JP2009230889A - 色変換フィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色変換フィルタを簡易に形成した場合であっても、色変換層のパターンを高精度に形成することで、インクの流れ出しに起因する混色を防止することができる、色変換フィルタの製造方法を提供することにある。
【解決手段】(a)透明基板上に複数種のカラーフィルタ層を形成する工程であって、該複数種のカラーフィルタ層のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と、(b)上記カラーフィルタ層上に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂からなるバンクを第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分に形成すると同時に、上記バンクの端部において隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を上記透明基板上に形成する工程と、(c)上記カラーフィルタ層上に、インクジェット法を用いて、特定の波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層を形成する工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、色変換フィルタの製造方法に関する。特に、高精度なパターンを有する色変換層を含む色変換フィルタの製造方法に関する。
有機EL素子を用いて多色発光を実現する方法の1つとして、色変換方式がある。色変換方式は、有機EL素子の発光を吸収して波長分布変換を行って異なる波長分布を有する光を放射する色変換膜を、有機EL素子の前面に配設して多色を実現する方法である。そのような色変換層として、高分子樹脂中に蛍光色素を分散させた構成が提案されている(特許文献1参照)。色変換方式は、用いる有機EL素子が1種(単色)であるために製造が容易であり、大画面ディスプレイへの展開が積極的に検討されている。
さらに、色変換方式は、特定の波長域の光を透過させるカラーフィルタをさらに組み合わせることによって、良好な色再現性が得られるなどの有利な特徴を有する。しかしながら、提案されている色変換層によって十分な効率を得るためには、色変換層の膜厚を10μm程度とする必要がある。加えて、色変換層の上面に有機EL素子を形成するためには、色変換層上面の凹凸を平坦にする技術、および色変換層から生じる水分を遮断する技術などの特殊な技術を必要とする。これらの点は、ディスプレイのコストアップをもたらす。
また、樹脂分散型色変換層の問題点を解決する方策として、蒸着法、スパッタ法などのドライプロセスを用いて色変換層を形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法においては、最適な色変換層の材料を選択すれば、水分発生の問題のない高効率かつ膜厚1μm以下の色変換層を形成できる。
上記の問題点を解決する更なる方策として、構成材料を含むインクを調製し、インクジェット法を用いて、パターン化された色変換層を形成する方法が考えられる。インクジェット法により高精細のパターンを形成する際には、微量の液滴を精密に吐出させる必要性があり、インクの増粘の原因となる固形分含有量をあまり大きくすることはできない。したがって、必要な膜厚を得るための液滴の体積が必然的に大きくなる。液滴の体積増大に対する解決策として、基板にバンクを形成する方法が提案されている(特許文献3〜6参照)。しかしながら、バンク間にインクを滴下するとインクはバンクに沿って広がり、その端部では混色を招来するという問題があった。
特開平8−286033号公報 特開平2−216790号公報 特開2000−353594号公報 特開2001−291583号公報 特開2005−78911号公報 特開2005−78911号公報 特開2004−288403号公報 特開2005−166266号公報 特開2007−234232号公報 国際公開第2006/054421号パンフレット
インクジェット法を用いて色変換層を形成することの利点は、インクの利用効率が非常に高く、それによって色変換層の形成コストを抑制することができる点にある。しかしながら、インクジェット法を用いた色変換層の形成には、上記のような、インクの混色という問題がある。該混色が生ずると外周画素に色むらが生ずるおそれがあるため、インクの混色を防止するために様々なバンク構造が提案されている。
特許文献7,8には、混色防止のために、バンク(特許文献7,8では隔壁)の端部にインクを流し込む開口部を形成し、バンクの一部を画素側に張り出す突起として形成し、またはバンクの端部においてバンク間に突起(構造体)を分散して配置する態様が開示されている。
しかしながら、特許文献7,8では、いずれも、バンクが逆テーパー形状であるため、毛細管現象によってバンク表面にインクが流れ易くなり、ひいては回り込みにより混色がより生ずるおそれがある。
また、特許文献7,8においては、開口部の形成、ならびにバンクおよび突起等の形成に関し、相当数の工程が必要である。さらに、これらの技術では、スリット構造のバンクに所定の突起等を設けていることから、色変換層形成材料であるインクが部分的に流れ難くなるおそれがある。
加えて、特許文献7においては、突起がバンクと同じ高さに形成されているため、充填材の流れも阻止され易く、充填材が気体を巻き込み、気泡が発生し易い。
