スイッチング電源装置として、各種共振形コンバータによるスイッチング電源装置が知られている。共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数により構成することができるというメリットも有している。
前記のような共振形コンバータの1つとして、電流共振形コンバータが知られている。電流共振形コンバータの代表的な構成としては、2組のスイッチング素子を直列接続したスイッチング回路を、直流入力電圧に対して並列に設けるようにした、ハーフブリッジ結合方式を採るものが知られている。ハーフブリッジ結合方式の電流共振形コンバータは、2組のスイッチング素子が交互にオン・オフするようにしてスイッチング動作を行うようにされている。
また、このようなハーフブリッジ結合方式のスイッチングコンバータにおいて、2組のスイッチング素子のうち、1組のスイッチング素子についてのみ、部分電圧共振を得るための部分共振コンデンサを並列に接続したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。電流共振形コンバータにおけるスイッチング駆動では、2組のスイッチング素子が交互にオン・オフするようにされるとともに、両者がオフ期間となる、いわゆるデッドタイムを形成するようにしている。前記のようにして、1組のスイッチング素子に対してのみ部分共振コンデンサを並列に接続すると、前記デッドタイムとしての期間において、部分共振コンデンサからの放電電流が直流入力電圧に流入しないようにされ、共振動作がより安定したものとなる。
しかし、何らかの要因で一次側直列共振電流がアンバランスとなっているような状態では、スイッチング素子のボディダイオードに電流が流れている期間に、そのスイッチング素子をオフに駆動するようなドライブ信号が入力されるタイミングとなってしまうことがある。つまり、一方のサイドのスイッチング素子のボディダイオードに電流が流れている状態と、他方サイドのスイッチング素子がオンとなる状態とが重複する動作モードとなる場合がある。このような動作モードは、定電圧制御のための応答が何らかの原因によって急激に変化して、スイッチング周波数も急激に変化したような場合に発生しやすい。
このような動作モードとなった場合、ボディダイオードに流れる電流は停止することができない。そして、このボディダイオードには、ドライブ信号のデッドタイム期間後において、他方サイド側のスイッチング素子のボディダイオードに対してオン駆動のためのドライブ信号が入力されて、この他方サイド側のスイッチング素子がオンとなるまで、電流が流れることになる。このような状態では、ボディダイオードには、逆方向電圧が印加されることになる。このため、ボディダイオードのカソードからアノードの方向に、直流入力電圧から他方サイドのスイッチング素子(MOSFET)を介して、内部の残留キャリアに起因した逆回復電流が流れる。このようにして流れる逆回復電流は、貫通電流ともいわれる。 許容範囲を超える貫通電流が流れると、電流ストレスがかかることがあり、好ましくない。
この課題を解決するために、図5に示すスイッチング電源装置が発明された(例えば、特許文献2参照)。図5図示のスイッチング電源装置は以下のような構成である。
先ず、一次側には2つのMOSFETで構成されたスイッチング素子SW1,SW2を備えてある。スイッチング素子SW1のソースとスイッチング素子SW2のドレインとを接続していることで、スイッチング素子SW1がハイサイドで、スイッチング素子SW2がローサイドとなる関係により、これらスイッチング素子を直列接続している。2つのスイッチング素子SW1,SW2の直列回路と並列に2つの部分電圧共振コンデンサCp1,Cp2を直列に接続してあり、2つのスイッチング素子SW1,SW2と2つの部分電圧共振コンデンサCp1,Cp2でハーフブリッジ結合方式によるスイッチング回路を構成してある。これら部分電圧共振コンデンサCp1,Cp2を設けることで、スイッチング素子SW1,SW2の各ターンオフ時に対応し、スイッチング素子SW1,SW2が共にオフ状態となる、いわゆるデッドタイム期間において、部分電圧共振コンデンサCp1,Cp2に対する充放電が行われる。つまり、部分電圧共振動作が得られる。
スイッチング回路は、直流入力電圧Vinに対して図示するようにして並列に接続される。なお、直流入力電圧Vinは、例えば実際には、ここでは図示していない、整流ダイオード及び平滑コンデンサから成る整流平滑回路が商用交流電源を入力して整流平滑動作を行うことで生成することができる。
スイッチング電源装置は、スイッチング素子SW1,SW2のスイッチング動作により得られるスイッチング出力を、一次側から二次側に伝送するためのトランスT1を備えてある。このトランスT1は、コアに対して、一次巻線Npと、二次巻線Ns1,Ns2を巻装して形成される。トランスT1の一次巻線Npの巻始め端部は、スイッチング素子SW1,SW2のソース,ドレインの接続点(スイッチング出力点)と接続され、巻終わり端部は、一次側直列共振コンデンサCrの直列接続を介して、直流入力電圧Vinの負極と接続される。また、この場合のトランスT1は、所定の結合係数による疎結合の状態が得られるようになっており、結合係数に応じた漏洩インダクタンスを生じる。トランスT1の一次側には漏洩インダクタンスと、励磁インダクタンスを有する。漏洩インダクタンスは、一次巻線Npとスイッチング素子SW1,SW2の接続点との間に直列に接続されるものとして示される。また、励磁インダクタンスは、一次巻線Npと並列に接続されるものである。なお、図ではこれらを省略してある。
