JP2010020146A - カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン端部の断面形状が良好なカラーフィルタを作製でき、パターン端部におけるパターン欠けを抑制できるカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】着色剤及び/又は遮光剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性樹脂層を、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低い開口パターンを有する露光マスクを介してパターン露光する露光工程と、パターン露光された感光性樹脂層を現像してパターンを得る現像工程と、現像して得られたパターンを加熱処理するポストベーク工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置に関する。
カラーフィルタは、液晶表示装置や固体撮像素子に不可欠な構成部品である。
例えば、液晶表示装置(液晶ディスプレイ;LCD)用カラーフィルタについては、液晶ディスプレイがTV用途として用いられるようになり、従来のノートパソコン、モニター用途のものに比し、より高品位な画質が求められている。また、大型TV生産のため基板サイズが拡大しており、歩留まりの向上やコスト削減の要求が大きくなっている。
上記画質の向上に関し、カラーフィルタの製造の際に、ブラックマトリクスと着色画素との境界部分で着色画素が盛り上がり、カラーフィルタが平坦とならないことが原因で画質の劣化が生ずることが問題となっていた(例えば、特許文献1参照)。前記境界部分の盛り上がりは、コントラスト低下や色ムラなどの問題を引き起こす場合がある。このため、従来は、画素作製後、カラーフィルタの表面を研磨したり、画素上にオーバーコート層(以下、「OC層」と称することがある)を形成することで対応していた。
しかし、研磨やOC層の形成を行うと、カラーフィルタの製造工程が増えてコストが高くなる。その上、研磨の場合には、カラーフィルタが傷つくなどの弊害が発生することもあり、研磨工程やOC層の形成工程を省略できる方法が求められていた。
これに対し、透過領域(開口パターン)の端部に半透過膜(半透過領域)を有する露光マスクを用いて露光を行うことにより、前記境界部分の盛り上がりの問題を解決することが試みられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−121800号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の半透過膜を有する露光マスクを用いてパターンを形成した場合、該パターン端部の断面形状が悪化したり(例えば、逆テーパー形となる)、パターン端部においてパターンの欠けが生じたりすることがある。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、パターン端部の断面形状が良好なカラーフィルタを作製でき、パターン端部におけるパターン欠けを抑制できるカラーフィルタの製造方法を提供すること、パターン端部におけるパターン欠けが抑制され、パターン端部の断面形状が良好なカラーフィルタを提供すること、及び、表示ムラが抑制され、高いコントラストを有する液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 着色剤及び/又は遮光剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性樹脂層を、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低い開口パターンを有する露光マスクを介してパターン露光する露光工程と、パターン露光された感光性樹脂層を現像してパターンを得る現像工程と、現像して得られたパターンをポストベークするポストベーク工程と、を含むカラーフィルタの製造方法である。
<2> 前記開口パターンの周辺部は、網点状の遮光領域群を有することを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<3> 前記開口パターンの周辺部における遮光領域群の密度は、該開口パターンの中央側からパターン端側に向かうにつれて高くなることを特徴とする<2>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 前記開口パターンの周辺部における遮光領域のサイズは、前記開口パターンの中央側からパターン端側に向かうにつれて増大することを特徴とする<2>又は<3>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<5> 前記感光性樹脂層は、基板上に樹脂ブラックマトリクスが形成された樹脂ブラックマトリクス付き基板上に形成された層であり、前記露光工程は、前記感光性樹脂層のうち前記樹脂ブラックマトリクスとの重なり部の少なくとも一部を前記開口パターンの周辺部を介して露光し、前記感光性樹脂層のうち前記樹脂ブラックマトリクスとの非重なり部の少なくとも一部を前記開口パターンの中央部を介して露光することを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 前記着色剤が赤色顔料を含有し、前記感光性樹脂層の全固形分中における前記赤色顔料の含有量が、30質量%以上であることを特徴とする<5>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタである。
<8> <7>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置である。
本発明によれば、パターン端部の断面形状が良好なカラーフィルタを作製でき、パターン端部におけるパターン欠けを抑制できるカラーフィルタの製造方法を提供すること、パターン端部におけるパターン欠けが抑制され、パターン端部の断面形状が良好なカラーフィルタを提供すること、及び、表示ムラが抑制され、高いコントラストを有する液晶表示装置を提供することができる。
≪カラーフィルタ及びその製造方法≫
本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色剤及び/又は遮光剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性樹脂層を、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低い開口パターンを有する露光マスクを介してパターン露光する露光工程と、パターン露光された感光性樹脂層を現像してパターンを得る現像工程と、現像して得られたパターンをポストベークするポストベーク工程と、を含んで構成される。
また、本発明のカラーフィルタは、前記本発明のカラーフィルタの製造方法を用いて製造されたものである。
近年、フォトリソグラフィによりパターン周辺部(端部)の膜厚がパターン中央部の膜厚よりも薄いパターンを形成する技術として、開口パターン周辺部に半透過膜(遮光部よりも透過率の高い膜)を有する露光マスクを介して感光性樹脂層を露光し、現像することにより、パターン周辺部における露光量をパターン中央部における露光量よりも減少させる技術が検討されている。このような露光マスクは、一般にハーフトーンマスクとよばれている。
しかしながら、上記半透過膜を介した露光においては、露光に用いる光(以下、「露光光」ともいう)の強度が半透過膜を通過する際に弱くなりすぎる場合がある。その結果、感光性樹脂層表面(基板から離れた露出面)付近の硬化に比べて感光性樹脂層内部(前記表面よりも基板に近い部分。以下同じ)の硬化が極端に不足する場合があり、パターン端部の断面形状が悪化(例えば、逆テーパー形となる)したり、パターン端部の欠けが生じたりする場合がある。この傾向は、特に、赤色の感光性樹脂層において顕著である。
半透過膜を用いた露光マスクにおいて上記の問題を解決するには、半透過膜の膜厚を薄くすること等により半透過膜の透過率を調節する必要がある(例えば、スパッタや蒸着等により、遮光部より薄い膜厚の金属膜を形成する必要がある)。ところが、面内均一性良く形成できる膜厚には下限があり、半透過膜の透過率を所望の値に制御できないか、制御できても非常にコストがかかるという問題がある。特に、半透過膜の透過率を段階的に変化させたい場合には、各段階に対応した膜厚としなければならず、格段にコストがかかる。
これに対し、上記本発明では露光光の強度を、半透過膜の透過率(膜厚)ではなく透過領域密度(即ち、遮光領域の密度)により調節する。透過領域密度の調節は従来のマスク描画の技術を用いて行うことができるため、膜厚の調節に比べて格段に容易であり、低コストで行うことができる。
このため、本発明では、半透過膜を用いた露光マスクを用いる場合と比較して、感光性樹脂層内部の硬化を容易に進めることができる。
また、露光マスクの開口パターン周辺部に半透過膜を設けた場合には、露光光は開口パターン周辺部(半透過膜)の全面に渡って弱められた後、感光性樹脂層に照射される。
これに対し、本発明における露光マスクを用いた場合には、開口パターン周辺部の少なくとも一部(透過領域)において、露光光がほとんど弱められることなく感光性樹脂層に照射される。このため、後者においては感光性樹脂層内部にまで露光光を届かせることができ、該内部の硬化を容易に進めることができる。
以上のように、本発明によれば、感光性樹脂層内部の硬化を容易に進めることができ、形成されるパターンの端部の断面形状を向上させることができる。
さらに、樹脂ブラックマトリクスと着色パターンとが重なり部を有するカラーフィルタを作製する際、樹脂ブラックマトリクス及び着色パターンの少なくとも一方を、上記本発明のカラーフィルタの製造方法を用いて製造することで、前記重なり部分における着色パターンの盛り上がりを低減できる。
本発明においては、樹脂ブラックマトリクスと着色パターンとの重なり部における着色パターンの盛り上がり(画素内における着色パターン表面から、重なり部における着色パターン表面の最高点までの高さ)を「ツノ高さ」ともいう。
本発明において「パターン」とは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の着色パターン(着色画素)や、樹脂ブラックマトリクス(遮光パターン)を指す。
また、本発明において、パターン端部の断面形状について「テーパー形」とは、例えば、図4(B)のパターン102のように、パターン端部の断面においてパターンが基板に密着し、かつ、該パターン端部の断面において基板表面に平行な方向についてパターン中央部側からパターン端部側に向かうにつれて膜厚が薄くなる形状をいう。
また、本発明において、パターン端部の断面形状について「逆テーパー形」とは、例えば、図7のパターン106のように、パターン上部側(基板から離れた側)が、パターン下部側(基板に近い側)に対し、基板と平行な方向について該パターンの非形成領域側に向かってひさし状に突き出した形状をいう。
また、本発明において、パターン端部の断面形状について「矩形」とは、例えば、図8の樹脂ブラックマトリクス110のように、パターン端部の断面においてパターンが基板に密着し、かつ、パターンと基板との接触面と、パターン側面と、のなす角が90°である形状をいう。
以下、本発明に用いられる露光マスクについて説明し、引き続き、本発明における露光工程、現像工程、ポストベーク工程、その他の工程、カラーフィルタの製造方法の例、着色パターン、樹脂ブラックマトリクスについて説明し、更に、感光性樹脂層の形成に好適な感光性樹脂組成物について説明する。
<露光マスク>
本発明における露光マスクは、遮光パターンと開口パターンとを含んで構成されている。前記開口パターンは、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低くなっている。ここで、透過領域密度とは、単位面積当たりに占める透過領域面積の割合(%)を指す。
図1は、本発明に係る露光マスクにおける透過領域密度の例を概念的に示したグラフである。
図1に示すように、前記開口パターン中央部における透過領域密度は100%となっており、前記開口パターン周辺部における透過領域密度は0%を超えて100%未満となっている。遮光パターンにおける透過領域密度は0%となっている。
前記開口パターン周辺部における透過領域密度は、一定であってもよい(例えば、図1中の破線)が、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、開口パターン中央部側から開口パターン端側に向かうにつれて低下することが好ましい(例えば、図1中の実線)。低下の仕方は、図1中実線のように一次関数的に低下することには限られず、多次関数的に低下(不図示)してもよいし、不連続的に低下(例えば、図1中の一点鎖線)してもよい。
開口パターン周辺部において透過領域密度を一定とする場合には、開口パターン周辺部において遮光領域を等サイズとし、かつ遮光領域同士の間隔を等間隔とする形態が好適である。
また、開口パターン周辺部において、透過領域密度が開口パターン中央部側から開口パターン端側に向かうにつれて低下する形態としては、遮光領域のサイズ及び/又は遮光領域群の密度を開口パターン中央部側から開口パターン端側に向けて増大させる形態が好適である(例えば、後述する第1の例及び第2の例参照)。
前記開口パターン周辺部における透過領域密度の最大値(TE−MAX)は、70%以上100%未満であることが好ましく、70%以上90%以下であることがより好ましい。
前記開口パターン周辺部における透過領域密度の最小値(TE−MIN)は、0%を超えて20%以下であることが好ましく、0%を超えて10%以下であることがより好ましい。
前記開口パターン周辺部における透過領域密度の平均値(TE−AVE)は、比率〔開口パターン周辺部における透過領域の全面積/開口パターン周辺部の全面積〕により求められる。前記TE−AVEには特に限定はなく、所望とする露光光の強度に応じて適宜調節できる。感光性樹脂層内部の硬化性の観点等からは、10%以上70%以下であることが好ましく、20%以上60%以下であることがより好ましい。
以下、本発明に用いられる露光マスクの例について、図2〜図6を参照して説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
図2は、本発明に用いられる露光マスクの第1の例である露光マスク10を示した平面図である。図2に示すように、露光マスク10は、遮光パターン16と開口パターン(開口パターン中央部14及び開口パターン周辺部12)とを有している。図2では開口パターンは1つのみとなっているが、1つの露光マスクの中に、このような開口パターンを複数有していてもよく、1つの露光マスクの中に、該開口パターンがマトリクス状に配列されていてもよい。
このような露光マスクにおいて、例えば、1つの開口パターンは、カラーフィルタの1つの着色画素の形成に用いられる。
開口パターン周辺部の幅Lには特に限定はないが、テーパー形状の観点からは、1〜8μmが好ましく、3〜6μmがより好ましい。
開口パターン全体(開口パターン中央部14及び開口パターン周辺部12)の幅(矩形の場合には短辺の長さ)の好ましい範囲については、形成しようとするパターンが着色パターン(着色画素)か樹脂ブラックマトリクスかによって異なる。
着色パターンを形成しようとする場合、開口パターン全体の幅は、80〜95μmが好ましく、82〜90μmがより好ましい。
樹脂ブラックマトリクスを形成しようとする場合、開口パターン全体の幅は、95〜105μmが好ましく、97〜102μmがより好ましい。
図3は、図2の露光マスク10において開口パターン周辺部12の付近を拡大した様子を示す平面図である。図3に示すように、開口パターン周辺部12は、透過領域12Bと、網点状に配列された遮光領域12Aの群と、から構成されている。一方、開口パターン中央部14は、全て透過領域となっている。従って、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低くなっている。
更に、露光マスク10では、遮光領域12Aのサイズは、前記開口パターンの中央側からパターン端に向かうにつれて増大している。このため、透過領域密度は前記開口パターンの中央側からパターン端に向かって低下している。
なお、遮光領域12Aの形状は、図3のような円形状に限られず、楕円形状、正方形、矩形、多角形状、棒状(又はストライプ状)など、あらゆる形状を適用できる。
遮光領域のサイズは、遮光領域が図3に示すように円形状の場合には直径を指し、遮光領域が楕円形状の場合には短径を指し、遮光領域が正方形の場合には一辺の長さを指し、遮光領域が矩形の場合には短辺の長さを指し、遮光領域が棒状又はストライプ状の場合には幅を指す。
