬化性の観点からは、エチレン性不飽和二重結合は、特定重合性化合物中に、(メタ)アクリロイル基の一部として含まれることがより好ましい。
特定重合性化合物の具体例としては、既述の、「〔A〕樹脂の側鎖に特定環状構造を導入するための具体的な単量体」として挙げた化合物(式M−1〜式M−16などで表される化合物)を用いることができる。
また、特定重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を複数個有することが好ましい。以下、エチレン性不飽和二重結合を複数個有する特定重合性化合物の具体例(式M−101〜M−112)を示す。
前記〔A〕樹脂との関係において、〔B〕重合性化合物の〔A〕樹脂に対する質量比率(〔B〕/〔A〕比)は0.5〜2.0であることが好ましく、0.6〜1.8であることがより好ましく、0.7〜1.5であることが特に好ましい。〔B〕/〔A〕比が前記範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するパターン構造物が得られる。
〔C〕光重合開始剤
本発明の感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を少なくとも1種含有する。
本発明における光重合開始剤としては特に限定はなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。公知の光重合開始剤としては、例えば、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0020]や特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0053]に記載の開始剤を挙げることができる。公知の光重合開始剤の例としては、感度の点で、上記以外のアミノアセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物が好適である。
アミノアセトフェノン系化合物の具体例としては、IRGACURE(Irg)907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例としては、DAROCUR TPOや、Irgacure(Irg)819(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。また、オキシムエステル系化合物の具体例としては、IRGACURE(Irg)OXE01やCGI242等(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)が挙げられる。以下に、これらの開始剤の構造を示す。
光重合開始剤の感光性樹脂組成物中における総量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5〜25質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
〔D〕微粒子
本発明における感光性樹脂組成物は、前記〔A〕樹脂、前記〔B〕重合性化合物、前記〔C〕光重合開始剤と共に、力学強度の点で、〔D〕微粒子を少なくとも1種含有することが好ましい。
微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特開2003−302639号公報[0035]〜[0041]に記載の体質顔料が好ましく、中でも、良好な現像性、力学強度を有するフォトスペーサーが得られる点から、コロイダルシリカが好ましい。
前記〔D〕微粒子の平均粒子径は、フォトスペーサー等の外力を受けやすい構造を形成する場合には高い力学強度が得られる点で、5〜50nmであることが好ましく、10〜40nmであることがより好ましく、15〜30nmであることが特に好ましい。
前記〔D〕微粒子の感光性樹脂組成物(フォトスペーサーを形成するときにはフォトスペーサー(又はこれを構成する感光性樹脂層)中における含有量としては、高い力学強度を有するフォトスペーサーを得る観点から、感光性樹脂組成物中の全固形分(質量)に対して、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましい。
〔E〕その他
本発明における感光性樹脂組成物は、前記〔A〕樹脂、前記〔B〕重合性化合物、前記〔C〕光重合開始剤、及び必要に応じて含まれる前記〔D〕微粒子以外に、さらに必要に応じて、光重合開始助剤などの他の成分を含んでいてもよい。
感光性樹脂組成物は、他の添加成分として光重合開始助剤を併用してもよい。光重合開始助剤は、光重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために、光重合開始剤と組み合わせて用いることができる。光重合開始助剤としては、アミン系化合物の少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。また、アミン系やその他の光重合開始助剤を複数組み合わせて使用してもよい。
上記以外の他の光重合開始助剤として、例えば、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物などが挙げられる。前記アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。前記チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
また、光重合開始助剤として市販のものを用いることもできる。市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
光重合開始助剤の感光性樹脂組成物中における含有量としては、上記の光重合開始剤1質量部に対して、0.6質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましく、とりわけ1.5質量部以上15質量部以下が好ましい。
また、その他の成分としては、公知の組成物を構成する成分から選択して用いることができ、例えば、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0020]や特開2006−64921号公報の段落番号[0027]〜[0053]に記載の成分を挙げることができる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタ基板を備えた液晶表示装置である。そのため、表示ムラが抑制された、高品位の画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明は、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。
前記スペーサは、種々の方法で作製することができるが、スペーサを基板上に、塗布または転写することにより作製することが好ましい。塗布による作製方法は工程が簡単である点で好ましい。転写による作製方法はスペーサ高さの均一性が良い点で好ましい。転写による作製方法については特願2007-185797号明細書に記載の方法が特に好ましい。
本発明の遮光膜付基板はこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(200