ここで、漏洩インダクタンスは一次側直列共振コンデンサC1rと直列接続されていることになるが、この直列接続により一次側直列共振回路を形成する。そして、この一次側直列共振回路が、前記のようにしてスイッチング素子SW1,SW2のスイッチング出力点に対して接続されていることで、スイッチング素子SW1,SW2のスイッチング動作に応じたスイッチング出力電流が一次側直列共振回路に供給されることになる。これにより、スイッチング動作は電流共振形となる。即ち、電流共振形コンバータが形成されることになる。なお、トランスT1については密結合で構成した上で、漏洩インダクタンスに相当するチョークコイルを挿入するようにして構成しても、前記と同様に電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成することができる。
また、図5に示す電源装置においては、前記一次側直列共振回路と、直流入力電圧Vinとの間に、電流/電圧変換回路16が挿入される。この電流/電圧変換回路16は、一次側直列共振回路に流れるとされる一次側直列共振電流(ILP+INP)を検出して電圧に変換して出力する。そして、この電流/電圧変換回路16から出力される検出電圧は、電流方向検出回路17に対して入力され、スイッチング回路(SW1,D1,SW2,D2)に流れるとされるスイッチング電流(Id1,Id2)の電流方向として、スイッチング素子SW1,SW2のいずれかにおいて正方向(ドレイン−ソース)の方向に電流が流れている状態にあるか否かについて検出するように動作する。電流方向検出回路17は、検出電圧を信号に変換し、この変換された検出電圧信号を発振器10に入力する。
また、トランスT1の二次側においては、同等巻数の2組の二次巻線Ns1,Ns2の中点をセンタータップとして二次側アースに接地すると共に、整流ダイオードD3,D4、及び平滑コンデンサCoを図示するようにして接続することで、二次側両波整流回路を形成している。この二次側両波整流回路によっては、二次巻線Ns1,Ns2に励起された電圧を整流平滑化して、平滑コンデンサCoの両端電圧として、二次側直流電圧を生成する。この二次側直流電圧が、図示するようにして負荷に供給される。
この二次側直流電圧は分岐して、誤差増幅器12に対しても入力される。誤差増幅器12では、前記二次側直流電圧のレベルと、所定レベルの基準電圧Vrefとを比較して、その誤差に応じてレベルが可変となる誤差増幅信号をフォトカプラ14を介して発振器10に出力する。フォトカプラ14は、一次側に在るとされる発振器10に対して、二次側から誤差増幅信号をフィードバックさせるのにあたって、一次側と二次側とを直流的に絶縁するために設けられる。また、抵抗R1は、誤差増幅信号に応じて、フォトカプラ14のフォトダイオードに流すべき電流を調整するために挿入される。
発振器10は、後述する構成により、所要の周波数による発振信号を発生させ、駆動回路11に出力する。駆動回路11は、入力された発振信号を利用して、スイッチング素子SW1,SW2をスイッチング駆動するためのドライブ信号SG1,SG2を生成する。このため、ドライブ信号の周波数は、入力された発振信号に対応したものとなり、従って、ドライブ信号周波数が、スイッチング周波数に対応することにもなる。
また、ドライブ信号SG1,SG2は、互いに180°の位相差を有したうえで、スイッチング素子SW1,SW2がターンオン又はターンオフする短時間のタイミングで、スイッチング素子SW1,SW2が共にオフとなるデッドタイム期間を形成するような波形ともされている。これにより、スイッチング素子SW1,SW2は、発振回路11にて生成される発振信号周波数に応じたスイッチング周波数により、交互にオン・オフするタイミングでスイッチング動作を行うように駆動される。また、スイッチング動作として、スイッチング素子SW1,SW2のターンオン、ターンオフ時に対応してスイッチング素子SW1,SW2が共にオフとなるデッドタイム期間が得られるようにも駆動される。前述した部分電圧共振動作である部分電圧共振コンデンサCp1,Cp2に対する充放電は、このデッドタイム期間に行われる。
発振器10は、誤差増幅信号に応じて発振周波数を可変するが、これによりスイッチング素子SW1,SW2のスイッチング周波数が変化することとなって、一次側から二次側に伝送されるエネルギー量も変化し、二次側直流電圧のレベルが可変制御されることになる。そして、この制御系では、誤差増幅器12にて比較される二次側直流電圧レベルと、基準電圧Vrefとに誤差が生じない状態に収束するように、スイッチング周波数を変化させることになる。つまり、負荷電流が増加して二次側直流電圧のレベルが低下したときには、スイッチング周波数を低くするように制御する。これにより二次側へのエネルギー伝送量が増加して二次側直流電圧が上昇するようにして制御される。逆に、負荷電流が減少して二次側直流電圧のレベルが上昇したときには、スイッチング周波数を高くするように制御して、これにより二次側へのエネルギー伝送量を減少させて、二次側直流電圧を低下させる。このようにして、スイッチング周波数の可変制御により二次側直流電圧の安定化が図られることとなる。
