JP5201875B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、コア,包囲層,中間層及びカバーの各層を積層して形成されたとマルチピースソリッドゴルフボールに関するものであり、更に詳述すると、プロや上級者において飛び性能に優れ、コントロール性能の良いマルチピースソリッドゴルフボールに関するものである。
従来からプロや上級者向けのゴルフボールとして様々なゴルフボールの開発が行われており、中でも、高ヘッドスピート領域において優位な飛距離性能とアイアンショットやアプローチショットにおけるコントロール性を両立させる点から、コアを被覆する中間層やカバー層の各層の硬度関係を適正化した機能を備えたマルチピースソリッドゴルフボールが普及している。また、飛び性能だけでなく、打撃時の感触やクラブ打撃後のボールのスピン量が、ボールをコントロールするのに大きく影響を及ぼすことから、これらを最適なものに仕上げるために、ゴルフボールの各層の厚さや硬度を適正化することも重要テーマの一つである。更に、ゴルフボールを各種クラブで繰り返し打撃することに起因する、繰り返し打撃耐久性や、ボール表面に観察されるササクレの発生(耐擦過傷性)なども要求されており、ボールをできるだけ外的要因から保護する側面もボールを開発する上で重要テーマの一つである。
このようなゴルフボールとしては、特開2004−180822号公報の外層カバーが熱可塑性ポリウレタンを主材として形成されたスリーピースソリッドゴルフボールが提案されている。しかしながら、このゴルフボールでは、ドライバー打撃時の低スピンの実現が不十分な面もあり、プロや上級者から視て更に飛距離を増大させるゴルフボールが望まれていた。
一方、更なるゴルフボールの飛び等の追求のために、ボール構造における各層を4層とし、即ち、コアを被覆する中間層やカバー層が3層とし、ボール構造を多層に内部変化させる種々の提案がなされている。例えば、特開平9−248351号公報、特開平10−127818号公報、特開平10−127819号公報、特開平10−295852号公報、特開平10−328325号公報、特開平10−328326号公報、特開平10−328327号公報、特開平10−328328号公報、特開平11−4916号公報などが提案されている。
しかしながら、これらの提案されたゴルフボールでは、上級者向きのゴルフボールとしては飛距離及びコントロール性のバランスが悪かったり、ドライバー打撃時の低スピンの実現が不十分であり、その結果、トータル飛距離を増大させることには限界がある。
特開2004−180822号公報 特開平9−248351号公報 特開平10−127818号公報 特開平10−127819号公報 特開平10−295852号公報 特開平10−328325号公報 特開平10−328326号公報 特開平10−328327号公報 特開平10−328328号公報 特開平11−4916号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、プロや上級者が満足し得る飛びとコントロール性に優れると共に、繰り返し打撃時の割れ耐久性や耐擦過傷性に優れたマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリウレタンを最外層とすること、コアに被覆する外層を包囲層−中間層−カバーの3層以上の多層構造とすることをゴルフボール設計の基本的構成としている。カバーは比較的軟らかいポリウレタンを最外層とすることにより、プロや上級者が満足し得るアプローチスピン性能と高いレベルの耐擦過傷性を得る。中間層は比較的硬いアイオノマー材料とすることにより、高い反発性、耐久性とフルショット時の低スピン化を両立し得る。包囲層にはコア表面以上の硬さで中間層より軟らかい材料を用いることにより、W#1打撃時の低スピン化と高い繰り返し打撃耐久性能を持つ。そして、包囲層−中間層−カバーの各層の表面が順に軟−硬−軟の硬度関係を有し、コアの直径や包囲層−中間層−カバーの層厚さの関係を適正化することにより、これらの硬度関係及び層厚さ関係の相乗的効果によって上述した従来の課題を解決することができた。即ち、本発明のゴルフボールをプロや上級者が使用すると、十分に満足し得る飛びとコントロール性を有し、そのうえ、優れた繰り返し打撃時の割れ耐久性及び耐擦過傷性を示し、このような作用効果は予測外であり、それ故、本発明者は、上記の本発明の構成により上記の解決課題を解決することができることを知見し、かかる本発明を完成したものである。
従って、本発明は、下記のマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
[1]単層からなるコアと、これを被覆する厚さ1.0〜4.0mmの包囲層と、これを被覆する厚さ0.7〜2.0mmの中間層と、これを被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記コアがゴム材を主材として形成され、そのコアの直径が31mm以上であり、上記包囲層の樹脂材料が、(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したベース樹脂と、
(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(c)分子量が280〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体 5〜80質量部と、
(d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1〜10質量部
とを必須成分として配合した混合物であり、上記中間層は、包囲層の上記樹脂材料と同種又は異種の樹脂材料を主材として形成され、上記カバーの樹脂材料が、
(A)熱可塑性ポリウレタン材料と、
(B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたイソシアネート混合物
との加熱混合物を主成分とする材料であると共に、上記カバーの材料硬度がデュロメータD硬度で46以上54以下であり、上記の包囲層、中間層及びカバーの厚さが、カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ の条件を満たし、かつ包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(デュロメータD硬度)が、コア表面硬度 ≦ 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度 の条件を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明のゴルフボールによれば、カバーにポリウレタン材を主材として用いると共に、包囲層、中間層、カバーの各層の厚さ、硬度を上述したように適正化し、コア直径を一定以上の大きさに設定することにより、ドライバーによるフルショット時におけるボールを低スピン化させ、更なるボールの飛距離の増大と良好なコントロール性を有し、繰り返し打撃時の割れ耐久性及び耐擦過傷性にも優れており、プロや上級者向けのゴルフボールとして非常に有用な多層構造ゴルフボールである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、図1に示されているように、コア1と、該コアを被覆する包囲層2と、該包囲層を被覆する中間層3と、該中間層を被覆するカバー4とを有する4層又はそれ以上の多層を有するゴルフボールGである。なお、上記カバー4の表面には、通常、ディンプルDが多数形成されるものである。コア1は図1に示されるように単層に限られるが、中間層3は単層には限られず2層以上の複数層に形成することができる。
本発明では、コアの直径は31mm以上に規定されるものであり、通常、31mm以上38mm以下、好ましくは32.5mm以上37mm以下、より好ましくは34mm以上36mm以下である。コアの直径がこの範囲を逸脱すると、ボール初速が低くなったり、ボール打撃後の低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなる場合がある。
コアの表面硬度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度(ASTM D2240に基づくタイプDデュロメータによる測定値、以下各層における硬度の説明についても同じ意味)で45以上65以下とすることが好ましく、より好ましくは50以上60以下、更に好ましくは52以上58以下である。上記の範囲を下回ると、コアの反発特性が足りずに飛距離が伸びなくなったり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなる場合がある。逆に、上記の範囲を超えると、フルショットした時の打感が硬くなりすぎたり、スピン量が多くなりすぎて飛距離が伸びなくなる場合がある。
コアが荷重負荷された時のたわみ量、即ち、コアに対して、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)は、特に制限はないが、2.0mm以上5.0mm以下の範囲に調整されることが好適であり、より好ましくは2.3mm以上4.4mm以下、更に好ましくは2.6mm以上3.8mm以下である。この値が大きすぎると、コアの反発が足りずに飛距離が不十分なものとなり、また、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。逆に、この値が小さすぎると、フルショットした時の打感が硬くなりすぎたり、スピン量が多くなりすぎて飛距離が伸びなくなる場合がある。
上記のような表面硬度やたわみを有するコアの材料としては、ゴム材を主材として用いることができる。例えば、ゴム材に加えて、共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、有機硫黄化合物等を含有するゴム組成物を用いて形成することができる。そして、このゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエンを用いることが好ましい。
上記ゴム成分のポリブタジエンは、そのポリマー鎖中に、シス−1,4−結合を60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上有することが好適である。分子中の結合に占めるシス−1,4−結合が少なすぎると、反発性が低下する場合がある。
また、上記ポリブタジエンに含まれる1,2−ビニル結合の含有量としては、そのポリマー鎖中に通常2%以下、好ましくは1.7%以下、更に好ましくは1.5%以下である。1,2−ビニル結合の含有量が多すぎると、反発性が低下する場合がある。
本発明で用いる上記ポリブタジエンとしては、良好な反発性を有するゴム組成物の加硫成形物を得る観点から、希土類元素系触媒又はVIII族金属化合物触媒で合成されたものであることが好ましく、中でも特に希土類元素系触媒で合成されたものであることが好ましい。
このような希土類元素系触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ランタン系列希土類元素化合物と、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じルイス塩基とを組み合わせてなる触媒を挙げることができる。
上記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等を挙げることができる。
本発明においては、特に、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジウム化合物を用いたネオジウム系触媒を使用することが、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましく、これらの希土類元素系触媒の具体例は、特開平11−35633号公報、特開平11−164912号公報、特開2002−293996号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。
ランタン系列希土類元素化合物系触媒を用いて合成されたポリブタジエンは、ゴム成分中に10質量%以上、好ましくは20質量%以上、特に40質量%以上含有することが反発性を向上させるためには好ましい。
なお、上記ゴム基材には、上記ポリブタジエン以外にも他のゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常10質量部以上、好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、上限として通常60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
上記有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂(株)製)、パーヘキサ3M(日本油脂(株)製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等を好適に用いることができる。これらは1種を単独であるいは2種以上を併用してもよい。
上記有機過酸化物は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.7質量部以上、上限として通常5質量部以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下配合する。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打感、耐久性及び反発性を得ることができない場合がある。
不活性充填剤としては、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
不活性充填剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常1質量部以上、好ましくは5質量部以上、上限として通常50質量部以下、好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な質量、及び好適な反発性を得ることができない場合がある。
更に、必要に応じて老化防止剤を配合することができ、例えば、市販品としてはノクラックNS−6、同NS−30(大内新興化学工業(株)製)、ヨシノックス425(吉富製薬(株)製)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
該老化防止剤の配合量は上記基材ゴム100質量部に対し、通常0質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、上限として通常3質量部以下、好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、耐久性を得ることができない場合がある。
上記コアには、ゴルフボールの反発性を向上させ、ゴルフボールの初速度を大きくするため、有機硫黄化合物を配合することが好ましい。
有機硫黄化合物としては、ゴルフボールの反発性を向上させ得るものであれば特に制限されないが、例えばチオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類又はそれらの金属塩等が挙げられる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられ、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドが好適に用いられる。
このような有機硫黄化合物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、上限として通常5質量部以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2.5質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎると効果が頭打ちとなり、それ以上の効果が見られなくなる場合があり、配合量が少なすぎると、その配合効果が十分達成されない場合がある。
次に、包囲層について下記に説明する。
包囲層の材料硬度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度で好ましくは40以上62以下、好ましくは47以上60以下、更に好ましくは53以上58以下の範囲である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎることがある。包囲層の厚さは、1.0mm以上4.0mm以下であり、好ましくは1.2mm以上3.0mm以下、更に好ましくは1.4mm以上2.0mm以下である。その範囲を外れると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。
包囲層の表面硬度については、特に制限はないが、デュロメータD硬度で50以上70以下とすることが好ましく、より好ましくは53以上67以下、更に好ましくは56以上63以下である。上記の範囲よりも小さすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、上記の範囲よりも大きいと、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎることがある。包囲層の表面は中間層表面よりも軟らかくする必要があり、その程度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度で3以上20以下とすることが好ましく、より好ましくは5以上16以下、更に好ましくは7以上13以下である。上記範囲を逸脱して包囲層表面が中間層表面よりも軟らかすぎると、ボールの反発が低くなったり、スピン量が増えすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、包囲層表面はコア表面よりも硬くする必要があり、その程度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度で1以上12以下とすることが好ましく、より好ましくは2以上10以下、更に好ましくは3以上8以下である。逆に、包囲層の表面がコア表面よりも軟らかいと、ドライバー打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。また、上記範囲を逸脱して包囲層表面がコア表面よりも硬すぎると、フルショット時の打感が硬くなりすぎたり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
本発明における包囲層は樹脂材料を主材として用いられる。上記包囲層の樹脂材料としては(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを特定量配合したベース樹脂を必須成分とする。
ここで、上記ベース樹脂中のオレフィンは、(a)成分、(b)成分のいずれであっても、炭素数が、通常2以上、上限として8以下、特に6以下のものが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンであることが好ましい。
また、不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸であることが好ましい。
更に、不飽和カルボン酸エステルとしては、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルが好適で、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができ、特にアクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)であることが好ましい。
(a)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び(b)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体(以下、(a)成分及び(b)成分中の共重合体を総称してランダム共重合体という)は、それぞれ、上述した材料を調整し、公知の方法によりランダム共重合させることにより得ることができる。
上記ランダム共重合体は、不飽和カルボン酸の含量(酸含量)が調整されたものであることが推奨される。ここで、(a)成分のランダム共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の含量は、通常4質量%以上、好ましくは6質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、上限としては30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは15質量%以下であることが推奨される。
同様に(b)成分のランダム共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の含量は、通常4質量%以上、好ましくは6質量%以上、より好ましくは8質量%以上、上限としては15質量%以下、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下であることが推奨される。ランダム共重合体の酸含量が少なすぎると反発性が低下する場合があり、多すぎると加工性が低下する場合がある。
(a)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物及び(b)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物(以下、(a)成分及び(b)成分中の共重合体の金属イオン中和物を総称してランダム共重合体の金属イオン中和物という)は、上記ランダム共重合体中の酸基を金属イオンで部分的に中和することにより得ることができる。
ここで、酸基を中和する金属イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Zn++、Cu++、Mg++、Ca++、Co++、Ni++、Pb++等を挙げることができ、好ましくはNa+、Li+、Zn++、Mg++等を好適に用いることができ、更に好ましくは反発性を改良する観点からNa+を用いることが好適である。
上記ランダム共重合体の金属イオン中和物を得るには、上記ランダム共重合体に対して、上記金属イオンで中和すればよく、例えば、上記金属イオンのギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物、水酸化物及びアルコキシド等の化合物を使用して中和する方法などを採用することができる。これら金属イオンのランダム共重合体に対する中和度は特に限定されるものではない。
上記ランダム共重合体の金属イオン中和物としては、ナトリウムイオン中和型アイオノマー樹脂を好適に使用でき、材料のメルトフローレートを増加させ、後述する最適なメルトフローレートに調整することが容易であり、成形性を改良することができる。
上記(a)成分と上記(b)成分のベース樹脂は、市販品を使用してもよく、例えば、(a)成分のランダム共重合体として、ニュクレル1560、同1214、同1035(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、ESCOR5200、同5100、同5000(いずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等を、(b)成分のランダム共重合体として、例えば、ニュクレルAN4311、同AN4318(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、ESCOR ATX325、同ATX320、同ATX310(いずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等を挙げることができる。
また、(a)成分のランダム共重合体の金属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1554、同1557、同1601、同1605、同1706、同AM7311(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン7930(米国デュポン社製)、アイオテック3110、同4200(EXXONMOBIL CHEMICAL社製)等を、(b)成分のランダム共重合体の金属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1855、同1856、同AM7316(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン6320、同8320、同9320、同8120(いずれも米国デュポン社製)、アイオテック7510、同7520(いずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等をそれぞれ挙げることができる。上記ランダム共重合体の金属イオン中和物として好適なナトリウム中和型アイオノマー樹脂としては、ハイミラン1605、同1601、同1555等を挙げることができる。
