JP5212770B2 - 不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5212770B2
JP5212770B2 JP2007184595A JP2007184595A JP5212770B2 JP 5212770 B2 JP5212770 B2 JP 5212770B2 JP 2007184595 A JP2007184595 A JP 2007184595A JP 2007184595 A JP2007184595 A JP 2007184595A JP 5212770 B2 JP5212770 B2 JP 5212770B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating layer
source
memory device
memory cell
gate electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007184595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009021508A (ja
Inventor
辰也 國清
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Electronics Corp
Original Assignee
Renesas Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Electronics Corp filed Critical Renesas Electronics Corp
Priority to JP2007184595A priority Critical patent/JP5212770B2/ja
Publication of JP2009021508A publication Critical patent/JP2009021508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5212770B2 publication Critical patent/JP5212770B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Non-Volatile Memory (AREA)

Description

本発明は、不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法に関し、特に、電荷をトラップすることができる絶縁層に対して正孔を注入することにより書込を行なう不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法に関するものである。
不揮発性半導体記憶装置の一種としてMONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)(金属/酸化膜/窒化膜/酸化膜/シリコン)技術を用いたメモリがある。この技術では、各メモリセルがMONOS構造のゲートを備えたトランジスタを有し、窒化膜中に電荷がトラップされることにより記憶が保持される。また各メモリセルにおいて、窒化膜中の非対称な位置に選択的に電荷のトラップが行なわれることにより、複数ビットの記憶を保持することができる。
たとえば米国特許第7072217号明細書には、1対のソース/ドレイン領域が設けられた半導体基板と、半導体基板上に設けられたONO(Oxide-Nitride-Oxide)構造と、ONO構造上に設けられた制御ゲートとを有するメモリが記載されている。ONO構造は1対のソース/ドレイン領域の間に位置するように配置されている。
この明細書によれば、ドレイン領域側の接合部(junction)がGIDL(Gate Induced Drain Leakage)状態とされることにより生じた正孔がONO構造における窒化膜(Nitride)に注入される。この注入により書込動作(programming)が行なわれる。
米国特許第7072217号明細書
上記明細書におけるメモリでは、GIDL状態において正孔が生じる際に、対になって電子も発生する。この電子が書込対象のメモリセルに隣接するメモリセルに誤って注入されてしまうと、記憶された情報が破壊されるディスターブ(誤消去)が発生するという問題があった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、メモリセルに記憶された情報が破壊されるディスターブの発生が抑制された不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法を提供することである。
本発明の一実施の形態における不揮発性半導体記憶装置は、主表面を有する半導体基板と、第1および第2不純物領域と、絶縁層と、ゲート電極層とを備えている。1対のソース/ドレイン領域となる第1および第2不純物領域は半導体基板の主表面に形成されている。電荷をトラップすることができる絶縁層は第1および第2不純物領域に挟まれる半導体基板の主表面上に設けられている。ゲート電極層は、絶縁層上にp型半導体により形成され、かつ書込動作を行なうために絶縁層に正孔を注入することができるように構成されている。不揮発性半導体装置は、ゲート電極層を第1不純物領域に対して高電位にすることにより正孔を絶縁層に注入することを特徴とし、かつ、第2不純物領域を第1不純物領域よりも高電位にすることにより絶縁層の第1不純物領域側に選択的に正孔を注入することを特徴とする。
本発明の一実施の形態における不揮発性半導体記憶装置の動作方法は、主表面を有する半導体基板と、第1および第2不純物領域と、電荷をトラップすることができる絶縁層と、ゲート電極層とを備えた不揮発性半導体記憶装置の動作方法である。1対のソース/ドレイン領域となる第1および第2不純物領域は半導体基板の主表面に形成されている。絶
縁層は第1および第2不純物領域に挟まれる半導体基板の主表面上に設けられている。ゲート電極層は、絶縁層上にp型半導体により形成されている。不揮発性半導体記憶装置の動作方法は、絶縁層に正孔を注入することにより書込動作が行なわれることを特徴とし、かつ、ゲート電極層を第1不純物領域に対して高電位にすることにより正孔を絶縁層に注入することを特徴とし、かつ、第2不純物領域を第1不純物領域よりも高電位にすることにより絶縁層の第1不純物領域側に選択的に正孔を注入することを特徴とする。
この実施の形態によれば、絶縁層に注入される正孔として、ゲート電極層を形成するp型半導体の正孔が用いられる。このためドレイン領域側の接合部近傍において電子の発生を伴いながら正孔を発生させる必要がない。よって記憶された情報が電子の誤った注入により破壊されるディスターブの発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態における不揮発性半導体記憶装置について、図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本実施の形態における不揮発性半導体記憶装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置をNOR型フラッシュメモリに適用した模式的回路構成を示す回路図である。図1を参照して、NOR型フラッシュメモリのメモリセルアレイ内には多数のメモリセルが行列状に配置されている。なお図1においては代表して4つのメモリセルMC11,MC12,MC21,MC22が示されている。また以下においては、本実施の形態のメモリセルのそれぞれが総称されて表現される場合には、符号MCaにより表記される。