特開平8−66025号公報
特開2005−51918号公報
図1は、本発明の最良の実施の形態としてのスイッチング電源装置の全体的な構成例を示している。
先ず、一次側には2つのMOSFETで構成されたスイッチング素子SW1,SW2を備えてある。スイッチング素子SW1のソースとスイッチング素子SW2のドレインとを接続していることで、スイッチング素子SW1がハイサイドで、スイッチング素子SW2がローサイドとなる関係により、これらスイッチング素子を直列接続している。2つのスイッチング素子SW1,SW2の直列回路と並列に2つのコンデンサCp1,Cp2を直列に接続してあり、2つのスイッチング素子SW1,SW2と2つのコンデンサCp1,Cp2でハーフブリッジ結合方式によるスイッチング回路を構成してある。コンデンサCp1,Cp2は、SW1とSW2のターンオフ電圧傾きを緩やかにして、いわゆるゼロボルトスイッチング(以下、「ZVS」という。)の調整を容易化するものである。
また、スイッチング素子SW1のドレイン−ソースに対しては、ダイオードD1が並列に接続される。ダイオードD1のアノード、カソードは、それぞれ、スイッチング素子SW1のソース、ドレインに対して接続される。ここで、スイッチング素子SW1のドレイン→ソースの順方向と、いわゆるボディダイオードD1のアノード→カソードの順方向は、相互に逆向きとなっている。つまり、ボディダイオードD1は、スイッチング素子SW1に対して逆並列接続されている。以上より、それぞれボディダイオードD1,D2が逆並列接続されたスイッチング素子SW1,SW2を直列接続して形成される回路が、ハーフブリッジ結合方式によるスイッチング回路となる。本実施例では、スイッチング素子SW1,SW2はMOSFETであり、ダイオードD1,D2は、スイッチング素子SW1,SW2のそれぞれのドレインーソース間に構造上寄生的に内在する。
スイッチング回路は、直流入力電圧Vinに対して図示するようにして並列に接続される。なお、直流入力電圧Vinは、例えば実際には、ここでは図示していない、整流ダイオード及び平滑コンデンサから成る整流平滑回路が商用交流電源を入力して整流平滑動作を行うことで生成することができる。
スイッチング電源装置は、スイッチング素子SW1,SW2のスイッチング動作により得られるスイッチング出力を、一次側から二次側に伝送するためのトランスT1を備えてある。このトランスT1は、コアに対して、一次巻線Npと、二次巻線Ns1,Ns2を巻装して形成される。トランスT1の一次巻線Npの巻始め端部は、スイッチング素子SW1,SW2のソース,ドレインの接続点(スイッチング出力点)と接続され、巻終わり端部は、一次側直列共振コンデンサCrの直列接続を介して、直流入力電圧Vinの負極と接続される。また、この場合のトランスT1は、所定の結合係数による疎結合の状態が得られるようになっており、結合係数に応じた漏洩インダクタンスを生じる。トランスT1の一次側には漏洩インダクタンスと、励磁インダクタンスを有する。漏洩インダクタンスは、一次巻線Npとスイッチング素子SW1,SW2の接続点との間に直列に接続されるものとして示される。また、励磁インダクタンスは、一次巻線Npと並列に接続されるものである。なお、図ではこれらを省略してある。
ここで、漏洩インダクタンスは一次側直列共振コンデンサCrと直列接続されていることになるが、この直列接続により一次側直列共振回路を形成する。そして、この一次側直列共振回路が、前記のようにしてスイッチング素子SW1,SW2のスイッチング出力点に対して接続されていることで、スイッチング素子SW1,SW2のスイッチング動作に応じたスイッチング出力電流が一次側直列共振回路に供給されることになる。これにより、スイッチング動作は電流共振形となる。即ち、電流共振形コンバータが形成されることになる。なお、トランスT1については密結合で構成した上で、漏洩インダクタンスに相当するチョークコイルを挿入するようにして構成しても、前記と同様に電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成することができる。
また、トランスT1の二次側においては、同等巻数の2組の二次巻線Ns1,Ns2の中点をセンタータップとして二次側アースに接地すると共に、整流ダイオードD3,D4、及び平滑コンデンサCoを図示するようにして接続することで、二次側両波整流回路を形成している。この二次側両波整流回路によっては、二次巻線Ns1,Ns2に励起された電圧を整流平滑化して、平滑コンデンサCoの両端電圧として、二次側直流電圧を生成する。この二次側直流電圧が、図示するようにして負荷に供給される。
この二次側直流電圧は分岐して、誤差増幅器12に対しても入力される。誤差増幅器12では、前記二次側直流電圧のレベルと、所定レベルの基準電圧Vrefとを比較して、その誤差に応じてレベルが可変となる誤差増幅信号をフォトカプラ14を介して発振器10に出力する。フォトカプラ14は、一次側に在るとされる発振器10に対して、二次側から誤差増幅信号をフィードバックさせるのにあたって、一次側と二次側とを直流的に絶縁するために設けられる。また、抵抗R1は、誤差増幅信号に応じて、フォトカプラ14のフォトダイオードに流すべき電流を調整するために挿入される。
