JP5211979B2 - 偏光板保護用帯電防止フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

偏光板保護用帯電防止フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノチューブ(以下、CNTと略す。)を用いてなる偏光板保護用帯電防止フィルムに関するものであり、更に詳しくは、液晶テレビ、カーナビゲーション用ディスプレイ、携帯電話の液晶ディスプレイ、コンピューターディスプレイなどに用いられる偏光板の加工、実装時における表面保護用に使用される、高いレベルの導電性が発現し、防汚性や透明性にも優れる偏光板保護用帯電防止フィルムに関するものである。
近年のディスプレイ革命と相まって、いわゆるブラウン管型テレビから液晶ディスプレイへの切り換えが顕著である。液晶ディスプレイにおいては、主要構成部材である偏光板などの光学用シートの加工、実装する工程があるが表面保護の目的でポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、あるいはポリエステルフィルムなどの透明な保護フィルム、いわゆる表面保護フィルムに該部材と貼り合わせるための粘着剤などを塗布し、積層して用いられる。そして、液晶ディスプレイなどの組み込みが完了した後に、これらの保護フィルムを剥離、除去するが、この剥離時にいわゆる剥離帯電現象が発生し、静電気によってゴミが付着したり、あるいは貼られた状態そのもので帯電し、静電気によってゴミなどが付着する問題があった。これらのゴミ付着の問題は、例えば製品の検査時に液晶部材自体の欠点であるのか、表面に付着したゴミによるものなのか判別が難しく、また検査がスムーズに行えないなどの製造工程上の重大な問題でもあった。また特に、近年の高精細ディスプレイなどでは、上記したゴミの付着による問題の他、剥離帯電によるディスプレイの電子素子の破壊といった問題も発生している。
一方、ポリエチレンフィルムやポリエステルフィルムに帯電防止剤を練り込んだものは透明性に劣っており、液晶ディスプレイなどに組み込まれた後の製品の欠陥検査時に該保護フィルムの透明性が劣るため、検査精度が落ち、検査が遅れるなどの問題があった。
また、透明性に優れるポリエステルフィルムを用いた場合でも、未処理のものは帯電防止性がないため、ゴミの付着や剥離帯電などの問題が発生する。これを解決するため、帯電防止剤を練り込んだポリエステルフィルムや帯電防止剤を塗布したポリエステルフィルムが検討されているが、例えば帯電防止剤としてアクリル樹脂などと併用することで、フィルム製膜工程中で塗布、延伸、熱処理するインラインコート法に適用した場合でも透明性を有する帯電防止層を設けることができることなどが提案されている。(特許文献1)
一方、電子伝導型の帯電防止剤を用いたものとして、例えばポリアニリン系帯電防止剤(特許文献2)、酸化スズ系帯電防止剤(特許文献3)、ポリチオフェン系帯電防止剤(特許文献4)などが提案されている。
また、上記した帯電防止フィルムと粘着剤を貼り合わせる時に、意図せず付着した粘着剤、特に帯電防止層面と反対面に付着した粘着剤が簡単にふき取れるなど、いわゆる防汚性がゴミ付着防止や剥離帯電防止と同様に要求されており、防汚性を有する層を設けることなどが提案されている。(特許文献5)
特開昭61−204240号公報 特開平7−330901号公報 特開平7−329250号公報 特開平1−313521号公報 特開2003−154616号公報
しかし、前述した従来の技術には次のような問題点がある。
帯電防止性の付与に関して上記した従来技術では、イオン伝導型の帯電防止剤を用いた場合、その導電メカニズムはイオンによる空気中の水分の吸着に依存するものであるため、必然的に湿度依存性が存在し、特に低分子量タイプのものを用いた場合は顕著に現れ、湿度の低い環境下では全く導電性が得られないなどの問題がある。
また、導電メカニズムとして共役電子を用いた電子伝導型の帯電防止剤を用いた場合は、上記した湿度依存性が無いものの、組成物自体が剛直であり、例えばフィルム製膜工程中で塗布、乾燥、延伸、熱処理するインラインコート法を適用した場合、延伸追従性が無いため、延伸により塗膜に亀裂が生じ、塗膜が白化し、上記した製品検査時に支障をきたすなどの問題が発生する。
さらに上記した帯電防止フィルムと粘着剤を貼り合わせる時に、意図せず付着した粘着剤、特に帯電防止層面と反対面に付着した粘着剤をふき取る場合、不織布等にエタノール等の有機溶媒を含ませふき取ることが多く、上記した帯電防止剤では拭き取り時に帯電防止フィルムにキズが付いたり、有機溶剤への溶出による導電性の低下や塗膜の白化などの問題が発生する。
一方、単に帯電防止剤を塗布した技術のみでは、該帯電防止層に防汚性がないため、製品の検査時に液晶部材自体の欠点であるか、表面に付着した粘着剤なのか判別が難しい問題があった。また防汚層を帯電防止層を形成させた上に設ける場合は、その分塗布工程が増え、生産性やコスト面で優位とは言えない。
そこで、本発明の目的は、上記した欠点を解決せしめ、高い導電性が湿度変化によらず発現し、かつ耐スクラッチ性、耐溶剤性、防汚性、透明性にも極めて優れる偏光板保護用帯電防止フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明は、下記の構成を有する。すなわち、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片側に、カーボンナノチューブ(A)とカーボンナノチューブ分散剤(B)とバインダー樹脂(C)と炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)を含有する導電層が設けられた帯電防止フィルムであって、該導電層中の(A)、(B)および(C)の合計重量を100重量%として、(A)、(B)および(C)の重量比率が下記を満足し、かつ(B)と(A)の重量比((B)/(A))が0.5以上2.0以下であり、かつ炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)の含有量が、カーボンナノチューブ(A)とカーボンナノチューブ分散剤(B)とバインダー樹脂(C)の含有量の合計100重量部に対して、5〜20重量部であり、かつ該導電層の水滴接触角が70゜以上である偏光板保護用帯電防止フィルム、である。
(A)4.0〜17.0重量%
(B)2.0〜34.0重量%
(C)49.0〜94.0重量%
本発明の偏光板保護用帯電防止フィルムは、高い導電性を発現し、かつ耐スクラッチ性、耐溶剤性、防汚性、透明性優れ、また従来に比べより簡便な方法で得ることができるため、より安価に製造することができる。
以下、本発明の偏光板保護用帯電防止フィルムについて詳細に説明する。
本発明の偏光板保護用帯電防止フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に導電層を有する帯電防止フィルムであって、該導電層がCNT(A)とカーボンナノチューブ分散剤(B)とバインダー樹脂(C)と炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)を含有していることが必要である。
(1)熱可塑性樹脂フィルム
本発明でいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱可塑性樹脂を用いてなり、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではない。熱可塑性樹脂の例として、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリレート樹脂やポリスチレン樹脂などのアクリル樹脂、ナイロン樹脂などのポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂はモノポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。また、複数の樹脂を用いても良い。
これらの熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂フィルムの代表例として、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを挙げることができる。
これらのうち、機械的特性、寸法安定性、透明性などの点で、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルムなどが好ましく、更に、機械的強度、汎用性などの点でポリエステルフィルムが特に好ましい。
そこで、以下、本発明において、熱可塑性樹脂フィルムとして特に好適に用いられるポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂について詳しく説明する。
