JP5213257B2 - 色変換フィルタ基板の製造方法 - Google Patents
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Description
バンク層5に適用可能な材料としては、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を、光および/または熱処理して、ラジカル種、イオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させて層としたものが一般的である。また、フォトプロセスによりパターニングを行うので、硬化させる前の前記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが好ましい。
(1)アクロイル基、メタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーまたはオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物膜を、光または熱処理して、光ラジカルまたは熱ラジカルを発生させて重合させたもの、
(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を、光または熱処理により二量化させて架橋したもの、
(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を、光または熱処理によりナイトレンを発生させて、オレフィンと架橋させたもの、ならびに
(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤からなる組成物膜とを、光または熱処理により酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどが挙げられる。
その他の、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂あるいは、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート等と3官能性もしくは4官能性のアルコキシシランとを含むポリマーハイブリッド等が適用可能である。
「カラーフィルタ層30の形成」
200mm×200mm×0.7mm厚の1737ガラス(コーニング社製)上に、ブラックマトリクス層(遮光層)(CK−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)、赤色カラーフィルタ層(CR−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)、緑色カラーフィルタ層(CG−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)、青色カラーフィルタ層(CB−7001:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)を用い、フォトリソグラフィ法にてカラーフィルタ層30を形成する。各層の膜厚はそれぞれ1μmとする。作製したブラックマトリクス層(遮光層)40の矩形状開口部のそれぞれ(サブピクセルに相当する)は、長さ方向131μm×幅方向37μmを有し、隣接する矩形状開口部間の間隔は長さ方向および幅方向のいずれも10μmである。カラーフィルタ層は長さ方向に延びる複数のストライプ形状部分になるように形成する。また、複数のストライプ形状部分のそれぞれは、47μmの幅を有し、84μmの間隔で配置する。
ブラックマトリクス層(遮光層)40上に、新日鐵化学製ポリビニルアルコール(VPA100P5.0)を用いフォトリソグラフィ法(露光量140mJ/cm2)でブラックマトリクス層(遮光層)と同じストライプ状の平面パターンで同じ矩形状開口部を有する逆テーパ断面形状のバンク層5を形成する。膜厚は3μmとする。
バンク層5の形成後、プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。プロセス条件は、モノシランの流量が100sccm、窒素の流量を2000sccm、アンモニアの流量を80sccmである。このとき、混合ガスの圧力は100Paである。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚100nmのSiN膜を形成した。
テトラリン1000重量部、ジメチルフェニルで終端したポリ[(9、9−ジオクチル−2、7−ジビニレン−フルオレニル)−アルト−コ−{2−メトキシ−5−(2−エチル−へキロキシ)−1、4−フェニレン}]50重量部のインクを調整する。インクジェット装置(UniJet製UJ200)を用い、バンク層5で挟まれた受容領域(画素領域)にマルチノズルにより1画素につき3滴(1滴:約14pl)滴下し、窒素雰囲気中で膜厚500nmの緑色色変換層20Gを作成する。インクの乾燥は、窒素雰囲気を破ることなく、温度100℃で行った。
テトラリン1000重量部、ジメチルフェニルで終端したポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルへキシル−オキシ)−1、4−フェニレンビニレン]]50重量部のインクを調整する。インクジェット装置(UniJet製UJ200)を用い、前述と同様にして、異なる画素領域にマルチノズルにより1画素につき3滴(1滴:約14pl)滴下し、窒素雰囲気中で膜厚500nmの緑色色変換層を作成する。インクの乾燥は、窒素雰囲気を破ることなく、温度100℃で行った。
窒素雰囲気下を破ることなく、プラズマCVD装置にて、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)及び窒素(N2)を用いるプラズマCVD法を用いて、膜厚1μmの窒化シリコン(SiN)膜を堆積させバリア層4を形成する。ここで、SiN膜を堆積する際に基板温度は50℃とした。このようにして、本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
「撥インク調整層8の材料の変更」
