JP5204352B1 - 窒化物系半導体発光素子 - Google Patents

窒化物系半導体発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5204352B1
JP5204352B1 JP2012548251A JP2012548251A JP5204352B1 JP 5204352 B1 JP5204352 B1 JP 5204352B1 JP 2012548251 A JP2012548251 A JP 2012548251A JP 2012548251 A JP2012548251 A JP 2012548251A JP 5204352 B1 JP5204352 B1 JP 5204352B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
nitride
axis
based semiconductor
semiconductor light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012548251A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013001781A1 (ja
Inventor
篤志 山田
彰 井上
俊哉 横川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2012548251A priority Critical patent/JP5204352B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5204352B1 publication Critical patent/JP5204352B1/ja
Publication of JPWO2013001781A1 publication Critical patent/JPWO2013001781A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/16Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies with a particular crystal structure or orientation, e.g. polycrystalline, amorphous or porous
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/20Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies with a particular shape, e.g. curved or truncated substrate
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/005Processes
    • H01L33/0062Processes for devices with an active region comprising only III-V compounds
    • H01L33/0075Processes for devices with an active region comprising only III-V compounds comprising nitride compounds

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

成長面がm面であり、GaN系半導体から形成されている活性層(202)と、活性層(202)からの光を放射する少なくとも一つの放射面とを有する窒化物系半導体発光素子(220)であって、放射面は、m面に複数の凸部(303)が設けられた面であり、放射面において、複数の凸部(303)のそれぞれの底面は閉曲線内の領域であり、底面Bの形状は、閉曲線上において最も離れた位置に位置する2つの点を結ぶ線分である長軸Axと、長軸Axの中心を通り、長軸と直行する線分である短軸とを有し、長軸Axと結晶のa軸の延びる方向とがなす角度が45度以内である。

Description

本願は、窒化物系半導体発光素子に関する。特に、m面を主面とした半導体発光素子に関する。
V族元素として窒素(N)を有する窒化物半導体は、そのバンドギャップの大きさから、短波長発光素子の材料として有望視されている。そのなかでも、窒化ガリウム系化合物半導体(GaN系半導体)の研究は盛んに行われ、青色発光ダイオード(LED)、緑色LED、ならびにGaN系半導体を材料とする半導体レーザも実用化されている。
GaN系半導体は、ウルツ鉱型結晶構造を有している。図1は、GaNの単格子を模式的に示している。AlxGayInzN(x+y+z=1,x≧0,y≧0,z≧0)半導体の結晶では、図1に示すGaの一部がAlおよび/またはInに置換され得る。
図2は、ウルツ鉱型結晶構造の面を4指標表記(六方晶指数)で表すために一般的に用いられている4つのベクトルa1、a2、a3、cを示している。基本ベクトルcは、[0001]方向に延びており、この方向は「c軸」と呼ばれる。c軸に垂直な面(plane)は「c面」または「(0001)面」と呼ばれている。なお、「c軸」および「c面」は、それぞれ、「C軸」および「C面」と表記される場合もある。
GaN系半導体を用いて半導体素子を製作する場合、GaN系半導体結晶を成長させる基板として、一般的に、c面すなわち(0001)面を主面とする基板が使用される。しかしながら、c面においてはGaの原子層と窒素の原子層の位置がc軸方向に僅かにずれているため、分極(Electrical Polarization)が形成される。このため、「c面」は「極性面」とも呼ばれている。分極の結果、活性層におけるInGaNの量子井戸方向にはc軸方向に沿ってピエゾ電界が発生する。このようなピエゾ電界が活生層に発生すると、キャリアの量子閉じ込めシュタルク効果により活性層内における電子およびホールの分布に位置ずれが生じるため、内部量子効率が低下する。このため、半導体レーザであれば、しきい値電流の増大が引き起こされる。LEDであれば、消費電力の増大や発光効率の低下が引き起こされる。また、注入キャリア密度の上昇と共にピエゾ電界のスクリーニングが起こり、発光波長の変化も生じる。
そこで、これらの課題を解決するため、非極性面、例えば[10−10]方向に垂直な、m面と呼ばれる(10−10)面を主面に有する基板を使用することが検討されている。ここで、ミラー指数を表すカッコ内の数字の左に付された「−」は、「バー」を意味する。m面は、図2に示されるように、c軸(基本ベクトルc)に平行な面であり、c面と直交している。m面においてはGa原子と窒素原子は同一原子面上に存在するため、m面に垂直な方向に分極は発生しない。その結果、m面に垂直な方向に半導体積層構造を形成すれば、活性層にピエゾ電界も発生しないため、上記課題を解決することができる。