まず、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4‘−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを好ましく用いることができる。これらの構成成分は1種のみを用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断すると、エチレンテレフタレートを用いることが特に好ましい。すなわち、本発明では、熱可塑性樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また熱可塑性樹脂フィルムに熱や収縮応力などが作用する場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。これらのポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下含まれていてもよい。
上述したポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるのもが本発明を実施する上で好適である。
上記ポリエステルを使用したポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシート又はフィルムを長手方向および長手方向に直行する幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理を施されて、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。熱可塑性樹脂フィルムが二軸配向していない場合には、帯電防止フィルムの熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度が不十分であったり、平面性の悪いものとなるので好ましくない。
また、熱可塑性樹脂フィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μm、最も好ましくは38〜125μmである。また、熱可塑性樹脂フィルムは、共押出しによる複合フィルムであってもよいし、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたフィルムであっても良い。
(2)カーボンナノチューブ(A)
CNTとは炭素原子だけで構成されたハニカム構造のグラフェンシートが円筒状に丸まったシームレス(継ぎ目のない)チューブの総称であり、実質的にグラフェンシートを1層に巻いたものを単層CNT、2層に巻いたものを2層CNT、3層以上の多層に巻いたものを多層CNTという。本発明に用いられるCNT(A)は、単層CNT、2層CNT、多層CNTのいずれか、又は、それらの組み合わせたものであることが好ましい。
なお、ハニカム構造とは、主として六員環からなるネットワーク構造を指すが、CNTの構造上、チューブの屈曲部分や断面の閉塞部分に五員環や七員環などの六員環以外の環状構造を有していても良い。
さらにこれらのCNTの中でも、導電性の点から、2層CNTを用いるのが好ましい。2層CNTは、単層CNTと比較し、同等の優れた導電性を有しつつ、溶媒中への分散性や耐久性、製造コストの点で優れている。さらに外側の層を化学修飾して官能基を付与したり、親和性の高い溶媒を表面吸着させた場合には、外側の層は部分的に壊れたり、外側の層に由来する導電性が低減することがあり得るが、内側の層は変質されずに残るため、CNTとしての特性(特に導電性)を維持したまま溶媒や樹脂との親和性を付与することができる。また、2層CNTは、多層CNTと比較し、同等の分散性や製造コストである一方、圧倒的に高い導電性を有している。
また、使用するCNTは直径が1nm以上であることが好ましい。また、CNTの直径は50nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以下である。直径が50nmを超えるとCNTは3層以上の多層構造となり、導電経路が層間で発散してしまい導電性が低下することがあり、好ましくない。またこの場合、直径が50nm以下のCNTと同等の導電性を発現させようとすると多量のCNTが必要となり、帯電防止フィルムの透明性が極端に損なわれるばかりでなく、制限無く量を増やしても、十分な導電性を達成できない場合がある。さらには、CNTの直径が50nm以上であると、導電層の接着性や耐摩耗性を低下せしめることがある。また、直径が1mm未満のCNTは、製造することが困難である。
単層CNTや2層CNTは一般に多層CNTよりも細く、均一に分散すれば単位体積当たりの導電経路数がより多く確保でき導電性が高い反面、製法によっては半導体性のCNTが副生成物として多くできる場合があり、その場合には導電性のCNTを選択的に製造するか選別する必要が生じる。多層CNTは一般的に導電性を示すが、層数が多すぎると単位重量当たりの導電経路数が低下する。よって多層CNTを使用する場合でも、そのCNT直径が50nm以下であることが好ましく、より好ましくは直径20nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下である。また、単層CNTや2層CNTを用いる場合はその構造上、直径は20nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下であることが、導電性の観点から好ましい。
また使用するCNTのアスペクト比は100以上であることが好ましい。アスペクト比を100以上とすることにより、導電層の導電性を高めることができる。導電層の形成において、後述するインラインコーティング法を用いた場合、延伸工程にてCNTが適度にほぐれ、CNT間の導電経路が切れることなく、またCNT間に十分な隙間を確保したネットワークを形成させることができるためである。かかるネットワーク構造が形成されると、フィルムの透明度を高めつつ、良好な導電特性を発現させることができる。
また、CNTのアスペクト比は5000以下であることが好ましい。したがって、本発明では、CNTは直径が50nm以下またはアスペクト比が100以上であることが好ましい。より好ましくは、直径が50nm以下かつアスペクト比が100以上である。さらに好ましくは、使用するCNTの直径が1nm以上、50nm以下かつアスペクト比が100以上、5000以下であり、特に好ましくは、使用するCNTの直径が1nm以上、10nm以下かつアスペクト比が100以上、5000以下である。CNTの直径やアスペクト比を上記範囲内とすることにより、CNTの導電性に優れ、分散剤などを用いることにより水などの溶媒への分散が可能となる。
なお、アスペクト比とは、カーボンチューブの長さ(nm)をカーボンチューブの直径(nm)で除したもの(カーボンチューブの長さ(nm)/カーボンチューブの直径(nm))である。 かかる特性を有するCNTは、化学的蒸着堆積法、触媒気相成長法、アーク放電法、レーザー蒸発法などの公知の製造方法により得られる。CNTを作製する際には、同時にフラーレンやグラファイト、非晶性炭素が副生成物として生成され、またニッケル、鉄、コバルト、イットリウムなどの触媒金属も残存するので、これらの不純物を除去し精製するのが好ましい。不純物の除去には、硝酸、硫酸などの酸処理とともに超音波分散処理が有効であり、またフィルターによる分離を併用することは純度を向上させる上でさらに好ましい。
本発明で用いられる該導電層中のCNT(A)の組成重量比率(導電層中の(A)、(B)および(C)の合計重量を100重量%とする)は4.0重量%以上17.0重量%以下であることが必要であり、より好ましくは9.0重量%以上17.0重量%以下である。4.0重量%以上とすることにより、帯電防止フィルムの表面比抵抗値を1.0×1011Ω/□以下にすることが容易となる。また、17.0重量%以下とすることにより、帯電防止フィルムの全光線透過率を80%以上とすることが容易となる。また後述するバインダー樹脂を導電層中に充分に含有せしめることができ、CNTを熱可塑性樹脂フィルム上により強固に固定化させることができる。これにより、導電層の耐スクラッチ性、耐溶剤性を向上させることができる。
(3)カーボンナノチューブ分散剤(B)
本発明では、導電層中にCNT(A)を均一に微分散させるために、カーボンナノチューブ分散剤(B)を用いることが必要である。カーボンナノチューブ分散剤の種類は特に限定されるものではないが、水溶性セルロース、もしくは水溶性セルロース誘導体のいずれか、又はそれらを組み合わせたものからなることが後述するバインダー樹脂(C)との相溶化や導電層の耐スクラッチ性、耐溶剤性の点、およびCNTの分散の点から好ましい。
