JP5211775B2 - スラリー利用型二次電池 - Google Patents

スラリー利用型二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5211775B2
JP5211775B2 JP2008066369A JP2008066369A JP5211775B2 JP 5211775 B2 JP5211775 B2 JP 5211775B2 JP 2008066369 A JP2008066369 A JP 2008066369A JP 2008066369 A JP2008066369 A JP 2008066369A JP 5211775 B2 JP5211775 B2 JP 5211775B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
positive electrode
slurry
current collector
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008066369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009224141A (ja
Inventor
匠昭 奥田
厳 佐々木
良雄 右京
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2008066369A priority Critical patent/JP5211775B2/ja
Publication of JP2009224141A publication Critical patent/JP2009224141A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5211775B2 publication Critical patent/JP5211775B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、正極室及び負極室にそれぞれ正極スラリー及び負極スラリーが収容されたスラリー利用型二次電池に関する。
従来より、電池の活物質を含む電解液を循環させて充放電を行うレドックスフロー電池が知られている。例えば、特許文献1のレドックスフロー電池では、正負両極とも活物質としてバナジウムを含む電解液を使用し、各電解液をタンクからポンプでセルに送液・循環しながら充放電する。
特開2007−188729
しかしながら、レドックスフロー電池は、希硫酸水溶液などの水系電解液を用いているため、電池電圧が1.3〜1.5V程度と低く、エネルギー密度も低いという問題があった。
一方、電解液に非水系電解液を用いるリチウム二次電池(リチウムイオン二次電池や金属リチウム二次電池を含む)では、正極と負極との間でリチウムイオンをやり取りすることによって充放電が行われる。こうしたリチウム二次電池では、水の電気分解電圧を超える高い電池電圧が得られるうえ、エネルギー密度も高いという利点がある。
しかしながら、電極内部で不均一な反応が起こると電池反応のムラが蓄積し、電池の持つエネルギーを十分に利用することができなくなるという問題があった。すなわち、緩慢な充放電を行う場合には電極内部でほぼ均一な反応が起こるが、急激な充放電を行った場合には電極内部で不均一な反応が起こり、局所的に温度の高い箇所が生じる。こうした温度の高い箇所では反応が進行しやすいため、ますます温度が高くなるという悪循環を起こし、電池の持つエネルギーを十分に利用できないことがあった。また、活物質に対してリチウムイオンが挿入・脱離することによって活物質の体積変化が発生し、その体積変化に起因して長期の充放電サイクル時に電極の構造劣化が起こり、電池寿命が短くなるという問題もあった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、リチウム二次電池の利点を生かしながら、電池反応のムラが生じにくく電極の構造劣化も招かないスラリー利用型二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、正極活物質であるニッケル酸リチウムと導電材であるカーボンブラックとを非水系電解液に分散させた正極スラリーと、負極活物質である人造黒鉛と導電材であるカーボンブラックとを非水系電解液に分散させた負極スラリーとを用いて二次電池を組み立てたところ、充放電が可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のスラリー利用型二次電池は、
ケースの内部を正極室と負極室とに分離するリチウムイオン伝導性固体電解質膜と、
前記正極室に収容され、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された正極スラリーと、
前記正極室に配置され、前記正極活物質と電子の授受が可能な正極集電体と、
前記負極室に収容され、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された負極スラリーと、
前記負極室に配置され、前記負極活物質と電子の授受が可能な負極集電体と、
を備えたものである。