前記第1の例において、開口パターン周辺部における遮光領域のサイズWの最大値WMAXとしては、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、1〜10μmが好ましく、1.5〜5μmがより好ましく、2〜2.5μmが特に好ましい。
前記第1の例において、開口パターン周辺部における遮光領域のサイズWの最小値WMINとしては、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、0.1〜3.0μmが好ましく、0.1〜2.0μmがより好ましく、0.1〜1.5μmが特に好ましい。
前記第1の例において、開口パターン周辺部における遮光領域のサイズWの平均値WAVEとしては、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、1.0〜3.0μmが好ましく、1.3〜2.5μmがより好ましく、1.8〜2.2μmが特に好ましい。
前記第1の例において、開口パターン周辺部における遮光領域同士の距離S(遮光領域端から該遮光領域に隣接する遮光領域端又は遮光パターン端までの最短距離。以下同じ)の最大値SMAXとしては、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、0.1〜6μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。
前記第1の例において、開口パターン周辺部における遮光領域同士の距離Sの最小値SMINとしては、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、0〜1.0μmが好ましく、0〜0.8μmがより好ましく、0〜0.5μmが特に好ましい。

前記第1の例において、開口パターン周辺部における遮光領域同士の距離Sの平均値SAVEとしては、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、0〜3.0μmが好ましく、0〜2.0μmがより好ましく、0〜1.0μmが特に好ましい。
次に、第1の例に係る露光マスクを用いてパターンを形成する場合について説明する。
図4(A)は、前記第1の例に係る露光マスク10の断面図であり、図4(B)は、前記第1の例に係る露光マスク10を用いて形成されたポストベーク後のパターン102の端部の断面図である。
露光マスク10を介して行うパターン露光では、露光光は、露光マスク10における遮光パターン16及び遮光領域12Aが形成された面の反対面側から、該形成された面の側へ通過する(矢印Lの向き)。
露光マスク10の開口パターン周辺部12において、透過領域密度は前記開口パターンの中央側からパターン端に向かって低下しているため、露光光が通過する面積も前記開口パターンの中央側からパターン端に向かって減少する。
露光マスク10を介してパターン露光された感光性樹脂層を現像し、さらにポストベーク(熱処理)することにより、図4(B)のパターン102のように、端部においてパターンが基板に密着し、かつ、基板表面に平行な方向についてパターン中央部側からパターン端部側に向かうにつれて膜厚が薄くなるテーパー形のパターン102を得ることができる。
ここで、パターン102端部の断面形状が、露光マスク10の開口パターン周辺部の反転パターンではなく、図4(B)のようなテーパー形となる理由は、露光光の回折、感光性樹脂層における光ラジカルの拡散、ポストベークの熱による変形、等の作用によるものと推定される。これらの作用は、感光性樹脂層(感光性樹脂組成物)の材料、露光条件、ポストベーク条件等に依存する。これらの好ましい条件については後述する。
図5は、本発明に用いられる露光マスクの第2の例として、露光マスク40における開口パターン周辺部42の付近を拡大した様子を示す平面図である。
露光マスク40では、開口パターン周辺部42において遮光領域42Aの密度が、開口パターンの中央部44の側からパターン端(開口パターン周辺部42と遮光パターン46との境界線)に向かうにつれて高くなっている。即ち、第2の例においても前記第1の例と同様に、開口パターン周辺部42において、透過領域42Bの密度は開口パターンの中央側からパターン端に向かって低下している。
このため、第2の例に係る露光マスクを用いた場合においても、前記第1の例を用いた場合と同様に、端部がテーパー形のパターンを得ることができる。
第2の例における、WMAX、WMIN、WAVE、SMAX、SMIN、SAVEの好ましい範囲は第1の例と同様である。
以上、開口パターン周辺部において開口パターン中央部側から開口パターン端側にむけて、(1)遮光領域のサイズを増大させる第1の例、及び、(2)遮光領域群の密度を増大させる第2の例について説明したが、(3)第1の例と第2の例とを組み合わせた形態(即ち、開口パターン中央部側から開口パターン端側にむけて、遮光領域のサイズ及び遮光領域群の密度を増大させる形態)としてもよい。この場合においても、WMAX、WMIN、WAVE、SMAX、SMIN、SAVEの好ましい範囲は第1の例と同様である。
また、本発明においては上記(1)〜(3)のように、開口パターン周辺部における透過領域密度を開口パターン中央部側から開口パターン端側に向けて低下させる形態には限定されず、開口パターン周辺部における透過領域密度を一定としてもよい。
また、本発明における露光マスクの開口パターンの形状は、図2に示すような孤立状パターンであることには限定されず、形成しようとするパターン(着色パターンや樹脂ブラックマトリクス)の形状に応じた形状とすることができる。
例えば、図6に示す露光マスク20のように一対のパターンエッジによって挟まれる棒状のパターン(開口パターン中央部24及び開口パターン周辺部22)としてもよい。この場合、遮光パターン26と開口パターンとが交互に形成される。また、棒状パターンが複数集まったストライプ状としてもよい。
例えば、カラーフィルタの着色画素や樹脂ブラックマトリクスを孤立状パターンに形成する場合には、図2に示すような孤立状パターンを有する露光マスクを用いることができる。
また、カラーフィルタの着色画素や樹脂ブラックマトリクスをストライプ状パターンに形成する場合には、図6に示すような直線状パターンを有する露光マスクを用いることができる。
また、格子状パターンである樹脂ブラックマトリクスを形成する場合には、開口パターンを格子状パターンとすることができる。
以上、本発明における露光マスクについて説明したが、本発明における露光マスクは、公知の方法により作製できる。
例えば、マスク用基板(例えば、図4(A)におけるマスク用基板11)上に、金属膜を形成し、形成された金属膜を遮光パターン及び遮光領域(例えば、図4(A)における遮光パターン16及び遮光領域12A)に加工することにより作製できる。
本発明における露光マスクは、遮光パターン及び遮光領域を、同一材料かつ同一膜厚にて形成できるため、遮光パターン及び半透過膜(これらは異種材料又は異なる膜厚で形成する必要がある)を有する露光マスクと比較して、低コストで作製できる。
金属膜としては、クロム膜、クロム膜と酸化クロム膜とを含む積層クロム膜、等を用いることができる。
金属膜の加工は、レジスト塗布、描画装置による描画、現像、ウエットエッチング又はドライエッチング、レジスト剥離などの操作により行う公知の方法により加工できる。
前記マスク用基板としては、石英ガラス、ソーダライムガラス、低膨張ガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、アルミノケイ酸ガラス、等)等の透明基板を用いることができる。
<露光工程>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色剤及び/又は遮光剤、光重合開始剤、並びに重合性化合物を含む感光性樹脂層(感光性樹脂層の形成工程については後述する)を、前述の本発明の露光マスクを介してパターン露光する露光工程を有する。
ここで、パターン露光は、g線、h線、及びi線の少なくとも1種を含む光により行うことが好ましく、更には、g線、h線、及びi線の少なくとも1種を含み、かつ、j線及びk線が遮断された光により行うことが好ましい。パターン露光の際の露光量としては、5〜500mJ/cmが好ましく、10〜300mJ/cmがより好ましく、10〜200mJ/cmが最も好ましい。
露光量を上記範囲とすることで、より効果的に感光性樹脂層内部を露光することができ、パターン端部の断面形状をより良好にすることができる。
パターン露光に用いる露光装置は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション(アライナー)方式、及びステッパー方式のうち、いずれの方式の露光装置であってもよい。
<現像工程>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記露光工程にてパターン露光された感光性樹脂層を現像してパターンを得る現像工程を有する。
現像工程としては、アルカリ現像処理が好適である。
アルカリ現像処理では、例えば、感光性濃色組成物又は感光性着色組成物がネガ型の場合には、上記パターン露光における光未照射部分を、アルカリ水溶液(現像液)に溶出させ、光硬化した部分だけを残すことができる。
現像液としては、有機アルカリ現像液や無機アルカリ現像液又はその混合液が使用される。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
次に、現像工程後の好ましい断面形状を図7を参照して説明する。
現像工程後のパターン端部の断面形状は、図7のパターン106のように、パターン上部側(基板から離れた側)が、パターン下部側(基板に近い側)に対し、基板と平行な方向について該パターンの非形成領域側に向かってひさし状に突き出した逆テーパー形となっていることが好ましい。
パターン端部の断面形状を逆テーパー形とするために、概念的には、感光性樹脂層が標準的な場合には、通常よく用いられている現像条件よりもやや強い条件で現像を行うことが好ましい。
より強い条件とは、より高い温度、より長い時間、より多い流量、より高いシャワー圧、などが挙げられるが、中でも温度と時間の調整は特に重要である。
具体的には、現像温度としては20℃〜35℃が好ましく、23℃〜30℃がより好ましい。現像時間は、30秒〜120秒が好ましく、40秒〜90秒がより好ましい。
これらのうち、現像温度と現像時間の好ましい組み合わせは、例えば、温度25℃では50秒〜100秒であり、温度30℃では40秒〜80秒であることが挙げられる。
また、シャワー圧は、パターンの欠けを防止できる点から、0.01MPa〜0.5MPaが好ましく、0.05MPa〜0.3MPaが好ましく、0.1MPa〜0.3MPaが好ましい。
また、パターン端部の断面を逆テーパー形とする観点からは、後述する感光性樹脂層形成工程後であって前述の露光工程前にプリベーク工程を追加することが好ましい。プリベークの条件を弱くするほど逆テーパー形を得やすい。
<ポストベーク工程>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記現像工程にて現像して得られたパターンを加熱処理(ポストベーク)するポストベーク工程を有する。
ポストベークにより現像後のパターン端部(例えば、図7のパターン106の端部のような逆テーパー形のパターン端部)を変形させ、テーパー形のパターン端部(例えば、図4(B)のパターン102の形状)を得ることができる。
ベーク温度は、150℃〜260℃が好ましく、180℃〜260℃がより好ましく、200℃〜240℃が最も好ましい。ベーク時間は、10分〜150分が好ましく、20分〜120分がより好ましく、30分〜90分がもっとも好ましい。
上記条件範囲でベークすることで、現像後のパターン端部をより効果的に変形させることができ、パターン端部の断面形状をより良好にすることができる。
ベーク処理は、現像後の感光性濃色組成物層を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
なお、樹脂ブラックマトリクス、及び、RGB3色相等、複数色相の着色パターンを形成するときは、感光性樹脂組成物層の形成、露光、現像、及びベークのサイクルを、所望の色相数だけ繰り返してもよいし、色相ごとに感光性着色組成物層の形成、露光、及び現像を行ってから、最後に全色相分まとめてベークを行ってもよい。これにより、ブラックマトリクスと所望の色相よりなる着色画素を備えたカラーフィルタが作製される。
<感光性樹脂層形成工程>
本発明における感光性樹脂層は、以下の感光性樹脂層形成工程により基板上に形成された層であることが好ましい。
基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板が挙げられる。さらに、プラスチック基板も可能である。これらの基板は、まず、各画素を隔離するように格子状などにブラックマトリクスを形成し、格子の空いた部分に着色画素が形成される。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。基板は大型(おおむね1辺1m以上)である方が、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
基板上に感光性樹脂層を形成する方法としては、例えば、基板上へ感光性樹脂組成物を塗布等により付与する方法がある。
基板上への感光性樹脂組成物の付与方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の付与方法を適用することができる。中でもスリット塗布が精度と速さの観点で好ましい。
また、予め仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基板上に転写する方法(転写方法)を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[003
6]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
感光性樹脂層の層厚としては特に限定はないが、パターンとして樹脂ブラックマトリクスを形成する場合には、光学濃度向上及びツノ高さ低減の観点等からは、0.5〜2.0μmが好ましく、0.8〜1.5μmであることがより好ましい。
また、パターンとして赤色、緑色、青色画素を形成する場合は、色再現域向上、透過率向上、ツノ高さ低減の観点等からは、1.0〜3.0μmの範囲であることが好ましく、1.5〜2.5μmの範囲であることがより好ましい。
<プリベーク工程>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記感光性樹脂層形成工程後であって前記露光工程の前に、プリベーク工程を有してもよい。
前述のとおり、現像後のパターンを逆テーパー形とする観点からは、通常良く用いられているプリベーク条件よりも、低温で行うことが好ましい。
具体的には、ホットプレートによりプリベークを行う場合、プリベーク温度は、65℃〜110℃が好ましい。65℃以上とすることで、現像工程中に感光性樹脂層が剥れることを防止することができ、110℃以下とすることで、感光性樹脂層下部を、えぐれ易い状態にすることができる。より好ましくは、70℃〜100℃であり、70℃〜90℃が最も好ましい。また、プリベーク時間は、50秒〜300秒が好ましく、90秒〜200秒がより好ましく、100秒〜180秒がもっとも好ましい。上記条件範囲でプリベークを行うことで、より効果的に現像後のパターンを逆テーパー形にすることができる。
なお、プリベークは、オーブンで行うこともでき、その場合も適宜上記と同等のプリベーク条件を設定することで、逆テーパー部の長さを調整することができる。
<その他の工程>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、現像工程後ポストベーク工程前にポスト露光を行うポスト露光工程等、その他の工程を有していてもよい。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、前述の通り着色パターン又は樹脂ブラックマトリクスを形成することができるが、本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色パターン及び樹脂ブラックマトリクス以外の任意の要素(透明電極膜(例えば、ITO膜等)、柱状スペーサ、配向制御用突起パターン等)を形成する工程等、その他の工程が設けられていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法の例>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前述の通り着色パターン又は樹脂ブラックマトリクスの形成に適用することができる。特に、赤色、緑色、又は青色の着色パターンの形成に好適である。