水溶性セルロースの代表的な例としては、ヒドロキシセルロースやヒドロキシアルキルセルロースが挙げられる。ここでヒドロキシアルキルセルロールとはセルロースの骨格を構成するグルコピラーノースモノマーのヒドロキシ基がヒドロキシアルキル基に置換されたセルロースである(グルコピラーノースモノマーが複数のヒドロキシ基を有する場合は、少なくとも1つのヒドロキシ基がヒドロキシアルキル基に置換されていれば良い)。好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースを挙げることができる。
また、水溶性セルロース誘導体の代表的な例としては、カルボキシセルロールの金属塩が挙げられる。ここでカルボキシセルロースとはセルロースの骨格を構成するグルコピラーノースモノマーのヒドロキシ基がカルボキシ基に置換されたセルロースである(グルコピラーノースモノマーが複数のヒドロキシ基を有する場合は、少なくとも1つのヒドロキシ基がカルボキシ基に置換されていれば良い)。ここで、カルボキシ基とは狭義のカルボキシ基だけでなく、カルボキシアルキル基をも含む概念である。カルボキシセルロールの金属塩をすることで、水溶性を飛躍的に高め、CNT分散能を高めることができる。また、カルボキシセルロールの金属塩の中でも、水溶性が良好である点からカルボキシアルキルセルロースの金属塩が好ましく、より好ましくは安価で幅広く工業的に使用されているカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムが挙げられる。特に好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。
また、上記のCNT分散剤は、2つ以上のCNT分散剤を組み合わせて用いても良い。なお、これらの物質を分散剤として好適に用いることができる理由の詳細は不明であるが、分散メカニズムについて発明者らは以下のように推定している。すなわち、上記の物質は分子構造が炭素からなる環状構造を有しているため、炭素からなる共役構造が延びた構造であるCNTと表面エネルギーなどの親和性および/または疎水相互作用が非常に高いことが推定される。また、CNT分散液の好適溶媒である水に容易に可溶であり、溶媒中でCNT近傍に均一に拡散するため、CNT同士の親和性による凝集を抑制するものと推定される。そのため、上記物質を用いることにより、安定かつ微分散されたCNT分散液を作製することができるものと推定している。
本発明では、CNT分散剤(B)の導電層中の組成重量比率(導電層中の(A)、(B)および(C)の合計重量を100重量%とする)は2.0重量%以上34.0重量%以下であることが必要であり、より好ましくは4.5重量%以上17.0重量%以下である。CNT分散剤の導電層中の組成重量比率を2.0重量%以上にすることにより、CNTを十分に微分散させることが可能となる。また、34.0重量%以下にすることで、後述するバインダー樹脂を導電層中に充分に含有せしめることができ、より強固な導電層を形成することができる。これにより、導電層の耐スクラッチ性、耐溶剤性を向上させることができる。
また、導電層中のCNT分散剤(B)とCNT(A)の重量比(CNT分散剤(B)/CNT(A))は0.5以上2.0以下であることが必要である。好ましくは0.5以上1.0以下である。(B)/(A)の重量比を0.5以上とすることにより、バインダー樹脂と混合した際もCNTが凝集を起こすことなく安定にCNT分散液を作製でき、2.0以下とすることにより、後述するバインダー樹脂を導電層中に充分に含有せしめることができ、帯電防止フィルムのヘイズを高めてしまうことがなく、より強固な導電層を形成することができる。これにより、導電層の耐スクラッチ性、耐溶剤性を向上させることができる。
(4)バインダー樹脂(C)
本発明に用いるバインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、熱可塑性、熱硬化性、あるいは紫外線硬化性樹脂のいずれでもよい(但し、炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂は除く)。例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等又は、前述の樹脂に添加剤を混合したものを用いるのが好ましい。特にポリエステル樹脂もしくはメラミン樹脂のいずれか、又はそれらを組み合わせたものであることが好ましい。ポリエステル樹脂もしくはメラミン樹脂のいずれか、又はそれらを組み合わせることで、CNTの分散性を損ねることなく、透明性や耐溶剤性、耐摩耗性を容易に付与できるためである。
バインダー樹脂と混合される添加剤は例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、天然または石油ワックス等の有機系易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、核剤などがその樹脂特性やCNTの分散性を悪化させない程度に添加されてもよい。バインダー樹脂の役割はCNTをフィルム上に固定し、且つ透明性やハードコート性など帯電防止フィルムの要求特性を付与させることであり、CNTの導電性を妨げない範囲で可能な限り導電層組成比を大きくすることが好ましい。導電層組成比が大きいとCNTの導電層からの脱落を容易に防止でき、また透明樹脂をバインダーに用いた場合には、帯電防止フィルムの透明性を容易に付与できるためである。
本発明では、導電層におけるバインダー樹脂(C)の含有量は、導電層中の組成重量比率(導電層中の(A)、(B)および(C)の合計重量を100重量%とする)で、49.0重量%以上94.0重量%以下であることが必要であり、好ましくは66.0重量%以上86.5重量%以下である。含有量を49.0重量%以上とすることにより、CNTの導電層からの脱落を防止でき、耐スクラッチ性や耐溶剤性を容易に付与できる。また透明樹脂をバインダー樹脂として用いた場合には、帯電防止フィルムに高い透明性を付与することができる。また、94.0重量%以下とすることにより、導電層の導電性をより高めることができる。
(5)炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)
本発明では、耐スクラッチ性や、防汚性の点から、炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂を導電層中に含むことが必要である。
本発明に用いる炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(以下、「長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂」と略す。)としては、例えば炭素数12以上のアルキル基を側鎖に持つアクリル系モノマー(d1)からなるアクリル系樹脂や、炭素数12以上のアルキル基を側鎖に持つアクリル系モノマー(d1)と、該アクリル系モノマーと共重合可能なアクリル系モノマー(d2)との共重合アクリル系樹脂が挙げられる。
共重合アクリル系樹脂を用いる場合、炭素数12以上のアルキル基を側鎖に持つアクリル系モノマー(d1)の共重合比率は、35重量%以上であることが好ましい。なお、該共重合量はより好ましくは35重量%以上85重量%以下、さらに好ましくは60重量%以上80重量%以下であり、防汚性や共重合化などの点で好ましい。
このような炭素数が12以上のアルキル鎖(以下、「長鎖アルキル基」と略す。)を側鎖に持つアクリル系モノマー(d1)としては、上記の要件を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ノナデシル、アクリル酸エイコシル、アクリル酸ヘンエイコシル、アクリル酸ドコシル、アクリル酸トリコシル、アクリル酸テトラコシル、アクリル酸ペンタコシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸エイコシル、メタクリル酸ペンタコシルなどの長鎖アルキル基を有するアクリル系モノマーが用いられる。
また、本発明の長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂の長鎖アルキル基の炭素数は12以上である必要がある。炭素数を12以上にすることで、導電層形成時に導電層の熱固化を容易に行うことができ、導電層の水滴の接触角を70゜以上とすることができ、また耐スクラッチ性が良好となる。長鎖アルキル基の炭素数の上限は特に限定されるものではないが25以下であることが入手容易性の点から好ましい。炭素数が25を超えるものについては工業的に容易に入手することが困難であるためである。また、長鎖アルキル基の炭素数は、18以上22以下であることがより好ましい。
本発明で用いる長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂は、環境面の配慮から、水系の塗剤を用いることが好ましく、例えば、エマルション化するために、他の共重合可能なアクリル系モノマー(d2)としては、C=OやC=C結合を有する下記のアクリル系モノマーやビニル系モノマーを用いることができる。モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトニル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、スチレン、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエシルリン酸エステル、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ、無水マレイン酸などを用いることができる。
好ましい長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂(D)としては、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレートおよびベヘニルアクリレートからなる群から選ばれる1以上の炭素数12以上のアルキル基を側鎖に持つアクリル系モノマー(d1)と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸およびメチルメタクリレートからなる群から選ばれる1以上の共重合可能なアクリル系モノマー(d2)を用いてなる共重合体が挙がられる。
また、本発明において、導電層中の長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂(D)の含有量は、導電層中の(A)、(B)および(C)の合計重量100重量部に対して、5.0重量部以上20.0重量部以下であることが必要であり、好ましくは5.0重量部以上10.0重量部以下である。含有量を5.0重量部以上とすることにより、導電層の水滴接触角を70゜以上にすることができ、帯電防止フィルムに防汚性を容易に付与できる。また、20.0重量部以下とすることにより、導電層の導電性を阻害することなく、耐スクラッチ性や耐溶剤性をより高めることができる。
(6)導電層
本発明において、導電層はCNT(A)、CNT分散剤(B)およびバインダー樹脂(C)、長鎖アルキル基を有するアクリル系樹脂(D)を用いてなることが必要であるが、さらに、導電層中の(A)、(B)、(C)、および(D)の含有量の合計が導電層全体に対して90重量%以上であることが好ましい(A)、(B)、(C)、および(D)の含有量の合計を導電層全体に対して90重量%以上とすることによって、本発明の効果をより発揮させることができる。好ましくは、導電層中の(A)、(B)、(C)、および(D)の含有量の合計を導電層全体に対して95重量%以上とすることであり、より好ましくは、導電層が(A)、(B)、(C)、および(D)からなることである。
一方、導電層全体に対して10重量%未満であれば、バインダー樹脂や長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂の特性、CNTの分散性を悪化させない程度に、他の成分が導電層に含まれていても良い。例えば、熱可塑性樹脂フィルムへのカーボンナノチューブ分散液の濡れ性を上げるために任意の界面活性剤が含有されていても良いし、帯電防止フィルムの易滑性を付与させるために天然または石油ワックス等の有機系易滑剤やシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機粒子が含有されていても良い。
(7)導電層の形成方法
本発明の導電層は、上述したCNT(A)、CNT分散剤(B)、およびバインダー樹脂(C)、長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂(D)ならびに必要に応じて溶媒(E)を含有するカーボンナノチューブ塗液を熱可塑性樹脂フィルム上へ塗布し、溶媒(E)を乾燥させ、硬化させることによって形成することができる。CNT塗液の具体的な作製方法は、後述する。
溶媒(E)は水系溶媒(e)、有機溶媒(e’)を用いることができるが、好ましくは水系溶媒(e)である。水系溶媒を用いることで、乾燥工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な導電層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
ここで、水系溶媒(e)とは水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。
また有機溶媒(e’)とは、上記水系溶媒以外の溶媒を指し、実質的に水を含まない溶媒をいう。有機溶媒の種類は特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族類、ヘキサンなどの炭化水素類が挙げられる。
CNT塗液のフィルムへの塗布方法はインラインコート法、オフコート法のどちらでも用いることができるが、好ましくはインラインコート法である。
インラインコート法とは、熱可塑性樹脂フィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、熱可塑性樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)熱可塑性樹脂フィルム(Aフィルム)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)熱可塑性樹脂フィルム(Bフィルム)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)熱可塑性樹脂フィルム(Cフィルム)の何れかのフィルムに塗布する。
本発明では、結晶配向が完了する前の上記Aフィルム、Bフィルム、またはCフィルムの何れかの熱可塑性樹脂フィルムに、CNT塗液を塗布し、その後、該熱可塑性樹脂フィルムを一軸又は二軸に延伸し、溶媒の沸点より高い温度で熱処理を施し熱可塑性樹脂フィルムの結晶配向を完了させるとともに導電層を設ける方法を採用することが好ましい。かかる方法によれば、熱可塑性樹脂フィルムの製膜と、CNT塗液の塗布乾燥(すなわち、導電層の形成)を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがある。また、塗布後に延伸を行うために導電層の厚みをより薄くすることが容易である。また、塗布後に施される熱処理温度を溶媒の沸点より高い温度とすることにより、効果的にバインダー樹脂を固化・硬化させることができ、導電層の耐スクラッチ性や耐溶剤性を向上させることができる。さらに、熱可塑性樹脂フィルムの延伸工程により、CNT塗液中のCNTが適度にほぐされ、透明性と導電性に優れる帯電防止フィルムを得ることができる。
中でも、長手方向に一軸延伸されたフィルム(Bフィルム)に、CNT塗液を塗布し、その後、幅方向に延伸し、熱処理する方法が優れている。未延伸フィルムに塗布した後、二軸延伸する方法に比べ、延伸工程が1回少ないため、延伸によるCNT間の導電経路の切断が起こりづらく、導電性に優れた導電層を形成できるためである。
一方、オフラインコート法とは、上記Aフィルムを一軸又は二軸に延伸し、熱処理を施し熱可塑性樹脂フィルムの結晶配向を完了させた後のフィルム、またはAフィルムに、フィルムの製膜工程とは別工程でCNT塗液を塗布する方法である。
本発明において導電層は、上述した種々の利点から、インラインコート法により設けられることが好ましい。
よって、本発明において最良の導電層の形成方法は、溶媒(E)に水系溶媒(e)を用いたCNT塗液を、熱可塑性樹脂フィルム上にインラインコート法を用いて塗布し、乾燥することによって形成する方法である。またより好ましくは、一軸延伸後のBフィルムにCNT分散塗液をインラインコートする方法である。
(8)CNT塗液の作製
溶媒(E)に水系溶媒(e)を用いた場合のCNT塗液の作製方法を以下説明するが、溶媒に有機溶剤を用いた場合のCNT塗液もこれと同様に作成することができる。
CNT塗液の作製するためには、まず、溶媒にCNTを分散させたCNT水分散体を作製することが好ましい。CNT水分散体を作成する方法としては、
(I)CNT分散剤を溶媒である水に溶解させ、この中にCNTを添加して混合し撹拌しCNT水分散体を作製する方法、
(II)CNTを水中で予め超音波分散などで予備分散させた後、CNT分散剤を添加し混合し、撹拌しCNT水分散体を作製する方法、
(III)水にCNTとCNT分散剤を入れ、混合、撹拌してCNT水分散体を作製する方法、
などがある。