このスラリー利用型二次電池では、水の電気分解電圧を超える高い電池電圧が得られるうえ、エネルギー密度も高いというリチウム二次電池の利点が得られる。また、正負極ともスラリーを用いているため、仮にスラリー内で温度の高いところと低いところが発生したとしても、スラリーの流動によって局所的な温度上昇が緩和されることから、電池反応のムラが生じにくい。更に、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が生じたとしても、正負極ともスラリーを用いているため、固体の場合に比べて割れるおそれがないことから、電極の構造劣化も招かない。以上のことから、本発明のスラリー利用型二次電池によれば、リチウム二次電池の利点を生かしながら、電池反応のムラが生じにくく電極の構造劣化も招かないという効果が得られる。
本発明のスラリー利用型二次電池は、前記正極室に設けられた正極側循環経路と、前記正極室に収容された前記正極スラリーを前記正極側循環経路を通して循環させる正極側循環ポンプと、前記負極室に設けられた負極側循環経路と、前記負極室に収容された前記負極スラリーを前記負極側循環経路を通して循環させる負極側循環ポンプと、を備えていてもよい。こうすれば、正負極のスラリーを循環させることにより、電池反応が促進されるため活物質あたりの放電容量が高くなるし、電池反応のムラが一層生じにくくなる。こうしたスラリー利用型二次電池は、更に、前記正極側循環経路の途中に設けられ、前記正極スラリーを貯蔵する正極スラリータンクと、前記負極側循環経路の途中に設けられ、前記負極スラリーを貯蔵する負極スラリータンクと、を備えていてもよい。こうすれば、正負極のスラリータンク内の活物質が電池反応に関与するため、放電容量を容易に大きくすることができる。また、ケースの設置場所が狭い場合には、ケースを小型化すると共にケースの設置場所から離れたところに容積の大きな正負極のスラリータンクを設置することで電池反応に関与する活物質の量を確保することができるため、大きな放電容量を得ることができる。
本発明のスラリー利用型二次電池において、前記正極スラリー及び前記負極スラリーは、電気伝導性を有していてもよい。こうすれば、正極集電体は正極スラリーを介して正極活物質と電子の授受が可能となり、負極集電体は負極スラリーを介して負極活物質と電子の授受が可能となる。正負極のスラリーが電気伝導性を持つようにするには、例えば各スラリーに導電材を含ませてもよい。
本発明のスラリー利用型二次電池において、前記正極集電体及び前記負極集電体は、それぞれ前記正極スラリー及び前記負極スラリーを透過可能な孔を有していてもよい。こうすれば、正極スラリーが正極集電体に設けられた孔を行き来するときに正極活物質と正極集電体との間で電子の授受が可能となり、負極スラリーが負極集電体に設けられた孔を行き来するときに負極活物質と負極集電体との間で電子の授受が可能となる。このとき、前記正極集電体及び前記負極集電体は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質膜の近傍に配置されるか前記リチウムイオン伝導性固体電解質膜に密着されていることが好ましい。こうすれば、正極活物質と正極集電体との間や負極活物質と負極集電体との間での電子の授受と、正極室と負極室との間でのリチウムイオンの往来とが近接した場所で行われるため、電子とイオンの交換反応の抵抗が減少し、放電容量が高くなる。なお、正負極のスラリーが電気伝導性を有するようにすると共に正負極の集電体に孔を設けてもよいことはいうまでもない。
本発明のスラリー利用型二次電池において、リチウムイオン伝導性固体電解質膜としては、この二次電池の使用条件に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、リチウムイオン伝導性ガラス(酸化物系ガラスや硫化物系ガラスなど)が挙げられる。
本発明のスラリー利用型二次電池において、正極スラリーは、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された分散液である。正極活物質としては、充電時にリチウムイオンを放出し放電時にリチウムイオンを吸蔵する材料であれば特に限定されないが、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル酸リチウム(LiNiO2)などの層状構造のリチウム複合酸化物、マンガン酸リチウム(LiMn24)などのスピネル構造のリチウム複合酸化物、鉄リン酸リチウム(LiFePO4)などのオリビン構造のリチウム複合酸化物が挙げられる。非水系電解液としては、イオン伝導性を有するものであれば特に限定されないが、例えばリチウム塩を溶解した有機溶媒が挙げられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiBF4,Li(CF3SO22Nなどを用いることができる。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)など従来の二次電池やキャパシタに使われる有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明のスラリー利用型二次電池において、正極集電体としては、特に限定されるものではないが、使用する正極活物質が充放電するときの電位範囲において電気化学的に安定な材質を用いることが好ましい。このような正極集電体としては、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム、銅などの金属板や金属メッシュが挙げられる。また、InSnO2,SnO2,ZnO,In22などの透明導電材、フッ素ドープ酸化錫(SnO2:F)、アンチモンドープ酸化錫(SnO2:Sb)、錫ドープ酸化インジウム(In23:Sn)、ZnO,Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)などの不純物がドープされたそれらの材料等の単層又は積層層を、ガラスや高分子状に形成させたものを用いてもよい。