行方向(図中横方向)に並んだ複数のメモリセルMC11,MC12の各々の制御ゲートGは、行方向に伸びるワード線WL1に電気的に接続されている。また行方向に並んだ複数のメモリセルMC21,MC22の各々の制御ゲートGは、行方向に伸びるワード線WL2に電気的に接続されている。
列方向(図中縦方向)に並んだ複数のメモリセルMC11,MC21のそれぞれの第1ソース/ドレイン(図中左側のソース/ドレイン)L同士がビット線BL1Lにより接続されている。またメモリセルMC11,MC21のそれぞれの第2ソース/ドレイン(図中右側のソース/ドレイン)R同士がビット線BL1Rにより接続されている。また列方向に並んだ複数のメモリセルMC12,MC22のそれぞれの第1ソース/ドレインL同士がビット線BL2Lにより接続されている。またメモリセルMC12,MC22のそれぞれの第2ソース/ドレインR同士がビット線BL2Rにより接続されている。
各メモリセルMCaのバックゲートBはメモリセルMCaが形成されているウエル配線(well line)n−WELLに接続されている。
図2は、本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置の各メモリセルの構成を概略的に示す断面図である。
図2を参照して、メモリセルMCaは、主に、主表面を有するシリコン基板(半導体基板)1aと、第1および第2ソース/ドレイン領域(第1および第2不純物領域)SDLa,SDRaと、電荷トラップ層(絶縁層)CTと、ゲート電極層GEとを備えている。またメモリセルMCaは、ボトム絶縁層21と、トップ絶縁層22と、p−拡散層13La,13Raと、サイドウォール24と、金属シリサイド層14,14,23とを有している。
シリコン基板1aは、基材11aと、nウエル(well)層12aとを有している。nウエル層12aはシリコン基板1aの主表面側に位置しているn型半導体からなる領域である。
1対のソース/ドレイン領域となる第1および第2ソース/ドレイン領域SDLa,SDRaはnウエル層12a上に形成されている。すなわちシリコン基板1aの主表面に形成されている。第1および第2ソース/ドレイン領域SDLa,SDRaはp−拡散層13La,13Raよりも不純物濃度の高いp型半導体により形成されている。ソース/ドレイン領域がp型であることにより、本実施の形態のメモリセルMCaはpチャネル型構造を有している。
電荷トラップ層CTは、電荷をトラップすることができる絶縁層であり、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLa,SDRaに挟まれるシリコン基板1aの主表面上に設けられている。
電荷トラップ層CTとシリコン基板1aとの間にはボトム絶縁層21が設けられ、電荷トラップ層CTとゲート電極層GEとの間にはトップ絶縁層22が設けられている。電荷トラップ層CTとしては、たとえば窒化膜を用いることができる。
トップ絶縁層22/電荷トラップ層CT/ボトム絶縁層21からなる積層膜であるゲート絶縁層ILは、ゲート電極層GEとシリコン基板1aとを絶縁している。ゲート絶縁層ILとしては、酸化シリコン膜(SiO2)/窒化シリコン膜(Si34)/酸化シリコン膜(SiO2)からなる積層膜、すなわちONO膜を用いることができる。あるいはゲート絶縁層ILとして酸化アルミニウム(Al23)/酸化タンタル(Ta25)/酸化ハフニウム(HfO2)からなる積層膜などの高誘電率ゲート絶縁膜(High−k絶縁膜)を用いることができる。
トップ絶縁層22はシリコン酸窒化膜(SiON)とすることもできる。またゲート絶縁層ILは、トップ絶縁層22が省略されて、電荷トラップ層CTとゲート電極層GEとが接している構成とされてもよい。
ゲート電極層GEは、電荷トラップ層CT上にp型半導体により形成されている。これにより、ゲート電極層GEは書込動作を行なうために電荷トラップ層CTに正孔を注入することができるように構成されている。ゲート電極層GEはp−拡散層13La,13Raよりも不純物濃度の高いp型半導体により形成されている。不純物としては、たとえばボロンが用いられる。
サイドウォール24は絶縁体からなり、ゲート絶縁層ILとゲート電極層GEと金属シリサイド層23とからなる積層体の側面に形成されている。サイドウォール24は電荷をトラップしない材質により形成されている。
金属シリサイド層14,14のそれぞれは、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLa,SDRaの各々の上に形成されている。金属シリサイド層23はゲート電極層GEの上に形成されている。金属シリサイド層14,23が形成された領域は、ポリシリコンからなる領域に比して電気抵抗が低減されている。金属シリサイドとしては、たとえばTiSi2、WSix、CoSi、NiSi2、PtSi2を用いることができる。
p−拡散層13La,13Raのそれぞれは、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLa,SDRaの各々のゲート絶縁層IL側に接するように設けられている。
次に、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の動作方法について説明する。主な動作として、消去、書込および読出が行なわれる。また各メモリセルMCaの第1および第2ソース/ドレインL,Rのそれぞれの側において1ビットずつの情報が記憶されるため、書込時または読出時にはL側およびR側の各々について動作が行なわれる。
本実施の形態における不揮発性半導体記憶装置をNOR型フラッシュメモリに適用した場合の各動作のメモリセルアレイに対する印加電位の組合せを以下の表1に示す。
Figure 0005212770
主に表1を参照して、VWL1,VWL2,VBL1L,VBL1R,VBL2L,VBL2RおよびVn-WELLの各列は、図1に示すメモリセルアレイのワード線WL1,WL2、ビット線BL1L,BL1R,BL2L,BL2Rおよびウエル配線n−WELLのそれぞれに印加される電位を表している。表中のGNDは接地電位(たとえば0V)を表し、O/C(Open Connection)はフローティング電位を表している。
表1の各行は、特定動作時の上記印加電位の組合せを表している。「消去(オプション1)」および「消去(オプション2)」のそれぞれは、消去動作時に適用することができる電位の2種類の組合せを表している。「書込 MC11(L)」および「書込 MC11(R)」のそれぞれは、図1に示すメモリセルMC11が選択セルMCSとされた場合のL側およびR側の各々の書込動作時の電位の組合せを表している。「読出 MC11(L)」および「読出 MC11(R)」のそれぞれは、図1に示すメモリセルMC11が選択セルMCSとされた場合のL側およびR側の各々の読出動作時の電位の組合せを表している。
まずL側の書込動作(表1における「書込 MC11(L)」)について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのL側の書込動作を概略的に示す断面図である。
図1、図3および表1を参照して、+VH2は+10V〜+12V、+VLは+3V〜+10Vとされる。より具体的には、+VH2は12V、+VLは+5Vとされる。これによりメモリセルMC11においてゲート電極層GEには+12Vが印加され、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLa,SDRaのそれぞれには0V、+5Vの各々が印加される。