本発明ではいずれの方法を用いてもよく、単独で用いるか、あるいはいずれかの方法を組み合わせてもよい。また撹拌する方法は、マグネチックスターラーや撹拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。中でも(III)の方法が水と接触することで発生するCNTの余計な凝集を防ぎ、効率良くCNTを水へ分散できる点から好ましい。
次いで、上記CNT水分散体にバインダー樹脂、長鎖アルキル基を有するアクリル系樹脂を添加し、上記(I)〜(III)の方法などを用いて、混合、撹拌を行うことによって、CNT塗液を作製することが好ましい。またバインダー樹脂、長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂を添加する際、必要に応じて前述した各種添加剤を、そのバインダー樹脂特性やCNTの分散性を悪化させない程度に添加してもよい。
(9)塗布方式
塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。
(10)帯電防止フィルム製造方法
次に、本発明の帯電防止フィルムの製造方法について、熱可塑性樹脂フィルムにポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムを用いた場合を例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
まず、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルム(Aフィルム)を作製する。このフィルムを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して一軸配向PETフィルム(Bフィルム)を得る。このBフィルムの片面に所定の濃度に調製したCNT塗液を塗布する。この時、塗布前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、CNT塗液のPETフィルムへの濡れ性を向上させ、CNT塗液のはじきを防止し、均一な塗布厚みを達成することができる。
塗布後、PETフィルムの端部をクリップで把持して80〜130℃の熱処理ゾーン(予熱ゾーン)へ導き、導電層の溶媒である水を乾燥させる。乾燥後幅方向に1.1〜5.0倍延伸する。このインラインコーティングの延伸工程にてCNTをほぐした場合、CNT間の導電経路が切れることなく、またCNT間に十分な隙間を確保したネットワークを形成させることができる。引き続き160〜240℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)へ導き1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。
この熱処理工程(熱固定工程)で、必要に応じて幅方向、あるいは長手方向に3〜15%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られたフィルムはCNTが導電層中に微分散された状態で固定化された透明且つ導電性の高い帯電防止フィルムとなる。
導電層の厚みは2nm以上500nm以下が好ましい。導電層の厚みが2nm以上であると、導電性の高い帯電防止フィルムを作製することができ、また500nm以下であると透明性を維持できるためである。
(11)帯電防止フィルムの物性
本発明の帯電防止フィルムは、該導電層の水滴接触角が70゜以上であることが必要である。接触角を70゜以上とすることにより、本発明のフィルムを偏光板保護用帯電防止フィルムとして用いた場合、その使用上において導電層に意図せず付着した粘着剤等の汚れを容易にふき取ることができる。
導電層の水滴接触角を70゜以上するためには、長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂の含有量を上述した範囲とすることなどが挙げられる。
なお、水滴接触角上限値は特に限定されるのではないが、導電層中における炭素数が12以上の長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂の含有量から長鎖アルキル基による疎水性が発揮できる領域として110゜が限界値(上限)となる。
帯電防止フィルムの表面比抵抗値は1.0×1011Ω/□以下であることが好ましい。表面比抵抗値が1.0×1011Ω/□以下であると、CNTが良好に分散されていることを示しており、優れた導電性を有しつつ、高い透明性を容易に達成できる。下限は特に限定されるものではないが、導電層の重量比率からCNTの導電性が発揮できる領域として1.0×10Ω/□が限界値(下限)となる。
また本発明の帯電防止フィルムは、その全光線透過率が80%以上であることが好ましい。全光線透過率が80%以上であると、CNTを用いた導電層を形成させる上で、CNTが良好に分散していることを示し、またCNT本来の電気的な特性を活かせば十分な導電性を得られるためである。さらに偏光板保護用帯電防止フィルムとして液晶ディスプレイなどに組み込まれた後の製品の欠陥検査時の作業効率が向上する。上限は特に限定されるものではないが、フィルム表面での光反射を考慮すると、全光線透過率92%が熱可塑性樹脂フィルム上へ導電層を形成させた場合の物理的な限界値(上限)となる。
さらに本発明の帯電防止フィルムは、ヘイズが3%以下であることが好ましい。ヘイズが3%以下であると、前述の全光線透過率が80%以上であるときと同様、偏光板保護用帯電防止フィルムとして液晶ディスプレイなどに組み込まれた後の製品の欠陥検査時に欠陥の有無が容易に確認でき作業効率が向上する。下限は特に限定されるものではないが、上限が全光線透過率92%が熱可塑性樹脂フィルム上へ導電層を形成させた場合、ヘイズ1%が物理的な限界値(下限)となる。
帯電防止フィルムの全光線透過率を80%以上かつヘイズを3%以下とするための達成手段としては、例えば、CNTとして2層CNTを用いること、直径が50nm以下のCNTを用いること、などが挙げられる。
(測定方法)
(1)CNTの判別方法および直径とアスペクト比の確認方法
CNT種の判別方法は高分解能透過型電子顕微鏡((TEM)H−9000UHR(株式会社日立製作所製))にて100000〜1000000倍にてその形態を観察し、グラフェンシートが1層のチューブを単層CNT、2層のチューブを2層CNT、3層以上のチューブを多層CNTとした。
さらに直径とアスペクト比は例えば500000倍にてCNTの形態を観察した際に複数視野から任意の100本を観察し、それぞれのCNTの直径とチューブ長を測定し、アスペクト比を算出した。次に100本の直径とアスペクト比の平均値を算出し、最終的な直径とアスペクト比とした。
(2)導電層の厚み
導電層の厚みはCNT塗液の固形分濃度とコーターの公称wet塗布量からCNT塗液の比重を1.0g/cmとして計算により求めた。
(3)防汚性(導電層の水滴接触角)
防汚性は表面エネルギーが低いものが優れ、疎水性表面が優れる。本発明においては、水滴接触角を防汚性のパラメーターとして用い、水滴接触角が70゜以上であれば防汚性良好であると判断した。
尚、測定は常態(23℃、相対湿度65%)の条件下で、接触角計CA−D型(協和界面化学(株)製)にて行い、0.2mlの水滴を測定表面に滴下し、滴下10秒後の接触角を測定した。3回測定した平均値を帯電防止フィルムの接触角とした。
(4)導電性・湿度依存性
導電性の測定は、帯電防止フィルムを常態(23℃、相対湿度65%)の条件下に24時間放置後、その雰囲気下で、デジタル超高抵抗/微小電流計R8340A(アドバンテスト(株)製)を用いて測定した。ただし、各実施例・比較例につき測定するサンプル上の異なる3地点についてそれぞれ1回ずつ測定を行い、得られた3点の平均を表面比抵抗とした。なお、熱可塑性樹脂フィルムの片面のみに導電層が積層されている場合、導電層が積層されている面側を測定した。また、導電層が熱可塑性樹脂フィルムの両面に積層してある場合は、一方の面の3点測定の平均と、他方の面の3点測定の平均をそれぞれ求め、片面ごとの表面比抵抗を求めた。
また導電層の湿度依存性を測定するため、23℃、相対湿度20%の環境下に1時間放置した後、前述と同様の測定を行った。常態(23℃、相対湿度65%)での表面比抵抗値をα(Ω/□)、23℃、相対湿度20%の環境下での表面比抵抗値β(Ω/□)として、下記の式を満足するかで湿度依存性を判定した。
β/α≧10.0
判定基準;
○:β/αが上記の範囲内を満足する(β/α≧10.0)
×:β/αが上記の範囲外になる(β/α<10.0)
(5)全光線透過率・ヘイズ
全光線透過率は、常態(23℃、相対湿度65%)において、帯電防止フィルムを2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM-2DP」を用いて測定した。3回測定した平均値を帯電防止フィルムの全光線透過率とした。なお、フィルムの片面のみに導電層を積層している場合、導電層を積層した面側より光が入るように帯電防止フィルムを設置した。
(6)導電層の耐スクラッチ性
導電層の耐スクラッチ性評価は、常態(23℃、相対湿度65%)の条件下で帯電防止フィルムの導電層に対してコイン(日本国10円硬貨、側面に刻み(ギザ)がないもの)側面を導電層水平を0゜として60゜の角度で当て、傾けたコインの平面に直交した垂線から導電層側に30゜傾けたコインを貫く直線方向、すなわち傾けたコインを導電層に対して平行に200gの荷重で導電層表面を距離10cmにわたり同じ場所を10回擦過した。耐スクラッチ性の判定は目視により外観変化を観察することによって行った。
判定基準;
○:外観変化なし、又は擦過跡は残るが導電層の削れ、発塵のいずれも確認されない
×:導電層の削れ、又は発塵が確認される
(7)導電層の耐溶剤性
導電層の耐溶剤性は、常態(23℃、相対湿度65%)の条件下で不織布(小津産業(株)製、ハイゼガーゼNT−4)に有機溶剤各種(エタノール、酢酸エチル、ヘキサン)を染み込ませ200g/cmの荷重で導電層表面を半径10cmの範囲で円を描くように30回擦過した。耐溶剤性の判定は目視により外観変化を観察することによって行った。
判定基準;
○:いずれの有機溶媒による擦過試験でも外観変化なし
×:いずれかの有機溶剤による擦過試験により塗膜の削れや白化、CNTの脱落(不織布にCNTが付着)のいずれかが確認される
本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
CNT塗液を下記のとおり調製した。
まず、1.0mgのCNT(2層CNT:サイエンスラボラトリー社製、平均直径5nm)とCNT分散剤のカルボキシメチルセルロースナトリウム(シグマアルドリッチジャパン(株))(以下、CMC−Naと略す。)を1.0mgと水248mgを50mLサンプル管に入れ、CNT水分散体を調製し、超音波破砕機(東京理化器機(株)製VCX−502、出力250W、直接照射)を用いて30分間超音波照射し、均一なCNT水分散体(CNT濃度0.40wt%、CNT分散剤0.40wt%、(B)/(A)=0.5)を得た。
次いで、このCNT水分散体にバインダー樹脂として熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体(互応化学工業(株)製、Z−836、固形分濃度15重量%)を添加し、マグネチックスターラーによって500rpmで15分間混合、撹拌し、CNT分散液1を得た。該CNT分散液1におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比((A)、(B)および(C)の合計重量を100重量%とする)は下記のとおりである。
(A) 4.0重量%
(B) 2.0重量%
(C)94.0重量%
このとき、(B)/(A)の重量比が0.5である。
次に下記の共重合組成からなる長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂(D)を、イソプロピルアルコール5重量%とn−ブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性塗液1を調整した。
<共重合成分>
・ラウリルメタクリレート 70重量%
(長鎖アルキル鎖炭素数12)
・メタクリル酸 25重量%
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5重量%。
前述したCNT分散液1と水性塗液1を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液1とした。
次いで、実質的に粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルム(Bフィルム)とした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施した。
次にCNT塗液1を一軸延伸フィルムのコロナ放電処理面にバーコートを用いて塗布した。CNT塗液1を塗布した一軸延伸フィルムの幅方向両端部をクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃とした後、引き続いてラジエーションヒーターを用いて雰囲気温度を110℃とし、次いで雰囲気温度を90℃として、CNT分散液を乾燥させた。引き続き連続的に120℃の加熱ゾーン(延伸ゾーン)で幅方向に3.5倍延伸し、続いて230℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)で20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例2)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液2を得た。該CNT分散液2におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比を表1に示す。
次に前述したCNT分散液2と実施例1で調整した水性塗液1を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液2とした。
該CNT塗液2を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例3)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液3を得た。該CNT分散液3におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比を表1に示す。
次に前述したCNT分散液3と実施例1で調整した水性塗液1を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液3とした。
該CNT塗液3を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例4)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液4を得た。該CNT分散液4におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比を表1に示す。
次に前述したCNT分散液4と実施例1で調整した水性塗液1を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液4とした。
該CNT塗液4を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例5)
実施例1と同様に下記の共重合組成からなる長鎖アルキル基含有アクリル樹脂(D)を、イソプロピルアルコール5重量%とn−ブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性塗液2を調整した。
<共重合成分>
・ステアリルメタクリレート 65重量%
(長鎖アルキル鎖炭素数18)
・メタクリル酸 25重量%
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量%。
次に前述したCNT分散液1と水性塗液2を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液5とした。
該CNT塗液5を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例6)
前述したCNT分散液2と水性塗液2を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液6とした。
該CNT塗液6を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例7)
前述したCNT分散液3と水性塗液2を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液7とした。
該CNT塗液7を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例8)
前述したCNT分散液4と水性塗液2を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液7とした。
該CNT塗液7を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例9)
実施例1と同様に下記の共重合組成からなる長鎖アルキル基含有アクリル樹脂(D)を、イソプロピルアルコール5重量%とn−ブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性塗液3を調整した。
<共重合成分>
・ベヘニルメタクリレート 65重量%
(長鎖アルキル鎖炭素数22)
・メタクリル酸 25重量%
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量%。
次に前述したCNT分散液1と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/5重量部となるよう混合し、CNT塗液9とした。
該CNT塗液9を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例10)
前述したCNT分散液2と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/5重量部となるよう混合し、CNT塗液10とした。
該CNT塗液10を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例11)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液5を得た。該CNT分散液5におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比を表1に示す。
次に前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/5重量部となるよう混合し、CNT塗液11とした。
該CNT塗液11を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例12)
前述したCNT分散液3と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/5重量部となるよう混合し、CNT塗液12とした。
該CNT塗液12を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例13)
前述したCNT分散液4と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/5重量部となるよう混合し、CNT塗液13とした。
該CNT塗液13を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例14)
前述したCNT分散液1と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液14とした。
該CNT塗液14を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例15)
前述したCNT分散液2と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液15とした。
該CNT塗液15を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例16)
前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液16とした。
該CNT塗液16を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例17)
前述したCNT分散液3と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液17とした。
該CNT塗液17を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例18)
前述したCNT分散液4と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液18とした。
該CNT塗液18を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例19)
前述したCNT分散液1と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/20重量部となるよう混合し、CNT塗液19とした。
該CNT塗液19を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例20)
前述したCNT分散液2と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/20重量部となるよう混合し、CNT塗液20とした。
該CNT塗液20を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例21)
前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/20重量部となるよう混合し、CNT塗液21とした。
該CNT塗液21を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例22)
前述したCNT分散液3と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/20重量部となるよう混合し、CNT塗液22とした。
該CNT塗液22を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例23)
前述したCNT分散液4と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/20重量部となるよう混合し、CNT塗液23とした。
該CNT塗液23を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例24)
実施例1と同様に下記の共重合組成からなる長鎖アルキル基含有アクリル樹脂(D)を、イソプロピルアルコール5重量%とn−ブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性塗液4を調整した。
<共重合成分>
・ベヘニルメタクリレート 62重量%
(長鎖アルキル鎖炭素数22)
・ラウリルメタクリレート 3重量%
(長鎖アルキル鎖炭素数12)
・メタクリル酸 25重量%
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量%。
次に前述したCNT分散液5と水性塗液4を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液24とした。
該CNT塗液24を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例25)
前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合しCNT塗液16を得た。次いで、CNT塗液16と非晶性シリカ粒子(平均粒径30nm)を[(A)と(B)と(C)と(D)の合計重量]/[シリカ粒子の重量]=95重量部/5重量部となるよう撹拌混合しCNT塗液25とした。
該CNT塗液25を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例26)
前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合しCNT塗液16を得た。次いで、CNT塗液16と非晶性シリカ粒子(平均粒径30nm)を[(A)と(B)と(C)と(D)の合計重量]/[シリカ粒子の重量]=90重量部/10重量部となるよう撹拌混合しCNT塗液26とした。
該CNT塗液26を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(実施例27)
前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合しCNT塗液16を得た。次いで、CNT塗液16と非晶性シリカ粒子(平均粒径30nm)を[(A)と(B)と(C)と(D)の合計重量]/[シリカ粒子の重量]=88重量部/12重量部となるよう撹拌混合しCNT塗液27とした。
該CNT塗液27を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。
(比較例1)
前述したCNT分散液5を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。結果として接触角が低く防汚性に劣るものであった。
(比較例2)
前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/3重量部となるよう混合し、CNT塗液28とした。
該CNT塗液28を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。結果として接触角が低く防汚性に劣るものであった。
(比較例3)
前述したCNT分散液5と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/23重量部となるよう混合し、CNT塗液29とした。