こうした正極集電体は、正極活物質と電子の授受が可能であることが必要となるが、そのためには、正極スラリーに導電材を分散させてもよい。導電材としては、例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、銅や銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。あるいは、正極集電体に正極スラリーを透過可能な孔を設け、この孔を介して正極集電体と正極スラリーとの間で電子の授受が行われるようにしてもよい。
本発明のスラリー利用型二次電池において、負極スラリーは、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された分散液である。負極活物質としては、充電時にリチウムイオンを吸蔵し放電時にリチウムイオンを放出する材料であれば特に限定されないが、例えば金属リチウムやリチウム合金のほか、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質などが挙げられる。リチウム合金としては、例えばアルミニウムやスズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素などが挙げられる。なお、非水系電解液を構成する電解質や溶媒は、正極スラリーと負極スラリーとで同じであってもよいし異なっていてもよい。
本発明のスラリー利用型二次電池において、負極集電体としては、使用する負極活物質が充放電するときの電位範囲において電気化学的に安定な材質を用いることが好ましい。このような負極集電体としては、上述した正極集電体と同様のものを用いることができるため、ここではその説明を省略する。また、負極集電体は、負極活物質と電子の授受が可能であることが必要となるが、そのためには、負極スラリーに導電材を分散させてもよいし、負極集電体に負極スラリーを透過可能な孔を設け、この孔を介して負極スラリーとの間で電子の授受を行うようにしてもよい。なお、導電材については、上述したものと同様のものを用いることができるため、ここではその説明を省略する。また、負極集電体として炭素質物質を用いる場合には、その炭素質物質を導電材として兼用してもよい。
[実施例1]
正極スラリーは、以下のようにして調製した。すなわち、正極活物質として市販のニッケル酸リチウム(LiNi0.8Co0.15Al0.052:平均粒径3μm)を、正極用導電材としてカーボンブラック(平均粒径20nm)を、正極用電解液として1M LiPF6 in 30%EC+70%DECを用いた。この正極活物質/導電材/電解液をArガスグローブボックス中で20/5/75wt%の割合で混合し、正極スラリーを得た。この正極スラリーの体積抵抗率は直流の場合、103Ωcmで、交流1kHzの場合102Ωcmであり、電気伝導性とイオン伝導性が確認できた。
負極スラリーは、以下のようにして調製した。すなわち、負極活物質として市販人造黒鉛(平均粒径1μm)を、負極用導電材としてカーボンブラック(平均粒径20nm)を、負極用電解液として1M LiPF6 in 30%EC+70%DECを用いた。この負極活物質/導電材/電解液をArガスグローブボックス中で20/5/75wt%に混合し、負極スラリーを得た。この負極スラリーの体積抵抗率も直流の場合、103Ωcmで、交流1kHzの場合102Ωcmであり、電気伝導性とイオン伝導性が確認できた。なお、ここで使用した市販人造黒鉛は粒径が大きく且つ添加量が少ないためスラリーの電気伝導性にはほとんど寄与しない。
次に、図1に概略構成を示すスラリー利用型二次電池10を組み立てた。スラリー利用型二次電池10は、ケース12と、このケース12の内部を正極室14と負極室16とに分離するセパレータ18と、正極室14に配置された正極集電板20と、負極室16に配置された負極集電板22とを備えたものとした。各スラリー槽14,16は縦横4cm×4cmとし、セパレータ18は縦横4cm×4cm、厚さ0.5mmとし、各集電板20,22は縦横4cm×4cm、厚さ0.1mmとし、セパレータ18と各集電板20,22との間隔は2.5mmとし、各スラリー槽14,16の容積は4cm3とした。なお、セパレータ18として、オハラ製 リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスLIC−GC薄板を用いた。これは、25℃におけるイオン伝導率が1.0×10-4Scm-1、曲げ強度が140N/mm2の特性を有する。なお、ケース12の材質としては、電気伝導性がなく耐有機溶媒性があれば特に限定されないが、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セラミックスなどが挙げられる。
また、正極室14と正極スラリーを貯蔵する正極スラリータンク24との間に正極側循環経路26を設け、この正極側循環経路26の途中に正極側循環ポンプ28を取り付けた。一方、負極室16と負極スラリーを貯蔵する負極スラリータンク30との間に負極側循環経路32を設け、この負極側循環経路32の途中に負極側循環ポンプ34を取り付けた。正極側の循環系内(つまり正極室14と正極スラリータンク24と正極側循環経路26)には正極スラリーを12.5cm3充填し、負極側の循環系内(つまり負極室16と負極スラリータンク30と負極側循環経路32)には負極スラリーを15cm3充填した。なお、循環系内の正極スラリー中の正極活物質は3.62g、循環系内の負極スラリー中の負極活物質は2.70g である。スラリー利用型二次電池10は、各スラリーの充填をArガスグローブボックス中で行ったあとに電池を密閉し、大気中に取り出して以下の充放電試験を行った。