m面は、(10−10)面、(−1010)面、(1−100)面、(−1100)面、(01−10)面、(0−110)面の総称である。なお、本明細書において、「X面成長」とは、六方晶ウルツ鉱構造のX面(X=c、mなど)に垂直な方向にエピタキシャル成長が生じることを意味するものとする。X面成長において、X面を「成長面」と称する場合がある。また、X面成長によって形成された半導体の層を「X面半導体層」と称する場合がある。
よって、例えばこのような非極性面を有する基板を使用して作製したLEDは、従来のc面上の素子に比べて発光効率の向上が実現できる。
さらに、非特許文献1などに開示されているように、m面上に形成された活性層を用いたLEDは、その価電子帯の構造に由来した独自の発光特性を有している。発光層のm面InGaNのバンド構造は格子不整合による歪みを有する。この歪みにより価電子帯が***する。***した価電子帯のうち、エネルギーが最も高い価電子帯の軌道がpxに似た軌道であるために、a軸方向に偏光した光が放射される。この偏光光は液晶のバックライトなどに活用することでエネルギー効率を大きく高めることができる可能性を持っている。
また、従来のc面LEDの光取り出し効率を高めるために、例えば、成長基板裏面に対してウェットエッチングを行うことにより凹凸部を形成する製造方法が提案されている(特許文献1)。
また、透明な構造体部分の大きさに関して、横方向の大きさと厚さ方向の大きさとの比(アスペクト比)が5以上であり、かつ発光素子チップの表面もしくは該透明な構造体部分の内部に、光散乱機能を有する構造が提案されている(特許文献2)。
また、基板上に窒化ガリウム系化合物半導体が積層された発光素子において、光取出し面が透光性膜からなり、該透光性膜の表面が該基板面に対して傾斜した平面で構成される凹凸を有していることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が提案されている(特許文献3)。
また、透光性無機部材と蛍光体とから構成され、第一の層と、第二の層と、その第二の層よりも屈折率が小さい第三の層とが積層されてなり、第一の層は、砲弾型のレンズ形状を有するドットの集合体として、前記発光素子に配置されていることを特徴とする発光装置が提案されている(特許文献4)。
特開2009−218569号公報 特開2007−273506号公報 特開2006−294907号公報 特開2004−363343号公報
APPLIED PHYSICS LETTERS 92 (2008) 091105
しかしながら、上述した従来の技術では、さらなる配光分布の改善が求められていた。本願の、限定的ではない例示的なある実施形態は、成長面がm面である発光層を有する窒化物系半導体発光素子の配光分布を改善することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、成長面がm面であり、GaN系半導体から形成されている発光層と、前記発光層からの光を放射する少なくとも一つの放射面とを有する窒化物系半導体発光素子であって、前記放射面は、m面に複数の凸部が設けられた面であり、前記放射面において、前記複数の凸部のそれぞれの底面は閉曲線内の領域であり、前記底面の形状は、前記閉曲線上において最も離れた位置に位置する2つの点を結ぶ線分である長軸と、前記長軸の中心を通り、前記長軸と直交する線分である短軸とを有し、前記長軸と結晶のa軸の延びる方向とがなす角度が45度以内である。
本発明の一態様にかかる窒化物系半導体発光素子によれば、主面がm面である発光層からの光の配光特性がランバーシアンに近づき、配光特性を改善することができる。
GaNの単位格子を模式的に示す斜視図である。 ウルツ鉱型結晶構造の基本ベクトルa1、a2、a3、cを示す斜視図である。 電気双極子振動による発光分布の模式図である。 (a)は例示的な実施形態によるm面窒化物系半導体発光素子220を示す模式図であり、(b)はm面窒化物系半導体発光素子220に設けられた凸部303を拡大して示す図である。 (a)から(d)は、本実施形態の凸部303の形状の例を立体的に示す図である。 凸部303の底面Bを示す図である。 例示的な実施形態によるm面LEDの積層構造210を示す模式図である。 凸部の長軸の方向が異なるサンプル(a)から(c)のランバーシアンからのズレの最大値を示すグラフである。 サンプル(a)から(c)の配光の全周分布を示す図である。 楕円の長軸と短軸の比を楕円率として、楕円率の異なるサンプル(d)から(f)のランバーシアンからのズレの最大値を示すグラフである。 サンプル(d)から(f)の配光の全周分布を示す図である。 楕円錐の頂部の長さ(長軸に沿った長さ)の異なるサンプル(g)から(i)を示す鳥瞰図である。 サンプル(g)から(i)の配光分布のランバーシアンからのズレ量の最大値を示すグラフである。 サンプル(g)から(i)の配光の全周分布を示す図である。 (a)はフェイスダウン実装を示し、(b)はフェイスアップ実装を示す。 縦型タイプの窒化物系半導体発光素子500を示す断面図である。 例示的な実施形態による窒化物系半導体発光素子200を有する白色光源の一例を示す模式図である。
まず、本発明の基礎となった一つの着眼点について説明する。
発明者は、主面がm面である発光層を有する窒化物系半導体発光素子は、配光分布に特異な偏りが存在し、この配光分布は、主面がc面である発光層を有する従来の窒化物系半導体発光素子の配光分布と大きく異なるということを発見した。
この配光分布の偏りは上述した偏光光を発するメカニズムと同じ原理で生じている。発光は半導体中の正孔と電子の結合により生じる。これは、光学的には、電気双極子の振動運動として理解することができる。M面の場合は、この振動運動が荷電子帯の軌道の***により、a軸方向に限定される。したがって、a軸方向に偏光した光を放つ。
図3は、この電気双極子の振動運動による発光の分布を表したものである。電気双極子の振動方向の発光強度に比べ、振動方向と垂直な方向の発光強度が強くなる。したがって、主面がm面である発光層からの光は、空間に均一に広がるものではなく、a軸方向に弱く、a軸と垂直な方向に強い強度分布となる。この強度分布は、発光層から他の半導体層を通ってチップの外に出る光にも当然影響を与え、チップの配光分布も偏ったものとなる。
この配光分布はm面LEDを用いた機器の設計を困難にする。何故なら、通常のc面LEDの配光分布は、m面LEDの配光分布と大きく異なるからである。c面LEDは、一般的に等方的な発光強度分布を持つ点光源とみなすことができ、その配光分布はいわゆるランバーシアン形状になる。また、多少はずれることがあっても、後のレンズ設計を考慮してランバーシアン形状に合わせやすい。したがって、c面LEDを用いた機器の設計者は、配光分布がランバーシアンであることを前提に設計を行っている。一方、m面LEDは、ランバーシアンと異なる配光分布を持つ。したがって、c面LEDに代えてm面LEDを用いる場合、設計をやり直さなければいけない。
前述した特許文献1は、c面LEDの配光分布を改善するが、m面LEDの発光原理に基づいた特異な発光分布を適切に改善することはできない。何故なら、軸方向によって異なる配光分布の存在を考慮していないからである。すなわち、このc軸やm軸方向に強くa軸方向に弱いという配光分布を考慮すること無しにこの課題を解決することはできない。