発振器10は、後述する構成により、所要の周波数による発振信号を発生させ、駆動回路11に出力する。駆動回路11は、入力された発振信号を利用して、スイッチング素子SW1,SW2をスイッチング駆動するためのドライブ信号SG1,SG2を生成する。このため、ドライブ信号の周波数は、入力された発振信号に対応したものとなり、従って、ドライブ信号周波数が、スイッチング周波数に対応することにもなる。
また、ドライブ信号SG1,SG2は、互いに180°の位相差を有したうえで、スイッチング素子SW1,SW2がターンオン又はターンオフする短時間のタイミングで、スイッチング素子SW1,SW2が共にオフとなるデッドタイム期間を形成するような波形ともされている。これにより、スイッチング素子SW1,SW2は、発振回路11にて生成される発振信号周波数に応じたスイッチング周波数により、交互にオン・オフするタイミングでスイッチング動作を行うように駆動される。また、スイッチング動作として、スイッチング素子SW1,SW2のターンオン、ターンオフ時に対応してスイッチング素子SW1,SW2が共にオフとなるデッドタイム期間が得られるようにも駆動される。スイッチング素子SW1,SW2がそれぞれスイッチングオフするタイミングでは、上記デッドタイム期間中に、コンデンサCp1,Cp2に対する充放電がなされる。
発振器10は、誤差増幅信号に応じて発振周波数を可変するが、これによりスイッチング素子SW1,SW2のスイッチング周波数が変化することとなって、一次側から二次側に伝送されるエネルギー量も変化し、二次側直流電圧のレベルが可変制御されることになる。そして、この制御系では、誤差増幅器12にて比較される二次側直流電圧レベルと、基準電圧Vrefとに誤差が生じない状態に収束するように、スイッチング周波数を変化させることになる。つまり、負荷電流が増加して二次側直流電圧のレベルが低下したときには、スイッチング周波数を低くするように制御する。これにより二次側へのエネルギー伝送量が増加して二次側直流電圧が上昇するようにして制御される。逆に、負荷電流が減少して二次側直流電圧のレベルが上昇したときには、スイッチング周波数を高くするように制御して、これにより二次側へのエネルギー伝送量を減少させて、二次側直流電圧を低下させる。このようにして、スイッチング周波数の可変制御により二次側直流電圧の安定化が図られることとなる。
本発明は、カウント手段であるカウンタ15を有することが特徴である。このカウンタ15の詳細については後述するが、カウンタ15は発振器10から発生する発振信号を監視して発振数をカウントするものである。本発明のカウント15は、一定のカウント数をカウントした時点で、直前にカウントした際のスイッチング素子SW1のオン時間より長くスイッチング素子SW2をオンさせるように制御することを特徴としている。本実施例においては、電源動作開始時又は瞬時停電による再起動時等でカウンタ15がカウントを開始するように設定してある。
本実施例では、先ず、発振器10と駆動回路11から出力される発振信号をカウンタ15が監視する。カウンタ15は、第一のスイッチング素子SW1の1回目(全体の2回目)のオン時間より、交互にオン・オフする第二のスイッチング素子SW2のオン時間、すなわち第二のスイッチング素子SW2の2回目(全体の3回目)のオン時間を長くなるように制御する。全体の3回目の根拠は本実施例では第二のスイッチング素子SW2の1回目のオンの際には、実際には電流は流れない。第二のスイッチング素子SW2が2回目のオンをする際、第二のスイッチング素子SW2のボディダイオードD2に転流電流が流れ込み、その結果、スイッチング素子SW1,SW2に貫通電流が流れてしまう。そのため、その前に貫通電流を防止する必要があるためである。なお、具体的な制御については後述する。
続いて、本発明の要部である発振器10と駆動回路11の具体的構成について図2に示し、これについて、具体的に説明する。発振器10は、抵抗Rt、時定数コンデンサCt、フォトカプラFB、スイッチング素子Q10a〜Q10f、コンパレータ102、NOT回路101,103、基準電圧部100、並びにフリップフロップ回路104を備えてある。
NOT回路101は後述するカウンタ15の出力信号を入力し、スイッチング素子Q10cの制御端子に出力するように構成してある。このスイッチング素子Q10cはローレベルの信号を入力するとオンし、ハイレベルの信号を入力するとオフするように構成してある。このスイッチング素子Q10cがオンすると、このスイッチング素子Q10cに接続する電流源(図示しない)から時定数コンデンサCtが充電し、オフすると、このスイッチング素子Q10cに接続する電流源(図示しない)から時定数コンデンサCtは充電しないように構成してある。
また、発振器10は、基準電圧部100を備えてある。この基準電圧部100は時定数コンデンサCtの充電時並びに放電時に2つの閾値を有する。この基準電圧部100に対してコンパレータ102の非反転入力が接続されている。コンパレータ102の反転入力は、カレントミラーを構成するQ10eのドレイン電流出力と時定数コンデンサCtの接続点に対して接続される。