本発明のカラーフィルタの製造方法により着色パターンを形成する場合の具体的な形態としては、前記感光性樹脂層が着色剤を含有し、基板上に樹脂ブラックマトリクスが形成された樹脂ブラックマトリクス付き基板上に形成された層であり、前記露光工程は、前記感光性樹脂層のうち前記樹脂ブラックマトリクスとの重なり部を前記開口パターンの周辺部を介して露光し、前記感光性樹脂層のうち前記樹脂ブラックマトリクスとの非重なり部を前記開口パターンの中央部を介して露光する形態が好ましい。
図8に、本発明のカラーフィルタの製造方法により着色パターンを形成する形態により作製されたカラーフィルタの一例を示す。
図8に示すカラーフィルタ114は、端部が矩形に形成された樹脂ブラックマトリクス110と、上記形態により形成された着色パターン112とを備えている。
着色パターン112の、樹脂ブラックマトリクス110との重なり部Oは、前述した露光マスクの開口パターン周辺部を介した露光により形成されているため、後述の非重なり部Nより膜厚が薄くなっている。更に、着色パターン112の端部の断面形状は、テーパー形となっている。
一方、着色パターン112の、樹脂ブラックマトリクス110との非重なり部N(画素部)は、前述した露光マスクの開口パターン中央部を介した露光により形成されているため、前述の重なり部Oよりも膜厚が厚くなっている。
このように、カラーフィルタ114では、画素内における着色パターン112表面から、重なり部Oにおける着色パターン表面までの高さh(ツノ高さh)が低減されている。
以上のように、本発明のカラーフィルタの製造方法により着色パターンを形成することにより、ツノ高さが低減され、着色パターンの端部の断面形状が良好なカラーフィルタを得ることができる。
特に、赤色パターンを形成する場合には、透過領域のみからなる開口パターンを有する従来の露光マスクや、周辺部に半透過膜が設けられた開口パターンを有する従来の露光マスクを用いた場合には、赤色パターン端部の断面形状が逆テーパー形となったり、パターン欠けが生じたりし易いことが明らかとなっている。この原因については、感光性樹脂層に対する露光光の透過率が影響しているものと推定される。
従って、本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色パターンの中でも、赤色パターンを形成する用途(中でも、感光性樹脂層の全固形分中における前記赤色顔料の含有量が、25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である場合の用途)に特に好適である。
また、図8を用いて説明したカラーフィルタの製造方法の一例において、着色パターンの形成だけでなく、樹脂ブラックマトリクスの形成においても本発明のカラーフィルタの製造方法を適用することができる。これにより本発明の効果をより効果的に得ることができる。
図9に示すカラーフィルタ124は、本発明のカラーフィルタの製造方法により形成された樹脂ブラックマトリクス120と、上記一例(本発明のカラーフィルタの製造方法により着色パターンを形成する形態)により形成された着色パターン122とを備えている。
着色パターン122、重なり部O、非重なり部N(画素部)、ツノ高さhについては、図8のカラーフィルタ114の説明で述べたとおりである。
加えて、図9のカラーフィルタ124では、樹脂ブラックマトリクス120も本発明のカラーフィルタの製造方法により形成されているため、端部の断面形状がテーパー形状となっている。その結果、図9の着色パターン122における重なり部Oの膜厚は、図8の着色パターン112における重なり部Oの膜厚に比べて更に薄くなり、着色パターン122におけるツノ高さhは、着色パターン112におけるツノ高さhに比べて更に低くなっている。
以上、本発明のカラーフィルタの製造方法について、図8及び図9を参照して説明したが本発明のカラーフィルタの製造方法はこれらの一例に限定されるものではない。
例えば、緑色パターンの形成に適用してもよいし、青色パターンの形成に適用してもよい。
3色のカラーフィルタにおいて、樹脂ブラックマトリクス、赤色パターン、緑色パターン、及び青色パターンの全てにおいて本発明のカラーフィルタの製造方法を適用することで、本発明の効果がより効果的に得られることはもちろんである。
<着色パターン>
次に、本発明における着色パターンについて説明する。
本発明において着色パターンは、着色剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性樹脂層を用いて形成される。
前記着色パターンは、例えば、後述の感光性着色組成物を用いて好適に形成できる。
着色パターンは、一画素毎に孤立した孤立状パターンであってもよいし、複数画素に渡って連続的に設けられるストライプ状パターンであってもよい。前記ストライプ状パターンにおける各一列は、直線状に配列された複数画素に渡って連続的に設けられる形態が好適である。
着色パターンの膜厚は、1.0μm〜3.0μmであることが好ましく、1.5〜2.5μmであることがより好ましい。
ここにいう「着色パターンの膜厚」は、画素内における着色パターンの厚みを指す。
該膜厚が1.0μm以上であると、ブラックマトリクスと重なる画素周辺部での段差が急峻となり光り抜けが生じて表示むらとなる現象を、より効果的に抑制できる。また、該膜厚が3.0μm以下であると、大面積での色層の膜厚均一性が悪化する現象を、より効果的に抑制できる。
<樹脂ブラックマトリクス>
次に、本発明における樹脂ブラックマトリクスについて説明する。
本発明において「樹脂ブラックマトリクス」とは、樹脂を含む材質からなるブラックマトリクスを指す。
本発明において樹脂ブラックマトリクスは、遮光剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性樹脂層を用いて形成される。前記樹脂ブラックマトリクスは、例えば、後述の感光性濃色組成物を用いて好適に形成される。
樹脂ブラックマトリクスは、基板上を複数の画素に区画する格子状パターンとして形成されることが好ましい。
本発明における樹脂ブラックマトリクスの光学濃度(OD値)には特に限定はないが、2.0以上8.0以下とすることが好ましく、3.0以上さらに好ましくは4.0以上6.0以下とすることがより好ましい。光学濃度が2.0以上であると、コントラスト低下抑制等表示装置の表示品位の低下を抑制することができる。
なお、ここで言う光学濃度とは、ISO Visual透過光学濃度をいう。ISO Visual透過光学濃度の測定に用いることができる測定器としては、例えば、サカタインクスエンジニアリング株式会社のX−Rite 361T(V)を挙げることができる。
本発明における樹脂ブラックマトリクスの線幅としては、5〜30μmであることが、高開口率化による明度確保の観点から好ましい。
樹脂ブラックマトリクスの膜厚は、前述の通り、0.5μm〜2.0μmであることが好ましく、0.8〜1.5μmであることがより好ましい。
該膜厚が0.5μm以上であるとOD値を高くすることがより容易であり、遮光性をより向上させることができる。また、該膜厚が2.0μm以下であると、色層を積層したときの色層表面の傾きが急峻となり液晶の配向不良による光抜けが生じる現象を、より効果的に抑制できる。
<感光性樹脂組成物>
次に、本発明における感光性樹脂層の形成に好適な感光性樹脂組成物について説明する。前記感光性樹脂組成物は、着色剤及び/又は遮光剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含んで好適に構成される。
中でも、着色パターンの形成に用いられる感光性樹脂組成物としては、着色剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性着色組成物が好ましい。
また、樹脂ブラックマトリクスの形成に用いられる感光性樹脂組成物としては、遮光剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性濃色組成物が好ましい。
<感光性着色組成物>
本発明のカラーフィルタの着色パターン形成用として用いることができる感光性着色組成物は、感放射線性組成物(例えば、ネガ型の場合には、光により硬化する感放射線性組成物)であり、(A−1)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C−1)重合性化合物、(D)光重合開始剤、及び、(E)溶剤、を含有することが好ましく、所望により、さらに、高分子分散剤や界面活性剤などのその他の添加物を含んでいてもよい。
−(A−1)着色剤−
着色剤は、染料・顔料系を適宜選択することができ、着色剤として使用される顔料は、無機顔料であっても、有機顔料であってもよいが、高透過率とする観点から、なるべく粒子サイズの小さいものの使用が好ましい。平均粒子サイズは、10nm〜100nmであることが好ましく、さらに好ましくは、10nm〜50nmの範囲である。
さらに、本発明の液晶表示素子用カラーフィルタにおいては、感光性着色組成物に含有される顔料のうち、一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合が、該顔料の全量中、10%未満であり、かつ、一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合が、該顔料の全量中、5%未満であることが好ましい。
本発明に用いられる感光性着色組成物においては、後述する高分子分散剤を用いることで、着色剤のサイズが小さい場合であっても、顔料分散性、分散安定性が良好となるため、膜厚が薄くても色純度に優れる着色画素を形成しうる。
−−顔料の割合−−
本発明の液晶表示素子用カラーフィルタにおいては、感光性着色組成物に含有される顔料のうち、一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合が、該顔料の全量中、10%未満であり、かつ、一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合が、該顔料の全量中、5%未満であることが好ましい。
一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合が、10%未満であることで、耐熱性、色度変化を防止することができ、一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合が、5%未満であることで、コントラストが良く、感光性着色組成物塗布液の経時安定性が良く、さらには異物故障を防止することができる。
一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合は、耐熱性、及び色度変化防止の観点から、5%未満であることが好ましい。
一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合は、コントラストを良くする観点から、3%未満であることが好ましい。
顔料の一次粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて測定することができる。すなわち、TEM写真を画像解析して粒径分布を調べることにより行なう。例えば3〜10万倍での観察試料中の全粒子数と、0.02μm未満、及び0.08μmを超える顔料の粒子数を計測することで粒度分布を把握できる。
顔料の一次粒子径の観察には透過型電子顕微鏡が好適であり、例えば3〜10万倍での観察試料中の全粒子数と0.02μm未満、及び0.08μmを超える顔料の粒子数を計測することで粒度分布を把握できる。
一次粒子サイズについての、0.02μm未満の一次粒子の割合、および0.08μmを超える一次粒子の割合は、顔料粉体を透過型電子顕微鏡で観察し、個々の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満及び0.08μmを超える顔料の粒子の割合(個数%)を算出することにより得ることができる。より具体的には、顔料粉体を透過型電子顕微鏡で3〜10万倍で観察し、写真を撮り、1000個の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満、及び0.08μmを超える一次粒子の割合を算出する。この操作を顔料粉体の部位を変えて合計で3箇所について行い、結果を平均した。
着色パターン(着色画素)形成用の着色剤として用いうる無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で表される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物等を挙げることができる。
また、有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11、 24、 31、 53、 83、 93、 99、 108、 109、 110、
138、 139、 147、 150、 151、 154、 155、 167、 180、 185、 199;
C.I.ピグメント オレンジ 36、 38、 43、 71;
C.I.ピグメント レッド 81、 105、 122、 149、 150、 155、 171、 175、 176、 177、209、 220、224、 242、 254、 255、 264、 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19、 23、 32、 37、39;
C.I.ピグメント ブルー 1、 2、 15、 15:1、 15:3、 15:6、 16、 22、 60、 66;
C.I.ピグメント グリーン 7、 36、 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25、 28;
C.I.ピグメント ブラック 1
等、及び下記一般式(A)で表される化合物を挙げることができる。

前記一般式(A)中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、−N(CH、−N(C、−CF、塩素原子、又は臭素原子を表す。
中でも、Rは、塩素原子、水素原子、メチル基、又はフェニル基であることが好ましく、塩素原子、水素原子、又はメチル基であることがより好ましい。
本発明においては特に限定されるものではないが、下記の顔料がより好ましい。
前記一般式(A)で表される化合物;
C.I.ピグメント イエロー 11、 24、 108、 109、 110、 138、 139、 150、 151、 154、 167、 180、 185;
C.I.ピグメント オレンジ 36、 71;
C.I.ピグメント レッド 122、 150、 171、 175、 177、 209、 224、 242;
C.I.ピグメント バイオレット 19、 23、 37;
C.I.ピグメント ブルー 15:1、 15:3、 15:6、 16、 22、 60、 66;
C.I.ピグメント グリーン 7、 36、 37;
これら有機顔料は、単独若しくは、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤色相(R)用の顔料として、前記一般式(A)で表される化合物、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料単独又はそれらの少なくとも一種と、ビスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料との混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、前記一般式(A)で表される化合物としては、C.I.ピグメントレッド254(前記一般式(A)におけるRが塩素原子)が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:50が好ましい。特に、前記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑色相(G)用の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、又は、これとビスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180又はC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青色相(B)用の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えば、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:50が好ましく、より好ましくは100:5〜100:30である。