5)(A.Konno et.al)や、月刊デイスプレイ 2005年12月号の18
〜24ページ (島 康裕)、同25〜30ページ(八木 隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタは、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の範囲から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。また、「wt%」は「質量%」を表す。
参考例1]
<<カラーフィルタ基板の作製>>
<1.感光性濃色組成物の調製>
−カーボンブラック分散液(K−1)の調製−
下記処方でカーボンブラック分散液(K−1)を調製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 カラーブラックFW2) ・・26.7部
・分散剤(楠本化成製ディスパロンDA7500 酸価26 アミン価40)
・・・3.3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体
(分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液) ・・・10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・60部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、カーボンブラック分散液(K−1)を得た。
得られたカーボンブラック分散液(K−1)を用いて、下記表1の処方で感光性濃色組成物塗布液CK−1を調製した。表1中の数値は質量比を示す。
表1中の各成分の詳細は下記のとおりである。
・樹脂溶液C−2:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=85/15モル比)共重合体、(Mw10000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50wt%溶液)
・UV硬化性樹脂C−3:商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業(株)製〔側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)〕
・重合性化合物C−5:商品名 TO−1382 東亞合成(株)製
(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの末端OH基の一部をCOOH基に置換した5官能のアクリロイル基を有するモノマーが主成分。)
・開始剤C−7:商品名「OXE−02」 チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製
・界面活性剤C−8:商品名「メガファックR30」 大日本インキ化学工業(株)製
・溶剤:PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP=3−エトキシエチルプロピオネート
<2.塗布によるブラックマトリクスの形成>
−感光性濃色組成物層形成工程−
得られた感光性濃色組成物CK−1を、ガラス基板(コーニング社製ミレニアム 0.7mm厚)にスリットコーター(型番HC6000、平田機工株式会社製)を用いて、ポストベーク後の膜厚が1.2μmとなるようにスリットとガラス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−プリベーク工程、露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、90℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8000、キヤノン株式会社社製)を用いて、100mJ/cmで露光した。
−現像工程−
その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.20MPaに設定して、60秒現像し、純水で洗浄した、現像後のブラックマトリクスを得た。ここで、SEMにて断面写真を撮ってアンダーカットの長さを測定したところ、3.0μmであった。
SEM撮影は、ブラックマトリックスの格子長辺の中央付近において、ブラックマトリックスの幅方向に、基板表面に垂直に、ブラックマトリックスを基板とともに切断して行なった。
−ベーク工程−
次いで220℃のクリーンオーブンで40分間ポストベーク処理し、着色画素形成領域の開口が90μm×200μmで、ブラックマトリックスの厚みが1.2μmで、ブラックマトリックスの線幅が約25μmの格子状ブラックマトリクス基板を形成した。
X−Rite 361T(V)(サカタインクスエンジニアリング(株)製)を用いて、
出来上がったブラックマトリックスの光学濃度(OD)を測定したところ、4.2であった。また、このブラックマトリックスの線幅を、線幅測定システムMIM−L(ミカサ(株)製)を用いて測定したところ、20μmであった。
さらに、このブラックマトリックスを微小硬度計(DUH−W201、(株)島津製作所製)により次のようにして測定を行ない、評価した。測定は、50μmφの円錘台圧子を採用し、保持時間5秒として、負荷−除荷試験法により行なった。負荷荷重と、その時の変形量を、下記表3にまとめる。
<3.感光性着色組成物の調製>
−3−1.赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1の調製−
下記処方で赤色(R)用分散液(R−1)を調製した。
・Pigment Red 254(SEM観察での平均粒子径43nm)
・・・11部
・Pigment Red 177(SEM観察での平均粒子径58nm)
・・・4部
・下記分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製)
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液)・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=75/25[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・9部
・溶剤B:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・68部
上記各成分を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し赤色(R)用分散液(R−1)を得た。
得られた赤色(R)用分散液(R−1)を用いて、下記処方で赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を調製した。
・赤色(R)用分散液(R−1) ・・・100部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学工業社製 ・・・2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート・・・8部