また、コンパレータ102は検出信号として出力する。この検出信号は、時定数コンデンサCtの両端電圧が上限閾値レベルであるときにローレベルとなる信号である。この検出信号は、NOT回路103の入力端子に入力される。NOT回路103の出力信号(OSC_CLK)は、フリップフロップ回路104のクロック(CK)端子に入力される。
フリップフロップ回路104の反転出力(/Q)、非反転出力(Q)から出力される出力信号は、スイッチング素子SW1,SW2をスイッチング駆動するためのドライブ信号(CLK_H,CLK_L)を生成する駆動信号として、駆動回路11に入力される。
駆動回路11は、RSフリップフロップ回路110、及び、AND回路111,112を備えて形成される。RSフリップフロップ回路110から出力された出力信号は、駆動回路11において、AND回路111及びAND回路112の各一方の入力端子に入力される。そして、AND回路111の出力信号がスイッチング素子SW1をスイッチング駆動するドライブ信号(CLK_H)となり、AND回路112の出力信号がスイッチング素子SW2をスイッチング駆動するドライブ信号(CLK_L)となる。
続いて、本発明の要部であるカウンタ15の具体的構成について図3に示し、これについて、具体的に説明する。なお、カウンタ15が動作する際の動作波形図を図4に示す。カウンタ15は図示するように、3つのRSフリップフロップ回路151,153,156と、AND回路152と、NOT回路154と、NOR回路155と、OR回路157とを備えてある。
カウンタ15は発振器10から出力された発振信号を入力する。カウンタ15は第一のRSフリップフロップ回路151を有し、このRSフリップフロップ回路151のセット端子には発振器10のハイサイドの発振信号(CLK_H)を入力するようにしてあり、リセット端子には起動時を知らせる信号(STOP_A)を入力するようにしてある。
第一のRSフリップフロップ回路151の出力端子はAND回路152の一方の入力端子に接続してある。また、AND回路152の他方の入力端子には、発振器10のローサイドの発振信号(CLK_L)を入力するようにしてあり、フリップフロップ信号(Q1)とローサイドの発振信号(CLK_L)とが共にハイレベルの信号を入力した場合に、ハイレベルのAND信号(A1)を出力するようにしてある。
AND回路152の出力信号(A1)は第二のRSフリップフロップ回路153のセット端子に入力するようにしてある。一方、第二のRSフリップフロップ回路153のリセット端子には第一のフリップフロップ回路151のリセット端子と同様に、起動時を知らせる信号(STOP_A)を入力するようにしてある。
第二のRSフリップフロップ回路153の出力端子はNOT回路154の入力端子を接続してあり、このNOT回路154の出力端子はNOR回路155の一方の入力端子に接続してある。また、NOR回路155の他方の入力端子には、発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフする信号(TFF_OUT)を入力するようにしてあり、NOT信号又は発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフする信号(TFF_OUT)がハイレベルの場合にローレベルのNOR信号(O2)を出力するようにしてある、言い換えれば、NOT信号と発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフする信号(TFF_OUT)とが共にローレベルの場合にハイレベルのNOR信号(O2)を出力するようにしてある。
NOR信号(O2)は第三のRSフリップフロップ回路156のセット端子に入力するようにしてある。一方、第三のRSフリップフロップ回路156のリセット端子には第一及び第二のフリップフロップ回路151,153のリセット端子と同様に、起動時を知らせる信号(STOP_A)を入力するようにしてある。
第三のRSフリップフロップ回路156の出力端子はOR回路157の一方の入力端子を接続してあり、このOR回路157の他方の入力端子はNOT回路154の出力端子に接続してあり、NOT信号又は第三のフリップフロップ信号がハイレベルの場合にハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を出力するようにしてある。カウンタ15は以上のように構成してある。
本実施例におけるスイッチング電源装置は、以上のような構成を有し、以下のような作用をする。先ず、定常時における動作は以下の通りである。
先ず、スイッチング素子SW1,SW2の各ゲート−ソース間には、ゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)が生じており、これらの波形は、駆動回路11からスイッチング素子SW1,SW2の各ゲートに対して印加されるドライブ信号SG1,SG2の波形に対応する。つまり、ゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)の各々について、正極性のパルスが立ち上がっている期間が、スイッチング素子がオンとなるオン期間となり、0レベルの期間はスイッチング素子がオフとなるオフ期間となる。