本発明に用いられる感光性着色組成物層中における(A−1)着色剤(顔料)の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、25質量%〜75質量%が好ましく、32質量%〜70質量%がより好ましい。(A−1)着色剤(顔料)の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
本発明では特に着色剤として有機顔料を用い、且つ顔料の微細化工程あるいは分散工程で、顔料を高分子化合物で被覆したものを用いることが好ましい。顔料を高分子化合物で被覆することによって微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる分散性が向上された被覆顔料、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた被覆顔料を用いることができる。
本発明で好適な態様である被覆顔料とは、高分子化合物で顔料が被覆されたものであるが、被覆とは微細化で生じた表面活性の高い顔料の新界面が、本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物との強い静電的作用によって、該高分子化合物の強固な被覆層を形成するため、より高い分散安定性を有する被覆顔料が得られるものと考えられる。即ち、本発明においては、被覆処理後の顔料は、高分子化合物を溶解する有機溶剤で洗浄しても、殆ど被覆した高分子化合物は遊離しない。
本発明でいう被覆顔料は、有機顔料などの顔料粒子が側鎖に複素環等の極性基を有する高分子化合物で被覆されているものであり、該高分子化合物が顔料粒子表面の一部或いは全部に強固に被覆されることでより高い分散安定性の効果を奏するものであり、一般的な高分子分散剤が顔料に吸着してなるものとは異なるものである。この被覆状態は以下に示す有機溶剤による洗浄で高分子化合物の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる高分子化合物は有機溶剤による洗浄によりその殆ど、具体的には、65%以上が遊離、除去されるが、本発明の如く表面被覆された顔料の場合には遊離率は極めて少なく、30%以下である。
被覆処理後の顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、遊離量を算出する。その方法は、顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機を用いて室温で3時間、振とうさせた。その後遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した高分子化合物の質量を求め、初期の処理に使用した高分子化合物の質量との比から、遊離率(%)を算出した。
市販等の顔料の遊離率は、以下の方法で測定できる。即ち、顔料を溶解する溶剤(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、蟻酸、硫酸など)で、顔料全体を溶解した後に、高分子化合物と顔料とに、溶解性の差を利用して有機溶剤で分離して、「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」として算出する。別途、顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、得られた上記の遊離量を、この「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」で除して遊離率(%)を求める。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
被覆処理は、顔料の微細化工程で同時に行うことが好ましく、具体的には、i)顔料と、ii)水溶性の無機塩と、iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤、およびiv)高分子化合物を加え、ニーダー等で機械的に混練する工程(ソルトミリング工程と称する)、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で撹拌しスラリー状とする工程、及び、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程を経て実施される。
上記したソルトミリングについて、さらに具体的に説明する。まず、i)有機顔料とii)水溶性の無機塩の混合物に、湿潤剤として少量のiii)水溶性の有機溶剤を加え,ニーダー等で強く練り込んだ後,この混合物を水中に投入し,ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に,このスラリーを濾過,水洗して必要により乾燥することにより,微細化された顔料が得られる。なお,油性のワニスに分散して用いる場合には,乾燥前の処理顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で,水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また水系のワニスに分散する場合は,処理顔料は乾燥する必要がなく,濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
ソルトミリング時に上記iii)有機溶剤にiv)少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、さらに微細で、表面がiv)少なくとも一部可溶な樹脂による被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ないものが得られる。
なお、iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。また分散工程で添加することも可能である。
顔料の被覆に用いる高分子化合物は顔料への吸着性基を有するものなら何でもよい。特に、側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆処理したものが好ましい。このような高分子化合物としては、下記一般式(1)で表される単量体、または、マレイミド、マレイミド誘導体からなる単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましく、下記一般式(1)で表される単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが特に好ましい。

前記一般式(1)中、Rは、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。
のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
で表される好ましいアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、Rは、単結合又は2価の連結基を表す。該2価の連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
で表されるアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
で表される好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
で表される好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
で表される2価の連結基としては、上記のアルキレン基の末端において、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有し、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介してZと連結するものであってもよい。
一般式(1)中、Zは複素環構造を有する基を表す。複素環構造を有する基としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、ピラジン、テトラゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、環状アミド、環状ウレア、環状イミド等の複素環構造が挙げられる。これらの複素環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基、等が挙げられる。
Zは、炭素数が6以上である含窒素複素環構造を有する基であることがより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環構造を有する基であることが特に好ましい。炭素数が6以上である含窒素複素環構造として具体的には、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造が好ましく、下記(2)、(3)又は(4)で表される構造であることが特に好ましい。

一般式(2)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。ここでRは、水素原子又はアルキル基を表す。Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(2)におけるXとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
一般式(4)中、Y及びZは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(R)−、−S−、又は−O−を表す。Rはアルキル基を表し、Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(4)における、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(R)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ、イミダゾリル基が挙げられる。
一般式(2)、(3)、および(4)で、環A、環B、環C、及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
具体的には、一般式(2)における環A及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(3)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(4)における環Dとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(2)、(3)および(4)で表される構造の中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、一般式(2)又は(4)においては、ベンゼン環がさらに好ましく、一般式(3)においては、ナフタレン環がさらに好ましい。
これらの具体的化合物として、下記MA−1〜MA−13、及び下記M−1〜M−33を挙げることができるが、本発明は、これらに限られるものではない。








また、上記MA−1〜MA−13、及びM−1〜M−33以外に、下記の化合物を挙げることができる。


上記した被覆処理した顔料を用いる場合でも、分散剤の少なくとも1種を使用して顔料を分散し、顔料分散組成物として使用することがさらに好ましい。この分散剤の含有により、顔料の分散性を向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77、P84、F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
分散剤の顔料分散組成物中における含有量としては、既述の顔料の質量に対して、1〜100質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましい。
上記した顔料分散組成物は、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として硬化性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明に係る顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
分散の方法は、例えば、顔料と分散剤を予め混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機等を用いて微分散させることによって行なえる。
−(B)アルカリ可溶性樹脂−
本発明の前記感光性着色組成物は、皮膜特性向上、現像特性付与などの目的で、アルカリ可溶性樹脂(バインダーポリマー)を含有することが好ましい。
本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
酸価としては、10mgKOH/g〜200mgKOH/g、好ましくは30mgKOH/g〜180mgKOH/g、更に好ましくは50mgKOH/g〜150mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R)(COOR) 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
また、分子側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。前記ポリアルキレンオキサイド鎖としては ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖あるいはこれらの併用も可能であり、末端は水素原子あるいは直鎖もしくは分岐のアルキル基である。
ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどおよびこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体である。
前記ビニル化合物としては、CH=CR 〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表す。〕具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
アクリル系樹脂は、既に述べたように、20mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有する。酸価が200mgKOH/g以下であれば、アクリル系樹脂がアルカリに対する溶解性が大きくなりすぎず、現像適正範囲(現像ラチチュード)が狭くなることを防止することができる。一方、20mgKOH/g以上あれば、アルカリに対する溶解性が小さくなり難いので、現像時間の長時間化を防止することができる。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、感光性着色組成物を塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
また、本発明における感光性着色組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基をアルカリ可溶性樹脂に有した樹脂を単独もしくは重合性基を有しないアルカリ可溶性樹脂と併用してもよく、アリール基、(メタ)アクリル基、アリールオキシアルキル基等を側鎖に含有したポリマー等が有用である。重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液での現像が可能であって、さらに光硬化性と熱硬化性を備えたものである。これら重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、1分子中に、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素間不飽和結合とを含むものであれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する例えばメタクリル酸と、これらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物、等を使用できる。OH基との反応ではエポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。