該CNT塗液29を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。結果として絶縁性である長鎖アルキル基含有アクリル系樹脂の量が導電層中で過剰となり、導電層表面の導電性を阻害してしまった。さらに耐溶剤性試験において、導電層に白化が見られた。
(比較例4)
実施例1と同様に下記の共重合組成からなる長鎖アルキル基含有アクリル樹脂を、イソプロピルアルコール5重量%とn−ブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性塗液5を調整した。
<共重合成分>
・2−エチルヘキシルメタクリレート 70重量%
(長鎖アルキル鎖炭素数8)
・メタクリル酸 25重量%
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5重量%。
次に前述したCNT分散液5と水性塗液5を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液30とした。
該CNT塗液30を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。結果として接触角が低く防汚性に劣るものであった。
(比較例5)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液6を得た。該CNT分散液6におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比を表1に示す。
次に前述したCNT分散液6と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液31とした。
該CNT塗液31を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。結果としてCNT量が少なく導電性に劣るものであった。
(比較例6)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液7を得た。該CNT分散液7におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比を表1に示す。
次に前述したCNT分散液7と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液32とした。
該CNT塗液32を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。結果として透明性に劣り、またヘイズが高くなってしまった。
(比較例7)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液8を得た。該CNT分散液8におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量比を表1に示す。
次に前述したCNT分散液8と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液33とした。しかしCNT分散液8は作成直後からCNTが凝集を起こしてしまい、水性塗液3と混合することで凝集がより顕著になり、結果としてCNT塗液33はCNTが完全に凝集、分離してしまった。
(比較例8)
CNTとCMC−Naと熱硬化性ポリエステル樹脂水分散体の添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法により、CNT分散液9を得た。該CNT分散液9におけるCNT(A)、CNT分散剤(B)、バインダー樹脂(C)の組成重量を表1に示す。
次に前述したCNT分散液9と水性塗液3を[(A)と(B)と(C)の合計重量]/[(D)の重量]=100重量部/10重量部となるよう混合し、CNT塗液34とした。
該CNT塗液34を用いて、実施例1と同様の方法で帯電防止フィルムを得た。得られた帯電防止フィルムにおいてPETフィルムの厚みは38μmであった。得られた帯電防止フィルムの特性等を表2に示す。結果としてCNT分散剤の量が過剰であるためヘイズが極めて高くなり、相対的にバインダー樹脂の量が減少したため耐スクラッチ性に乏しくなった。
なお、上記実施例・比較例にて用いたCNTのアスペクト比は、全て100以上である。
Figure 0005211979
Figure 0005211979
本発明はCNT塗液を熱可塑性樹脂フィルム上に塗布することにより作製できる導電層を有する帯電防止フィルムであり、優れた帯電防止性、耐溶剤性、耐スクラッチ性、さらには意図せず付着した粘着剤層を容易に拭き取れる防汚性を備えた偏光板保護用途の帯電防止性フィルムとして用いることが可能である。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片側に、
    カーボンナノチューブ(A)とカーボンナノチューブ分散剤(B)とバインダー樹脂(C)と炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)を含有する導電層が設けられた帯電防止フィルムであって、
    該導電層中の(A)、(B)および(C)の合計重量を100重量%として、(A)、(B)および(C)の重量比率が下記を満足し、
    かつ(B)と(A)の重量比((B)/(A))が0.5以上2.0以下であり、
    かつ炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)の含有量が、カーボンナノチューブ(A)とカーボンナノチューブ分散剤(B)とバインダー樹脂(C)の含有量の合計100重量部に対して、5〜20重量部であり、
    かつ該導電層の水滴接触角が70゜以上である偏光板保護用帯電防止フィルム。
    (A)4.0〜17.0重量%
    (B)2.0〜34.0重量%
    (C)49.0〜94.0重量%
  2. 導電層中のカーボンナノチューブ(A)とカーボンナノチューブ分散剤(B)とバインダー樹脂(C)と炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)の含有量の合計が、導電層全体に対して、90重量%以上である請求項1に記載の偏光板保護用帯電防止フィルム。
  3. 前記カーボンナノチューブ分散剤(B)が水溶性セルロースおよび/または水溶性セルロース誘導体である請求項1又は2に記載の偏光板保護用帯電防止フィルム。
  4. 前記バインダー樹脂(C)がポリエステル樹脂、メラミン樹脂のいずれか、又はそれらを組み合わせたものからなる請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板保護用帯電防止フィルム。
  5. 前記カーボンナノチューブ(A)が単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのいずれか、又は、それらの組み合わせからなる請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板保護用帯電防止フィルム。
  6. カーボンナノチューブ(A)が直径50nm以下かつアスペクト比が100以上である請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板保護用帯電防止フィルム。
  7. 帯電防止フィルムの全光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが3%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板保護用帯電防止フィルム。
  8. 導電層の表面比抵抗値が1.0×1011Ω/□以下である請求項1〜7のいずれかに記載の偏光板保護用帯電防止フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の帯電防止フィルムの製造方法であって、結晶配向が完了する前の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、カーボンナノチューブ(A)とカーボンナノチューブ分散剤(B)とバインダー樹脂(C)と炭素数が12以上のアルキル鎖を有するアクリル系樹脂(D)と溶媒(E)とを用いてなるカーボンナノチューブ塗液を塗布し、その後、熱可塑性樹脂フィルムを一軸又は二軸延伸法によって延伸し、前記溶媒(E)の沸点より高い温度で熱処理を施し熱可塑性樹脂フィルムの結晶配向を完了させるとともに導電層を設ける偏光板保護用帯電防止フィルムの製造方法。
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