充放電試験は以下のようにして行った。すなわち、正極側循環ポンプ28の流量を6.25cm3/min、負極側循環ポンプ34の流量を7.5cm3/minに設定し、電流16mA(定電流)、温度25℃でCC4.1V充電/CC3.0V放電の充放電試験を行い、充放電容量の変化を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で正極側及び負極側循環ポンプ28,34を停止した以外は、実施例1と同様にして充放電試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1で正極及び負極集電板20,22の代わりに図2に示す正極及び負極集電板60,62をセパレータ18に密着するように配置したスラリー利用型二次電池50を用いた以外は、実施例1と同様にして充放電試験を行った。その結果を表1に示す。なお、正極及び負極集電板60,62は、それぞれφ0.5mmの孔60a,62aが開口率60%となるように設けられたものである。正極スラリーは正極集電板60の孔60aを透過可能であり、負極スラリーは負極集電板62の孔62aを透過可能である。
[実施例4]
実施例3で正極スラリー、負極スラリーに導電材を添加しなかった以外は、実施例3と同様にして充放電試験を行った。その結果を表1に示す。なお、各スラリーの体積抵抗率は直流の場合、∞Ωcmで、交流1kHzの場合、3×102Ωcmであり、イオン伝導性はあるが電気伝導性はほとんどないことを確認した。
[比較例1]
実施例1で正極スラリー、負極スラリーに導電材を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして充放電試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005211775
[充放電試験の評価]
表1から明らかなように、比較例1ではほとんど充放電しなかったが、実施例1〜4では充放電が可能であった。比較例1で充放電できなかった理由は、各スラリーはイオン伝導性を有するものの、電気伝導性を有しないため、各集電板と各活物質との間の電子の授受ができなかったことに起因すると考えられる。
実施例1では、循環系内の正極活物質あたり141mAh/gの放電容量が得られた。したがって、ケース12内でしか充放電反応(電池反応)は起こらないが、各スラリーを循環させることによって各循環経路26,32及び各スラリー槽24,30の活物質が充放電反応に関与することが分かる。
実施例2では、循環系内の正極活物質あたり39mAh/gの放電容量が得られた。これは循環をしない状態であるので、ケース12内の正極活物質あたりに換算すると121mAh/gの放電容量となる。このように、循環を止めるとケース12内の活物質しか充放電に関与しないことが分かる。また、循環しない場合、充放電反応に関与する正極活物質あたりの放電容量が減少することから、循環によって充放電反応が促進されるといえる。
実施例3では、循環系内の正極活物質あたり158mAh/gの放電容量が得られた。これは、孔60a,62aを開けた各集電板60,62をセパレータ18に密着させたことにより充放電反応時に起こる電子とイオンの交換反応抵抗が減少したことに起因すると考えられる。この放電容量によると、電位窓、負極活物質、正極活物質の不可逆容量を考えると、ほぼ100%の充放電反応がなされたといえる。
実施例4では、循環系内の正極活物質あたり102mAh/gの放電容量が得られた。各スラリー内に電気伝導性がほとんどないにもかかわらず、充放電した理由は以下のように考えられる。すなわち、各集電板60,62に孔60a,62aを開け、セパレータ18に密着させたことにより、充放電反応時に起こる電子とイオンの交換反応抵抗が減少した、すなわち、セパレータ18及び正極集電板60の両方に接触した正極活物質と、セパレータ18及び負極集電板62の両方に接触した負極活物質とが効率よく充放電反応を起こしたと考えられる。また、循環によって、多くの正極活物質がセパレータ18及び正極集電板60の両方に接触しつつ流動すると共に、多くの負極活物質がセパレータ18及び負極集電板62の両方に接触しつつ流動することも一因と考えられる。
これらの結果から、実施例1〜4のスラリー利用型二次電池10,50で充放電が可能なことがわかった。また、充放電を可能にするには、正極集電板20と正極スラリーとの間や負極集電板22と負極スラリーとの間で電子の授受ができるようにすることが必要であるといえる。こうした電子の授受は、各スラリーに導電材を加えて電気伝導性を付与することで実現してもよいし(実施例1,2)、孔60a,62aが設けられた両集電板60,62をセパレータ18と密着することで実現してもよいし(実施例4)、その両方によって実現してもよい(実施例3)。更に、各スラリーを循環させることによって、循環系内のすべての活物質を充放電反応に関与させることができると共に充放電反応を促進することができることもわかった。
以上詳述したように、スラリー利用型二次電池10,50によれば、水の電気分解電圧を超える高い電池電圧が得られるうえ、エネルギー密度も高いというリチウム二次電池の利点が得られる。また、正負極ともスラリーを用いているため、仮にスラリー内で温度の高いところと低いところが発生したとしても、固体の場合に比べて熱が拡散しやすいことから、電池反応のムラが生じにくい。更に、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が生じたとしても、正負極ともスラリーを用いているため、固体の場合に比べて割れるおそれがないことから、電極の構造劣化も招かない。
上述したスラリー利用型二次電池10,50では、正極スラリーが劣化したときには正極スラリーを新しいものに交換したり、負極スラリーが劣化したときには負極スラリーを新しいものに交換したりすることができる。このように、劣化時に劣化部位のみを交換することができるため、リサイクルも容易になる。
上述したスラリー利用型二次電池10,50では、正極スラリータンク24や負極スラリータンク30の形状は任意でよいため、設置場所の制約がある場合であってもその設置場所に応じた形状とすれば適用することができる。例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車などの移動体では、限られたスペースに二次電池を設置する必要があり設置場所の制約が大きいが、こうした移動体の電源としてスラリー利用型二次電池10,50を採用することもできる。
上述したスラリー利用型二次電池10,50では、正極側循環ポンプ28や負極側循環ポンプ34を駆動する必要があるが、車両に搭載する場合には駆動源としてクランクシャフトやプロペラシャフトなどの回転軸の回転を利用してもよい。
上述したスラリー利用型二次電池10,50において、正極側循環経路26及び負極側循環経路32の少なくとも一方に放熱部を設けてもよい。こうすれば、電池反応によって二次電池内が高温化するのを有効に防ぐことができる。このとき、放熱部として、暖機や加温を要するデバイス(例えば始動直後のエンジンや給湯器など)を用いてもよい。こうすれば、排熱の有効利用が可能となる。あるいは、正極側循環経路26及び負極側循環経路32の少なくとも一方に受熱部を設けてもよい。この場合、二次電池の使用に支障のない範囲で熱を受けるものとする。こうすれば、冷却を要するデバイス(例えば高負荷運転中のエンジンやモータ、電気回路、ハーネスなど)の熱を受熱部で受けるようにすることで、そのデバイスを適温に維持することができる。
上述したスラリー利用型二次電池10,50において、ケース12は弾力性又は可撓性を有するものとしてもよい。こうすれば、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴い正負極のスラリーが体積膨張したとしても、ケースの弾力性又は可撓性でその膨張分を吸収することができる。なお、ケース12に代えて又は加えて、各タンク24,30を弾力性又は可撓性を有するものとしたり、各循環経路26,32を弾力性又は可撓性のあるチューブで構成してもよい。
上述したスラリー利用型二次電池10,50において、タンク24,30を省略しポンプ28,34を駆動して循環経路26,32をスラリーが循環するようにしてもよい。あるいは、タンク24,30やポンプ28,34、循環経路26,32を省略してスラリーを循環させないようにしてもよい。
実施例1のスラリー利用型二次電池10の概略構成を示す説明図である。 実施例3のスラリー利用型二次電池50の概略構成を示す説明図である。
符号の説明
10,50 スラリー利用型二次電池、12 ケース、14 正極室、16 負極室、18 セパレータ、20,60 正極集電板、22、62 負極集電板、24 正極スラリータンク、26 正極側循環経路、28 正極側循環ポンプ、30 負極スラリータンク、32 負極側循環経路、34 負極側循環ポンプ、60a,62a 孔。

Claims (6)

  1. ケースの内部を正極室と負極室とに分離するリチウムイオン伝導性固体電解質膜と、
    前記正極室に収容され、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された正極スラリーと、
    前記正極室に配置され、前記正極活物質と電子の授受が可能な正極集電体と、
    前記負極室に収容され、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された負極スラリーと、
    前記負極室に配置され、前記負極活物質と電子の授受が可能な負極集電体と、
    を備え
    前記正極スラリー及び前記負極スラリーには、導電材が添加され、
    前記正極スラリーの体積抵抗率及び前記負極スラリーの体積抵抗率は、直流の場合、10 3 Ωcm以下である、
    スラリー利用型二次電池。
  2. 請求項1に記載のスラリー利用型二次電池であって、
    前記正極室に設けられた正極側循環経路と、
    前記正極室に収容された前記正極スラリーを前記正極側循環経路を通して循環させる正極側循環ポンプと、
    前記負極室に設けられた負極側循環経路と、
    前記負極室に収容された前記負極スラリーを前記負極側循環経路を通して循環させる負極側循環ポンプと、
    を備えたスラリー利用型二次電池。
  3. 請求項2に記載のスラリー利用型二次電池であって、
    前記正極側循環経路の途中に設けられ、前記正極スラリーを貯蔵する正極スラリータンクと、
    前記負極側循環経路の途中に設けられ、前記負極スラリーを貯蔵する負極スラリータンクと、
    を備えたスラリー利用型二次電池。
  4. 前記正極集電体及び前記負極集電体は、それぞれ前記正極スラリー及び前記負極スラリーを透過可能な孔を有している、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のスラリー利用型二次電池。
  5. 前記正極集電体及び前記負極集電体は、前記リチウムイオン伝導性固体電解質膜に密着されている、
    請求項に記載のスラリー利用型二次電池。
  6. ケースの内部を正極室と負極室とに分離するリチウムイオン伝導性固体電解質膜と、