また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素間不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の添加量としては、感光性着色組成物層の全固形分中、3〜30質量%の範囲であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
感光性着色組成物の調製時にはバインダーポリマーとして、上記アルカリ可溶性樹脂に加え、さらに下記のエポキシ樹脂も添加することが好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物が挙げられる。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD-115、YD-118T、YD-127、YD−128、YD-134、YD-8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上、ナガセ化成(株)製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられ、その他にも、これらと類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂も使用可能なものとして挙げることができる。
また、Ebecryl 3700、3701、600(以上、ダイセルユーシービー(株)製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上、東都化成(株)製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル-4,4’
−ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上、東都化成(株)製)、Epiclon430、同673、同695、同850S、同4032(以上、大日本インキ化学工業(株)製)などを挙げることができる。また1,1,2,2
−テトラキス(p-グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p-グリシジルオキシフェニ
ル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル
酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
この中で好ましいのは「分子量/エポキシ環の数」が100以上であり、より好ましいものは130〜500である。「分子量/エポキシ環の数」が小さいと硬化性が高く、硬化時の収縮が大きく、また大きすぎると硬化性が不足し、信頼性に欠けたり、平坦性が悪くなる。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
−(C−1)重合性化合物−
本発明に用いられる感光性着色組成物は、(C−1)重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (V)
(ただし、R及びRは、各々独立に、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、着色画像部すなわち、感光性着色組成物層の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、感光性着色組成物層中の他の成分(例えばアルカリ可溶性樹脂、開始剤、着色剤(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
なかでも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
(C−1)重合性化合物の含有量は、本発明の感光性着色性組成物層中の全固形分中、5質量%〜55質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがより好ましく、15質量%〜45質量%であることが更に好ましい。
−(D)光重合開始剤−
本発明の感光性着色性組成物は、(D)光重合開始剤を含有することが好ましい。
前記光重合開始剤は、光により分解し、前記(C−1)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、前記光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
前記光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc
Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としてはm−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ジ(9−アクリジニル)エタン、1,3−ジ(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ジ(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ジ(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ジ(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ジ(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ジ(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ジ(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ジ(9−アクリジニル)デカン、1,11−ジ(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ジ(9−アクリジニル)ドデカン等のジ(9−アクリジニル)アルカン、などを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化琥珀酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報に記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報に記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号公報、特開昭62−150242号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報、特開2000−131837号公報、特開2002−107916号公報、特許第2764769号公報、特願2000−310808号公報等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等に記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報に記載の化合物等が挙げられる。具体例としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02などが好適である。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号明細書、米国特許第339,049号明細書、同第410,201号明細書の各明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−296514号公報の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するヨードニウム塩などが好ましい。
本発明に好適に用いることのできるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号明細書、同390,214号明細書、同233,567号明細書、同297,443号明細書、同297,442号明細書、米国特許第4,933,377号明細書、同161,811号明細書、同410,201号明細書、同339,049号明細書、同4,760,013号明細書、同4,734,444号明細書、同2,833,827号明細書、独国特許第2,904,626号明細書、同3,604,580号明細書、同3,604,581号明細書の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello
et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
(D)光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
(D)光重合開始剤の含有量は、感光性着色組成物層中の全固形分に対し0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜15質量%、特に好ましくは1質量%〜10質量%である。この範囲で、良好な感度とパターン形成性が得られる。
−(E)溶剤−
本発明に用いられる感光性着色組成物は、一般に溶剤を用いて調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなど)、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチルなど)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、1,3-ブタンジオールジアセテート等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
アルコール類、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−その他の添加物−
また、本発明に用いられる感光性着色組成物には、上記成分の他に、さらに、目的に応じて種々の公知の添加剤を用いることができる。
以下、そのような添加剤について述べる。
(分散剤)
本発明における感光性着色組成物は高分子分散剤を含有することが好ましい。この高分子分散剤は重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にある樹脂である。さらに、酸価が20mgKOH/g〜300mgKOH/gであることが好ましい。このような特定の高分子分散剤を、以下、単に、「分散樹脂」と称する場合がある。
本発明における分散樹脂は、前記(A−1)着色剤として挙げた顔料の分散剤、または、後述するブラックマトリクス形成のための感光性濃色組成物において、遮光剤(ブラックマトリクス形成用顔料)の分散剤として機能しうる化合物である。
分散樹脂は、特定の酸価を有する必要があるため、酸性基を有する高分子化合物であることが好ましい。
この高分子化合物の高分子骨格としては、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体若しくは共重合体が特に好ましい。
また、上記のような高分子骨格に酸性基の導入する方法としては、例えば、上記の高分子骨格を重合する際に酸性基を含有するモノマーを共重合する方法や、また、上記の高分子骨格を重合後に高分子反応により導入する方法が挙げられる。
酸性基を含有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステル、或いは2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール性水酸基含有モノマーと無水マレイン酸、無水フタル酸などの環状酸無水物等を反応させることにより得られるモノマーなどが挙げられる。
更に、酸性基を有する高分子化合物は、更に、ビニルモノマー成分を共重合してなるものであってもよい。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
前記「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が特に好ましい。
また、分散性向上のため、塩基性窒素原子を有する基を含有することも好ましい。前記塩基性窒素原子を有する基は、例えば、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、又は−NR10;ここで、R、R、及びR10は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記化学式(a1)で表されるグアニジル基、又は、下記化学式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。

上記化学式(a1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
上記化学式(a2)中、R13及びR14は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH)、置換イミノ基(−NHR、又は−NR10;ここで、R、R、及びR10は、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。)、前記化学式(a1)で表されるグアニジル基〔化学式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。〕、前記化学式(a2)で表されるアミジニル基〔化学式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。〕などには、1〜200個の水素原子、及び0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が含まれ、これらは無置換であっても置換基を更に有していてもよい。
(他の分散剤)
本発明に用いられる感光性着色組成物は、分散樹脂以外に、従来から公知の分散剤(顔料分散剤)を併用することもできる。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる公知の分散剤(顔料分散剤)の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−107(カルボン酸エステル)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロン#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
上記のような公知の分散剤は、必要に応じて分散樹脂に対して、10質量%〜100質量%、即ち、1/10〜1/1(等量)の範囲で用いることができる。
(界面活性剤)
顔料濃度を大きくすると塗布液のチキソ性が一般的に大きくなるため、基板上に感光性着色組成物を塗布または転写して感光性着色組成物層(着色層塗膜)形成後の膜厚ムラを生じやすい。また特に、スリットコート法による感光性着色組成物層(着色層塗膜)形成では乾燥までに感光性着色組成物層形成用の塗布液がレベリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。このため、前記感光性着色組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が添加される。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール類、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシプロピレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類などのノニオン系界面活性剤がある。
これらの具体例は、例えば、アデカプルロニックシリーズ、アデカノールシリーズイ、テトロニックシリーズ(以上ADEKA(株)製)、エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ(以上花王(株)製)、エレミノールシリーズ、ノニポールシリーズ、オクタポールシリーズ、ドデカポールシリーズ、ニューポールシリーズ(以上三洋化成(株)製)、パイオニンシリーズ(以上竹本油脂(株)製)、ニッサンノニオンシリーズ(以上日本油脂(株)製)などである。これらの市販されているものが適宜使用できる。好ましいHLB値は8〜20、更に好ましくは10〜17である。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08(大日本インキ(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)などである。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、感光性着色組成物層を形成するための塗布液100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5質量部を超える場合は、塗布乾燥での表面あれが生じやすく平滑性が悪化しやすくなる。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、光硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシフェノキシ酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