スイッチング素子SW1,SW2は、交互にオン・オフするタイミングでスイッチングを行う。また、スイッチング素子SW1,SW2がターンオン・ターンオフする際において、スイッチング素子SW1,SW2が共にオフとなるデッドタイム期間(Td)を形成してスイッチング動作を行っている。また、このようにしてスイッチングを行うスイッチング素子SW1,SW2のうち、スイッチング素子SW1のドレイン−ソース間電圧Vds(Q1)は、オンとなる期間においては0レベルで、オフとなる期間においては一定レベルでクランプされ、デッドタイムにおいてレベル遷移する(第一のスイッチング素子SW1と第二のスイッチング素子SW2のオン・オフが切り替わる)。なお、スイッチング素子SW1とスイッチング素子SW2のドレイン−ソース間電圧とは、180°の位相差を有する。
スイッチング電流Id1は、先ず、スイッチング素子SW1のターンオン時において、一次側直列共振コンデンサCr→励磁インダクタンス→漏洩インダクタンスからボディダイオードD1を介して、負極性の方向で流れる。このボディダイオードD1の順方向を流れる期間のスイッチング電流Id1は、MOSFETのスイッチング素子のドレイン−ソース方向である正方向に対しては逆方向に流れる電流であり、波形的には負極性となり、そして、この負極性によりボディダイオードD1に流れるスイッチング電流は、スイッチング素子SW1がターンオンする直前まで、コンデンサCpに充電するようにして流れていた電流が転移して流れたものとしてみることができる。つまり、スイッチング電流としては、転流電流である。
この転流電流としての期間が経過するとスイッチング電流Id1は反転して、スイッチング素子SW1(ドレイン−ソース)→漏洩インダクタンス→励磁インダクタンス→一次側直列共振コンデンサCrの経路で正極性により流れ、この後、スイッチング素子SW1がターンオフするタイミングで0レベルとなる。このスイッチング素子SW1のターンオフ直後の期間(デッドタイム期間Td)においては、コンデンサCp1,Cp2においてZVS動作が生じる期間が得られる。
そして、前記スイッチング素子SW1のターンオフ直後のデッドタイム期間Tdが経過した後は、スイッチング素子SW2がターンオンすることになり、前述のスイッチング素子SW1と同様の波形になる。
そして、このスイッチング素子SW2のターンオフ時(デッドタイム期間Td)においても、SW1でのZVSと同様の作用が得られる。
この一次側直列共振電流は、スイッチング電流Id1,Id2と、前記のようにしてスイッチング素子SW1,SW2のターンオフ時(デッドタイム期間Td)においてコンデンサCp1,Cp2に流れる充放電電流(部分電圧共振電流)とが合成されたものとなる。
スイッチング素子SW1がオンとなる期間に対応しては、二次巻線Ns1に励起される順方向の電圧により、整流ダイオードD3が導通して、整流電流ID3により、平滑コンデンサCoへの充電が行われる。また、スイッチング素子SW2がオンとなる期間に対応しては、二次巻線Ns2に励起される順方向の電圧により、整流ダイオードD4が導通して、整流電流ID4により、平滑コンデンサCoへの充電が行われる。このようにして両波整流動作が二次側で行われることで、平滑コンデンサCoの両端電圧として二次側直流電圧が生成されることになる。
続いて、電源動作開始時又は瞬時停電による再起動時等においてカウンタ15が動作を開始する。この際、カウンタ15は以下のように作用する。
先ず、発振器10には時定数コンデンサCtが内蔵されており、この時定数コンデンサCtの充放電により、発振信号(クロック信号)(OSC_CLK)を出力する。
電源動作開始時又は瞬時停電による再起動時等以前の状態においては、起動時を知らせる信号(STOP_A)がハイレベルにあるため、全てのRSフリップフロップ回路151,153,156にリセットがかかる。よって、OR回路157には、第二のRSフリップフロップ回路153からリセット信号、即ち、ローレベルのフリップフロップ信号(Q2)がNOT回路154に入力され、NOT回路154でこの信号が反転してハイレベルの信号を出力し、このハイレベルの信号と、第三のフリップフロップ回路156から出力されるローレベルのフリップフロップ信号(Q3)とが入力され、OR回路はハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を出力する。この結果、カウンタ15は発振器10に対してハイレベルの出力信号を出力する。
一方、発振器10ではハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を入力するとNOT回路101で反転されて、ローレベルの信号を出力する。このローレベルの信号は前述したスイッチング素子Q10cの制御端子に入力され、スイッチング素子Q10cはオンする。このスイッチング素子Q10cがオンすると、このスイッチング素子Q10cに接続する電流源から時定数コンデンサCtは充電する。
電源動作開始時又は瞬時停電による再起動時と同時に起動時を知らせる信号(STOP_A)が反転してローレベルになる。続いて、スイッチング素子SW2が1回目のオンすなわち発振信号(CLK_L)が1回目のハイレベル信号の時、AND回路152にハイレベルの発振信号(CLK_L)が入力されるが、第一のRSフリップフロップ回路151からローレベルのフリップフロップ信号(Q1)が入力されるため、AND回路152からローレベルのAND信号(A1)が出力され、第二のRSフリップフロップ回路153からローレベルのフリップフロップ信号(Q2)が出力される。OR回路157には、第二のRSフリップフロップ回路153からローレベルのフリップフロップ信号(Q2)がNOT回路154に入力され、NOT回路154でこの信号が反転してハイレベルの信号を出力し、このハイレベルの信号と、第三のフリップフロップ回路156から出力されるローレベルのフリップフロップ信号(Q3)とが入力され、OR回路はハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を出力する。この結果、カウンタ15は発振器10に対してハイレベルの出力信号を出力する。
一方、発振器10ではハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を入力するとNOT回路101で反転されて、ローレベルの信号を出力する。このローレベルの信号は前述したスイッチング素子Q10cの制御端子に入力され、スイッチング素子Q10cはオンする。このスイッチング素子Q10cがオンすると、このスイッチング素子Q10cに接続する電流源から時定数コンデンサCtは充電する。
続いて、スイッチング素子SW1が1回目のオンすなわち発振信号(CLK_H)が1回目のハイレベル信号の時、第一のRSフリップフロップ回路151からハイレベルのフリップフロップ信号(Q1)が出力される。この時、AND回路152にローレベルの発振信号(CLK_L)が入力されるので、AND回路152からローレベルのAND信号(A1)が出力される。これにより、発振信号(CLK_L)が1回目のハイレベル信号の時と同様に、第二のRSフリップフロップ回路153からローレベルのフリップフロップ信号(Q2)がNOT回路154に出力される。NOT回路154でこの信号が反転してハイレベルの信号となり、このハイレベルの信号と、第三のRSフリップフロップ回路156から出力されるローレベルのフリップフロップ信号(Q3)とが入力され、OR回路157はハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を出力する。この結果、カウンタ15は駆動回路11に対してハイレベルの出力信号を出力する。
続いて、スイッチング素子SW2が2回目のオンすなわち発振信号(CLK_L)が2回目のハイレベル信号の時、AND回路152にハイレベルの発振信号(CLK_L)が入力されることとなり、AND回路152からハイレベルのAND信号(A1)が出力される。これにより、第二のRSフリップフロップ回路153からハイレベルのフリップフロップ信号(Q2)が出力される。この信号(Q2)はNOT回路154で反転し、この信号がNOR回路155及びOR回路157に入力される。
NOR回路155では、発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフする信号(TFF_OUT)を入力する。この信号は、スイッチング素子SW2が1回目のオン時にハイレベルの信号を出力し、スイッチング素子SW1が1回目のオン時にローレベル信号を交互に出力する。今回はスイッチング素子SW2の2回目のオン信号が出力されるため、発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフする信号(TFF_OUT)はハイレベルの信号を出力する。以上より、NOR回路155では、発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフするハイレベルの信号(TFF_OUT)が入力されるが、NOT回路154からローレベル信号が出力されるため、NOR回路155は、ローレベルの信号(O2)が出力される。第三のRSフリップフロップ回路156のセット端子にはローレベルの信号(O2)が入力されるため、カウンタ15は駆動回路11に対してローレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を出力する。
一方、発振器10ではローレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を入力するとNOT回路101で反転されて、ハイレベルの信号を出力する。このハイレベルの信号は前述したスイッチング素子Q10cの制御端子に入力され、スイッチング素子Q10cはオフする。このスイッチング素子Q10cがオフすると、このスイッチング素子Q10cに接続する電流源から時定数コンデンサCtは充電しないため、時定数コンデンサCtはスイッチング素子Q10cがオンした場合に比べて、遅い速度で充電動作をする。
続いて、スイッチング素子SW1が2回目のオンすなわち発振信号(CLK_H)が2回目のハイレベル信号の時、第一のRSフリップフロップ回路151からハイレベルのフリップフロップ信号(Q1)が出力される。この後、AND回路152にローレベルの発振信号(CLK_L)が入力されるため、AND回路152からローレベルのAND信号(A1)が出力される。但し、第二のRSフリップフロップ回路153にはリセットがかからないため、全体の3回目のオン信号を発振した場合と同様に、第二のRSフリップフロップ回路153からハイレベルのフリップフロップ信号(Q2)が出力される。この信号(Q2)はNOT回路154で反転し、この信号がNOR回路155及びOR回路157に入力される。