・重合開始剤:4−(o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン ・・・1部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン ・・・0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R30 大日本インキ化学工業社製)
・・・0.01部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:テトロニックR150 ADEKA社製)
・・・0.2部
・溶剤:プロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート ・・・30部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・100部
上記成分を混合撹拌し、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を得た。
− 3−2.緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1の調製−
下記処方で緑色(G)用分散液(G−1)を調製した。
・Pigment Green 36(SEM観察での平均粒子径47nm)
・・・11部
・Pigment Yellow150(SEM観察での平均粒子径39nm)
・・・7部
・下記分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=85/15[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・11部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・70部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、緑色(G)用分散液(G−1)を得た。
得られた緑色(G)用分散液(G−1)を用いて、下記処方で緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を調製した。
・緑色(G)用分散液(G−1) ・・・100部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学工業社製) ・・・2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・ ・・8部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールのテトラ(エトキシアクリレート)・・・2部
・重合開始剤:1,3−ビストリハロメチル−5−ベンゾオキソラントリアジン
・・・2部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン ・・・0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製)
・・・0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製) ・・・0.5部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・120部
・溶剤:プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート ・・・30部
上記組成を混合撹拌し、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を得た。
− 3−3.青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1の調製−
下記処方で青色(B)用分散液(B−1)を調製した。
・Pigment Blue 15:6(SEM観察での平均粒子径55nm)
・・・14部
・Pigment Violet 23(SEM観察での平均粒子径61nm)
・・・1部
・下記分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・ ・・4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73部
上記各成分を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、青色(B)用分散液(B−1)を得た。
得られた青色(B)用分散液(B−1)を用いて、下記処方で青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を調製した。
・青色(B)用分散液(B−1) ・・・100部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・7部
・エポキシ樹脂:(商品名セロキサイド2080 ダイセル化学工業社製)・・・2部
・UV硬化性樹脂:(商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業社製)
(側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・4部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・・・12部
・重合開始剤:1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバ
ゾル−3−イル)−1−(o−アセチルオキシム)エタノン ・・・3部
・重合禁止剤: p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製)
・・・0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製) ・・・1.0部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル ・・・20部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・150部
上記成分を混合撹拌し、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を得た。
<4.分散樹脂A−3の合成>
(1.連鎖移動剤A3の合成)
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕(下記化合物(33))7.83部、及び吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する下記化合物(m−6)4.55部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.90部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.04部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.04部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却することで、以下に示すメルカプタン化合物(連鎖移動剤A3)の30%溶液を得た。