    前記正極室に収容され、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された正極スラリーと、
    前記正極室に配置され、前記正極活物質と電子の授受が可能な正極集電体と、
    前記負極室に収容され、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質がイオン伝導性を有する非水系電解液に分散された負極スラリーと、
    前記負極室に配置され、前記負極活物質と電子の授受が可能な負極集電体と、
    を備え、
    前記正極集電体及び前記負極集電体は、それぞれ前記正極スラリー及び前記負極スラリーを透過可能な孔を有し、前記リチウムイオン伝導性固体電解質膜に密着されている、
    スラリー利用型二次電池。
JP2008066369A 2008-03-14 2008-03-14 スラリー利用型二次電池 Active JP5211775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008066369A JP5211775B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 スラリー利用型二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008066369A JP5211775B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 スラリー利用型二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009224141A JP2009224141A (ja) 2009-10-01
JP5211775B2 true JP5211775B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=41240710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008066369A Active JP5211775B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 スラリー利用型二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5211775B2 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9786944B2 (en) 2008-06-12 2017-10-10 Massachusetts Institute Of Technology High energy density redox flow device
WO2009151639A1 (en) * 2008-06-12 2009-12-17 Massachusetts Institute Of Technology High energy density redox flow device
US8722226B2 (en) 2008-06-12 2014-05-13 24M Technologies, Inc. High energy density redox flow device
US11909077B2 (en) 2008-06-12 2024-02-20 Massachusetts Institute Of Technology High energy density redox flow device
JP5882888B2 (ja) * 2009-04-06 2016-03-09 24エム・テクノロジーズ・インコーポレイテッド24M Technologies, Inc. レドックスフロー電池を使用した燃料システム
CN102804470B (zh) * 2009-06-09 2015-04-15 夏普株式会社 氧化还原液流电池
US9130218B2 (en) * 2012-04-04 2015-09-08 Battelle Memorial Institute Hybrid energy storage systems utilizing redox active organic compounds
US9484569B2 (en) * 2012-06-13 2016-11-01 24M Technologies, Inc. Electrochemical slurry compositions and methods for preparing the same
US8993159B2 (en) 2012-12-13 2015-03-31 24M Technologies, Inc. Semi-solid electrodes having high rate capability
US9362583B2 (en) 2012-12-13 2016-06-07 24M Technologies, Inc. Semi-solid electrodes having high rate capability
KR101520394B1 (ko) 2013-12-19 2015-05-14 한국에너지기술연구원 스택형 플로우 에너지 저장 장치 및 그 용도
JP5890561B1 (ja) * 2015-05-01 2016-03-22 株式会社ギャラキシー 電解槽及び電池
JP6734703B2 (ja) * 2015-06-11 2020-08-05 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池の製造方法