特許文献9には、混色の抑制を目的として、発光層が、該発光層の発光によりストライプ状の同色画素が並んで設置され、同色画素間の隔壁の高さが異色画素間の隔壁に高さよりも低い画像表示装置が開示されている。即ち、特許文献9では、格子状のバンクにおいて、縦と横の高さを異ならせている。しかしながら、縦方向と横方向のバンクの形成手段は、ある高さのバンクに対してハーフ露光により1フォトリソプロセス等を行った後、別のバンクを継ぎ足す2フォトリソプロセス行うものである。この方法では工程数が多く、簡易にバンクを形成することができない。
特許文献10には、特許文献9とほぼ同じ形状のバンクを若干異なる形成方法により得る技術が開示されている。即ち、特許文献10では、感光性樹脂を含むバンク形成材料をフォトリソプロセスによってパターニングする際に、領域毎に露光量に差を設け、それぞれの領域において異なる膜厚でバンクを形成している。このため、塗布工程、現像工程、ベーク工程は1回で済ませることができるものの、高さの異なるバンクの形成のために、ガラスマスクを変更するため、露光工程を簡易に行うことができない。
従って、本発明が解決しようとする課題は、色変換フィルタを簡易に形成した場合であっても、色変換層のパターンを高精度に形成することで、インクの流れ出しに起因する混色を防止することができる、色変換フィルタの製造方法を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、色変換フィルタを簡易に形成した場合であっても、色変換フィルタと有機EL素子との事後的な貼り合わせ時に充填材が気体を巻き込んで気泡が発生することのない、色変換フィルタの製造方法を提供することにある。
本発明(第1形態)は、(a)透明基板上に複数種のカラーフィルタ層を形成する工程であって、該複数種のカラーフィルタ層のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と、(b)上記カラーフィルタ層上に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂からなるバンクを第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分に形成すると同時に、上記バンクの端部において隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を前記透明基板上に形成する工程と、(c)上記カラーフィルタ層上に、インクジェット法を用いて、特定の波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層を形成する工程とを含む色変換フィルタの製造方法に関する。
本発明(第2形態)は、(a)透明基板上にブラックマトリックスを形成し、さらにカラーフィルタ層を形成する工程であって、該複数種のカラーフィルタ層のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と、(b)上記カラーフィルタ層上に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂からなるバンクを第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分に形成すると同時に、上記バンクの端部において隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を上記ブラックマトリックス上に形成する工程と、(c)上記カラーフィルタ層上に、インクジェット法を用いて、特定の波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層を形成する工程とを含む、色変換フィルタの製造方法に関する。
これらの色変換フィルタの製造方法は、各種の大画面ディスプレイの製造に適用することができる。このような色変換フィルタの製造方法においては、工程(b)において、カラーフィルタ層上面を基準としたバンクの高さを、カラーフィルタ層表面を基準としたインク漏れ防止壁の高さの1.25〜2.5倍とすることが望ましい。
以上のような構成をとることによって、色変換フィルタを簡易に製造した場合であっても、色変換層のパターンを高精度に形成することで、インクの流れ出しに起因する混色を防止することができる、色変換フィルタを得ることができる。従って、本発明の方法によって製造される色変換フィルタを用いることで、高精細度を有するフラットパネルディスプレイ等を簡易に製造することができる。なお、特に、バンクとインク漏れ防止壁の高さを所定の関係とした場合には、上記効果に加えて、色変換フィルタと有機EL素子との事後的な貼り合わせ時に、充填材が気体を巻き込んで気泡が発生することを有利に防止することもできる。
<実施形態1>
図1は本発明の第1の製造方法で形成された色変換フィルタを示し、図1(a)はその平面図、図1(b)は図1(a)のb−b´断面図、図1(c)は図1(a)のc−c´断面図、そして図1(d)は図1(a)のd−d´断面図である。これらの図において、符号10は透明基板、12はブラックマトリックス、14は赤色(R)カラーフィルタ層、16は緑色(G)カラーフィルタ層、18は青色(B)カラーフィルタ層、20はバンク、22はインク漏れ防止壁、24は赤色カラーフィルタ層、26は緑色カラーフィルタ層をそれぞれ示す。
図1の色変換フィルタは、透明基板10の上に、ブラックマトリクス12、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3種のカラーフィルタ層14,16,18、異種のカラーフィルタ層14,16,18の境界に設けられたバンク20、バンク20の延在する第1の方向に対して垂直に延在してバンク20の端部を連結するインク漏れ防止壁22、ならびに赤色および緑色カラーフィルタ層14,16の上に設けられた赤色および緑色の2種の色変換層24,26を有している。