(2.分散樹脂A―3の合成)
前記のようにして得られた連鎖移動剤A3の30%溶液4.99部、メタクリル酸メチル19.0部、及びメタクリル酸1.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.66部の混合溶液を、窒素気流下、90℃に加熱した。この混合溶液を攪拌しながら、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.139部、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.40部の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了してから、90℃で2.5時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.046部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.00部の混合溶液を投入し、更に2時間反応させた。反応液にプロピレングリコールモノメチルエーテル1.52部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7部を加え、室温まで冷却することで特定分散樹脂A−3(ポリスチレン換算の重量平均分子量24000)の溶液(特定分散樹脂30質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル21質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49質量%)を得た。
この特定分散樹脂A−3の酸価は48mg/gであった。分散樹脂A−3の構造を以下に示す。
<塗布による着色画素の形成>
−感光性着色組成物層形成工程−
得られた赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、前記ブラックマトリックス基板のブラックマトリックス形成面側に、塗布した。具体的には、感光性濃色組成物層形成の場合と同様に、ポストベーク後の感光性着色組成物層の層厚が約2.1μmとなるようにスリットとブラックマトリックス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−着色層プリベーク工程、着色層露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8000、キヤノン株式会社製)を用いて、90mJ/cmで露光した。
また、露光パターンと、ブラックマトリックスとの重なり(露光重なり量)が8.0μmとなるようにマスクパターンと露光機を設定した。
−着色層現像工程、着色層ベーク工程−
その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.2MPaに設定して、45秒現像し、純水で洗浄した。
次いで220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理し、熱処理済みの赤色画素を形成した。
次いで、上記感光性着色組成物層形成工程、着色層プリベーク工程、着色層露光工程、着色層現像工程、及び着色層ベーク工程において、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1に代えた他は同様にして、緑色画素を形成した。さらにその後、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1に代えた他は同様にして、青色画素を形成した。
<フォトスペーサーの形成>
まず、上記より得た基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリックスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極を、スパッタリングにより形成した。
−被膜形成工程−
次に、上記で作製したITO透明電極がスパッタ形成された基板のITO透明電極上に、スピンナーにて、下記表2に示す処方1からなる感光性樹脂層用塗布液をスリット塗布した。引き続き、真空乾燥機VCD(東京応化社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させて塗布膜の流動性をなくした後、90℃のホットプレート上で3分間プリベークし、膜厚5.2μmの感光性樹脂層を形成した(被膜形成工程)。
−化合物P−1の合成−
反応容器中に、1−メトキシ−2−プロパノール(MFG、日本乳化剤(株)製)7.48部をあらかじめ加え、90℃に昇温し、樹脂の側鎖に特定環状構造を導入するための単量体である前記化合物M−1(x)4.28部、メタクリル酸(MAA;y)11.7部、アゾ系重合開始剤(和光純薬(株)製、V−601)2.08部、及び1−メトキシ−2−プロパノール55.2部からなる混合溶液を窒素ガス雰囲気下、90℃の反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後、4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
次いで、前記アクリル樹脂溶液に、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.15部、及びテトラエチルアンモニウムブロマイド0.34部を加えた後、メタクリル酸グリシジル(GLM,東京化成工業(株)製)26.4部を2時間かけて滴下した(GLM−MAA;z)。滴下後、空気を吹き込みながら90℃で4時間反応させた後、固形分濃度が45%になるように溶媒1−メトキシ−2−プロピルアセテート(MMPGAc、ダイセル化学工業(株)製)を添加することにより調製し、例示化合物P−1(〔A〕樹脂)の樹脂溶液(固形分酸価;76.0mgKOH/g、Mw;28,000、1−メトキシ−2−プロパノール/1−メトキシ−2−プロピルアセテート45%溶液)を得た(x:y:z=41モル%:24モル%:35モル%)。
ここで、GLM−MAAは、メタクリル酸にグリシジルメタクリレートが結合したものを示す。なお、例示化合物P−1の分子量Mwは、重量平均分子量を示し、重量平均分子量の測定は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて行なった。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.35/min、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