そのような状況の下、発明者は、主面がm面である発光層を有する窒化物系半導体発光素子の配光分布を改善する手段を見出した。
本発明の一態様の概要は以下のとおりである。
(1)本発明の一態様の窒化物系半導体発光素子は、成長面がm面であり、GaN系半導体から形成されている発光層と、前記発光層からの光を放射する少なくとも一つの放射面とを有する窒化物系半導体発光素子であって、前記放射面は、m面に複数の凸部が設けられた面であり、前記放射面において、前記複数の凸部のそれぞれの底面は閉曲線内の領域であり、前記底面の形状は、前記閉曲線上において最も離れた位置に位置する2つの点を結ぶ線分である長軸と、前記長軸の中心を通り、前記長軸と直交する線分である短軸とを有し、前記長軸と結晶のa軸の延びる方向とがなす角度が45度以内である。
本発明の一態様の窒化物系半導体発光素子によると、主面がm面である発光層からの光の配光特性がランバーシアンに近づき、配光特性を改善することができる。
(2)前記(1)において、前記閉曲線は凸閉曲線であってもよい。
(3)前記(1)または(2)において、前記長軸と前記閉曲線が交わる2つの点を点x1および点x2とし、前記短軸と前記閉曲線が交わる2つの点を点y1および点y2とした場合、前記点x1、x2のそれぞれを通り、前記短軸と平行な2つの直線と、前記点y1、y2のそれぞれを通り、前記長軸と平行な2つの直線とを辺に有する長方形内に、前記閉曲線が配置されていてもよい。
(4)前記(1)または(2)において、前記凸部は頂部を有し、前記凸部の表面は、前記底面から前記頂部に向う方向に突出した曲面であってもよい。
(5)前記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記閉曲線は楕円であってもよい。
(6)前記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記長軸の長さは、前記短軸の長さの1倍よりも大きく10倍以下であってもよい。
(7)前記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記長軸の長さは、0.5μm以上50μm以下であってもよい。
(8)前記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記放射面は、前記窒化物系半導体発光素子の底面または天面であってもよい。
(9)前記(1)から(8)のいずれかにおいて、前記複数の凸部は、楕円錐の形状を有していてもよい。
(10)本発明の一態様の光源は、前記(1)から(9)の何れかに記載の窒化物系半導体発光素子と、前記放射面から放射された光の波長を変換する蛍光物質を含む波長変換部とを備える。
(11)本発明の一態様の窒化物系半導体発光素子の製造方法は、基板を用意する工程(a)と、成長面がm面である発光層を含む半導体積層構造を形成する工程(b)と、前記発光層からの光を放射する放射面上に複数の凸部を形成する工程(c)とを備え、前記放射面において、前記複数の凸部のそれぞれの底面は閉曲線内の領域であり、前記底面の形状は、前記閉曲線上において最も離れた位置に位置する2つの点を結ぶ線分である長軸と、前記長軸の中心を通り、前記長軸と直交する線分である短軸とを有し、前記長軸と結晶のa軸の延びる方向とがなす角度が45度以内である。
以下、本発明の例示的な実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下の図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
図4(a)は、本発明の例示的な実施の形態による窒化物系半導体発光素子220を模式的に示す断面図である。
本実施の形態の窒化物系半導体発光素子220は、成長面がm面である基板200と、基板200の上に設けられ、窒化物系半導体から形成されている積層構造210と、p側電極302およびn側電極301とを有している。積層構造210は活性層202を含む。
窒化物系半導体発光素子200がフリップチップ実装(フェイスダウン)される場合、窒化物系半導体発光素子200は、基板200側を上にして実装基板に搭載される。この場合、活性層202から発せられた光は、基板200の裏面(成長面と反対側の面)や側面を透過して外部に取り出される。本明細書においては、活性層202からの光が外部に取り出される面を「放射面」と呼ぶ。
本実施形態において、基板200の裏面はm面であり、基板200の裏面には複数の凸部303が設けられている。
図4(b)に、複数の凸部303のうちのいくつかを拡大して示す。複数の凸部303の底面Bは楕円であり、楕円の長軸Ax(底面Bを構成する楕円上において最も離れた位置に存在する2点を結ぶ線分)は結晶のa軸方向と平行である。凸部303の表面のうち、底面Bからm軸方向に最も離れた点(線または面)を頂部Tとした場合、凸部303の表面は、底面Bから頂部Tに向う方向に突出したなだらかな曲面である。
凸部303の底面の長軸Axの長さは、例えば0.5μm以上50μm以下であり、凸部303の高さは例えば0.5μm以上50μm以下である。
複数の凸部303のうちのそれぞれの形状は同一でなくてもよく、底面Bの大きさや側面の曲率、凸部303の向き等は、それぞれの凸部303で異なっていてもよい。凸部303の底面Bの長軸Axはa軸から傾いていてもよく、この場合、a軸と長軸Axとの間の角度は45度以内である。
上述したように、m面を成長面として有する活性層202からの光は、a軸方向に弱く、a軸と垂直な方向に強い分布を有する。本実施形態によると、凸部303の長軸Axがa軸に沿った方向(またはa軸からの傾きが45度以内の方向)に沿って設けられている。また、凸部303の側面が曲面であるため、微視的に見て、その法線方向は多様である。これにより、活性層202からの光の配光特性のばらつきを緩和することができる。
本実施形態の凸部303の形状は図4(b)に示す形状に限られない。以下、凸部303の多様な形状について説明する。図5(a)から(d)は、本実施形態の凸部303の形状の例を示す図である。
図5(a)に示すように、凸部303は、楕円の底面Bを有し、頂部Tを頂点とする楕円錐の形状を有していてもよい。図5(b)に示すように、凸部303の頂部Tは、点ではなく線であってもよい。このとき、頂部Tは、a軸に沿っていてもよいし、a軸から傾いていてもよい。
図5(c)に示すように、凸部303の頂部Tは点ではなく面であってもよい。図5(c)は、楕円錐の先端を切り落としたような形状を有する。なお、図5(c)には、頂部Tの縁が明確に示されているが、縁が明確でなくてもよく、頂部Tと側面とがなだらかな曲面によって接合されていてもよい。
本実施形態の凸部303は、図5(d)に示すような形状を有していてもよい。図5(d)において、凸部303の頂部Tから底面Bに垂直な直線(m軸方向に沿った直線)lTを引いた場合、その直線lTと底面Bとの交わる点は、長軸Axの中心Acと一致していない。長軸Axの中心からa軸方向にずれていてもよいし、c軸方向からずれていてもよい。