(アルコキシシラン化合物)
本発明に用いられる感光性着色組成物には、基板との密着性向上といった観点から、アルコキシシラン化合物、なかでもシランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましく、有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す(メタ)アクリロイル、フェニル、メルカプト、エポキシシランであることが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシランであることがより好ましい。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、本発明に用いられる感光性着色組成物層中の全固形分中、0.2質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、0.5質量%〜3.0質量%がより好ましい。
(共増感剤)
本発明に用いられる感光性着色組成物は、所望により共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1質量%〜30質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5質量%〜20質量%の範囲が更に好ましい。
(重合禁止剤)
本発明においては、感光性着色組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノキサジン、フェノチアジン等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、感光性着色組成物層中の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
(可塑剤)
さらに、本発明においては、感光性着色組成物層の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
上述した成分を用いることで、本発明における感光性着色組成物は、高感度で硬化し、かつ、保存安定性も良好となる。また、基板への高い密着性を示す。従って、前記各種成分を含有する感光性着色組成物は、カラーフィルタに好ましく使用することができる。
<感光性濃色組成物>
本発明に用いられる感光性濃色組成物は、(A−2)遮光剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C−2)重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有することが好ましく、必要に応じて、分散剤や界面活性剤などの他の添加剤を含有させることができる。
−(A−2)遮光剤−
(A−2)遮光剤としては、前記(A−1)着色剤のほか、カーボンブラック、チタンブラック、金属微粒子、金属酸化物、硫化物の微粒子などが挙げられる。本発明の液晶表示素子用カラーフィルタにおけるブラックマトリクスの光学濃度(OD値)を3.5以上とすることができるものであれば、特に制限はないが、中でも、光学濃度(OD値)を3.5以上とし易く、遮光性とコストのバランスに優れているカーボンブラックが特に好ましい。
これらは必要に応じて、単独又は複数種組み合わせて用いられる。例えば、カーボンブラック単独、有機顔料の混合、カーボンブラックと有機顔料の併用などである。
遮光用の材料としては従来から黒色着色剤として、可視光領域を遮蔽するように顔料を少なくとも2種以上併用して用いられてきた。これらの顔料としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の顔料を挙げることができ、これらの顔料を使用した遮光層の形成は特開平7−271020などに開示されている。
遮光効果をより大きくするために特開2000−147240、特開2000−143985、特開2005−338328、特開2006−154849などでは、カーボンブラック、チタンブラック、または黒鉛等が遮光材料の好適なものとして開発されてきた。本発明においては、遮光性やコストの観点から、カーボンブラックは遮光材料のひとつとして好ましいものである。
カーボンブラックの例としては、ピグメント・ブラック7(カーボンブラック)が好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラックN339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLP;デグサ社製のカーボンブラックColor
Black FW200、Color Black FW2、Color Black
FW1、Color Black FW18、Color Black S170、Color Black S160、Special Black6、Special Black5、Special Black4、Special Black4A、Printex U、PrintexV、Printex 140U、Printex 140V、Printex 35;Cabot社製のカーボンブラックREGAL 400、REGAL 400R、REGAL XC72、VULCAN XC72R、MOGUL L、MONARCH 1400、MONARCH 1000、BLACK PEARLS1400;旭カーボン社製のカーボンブラックSUNBLACK900、同910、同930、同960、同970等を挙げることができる。また電気抵抗を大きくするためにこれらを高分子化合物で被覆したものも好ましいものである。これらのカーボンブラックの好ましい単粒子の大きさは10〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。
−(C−2)重合性化合物−
ブラックマトリクス形成用の感光性濃色組成物における(C−2)重合性化合物としては、前記感光性着色組成物において用いられた(C−1)重合性化合物も、好ましいものとして挙げられるが、特に以下に示すものが好ましい。
感光性濃色組成物における重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
また酸性多官能光硬化性化合物も好ましい化合物である。酸性多官能光硬化性化合物としては、(1)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを二塩基酸無水物で変性することによりカルボキシル基を導入したもの、(2)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーに、グリシジル基もしくはイソシアネート基とCOOH基とを併せ持つ化合物等を付加することによってカルボキシル基を導入したもの、あるいは(3)3つ以上の光硬化性官能基を有する芳香族化合物を濃硫酸や発煙硫酸で変性することによりスルホン酸基を導入したもの等を用いることができる。また、酸性多官能光硬化性化合物そのものであるモノマーを繰返し単位として含むオリゴマーを、酸性多官能光硬化性化合物として用いてもよい。
酸性多官能光硬化性化合物の例としては、下記一般式(i)、一般式(ii)で表されるものが好ましい。なお、一般式(i)及び一般式(ii)において、T又はGがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がR、X及びWに結合する。
一般式(i)中、Rは、(メタ)アクリロイロキシ基を表し、Xは、−COOH基、又は−OPO基を表す。Tは、オキシアルキレン基を表し、ここでアルキレン基の炭素数は1〜4である。nは、0〜20である。
一般式(ii)中、Wは、一般式(i)におけるR又はXを表し、6個のWのうち、3個以上のWがRである。Gは、一般式(i)におけるTと同義である。Zは、−O−又は、−OC=ONH(CH)qNHCOO−を表す。pは0〜20であり、qは1〜8で
ある。一分子内に複数存在するR、X、T、Gは、各々同一であっても、異なっていても良い。
一般式(i)及び一般式(ii)で表される酸性多官能光硬化性化合物の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、上記カルボキシル基含有5官能アクリレートなどが好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
ブラックマトリクス形成用として用いられる感光性濃色組成物における(C−2)重合性化合物の含有量としては、感光性濃色組成物層の全固形分中、5質量%〜50質量%であることが好ましく、7質量%〜40質量%であることがより好ましく、10質量%〜35質量%であることが更に好ましい。
感光性濃色組成物に用いられる(B)アルカリ可溶性樹脂、(D)重合開始剤、(E)溶剤、その他の添加剤などは前記した着色パターン形成用の感光性着色組成物におけるものと同様であり、好ましい含有量も同様である。
≪液晶表示装置≫
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置である。そのため、表示ムラが抑制されており、コントラストが高い。
スペーサについては塗布による作製方法や転写による作製方法を好適に用いることができる。塗布による作製方法は工程が簡単である点で好ましい。転写による作製方法はスペーサ高さの均一性が良い点で好ましい。転写による作製方法については特願2007−185797記載の方法が特に好ましい。
表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明は、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明の遮光膜付基板はこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(200
5)(A.Konno et.al)や、月刊デイスプレイ 2005年12月号の18
〜24ページ (島 康裕)、同25〜30ページ(八木 隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタは、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
また一方で、液晶表示装置に求められる性能は画像の応答速度の向上である。応答速度の向上のために液晶の配向速度の改良がなされている。一方セルの構造面からは液晶層の厚み低減が、コストダウン上も必要である。液晶層の厚み低減に必要なもうひとつの技術は、着色画素とブラックマトリクスの境界部分での液晶の配向乱れを小さくすることである。そのため、着色画素とブラックマトリクスとの境界部分での盛り上がり(ツノ)を小さくすることが求められる。
本発明のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタは、重なり部O付近における着色パターンの段差が小さいため、液晶表示装置に用いた際、液晶の配向乱れを抑制することができ、その結果、コントラストを向上できる。
このように、本発明のカラーフィルタは、前記重なり部での液晶の配向の乱れを低減することができ、画像表示した際の視認性も向上する。本発明の液晶表示装置に、本発明のカラーフィルタを用いることで、各着色画素のブラックマトリクスとの重なり部を平坦にすることができ、平坦性が良好になるため、液晶層を薄層化したり、透明電極ITOを敷設する前に、研磨したり、平坦化層を付与したりする必要がなくなり、工程の合理化ひいてはコストダウン、量産性に貢献できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の範囲から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。また、「wt%」は「質量%」を表す。
<露光マスク>
まず、カラーフィルタの赤色画素用の露光マスクとして、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低い開口パターンを有するマスク1及びマスク2を準備した。
別途、開口パターン周辺部に半透過膜を設けた比較用マスクAを準備した。
更に、ハーフトーンマスクではない(詳細には、開口パターン中央部及び周辺部がすべて透過領域となっている)通常の露光マスクである比較用マスクBを準備した。
マスク1、マスク2、比較用マスクA、及び比較用マスクBの仕様を下記表1に示す。

〜表1の説明〜
・マスク1及びマスク2は、前述の第1の例及び第2の例(図2〜図6)と同様のパターンとなっている。TE−MAX、TE−MIN、WMAX、WMIN、WAVE、SMAX、SMIN、及びSAVE、についても前述のとおりである。
・いずれの露光マスクにおいても、開口パターン中央部における透過領域密度は100%である。
・いずれの露光マスクにおいても、開口パターンの形状は、幅100μmのストライプ状の開口パターンとした。
・いずれの露光マスクにおいても、開口パターン周辺部の幅は、8.0μmとした。
・(※1) … 開口パターン中央側から開口パターン端に向かうにつれて遮光領域のサイズが増大するようになっている。
・(※2) … 開口パターン中央側から開口パターン端に向かうにつれて遮光領域群の密度が増大するようになっている。
・(※3) … 開口パターン周辺部全体に透過率50%の半透過膜(クロム膜)が形成されている。
・(※4) … 開口パターン周辺部全体が透過領域(遮光領域なし)となっている。
なお、以下の説明において、「パターン露光」においては特に断りのない限り、露光マスクとしてはハーフトーンマスクではない通常の露光マスク(比較用マスクBのような露光マスク)を用いた。
〔実施例1〕
<1.感光性濃色組成物の調製>
−カーボンブラック分散液(K−1)の調製−
下記処方でカーボンブラック分散液(K−1)を調製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 カラーブラックFW2) ・・・ 26.7部
・分散剤(楠本化成製ディスパロンDA7500 酸価26 アミン価40)
・・・ 3.3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体(分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液) ・・・ 10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 60部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、カーボンブラック分散液(K−1)を得た。
得られたカーボンブラック分散液(K−1)を用いて、下記表2の処方で感光性濃色組成物塗布液CK−1を調製した。表2中の数値は質量比を示す。
表2中の各成分の詳細は下記のとおりである。
・樹脂溶液C−2:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=85/15モル比)共重合体、(Mw10000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液)
・UV硬化性樹脂C−3:商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業(株)製〔側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)〕
・重合性化合物C−5:日本化薬(株)製 KAYARAD DPHAと、日本化薬(株)製 KAYARAD R−684と、の60対40(質量比)の混合物
・開始剤C−7:商品名「OXE−02」 チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製
・界面活性剤C−8:商品名「メガファックR30」 大日本インキ化学工業(株)製
・溶剤:PGMEA=プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP=3−エトキシエチルプロピオネート
<2.樹脂ブラックマトリクスの形成>
−感光性濃色組成物層形成工程−
得られた感光性濃色組成物CK−1を用いて、以下のようにして、格子状パターンである樹脂ブラックマトリクスを、ガラス基板上に形成した。
まず、前記感光性濃色組成物CK−1を、洗浄したガラス基板(コーニング社製ミレニアム 0.7mm厚)にスリットコーター(型番HC6000、平田機工株式会社製)を用いて、ポストベーク後の膜厚が1.2μmとなるようにスリットとガラス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−プリベーク工程、露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、80℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった後、プロキシミティ方式露光機(型番LE5565A、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、60mJ/cmでパターン露光した。
−現像工程−
その後、水平搬送型の現像装置で現像した。すなわち、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、24℃)でシャワー圧を0.15MPaに設定して、37秒現像し、純水で洗浄し、現像後のブラックマトリクスパターンを得た。
−ポストベーク工程−
次いで220℃のクリーンオーブンで40分間ポストベーク処理し、基板上に格子状パターンであるブラックマトリクスが形成されたブラックマトリクス付き基板を得た。
得られたブラックマトリクスは、画素である開口部が90μm×200μmで、厚みが1.2μmで、画素の長手方向と平行な方向のパターンの線幅が25μmであった。
X−Rite 361T(V)(サカタインクスエンジニアリング(株)製)を用いて、出来上がったブラックマトリクスの光学濃度(OD)を測定したところ、4.2であった。
<3.感光性着色組成物の調製>
− 3−1.赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1の調製 −
(顔料分散液1の調製)
顔料分散液1(赤色(R)用顔料分散液)を次のようにして調製した。すなわち、下記表3に記載の組成にて、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて8時間分散処理を行なった。

前記表3中の成分の詳細は下記のとおりである。
・C.I.Pigment Red254
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 CROMOPHTAL RED BP
〔前記一般式(A)におけるRが塩素原子である顔料〕
・ディスパービック161
ビックケミー社製
〔30質量%溶液を用いた。したがって、固形分は2.1部である。〕
・PEGMEA
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(感光性着色組成物CR−1の調製)
得られた顔料分散液1にさらに下記表4に記載の組成の成分を添加し、撹拌混合して赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を調製した。

前記表4中の成分の詳細は下記のとおりである。
・BZMA/MMA
ベンジルメタクリレートとメタクリル酸(=70/30[モル比])との共重合体
重量平均分子量=30,000
・DPHA
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/1−メトキシ−2−プロピルアセテート(76/24[質量比])日本化薬(株)製、「KAYARAD DPHA」〕
・LD5
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール〔保土ヶ谷科学社製、「B−CIM」〕
・トリアジン系開始剤1
4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン)
・エピクロンN695
大日本インキ化学工業社製、「エピクロン695」
・PEGMEA/EPA
プロピレングリコールメチルエーテルアセテートと3−エトキシエチルプロピオネート(=80/20[質量比])の混合溶液
・界面活性剤1
大日本インキ化学工業社製、メガファックF−780−F
感光性着色組成物塗布液CR−1中の顔料について、感光性着色組成物塗布液CR−1の全固形分に対する「一次粒子径が0.08μmを超える顔料」及び、「一次粒子径が0.02μm未満の顔料」の割合は、次のようにして求めた。
すなわち、顔料粉体を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、TEM写真を画像解析して粒径分布を調べ、一次粒子径を求めた。具体的には、10万倍での観察試料中の全粒子数と0.02μm未満、及び0.08μmを超える顔料の粒子数を計測した。
一次粒子径についての、0.02μm未満の一次粒子の割合、0.08μmを超える一次粒子の割合は、個々の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満及び0.08μmを超える顔料の粒子の割合(個数%)を算出した。顔料粉体を透過型電子顕微鏡で3〜10万倍で観察し、写真を撮り、1000個の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満及び0.08μmを超える一次粒子の割合を算出した。この操作を顔料粉体の部位を変えて合計で3箇所について行い、結果を平均したところ、「一次粒子径が0.08μmを超える顔料」の割合は、0.50%(個数分布)であり、「一次粒子径が0.02μm未満の顔料」の割合は、1.6%(個数分布)であった。
− 3−2.緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1の調製−
下記処方で緑色(G)用分散液(G−1)を調製した。
・Pigment Green 36(SEM観察での平均粒子径47nm)
・・・11部
・Pigment Yellow150(SEM観察での平均粒子径39nm)
・・・7部
・後述の分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=85/15[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・11部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・70部
上記各成分を3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて8時間微分散処理を施し、緑色(G)用分散液(G−1)を得た。
得られた緑色(G)用分散液(G−1)を用いて、下記処方で緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を調製した。再びSEMで観察すると平均粒子径は32nmであった。
・緑色(G)用分散液(G−1) ・・・100部
・エポキシ樹脂:(商品名EHPE3150 ダイセル化学工業社製) ・・・2部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・・・8部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールのテトラ(エトキシアクリレート)
・・・2部
・重合開始剤:1,3−ビストリハロメチル−5−ベンゾオキソラントリアジン
・・・2部
・重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1 ・・・1部
・重合開始剤:ジエチルチオキサントン ・・・0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製) ・・・0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製)・・・0.5部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・120部
・溶剤:プロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート ・・・30部
上記組成を混合撹拌し、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1を得た。
得られた緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1の25℃における粘度を、東機産業(株)製のE型粘度計(RE−80L)を用いて測定したところ、0.3×10−2Pa・sであった。
− 3−3.青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1の調製−
下記処方で青色(B)用分散液(B−1)を調製した。
・Pigment Blue 15:6(SEM観察での平均粒子径55nm)
・・・14部
・Pigment Violet 23(SEM観察での平均粒子径61nm)
・・・1部
・後述の分散樹脂A−3 ・・・5部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製 30%溶液)
・・・3部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・4部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73部
上記各成分を、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いてビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、青色(B)用分散液(B−1)を得た。再びSEMで観察すると平均粒子径は39nmであった。
得られた青色(B)用分散液(B−1)を用いて、下記処方で青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を調製した。
・青色(B)用分散液(B−1) ・・・100部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(=80/20[モル比]共重合体、分子量30,000)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)) ・・・7部
・エポキシ樹脂:(商品名セロキサイド2080 ダイセル化学工業社製)・・・2部
・UV硬化性樹脂:(商品名サイクロマーP ACA−250 ダイセル化学工業社製)
(側鎖に脂環、COOH基、及びアクリロイル基のあるアクリル系共重合体、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%) ・・・4部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート ・・・12部
・重合開始剤:1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル)−1−(o−アセチルオキシム)エタノン ・・・3部
・重合禁止剤: p−メトキシフェノール ・・・0.001部
・フッ素系界面活性剤(商品名:Megafac R08 大日本インキ化学工業社製)
・・・0.02部
・ノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60 花王社製) ・・・1.0部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル ・・・20部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・150部
上記成分を混合撹拌し、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1を得た。
得られた青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1の25℃における粘度を、東機産業(株)製のE型粘度計(RE−80L)を用いて測定したところ、0.3×10−2Pa・sであった。
<4.分散樹脂A−3の合成>
(1.連鎖移動剤A3の合成)
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕(下記化合物(33))7.83部、及び吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する下記化合物(m−6)4.55部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル28.90部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.04部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.04部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却することで、以下に示すメルカプタン化合物(連鎖移動剤A3)の30%溶液を得た。
(2.分散樹脂A―3の合成)
前記のようにして得られた連鎖移動剤A3の30%溶液4.99部、メタクリル酸メチル19.0部、及びメタクリル酸1.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテル4.66部の混合溶液を、窒素気流下、90℃に加熱した。この混合溶液を攪拌しながら、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.139部、プロピレングリコールモノメチルエーテル5.36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.40部の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了してから、90℃で2.5時間反応させた後、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.046部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.00部の混合溶液を投入し、更に2時間反応させた。反応液にプロピレングリコールモノメチルエーテル1.52部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21.7部を加え、室温まで冷却することで分散樹脂A−3(ポリスチレン換算の重量平均分子量24000)の溶液(特定分散樹脂30質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル21質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49質量%)を得た。
この分散樹脂A−3の酸価は48mg/gであった。分散樹脂A−3の構造を以下に示す。
<5.カラーフィルタの作製>
−感光性着色組成物層形成−
まず、上記で得られた赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、前記ブラックマトリクス基板のブラックマトリクス形成面側に、塗布した。具体的には、感光性濃色組成物層形成の場合と同様に、ポストベーク後の感光性着色組成物層の層厚が2.0μmとなるようにスリットとブラックマトリクス基板間の間隔、吐出量を調節して、塗布速度120mm/秒で塗布した。
−着色層プリベーク工程、着色層露光工程−
次いで、前記塗布により感光性着色組成物層(着色層)に対しホットプレートを用いて、100℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行なった。
次に、プリベーク処理後の着色層に対し、プロキシミテイー露光機(日立ハイテク社製、LE5565A)を用い、前記で準備したマスク1を介して露光量90mJ/cmでパターン露光を行った。
この際、前記着色層のうち、ブラックマトリクスとの重なり部を露光マスクの開口パターンの周辺部を介して露光し、前記感光性樹脂層のうちブラックマトリクスとの非重なり部を前記開口パターンの中央部を介して露光した。
また、露光パターンと、ブラックマトリクスとの重なり(露光重なり量)が8.0μmとなるようにマスクパターンと露光機を設定した。