NOR回路155では、発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフする信号(TFF_OUT)を入力する。この信号は、スイッチング素子SW2が1回目のオン時にハイレベルの信号を出力し、スイッチング素子SW1が1回目のオン時にローレベル信号を出力する。今回はスイッチング素子SW1の2回目のオン信号が出力されるため、発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフする信号(TFF_OUT)はローレベルの信号を出力する。以上より、NOR回路155では、発振器10に内蔵されている時定数コンデンサCtが満充電になった際にオン・オフするローレベルの信号(TFF_OUT)が入力される。また、NOT回路154からローレベル信号が出力されるため、NOR回路155はローレベルの信号が反転して、ハイレベルの信号(O2)が出力される。第三のフリップフロップ回路156のセット端子にはハイレベルの信号(O2)が入力されるため、カウンタ15は駆動回路11に対してハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を出力する。
一方、発振器10ではハイレベルの出力信号(VGL_2PULSE)を入力するとNOT回路101で反転されて、ローレベルの信号を出力する。このローレベルの信号は前述したスイッチング素子Q10cの制御端子に入力され、スイッチング素子Q10cはオンする。このスイッチング素子Q10cがオンすると、このスイッチング素子Q10cに接続する電流源から時定数コンデンサCtは充電する。
一般的な従来型電流共振電源等においては、電源動作開始時や瞬時停電再起動時等に図6の(a)部に示すような、いわゆるdi/dtモードによる貫通電流が発生しうるが、本発明に係るスイッチング電源装置においては、特開2005−51918号公報の発明とは異なり、電流検出等を行うことなく、上記貫通電流の発生が未然に防止される。そのメカニズムは、以下の通りである。
Vin入力等による電源動作開始時は、図7に示したように、発振器10が発振信号(OSC_CLK)を出力し、カウンタ15が、発振信号(OSC_CLK)のハイレベルをカウントする。このカウントが所定回(例えば、図7では3回)なされると、所定時間以上のCLK L信号(図7中(3))を発生する。ここでいう所定時間とは、一方のスイッチング素子のドレイン電流(例えば、スイッチング素子SW2のドレイン電流Id2)がマイナスからプラスに切替る時間以上に設定されていることが望ましい。これにより、一方のスイッチング素子のドレイン電流(例えば、スイッチング素子SW2のドレイン電流Id2)がマイナスの期間中に、他方のスイッチング素子(例えば、スイッチング素子SW1)がオンすることは防止され、di/dtモードによる貫通電流が発生することはない。
なお、電源起動時等にスイッチング素子SW2が最初にオンするような回路構成においては、上記カウント数を3回とすることで電源動作開始時や瞬時停電再起動時等において、全く貫通電流が発生することはない。また、ローレベルの発振信号(CLK_L)の所定時間(図7中tl3)を、2回目のカウント直後のSW1のオン時間(図7中th1)の1.5倍程度に設定しておくと、その後の電源発振動作においても、貫通電流を一層防止するという効果を奏する。但し、上記カウント回数及びローレベルの発振信号(CLK_L)の時間は、本発明において限定するものではない。
カウンタ15は以上のような作用をする。このような作用により、トランスT1の一次巻線Npの漏洩インダクタンス成分と、自己のキャパシタンスとにより、共振形のスイッチング動作を得るための共振回路を形成する共振コンデンサCrの電圧の大きさに関係なく、電源動作開始時や瞬時停電再起動時等に貫通電流がスイッチング素子SW1,SW2に流出することを防止することができる。この動作は、電源動作開始時や瞬時停電再起動時等においてなされ、定常動作時は働かない機能であり、従来技術と異なり電流検出によるものではないので、誤検出により上述のアンバランス状態になりえない。したがって、出力電圧の精度を高めることができるという効果を奏する。更に、軽負荷時においても、上記アンバランス状態が起こりにくく、出力電圧精度低下を防ぐことができ、電源動作開始時点、或いは、瞬時停電再起動時点等にも貫通電流を防止することができる。
なお、本発明は、スイッチング手段、駆動手段、トランス、共振コンデンサ、二次側直流電圧生成手段、発振手段、並びに、カウント手段を有しておればよく、そのうち、駆動手段、二次側直流電圧生成手段、及び、発振手段の構成については限定されない。
また、スイッチング手段について、実施例では2つのスイッチング素子SW1,SW2で構成するハーフブリッジ結合方式のスイッチングコンバータを採用しているが、カウント手段が一定のカウント数をカウントした時点で、直前にカウントした際のスイッチング素子のオン時間より長くオンさせるように制御することが可能なスイッチングコンバータ、例えば、4つのスイッチング素子で構成するフルブリッジ結合方式のスイッチングコンバータにおいても、本発明を構成することができる。