バンク層5の形成後、プラズマCVD装置に移動させ、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccm、亜酸化窒素を10sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとする。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚100nmのSiON膜を形成する。SiN膜をSiON膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
「撥インク調整層8の材料の変更」
バンク層5の形成後、スパッタリング装置を用い、SiO2膜を100nm形成する。その際のプロセス条件は、単結晶シリコンをターゲットとし、スパッタガスとしてアルゴンと酸素の分圧比を1対1とするスパッタガスを用いてパワー2.5kW、ガス圧0.5Paでおこなった。SiN膜をSiO2膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
「撥インク調整層8の膜厚の変更」
窒素雰囲気下を破ることなく、プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとする。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚10nmの島状SiN膜を形成した。膜厚100nmのSiN膜を膜厚10nmの島状SiN膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして本発明にかかる色変換フィルタ基板を形成した。
「撥インク調整層8の膜厚の変更」
窒素雰囲気下を破ることなく、プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとした。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚500nmのSiN膜を形成した。膜厚100nmのSiN膜を膜厚500nmのSiN膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
「撥インク調整層8の省略」
撥インク調整層8を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
(比較例2)
「バンク層5のテーパ形状の変更」
ブラックマトリクス層(遮光層)40上に、新日鐵化学製VPA100P5.0を用いフォトリソグラフィ法(露光量300mJ/cm2)でブラックマトリクス層(遮光層)と同じストライプ状のパターンで順テーパ断面形状のバンク層5を形成した。膜厚は3μmとした。逆テーパ断面形状のバンク層5を順テーパ断面形状のバンク層に変更したこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
「バンク層5の膜厚の変更」
プラズマCVD装置にて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素の混合ガスに対して高周波電力を印加することによってSiN膜を形成する。モノシランの流量を100sccmとし、窒素の流量を2000sccmとし、アンモニアの流量を80sccmとする。このとき、混合ガスの圧力を100Paとした。また、周波数27.12MHzおよび電力密度0.5W/cm2の高周波電力を用い、50℃の被成膜基板上に膜厚550nmのSiN膜を形成した。膜厚100nmのSiN膜を膜厚550nmのSiN膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして色変換フィルタ基板を形成した。
前述の実施例1〜5と比較例1〜3で各色変換フィルタ基板を作製する際に、各色変換フィルタ基板のそれぞれの100個のピクセル(バンク層で挟まれる画素領域)にインクジェットを用いて緑色変換インクを吐出させ、顕微鏡で観察を行い、色変換層がピクセル外に漏れていないかどうかを評価した。続いて、赤色変換インクを用いて同様の評価を行った。
5 バンク層
8 撥インク調整層
10 透明基板
20 色変換層
20R 赤色色変換層
20G 緑色色変換層
30 カラーフィルタ層
30R 赤色カラーフィルタ層
30G 緑色カラーフィルタ層
30B 青色カラーフィルタ層
40 ブラックマトリクス層(遮光層)。
Claims (5)
- 透明支持基板上に面状に拡がり、それぞれ異なる波長域の光を透過する、少なくとも2種類のカラーフィルタ層と、異なる前記カラーフィルタ層の境界上に、前記カラーフィルタ層表面を底面とする受容領域を挟むバンク層とを形成し、該受容領域に色変換材料と非極性溶媒とを含むインクを塗布した後、乾燥させて前記色変換層とする色変換フィルタ基板の製造方法において、
前記バンク層が逆テーパ断面形状を有し、
前記インクの塗布前に、前記バンク層と前記カラーフィルタ層表面とに撥インク性の無機化合物膜を500nm以下の膜厚で被着させることを特徴とする色変換フィルタ基板の製造方法。 - 前記無機化合物膜が窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜のいずれかを少なくとも含む膜であることを特徴とする請求項1に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
- 前記バンク層の形状がストライプ状平面パターンを有することを特徴とする請求項1または2に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
- 前記無機化合物膜の被着方法がCVD法もしくはスパッタ法であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
- 前記色変換材料を含むインクの塗布方法がインクジェット法であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の色変換フィルタ基板の製造方法。
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