上記ベース樹脂の調製に際しては、(a)成分と(b)成分との配合が質量比で通常100:0〜0:100であり、好ましくは100:0〜25:75、より好ましくは100:0〜50:50、更に好ましくは100:0〜75:25、最も好ましくは100:0にすることが必要である。(a)成分の配合量が少なすぎると、材料の成形物の反発性が低下する。
また、上記ベース樹脂は、上記調製に加えて更にランダム共重合体とランダム共重合体の金属イオン中和物との配合比を調整することにより、成形性をより良好にすることができ、ランダム共重合体:ランダム共重合体の金属イオン中和物は、通常0:100〜60:40、好ましくは0:100〜40:60、より好ましくは0:100〜20:80、更に好ましくは0:100であることが推奨される。ランダム共重合体の配合量が多すぎると、ミキシング時の成形性が低下する場合がある。
上記ベース樹脂に下記に示す(e)成分が加えられる。(e)成分は、非アイオノマー熱可塑性エラストマーである。この成分は、打撃時のフィーリング、反発性をより一層向上させるための成分であり、具体的には、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等を挙げることができ、反発性を更に高めることができる点から、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、特に、結晶性ポリエチレンブロックをハードセグメントとして含む熱可塑性ブロック共重合体からなるオレフィン系エラストマーを好適に使用することができる。
上記(e)成分は、市販品を使用してもよく、具体的には、ダイナロン(JSR社製)、ポリエステル系エラストマーとして、ハイトレル(東レ・デュポン社製)等を挙げることができる。
上記(e)成分の配合量は、本発明のベース樹脂100質量部に対し、通常0質量部以上、特に5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、上限として100質量部以下、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎると、混合物の相溶性が低下し、ゴルフボールの耐久性が著しく低下する可能性がある。
次に、上記ベース樹脂に下記に示す(c)成分が加えられる。(c)成分は、分子量280以上1500以下の脂肪酸又はその誘導体であり、上記ベース樹脂と比較して分子量が極めて小さく、混合物の溶融粘度を適度に調整し、特に流動性の向上に寄与する成分である。上記(c)成分は、比較的高含量の酸基(誘導体)を含み、反発性の過度の損失を抑制できる。
上記(c)成分の脂肪酸又はその誘導体の分子量は、280以上、好ましくは300以上、より好ましくは330以上、更に好ましくは360以上、上限としては1500以下、好ましくは1000以下、より好ましくは600以下、更に好ましくは500以下であることが必要である。分子量が少なすぎる場合は耐熱性が改良できず、多すぎる場合は流動性が改善できない。
上記(c)成分の脂肪酸又はその脂肪酸誘導体としては、例えば、アルキル基中に二重結合又は三重結合を含む不飽和脂肪酸(誘導体)やアルキル基中の結合が単結合のみで構成される飽和脂肪酸(誘導体)を同様に好適に使用できるが、いずれの場合も1分子中の炭素数が、通常18以上、好ましくは20以上、より好ましくは22以上、更に好ましくは24以上、上限として80以下、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下であることが推奨される。炭素数が少なすぎると、耐熱性の改善が達成できない上、酸基の含有量が多すぎて、ベース樹脂に含まれる酸基との相互作用により流動性の改善の効果が少なくなってしまう場合がある。一方、炭素数が多すぎる場合には、分子量が大きくなるために、流動性改質の効果が顕著に表れない場合がある。
ここで、(c)成分の脂肪酸として、具体的には、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸などが挙げられ、好ましくは、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、更に好ましくはベヘニン酸を挙げることができる。
また、上記(c)成分の脂肪酸誘導体は、上述した脂肪酸の酸基に含まれるプロトンを金属イオンにより置換した金属せっけんを例示できる。この場合、金属イオンとしては、例えば、Na+、Li+、Ca++、Mg++、Zn++、Mn++、Al+++、Ni++、Fe++、Fe+++、Cu++、Sn++、Pb++、Co++等を挙げることができ、特にCa++、Mg++、Zn++が好ましい。
(c)成分の脂肪酸誘導体として、具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、べヘニン酸マグネシウム、べヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛等を挙げることができ、特にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、べヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛等を好適に使用することができる。
上記ベース樹脂及び(c)成分中の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物として、(d)成分が加えられる。この(d)成分が配合されないと金属せっけん変性アイオノマー樹脂(例えば、上記特許公報に記載された金属せっけん変性アイオノマー樹脂のみ)を単独で使用した場合には、加熱混合時に金属せっけんとアイオノマー樹脂に含まれる未中和の酸基が交換反応して多量の脂肪酸を発生させ、発生した脂肪酸が熱的安定性が低く成形時に容易に気化するため、成形不良の原因をもたらし、更に成形物の表面に付着して、塗膜密着性を著しく低下させたり、得られる成形体の反発性低下等の不具合が生じる場合がある。
Figure 0005201875
このような問題を解決すべく、(d)成分として、上記ベース樹脂及び(c)成分中に含まれる酸基を中和する塩基性無機金属化合物を必須成分として配合し、成形物の反発性の改良を図るものである。
即ち、(d)成分は、材料中に必須成分として配合されることにより、上記ベース樹脂と(c)成分中の酸基が適度に中和されるだけでなく、各成分の適正化による相乗効果で、混合物の熱安定性を高め、良好な成形性の付与と反発性の向上を図ることができるものである。
ここで、(d)成分の塩基性無機金属化合物は、ベース樹脂との反応性が高く、反応副生成物に有機酸を含まないため、熱安定性を損なうことなく、混合物の中和度を上げられるものであることが推奨される。
上記(d)成分の塩基性無機金属化合物中の金属イオンは、例えば、Li+、Na+、K+、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++、Ni++、Fe++、Fe+++、Cu++、Mn++、Sn++、Pb++、Co++等を挙げることができる。塩基性無機金属化合物としては、これら金属イオンを含む公知の塩基性無機充填剤を使用することができ、具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム等を挙げることができるが、特に水酸化物、または一酸化物であることが推奨され、より好ましくはベース樹脂との反応性の高い水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、更に好ましくは水酸化カルシウムであることが推奨される。
上述したように(a)成分及び(b)成分を所定量配合したベース樹脂と、任意の(e)成分を配合した樹脂成分に対し、所定量の(c)成分と(d)成分とをそれぞれ配合することにより、熱安定性、流動性、成形性に優れ、反発性の飛躍的な向上を成形物に付与できる。
上記(c)成分と上記(d)成分の配合量は、上記(a)、(b)、(e)成分を適宜配合した樹脂成分100質量部に対して、(c)成分の配合量が、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは18質量部以上、上限として80質量部以下、好ましくは40質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは22質量部以下、(d)成分の配合量を0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上、上限としては10質量部以下、好ましくは8質量部以下、より好ましくは6質量部以下、更に好ましくは5質量部以下にする必要がある。(c)成分の配合量が少なすぎると溶融粘度が低くなり加工性が低下し、多すぎると耐久性が低下する。(d)成分の配合量が少なすぎると熱安定性、反発性の向上が見られず、多すぎると過剰の塩基性無機金属化合物によりゴルフボール用材料の耐熱性が却って低下する。
上述した樹脂成分、(c)成分、(d)成分は、それぞれ所定量配合されるものであるが、材料中の酸基の50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上が中和されていることが推奨される。このような高中和化により、上述した従来技術のベース樹脂と脂肪酸(誘導体)のみを使用した場合に問題となる交換反応をより確実に抑制し、脂肪酸の発生を防ぐことができる上、熱的安定性が著しく向上し、成形性が良好で、従来のアイオノマー樹脂と比較して反発性に非常に優れた成形物を得ることができる。
ここで、中和度とは、ベース樹脂と(c)成分の脂肪酸(誘導体)の混合物中に含まれる酸基の中和度であり、ベース樹脂中のランダム共重合体の金属イオン中和物としてアイオノマー樹脂を使用した場合におけるアイオノマー樹脂自体の中和度とは異なる。中和度が同じ本発明の混合物と同中和度のアイオノマー樹脂のみとを比較した場合、本発明の混合物は、非常に多くの金属イオンを含むため、反発性の向上に寄与するイオン架橋が高密度化し、成形物に優れた反発性を付与できる。
なお、高中和化と優れた流動性をより確実に両立するために、上記混合物の酸基が遷移金属イオンと、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンとで中和されたものを用いることができる。遷移金属イオンによる中和は、アルカリ(土類)金属イオンと比較してイオン凝集力が弱いが、これら種類の異なるイオンを併用して、混合物中の酸基の中和を行うことにより、流動性の著しい改良を図ることができる。
上記遷移金属イオンと、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンとのモル比は、通常10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜70:30、更に好ましくは40:60〜60:40であることが推奨される。遷移金属イオンのモル比が小さすぎると流動性を改善する効果が十分に付与されない場合があり、遷移金属イオンのモル比が大きすぎると反発性が低下する場合がある。
上記金属イオンは、遷移金属イオンとしては、亜鉛イオン等を挙げることができ、また、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオン等から選ばれる少なくとも1種のイオンを挙げることができるが、これらは特に制限されるものではない。
遷移金属イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとで上記所望量の酸基が中和された混合物を得るには、公知の方法を採用でき、例えば、遷移金属イオン(亜鉛イオン)により中和する方法は、上記脂肪酸誘導体に亜鉛せっけんを用いる方法、ベース樹脂として(a)成分と(b)成分とを配合する際に亜鉛イオン中和物(例えば、亜鉛イオン中和型アイオノマー樹脂)を使用する方法、(d)成分の塩基性無機金属化合物に亜鉛酸化物等の亜鉛化合物を用いる方法などを挙げることができる。
上記樹脂材料は、射出成形に特に適した流動性を確保し、成形性を改良するため、メルトフローレートを調整することが好ましく、この場合、JIS−K7210で試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)に従って測定したときのメルトフローレート(MFR)が、通常0.5dg/min以上、好ましくは1dg/min以上、より好ましくは1.5dg/min以上、更に好ましくは2dg/min以上であり、上限として20dg/min以下、好ましくは10dg/min以下、より好ましくは5dg/min以下、更に好ましくは3dg/min以下に調整されることが推奨される。メルトフローレートが、大きすぎても小さすぎても加工性が著しく低下する場合がある。
次に、中間層について説明する。
中間層の材料硬度は、特に制限はないが、デュロメータD硬度で好ましくは50以上70以下、好ましくは55以上66以下、更に好ましくは60以上63以下の範囲である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、パターやショートアプローチの実施時の打感が硬くなりすぎることがある。中間層の厚さは、0.7mm以上2.0mm以下であり、好ましくは0.9mm以上1.7mm以下、更に好ましくは1.1mm以上1.4mm以下である。その範囲を逸脱すると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。また、上記範囲よりも小さすぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、低温時の耐久性が悪くなることがある。
中間層は、上述した上記包囲層の材料とは同種又は異種の樹脂材料を主材として形成されるが、特に、アイオノマー樹脂を用いることが好ましい。具体的には、(商品名)ハイミラン1605、同1601、サーリン8120等のナトリウム中和型アイオノマー樹脂やハイミラン1557、同1706等の亜鉛中和型アイオノマー樹脂などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上併用することができる。
中間層の材料として特に好ましいのは、亜鉛中和型アイオノマー樹脂とナトリウム中和型アイオノマー樹脂とを混合して主材として用いる態様が本発明の目的を達成するうえで望ましい。その配合比率は、亜鉛中和型/ナトリウム中和型(質量比)で25/75〜75/25、好ましくは35/65〜65/35、更に好ましくは45/55〜55/45である。
上記の比率を逸脱すると、ボールの反発性が低くなりすぎて所望の飛びが得られなかったり、常温での繰り返し打撃時の耐久性が悪くなったり、更に低温(零下)での割れ耐久性が悪くなることがある。
中間層の表面硬度、具体的には、コア及び包囲層を中間層で被覆した球体の表面硬度については、特に制限はないが、デュロメータD硬度で60以上80以下とすることが好ましく、より好ましくは63以上77以下、更に好ましくは67以上73以下である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、パターやショートアプローチの実施時の打感が硬くなりすぎることがある。
また、本発明においては、中間層の表面硬度は、コア表面硬度、包囲層表面硬度及びカバー表面硬度よりも高く、即ち、各層の表面うちで最も硬く形成されるものであるがこれについては後述する。
上記中間層材料については、後述するカバーで用いられるポリウレタンとの密着度を高めるために中間層表面を研磨することが好適である。更に、その研磨処理の後にプライマー(接着剤)を中間層表面に塗布すること、もしくは材料中に密着強化材を添加することが好ましい。材料中に配合する密着強化材としては、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなどの有機化合物やポリエチレングリコール、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマーなどのオリゴマーが挙げられる。特にトリメチロールプロパンやポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマーが好適に用いられる。これらの市販品として、例えば、三菱ガス化学社製トリメチロールプロパンや、三菱化学社製ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(主鎖の炭素数が150〜200、末端に水酸基を有する。商品名ポリテールH)等を挙げることができる。
次に、カバーについて説明する。なお、本発明に言うカバーとは、ボール構造体中の最外層を意味し、本発明に言う中間層、包囲層は除かれる。
カバーの材料硬度は、デュロメータD硬度46以上54以下である。上記の範囲よりも小さいと、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、上記の範囲よりも大きいと、アプローチでのスピンが掛からずにプロや上級者でもコントロール性が不足することがある。
カバーの厚さは、特に制限はないが、0.3mm以上1.5mm以下とすることが好適であり、好ましくは0.5mm以上1.2mm以下、更に好ましくは0.7mm以上1.0mm以下である。上記の範囲よりも厚すぎると、ドライバー(W#1)による打撃時にボールの反発性が足りなくなったり、スピン量が多くなり、その結果として飛距離が伸びなくなる場合がある。逆に、上記の範囲よりも薄すぎると、耐擦過傷性が悪くなったり、プロや上級者でもコントロール性が不足する場合がある。
本発明では、カバー材料についてはポリウレタンを主材とするものであり、これによりコントロール性と耐擦過傷性の両面を満たした本発明の効果を得るものである。
具体的には、本発明においては、下記の(A)及び(B)成分を主成分とするカバー成形材料(C)を採用するものである。
(A)熱可塑性ポリウレタン材料
(B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネ−ト化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたイソシアネート混合物
以下、成分(A),(B)及び(C)について説明する。
(A)熱可塑性ポリウレタン材料
熱可塑性ポリウレタン材料の構造は、高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤およびジイソシアネートからなる。ここで、原料となる高分子ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、ポリエステル系とポリエーテル系があり、反発弾性率が高く、低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタン材料を合成できる点で、ポリエーテル系の方がポリエステル系に比べて好ましい。ポリエーテルポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、反発弾性率と低温特性の点でポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。また、高分子ポリオールの平均分子量は1000〜5000であることが好ましく、特に反発弾性の高い熱可塑性ポリウレタン材料を合成するためには2000〜4000であることが好ましい。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら鎖延長剤の平均分子量は20〜15000であることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明では、後述するイソシアネート混合物(B)との反応性の安定性から、芳香族ジイソシアネートである4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
上記の熱可塑性ポリウレタン材料としては、市販品を好適に用いることができ、例えばディーアイシーバイエルポリマー(株)製パンデックスT−8290、T−8295、T−8260や、大日精化工業(株)製レザミン2593、2597などが挙げられる。
(B)イソシアネート混合物
イソシアネート混合物(B)は、1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたものである。ここで、上記イソシアネート化合物(b−1)としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、反応性、作業安全性の面から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最適である。
また、前記熱可塑性樹脂(b−2)としては、吸水性が低く、熱可塑性ポリウレタン材料との相溶性に優れた樹脂が好ましい。このような樹脂として、例えばポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルエラストマー(ポリエーテル・エステルブロック共重合体、ポリエステル・エステルブロック共重合体等)が挙げられるが、反発弾性、強度の点からポリエステルエラストマー、中でもポリエーテル・エステルブロック共重合体が特に好ましい。
イソシアネート混合物(B)における熱可塑性樹脂(b−2):イソシアネート化合物(b−1)の配合比は、質量比で100:5〜100:100、特に100:10〜100:40であることが好ましい。熱可塑性樹脂(b−2)に対するイソシアネート化合物(b−1)の配合量が少なすぎると、熱可塑性ポリウレタン材料(A)との架橋反応に充分な添加量を得るためにはより多くのイソシアネート混合物(B)を添加しなくてはならず、熱可塑性樹脂(b−2)の影響が大きく作用することでカバー成形材料(C)の物性が不充分となる。熱可塑性樹脂(b−2)に対するイソシアネート化合物(b−1)の配合量が多すぎると、イソシアネート化合物(b−1)が混練り中にすべり現象を起こし、イソシアネート混合物(B)の合成が困難となる。
イソシアネート混合物(B)は、例えば、熱可塑性樹脂(b−2)にイソシアネート化合物(b−1)を配合し、これらを温度130〜250℃のミキシングロール又はバンバリーミキサーで充分に混練して、ペレット化又は冷却後粉砕することにより得ることができる。イソシアネート混合物(B)としては、市販品を好適に用いることができ、例えば大日精化工業(株)製クロスネートEM30などが挙げられる。
(C)カバー成形材料
カバー成形材料(C)は、前述した熱可塑性ポリウレタン材料(A)およびイソシアネート混合物(B)を主成分とするものである。カバー成形材料(C)における熱可塑性ポリウレタン材料(A):イソシアネート混合物(B)の配合比は、質量比で100:1〜100:100、特に100:5〜100:50、中でも100:10〜100:30であることが好ましい。熱可塑性ポリウレタン材料(A)に対するイソシアネート混合物(B)の配合量が少なすぎると架橋効果が充分に発現せず、多すぎると未反応のイソシアネートが成形物に着色現象を起こさせるので好ましくない。
カバー成形材料(C)には、上述した成分に加えて他の成分を配合することができる。このような他の成分として、例えば熱可塑性ポリウレタン材料以外の熱可塑性高分子材料を挙げることができ、例えばポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレンブロックエラストマー、ポリエチレン、ナイロン樹脂等を配合することができる。この場合、熱可塑性ポリウレタン材料以外の熱可塑性高分子材料の配合量は、必須成分である熱可塑性ポリウレタン材料100質量部に対して0〜100質量部、好ましくは1〜75質量部、更に好ましくは10〜50質量部であり、カバー材の硬度の調整、反発性の改良、流動性の改良、接着性の改良などに応じて適宜選択される。更に、カバー成形材料(C)には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができ、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤を適宜配合することができる。
カバー成形材料(C)を用いたカバーの成形では、例えば、熱可塑性ポリウレタン材料(A)にイソシアネート混合物(B)を添加してドライミキシングし、この混合物を用いて射出成形機によりコアの周囲にカバーを成形することができる。成形温度は熱可塑性ポリウレタン材料(A)の種類によって異なるが、通常150〜250℃の範囲で行われる。
上記のようにして得られたゴルフボールカバーの反応形態、架橋形態としては、熱可塑性ポリウレタン材料の残存OH基にイソシアネート基が反応してウレタン結合を形成したり、熱可塑性ポリウレタン材料のウレタン基にイソシアネート基の付加反応が生じ、アロファネート、ビュレット架橋形態を形成したりすると考えられる。この場合、カバー成形材料(C)の射出成形直後は架橋反応が充分に進んでいないが、成形後にアニーリングを行うことにより架橋反応が進行し、ゴルフボールカバーとして有用な特性を保持するようになる。アニーリングとは、カバーを一定温度、一定時間で加熱熟成したり、室温で一定期間熟成したりすることを言う。
なお、上述した包囲層、中間層及びカバーの樹脂材料には、上記樹脂分に加えて、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、離型剤、可塑剤、無機充填剤(酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等)等を挙げることができる。
包囲層、中間層及びカバーの厚さの関係
本発明では、上記の包囲層、中間層及びカバーの厚さについては、カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ の条件を満たすことが必要である。コアの直径が31mm以上としたことと併せて、この各層の厚みの適正化により、飛びとコントロール性、耐久性及び打感を両立したゴルフボールを得ることができる。この場合、カバーが中間層よりも厚いと、ボール反発が低くなったり、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、包囲層が中間層よりも薄くなると、低スピン効果が不足し、所望の狙った飛距離が得られなくなることがある。
包囲層、中間層及びカバーの表面における硬度関係
本発明では、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(デュロメータD硬度)が、コア表面硬度 ≦ 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度 の条件を満たすことが必要とされる。
上述したコア,包囲層,中間層及びカバーの各層を積層して形成されたとマルチピースソリッドゴルフボールの製造方法については、公知の射出成形法等の常法により行なうことができる。例えば、ゴム材を主材とした加硫成形物をコアとして所定の射出成形用金型内に配備し、順に、包囲層材料、中間層材料を射出して中間球状体を得、次いで、該球状体を別の射出成形用金型内に配備してカバー材を射出成形することによりマルチピースのゴルフボールを得ることができる。また、カバーを中間球状体に被覆する方法により、カバーを積層することもでき、例えば、予め半殻球状に成形した2枚のハーフカップで該中間球状体を包み加熱加圧成形することができる。
本発明のゴルフボールの表面硬度については、各層で用いられた材料の硬度と各層の硬さ及び下地の硬さにより決定されるものであり、デュロメータD硬度で通常55以上70以下、好ましくは57以上68以下、更に好ましくは59以上66以下である。上記の範囲よりも小さすぎると、スピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、上記の範囲よりも大きいと、アプローチでのスピンが掛からずにプロや上級者でもコントロール性が不足することがある。
本発明のゴルフボールの表面硬度を中間層表面硬度よりもデュロメータD硬度で1〜10、好ましくは2〜8、更に好ましくは3〜6の範囲で軟らかくすることが好ましい。上記の範囲よりも小さすぎると、アプローチでのスピンが掛からずにプロや上級者でもコントロール性が不足することがある。上記の範囲よりも大きすぎると、反発性が不足したり、フルショット時にスピンが掛かりすぎて所望の飛距離が得られなくなる場合がある。
また、上記カバー表面には多数のディンプルを形成することができる。カバー表面に配置されるディンプルについては、特に制限はないが、好ましくは280個以上360個以下、より好ましくは300個以上350個以下、更に好ましくは320個以上340個以下具備することができる。ディンプルの個数が上記範囲より多くなると、ボールの弾道が低くなり、飛距離が低下することがある。逆に、ディンプル個数が少なくなると、ボールの弾道が高くなり、飛距離が伸びなくなる場合がある。
ディンプルの形状については、円形、各種多角形、デュードロップ形、その他楕円形など1種類又は2種類以上を組み合わせて適宜使用することができる。例えば、円形ディンプルを使用する場合には、直径は2.5mm以上6.5mm以下程度、深さは0.08mm以上0.30mm以下とすることができる。
ディンプルがゴルフボールの球面に占めるディンプル占有率、具体的には、ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率(SR値)については、空気力学特性を十分に発揮し得る点から60%以上90%以下であることが望ましい。また、各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0は、ボールの弾道の適正化を図る点から0.35以上0.80以下とすることが好適である。更に、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計がディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占めるVR値は、0.6%以上1.0%以下とすることが好ましい。上述した各数値の範囲を逸脱すると、良好な飛距離が得られない弾道となり、十分満足した飛距離を出せない場合がある。
なお、本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、ボール外径としては42.672mm内径のリングを通過しない大きさで42.80mm以下、重量としては通常45.0〜45.93gに形成することができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1〜9]
コアの形成
表1に示す配合によりゴム組成物を調整した後、表1中の加硫条件により加硫成形することによりコアを作成した。なお、比較例7については、表2に示す配合によりゴム組成物を配合、加硫した後、外層コア(包囲層)を未加硫状態でセンターコアをくるみ、その球体を加硫成型することにより積層した。
Figure 0005201875
なお、表中に記載した主な材料の商品名は以下の通りである。
ポリブタジエン
商品名「BR730」、(Nd系触媒)、JSR社製
過酸化物
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC−40」
老化防止剤
2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、商品名「ノクラックNS−6」大内新興化学工業(株)製
Figure 0005201875
包囲層、中間層及びカバーの形成
次に、表3に示された各種の樹脂成分を配合した包囲層、中間層及びカバーを射出成形法により成形して、コアの周囲に包囲層、中間層、カバーを順次被覆・形成した。なお、比較例7の包囲層については上記に示した通りゴム材を使用した。そして、表4に示す共通のディンプルを用い、該ディンプルをカバー表面に形成したマルチピースソリッドゴルフボールを作成した。
Figure 0005201875
なお、表中に記載した主な材料の商品名は以下の通りである。
ハイミラン :三井・デュポンポリケミカル社製 アイオノマー樹脂
サーリン :デュポン社製 アイオノマー樹脂
AN4311:三井・デュポンポリケミカル社製 「ニュクレル」
ダイナロンE6100P:JSR社製 水添ポリマー
ハイトレル :東レ・デュポン社製 ポリエステルエラストマー
ベヘニン酸 :日本油脂(株)製 NAA222−Sビーズ指定
水酸化カルシウム:白石工業社製 CLS−B指定
ポリテールH:三菱化学社製 低分子量ポリオレフィン系ポリオール
パンデックス:DIC Bayer Polymer社製 MDI−PTMGタイプの熱可塑性ポリウレ
タン
イソシアネート化合物:商品名「クロスネートEM30」大日精化工業(株)製のイソシ
アネートマスターバッチで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
を30%含有したもの。JIS−K1556によるアミン逆滴定イソシア
ネート測定濃度5〜10%、マスターバッチベース樹脂はポリエステルエ
ラストマーを使用した。なお、イソシアネート化合物は射出成形時にパン
デックスと混合して用いられた。
Figure 0005201875
ディンプルの定義
直径:ディンプルの縁に囲まれた平面の直径
深さ:ディンプルの縁に囲まれた平面からのディンプルの最大深さ
0 :ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし
、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値
SR:ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディ
ンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率
VR:ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計が、デ
ィンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占める比率
得られた本実施例1〜3及び比較例1〜9の各ゴルフボールにつき、各層及びボールの表面硬度及びその他の物性、飛び性能,アプローチスピン(コントロール性),繰り返し打撃耐久性及び耐擦過傷性を下記の基準で評価した。結果を表5に示す。なお、全て23℃の環境下で測定した。
(1)コアのたわみ量
コアを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)に負荷したときのコアのたわみ量(mm)。
(2)コアの表面硬度
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、デュロメータD硬度(ASTM−2240規格 デュロメータ タイプD)により、コアの表面の2点をランダムに測定した値の平均値。
(3)包囲層の材料硬度
包囲層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に作成し、ASTM−2240規格のデュロメータ「タイプD」により測定した。
(4)包囲層を被覆した球体の表面硬度
球面である包囲層表面に硬度計の針がほぼ垂直になるようにセットし、ASTM D2240に従って計測した。
(5)中間層の材料硬度
上記(3)と同じ測定方法である。
(6)中間層を被覆した球体の表面硬度
球面である中間層表面に硬度計の針がほぼ垂直になるようにセットし、ASTM D2240に従って計測した。
(7)カバーの材料硬度
上記(3)と同じ測定方法である。
(8)ボールの表面硬度
ボール表面のディンプルが無い部分に硬度計の針がほぼ垂直になるようにセットし、ASTM D2240に従って計測した。
(9)飛び
クラブ(ブリヂストンスポーツ社製,「BEAM Zモデル 430」(ロフト角10.5°)を打撃ロボットに装着し、ヘッドスピード(HS)45m/sで打撃した時のキャリー及びトータルについての飛距離を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は打撃直後のボールを初期条件計測装置により測定した値である。
○:トータル飛距離 240m以上
×:トータル飛距離 240m未満
(10)アプローチスピン量
サンドウェッジ(SW)(ブリヂストンスポーツ社製,J's Classical Edition)を用い、HS22m/sにて打撃したときのスピン量を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は上記の飛距離測定と同じ方法により測定した。
○:スピン量 6500rpm以上
×:スピン量 6500rpm未満
(11)繰り返し打撃耐久性
ゴルフ打撃ロボットにW#1クラブをつけてヘッドスピード40m/sにて繰り返し打撃した。実施例3のボールの初速が初期10回平均の初速対比で97%以下になった時の回数を100とした場合の各々の指数を、下記基準にて評価した。各ボールN=3としてその平均値を評価対象値とした。
○:指数90以上
×:指数90未満
(12)耐擦過傷性
ノンメッキのピッチングサンドウェッジを打撃ロボットにセットし、ヘッドスピード40m/sにて1回打撃してボール表面状態を目視観察し、下記基準にて評価した。
○:まだ使える
×:もう使用に耐えない
Figure 0005201875
表5の結果から、比較例1では、コアの直径が小さすぎるため、スピン量が増えるとともに低初速となり、飛距離が伸びなかった。比較例2では、カバー(外層)が硬すぎるため、アプローチスピンが十分に掛からず、また耐擦過傷性も悪かった。比較例3では、包囲層が硬く、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪かった。比較例4では、カバー(外層)がアイオノマーであり、耐擦過傷性も悪かった。比較例5では、カバー(外層)が厚すぎるため、スピン量が多くなり飛距離が伸びなかった。比較例6では、包囲層が薄いため、低スピン効果が足りず、飛距離が伸びなかった。比較例7では、包囲層がゴム材にて形成されており、その結果、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪かった。比較例8では、包囲層がコア表面よりも軟らかく、スピン量が増えてしまい飛距離が伸びなかった。比較例9では、包囲層が存在しないコアに2層を被覆したスリーピースゴルフボールであり、このボールでは未だスピン量が多く飛距離が伸びなかった。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボール(4層構造)の概略断面図である。 本実施例に用いられたディンプルの配置態様を現したゴルフボールの平面図である。
符号の説明
G ゴルフボール
1 コア
2 包囲層
3 中間層
4 カバー
D ディンプル

Claims (1)

  1. 単層からなるコアと、これを被覆する厚さ1.0〜4.0mmの包囲層と、これを被覆する厚さ0.7〜2.0mmの中間層と、これを被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記コアがゴム材を主材として形成され、そのコアの直径が31mm以上であり、上記包囲層の樹脂材料が、(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したベース樹脂と、
    (e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
    とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
    (c)分子量が280〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体 5〜80質量部と、
    (d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1〜10質量部
    とを必須成分として配合した混合物であり、上記中間層は、包囲層の上記樹脂材料と同種又は異種の樹脂材料を主材として形成され、上記カバーの樹脂材料が、
    (A)熱可塑性ポリウレタン材料と、
    (B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたイソシアネート混合物
    との加熱混合物を主成分とする材料であると共に、上記カバーの材料硬度がデュロメータD硬度で46以上54以下であり、上記の包囲層、中間層及びカバーの厚さが、カバー厚さ < 中間層厚さ < 包囲層厚さ の条件を満たし、かつ包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(デュロメータD硬度)が、コア表面硬度 ≦ 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度 の条件を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
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