なお、「凸部303の底面B」とは、凸部303の根元部分の平面形状のことを指す。例えば図4(a)に示す窒化物系半導体発光素子220の基板200の裏面において、凸部303の底面B以外の部分にはm面が露出している。
本実施形態において、凸部303の底面Bの形状は楕円でなくてもよい。楕円とは異なる曲率を有する閉曲線であってもよい。以下、凸部303の底面Bの形状を説明する。図6は、凸部303の底面Bを示す図である。図6に示す凸部303の底面Bは、閉曲線c内の領域である。
図6に示すように、凸部303の底面Bの形状は、閉曲線c上において最も離れた位置に位置する2つの点を結ぶ線分である長軸Axと、長軸Axの中心Oを通り、長軸Axと直交する線分である短軸Ayとを有する。短軸Ayは、長軸Axよりも短い必要がある。凸部303の底面Bが楕円の場合、短軸Ayは、閉曲線c上の任意の2点を結ぶ線分のうち最も短いものとなる。凸部303の底面が楕円でない場合、短軸Ayは、閉曲線c上の任意の2点を結ぶ線分のうち最も短いものでなくてもよい。
本実施形態によると、凸部303の底面Bが閉曲線c内の領域であり、底面Bが平面的に見てa軸方向(またはa軸から45度以内の方向)に長い形状を有することにより、放射面を通過した光の配光特性の偏りが緩和される。
閉曲線cは、凸閉曲線であってもよい。本明細書において、「凸閉曲線」とは、その閉曲線上の任意の2点を結ぶ線分が、その閉曲線の外部に出ることのない閉曲線のことを言う。例えば、楕円は凸閉曲線である。ただし、閉曲線cは凸閉曲線でなくてもよく、閉曲線cの一部が内側に向かって凹状であってもよい。
図6に示すように、長軸Axと閉曲線cが交わる2つの点を点x1および点x2とし、短軸Ayと閉曲線cが交わる2つの点を点y1および点y2とした場合、点x1、x2のそれぞれを通り、短軸Ayと平行な2つの直線と、点y1、y2のそれぞれを通り、長軸Axと平行な2つの直線とを辺に有する長方形L内に、閉曲線cが配置されていてもよい。ただし、閉曲線cが、部分的に長方形Lよりも外側に配置されていてもよい。
また、点x1と点y1とを結ぶ直線、点y1と点x2とを結ぶ直線、点x2と点y2とを結ぶ直線、点y2と点x1とを結ぶ直線よりも、閉曲線cは外側に配置されていてもよい。ただし、閉曲線cが、部分的にこれらの直線よりも内側に配置されていてもよい。
次に、本実施形態の窒化物系半導体発光素子220と、窒化物系半導体発光素子220に含まれる積層構造210とを説明する。
図7は、本発明の例示的な実施の形態1における積層構造210を模式的に示す断面図である。図7に示す積層構造210は、GaN系半導体、より具体的には、AlxInyGazN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、z≧0)半導体から形成されている。
本実施の形態の積層構造210は、m面を主面(成長面)とするn型GaN基板である基板200上に形成され、基板200のm面の上に形成されたn型半導体層201と、n型半導体層201の上に設けられ、発光領域として機能する活性層202と、活性層202の上に設けられたp型半導体層203とを備えている。p型半導体層203は、p型半導体層203の他の部分203aよりp型不純物濃度の高いp型コンタクト層204を有している。n型半導体層201は、例えば、AluGavInwN層(u+v+w=1, u≧0, v≧0, w≧0)から形成されている。p型半導体層203は、例えば、AldGaeN層(d+e=1, d≧0, e≧0)から形成されている。
活性層202の成長方向はm面に対して垂直であり(m面窒化物半導体層)、活性層202の成長面はm面に平行でもある。p型半導体層203の主面(成長面)側には、p型半導体層203の他の部分よりp型不純物濃度の高いp型コンタクト層204が設けられている。活性層202は、例えば、AlaInbGacN層(a+b+c=1,a≧0, b≧0, c≧0)を含む。活性層202とp型半導体層203との間にはAlGaN層からなるオーバーフロー抑制層(OFS層)が挿入されていてもよい。
次に、本実施形態の窒化物系半導体発光素子220の製造方法を説明する。
まず、図7に示す積層構造210を形成する。積層構造210は、一般的な技術によって製造することができる。例えば、積層構造210は、基板200を準備し、基板200の上に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor phase Deposition)もしくはMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)と呼ばれる方法を用いて、n型半導体層201、活性層(発光層)202およびp型半導体層203を順に堆積することにより形成される。
積層構造210を形成するための結晶成長工程が完了すれば、図4(a)に示す窒化物系半導体発光素子220を形成するために、前工程、プロセス工程などと呼ばれる工程を行う。ここでは、一般的な半導体プロセス技術である、洗浄、フォト、エッチング、電極形成などを行ってデバイスを形成していく。LEDの場合はpn接合に電流を流すことで光を発生させるデバイスであることから、主な工程はn側電極用の領域の形成、n側電極301の形成、p側電極302の形成である。
典型的には、光取り出し面の凸部303は、窒化物系半導体発光素子220の形成が終了してから行う。まず、基板200を研摩により薄膜化する。基板200の厚さは、チップの強度や光取り出し効率などを考慮して決定され、例えば5〜200μm程度となる。例えば、基板200の厚さを10μmまで薄くしてそれ以上の高さの凸部を形成した場合、窒化物系半導体発光素子220の裏面に基板200は残らない。したがって、窒化物系半導体発光素子220は、必ずしも基板200を有していなくてもよい。研摩が終了した後に、放射面(光取り出し面)である基板200の裏面(基板200の成長面とは反対側の面)に複数の凸部303を形成する。まず、基板200の裏面に、レジスト膜を塗布し、所望のパターンを持つガラスマスクをアライメントしてレジスト膜を露光することができる波長の光を照射する。これを所定の現像液で現像することにより、所望のパターンが得られる。レジスト膜のパターンをマスクとしてドライエッチング工程を行うことにより、基板200の裏面に所望の凹凸構造を形成することができる。
例えば、楕円錐形状(または楕円柱の上側縁部が丸められた形状)の凸部303を形成するためには、楕円柱状(柱状)のレジストマスクを形成した後、高温(例えば150℃から250℃)でベイクを行う。高温で加熱することによりレジストマスクがだれて、レジストマスクの楕円柱の角部が丸められる。このようなレジストマスクを用いてエッチングを行うことにより、基板200の裏面状に、レジストマスクの形状と同様の形状を有する凸部303を形成することができる。または、グレースケールマスクを用いて露光することで、レジストマスクの形状を所望のものとしてもよい。
レジストマスクはフォト工程におけるパターニングが可能であるため、レジストマスクを用いると特に生産性を高めることができる。ただし、ドライエッチングのためのマスクとしては、SiO2やSiNなどから形成されている無機膜や、PtやNi、Crなどの金属膜やポリイミドから形成されている有機膜を用いてもよい。
なお、本実施形態においては、エッチングにより凸部303を形成するのではなく、凸部303が設けられた樹脂などからなるシートを貼り付けてもよい。
次に、レーザダイシングなどによってチップに切り出し、アルミナやアルミナイトライドの実装基板に搭載する。実装された窒化物系半導体発光素子の配光特性は、ゴニオメーターと呼ばれる角度を振る機械を用いて様々な角度における発光の強度分布を測定することにより評価される。
次に、上述の方法で作製した窒化物系半導体発光素子の配光特性をシミュレーションによって算出した結果を説明する。光線追跡法によるシミュレーションにより配光分布を算出した。発光層において軸方向の異方性を持った光源を用いた以外は、通常の光線追跡シミュレーションを行った。また、窒化物系半導体発光素子を覆う樹脂や蛍光体が設けられておらず、チップから空気中へ直接光が取り出される場合を想定してシミュレーションを行っている。
図8は、凸部が円錐、a軸方向に沿った楕円錐、c軸方向に沿った楕円錐のそれぞれの場合の配向特性を示すグラフである。図8のサンプル(a)は、a軸方向に沿った楕円錐(楕円の短軸が4μm、長軸が25μm)を裏面に敷き詰めた構成を有する。サンプル(b)は、直径10μmの円錐を10μm周期で裏面に敷き詰めた構成を有する。サンプル(c)は、c軸方向に沿った楕円錐(楕円の短軸が4μm、長軸が25μm)を裏面に敷き詰めた構成を有する。
それぞれの角度において、規格化したランバーシアンからのズレ量を算出し、角度ごとのズレ量のうちの最大値をグラフに示した。ズレ量は、ランバーシアンの場合の光量を1として得られた光量の値を算出し、ランバーシアンの光量から、得られた光量の値を減ずることにより算出した。
図8から分るように、c軸方向に沿った楕円錐のサンプル(c)のズレ量は円錐のサンプル(b)と同程度であるが、a軸方向に沿った楕円錐のサンプル(a)のズレ量は、これら2つのサンプルよりも低いことがわかる。
図9は、シミュレーションより求めたサンプル(a)から(c)の配光の全周分布を示している。この全周分布においては、a軸方向とc軸方向を含めて全周で光強度が均一になっているほど、配光特性が高いといえる。図9から、c軸方向に沿った楕円錐のサンプル(c)では、a軸方向とc軸方向の光強度の差が大きい。サンプル(c)の全周分布は、円錐のサンプル(b)よりも悪化していることが分る。それに比べて、a軸方向に沿った楕円錐のサンプル(a)では、円錐のサンプル(b)よりも明らかに光強度の差がa軸方向とc軸方向で小さくなっている。この結果から、サンプル(a)では、全周において光強度が均一になっており、配光分布にあきらかな改善が見られることがわかる。以上の結果から、凸部の底面を構成する楕円の長軸は、c軸方向よりもa軸方向に沿っているほうが、配光分布が改善されることが分かる。楕円の長軸はa軸方向からずれていてもよく、長軸とa軸方向とのなす角度は45度以下であってもよい。長軸とa軸方向とのなす角度は15度以下であってもよい。
次に、凸部の底面を構成する楕円の長軸と短軸との比を変えて配光特性を算出した結果を示す。図10は、楕円の長軸と短軸の比を楕円率として、楕円率が1(円錐)のサンプル(f)と、楕円率が2(楕円の長軸14μm、短軸7μm)のサンプル(e)と、楕円率が6.25(楕円の長軸25μm、短軸4μm)のサンプル(d)の配光分布のランバーシアンからのズレ量をプロットしたグラフである。図8と同様に、それぞれの角度において、規格化したランバーシアンからのズレ量を算出し、角度ごとのズレ量のうちの最大値をグラフに示した。
それぞれのサンプル(d)から(f)において凸部の密度が等しい値になるように、凸部の大きさをそれぞれ調整している。凸部の密度は70パーセント程度である。図10から、楕円率が大きくなるに従って、ズレ量の最大値が小さくなっていることが分る。
サンプル(d)から(e)の配光の全周分布を図11に示す。図11からも、楕円率を大きくするほど全周での光強度が均一になっていることがわかる。楕円率は大きいほど良いが、楕円率が10を超えると、作製が困難になる。例えば、楕円率が15の場合、短軸が4μmならば長軸は60μmになる。チップの1辺は、例えば100μm以上3000μm以下または100μm以上1000μm以下である。長軸が60μmであれば、チップに複数の凸部を配置させるのが難しくなる。そのため、楕円率の現実的な上限は10程度だと考えられる。
次に、楕円錐の頂部の形状について検討した結果を説明する。図12は、楕円錐の頂部の長さ(長軸に沿った長さ)の異なるサンプル(g)から(i)を示す鳥瞰図である。
図12には、頂部の長さが0μm、すなわち、頂部を点とみなせる楕円錐のサンプル(g)と、頂部の長さが12μmの楕円錐のサンプル(h)と、頂部の長さが24μmの楕円錐のサンプル(i)とを示す。なお、それぞれのサンプルにおいて、頂部の幅(長さ方向と直交する方向の幅)は0と想定している。それぞれのサンプルの底面の長軸は25μmである。また、それぞれのサンプルの短軸の長さは4μmである。
図13は、サンプル(g)から(i)の配光分布のランバーシアンからのズレ量の最大値をプロットしたグラフである。図8と同様に、それぞれの角度において、規格化したランバーシアンからのズレ量を算出し、角度ごとのズレ量のうちの最大値をグラフに示した。
図13から分るように、頂部の長さが短くなるほど、ズレ量の最大値が小さくなることが分る。図14は、シミュレーションにより求めたサンプル配光の全周分布を示す。図14からも、頂部の長さが短くなるほどズレ量の最大値が小さくなっていることが分る。頂部の長さが12μmのとき、ズレの最大値は0.5となる。ズレ量の最大値と配光の全周分布から、頂部の長さが12μm以下のとき、すなわち、頂部の長さが長軸の長さの1/2以下のとき、配光特性をより向上することができる。
凸部303の大きさは、例えば0.5μm以上50μm以下である。本実施形態において用いた光線追跡シミュレーションの結果は、同じ形の凸部303の大きさのみを変化させても(相似形)、偏光に対する作用に変化が無いためである。凸部303が、波長と同程度(可視の発光であれば0.5μm程度)より小さければ、光は波動性を示し始める。また、凸部303の底面における長軸の長さは、例えば、チップサイズの1/10程度以下である。よって、チップサイズが例えば500μmであれば、凸部303の底面における長軸の長さは50μm以下である。
凸部の高さが0.5μm以上であれば、凸部に入射する光の量が十分に多くなるため、配光特性を十分に改善される。凸部の高さが50μm以下であれば、底面に対する高さの値が大きくなりすぎることによって製造が困難になるのを回避できる。
図4(a)に示す窒化物系半導体発光素子200は、図15(a)に示すように、フェイスダウン方式によって実装される。この場合、窒化物系半導体発光素子200の基板200の裏面(放射面)側から光が放射される。窒化物系半導体発光素子200の成長面(主面)側に設けられたn側電極301、p側電極302は、パッド電極101およびバンプ102を介して、実装基板104に設けられた配線103に接続されている。