−着色層現像工程、着色層ベーク(ポストベーク)工程−
その後、現像装置(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.2MPaに設定して、45秒現像し、純水で洗浄した。
次いで220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理し、熱処理済みの赤色画素を形成した。
次いで、上記感光性着色組成物層形成工程、着色層プリベーク工程、着色層露光工程、着色層現像工程、及び着色層ベーク工程において、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、緑色(G)用感光性着色組成物塗布液CG−1に代えた他は同様にして、緑色パターンを形成した。但し、この緑色パターン形成におけるパターン露光においては、マスク1ではなく、通常の露光マスク(比較用マスクBのような、開口パターン周辺部が全て透過領域となっている露光マスク)を用いた。
さらにその後、赤色(R)用感光性着色組成物塗布液CR−1を、青色(B)用感光性着色組成物塗布液CB−1に代えた他は同様にして、青色パターンを形成し、カラーフィルタを得た。但し、この青色パターン形成におけるパターン露光においては、マスク1ではなく、通常の露光マスク(比較用マスクBのような、開口パターン周辺部が全て透過領域となっている露光マスク)を用いた。
<液晶表示装置の作製>
上記より得たカラーフィルタのR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極を、スパッタリングにより形成した。そして、前記ITO透明電極上のブラックマトリクスの上方に相当する部分に柱状フォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
別途、対向基板としてTFT(薄膜トランジスタ)を備えたアクティブマトリクス基板を用意し、TFT形成面側にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの着色画素群の周囲を取り囲むように設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、TNモード用液晶を滴下して真空状態にて対向基板と貼り合わせ、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして液晶セルを得た。この液晶セルの両面に(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付け、次いで冷陰極管のバックライトを構成して前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
<カラーフィルタの評価>
上記カラーフィルタの作製において赤色画素形成(ポストベーク)までを完了させた測定用サンプルを準備し、下記の各評価を行った。評価結果を下記表5に示す。
(パターン端部の断面形状)
上記測定用サンプルにおいて、赤色画素の長手方向を2等分する面であって、基板に垂直な面で測定用サンプルを切断し、走査型電子顕微鏡を用いて、前述の図8に示すような構図で断面SEM写真を撮影した(倍率5000倍)。SEM撮影は、基板面内10箇所について行った。
得られたSEM写真に基づき、パターン端部(赤色画素端部)の断面形状を観察し、下記評価基準にて評価した。
〜評価基準〜
A … 10箇所全てにおいて、パターン端部の断面形状はテーパー形であった。
B … 1箇所以上5箇所未満において、パターン端部の断面形状が垂直であり、残りの箇所はテーパー形であった。
C … 5箇所以上10箇所未満において、パターン端部の断面形状が垂直であり、残りの箇所はテーパー形であった。
D … 10箇所全てにおいて、パターン端部の断面形状は逆テーパー形であった。
(パターン端部の剥がれ)
上記測定用サンプルを光学顕微鏡にて観察し(倍率500倍)、パターン端部(赤色画素端部)の剥がれの有無を確認し、下記評価基準にて評価した。
〜評価基準〜
A … パターンの剥がれは確認されなかった。
B … パターンの剥がれは確認されたものの、100画素当たり1箇所未満であった。
C … パターンの剥がれが確認され、100画素当たり1箇所以上5箇所未満であった。
D … パターンの剥がれは100画素当たり5箇所以上であり、特に顕著であった。
(ツノ高さ)
接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用い、上記測定用サンプルにおいて無作為に選んだ100の赤色画素の「ツノ高さ」を測定し、算術平均を平均ツノ高さとした。
ツノ高さの測定は、赤色画素長辺側の中央付近で、画素の幅方向(即ち、ブラックマトリクスの幅方向)に触針を動かして行った。
また、ツノの高さは、着色画素の中央部(ブラックマトリクスとの非重なり部)の平坦面から、着色画素のブラックマトリクスとの重なり部において最も高い位置までの高さとして求めた。
<液晶表示装置の評価>
上記で得られた液晶表示装置に通電し、下記の評価を行った。評価結果は下記表5に示す。
(表示ムラ評価)
上記で得られた液晶表示装置に通電し、各種表示画像を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
A:表示ムラが無く、表示が鮮やかで迫力があると感じる。
B:表示ムラは無いが、表示に迫力を感じない。
C:表示ムラがあったり、白っぽく見えたりした。
D:表示ムラ、点欠陥等の表示不良が特に顕著であった。
(コントラスト評価)
上記で得られた液晶表示装置に通電し、全白表示時の輝度と全黒表示時の輝度とを、それぞれ暗室にて、色彩輝度計(トプコン社製BM−5A)を用いて測定した。いずれの輝度も、液晶表示装置の表示画面中央部にて測定した。
比率〔全白表示時の輝度/全黒表示時の輝度〕をコントラストとし、下記評価基準に基づいてコントラストを評価した。
〜評価基準〜
A … コントラストが800以上であった。
B … コントラストが500以上800未満であった。
C … コントラストが250以上500未満であった。
D … コントラストが250未満であった。
〔実施例2〜6、比較例1〜6〕
実施例1の赤色画素の形成において、感光性樹脂組成物や露光マスクを下記表5に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表5に示す。
なお、下記表5中、感光性着色組成物塗布液CR−2及びCR−3は、下記のようにして調製した。
−側鎖に複素環を有する高分子化合物の合成例−
(重合体1の合成)
M-11(下記構造)27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換した三つ口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温した。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.69g加え、3時加熱攪拌の後、重合体1の30質量%溶液を得た。得られた高分子化合物の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.0万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。
(重合体2の合成)
M-6(下記構造)27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.80g加え、90℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.80g加え、3時加熱撹拌の後、重合体2の30質量%溶液を得た。ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた高分子化合物の重量平均分子量を測定した結果、2.1万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、99mgKOH/gであった。

(被覆顔料1の調製)
顔料(C.I.Pigment Red254 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 CROMOPHTAL RED BP) 50g、塩化ナトリウム 500g、上記した重合体1の溶液 20g、およびジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、乾燥して被覆顔料1を調製した。
(被覆顔料2の調製)
被覆顔料1の調製で、Pigment Red254の代わりに、C.I.Pigment Green 36(日本ルーブリゾール社製 Monastral Green 6Y−CLを用いて、また重合体1の代わりに重合体2を用いて、他は被覆顔料1の調製と同様にして被覆顔料2を調製した。
(顔料の被覆度の評価)
得られた顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール 100mL中に投入し、振とう機にて室温で3時間、振とうさせた。その後、遠心分離機にて、80,000rpm、8時間かけて顔料を沈降させた。上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した高分子化合物の量を求め、処理に使用した高分子化合物との比から、遊離率(%)を算出した。遊離率は小さいほど顔料への被覆度が高い。
上記で得た被覆顔料1および2は、いずれも20質量%以下の遊離量を示し、被覆された顔料であることがわかった。
−感光性着色組成物塗布液CR−2の調製−
(顔料分散液2の調製)
顔料分散液1の調製で、顔料(C.I.Pigment Red254 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 CROMOPHTAL RED BP)35部の代わりに、被覆顔料1を顔料相当分で35部用いた以外は、顔料分散液1の調製と同様にして、顔料分散液2を得た。
(感光性着色組成物塗布液CR−2の調製)
得られた顔料分散液2にさらに以下の組成の成分を添加し、撹拌混合して感光性着色組成物塗布液CR−2を調製した。
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレートとメタクリル酸(=70/30[モル比])との共重合体 重量平均分子量=30,000 19.8部
・モノマー:日本化薬社製 DPHA 20部
・重合開始剤:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 3部
・重合開始剤:4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン 3部
・ジエチルアミノベンゾフェノン 0.5部
・N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール 0.5部
・多官能エポキシ化合物:大日本インキ化学工業社製 エピクロン695 5部
・界面活性剤:前記界面活性剤1 1.0部
・溶剤(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート/3−エトキシエチルプロピオネート=8/2) 400部
−感光性着色組成物塗布液CR−3の調製−
(顔料分散液3の調製)
顔料分散液2の調製で、被覆顔料1の代わりに、被覆顔料2を顔料相当分で35部用いた以外は、顔料分散液2の調製と同様にして、顔料分散液3を得た。
(感光性着色組成物塗布液CR−3の調製)
感光性着色組成物塗布液CR−2の調製において、顔料分散液2の代わりに顔料分散液3を用いた以外は感光性着色組成物塗布液CR−2の調製と同様にして感光性着色組成物塗布液CR−3を得た。
〔実施例7〕
実施例1の樹脂ブラックマトリクスの形成において、パターン露光における露光マスクを、開口パターン全体の形状は変更せず、開口パターン周辺部の条件を前記マスク1のごとく変更した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表5に示す。

表5に示すように、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低い開口パターンを有する露光マスクを介してパターン露光を行った実施例1〜7では、カラーフィルタのパターン端部の断面形状が良好であり、パターン端部におけるパターン欠けが抑制されていた。また、液晶表示装置においては表示ムラが抑制されており、コントラストが高かった。
以上の実施例では、赤色画素の形成において、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低い開口パターンを有する露光マスクを介してパターン露光を行う例を中心に説明したが、緑色画素、青色画素の形成も同様に行うことにより、同様の効果が得られることはもちろんである。
本発明に用いられる露光マスクにおける透過領域密度の例を示すグラフである。 本発明に用いられる露光マスクの第1の例を示した平面図である。 第1の例に係る露光マスクにおいて開口パターン周辺部の付近を拡大した様子を示す平面図である。 (A)は、第1の例に係る露光マスクの断面図であり、(B)は、前記第1の例に係る露光マスクを用いて形成されたポストベーク後のパターンの端部の断面図である。 本発明に用いられる露光マスクの第2の例における開口パターン周辺部の付近を拡大した様子を示す平面図である。 本発明に用いられる露光マスクの別の例を示した平面図である。 本発明において現像後のパターンの一例を示す断面図である。 本発明の製造方法により着色パターンを形成したカラーフィルタの一例を示す断面図である。 本発明の製造方法により樹脂ブラックマトリクス及び着色パターンを形成したカラーフィルタの一例を示す断面図である。
符号の説明
10、20、40 露光マスク
11 露光マスク用基板
12、22、42 開口パターン周辺部
14、24、44 開口パターン中央部
16、26、46 遮光パターン
12A、42A 遮光領域
12B、42B 透過領域
100 基板
102 ポストベーク後のパターン
106 現像後のパターン
110、120 樹脂ブラックマトリクス
112、122 着色パターン
114、124 カラーフィルタ
O 重なり部
N 非重なり部
h ツノ高さ

Claims (8)

  1. 着色剤及び/又は遮光剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、を含む感光性樹脂層を、周辺部における透過領域密度が中央部における透過領域密度よりも低い開口パターンを有する露光マスクを介してパターン露光する露光工程と、
    パターン露光された感光性樹脂層を現像してパターンを得る現像工程と、
    現像して得られたパターンを加熱処理するポストベーク工程と、
    を含むカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記開口パターンの周辺部は、網点状の遮光領域群を有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記開口パターンの周辺部における遮光領域群の密度は、該開口パターンの中央側からパターン端側に向かうにつれて高くなることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記開口パターンの周辺部における遮光領域のサイズは、前記開口パターンの中央側からパターン端側に向かうにつれて増大することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記感光性樹脂層が着色剤を含有し、基板上に樹脂ブラックマトリクスが形成された樹脂ブラックマトリクス付き基板上に形成された層であり、
    前記露光工程は、前記感光性樹脂層のうち前記樹脂ブラックマトリクスとの重なり部を前記開口パターンの周辺部を介して露光し、前記感光性樹脂層のうち前記樹脂ブラックマトリクスとの非重なり部を前記開口パターンの中央部を介して露光することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記着色剤として赤色顔料を含有し、前記感光性樹脂層の全固形分中における前記赤色顔料の含有量が、30質量%以上であることを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
  8. 請求項7に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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