(カラーフィルタ層14,16,18の形成工程)
最初に、任意選択的工程であるが、透明基板10上にブラックマトリクス12を形成する。ブラックマトリクス12は、塗布法(スピンコートなど)を用いて透明基板10全面に形成した後に、フォトリソグラフ法などを用いてパターニングしてもよいし、あるいはスクリーン印刷法などを用いてパターン状に形成してもよい。ブラックマトリクス12は、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成されてもよい。あるいはまた、ブラックマトリクス12は、第1の方向および第2の方向(第1の方向と直交する方向)に延びるストライプ形状部分から構成される、複数の開口部を有する格子状の形状を有する一体の層であってもよい。図1に示すブラックマトリックス12は、格子形状タイプである。ブラックマトリクス12の開口部がサブピクセルを形成する位置となる。
透明基板10は、光透過性に富み、かつブラックマトリクス12、カラーフィルタ層14,16,18、ならびに後述する色変換層24,26、および(図示しない)有機EL素子の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐える材料を用いて形成される。さらに寸法安定性に優れた材料を用いることが好ましい。また、多色発光ディスプレイの性能低下を引き起こさない材料が好ましい。透明基板10の材料の例は、ガラス、各種プラスチック、各種フィルムなどを含む。
ブラックマトリクス12は、可視光を遮断して、コントラストを向上させるための層である。ブラックマトリクス12は、通常のフラットパネルディスプレイ用の材料を用いて形成することができる。ブラックマトリクスの12の膜厚は、前述の機能を満たす限りにおいて、任意に設定することができる。
次に、それぞれ異なる波長域の光を透過する、RGBの3種のカラーフィルタ層14,16,18を独立して形成する。カラーフィルタ層14,16,18は、可視光の特定波長域を透過させ、透過光を所望の色相とし、および透過光の色純度を向上させるための層である。カラーフィルタ層14,16,18は、フラットパネルディスプレイ用の市販の材料を用いて形成することができる。近年では、フォトレジスト中に顔料を分散させた、顔料分散型材料がよく用いられている。図1に示したように3種のカラーフィルタ層を用いる場合、400nm〜550nmの波長域の光を透過する青色カラーフィルタ層18、500nm〜600nmの波長域の光を透過する緑色カラーフィルタ層16、および600nm以上の波長域の光を透過する赤色カラーフィルタ層14を用いることが好ましい。3種のカラーフィルタ層14,16,18のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される。
上述のカラーフィルタ層14,16,18のそれぞれは、塗布法(スピンコートなど)を用いて透明基板10全面に形成した後に、フォトリソグラフ法などを用いてパターニングを実施することによって形成してもよいし、あるいはスクリーン印刷法などを用いてパターン状に形成してもよい。
(バンク20およびインク漏れ防止壁22の形成工程)
次に、カラーフィルタ層14,16,18上に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂からなるバンク20を第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分に形成すると同時に、バンク20の端部において隣り合うバンク20を連結するインク漏れ防止壁22を透明基板10上に形成する。
本発明において、バンク20は、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される。インクジェット法により高精細度のパターンを形成する場合には、吐出体積を精密に制御しながら微量液滴を吐出する必要があることから、インクの増粘の原因となるインクの固形分含有量をあまり大きくすることができない。このことによって、必要な膜厚を得るために必要なインクの体積が必然的に大きくなる。インクが所望の領域以外に拡散するのを防止する点においてバンク20の形成が有効である。
バンク20は、後述する色変換層24,26を形成するためのインクに対して撥液性を有するものとすることが好ましい。バンク20は、光硬化型または光熱硬化型樹脂(たとえば、硬化性部位を含むアクリル樹脂など)を塗布し、フォトリソグラフ法によりパターニングを行うことによって形成することができる。あるいは、バンク20は、スクリーン印刷法などを用いて、所望の部位に熱可塑性樹脂(たとえば、アクリル樹脂など)または熱硬化性樹脂を付着させることによって形成することができる。
バンク20形成用の材料としては、
(1)アクロイル基またはメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤からなる組成物膜を光または熱処理して、光ラジカルまたは熱ラジカルを発生させて重合させたもの、
(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤からなる組成物を光または熱処理により二量化させて架橋したもの、
(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を光または熱処理によりナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、または
(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤とからなる組成物膜を光または熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたもの
などが挙げられる。特に上記(1)の光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂が高精細でパターニングが可能であり、耐溶剤性および耐熱性等の信頼性の面でも好ましい。
その他のバンク20形成用の材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、および環状オレフィン系等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリア樹脂、およびメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、またはポリスチレン、ポリアクリロニトリル、もしくはポリカーボネート等と、3官能性もしくは4官能性のアルコキシシランとを含むポリマーハイブリッド等を利用することもできる。
これに対し、本発明において、インク漏れ防止壁22は、バンク20の延在する第1の方向に対して垂直な第2の方向に延在し、バンク20の端部の連結部から構成される。本実施形態においては、インク漏れ防止壁22は基板10上に形成する。
インク漏れ防止壁22はバンク20と同時に形成するため、その材料は、バンク20に用いる材料と同一とする。但し、インク漏れ防止壁22はインクの漏れを防止することができるものでなければならないが、色変換フィルタと有機EL素子とを事後的に貼り合わせる際に用いる充填材の流れを阻止するものであってはならない。
後述する色変換層24,26の材料として使用するインクの粘度が4mPa・s程度であるのに対し、上記充填材(例えば、熱硬化性を有するエポキシ樹脂またはアクリル樹脂)の粘度は300mPa・s程度である。このように色変換層用材料であるインクの粘度に対して充填材の粘度は極めて高い。このため、インク漏れ防止壁22の高さを制御することが好ましい。
具体的には、インクの流れを止めつつ、充填材の流れを阻止しない効果を防止壁に持たせるため、バンク20の高さとインク漏れ防止壁22の高さとを異ならせることが必要である。
このように、バンク20とインク漏れ防止壁22の高さを異ならせるには、以下の方法を採用することができる。
まず、バンク20を形成する基板10の部分には、ブラックマトリックス12、およびカラーフィルタ層14,16,18を形成する。
これに対し、インク漏れ防止壁22を形成する基板10の部分には、ブラックマトリックス12形成時にその開口部を位置させる。次いで、ストライプ状のカラーフィルタ層14,16,18をパターニングして形成する工程で、当該部分にカラーフィルタ層14,16,18が存在しない部分を得る。これにより、インク漏れ防止壁22を形成する位置においては、基板10上にブラックマトリックス12、およびカラーフィルタ層14,16,18のいずれもが存在しないこととなり、開口部が形成される。
次いで、透明基板10においてバンク20の形成位置にブラックマトリックス12、およびカラーフィルタ層14,16,18を形成した積層体に対して、バンク20とインク漏れ防止壁22を同時に形成する。バンク20は、例えば、アクリル樹脂をスピンコータで所望の膜厚となるように回転数を調整して塗布する。これと同時に、インク漏れ防止壁22は、ストライプ状のカラーフィルタ層14,16,18を横切るように、隣り合うバンク20を連結すべく、アクリル樹脂を形成する。このような形成態様により、それらの下地層(透明基板10またはカラーフィルタ層14,16,18)の最上部の位置が異なることにより、バンク20とインク漏れ防止壁22においては、それらの高さを異ならせることができる。なお、図1(c)に示すところによれば、バンク20の端部は、カラーフィルタ層16上ではなく、ブラックマトリックス12上に位置するが、このような位置関係は、バンク20の端部においてのみ存在し、その他の位置(バンク20の大部分)においては、バンク20はカラーフィルタ層16上に位置する。また、バンク20をその端部に至るまでカラーフィルタ層16上に形成してよいことはいうまでもない。
このように、バンク20とインク漏れ防止壁22との高さを異ならせるに際しては、カラーフィルタ層14,16,18上面を基準としたバンク20の高さを、カラーフィルタ層14,16,18の表面を基準としたインク漏れ防止壁22の高さの1.25〜2.5倍とすることが好ましい。1.25倍以上とすることにより、インクの漏れを防止するという効果が得られる一方、2.5倍以下とすることにより、気泡の混入を防ぐという効果が得られる。
なお、以上のように、インク漏れ防止壁22を形成する位置の直下に、ブラックマトリックス12、カラーフィルタ層14,16,18を形成しない場合には、バンク20とインク漏れ防止壁22の形成を単一の工程により行い、これら20,22の高さを異ならせることができる。本態様は、特許文献9,10に開示されている技術のように、複数の工程を用いてバンク等を形成する場合に比べて、はるかに簡易な態様である。
(色変換層24,26の形成工程)
次に、インクジェット法を用いて、カラーフィルタ層14,16上に変換層24,26を形成する。色変換層24,26は、光源からの光を吸収して、異なる波長分布の蛍光を発する機能を有する膜である。図1においては、赤色変換層24および緑色変換層26を形成する例を示した。必要に応じて、赤色変換層24のみを設けてもよい。あるいはまた、赤色変換層24および緑色変換層26に加えて、青色変換層(不図示)を設けてもよい。
色変換層24,26を形成するためのインクは、少なくとも1種の色変換色素と、溶媒とを含む。本発明において用いることができる色変換色素は、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体)などのアルミキレート系色素;3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、クマリン135などのクマリン系色素;ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44のようなナフタルイミド系色素のような、低分子系有機蛍光色素を含む。あるいはまた、ポリフェニレン、ポリアリーレンおよびポリフルオレンに代表される高分子蛍光材料を、色変換色素として用いてもよい。
必要に応じて、色変換色素として、2種以上の色素の混合物を用いてもよい。色素混合物の使用は、青色光から赤色光への変換時などのように波長シフト幅が広い場合に有効な手段である。色素混合物は、前述の色素同士の混合物であってもよい。あるいはまた、前述の色素と、下記の色素との混合物であってもよい。
(1) ジエチルキナクリドン(DEQ)などのキナクリドン誘導体;
(2) 4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1)、DCM−2、およびDCJTBなどのシアニン色素;
(3) 4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン;
(4) ルモゲンFレッド;
(5) ナイルレッド;
(6) ローダミンB、ローダミン6Gなどのキサンテン系色素;および
(7) ピリジン1などのピリジン系色素。
本発明における色変換層形成のためのインク用溶媒は、上記の色変換色素を溶解することができる任意の溶媒を用いることができる。たとえば、トルエンなどの非極性有機溶媒、あるいはクロロホルム、アルコール系、ケトン系などの極性有機溶媒を、インク用溶媒として用いることができる。インク用溶媒は、単一成分で構成されてもよい。あるいはまた、粘度、蒸気圧、溶解性、流動性および/または濡れ性の調整を目的として、複数の溶媒を混合して、インク用溶媒を調製してよい。
本実施形態において、少なくとも1種の色変換色素を、溶媒中に混合することによってインクを作製することができる。水分および酸素の影響を排除するため、不活性ガス(たとえば、窒素またはアルゴンなどの希ガス)雰囲気下でインクを作製することが好ましい。インクを作製する前に、溶媒中の水分および酸素を除去するために、脱気処理、水分吸収剤による処理、酸素吸収剤による処理、蒸留などの当該技術において知られている任意の手段を用いて溶媒を前処理してもよい。
作製したインクは、所望される解像度での塗布が可能であることを条件として、当該技術において知られている任意のインクジェット装置および方法を用いて、バンク20およびインク漏れ防止壁22で区画された、カラーフィルタ層14,16上に付着される。インクジェット装置および方法は、サーマルインクジェット方式であっても、ピエゾインクジェット方式であってもよい。インクジェット方法を用いて付着されたインクは、カラーフィルタ層14,16の表面に広がり、バンク20およびインク漏れ防止壁22によって必要部位以外には広がらない。
上記付着の後に、溶媒を蒸発させて除去し、少なくとも1種の色変換色素からなる色変換層24,26を形成する。色変換層24,26は、2つのバンク20と2つのインク漏れ防止壁22(図1においては、インク漏れ防止壁22は片側のみを図示)とに挟まれた領域で、第1の方向に延びるストライプ形状を有する。溶媒の除去は、前述の不活性ガス雰囲気下または真空中で、溶媒が蒸発する温度まで加熱することによって実施することができる。この際に、インク中の色変換色素の劣化または熱分解が発生しないように加熱温度を設定することが好ましい。
(その他の工程)
最後に、図1には示さないが、任意選択的に、バンク20、インク漏れ防止壁22、ならびに赤色変換層24および緑色変換層26を覆うように、バリア層を形成してもよい。バリア層は、水および/または酸素の介在によって劣化する材料を用いて色変換層24,26を形成した場合に、色変換層24,26の特性を維持するという点において有効である。
バリア層は、電気絶縁性を有し、ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有し、かつ可視域における透明性に富む材料(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)を使用して形成することができる。用いることができる材料は、たとえば、SiOx、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOxなどの無機酸化物、SiNxなどの無機窒化物、およびSiNxyなどの無機酸化窒化物を含む。バリア層は、前述の材料の単一の層であってもよく、複数の層の積層体であってもよい。
バリア層は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の手法により形成することができる。バリア層の形成の際の色変換層24,26へのダメージを回避するという点においては、100℃以下の低温で実施することができ、かつ成膜に用いる粒子のエネルギーが小さいCVD法を用いて、バリア層を形成することが好ましい。
<実施形態2>
図2は本発明の第2の製造方法で形成された色変換フィルタを示し、図2(a)はその平面図、図2(b)は図2(a)のb−b´断面図、図2(c)は図2(a)のc−c´断面図、そして図2(d)は図2(a)のd−d´断面図である。これらの図において、各構成要素に付された符号は、図1に示す実施形態1における符号と同一である。
実施形態2は、インク漏れ防止壁22を透明基板10上ではなく、ブラックマトリックス12上に形成したこと以外は、実施形態2と同一の製造方法である。
実施形態2において、カラーフィルタ層14,16,18上へのバンク20の形成と、バンク20の端部におけるインク漏れ防止壁22の形成は、以下のようにして同時に行うことができる。
まず、バンク20を形成する基板10の部分には、ブラックマトリックス12、およびカラーフィルタ層14,16,18を形成する。
これに対し、インク漏れ防止壁22を形成する基板10の部分には、ブラックマトリックス12形成時にその非開口部(ブラックマトリックスそのもの)を位置させる。次いで、ストライプ状のカラーフィルタ層14,16,18を形成した後に、当該部分に各種パターニング、例えば、フォトリソグラフ法によるパターニングを施すことで、カラーフィルタ層14,16,18が存在しない部分を得る。これにより、インク漏れ防止壁22を形成する位置においては、基板10上にカラーフィルタ層14,16,18が存在しないこととなり、開口部が形成される。
これにより、透明基板10においてバンク20の形成位置のみにカラーフィルタ層14,16,18を形成した積層体に対して、バンク20とインク漏れ防止壁22を同時に形成することができる。また、このような形成態様においても、バンク20とインク漏れ防止壁22においては、高さを異ならせることができる。なお、図2(c)に示すところによれば、バンク20の端部は、カラーフィルタ層16上ではなく、ブラックマトリックス12上に位置するが、このような位置関係は、バンク20の端部においてのみ存在し、その他の位置(バンク20の大部分)においては、バンク20はカラーフィルタ層16上に位置する。また、バンク20をその端部に至るまでカラーフィルタ層16上に形成してよいことはいうまでもない。
以上の実施形態1,2の説明においては、図1,2を参照して、3種のカラーフィルタ層を用いた例を示した。しかしながら、カラーフィルタ層上にバンクを第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分に形成すると同時に、バンクの端部において隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を形成することを条件として、本発明の製造方法が、2種または4種以上のカラーフィルタ層を用いた色変換フィルタの製造に適用できることは明らかである。
<色変換フィルタの形成>
(実施例1)
実施例1の色変換フィルタは、図1に従い、以下のように形成した。即ち、透明基板10(コーニング社製1737ガラス)上に、カラーモザイクCK−7001(富士フィルム株式会社から入手可能)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いて、複数の矩形状開口部を有するブラックマトリクス12を形成した。ブラックマトリクス12は、1μmの膜厚を有していた。矩形状開口部は2種類形成し、第1の矩形状開口部はサブピクセルの位置に形成したものである。第1の矩形状開口部のそれぞれは、縦方向300μm×横方向100μmを有し、隣接する矩形状開口部間の間隔は、縦方向30μmおよび横方向10μmであった。また、第2の矩形状開口部は、後述する漏れ防止壁を形成する部分に形成したものである。第2の矩形状開口部は、基板の縦方向で2つの外周部のそれぞれにおいて、有効画素(発光表示を行う画素)の端部から基板の外周方向へ200μmの位置であって、当該有効画素端部を基準に第1の矩形状開口部と対向する位置に形成した。第2の矩形状開口部のそれぞれは、縦方向の幅100μm、横方向の幅100μmを有し、隣接する矩形状開口部の間隔は横方向に10μmであった。
次に、カラーモザイクCR−7001(富士フィルム株式会社から入手可能)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いて、縦方向に延びる複数のストライプ形状部分からなる赤色カラーフィルタ層14を形成した。複数のストライプ形状部分のそれぞれは、図1に示すようにストライプ形状部分の一部がブラックマトリクス12に重畳し、1.5μmの膜厚および110μmの幅を有し、220μmの間隔で配置された。また、基板の縦方向の外周部においては、ブラックマトリクス12の第2の矩形状開口部に相当する位置で縦方向の幅100μm、横方向の幅100μmの開口部を同時に形成した。
また、カラーモザイクCG−7001およびCB−7001(いずれも富士フィルム株式会社から入手可能)を用いたことを除いて、赤色カラーフィルタ層14と同様の手順を用いて、緑色カラーフィルタ層16および青色カラーフィルタ層18を形成した。緑色カラーフィルタ層16および青色カラーフィルタ層18の両方においても、複数のストライプ形状部分のそれぞれは、ストライプ形状部分の一部がブラックマトリクス12に重畳し、1.5μmの膜厚および110μmの幅を有し、220μmの間隔で配置された。また、基板の縦方向の外周部においては、ブラックマトリクス12の第2の矩形状開口部に相当する位置で縦方向の幅100μm、横方向の幅100μmの開口部を同時に形成した。
このように、透明基板10上に、ブラックマトリックス12、およびカラーフィルタ層14,16,18を形成すると同時に、画素端部から外周側200μmの位置に、ブラックマトリックス12およびカラーフィルタ層14,16,18を形成しない領域を得た。
次に、ブラックマトリックス12およびカラーフィルタ層14,16,18上にバンク20を形成した。光硬化性アクリル樹脂(V259PA/P5、新日鐵化学製)を塗布し、フォトリソグラフ法によってパターニングを行い、異なるカラーフィルタ層14,16,18の境界となる部分の上に、縦方向に延びる複数のストライプ形状部分からなるバンク20を形成した。バンク20を構成するストライプ形状部分のそれぞれは、10μmの幅を有し、ブラックマトリックス12、カラーフィルタ層14,16,16、およびバンク20を含めた高さは5μmであった。
このバンク20の形成と同時に、ブラックマトリックス12とカラーフィルタ層14,16,18を形成しない部分に、インク漏れ防止壁22を形成した。これらの下地12および14〜18がないため、バンク20よりも低い高さ2μmのインク漏れ防止壁22が画素外周部に、隣り合うバンク20を連結するように形成された。
このように形成された、カラーフィルタ層14,16バンク20およびインク漏れ防止壁22により画成された領域に、赤色変換層24および緑色変換層26を形成した。
赤色変換層24については、トルエン1000重量部、および第1色素であるクマリン6と第2色素である4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル) 4H−ピラン(DCM)との混合物(モル比はクマリン6:DCM=48:2)50重量部を混合して、インクを調製した。調製したインクをインクジェット装置(Litrex 120L ライトレックス製)に装填した。次いで、窒素雰囲気中で、上記領域に、1サブピクセルあたり42pLのインクを付着させた。窒素雰囲気を破ることなしに、インクを付着させた積層体を真空乾燥炉中に移動させ、1.0×10-3Paの圧力の下で100℃に加熱してトルエンの除去を行った。得られた赤色変換層24は500nmの膜厚を有していた。
緑色変換層26については、トルエン1000重量部、および第1色素であるクマリン6と第2色素であるジエチルキナクリドン(DEQ)との混合物(モル比はクマリン6:DEQ=48:2)50重量部を混合して、インクを調製した。調製したインクをインクジェット装置(Litrex 120L ライトレックス製)に装填した。次いで、窒素雰囲気中で、上記領域に、1サブピクセルあたり42pLのインクを付着させた。窒素雰囲気を破ることなしに、インクを付着させた積層体を真空乾燥炉中に移動させ、1.0×10-3Paの圧力の下で100℃に加熱してトルエンの除去を行った。得られた緑色変換層26は500nmの膜厚を有していた。
次いで、真空を破ることなしに、赤色変換層24および緑色変換層26を形成した積層体を、プラズマCVD装置内に移動させた。プラズマCVD法を用いて、膜厚1μmの窒化シリコン(SiN)を堆積させてバリア層を形成し、実施例1の色変換フィルタを得た。ここで、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素(N2)を原料ガスとして用いた。また、バリア層形成時の積層体の温度を100℃以下に維持した。
(実施例2)
実施例2の色変換フィルタは、図2に従い、以下のように形成した。即ち、上記のブラックマトリックス12の第2の矩形状開口部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして色変換フィルタを形成した。これにより、インク漏れ防止壁22形成用の下地層を透明基板10ではなくブラックマトリックス12として、実施例2の色変換フィルタを得た。
(比較例1)
図1において、隣接するバンク20間にインク漏れ防止壁22を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の色変換フィルタを得た。
<有機ELディスプレイの形成>
次に、このようにして得られた実施例1,2および比較例1の色変換フィルタを、それぞれ、事前に用意した有機EL素子と以下のように貼り合わせて、有機ELディスプレイをそれぞれ形成した。
色変換フィルタおよび有機EL素子を、酸素5ppm、水分5ppm以下の環境に保たれた貼り合せ装置内に移動させた。
色変換フィルタのプロセス面(バリア層を形成した面)を上に向けてセットし、ディスペンサを用いて、複数のパネル領域のそれぞれの外周にエポキシ系紫外線硬化接着剤(XNR−5516:ナガセケムテックス社製)を切れ目無く塗布して、接着層を形成した。
各画面中央付近に、充填剤として、20μlの熱硬化型エポキシ接着剤を、メカニカルバルブを用いて滴下した。
有機EL素子のプロセス面(発光層からの光が放出される面)を色変換フィルタのプロセス面に対向させた状態で、有機EL素子をセットした。
貼り合わせ装置内を約10Paまで減圧し、色変換フィルタおよび有機EL素子を約30μmまで接近させ、それらの画素位置をアライメントし、引き続いて貼り合わせ装置内を大気圧に戻しつつ僅かに荷重を印加した。この際、各画面中央に滴下した熱硬化型エポキシ接着剤は、フォトスペーサによって形成される色変換フィルタおよび有機EL素子の間隙を、各画面の全面にわたって広がった。
色変換フィルタ側から接着層のみに紫外線を照射して仮硬化させ、一般環境に取り出した。その後、自動ガラススクライバーとブレイク装置を使って個々のパネルに分割した。分割した個々のパネルを、1時間にわたって加熱炉にて80℃に加熱し、炉内で30分間自然冷却した。以上のようにして、実施例1,2および比較例1の色変換フィルタを用いた、有機ELディスプレイをそれぞれ得た。
<評価>
実施例1,2および比較例1の色変換フィルタを用いた有機ELディスプレイについて、混色発生率および気泡発生率の評価を行った。本発明における「混色」とは、バンクを構成するストライプ形状部分の端部(フィルタ外周部分に位置する)において、インクが隣接する他の色の領域に回り込んで、異色のインクが混ざり合った状態を意味する。また、「混色発生率」とは、赤色および緑色のサブピクセルの全数に対する、「混色」が発生したサブピクセル数の比率を意味する。これに対し、「気泡発生率」とは、全サブピクセルに対する、「気泡」が発生したサブピクセル数の比率を意味する。
なお、混色発生率および気泡発生率のいずれについても、顕微鏡(×10)による観察により評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2009230889
表1によれば、カラーフィルタ層上にバンクを形成すると同時に、隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を形成した色変換フィルタを用いた実施例1,2の有機ELディスプレイについては、いずれも、混色が全く生じていないことが判明した。なお、これらの結果から、インク漏れ防止壁の下地となる層は、透明基板であっても、ブラックマトリックスであってもよいことが判る。
これに対し、インク漏れ防止壁を形成しなかった色変換フィルタを用いた比較例1の有機ELディスプレイについては、バンク端部でインクが隣接する他の色の領域に回り込み、異色のインクが混ざり合い、混色が生じていることが判明した。
また、気泡発生率については、実施例1,2は比較例1と同等の好適な結果が得られていることが判明した。
以上により、バンクとインク漏れ防止壁を同時に形成すれば、混色を防止できることが確認され、また気泡発生についても、従来と同等の好適な結果が得られることが確認された。
本発明の色変換フィルタの製造方法によれば、カラーフィルタ層上にバンクを形成すると同時に、バンクの端部において隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を形成することで、従来問題となっていた混色の発生を防止することができる。このため、本発明によれば、高精度なパターンを有する色変換層を含む色変換フィルタを得ることができる。
特に、本発明では、バンクとインク漏れ防止壁とを同時に形成するため、従来のように複数の工程を用いてバンク等を形成する場合に比べて、はるかに簡易に色変換フィルタを形成することができる。よって、本発明は、今後益々簡易にひいては低廉に製造することが要請される、フラットパネルディスプレイに用いる色変換フィルタの製造方法を提供できる点で有望である。
本発明の第1の製造方法で形成された色変換フィルタを示し、図1(a)はその平面図、図1(b)は図1(a)のb−b´断面図、図1(c)は図1(a)のc−c´断面図、そして図1(d)は図1(a)のd−d´断面図である。本発明の方法により得られた色変換フィルタを示す断面図である。 本発明の第2の製造方法で形成された色変換フィルタを示し、図2(a)はその平面図、図2(b)は図2(a)のb−b´断面図、図2(c)は図2(a)のc−c´断面図、そして図2(d)は図2(a)のd−d´断面図である。
符号の説明
10 透明基板
12 ブラックマトリクス
14 赤色カラーフィルタ層
16 緑色カラーフィルタ層
18 青色カラーフィルタ層
20 バンク
22 インク漏れ防止壁
24 赤色変換層
26 緑色変換層

Claims (3)

  1. (a)透明基板上に複数種のカラーフィルタ層を形成する工程であって、該複数種のカラーフィルタ層のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と、
    (b)前記カラーフィルタ層上に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂からなるバンクを第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分に形成すると同時に、前記バンクの端部において隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を前記透明基板上に形成する工程と、
    (c)前記カラーフィルタ層上に、インクジェット法を用いて、特定の波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、色変換フィルタの製造方法。
  2. (a)透明基板上にブラックマトリックスを形成し、さらにカラーフィルタ層を形成する工程であって、該複数種のカラーフィルタ層のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と、
    (b)前記カラーフィルタ層上に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂からなるバンクを第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分に形成すると同時に、前記バンクの端部において隣り合うバンクを連結するインク漏れ防止壁を前記ブラックマトリックス上に形成する工程と、
    (c)前記カラーフィルタ層上に、インクジェット法を用いて、特定の波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、色変換フィルタの製造方法。
  3. 前記工程(b)において、カラーフィルタ層上面を基準としたバンクの高さを、カラーフィルタ層上面を基準としたインク漏れ防止壁の高さの1.25〜2.5倍とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の色変換フィルタの製造方法。
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