JP6585932B2 (ja) * 2015-06-11 2019-10-02 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池及び構造体システム
JP6736266B2 (ja) * 2015-06-11 2020-08-05 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池及び飛行体
JP6587838B2 (ja) * 2015-06-11 2019-10-09 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池及び装着型電子機器
JP6585933B2 (ja) * 2015-06-11 2019-10-02 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池及び装着型光学機器
JP6754227B2 (ja) * 2015-06-18 2020-09-09 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池の製造方法
JP6549944B2 (ja) * 2015-09-10 2019-07-24 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池
WO2020246501A1 (ja) * 2019-06-05 2020-12-10 株式会社ダイセル 電池用電解液及びリチウムイオン電池
JPWO2021009968A1 (ja) * 2019-07-12 2021-11-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 レドックスフロー電池、及び、レドックスフロー電池が備える金属イオン伝導膜の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58133788A (ja) * 1982-02-01 1983-08-09 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電解質溶液
JP4972831B2 (ja) * 2001-07-24 2012-07-11 日本電気株式会社 リチウム二次電池
WO2006129635A1 (ja) * 2005-05-31 2006-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 二次電池とこれを用いた電源システム、電源システムの使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009224141A (ja) 2009-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5211775B2 (ja) スラリー利用型二次電池
JP2014002834A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、およびそれらの製造方法
KR20190106772A (ko) 음극의 제조 방법
JP2011210450A (ja) 電池用電極板および電池
JP2011159596A (ja) 二次電池、及びその製造方法
KR20180066694A (ko) 고출력 특성을 갖는 양극복합소재 및 그를 포함하는 전고체 리튬 이차전지
CN105122507A (zh) 非水电解质二次电池
CN113421995A (zh) 一种凝胶态电极及其制备方法
CN113994512A (zh) 锂二次电池及其制备方法
CN109786751A (zh) 一种负极集流体及其制备方法以及固态电池
CN107925128B (zh) 用于锂二次电池的电解质溶液和包括该电解质溶液的锂二次电池
JP5487598B2 (ja) リチウム二次電池及びその使用方法
KR20190090497A (ko) 음극 및 상기 음극을 포함하는 이차 전지
JP2008198499A (ja) 非水電解液およびこれを用いた非水電解液二次電池
CN114665150A (zh) 一种可室温运行的锂金属固态电池及其制备方法
JP2015162304A (ja) 非水電解質電池
EP3033798B1 (en) Elevated temperature li/metal battery system
KR102478477B1 (ko) 겔화된 리튬 배터리에서 유일한 리튬염으로서의 질산 리튬의 사용
KR20120012584A (ko) 수명 특성 및 저온 특성이 향상된 전해액 및 이를 포함하는 전기화학소자
JP2000215910A (ja) リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JP4501177B2 (ja) 非水電解液二次電池
KR20190136613A (ko) 리튬 이차 전지 제조방법
US20230290922A1 (en) Battery cell including a solid-state electrolyte
KR101650568B1 (ko) 양극활물질의 전처리 방법
WO2021141074A1 (ja) 非水電解質蓄電素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130211

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5211775

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3