本実施形態において、窒化物半導体発光素子は、フェイスアップ方式によって実装されてもよい。図15(b)は、フェイスアップ実装を示す断面図である。図15(b)において、凸部303Aは、p型半導体層203の成長面上に設けられている。この場合、p側電極302側から光が放射されるため、p型半導体層203の成長面(天面)は光の放射面となる。p型半導体層203の成長面に設けられている凸部303Aは、p側電極302によって覆われている。n側電極301およびp側電極302には、パッド電極101が接触している。パッド電極101は、ワイヤ105によって、実装基板104上に設けられた配線103に接続されている。このようなフェイスアップタイプの場合、p側電極302を通じて光を取り出す必要があるため、p側電極302としては、ITOなどの透明電極、あるいは、Niなどの極薄膜を用いればよい。
以上では、横型タイプの窒化物系半導体発光素子について説明したが、本実施形態では、縦型の素子を形成することもできる。図16は、本発明の例示的な実施形態の変形例である縦型タイプの窒化物系半導体発光素子500を示す断面図である。
図16に示す窒化物系半導体発光素子500も、図4(a)に示す窒化物系半導体発光素子220と同様に、成長面がm面である基板200と、窒化物系半導体から形成されている積層構造210と、p側電極302およびn側電極301とを有している。窒化物系半導体発光素子500においては、n側電極301が、基板200のうち積層構造210と接する面とは反対(基板200の裏面)側に設けられている。p側電極302は、p型半導体層203のうち活性層202と接する面とは反対側の面を全体的に覆うように形成されている。
図16の窒化物系半導体発光素子500において、光の取り出し方向は、基板200側である。基板200の裏面から光が取り出される。基板200の裏面には、凸部303が設けられている。基板200とn側電極301との間にも凸部303が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。p側電極302としては、反射率の高い金属、たとえばAgを用いてもよい。
窒化物系半導体発光素子500は、p側電極302を下にして、実装基板104に張り合わされている。実装基板104には、電気伝導性を有し、かつ熱伝導率が高い材料を用いるとよい。例えば、実装基板104には、シリコン、ゲルマニウム、銅、アルミニウムなどを用いるとよい。
縦型タイプの場合、基板200の電気伝導性の有無が重要である。例えば、基板200としてm面サファイア基板を用いると、m面サファイア基板が絶縁性を有しているため、縦型タイプの構造を採用することはできない。しかしながら、導電性を有するn型GaN基板などを基板200として用いれば、縦型タイプの構造を採用できる。また、基板200を剥離し、n型半導体層201にn側電極301を接触させてもよい。基板200を剥離する場合、例えば、n型半導体層201の裏面に、凸部303を有するシートを貼り付けてもよい。
図17は、本実施形態の窒化物系半導体発光素子200を有する白色光源の一例を示す模式図である。図17の光源は、図4(a)に示す構成を有する発光素子220と、この発光素子220から放射された光の波長を、より長い波長に変換する蛍光体(例えばYAG:Yttrium Alumninum Garnet)が分散された樹脂層400とを備えている。発光素子220は、表面に配線パターンが形成された支持部材410上に搭載されており、支持部材410上には発光素子220を取り囲むように反射部材420が配置されている。樹脂層400は、発光素子220を覆うように形成されている。なお、図17において、発光素子220に設けられた凸部303の図示は省略している。
なお、p側電極302と接触するp型半導体領域がGaN、もしくはAlGaNから構成される場合について説明したが、Inを含む層、例えばInGaNであってもよい。この場合、Inの組成を例えば0.2とした「In0.2Ga0.8N」を、p側電極302と接するコンタクト層に用いることができる。GaNにInを含ませることにより、AlaGabN(a+b=1、a≧0、>0)のバンドギャップをGaNのバンドギャップよりも小さくできるため、コンタクト抵抗を低減することができる。以上のことから、p側電極302が接するp型半導体領域は、AlxInyGazN(x+y+z=1,x≧0,y>0,z≧0)半導体から形成されていればよい。
なお、実際のm面の成長面や光の放射面は、m面に対して完全に平行な面である必要はなく、m面から所定の角度で傾斜していてもよい。傾斜角度は、窒化物半導体層における成長面または光の放射面の法線とm面の法線とが形成する角度により規定される。傾斜角度θの絶対値は、c軸方向において5°以下、または1°以下の範囲であればよい。また、a軸方向において5°以下、または1°以下の範囲であればよい。このような傾斜角度であれば、窒化物半導体層の成長面または光の放射面は全体的にm面から傾斜しているが、微視的には多数のm面領域が露出していると考えられる。すなわち、窒化物半導体層の成長面または光の放射面は複数のステップ状のm面領域を有する。これにより、m面から絶対値で5°以下の角度で傾斜している面は、m面と同様の性質を有すると考えられる。傾斜角度θの絶対値が5°より小さい場合、ピエゾ電界による内部量子効率の低下を抑制することができる。したがって、本願発明の「m面」は、傾斜角度θの絶対値がc軸方向において5°以下であってa軸方向において5°以下の面、および複数のステップ状のm面領域を有する面を含む。
以上、本発明を例示的な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
本発明の一態様にかかる半導体発光素子は、たとえば、一般照明や車のヘッドライト、液晶のバックライト等のLEDを用いる用途などに利用することができる。
101 パッド電極
102 バンプ
103 配線
104 実装基板
105 ワイヤ
200 基板
201 n型半導体層
202 活性層(発光層)
203 p型半導体層
204 p型コンタクト層
210 積層構造
220 窒化物系半導体発光素子
301 n側電極
302 p側電極
303 凸部(凹凸構造、テクスチャ)
400 樹脂層
410 支持部材
420 反射部材
500 窒化物系半導体発光素子
410 支持部材
420 反射部材
Ac 中心
Ax 長軸
Ay 短軸
B 底面
L 長方形
o 中心
T 頂部
c 閉曲線
T 直線
x1 点
x2 点
y1 点
y2 点

Claims (11)

  1. 成長面がm面であり、GaN系半導体から形成されている発光層と、
    前記発光層からの光を放射する少なくとも一つの放射面とを有する窒化物系半導体発光素子であって、
    前記放射面は、m面に複数の凸部が設けられた面であり、
    前記放射面において、前記複数の凸部のそれぞれの底面は閉曲線内の領域であり、
    前記底面の形状は、前記閉曲線上において最も離れた位置に位置する2つの点を結ぶ線分である長軸と、前記長軸の中心を通り、前記長軸と直交する線分である短軸とを有し、
    前記長軸と結晶のa軸の延びる方向とがなす角度が45度以内である、窒化物系半導体発光素子。