上記の電位印加により、ゲート電極層GEは第1ソース/ドレイン領域SDLaに対して+12Vだけ高電位の状態とされる。これにより、矢印(図3)で示すように、ゲート電極層GEのp型半導体の正孔が電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLa側(図中左側)に注入される。電荷トラップ層CTは電荷をトラップすることができるため、正孔は電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLa側(図中左側)にトラップされる。これにより、L側の書込動作が行なわれる。
また上記電位印加により、第2ソース/ドレイン領域SDRaは第1ソース/ドレイン領域SDLaよりも12V−5V=7Vだけ高電位とされる。これにより、正孔は電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLa側に選択的に注入される。
次にR側の書込動作(表1における「書込 MC11(R)」)について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのR側の書込動作を概略的に示す断面図である。
図1、図4および表1を参照して、+VH2は+10V〜+12V、+VLは+3V〜+10Vとされる。より具体的には、+VH2は12V、+VLは+5Vとされる。これによりメモリセルMC11においてゲート電極層GEには+12Vが印加され、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLa,SDRaのそれぞれには+5V、0Vの各々が印加される。
上記の電位印加により、ゲート電極層GEは第2ソース/ドレイン領域SDRaに対して+12Vだけ高電位の状態とされる。これにより、矢印(図4)で示すように、ゲート電極層GEのp型半導体の正孔が電荷トラップ層CTの第2ソース/ドレイン領域SDRa側(図中右側)に注入される。電荷トラップ層CTは電荷をトラップすることができるため、正孔は電荷トラップ層CTの第2ソース/ドレイン領域SDRa側(図中右側)にトラップされる。これにより、R側の書込動作が行なわれる。
また上記電位印加により、第1ソース/ドレイン領域SDLaは第2ソース/ドレイン領域SDRaよりも12V−5V=7Vだけ高電位とされる。これにより、正孔は電荷トラップ層CTの第2ソース/ドレイン領域SDRa側に選択的に注入される。
次に消去動作について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。
図1、図5および表1を参照して、表1の「消去(オプション1)」または「消去(オプション2)」において、+VH1は+9V〜+15V、より具体的には+15Vとされる。これにより、ゲート電極層GEがシリコン基板1aのnウエル層12aに対して+15Vとされる。この電位印加により、シリコン基板1aのチャネル表面に形成された蓄積層AL(図5)の電子が矢印で示すようにボトム絶縁層21をトンネルして電荷トラップ層CTの全面に注入される。これにより、上述したL側およびR側の書込動作により書込まれたビット情報はともに消去される。
なお消去動作は、Vn-WELLが+5V程度とされ、+VH1が+15V〜+20Vとされることにより行なうこともできる。この電位印加によりシリコン基板1aのチャネル表面に空乏層が形成される。そして空乏層内の電界により加速されて発生する基板ホットエレクトロンが電荷トラップ層CT全面に注入されることにより消去動作が行なわれる。ホットエレクトロンによる注入は上記のオプション1またはオプション2におけるトンネルによる注入よりも高速であるため、消去動作をより高速で行なうことができる。
次にメモリセルの読出動作について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。なお、図6においては、電荷トラップ層CTのL側およびR側(図中左右両側)の両方に正孔がトラップされて書込が行なわれた状態が示されているが、片側にのみ正孔がトラップされて書込が行なわれている状態(図示せず)や、両側ともに正孔がトラップされていない状態(図示せず)も存在する。
最初にメモリセルのL側の読出動作(表1における「読出 MC11(L)」)について説明する。
図1、図6および表1を参照して、VWL1が−3V〜+1V、VBL1Lが+1V〜+3V、VBL1Rが−2V〜+1V、Vn-WELLが+1V〜+3Vとされる。より具体的には、表1の「読出 MC11(L)」において+VH3が3Vとされる。これにより第1ソース/ドレイン領域SDLaがソースとして機能し、第2ソース/ドレイン領域SDRaがドレインとして機能し、電荷トラップ層CTのL側(図中左側)の読出が行なわれる。
次に、R側の読出動作(表1における「読出 MC11(R)」)について説明する。
図1、図6および表1を参照して、VWL1が−3V〜+1V、VBL1Lが−2V〜+1V、VBL1Rが+1V〜+3V、Vn-WELLが+1V〜+3Vとされる。より具体的には、表1の「読出 MC11(L)」において+VH3が3Vとされる。これにより第2ソース/ドレイン領域SDRaがソースとして機能し、第1ソース/ドレイン領域SDLaがドレインとして機能し、電荷トラップ層CTのR側(図中右側)の読出が行なわれる。
以上、印加電位の範囲を例示しながら本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の動作方法について説明したが、本発明は上記の印加電位の範囲に限定されるものではない。
次に、本実施の形態における不揮発性半導体記憶装置の変形例として、NAND型フラッシュメモリについて説明する。
最初に本実施の形態の変形例における不揮発性半導体記憶装置の構成について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1の変形例における不揮発性半導体記憶装置をNAND型フラッシュメモリに適用した模式的回路構成を示す回路図である。図7を参照して、NAND型フラッシュメモリのメモリセルアレイ内には多数のメモリセルが行列状に配置されている。なお図7においては代表して6つのメモリセルMC11〜MC13,MC21〜MC23が示されている。
行方向(図中縦方向)に並んだ複数のメモリセルMC11,MC21の各々の制御ゲートGは行方向に伸びるワード線WL1に電気的に接続されている。また行方向に並んだ複数のメモリセルMC12,MC22の各々の制御ゲートGは行方向に伸びるワード線WL2に電気的に接続されている。また行方向に並んだ複数のメモリセルMC13,MC23の各々の制御ゲートGは行方向に伸びるワード線WL3に電気的に接続されている。
列方向(図中横方向)に並んだ複数のメモリセルMC11〜MC13は直列に接続されている。列方向に並んだ複数のメモリセルMC21〜MC23は直列に接続されている。なお一の列において互いに隣り合うメモリセルMCa同士の接続は、一方のメモリセルMCaの第1ソース/ドレインLと、他方のメモリセルMCaの第2ソース/ドレインRとが、一体形成されるかあるいは配線により接続されることにより行なわれている。
直列に接続されたメモリセルMC11〜MC13群の一方端部であるメモリセルMC11のL側端部(図中左方端部)はドレイン端子D1となっており、他方端部であるメモリセルMC13のR側端部(図中右方端部)はソース端子S1となっている。また直列に接続されたメモリセルMC21〜MC23群の一方端部であるメモリセルMC21のL側端部はドレイン端子D2となっており、他方端部であるメモリセルMC23のR側端部はソース端子S2となっている。
ドレイン端子D1,D2およびソース端子S1,S2はそれぞれパストランジスタ(図示せず)に接続されており、選択的に電位が印加されたり、されなかったりすることができるように構成されている。
なお、本変形例の上記以外の構成については、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、本実施の形態の変形例の不揮発性半導体記憶装置の動作方法について説明する。主な動作として、消去、書込および読出が行なわれる。また各メモリセルMCaの第1および第2ソース/ドレインL,Rのそれぞれの側において1ビットずつの情報が記憶されるため、書込時または読出時にはL側およびR側の各々について動作が行なわれる。
本実施の形態における不揮発性半導体記憶装置をNAND型フラッシュメモリに適用した場合の各動作ごとのメモリセルアレイに対する印加電位の組合せを以下の表2に示す。なお、表2には、図7に示すドレイン端子D1およびソース端子S1を有する列(図中上の列)が選択状態とされ、かつドレイン端子D2およびソース端子S2を有する列(図中下の列)が非選択状態とされた場合の印加電位の組合せが示されている。
Figure 0005212770
表2を参照して、VD1,VD2,VWL1,VWL2,VWL3,VS1,VS2およびVn-WELLの各列は、図7に示すメモリセルアレイのドレイン端子D1,D2、ワード線WL1,WL2,WL3、ソース端子S1,S2、およびウエル配線n−WELLのそれぞれに印加される電位を表している。表中のGNDは接地電位(たとえば0V)を表し、O/Cはフローティング電位を表している。
表2の各行は、特定動作時の上記印加電位の組合せを表している。「消去(オプション1)」および「消去(オプション2)」のそれぞれは、消去動作時に適用することができる電位の2種類の組合せを表している。「書込 VWL2(L)」および「書込 VWL2(R)」のそれぞれは、図7に示すメモリセルMC12のL側およびR側の各々の書込動作時の電位の組合せを表している。また「読出 VWL2(L)」および「読出 VWL2(R)」のそれぞれは、メモリセルMC12のL側およびR側の各々の読出動作時の電位の組合せを表している。
まず書込動作(表2における「書込 VWL2(L)」または「書込 VWL2(R)」)について、図3、図4、図7および表2を参照して説明する。
表2において、VDPは0V、+VLは+5V、+VX1は−1V〜−3V、+VH2は+10V、+VX2は0Vとされる。このときメモリセルMC11はドレイン端子D1の電位をメモリセルMC12の第1ソース/ドレイン領域SDLaに伝えるパストランジスタの働きをする。またメモリセルMC13はソース端子S1の電位をメモリセルMC12の第2ソース/ドレイン領域SDRaに伝えるパストランジスタの働きをする。それゆえ、メモリセルMC11,MC13による閾値電圧変化分を補正するように、各制御ゲートGの電位が設定される。
次に消去動作について、図5、図7および表2を参照して説明する。
表2の「消去(オプション1)」または「消去(オプション2)」において、+VH1は+9Vとされる。オプション1および2のいずれにおいても、電荷トラップ層CTの全面に電子が注入される。なお基板ホットエレクトロンにより記憶が消去される場合には、Vn-WELLの電位が−5V程度とされればよい。
次に、図6、図7および表2を参照して、読出動作(表2における「読出 VWL2(L)」または「読出 VWL2(R)」)について説明する。
表2において、+VH3は+3V、VDR,VY1およびVH4は0V、+VY2は−3Vとされる。このときメモリセルMC11はドレイン端子D1の電位をメモリセルMC12の第1ソース/ドレイン領域SDLaに伝えるパストランジスタの働きをする。それゆえ、メモリセルMC11,MC13による閾値電圧変化分を補正するように、各制御ゲートGの電位が設定される。
以上、印加電位の範囲を例示しながら本実施の形態の変形例の不揮発性半導体記憶装置の動作方法について説明したが、本発明は上記の印加電位の範囲に限定されるものではない。
次に、本発明に対する比較例の不揮発性半導体記憶装置としてのNAND型フラッシュメモリについて説明する。
図8は、本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置としてのNAND型フラッシュメモリの模式的回路構成を示す回路図である。なお図8においてはメモリセルアレイのうちメモリセルMC1〜MC3を有するひとつの列が代表して示されている。また以下において本比較例のメモリセルのそれぞれが総称されて表現される場合には、符号MCzにより表記される。
図8を参照して、一の列における列方向(図中横方向)に並んだ複数のメモリセルMC1〜MC3は直列に接続されている。なお互いに隣り合うメモリセルMCz同士の接続は、一方のメモリセルMCzの第1ソース/ドレインLと、他方のメモリセルMCzの第2ソース/ドレインRとが、一体形成されるかあるいは配線により接続されることにより行なわれている。
直列に接続されたメモリセルMC1〜MC3群の一方端部であるメモリセルMC1のL側(図中左側)には選択ゲートMN1が直列接続されており、他方端部であるメモリセルMC3のR側(図中右側)には選択ゲートMN2が直列接続されている。直列に接続されたメモリセルMC1〜MC3および選択ゲートMN1,MN2の群の一方端部である選択ゲートMN1の端部(図中左方端部)は電位VDとされており、他方端部である選択ゲートMN2の端部(図中右方端部)は電位VSとされている。
メモリセルMC1〜MC3のそれぞれの制御ゲートGは、行方向に伸びるワード線に接続されることにより、電位VWL1、VWL2、VWL3とされている。また選択ゲートMN1,MN2のそれぞれのゲートは、電位VGD,VGSとされている。
図9は、本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置の各メモリセルの構成を概略的に示す断面図である。
図9を参照して、メモリセルMCzは、主に、主表面を有するシリコン基板1zと、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLz,SDRzと、電荷トラップ層CTと、ゲート電極層GEzとを備えている。またメモリセルMCzは、ボトム絶縁層21と、トップ絶縁層22と、低濃度拡散層13Lz,13Rzと、サイドウォール24と、金属シリサイド層14,14,23とを有している。
シリコン基板1zはp型半導体により形成されている。
1対のソース/ドレイン領域となる第1および第2ソース/ドレイン領域SDLz,SDRzはシリコン基板1zの主表面にn型半導体により形成されている。
ゲート電極層GEzはメモリセルMCzの制御ゲートであり、電荷トラップ層CT上に形成されている。
次に、本比較例のNAND型フラッシュメモリの動作方法について説明する。主な動作として、消去、書込および読出が行なわれる。また各メモリセルMCzの第1および第2ソース/ドレインL,Rのそれぞれの側において1ビットずつの情報が記憶されるため、書込時または読出時にはL側およびR側の各々について動作が行なわれる。
まずメモリセルMCzのL側の書込動作について説明する。
図10は、本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのL側の書込動作を概略的に示す断面図である。
また本比較例における不揮発性半導体記憶装置としてのNAND型フラッシュメモリの書込動作時のメモリセルアレイに対する印加電位の組合せを以下の表3に示す。
Figure 0005212770
なお表3においては「書込 VWL2(L)」として、図8に示すメモリセルMC2のL側の書込動作時の電位の組合せが示されている。
図8、図10および表3を参照して、たとえば−VHは−10V〜−20V、+VDPは+3〜+6Vとされる。また、たとえばVX1と、VX2と、VDP+VTとはほぼ同じとされる。ここでVTはメモリセルMCzの閾値電圧である。
上記の電位印加により、第1ソース/ドレイン領域SDLzとシリコン基板1zとの接合部がGIDL状態とされ、正孔と電子との対が生成する。この正孔が矢印(図10)で示すように電荷トラップ層CTに注入されることにより書込動作が行なわれる。
次にメモリセルMCzのR側の書込動作について説明する。
図11は、本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのR側の書込動作を概略的に示す断面図である。
図8、図11および表3を参照して、R側の書込動作においては、上述したL側の書込動作と異なり、VSが+VDPとされ接続され、VdがGNDとされる。
次に消去動作について説明する。
図12は、本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。
図12を参照して、シリコン基板1zのチャネル表面に反転層RLが形成される。この反転層RLの電子が矢印で示すようにボトム絶縁層21をトンネルして電荷トラップ層CTの全面に注入される。これにより、上述したL側およびR側の書込動作により書込まれたビット情報はともに消去される。
図13は、本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置としてのNAND型フラッシュメモリの書込動作時のメモリセルアレイ内での正孔および電子の移動の様子を示す説明図である。
図13および表3を参照して、GIDLにより発生した正孔および電子の対のうち、正孔はメモリセルMC2の書込動作において正常にトラップされる。一方、VWL1は+VX2、すなわち正の電位であるため、メモリセルMC1の制御ゲートは正電位とされている。この正電位により生じる電界により、GIDLにより発生した電子がメモリセルMC1の電荷トラップ層CTに誤って注入されてしまうことがある。この場合、メモリセルMC1に記憶された情報が破壊されるディスターブが発生する。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
上記比較例のようにGIDLによる正孔が電荷トラップ層CTに注入されることにより書込動作が行なわれる場合は、対として発生する電子によるディスターブが発生しやすい。
これに対して本実施の形態によれば、電荷トラップ層CTに注入される正孔として、図3に示すように、ゲート電極層GEを形成するp型半導体の正孔が用いられる。このため電子の発生を伴なわずに正孔を発生させることができる。よって記憶された情報が電子の誤った注入により破壊されるディスターブの発生を抑制することができる。
またゲート電極層GEが第1ソース/ドレイン領域SDLaに対して高電位とされることにより、ゲート電極層GEのp型半導体の正孔が電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLa側(L側)に注入される。これによりメモリセルMCaのL側の書込動作を行なうことができる。
また第2ソース/ドレイン領域SDRaが第1ソース/ドレイン領域SDLaよりも高電位とされることにより、電荷トラップ層CTの第2ソース/ドレイン領域SDRa側(R側)ではなく、電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLa側(L側)に選択的に正孔の注入を行なうことができる。これによりメモリセルMCaにおけるL側に選択的に書込動作を行なうことができる。また同様の原理によりR側に選択的に書込み動作を行なうこともできる。この結果、各メモリセルMCaが複数ビットの記憶を行なうことができる。
またゲート電極層GEがシリコン基板1aのnウエル層12aに対して高電位とされることにより、図5に示すように、シリコン基板1aのnウエル層12aから電子が注入される。これによりメモリセルMCaの消去動作を行なうことができる。
またゲート電極層GEと電荷トラップ層CTとの間には、トップ絶縁層22が設けられている。これにより電荷トラップ層CTにトラップされた正孔がゲート電極層GEに漏洩することを抑制することができる。
また複数のメモリセルMCaが、図1に示すように互いに並列に接続されている。これによりNOR型フラッシュメモリを構成することができる。
また本実施の形態の変形例においては、図7に示すように、複数のメモリセルMCaが互いに直列に接続されている。これによりNAND型フラッシュメモリを構成することができる。
なおNAND型フラッシュメモリにおいては、上述した比較例で説明したように、隣接セルに対してディスターブが特に発生しやすい。本変形例によればこのディスターブを効果的に抑制することができる。
また本実施の形態においてトップ絶縁層22が省略された構成とされた場合は、トップ絶縁層22が設けられた場合に比してゲート電極層GEから電荷トラップ層CTへの正孔の注入効率が高まり、より高速で書込動作を行なうことができる。
またトップ絶縁層22にシリコン酸窒化膜(SiON)が用いられた場合は、ゲート電極層GEが含む不純物であるボロンのシリコン基板1aへの突き抜けを防止することができる。また正孔のトンネル電流が増加する。
(実施の形態2)
最初に本実施の形態における不揮発性半導体記憶装置の回路構成について説明する。
図14は、本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置をNAND型フラッシュメモリに適用した模式的回路構成を示す回路図である。
図7(実施の形態1の変形例の回路図)および図14およびを参照して、実施の形態1と本実施の形態とは、メモリセルMC11〜MC13,MC21〜MC23を形成している半導体の導電型が異なっている。なお以下においては、本実施の形態のメモリセルのそれぞれが総称されて表現される場合には、符号MCbにより表記される。
なお、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の上記以外の回路構成は、実施の形態1の変形例の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に本実施の形態における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの構成について説明する。図15は、本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置の各メモリセルの構成を概略的に示す断面図である。
図15を参照して、メモリセルMCbは、主に、主表面を有するシリコン基板(半導体基板)1bと、第1および第2ソース/ドレイン領域(第1および第2不純物領域)SDLb,SDRbと、電荷トラップ層(絶縁層)CTと、ゲート電極層GEとを備えている。またメモリセルMCbは、ボトム絶縁層21と、トップ絶縁層22と、n−拡散層13Lb,13Rbと、サイドウォール24と、金属シリサイド層14,14,23とを有している。
シリコン基板1bは、基材11bと、pウエル層12bとを有している。pウエル層12bはシリコン基板1bの主表面側に位置しているp型半導体からなる領域である。