続いて、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、マスク(直径15μmの円形パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと感光性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板と、を略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の表面との間の距離を100μmとし、該マスクを介して、365nmにおける強度250W/mで紫外透過フィルタ(UV−35、東芝ガラス(株)製)を透過させた紫外線を照射した(露光工程、露光量200mJ/cm)。
次に、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士フィルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、パターン像を形成した(現像工程)。引き続いて、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD3(富士フィルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、円柱状のスペーサーパターンを300μm×300μmに1本のスペーサー間隔となるように形成した。
次に、スペーサーパターンが設けられた基板を130℃下で60分間、ベーグ処理を行なう(ベーグ工程)ことにより、基板上にフォトスペーサーを作製した。
ここで、得られたフォトスペーサ1000個について、三次元表面構造解析顕微鏡(メーカー:ZYGO Corporation、型式:New View 5022)を用い、ITO透明電極上面(基板に平行な2つの面のうち、基板から遠い側の面)からフォトスペーサーの最も高い位置までの距離(以下、この距離を「フォトスペーサーの高さ」ともいう)を測定し、平均値をフォトスペーサーの平均高さとした。また、得られたフォトスペーサーの円相当直径の計測は、SEM写真を用いて行った。得られたフォトスペーサーの俯瞰形状より、フォトスペーサー外周の、任意の2点間の距離が最も大きくなる場所を円相当直径とした。
また、得られたフォトスペーサーの底面積の計測は、SEM写真を用いて行なった。その結果、円相当直径15.1μm、平均高さ4.7μmの円柱形状であった。また、ブラックマトリックスと同様に荷重時の変形量を測定した。負荷荷重と、その時の変形量を、下記表3にまとめる。
以上のようにして、カラーフィルタ基板を作製した。
<<液晶表示装置の作製>>
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、上記で得られたカラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
−液晶配向分割用突起の形成−
下記処方Aよりなる突起用感光性樹脂層用塗布液を、上記と同様のスリットコーターによりカラーフィルタ基板上のITO透明電極の上に塗布し、乾燥させて突起用感光性樹脂層を形成した。
〈突起用感光性樹脂層用塗布液:処方A〉
・ポジ型レジスト液 (富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、FH−2413F) ・・・53.3部
・メチルエチルケトン ・・・46.7部
・下記界面活性剤1 ・・・0.04部
(界面活性剤1)
・下記構造物1 ・・・30%
・メチルエチルケトン ・・・70%
次に、突起用感光性樹脂層上に下記処方P1よりなる中間層用塗布液を用いて、乾燥膜厚が1.6μmの保護層を設けた。
〈中間層用塗布液:処方P1〉
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) ・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
次いで、ミラープロジェクション方式露光機(型番MPA−8000、キヤノン株式会社製)を用いて、150mJ/cmで露光した。
その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間、突起用感光性樹脂層に噴霧しながら現像し、突起用感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去した。すると、カラーフィルタ基板のITO透明電極の上の、R画素、G画素、及びB画素の上方に位置する部分に、所望形状にパターニングされた突起が形成された。次いで、この突起が形成されたカラーフィルタ基板を240℃下で50分間ベーク処理することにより、カラーフィルタ上に高さ1.5μm、縦断面形状(ガラス基板面の法線方向と平行な面の形状)が蒲鉾様の配向分割用突起を形成することができた。
その後、カラーフィルタの着色画素群の周囲を取り囲むように設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、MVAモード用液晶を滴下して対向基板と貼り合わせ、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして液晶セルを得た。この液晶セルの両面に(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付け、次いで冷陰極管のバックライトを構成して前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
−液晶表示装置の画質評価−
液晶表示装置に通電して各種表示画像を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。結果は下記表3に示す。
〈評価基準〉
◎ :ムラが無く、表示が非常に鮮やかで迫力があると感じる。
○ :ムラが無く、表示が鮮やかで迫力があると感じる。
△ :ムラは無いが、表示に迫力を感じない
× :ムラがあったり、白っぽく見えたりして、観賞に耐えない。
[実施例2]
参考例1において、ブラックマトリックスのベーク条件を240℃50分、フォトスペーサーのベーク条件を120℃40分とした以外は、全て同様に液晶表示装置を作成し、画質評価を行った。ブラックマトリックス及びフォトスペーサーの荷重に対する変形量は下表3の通りであった。画質評価結果を表3に示す。
〔実施例3〕:転写法
実施例2において、感光性樹脂層用塗布液(処方1)の塗布に代えて以下に示すスペーサ用感光性転写フィルムを用いた転写を行なうことにより、感光性樹脂層を形成したこと以外は、参考例1と同様して、フォトスペーサー及び液晶表示装置を作製した。このとき得られたブラックマトリックス及びフォトスペーサーの荷重に対する変形量は表3の通りであった。なお、得られたフォトスペーサーは、円柱形状であった。得られたフォトスペーサー及び液晶表示装置について、参考例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
<スペーサー用感光性転写フィルムの作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、下記処方Aからなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥層厚15.0μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
〜熱可塑性樹脂層用塗布液の処方A〜
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 25.0部
(=55/11.7/4.5/28.8[モル比]、重量平均分子量90,000)
・スチレン/アクリル酸共重合体 … 58.4部
(=63/37[モル比]、重量平均分子量8,000)
・2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン
… 39.0部
・下記界面活性剤1 … 10.0部
・メタノール … 90.0部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 51.0部
・メチルエチルケトン … 700部
*界面活性剤1
・下記構造物1 …30%
・メチルエチルケトン …70%
次に、形成した熱可塑性樹脂層上に、下記処方Bからなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて、乾燥層厚1.5μmの中間層を積層した。
〜中間層用塗布液の処方B〜
・ポリビニルアルコール …3.22部
(PVA−205(鹸化率80%)、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン …1.49部
(PVP K−30、アイエスピー・ジャパン株式会社製)
・メタノール …42.3部
蒸留水 …524部
次に、形成した中間層上に更に、前記表2に示す処方からなる感光性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて、乾燥層厚5.0μmの感光性樹脂層を積層した。
以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層の積層構造(3層の合計層厚:21.5μm)に構成した後、感光性樹脂層の表面に更に、カバーフィルムとして厚み12μmのポリプロピレン製のフィルムを加熱・加圧して貼り付け、スペーサー用感光性転写フィルムを得た。
<フォトスペーサーの作製>
得られたスペーサー用感光性転写フィルムのカバーフィルムを剥離し、露出した感光性樹脂層の表面を、参考例1と同様にして作製したITO透明電極がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板のITO透明電極上に重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧・加熱条件下で搬送速度2m/分にて貼り合わせた。その後、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去し、感光性樹脂層を熱可塑性樹脂層及び中間層と共に転写した(被膜形成工程)。
続いて、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したカラーフィルタ基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を100μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量150mJ/cmにてプロキシミティー露光した(露光工程)。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フィルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水11部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。続いて、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士フィルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、パターン像を形成した(現像工程)。
次いで、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD3(富士フィルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、形成されたパターン像の周辺の残渣除去を行ない、円柱状のスペーサーパターンを300μm×300μmに1本のスペーサー間隔となるように形成した。
次に、スペーサーパターンが設けられたカラーフィルタ基板を、120℃下で40分間加熱処理を行なう(被膜加熱工程)ことにより、カラーフィルタ基板上にフォトスペーサを作製した。得られたフォトスペーサーは、円相当直径15.1μm、平均高さ4.7μmの円柱形状であった。
[比較例1]
参考例1において、ブラックマトリックス形成時のベークを、180℃、30分、フォトスペーサー形成時のベークを150℃60分に変更した以外は、すべて同様の手順にて液晶表示装置を作成した。このとき得られたブラックマトリックス及びフォトスペーサーの荷重に対する変形量は表3の通りであった。

上記結果から、ブラックマトリックスの対荷変形量Kbがフォトスペーサーの対荷変形量Kpよりも小さい本実施例では、比較例に比べ、高開口率を達成するためにブラックマトリクスの線幅を細くしても、画質評価(表示ムラ)が低減されることがわかる。
また、式(1)及び式(2)の関係を満たす実施例2、3では、参考例1に比べ、比較例に比べ、画質評価(表示ムラ)が低減されることがわかる。
アンダーカットが設けられたブラックマトリックス基板の部分断面図である。 アンダーカットが設けられたブラックマトリックス基板の部分断面図である。 オーバーラップ部が形成されたカラーフィルタの部分断面図である。 オーバーラップ部にツノがあるカラーフィルタの部分断面図である。
符号の説明
2 基板
4 ブラックマトリックス(感光性濃色組成物層)
6 着色パターン(感光性着色組成物層)
8 オーバーラップ部

Claims (4)

  1. ブラックマトリックスとフォトスペーサとを有するカラーフィルタ基板において、
    前記ブラックマトリックスの対荷重変形量をKb(μm)とし、前記フォトスペーサーの対荷重変形量をKp(μm)としたとき、Kb≦Kp(Kb=Kpを除く。)の関係を満たし、かつ、下記式(1)及び(2)の関係を満たすことを特徴とするカラーフィルタ基板。
    式(1):y ≦Kb≦y (ここで、y =0.001x+0.05、y =0.001x+0.15)、
    式(2):y ≦Kp≦y (ここで、y =0.006x+0.15、y =0.006x+0.25)
    (式(1)及び(2)中、xは負荷荷重;mNを示し、y 〜y は対荷重変形量;μm示す。)
  2. 前記ブラックマトリックスの線幅が30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
  3. 前記フォトスペーサーの円相当直径が25μm以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ基板。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ基板を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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