  2. 前記閉曲線は凸閉曲線である、請求項1に記載の窒化物系半導体発光素子。
  3. 前記長軸と前記閉曲線が交わる2つの点を点x1および点x2とし、前記短軸と前記閉曲線が交わる2つの点を点y1および点y2とした場合、
    前記点x1、x2のそれぞれを通り、前記短軸と平行な2つの直線と、前記点y1、y2のそれぞれを通り、前記長軸と平行な2つの直線とを辺に有する長方形内に、前記閉曲線が配置されている、請求項1または2に記載の窒化物系半導体発光素子。
  4. 前記凸部は頂部を有し、
    前記凸部の表面は、前記底面から前記頂部に向う方向に突出した曲面である、請求項1または2に記載の窒化物系半導体発光素子。
  5. 前記閉曲線は楕円である、請求項1から4のいずれかに記載の窒化物系半導体発光素子。
  6. 前記長軸の長さは、前記短軸の長さの1倍よりも大きく10倍以下である、請求項1から5のいずれかに記載の窒化物系半導体発光素子。
  7. 前記長軸の長さは、0.5μm以上50μm以下である、請求項1から6のいずれかに記載の窒化物系半導体発光素子。
  8. 前記放射面は、前記窒化物系半導体発光素子の底面または天面である請求項1から7の何れかに記載の窒化物系半導体発光素子。
  9. 前記複数の凸部は、楕円錐の形状を有する、請求項1から8のいずれかに記載の窒化物系半導体発光素子。
  10. 請求項1から9の何れかに記載の窒化物系半導体発光素子と、
    前記放射面から放射された光の波長を変換する蛍光物質を含む波長変換部とを備える光源。
  11. 基板を用意する工程(a)と、
    成長面がm面である発光層を含む半導体積層構造を形成する工程(b)と、
    前記発光層からの光を放射する放射面上に複数の凸部を形成する工程(c)とを備え、
    前記放射面において、前記複数の凸部のそれぞれの底面は閉曲線内の領域であり、
    前記底面の形状は、前記閉曲線上において最も離れた位置に位置する2つの点を結ぶ線分である長軸と、前記長軸の中心を通り、前記長軸と直交する線分である短軸とを有し、
    前記長軸と結晶のa軸の延びる方向とがなす角度が45度以内である、窒化物系半導体発光素子の製造方法。
JP2012548251A 2011-06-27 2012-06-25 窒化物系半導体発光素子 Expired - Fee Related JP5204352B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012548251A JP5204352B1 (ja) 2011-06-27 2012-06-25 窒化物系半導体発光素子

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011142043 2011-06-27
JP2011142043 2011-06-27
PCT/JP2012/004102 WO2013001781A1 (ja) 2011-06-27 2012-06-25 窒化物系半導体発光素子
JP2012548251A JP5204352B1 (ja) 2011-06-27 2012-06-25 窒化物系半導体発光素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5204352B1 true JP5204352B1 (ja) 2013-06-05
JPWO2013001781A1 JPWO2013001781A1 (ja) 2015-02-23

Family

ID=47423703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012548251A Expired - Fee Related JP5204352B1 (ja) 2011-06-27 2012-06-25 窒化物系半導体発光素子

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8890185B2 (ja)
JP (1) JP5204352B1 (ja)
CN (1) CN103180974A (ja)
WO (1) WO2013001781A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013132762A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 パナソニック株式会社 発光素子およびその製造方法
US9876141B2 (en) 2013-06-19 2018-01-23 Koninklijke Philips N.V. LED with patterned surface features based on emission field patterns
US9577164B2 (en) 2013-08-30 2017-02-21 Asahi Kasei E-Materials Corporation Semiconductor light emitting device and optical film
CN105810802A (zh) * 2014-12-27 2016-07-27 展晶科技(深圳)有限公司 发光二极管封装结构
CN110600598B (zh) * 2019-08-21 2021-02-05 苏州紫灿科技有限公司 一种双层纳米阵列结构的倒装紫外led及制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003100873A1 (fr) * 2002-05-28 2003-12-04 Matsushita Electric Works, Ltd. Element electroluminescent, dispositif electroluminescent et dispositif d'eclairage par emission de surface utilisant ledit element
JP2006049855A (ja) * 2004-06-28 2006-02-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子およびその製造方法
JP2008091664A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kyocera Corp 発光素子及び照明装置並びに光ピックアップ
JP2009253047A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii族窒化物発光素子及びエピタキシャルウエハ
JP2010147056A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Stanley Electric Co Ltd Ii−vi族またはiii−v族化合物系半導体発光素子用エピタキシャルウエハ、および、その製造方法
JP2010219163A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Koito Mfg Co Ltd 発光モジュール、および灯具ユニット

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4374913B2 (ja) 2003-06-05 2009-12-02 日亜化学工業株式会社 発光装置
US7288797B2 (en) * 2004-01-20 2007-10-30 Nichia Corporation Semiconductor light emitting element
US7161188B2 (en) 2004-06-28 2007-01-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Semiconductor light emitting element, semiconductor light emitting device, and method for fabricating semiconductor light emitting element
JP2006294907A (ja) 2005-04-12 2006-10-26 Showa Denko Kk 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP2007273506A (ja) 2006-03-30 2007-10-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 化合物半導体発光素子
JP5564162B2 (ja) 2006-09-29 2014-07-30 フューチャー ライト リミテッド ライアビリティ カンパニー 発光ダイオード装置
JP2008305971A (ja) 2007-06-07 2008-12-18 Rohm Co Ltd 発光素子
JP2009081374A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Rohm Co Ltd 半導体発光素子
TWI452726B (zh) * 2007-11-30 2014-09-11 Univ California 利用表面粗糙之高度光取出效率之氮化物基發光二極體
JP2009218569A (ja) 2008-02-13 2009-09-24 Toyoda Gosei Co Ltd Iii族窒化物半導体からなる発光素子とその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003100873A1 (fr) * 2002-05-28 2003-12-04 Matsushita Electric Works, Ltd. Element electroluminescent, dispositif electroluminescent et dispositif d'eclairage par emission de surface utilisant ledit element
JP2006049855A (ja) * 2004-06-28 2006-02-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子およびその製造方法
JP2008091664A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kyocera Corp 発光素子及び照明装置並びに光ピックアップ
JP2009253047A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii族窒化物発光素子及びエピタキシャルウエハ
JP2010147056A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Stanley Electric Co Ltd Ii−vi族またはiii−v族化合物系半導体発光素子用エピタキシャルウエハ、および、その製造方法
JP2010219163A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Koito Mfg Co Ltd 発光モジュール、および灯具ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
US8890185B2 (en) 2014-11-18
CN103180974A (zh) 2013-06-26
US20130234179A1 (en) 2013-09-12
JPWO2013001781A1 (ja) 2015-02-23
WO2013001781A1 (ja) 2013-01-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5509394B2 (ja) 半導体発光素子、その製造方法及び光源装置
JP5398939B1 (ja) 半導体発光装置
US9099624B2 (en) Semiconductor light emitting device and package
JP2008109098A (ja) 発光ダイオード装置
JP5134167B1 (ja) 窒化物系半導体発光素子
JP5204352B1 (ja) 窒化物系半導体発光素子
KR101228130B1 (ko) 반도체 발광 소자 및 그 제조 방법, 발광장치
KR102227774B1 (ko) 발광다이오드 패키지 제조방법
US10784404B2 (en) Light-emitting device
KR100993072B1 (ko) 발광 소자, 발광 소자 제조방법 및 발광 소자 패키지
WO2014024371A1 (ja) 半導体発光装置
KR100993093B1 (ko) 발광 소자 및 발광 소자 패키지
KR20140004361A (ko) 초격자 구조를 이용한 질화물계 반도체 발광 소자의 제조 방법
JP4998701B2 (ja) Iii−v族化合物半導体発光ダイオード
JP6183195B2 (ja) 発光装置
JP5123221B2 (ja) 発光装置
US10483721B2 (en) Reflector, vertical cavity light-emitting device, and method of producing the same
KR101039970B1 (ko) 반도체층 형성방법 및 발광 소자 제조방법
JP2013110439A (ja) 発光ダイオード装置
KR20120133632A (ko) 발광 다이오드
TWI599073B (zh) 發光元件
JP2011049236A (ja) 発光装置
KR20130067159A (ko) 질화물계 발광소자 및 그 제조방법
KR20150031728A (ko) 플립칩 구조의 발광다이오드 및 이의 제조방법
KR20110094976A (ko) 발광 소자 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5204352

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees