JP5201763B2 - 異なる平均粒径サイズの粒子からなる混合微粒子カプセルの製造方法 - Google Patents
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A(反応物)+B(反応物)→C(固体反応性生物=カプセル壁)のような反応によってナノカプセルを生成する方法である。まず、芯物質が溶解、あるいは分散している水溶液に反応物Aを溶解しておき、この水溶液を油相に注入し、激しく攪拌すると、水溶液は小さな液滴となって油相の中に分散する。このような分散系をW/O分散系といい、すなわち、Wは水滴となっている水相を表し、Oは油相を表す。このような分散系に、油相に溶ける反応物質Bを注入すると、水滴内に溶けている反応物Aとの反応が水滴と油相の界面でおこり、反応物質Cが水滴を囲むように生成されるため、カプセル化が行われる。このような機構によって芯物質のカプセル化が完了するためには、反応が非常に速く進行しなければならないため、ヘキサメチレンジアミン(反応物A)とセバコイルジクロライド(反応物B)によりナイロンが生成されるような重縮合反応がよく利用される。このように、液体(水相)と液体(油相)との界面でおこる重合反応によってナノカプセルをつくるために界面重合法とよばれている。水相と油相の順序を入れ換えても同じ方法でナノカプセルがつくられる。この場合には、芯物質は油溶性、あるいは油相に分散した状態にある。
特にアニオン重合は、芯物質溶液に溶解させたモノマーを、低pHで、ヒドロキシルイオンを触媒とすることにより行なわれる。このモノマー同志が多数結合して分子量の大きいポリマーを生成し、カプセル壁となり、ナノカプセルが合成される。例えば、現在アクリル系モノマーから重合安定剤(デキストランやポリソルベート等)を用いて、ナノサイズの重合ポリマーを合成する方法が知られている(非特許文献1参照)。しかし、この方法では百nmサイズ別に微粒子を別合成することができない上、重合安定化剤のデキストランの重合度やポリソルベートなどの入乳化剤の毒性が、ナノカプセル製剤の開発にとって大きな問題点となっている。
しかし、上記従来法においては、ナノスケールで大きさと電気的強度などの物理化学的性質が異なるカプセルを所望に応じて作成することができないため、選択的な細胞治療を行うことが不可能であった。また、樹状細胞をはじめとする免疫提示細胞への抗原選択的移送や、AIDS、鳥インフルエンザやコイヘルペスなど各種ウイルス疾患へのワクチネーション手法の開拓も不可能であった。
一方、バイオアベイラビリテイの観点からすると長期に薬効が持続する製剤が望まれており、また、芳香剤等でも初期においては速効的であるにもかかわらず効果を長期持続するような製剤が望まれている。そのためには、粒径分布がよりブロードなもの、あるいは異なる粒径サイズからなる混合製剤が有利である。このような背景のもと、サイズ異なるナノ粒子を同時に一斉合成することが可能であり、生産効率を改善することができるような合成方法の開発が強く切望されていた。
1.多糖類及び界面活性剤から選ばれる異なる2種以上の安定剤を酸性水溶液中に配合して溶解させ、さらに低分子糖類化合物を配合して溶解させた後、少なくとも一つのシアノアクリレートモノマーを添加して、該シアノアクリレートモノマーを水性溶媒中で重合させることを特徴とする、少なくとも1つの活性有効成分を含有し異なる平均粒径サイズの粒子群からなる混合微粒子カプセルの製造方法。
2.安定剤が、アルキルアリールポリ(オキシエチレン)スルフェートアルカリ塩、デキストラン、サイクロデキストリン、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)−ブロックポリマー、エトキシル化された脂肪アルコール(セトマクロゴール)、エトキシル化された脂肪酸、アルキルフェノールポリ(オキシエチレン)、アルキルフェノールポリ(オキシエチレン)及びアルデヒドのコポリマー、ソルビタンの部分脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンの部分脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)の脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)の脂肪アルコールエーテル、サッカロースの脂肪エステル又はマグロゴールグリセロールエステル、ポリビニルアルコール、ポリ(オキシエチレン)−ヒドロキシ脂肪酸エステル、多価アルコールのマクロゴール及び部分脂肪酸エステルから選ばれる2種以上の安定剤である上記1に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
3.安定剤が、デキストラン、β―サイクロデキストリン及びポリソルベートから選ばれる2種以上の安定剤である上記2に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
4.2種以上の安定剤の組合せが、デキストランとβ―サイクロデキストリン、デキストランとポリソルベート、β―サイクロデキストリンとポリソルベート、重合度の異なるデキストラン、又は、デキストランとβ―サイクロデキストリンとポリソルベートである上記3に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
5.シアノアクリレートモノマーが、シアノアクリル酸n−ブチルモノマー、シアノアクリル酸イソブチルモノマー、シアノアクリル酸イソヘキシルモノマー又はそれらの混合物である上記1乃至4のいずれか1項に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
6.活性有効成分が、医薬組成物、化粧品組成物、消臭・芳香組成物、塗料組成物、接着剤組成物、摩擦低減組成物又は食品組成物のための活性有効成分である上記1乃至5のいずれか1項に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
7.活性有効成分が、抗癌剤、アンチセンス製剤、抗ウィルス製剤、抗生物質製剤、蛋白質製剤、ポリペプチド製剤、ポリヌクレオチド製剤、アンチセンス・ヌクレオチド製剤、ワクチン製剤、免疫調整製剤、ステロイド製剤、鎮痛製剤、アンチモルヒネ製剤、抗真菌製剤及び駆虫製剤から選ばれる医薬組成物のための活性有効成分である上記6に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
また、治療を必要とする局所は必ずしも単一の組織や細胞群からなる場合だけでなく、複数の組織又は細胞群から構成されている場合が多い。情報物質の伝達には、膜に於いて情報物質の大きさ(アロステリックを含む)や電気的強度など物理化学的な特性によって、受動輸送系や能動輸送系また膜動輸送系によって、選択的に膜を通過しその機能を発現している。同じ構成成分からなるサイズの異なる混合微粒子カプセルを医薬品として使用することができれば、治療効果をさらに上昇させることができると思われる。また、活性有効成分の放出速度の観点からしても、異なるサイズの混合微粒子カプセルはそれぞれ異なる放出速度を有するゆえ、持続性、除放性の点でも優れている。
より具体的には、下記実施例に示す通り、シアノアクリレートモノマーの重合反応の際に、デキストランやβ‐サイクロデキストリン、ソルベート等から選ばれる少なくとも2種以上の安定剤を共存させることにより、少なくとも同時に2種類の異なる平均粒径サイズの粒子群からなる混合微粒子カプセルを製造するものである。さらに低分子糖類化合物を共存させてもよい。
本発明において、「シアノアクリレートモノマー」とは、(2−シアノアクリル酸2〜12C(直鎖または分枝鎖)アルキル)を意味する。好ましいシアノアクリレートモノマーは、シアノアクリル酸4〜6Cアルキルモノマー、例えばシアノアクリル酸n−ブチル、シアノアクリル酸イソブチル、シアノアクリル酸イソヘキシル、またはそれらの混合物である。
ナノカプセルの調製のためのシアノアクリレートモノマーの重合方法は、界面重合法又はアニオン重合法のいずれであってもよい。界面重合法は、モノマーおよび薬物を有機相に溶解し、有機相を水相に添加して、有機−水界面で重合反応させる方法である。この方法でナノカプセルが生成する。一般に先行技術のペプチドを装填したナノ粒子はこの方法で調製されている。
アニオン重合は、低pHの水性媒質中で反応が起こり、ヒドロキシルイオンにより触媒される。この方法では、薬物を重合媒質に添加する時間によって薬物がナノ粒子に取り込まれるか、ナノ粒子上に吸着し、または両者の組み合わせが起こるといわれている。
「ナノ粒子」及び「ナノカプセル」は同意である。カプセルとは鞘状の容器形状をしたものを意味するが、特にこれに限定されるものではなく単なるナノ粒子であってもよい。
生分解性ナノカプセルに抱合される有効成分量は、モノマー含量に対して好ましくは5〜30%w/vの、より好ましくは15〜25%w/vである。
「異なる平均粒径サイズの粒子群からなる混合微粒子カプセル」とは、異なる平均粒径サイズを有する2以上の粒子群からなる混合微粒子カプセルを意味し、少なくとも1種のナノ粒子を含む異なる粒子径群から構成されるカプセル混合物を意味し、混合カプセルの全てがナノカプセルであることが好ましい。
「医薬組成物のための活性有効成分」における「医薬組成物」としては、抗癌剤、アンチセンス製剤、抗ウィルス製剤、抗生物質製剤、蛋白質製剤、ポリペプチド製剤、ポリヌクレオチド製剤、アンチセンス・ヌクレオチド製剤、ワクチン製剤、免疫調整製剤、ステロイド製剤、鎮痛製剤、アンチモルヒネ製剤、抗真菌製剤及び駆虫製剤を挙げることができる。
また、「活性有効成分」の形態は、低分子化合物、蛋白質、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、アンチセンス・ヌクレオチドなど様々な形態が可能であり特に限定されるものではないが、DDS乃至ワクチンの観点からすると、好ましいのはポリペプチド、ポリヌクレオチド、アンチセンス・ヌクレオチドである。これら活性成分は、ナノカプセル内に抱合されてもよいし、あるいはナノカプセルの表面に付着保持されたものであってもよい。
「多糖類及び界面活性剤から選ばれる異なる2種以上の安定剤」として、好ましい組み合わせは、デキストランとβ―サイクロデキストリン、デキストランとポリソルベート、重合度の異なるデキストラン、β―サイクロデキストリンとポリソルベート、又は、デキストランとβ―サイクロデキストリンとポリソルベートである。特に好ましくは、デキストランとポリソルベート、重合度の異なるデキストランの組合わせである。
アニオン重合は、低pHの水性媒質中で反応が起こり、ヒドロキシルイオンにより触媒される。この方法では、薬物を重合媒質に添加する時間によって薬物がナノ粒子に取り込まれるか、ナノ粒子上に吸着し、または両者の組み合わせが起こる。
Cambridge)S360)により調べた。ナノカプセル粒子の運動特性はブラウン拡散とゼータ電位、また分子量をHe-Neレーザー散乱法により測定した。各水溶液に於けるナノ粒子特性変化はコロイド特性を指標として観察した。
以下、実施例を以て本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が該実施例に記載される態様のみに限定されるものではないことは言うまでもない。
(1)1Nの塩酸溶液(1ml)を蒸留水100mlで希釈して0.01N、pH2.21の塩酸水溶液とした。
(2)上記pH2.21の0.01N塩酸水溶液50mlに500mgの重合度の異なるデキストランを溶解させて、1%デキストラン0.01N塩酸水溶液とした。デキストランは、(Dex10(分子量;10000)1%、Dex70(分子量;70000)1%、Dex150 (分子量;150000)1%)を用いた。
(3)攪拌しながら、上記1%デキストラン0.01N塩酸水溶液にn-ブチル-2-シアノアクリレート(ヒストアクリルブルー(Histacryl blue(ビー・ブラウンエースクラップ社) 1 tube:0.5ml)を最終濃度が0.5%になるように滴下した。
(4)これを室温で2時間攪拌して重合させた。
(5)0.1N水酸化ナトリウム水溶液を混合して中和し、更に30分間攪拌した。
(6)これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。(7)He+Neレーザー散乱光解析によって、得られたナノ粒子の粒径を測定した。
なお、デキストラン重合度による(n−ブチルシアノアクリレート)ナノ粒子の平均粒子径は下表のとおり約150〜220nmであった。
(1)1Nの塩酸溶液1mlを蒸留水100mlで希釈し、0.01N、pH2.21の塩酸水溶液とした。
(2)上記pH2.21の0.01N塩酸水溶液49.25mlに0.25mlのTween-20を加えた。
(3)600rpmで攪拌しながら、上記Tween-20塩酸水溶液にシアノアクリレート(ヒストアクリルブルー(Histacryl blue 1 tube:0.5ml)を最終濃度が0.5%になるように加えた。
(4)0.1N水酸化ナトリウム水溶液を適量加えて中和した。
(5)更に、これを室温で2時間攪拌して重合させた。
(6)これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。
(7)He+Neレーザー散乱光解析によって、得られたナノ粒子の粒径を測定した。
この結果を図1に示す。A、B、Cと3回行ったが、いずれにおいても粒子径のピークは47.6nmであった。
(1)1Nの塩酸溶液1mlを蒸留水100mlで希釈し、0.01N、pH2.21の塩酸水溶液とした。
(2)上記pH2.21の0.01N塩酸水溶液50mlに1gのβ-サイクロデキストリンを加えて溶解した。
(3)600rpmで攪拌しながら、上記β-サイクロデキストリン塩酸水溶液にシアノアクリレート(ヒストアクリルブルー(Histacryl blue 1 tube:0.5ml)を最終濃度が0.5%になるように加えた。
(4)更に、これを室温で2時間攪拌して重合させた。
(5)0.1N水酸化ナトリウム水溶液を適量加えて中和した。
(6)これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。
(7)He+Neレーザー散乱光解析によって、得られたナノ粒子の粒径を測定した。
この結果を図2に示す。粒子径のピークは405.3nm(8.78%%)、1577nm(86.7%)、5370nm(4.5%)であり、3種類の粒径が異なる混合微粒子製剤が得られた。しかし、その大半(86.7%)は1577nm であった。
A.デキストランとTweenの併用による混合微粒子カプセルの製造
0.001規定の塩酸水溶液50mlに、500mgのデキストラン10(分子量10000)を加えて溶解してデキストラン溶液とした。このデキストラン溶液に500μlのTween-20を加えて溶解し、さらにグルコース2500mgを加えて溶解した。攪拌下、n−ブチルシアノアクリレート(nBCA)
0.5mlを加え、3時間攪拌して重合させた。反応溶液に0.1規定水酸化ナトリウム液を滴下して中和した後、30分間攪拌し、これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。最後に、He+Neレーザー散乱光解析によって、得られた混合微粒子カプセルの粒径を測定した。
この結果を図3に示す。粒子径のピークは27.1nm(58.9%)、218nm(37.5%)、4570nm(3.5%)であり、粒子径の異なるナノ粒子が得られた。
デキストラン10(分子量10000)に代えてデキストラン70(分子量70000)を用いて同様の試験を行った。この結果を図4に示す。粒子径のピークは34.7nm(75.9%)、455nm(23.2%)、4130nm(0.9%)であり、粒子径の異なるナノ粒子が得られた。
上記試験で製造した混合微粒子カプセルについて更に詳しく分析したところ、粒子径ピークは3箇所であり、異なる3種類の粒子径のナノ粒子混合物が得られた。
図3及び図4から明らかなとおり、デキストランとTweenを併用することにより異なる粒子径を有するナノ粒子を同時に製造することができた。
デキストラン10+Tween-20+単糖(グルコース)のケースでは、27.1nm(58.9%)、218nm(37.5%)、4570nm(3.5%)の3種類の異なるナノ粒子が得られた。これら粒子のSEM画像を図5に示す。
デキストラン70+Tween-20+単糖(グルコース)のケースでは、34.7nm(75.9%)、455nm(23.2%)、4130nm(0.9%)の3種類の異なるナノ粒子が得られた。これら粒子のSEM画像を図6に示す。
上記A、Bの試験結果から明らかなとおり、安定剤として、デキストランと界面活性剤(例えば、Tween)を併用することにより、粒子径の異なる混合微粒子カプセルの同時製造が可能となった。ただし、デキストラン10及びデキストラン70を用いたいずれの場合も、第3のピークは無視し得る程度なので、大きくは、異なる2種類の粒径を有する混合粒子であるといえるだろう。
A.デキストランとβ-サイクロデキストリンの併用による混合微粒子カプセルの製造
0.001規定の塩酸水溶液50mlに、500mgのデキストラン10(分子量10000)と50mgのβ-サイクロデキストリンを加えて溶解し、攪拌しながらn−ブチルシアノアクリレート(nBCA) 0.5mlを加え、3時間攪拌して重合させた。反応溶液に0.1規定水酸化ナトリウム液を滴下して中和した後、30分間攪拌し、これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。最後に、He+Neレーザー散乱光解析によって、得られた混合微粒子カプセルの粒径を測定した。また、デキストラン10(分子量10000)の配合量を500mgに変えて同様の試験を行った。
結果は下表のとおりであった。
A.β-サイクロデキストリンとTweenの併用による混合微粒子カプセルの製造
0.001規定の塩酸水溶液50mlに、0.25mlのTween-20と50mgのβ-サイクロデキストリンを加えて溶解した。この溶液を攪拌しながら、n−ブチルシアノアクリレート(nBCA) 0.5mlを加え、3時間攪拌して重合させた。反応溶液に0.1規定水酸化ナトリウム液を滴下して中和した後、30分間攪拌し、これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。最後に、He+Neレーザー散乱光解析によって、得られた混合微粒子カプセルの粒径を測定した。また、β-サイクロデキストリンの配合量を500mgに変えて同様の試験を行った。
結果は下表のとおりであった。
A.デキストランとTweenの併用による混合微粒子カプセルの製造
0.001規定の塩酸水溶液50mlに、0.25mlのTween-20と50mgのデキストラン10(分子量10000)を加えて溶解してデキストラン溶液とした。このデキストラン溶液を攪拌しながらn−ブチルシアノアクリレート(nBCA) 0.5mlを加え、3時間攪拌して重合させた。反応溶液に0.1規定水酸化ナトリウム液を滴下して中和した後、30分間攪拌し、これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。最後に、He+Neレーザー散乱光解析によって、得られた混合微粒子カプセルの粒径を測定した。
また、デキストラン10(分子量10000)の配合量を500mgに変えて同様の試験を行った。
結果は下表のとおりであった。
A.デキストラン、Tween及びβ-サイクロデキストリンの併用による混合微粒子カプセルの製造
0.001規定の塩酸水溶液50mlに、0.25mlのTween-20と500mgのデキストラン10(分子量10000)と50mgのβ-サイクロデキストリンを加えて溶解した。この溶液を攪拌しながらn−ブチルシアノアクリレート(nBCA) 0.5mlを加え、3時間攪拌して重合させた。反応溶液に0.1規定水酸化ナトリウム液を滴下して中和した後、30分間攪拌し、これをセントリプレプを用いて蒸留水で4回洗浄した。最後に、He+Neレーザー散乱光解析によって、得られた混合微粒子カプセルの粒径を測定した。結果を図7に示す。粒子径のピークは45.3nm(54.5%)、130nm(15.8%)、4430nm(29.7%)であり、粒子径の異なるナノ粒子が得られた。
また、β-サイクロデキストリンの配合量を500mgに変えて同様の試験を行った。
結果は下表のとおりであった。
すなわち、ナノテクノロジーを用いた新しい医薬品の開発が期待され、新しい診断技術、新しいワクチン技術の開発も可能である。さらには、化粧品、消臭・芳香剤、摩擦低減組成物、新しい塗装技術等への応用も期待される。
Claims (7)
- 多糖類及び界面活性剤から選ばれる異なる2種以上の安定剤を酸性水溶液中に配合して溶解させ、さらに低分子糖類化合物を配合して溶解させた後、少なくとも一つのシアノアクリレートモノマーを添加して、該シアノアクリレートモノマーを水性溶媒中で重合させることを特徴とする、少なくとも1つの活性有効成分を含有し異なる平均粒径サイズの粒子群からなる混合微粒子カプセルの製造方法。
- 安定剤が、アルキルアリールポリ(オキシエチレン)スルフェートアルカリ塩、デキストラン、サイクロデキストリン、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシエチレン)−ブロックポリマー、エトキシル化された脂肪アルコール(セトマクロゴール)、エトキシル化された脂肪酸、アルキルフェノールポリ(オキシエチレン)、アルキルフェノールポリ(オキシエチレン)及びアルデヒドのコポリマー、ソルビタンの部分脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンの部分脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)の脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)の脂肪アルコールエーテル、サッカロースの脂肪エステル又はマグロゴールグリセロールエステル、ポリビニルアルコール、ポリ(オキシエチレン)−ヒドロキシ脂肪酸エステル、多価アルコールのマクロゴール及び部分脂肪酸エステルから選ばれる2種以上の安定剤である請求項1に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
- 安定剤が、デキストラン、β―サイクロデキストリン及びポリソルベートから選ばれる2種以上の安定剤である請求項2に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
- 2種以上の安定剤の組合せが、デキストランとβ―サイクロデキストリン、デキストランとポリソルベート、β―サイクロデキストリンとポリソルベート、重合度の異なるデキストラン、又は、デキストランとβ―サイクロデキストリンとポリソルベートである請求項3記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
- シアノアクリレートモノマーが、シアノアクリル酸n−ブチルモノマー、シアノアクリル酸イソブチルモノマー、シアノアクリル酸イソヘキシルモノマー又はそれらの混合物である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
- 活性有効成分が、医薬組成物、化粧品組成物、消臭・芳香組成物、塗料組成物、接着剤組成物、摩擦低減組成物又は食品組成物のための活性有効成分である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
- 活性有効成分が、抗癌剤、アンチセンス製剤、抗ウィルス製剤、抗生物質製剤、蛋白質製剤、ポリペプチド製剤、ポリヌクレオチド製剤、アンチセンス・ヌクレオチド製剤、ワクチン製剤、免疫調整製剤、ステロイド製剤、鎮痛製剤、アンチモルヒネ製剤、抗真菌製剤及び駆虫製剤から選ばれる医薬組成物のための活性有効成分である請求項6に記載の混合微粒子カプセルの製造方法。
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