1対のソース/ドレイン領域となる第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbはpウエル層12b上に形成されている。すなわちシリコン基板1bの主表面に形成されている。第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbはn−拡散層13Lb,13Rbよりも不純物濃度の高いn型半導体により形成されている。ソース/ドレイン領域がn型であることにより、本実施の形態のメモリセルMCbはnチャネル型の構造を有している。
電荷トラップ層CTは、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbに挟まれるシリコン基板1bの主表面上に設けられている。電荷トラップ層CTとシリコン基板1bとの間はボトム絶縁層21が設けられている。ゲート絶縁層ILは、ゲート電極層GEとシリコン基板1bとを絶縁している。
金属シリサイド層14,14のそれぞれは、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbの各々の上に形成されている。n−拡散層13Lb,13Rbのそれぞれは、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbの各々のゲート絶縁層IL側に接するように設けられている。
なお、本実施の形態のメモリセルMCbの上記以外の構成については、実施の形態1のメモリセルMCaの構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の動作方法について、メモリセルMCbに着目して説明する。
最初に本実施の形態におけるメモリセルMCbの書込動作について説明する。
図16および図17のそれぞれは、本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのL側およびR側の各々の書込動作を概略的に示す断面図である。
図16を参照して、ゲート電極層GEに比較的高い正の電位(+10V〜+15V)が印加される。第1ソース/ドレイン領域SDLbに−3V〜−5Vの電位が印加される。第2ソース/ドレイン領域SDRbと、シリコン基板1bのpウエル層12bとに0Vの電位が印加される。
上記の電位印加により、ゲート電極層GEは第1ソース/ドレイン領域SDLbに対して高電位の状態とされる。これにより、矢印(図16)で示すように、ゲート電極層GEのp型半導体の正孔が電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLb側(図中左側)に注入される。電荷トラップ層CTは電荷をトラップすることができるため、正孔は電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLb側(図中左側)にトラップされる。これにより、L側の書込動作が行なわれる。
また上記電位印加により、第2ソース/ドレイン領域SDRbは第1ソース/ドレイン領域SDLbよりも高電位とされる。これにより、正孔は電荷トラップ層CTの第1ソース/ドレイン領域SDLb側に選択的に注入される。
図17を参照して、上述した第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbの電位が入れ替えられた状態とされることにより、R側の書込動作が行なわれる。
次に消去動作について説明する。
図18は、本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。
図18を参照して、ゲート電極層GEに+12V〜+15Vの電位が印加される。第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbと、pウエル層12bとに、0Vの電位が印加される。
上記の電位印加により、チャネル表面に電子の反転層RLが形成される。この電子がボトム絶縁層21をトンネルして電荷トラップ層CTに注入され、ビット情報がL側およびR側ともに消去される。
なお消去動作は、pウエル層12bに−5V程度の電位が印加され、ゲート電極層GEに+12V〜+15Vの電位が印加され、第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbに0Vの電位が印加されることにより行なうこともできる。この電位印加によりシリコン基板1bのチャネル表面に空乏層が形成される。そして空乏層内の電界により加速されて発生する基板ホットエレクトロンが電荷トラップ層CT全面に注入されることにより消去動作が行なわれる。ホットエレクトロンによる注入はトンネルによる注入よりも高速であるため、消去動作をより高速で行なうことができる。
次にメモリセルMCbの読出動作について説明する。
図19は、本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。なお、図19においては、電荷トラップ層CTのL側およびR側(図中左右両側)の両方に正孔がトラップされて書込が行なわれた状態が示されているが、片側にのみ正孔がトラップされて書込が行なわれている状態(図示せず)や、両側ともに正孔がトラップされていない状態(図示せず)も存在する。
図19を参照して、第1ソース/ドレイン領域SDLbおよびpウエル層12bに0V〜3Vの電位が印加される。また第2ソース/ドレイン領域SDRbおよびゲート電極層GEに+1V〜+5Vの電位が印加される。
上記の電位印加により、第1ソース/ドレイン領域SDLbがソースとして機能し、第2ソース/ドレイン領域SDRbがドレインとして機能する。これにより電荷トラップ層CTのL側(図中左側)の読出が行なわれる。
上述した第1および第2ソース/ドレイン領域SDLb,SDRbの電位が入れ替えられた状態とされることにより、R側の読出動作が行なわれる。
次に、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の動作方法について、メモリセルアレイに着目して説明する。本実施の形態における不揮発性半導体記憶装置をNAND型フラッシュメモリに適用した場合の各動作ごとのメモリセルアレイに対する印加電位の組合せを以下の表4に示す。なお、表4には、図14に示すドレイン端子D1およびソース端子S1を有する列(図中上の列)が選択状態とされ、かつドレイン端子D2およびソース端子S2を有する列(図中下の列)が非選択状態とされた場合の印加電位の組合せが示されている。
Figure 0005212770
表4を参照して、VD1,VD2,VWL1,VWL2,VWL3,VS1,VS2およびVp-WELLの各列は、図14に示すメモリセルアレイのドレイン端子D1,D2、ワード線WL1,WL2,WL3、ソース端子S1,S2、およびウエル配線p−WELLのそれぞれに印加される電位を表している。表中のGNDは接地電位(たとえば0V)を表し、O/Cはフローティング電位を表している。
表4の各行は、特定動作時の上記印加電位の組合せを表している。「消去(オプション1)」および「消去(オプション2)」のそれぞれは、消去動作時に適用することができる電位の2種類の組合せを表している。「書込 VWL2(L)」および「書込 VWL2(R)」のそれぞれは、図14に示すメモリセルMC12のL側およびR側の各々の書込動作時の電位の組合せを表している。「読出 VWL2(L)」および「読出 VWL2(R)」のそれぞれは、図14に示すメモリセルMC12のL側およびR側の各々の読出動作時の電位の組合せを表している。
図14および表4を参照して、まず書込動作(表4における「書込 VWL2(L)」または「書込 VWL2(R)」)について、説明する。
表4において、VDPは−5V、+VLは0V、+VX1は3V、+VH2は+10V、+VX2は3Vとされる。このときメモリセルMC11はドレイン端子D1の電位をメモリセルMC12の第1ソース/ドレイン領域SDLaに伝えるパストランジスタの働きをする。またメモリセルMC13はソース端子S1の電位をメモリセルMC12の第2ソース/ドレイン領域SDRaに伝えるパストランジスタの働きをする。それゆえ、メモリセルMC11,MC13による閾値電圧変化分を補正するように、各制御ゲートGの電位が設定される。
次に消去動作について説明する。
表4の「消去(オプション1)」または「消去(オプション2)」において、+VH1は+12Vとされる。オプション1および2のいずれにおいても、電荷トラップ層CTの全面に電子が注入される。なお基板ホットエレクトロンにより記憶が消去される場合には、Vp-WELLの電位が−5V程度とされればよい。
次に、読出動作(表4における「読出 VWL2(L)」または「読出 VWL2(R)」)について説明する。
表4において、+VH3は+0V、VDRは+3V〜+5V、VY1は+3V、VY2は+5V、VH4は+5Vとされる。このときメモリセルMC11はドレイン端子D1の電位をメモリセルMC12の第1ソース/ドレイン領域SDLaに伝えるパストランジスタの働きをする。それゆえ、メモリセルMC11,MC13による閾値電圧変化分を補正するように、各制御ゲートGの電位が設定される。
以上、印加電位の範囲を例示しながら本実施の形態の変形例の不揮発性半導体記憶装置の動作方法について説明したが、本発明は上記の印加電位の範囲に限定されるものではない。
本実施の形態によれば、nチャネル型の構造を有するメモリセルMCbを備えた不揮発性半導体記憶装置において、実施の形態1およびその変形例と同様の効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、電荷をトラップすることができる絶縁層に対して正孔を注入することにより書込を行なう不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法に特に有利に適用され得る。
本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置をNOR型フラッシュメモリに適用した模式的回路構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置の各メモリセルの構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのL側の書込動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのR側の書込動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例における不揮発性半導体記憶装置をNAND型フラッシュメモリに適用した模式的回路構成を示す回路図である。 本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置としてのNAND型フラッシュメモリの模式的回路構成を示す回路図である。 本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置の各メモリセルの構成を概略的に示す断面図である。 本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのL側の書込動作を概略的に示す断面図である。 本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのR側の書込動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。 本発明の比較例における不揮発性半導体記憶装置としてのNAND型フラッシュメモリの書込動作時のメモリセルアレイ内での正孔および電子の移動の様子を示す説明図である。 本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置をNAND型フラッシュメモリに適用した模式的回路構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置の各メモリセルの構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのL側の書込動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルのR側の書込動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における不揮発性半導体記憶装置のメモリセルの消去動作を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1a,1b,1z シリコン基板、11a,11b 基材、12a nウエル層、12b pウエル層、13La,13Ra p−拡散層、13Lb,13Rb n−拡散層、13Lz,13Rz 低濃度拡散層、14 金属シリサイド層、21 ボトム絶縁層、22 トップ絶縁層、23 金属シリサイド層、24 サイドウォール、AL 蓄積層、B バックゲート、BL1L,BL1R,BL2L,BL2R ビット線、CT 電荷トラップ層、D1,D2 ドレイン端子、G 制御ゲート、GE,GEz ゲート電極層、IL ゲート絶縁層、L 第1ソース/ドレイン、MC1〜MC3,MC11〜MC13,MC21〜MC23,MCa,MCb,MCz メモリセル、MCS 選択セル、MN1,MN2 選択ゲート、n−WELL,p−WELL ウエル配線、R 第2ソース/ドレイン、RL 反転層、S1,S2 ソース端子、SDLa,SDLb,SDLz 第1ソース/ドレイン領域、SDRa,SDRb,SDRz 第2ソース/ドレイン領域、WL1,WL2,WL3 ワード線。

Claims (7)

  1. 主表面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の前記主表面に形成された1対のソース/ドレイン領域となる第1および第2不純物領域と、
    前記第1および第2不純物領域に挟まれる前記半導体基板の前記主表面上に設けられた電荷をトラップすることができる絶縁層と、
    前記絶縁層上にp型半導体により形成され、かつ書込動作を行なうために前記絶縁層に正孔を注入することができるように構成されているゲート電極層とを備え
    前記ゲート電極層を前記第1不純物領域に対して高電位にすることにより前記正孔を前記絶縁層に注入することを特徴とし、かつ
    前記第2不純物領域を前記第1不純物領域よりも高電位にすることにより前記絶縁層の前記第1不純物領域側に選択的に前記正孔を注入することを特徴とする、不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記ゲート電極層を前記半導体基板に対して高電位にすることにより前記半導体基板から前記絶縁層に電子を注入することで消去動作を行なえるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記絶縁層と、前記ゲート電極層とが接していることを特徴とする、請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記第1および第2不純物領域、前記絶縁層および前記ゲート電極層を有するメモリセルを複数有し、
    前記複数のメモリセルが互いに直列に接続されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記第1および第2不純物領域、前記絶縁層および前記ゲート電極層を有するメモリセルを複数有し、
    前記複数のメモリセルが互いに並列に接続されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 主表面を有する半導体基板と、前記半導体基板の前記主表面に形成された1対のソース/ドレイン領域となる第1および第2不純物領域と、前記第1および第2不純物領域に挟まれる前記半導体基板の前記主表面上に設けられた電荷をトラップすることができる絶縁層と、前記絶縁層上にp型半導体により形成されたゲート電極層とを備えた不揮発性半導体記憶装置の動作方法であって、
    前記絶縁層に正孔を注入することにより書込動作を行なうものであり、
    前記ゲート電極層を前記第1不純物領域に対して高電位にすることにより前記正孔を前記絶縁層に注入することを特徴とし、かつ
    前記第2不純物領域を前記第1不純物領域よりも高電位にすることにより前記絶縁層の前記第1不純物領域側に選択的に前記正孔を注入することを特徴とする、不揮発性半導体記憶装置の動作方法。
  7. 前記ゲート電極層を前記半導体基板に対して高電位にすることで前記半導体基板から前記絶縁層に電子を注入することにより消去動作を行なうことを特徴とする、請求項に記載の不揮発性半導体記憶装置の動作方法。
JP2007184595A 2007-07-13 2007-07-13 不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法 Expired - Fee Related JP5212770B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007184595A JP5212770B2 (ja) 2007-07-13 2007-07-13 不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007184595A JP5212770B2 (ja) 2007-07-13 2007-07-13 不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009021508A JP2009021508A (ja) 2009-01-29
JP5212770B2 true JP5212770B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=40360867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007184595A Expired - Fee Related JP5212770B2 (ja) 2007-07-13 2007-07-13 不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5212770B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004186452A (ja) * 2002-12-04 2004-07-02 Renesas Technology Corp 不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法
JP2004303918A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法および半導体装置
US7170785B2 (en) * 2004-09-09 2007-01-30 Macronix International Co., Ltd. Method and apparatus for operating a string of charge trapping memory cells
TWI300931B (en) * 2006-06-20 2008-09-11 Macronix Int Co Ltd Method of operating non-volatile memory device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009021508A (ja) 2009-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9837165B2 (en) Data storage device and method of driving the same
US8325522B2 (en) Memory array of floating gate-based non-volatile memory cells
JP4040534B2 (ja) 半導体記憶装置
JP4282248B2 (ja) 半導体記憶装置
US8345488B2 (en) Flash memory array of floating gate-based non-volatile memory cells
US7450418B2 (en) Non-volatile memory and operating method thereof
JP4562602B2 (ja) メモリーセル及び関連操作方法
US20060104116A1 (en) Method of operating a flash memory device
JP2007142398A (ja) 単層ポリシリコン不揮発性メモリーセルの駆動方法
US20070109870A1 (en) Semiconductor memory device
US7515468B2 (en) Nonvolatile memory device
JP5221024B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置
TWI835051B (zh) 具有參考位元線結構的準揮發性記憶體
JP2009130136A (ja) 不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法
US7869279B1 (en) EEPROM memory device and method of programming memory cell having N erase pocket and program and access transistors
JP2004134799A (ja) 単一ビット不揮発性メモリーセル、および、その書き込み方法および消去方法
TWI508098B (zh) Nonvolatile semiconductor memory device
US8233321B2 (en) Semiconductor memory device and method for driving semiconductor memory device
JP5068053B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法
JP4810330B2 (ja) 半導体記憶装置
JP5212770B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置およびその動作方法
JP4856488B2 (ja) 半導体装置
JP3923822B2 (ja) ランダムプログラミングが可能な不揮発性半導体メモリ
JP3420132B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置
JP2011018432A (ja) 不揮発性半導体集積回路装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees