JP5195966B2 - GaN基板の研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、GaN基板の研磨方法に関する。
磁気ヘッドスライダの研磨方法として、例えば特許文献1に記載された方法が知られている。また、磁気ヘッドスライダを研磨するための研磨液として、例えば特許文献2に記載された仕上げ研磨用ラッピングオイル組成物が知られている。
ところで、磁気ヘッドスライダではなくGaN基板(窒化ガリウム基板)の研磨方法として、例えば非特許文献1に記載された方法が知られている。この方法では、粒径が0.1μmのダイヤモンドペーストとスウェードタイプのパッドを用いてGaN基板を研磨した後、KOHとNaOHの混合液を用いてGaN基板を化学的に研磨する。
また、別のGaN基板の研磨方法として、例えば特許文献3に記載された方法が知られている。この方法では、定盤上に供給された遊離砥粒によりGaN基板を研磨する。具体的には、遊離砥粒の粒径を徐々に小さくし、研磨速度を遅くしながらGaN基板を研磨する。
特開2001−205556号公報 特開2004−58220号公報 特開2001−322899号公報
J.L.Weyher、ほか3名、「Chemical polishing of bulk and epitaxial GaN」、Journal of Crystal Growth、第182号、1997年、17〜22頁
しかしながら、遊離砥粒を用いてGaN基板を研磨すると、定盤上で遊離砥粒同士が凝集して粗大化し、粗大化した粒子によりGaN基板にスクラッチが発生してしまう。
本発明は、スクラッチの発生を抑制できるGaN基板の研磨方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明のGaN基板の研磨方法は、第1の研磨材と第1の潤滑剤とを含む研磨液を第1の定盤上に供給しながら、第1の定盤及び研磨液を用いてGaN基板を研磨する第1の研磨工程と、第1の研磨工程の後、第2の研磨材が埋め込まれた第2の定盤上に第2の潤滑剤を供給しながら、第2の研磨材が埋め込まれた第2の定盤を用いてGaN基板を研磨する第2の研磨工程とを含む。
ここで、第2の定盤として、第1の定盤を用いるとしてもよいし、第1の定盤とは異なる定盤を用いてもよい。また、第2の研磨材として、第1の研磨材を用いるとしてもよいし、第1の研磨材とは異なる研磨材を用いるとしてもよい。例えば、「第2の研磨材が埋め込まれた第2の定盤」として、第1の研磨材が埋め込まれた第1の定盤を用いてもよいし、第1の研磨材とは異なる研磨材が埋め込まれた第1の定盤を用いてもよいし、第1の定盤とは異なる定盤に第1の研磨材とは異なる研磨材が埋め込まれたものを用いてもよい。
本発明のGaN基板の研磨方法では、第2の研磨工程において第2の研磨材が第2の定盤に埋め込まれている。このため、第2の研磨材同士が凝集しない。したがって、第2の研磨工程では、スクラッチの発生を抑制しながらGaN基板を研磨することができる。
また、第1の定盤の周速度及び第2の定盤の周速度は、7m/min以上57m/min以下であることが好ましい。
この場合、第1及び第2の研磨工程において、周速度が7m/min未満の場合に比べてGaN基板の研磨速度を大きくできる。また、周速度が57m/minより大きい場合に比べて第1の定盤の回転及び第2の定盤の回転を安定させ易くなる。
また、第1の研磨材は、ダイヤモンド砥粒であることが好ましい。これにより、第1の研磨工程におけるGaN基板の研磨効率を向上させることができる。
また、第1の定盤の構成材料及び第2の定盤の構成材料は、錫を50質量%以上含有する合金であることが好ましい。錫を50質量%以上含有する合金は軟らかいので、第1の定盤における第1の研磨材の突き出し量及び第2の定盤における第2の研磨材の突き出し量がいずれも小さくなる。このため、第1の研磨工程後におけるGaN基板の表面粗さ及び第2の研磨工程後におけるGaN基板の表面粗さをいずれも小さくできる。また、スクラッチの発生も抑制できる。
また、上記GaN基板の研磨方法は、第2の研磨工程の前に、平坦度が10μm以下となるように第2の定盤を切削加工するフェーシング工程と、フェーシング工程の後、第2の研磨工程の前に、第2の研磨材を形成するための第3の研磨材を第2の定盤に埋め込むチャージング工程とを更に含むことが好ましい。
ここで、「平坦度」とは、測定対象物の厚みの最大値と最小値の差を意味する。また、フェーシング工程及びチャージング工程は、第1の研磨工程の前に実施されるとしてもよいし、第1の研磨工程の後、第2の研磨工程の前に実施されるとしてもよい。また、フェーシング工程が第1の研磨工程の前に実施され、チャージング工程が第1の研磨工程の後、第2の研磨工程の前に実施されるとしてもよい。
また、第2の定盤として第1の定盤とは異なる定盤を用いる場合、例えば、当該定盤に第3の研磨材を埋め込むことによって「第2の研磨材が埋め込まれた第2の定盤」が得られる。第2の定盤として第1の定盤を用いて、且つ、第1の研磨工程の後にチャージング工程を実施する場合、例えば、第3の研磨材を第1の定盤に埋め込むことによって「第2の研磨材が埋め込まれた第2の定盤」が得られる。第2の定盤として第1の定盤を用いて、且つ、第1の研磨工程の前にチャージング工程を実施する場合、例えば、第3の研磨材を第1の定盤に埋め込んだ後に第1の研磨工程を実施することによって「第2の研磨材が埋め込まれた第2の定盤」が得られる。
この場合、フェーシング工程を実施するので、第2の研磨工程後におけるGaN基板の平坦度が向上する。また、チャージング工程を実施するので、第2の研磨材の突き出し量の面内ばらつきを低減できる。このため、第2の研磨工程におけるGaN基板の研磨速度及び表面粗さの面内ばらつきが低減される。
また、第1の潤滑剤及び第2の潤滑剤は、エチレングリコール及び水を主成分とすることが好ましい。この場合、第1の研磨工程におけるGaN基板や第1の定盤等、及び、第2の研磨工程後におけるGaN基板や第1及び第2の定盤等の洗浄が容易になる。また、第1の潤滑剤及び第2の潤滑剤はエチレングリコールを含有するので、第1の研磨工程において第1の潤滑剤の蒸発を抑制でき、第1の定盤の防錆を実現できる。また、第2の研磨工程において第2の潤滑剤の蒸発を抑制でき、第2の定盤の防錆を実現できる。
また、第2の研磨工程では、第2の定盤として第1の定盤を用いることが好ましい。この場合、第1の定盤と第2の定盤との間において個体差を考慮する必要がないので、第1の定盤上で研磨されたGaN基板を第2の定盤上で研磨する際に、GaN基板の表面形状と第2の定盤の表面形状とが適合する。このため、スクラッチの発生を抑制できる。
また、第2の研磨工程では第2の定盤として第1の定盤を用いる場合、上記GaN基板の研磨方法は、第1の研磨工程の後、第2の研磨工程の前に、第1の定盤上の異物を除去するクリーニング工程を更に含むことが好ましい。これにより、第2の研磨工程において、第1の定盤上の異物に起因するスクラッチの発生や表面粗さを低減できる。
本発明のGaN基板の研磨方法によれば、スクラッチの発生を抑制できる。
本実施形態に係るGaN基板の研磨方法に好適に用いられる研磨装置の一例を示す概略斜視図である。 図1に示される研磨ジグの概略斜視図である。 図2に示されるIII−III線に沿った縦断面図である。 図4(a)及び図4(b)は、GaN基板を構成するGaN結晶の結晶構造を模式的に示す図である。 本実施形態に係るGaN基板の研磨方法の一例を示すフローチャートである。 フェーシング工程を説明するための概略斜視図である。 図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、第1及び第2の研磨工程を説明するための概略斜視図である。 図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、第1及び第2の研磨工程を説明するための概略断面図である。 第1及び第2の研磨工程後におけるGaN基板の表面粗さRaと、研磨材の平均粒径との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(GaN基板の研磨装置)
図1は、本実施形態に係るGaN基板の研磨方法に好適に用いられる研磨装置の一例を示す概略斜視図である。図1に示される研磨装置100は、テーブル113上に配置された定盤101と、定盤101の表面101a上に載置された研磨ジグ10とを備える。研磨装置100では、定盤101と研磨ジグ10との間にGaN基板を配置して、定盤101及び研磨ジグ10を回転させることによりGaN基板の研磨を行う。GaN基板は、例えばLEDやLD等のデバイスに好適に用いられる。
定盤101は、例えば、中心点O及び半径rを有する円盤である。定盤101は、周速度vで例えば反時計回りに回転する。定盤101には、定盤101を冷却するチラー111が接続されている。チラー111を用いることにより、定盤101の温度を室温と同等の温度(例えば20℃)に制御することができる。この場合、研磨時の定盤101の発熱や変形が防止される。
研磨ジグ10には、研磨ジグ10を回転及び揺動させるモータ103が接続されている。モータ103はテーブル113上に配置されている。研磨ジグ10は、定盤101の回転方向と同一方向、例えば反時計回りに回転することが好ましい。
テーブル113上には、定盤101の表面101aを切削加工するためのフェーシング機構109と、研磨液27を定盤101の表面101aに滴下する滴下装置(ディスペンサー)105と、潤滑剤31を定盤101の表面101aに滴下する滴下装置(ディスペンサー)107とが配置されている。滴下装置105,107は、それぞれ滴下ノズル105a,107aを有している。これらの滴下ノズル105a,107aから研磨液27又は潤滑剤31が滴下される。研磨液27は例えばスラリー状である。また、研磨液27及び潤滑剤31は例えば水溶性である。
図2は、図1に示される研磨ジグ10の概略斜視図である。図3は、図2に示されるIII−III線に沿った縦断面図である。研磨ジグ10は、GaN基板1が貼り付けられるプレート17と、プレート17を取り囲むドライブリング15とを備える。プレート17上には、おもり13と支持棒11とが順に配置されている。
プレート17は、例えばセラミックからなる。GaN基板1は、ワックス等の接着剤によりプレート17に貼り付けられることが好ましい。GaN基板1は、おもり13によって、プレート17を介して定盤101に均等に押圧される。ドライブリング15の下面15aには、例えば、溝15bが放射状に形成されている。研磨ジグ10は、GaN基板1の表面1aが定盤101の表面101a(図1参照)に接触するように配置される。
図4(a)及び図4(b)は、GaN基板1を構成するGaN結晶の結晶構造を模式的に示す図である。GaN結晶は、図4(a)に示されるように六方晶系のウルツ鉱型結晶構造を有する。このようなGaN結晶からなるGaN結晶体は、図4(b)に示されるように(0001)面及び(000−1)面を有する。(0001)面はGa面であり、(000−1)面はN面である。Ga面のビッカーズ硬度は、1250kg/mmであり、N面のビッカーズ硬度は、1150kg/mmである。また、Ga面はN面よりもKOHに対する耐薬品性が強い。
GaN基板1がストライプコア基板である場合、GaN基板1の表面1a(図3参照)にはGa面及びN面がストライプ状に配置される。なお、GaN基板1はストライプコア基板に限定されない。ここで、「ストライプコア基板」とは、直線状に伸び所定の幅を有する低結晶欠陥領域と、直線状に伸び所定の幅を有する高結晶欠陥領域とが、表面に交互に配置された基板のことである。ストライプコア基板の詳細については、例えば特開2004−335646号公報等に示されている。
(GaN基板の研磨方法)
本実施形態に係るGaN基板の研磨方法は、上述の研磨装置100を用いて好適に実施される。
図5は、本実施形態に係るGaN基板の研磨方法の一例を示すフローチャートである。このGaN基板の研磨方法では、例えば、フェーシング工程(工程S1)、チャージング工程(工程S2)、第1の研磨工程(工程S3)、クリーニング工程(工程S4)及び第2の研磨工程(工程S5)が順に実施される。なお、本実施形態では、第2の研磨工程において使用される定盤として、第1の研磨工程で使用される定盤101を用いることとする。
以下、図6〜図8を参照しながら各工程S1〜S5について詳細に説明する。図6は、フェーシング工程を説明するための概略斜視図である。図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、第1及び第2の研磨工程を説明するための概略斜視図である。図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、第1及び第2の研磨工程を説明するための概略断面図である。
(フェーシング工程)
必要に応じて、図6に示されるように、定盤101の平坦度(TTV:TotalThickness Variation)が10μm以下となるように定盤101の表面101aを切削加工するとしてもよい。この定盤101を用いれば、例えば2インチφのGaN基板1を好適に研磨することができる。定盤101の表面101aの形状は、GaN基板1の表面1aに転写される。また、定盤101の中心点Oから外周までの部分(半径部分)の平坦度が5μm以下となるように切削加工することが更に好ましい。特に、平均粒径が小さい研磨材を用いて研磨を行う場合には、定盤101の平坦度を小さくすることが好ましい。
切削加工する際には、ダイヤモンドバイト109aを用いることが好ましい。ダイヤモンドバイト109aは、フェーシング機構109(図1参照)の主要部を構成する。ダイヤモンドバイト109aは、定盤101の中心点Oから外周に向けて径方向Xに沿って移動する。定盤101を回転させながらダイヤモンドバイト109aを移動させることにより、切削加工を行う。定盤101の回転速度は、例えば400rpmである。図6において、定盤101の表面101aは、既に切削加工された面101bと未だ切削加工されていない面101cとからなる。切削加工後、必要に応じて定盤101の表面101aを洗浄することが好ましい。
(チャージング工程)
必要に応じて、図7(a)に示されるように、研磨材21(第3の研磨材)を定盤101に埋め込むとしてもよい。具体的には、例えば、研磨材21と潤滑剤(図示せず)とを含む研磨液(図示せず)を定盤101の表面101a上に供給しながら、GaN基板1が貼り付けられていない研磨ジグ10(図2及び図3参照)及び定盤101を回転させる。本実施形態において、研磨材21は、後述のように、第2の研磨工程における研磨材29を形成するためのものである。
以下、チャージング条件の一例を示す。
研磨液の滴下量:5cc/min
ドライブリング15の回転速度:60rpm
おもり13の荷重:1.96×10Pa(200g/cm
チャージング時間:60min以上
(第1の研磨工程)
図7(a)に示されるように、研磨材23(第1の研磨材)と潤滑剤25(第1の潤滑剤)とを含む研磨液27を定盤101の表面101a上に供給しながら、定盤101及び研磨液27を用いてGaN基板1を研磨する。研磨の際には、定盤101及び研磨ジグ10を回転させることが好ましい。研磨液27は、滴下装置105の滴下ノズル105aから定盤101の表面101a上に滴下されることが好ましい。第1の研磨工程において、GaN基板1は、図8(a)に示されるように研磨材21,23によって研磨される。また、GaN基板1と定盤101との間には、潤滑剤25が充填されている。
研磨材21の殆どは定盤101に埋め込まれ固定されている砥粒(以下、固定砥粒ともいう)であり、研磨材23の殆どは定盤101に埋め込まれていない遊離した砥粒(以下、遊離砥粒ともいう)である。ただし、研磨材21の一部が脱落することにより遊離砥粒になるとしてもよいし、研磨材23の一部が定盤101に埋め込まれることにより固定砥粒になるとしてもよい。研磨材21,23の突き出し量tw1は、図8(a)に示されるように、遊離砥粒としての研磨材23に起因して大きくなっている。
以下、第1の研磨工程における研磨条件の一例を示す。
GaN基板1:直径(φ)50.8mm、厚さ400μmのGaN単結晶基板
研磨液27の滴下量:5cc/min
研磨材23の最大粒径:1μm以下
定盤101の直径(φ):450mm
定盤101の構成材料:錫
ドライブリング15の回転速度:30rpm
ドライブリング15の揺動速度:10回/min
揺動ストローク:30mm
おもり13の荷重:1.96×10Pa(200g/cm
研磨時間:60min
第1の研磨工程において研磨材21,23を用いてGaN基板1を研磨した後、必要に応じて、プレート17及びドライブリング15(図2及び図3参照)に付着した研磨液27を除去することにより、研磨ジグ10を洗浄する。洗浄方法としては、例えば、超純水を用いた超音波洗浄が挙げられる。
(クリーニング工程)
必要に応じて、定盤101上の異物を除去することにより定盤101の表面101aを洗浄するとしてもよい。このような異物としては、例えば、第1の研磨工程後におけるGaN基板1の研削屑や遊離砥粒等が挙げられる。洗浄する際には、埃や屑が発生しないワイパーと超純水とを用いることが好ましい。しかしながら、このワイパーを用いて洗浄しても遊離砥粒が定盤101の表面101a上に残存する場合がある。この場合、遊離砥粒を定盤101に埋め込むために、定盤101を回転させながら、GaN基板1が貼り付けられていない研磨ジグ10を定盤101上で回転させてもよい。第1の研磨工程における研磨時間が短時間である場合や研磨液27に含まれる研磨材23の濃度が薄い場合には、クリーニング工程を省略するとしてもよい。
第1の研磨工程の後、第2の研磨工程の前にクリーニング工程を実施すると、第1の研磨工程において生じた異物に起因するスクラッチの発生や表面粗さRaを低減できる。
(第2の研磨工程)
図7(b)に示されるように、研磨材29(第2の研磨材)が埋め込まれた定盤101に潤滑剤31(第2の潤滑剤)を供給しながら、研磨材29が埋め込まれた定盤101を用いてGaN基板1を研磨する。研磨の際には、定盤101及び研磨ジグ10を回転させることが好ましい。第2の研磨工程において、GaN基板1は、図8(b)に示されるように、研磨材29によって研磨される。GaN基板1と定盤101との間には、潤滑剤31が充填されている。
研磨材29は、上述の研磨材21,23のうち定盤101に埋め込まれた研磨材であるので固定砥粒である。なお、チャージング工程において定盤101に埋め込まれた研磨材21を研磨材29として用いてもよい。研磨材29は固定砥粒であるので、図8(a)及び図8(b)に示されるように、研磨材29の突き出し量tw2は研磨材21,23の突き出し量tw1よりも小さくなっている。ここで、研磨材の突き出し量が小さいほど表面粗さRaは小さくなる。よって、第2の研磨工程後におけるGaN基板1の表面粗さRaは、第1の研磨工程後におけるGaN基板1の表面粗さRaよりも小さくなる。また、定盤の硬さをH、加工対象物の硬さをH、研磨材の平均粒径をφとすると、研磨後の加工対象物の表面粗さRaは例えば下記式(1)で表される。
Ra=φ×H/4H … (1)
図9は、第1及び第2の研磨工程後におけるGaN基板の表面粗さRaと、研磨材の平均粒径との関係を示すグラフである。図9中の領域P1内の点は、第1の研磨工程後におけるGaN基板1の表面粗さRaを示し、領域P2内の点は、第2の研磨工程後におけるGaN基板1の表面粗さRaを示す。表面粗さRaの値は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された値である。このグラフから明らかなように、第2の研磨工程後におけるGaN基板1では、第1の研磨工程後におけるGaN基板1に比べて、表面粗さRa及び表面粗さRaのばらつきが小さくなっている。
以下、第2の研磨工程における研磨条件の一例を示す。
潤滑剤31の滴下量:5cc/min
定盤101の周速度v:28m/min
おもり13の荷重:1.96×10Pa(200g/cm
研磨時間:60min
以上説明したように、本実施形態に係るGaN基板の研磨方法では、第2の研磨工程において研磨材29が定盤101に埋め込まれている。このため、研磨材29同士が凝集しない。また、第2の研磨工程では、研磨材29の突き出し量tw2が小さく且つ均一になる。したがって、第2の研磨工程では、スクラッチの発生を抑制しながらGaN基板1を研磨することができる。さらに、第2の研磨工程後におけるGaN基板1の表面粗さRaを小さくすると共に、表面粗さRaの面内ばらつきも低減できる。一方、第1の研磨工程ではGaN基板1の研磨速度を大きくできるので、第1の研磨工程の前にスライスや研削等の前加工を行うことによりGaN基板1に形成される加工変質層を効率良く除去できる。本実施形態に係るGaN基板の研磨方法を用いることにより、スクラッチの発生が抑制されたGaN基板を好適に製造することができる。
また、第1及び第2の研磨工程において、図1に示される定盤101の周速度vは、7m/min以上57m/min以下であることが好ましい。周速度vが7m/min以上の場合、周速度vが7m/min未満の場合に比べてGaN基板1の研磨速度を大きくできるので、生産性が高い。また、周速度vが57m/min以下の場合、定盤101及び研磨ジグ10の回転を安定させ易くなる。具体的には、スクラッチの原因となるスラスト方向(研磨ジグ10の支持棒11の軸方向)の揺れを抑制できる。このため、周速度vが57m/minより大きい場合に比べてスクラッチの本数を低減できる。
また、第1及び第2の研磨工程において、定盤101の回転速度は、5rpm以上40rpm以下であることが好ましい。回転速度が5rpm以上の場合、回転速度が5rpm未満の場合に比べてGaN基板1の研磨速度を大きくできるので、生産性が高い。また、回転速度が40rpm以下の場合、定盤101の回転を安定させ易くなるので、回転速度が40rpmより大きい場合に比べてスクラッチの本数を低減できる。
実施例として、第1の研磨工程において定盤101の周速度v、定盤101の回転速度、及び、スクラッチの本数をそれぞれ測定した結果を表1に示す。表1中、「スクラッチの本数」は、直径(φ)50.8mmのGaN基板の面内に発生したスクラッチの本数を示す。また、スクラッチの本数は集光灯下において目視検査により測定した。
Figure 0005195966
次に、実施例として、第2の研磨工程において定盤101の周速度v、定盤101の回転速度、及び、スクラッチの本数をそれぞれ測定した結果を表2に示す。表2中、「スクラッチの本数」は、直径(φ)50.8mmのGaN基板の面内に発生したスクラッチの本数を示す。また、スクラッチの本数は集光灯下において目視検査により測定した。
Figure 0005195966
また、研磨材21,23,29のビッカーズ硬度は、GaNのビッカーズ硬度(1300kg/mm)よりも大きいことが好ましい。よって、研磨材21,23,29の構成材料としては、例えば、ダイヤモンド、SiC等の炭化物、Al等の酸化物、cBN、Si等の窒化物等が好ましい。これらの中でも、分級精度、価格、加工効率、加工精度等の観点からダイヤモンドが特に好ましい。例えば、研磨材21,23がダイヤモンド砥粒である場合、第1の研磨工程におけるGaN基板1の研磨効率を向上させることができる。また、研磨材29がダイヤモンド砥粒である場合、第2の研磨工程におけるGaN基板1の研磨効率を向上させることができる。
また、定盤101の構成材料は、錫を50質量%以上含有する合金であることが好ましい。なお、定盤101が、錫を50質量%以上含有する合金からなる被覆層を有していてもよい。錫を50質量%以上含有する合金は、銅等の金属よりも軟らかいので、定盤101における研磨材21,23の突き出し量tw1及び研磨材29の突き出し量tw2(図8参照)が小さくなる。このため、第1及び第2の研磨工程後におけるGaN基板1の表面粗さRaを小さくできると共に、スクラッチの発生を抑制できる。
ここで、実施例として、第2の研磨工程において定盤101の構成材料、GaN基板1の表面粗さRa、及び、スクラッチの本数をそれぞれ測定した結果を表3に示す。表3中、「スクラッチの本数」は、直径(φ)50.8mmのGaN基板の面内に発生したスクラッチの本数を示す。また、スクラッチの本数は集光灯下において目視検査により測定した。表面粗さRaは原子間力顕微鏡(AFM)により測定した。
Figure 0005195966
表3に示されるように、定盤101の構成材料は錫を50質量%以上含有する合金であることが好ましい。表面粗さRaが5nm以下且つスクラッチの本数が0本のGaN基板は、LEDやLD等のデバイスに好適に用いられる。また、環境汚染を防止するために、鉛よりもビスマスやアンチモンを用いることが好ましい。
また、定盤101が錫製であると、研磨材21,23,29がダイヤモンド砥粒である場合に研磨材21,23,29を定盤101に強く保持・固定することができる。
また、本実施形態に係るGaN基板の研磨方法では、上述のようなフェーシング工程を実施するので、第1及び第2の研磨工程後におけるGaN基板1の平坦度が向上する。フェーシング工程において、定盤101の表面101aに、中心点Oを中心とした螺旋状又は同心円状の溝(図示せず)を形成することが好ましい。これにより、第1及び第2の研磨工程において、GaN基板1と定盤101との摩擦抵抗を低減できると共に、GaN基板1と定盤101との間に研磨液27又は潤滑剤31を供給し易くなる。
また、本実施形態に係るGaN基板の研磨方法では、上述のようなチャージング工程を実施するので、研磨材29の突き出し量tw2の面内ばらつきを低減できる。このため、第2の研磨工程におけるGaN基板1の研磨速度及び表面粗さRaの面内ばらつきが低減される。さらに、スクラッチの発生も抑制される。また、第1の研磨工程の前にチャージング工程を実施すると、第1の研磨工程における研磨速度が、研磨を始める時から安定する。
また、潤滑剤25,31は、例えばポリエチレングリコール、モノエチレングリコール等のエチレングリコール及び水を主成分とすることが好ましい。具体的には、例えば、潤滑剤の全量に対するエチレングリコール及び水の合計含有量が、95質量%以上であることが好ましい。また、エチレングリコールに代えて、例えば、ポリエチレンアルコール、グリセリン、ラクチトール、ソルビトール等を用いるとしてもよい。具体的には、例えば、潤滑剤の全量に対する、ポリエチレンアルコール、グリセリン、ラクチトール又はソルビトールと水との合計含有量が、95質量%以上であることが好ましい。
上述の場合、潤滑剤25,31は水溶性であるので、第1及び第2の研磨工程後におけるGaN基板1や、定盤101等の研磨装置100の洗浄が容易になる。GaNは水と反応しないので、水溶性の潤滑剤を用いることができる。これにより、洗浄の作業性が向上し、洗浄コストも低減できる。また、潤滑剤25,31がエチレングリコール、ポリエチレンアルコール、グリセリン、ラクチトール又はソルビトールを含有すると、第1及び第2の研磨工程において潤滑剤25,31の蒸発を抑制でき、定盤101の防錆を実現できる。
また、本実施形態では、第2の研磨工程で使用される定盤として、第1の研磨工程で使用された定盤101を用いるので、定盤の個体差(例えば表面形状の相違等)を考慮する必要がない。よって、第1の研磨工程において定盤101上で研磨されたGaN基板1を第2の研磨工程において定盤101上で研磨する際に、GaN基板1の表面1aの形状と定盤101の表面101aの形状とが適合する。このため、第2の研磨工程後におけるスクラッチの発生を抑制できる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態において、フェーシング工程、チャージング工程及びクリーニング工程のうち1以上の工程を省略するとしてもよい。チャージング工程を省略した場合、第1の研磨工程において研磨材21が定盤101に埋め込まれていない。このとき、第1の研磨工程において研磨を行うと研磨材23が徐々に定盤101に埋め込まれるので、埋め込まれた研磨材23が固定砥粒となる。この固定砥粒が第2の研磨工程において研磨材29となる。
また、第1の研磨工程の後、第2の研磨工程の前に、フェーシング工程及びチャージング工程を実施するとしてもよい。また、第1の研磨工程の前にフェーシング工程を実施し、第1の研磨工程の後、第2の研磨工程の前に、チャージング工程を実施するとしてもよい。いずれの場合であっても上記実施形態と同様の作用効果が得られる。また、これらの場合、研磨材21が研磨材29となる。
また、上記実施形態では、第2の研磨工程で使用される定盤として、第1の研磨工程で使用される定盤101を用いるとしたが、第1の研磨工程に用いる定盤(第1の定盤)と第2の研磨工程に用いる定盤(第2の定盤)とが異なるとしてもよい。この場合、フェーシング工程及びチャージング工程は、第1の研磨工程の前に第1の定盤に対して実施されるとしてもよいし、第2の研磨工程の前に第2の定盤に対して実施されるとしてもよい。いずれの場合であっても上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
1…GaN基板、21…第3の研磨材、23…第1の研磨材、25…第1の潤滑剤、27…研磨液、29…第2の研磨材、31…第2の潤滑剤、101…第1及び第2の定盤。

Claims (1)

  1. 第1の研磨材と第1の潤滑剤とを含む研磨液を第1の定盤上に供給しながら、前記第1の定盤及び前記研磨液を用いてGaN基板を研磨する第1の研磨工程と、
    前記第1の研磨工程の後、第2の研磨材が埋め込まれた第2の定盤上に第2の潤滑剤を供給しながら、前記第2の研磨材が埋め込まれた前記第2の定盤を用いて前記GaN基板を研磨する第2の研磨工程と、
    を含み、
    前記第1の定盤の構成材料及び前記第2の定盤の構成材料は、錫を95質量%以上含有する合金であり、かつ、アンチモン又はビスマスを含有する、GaN基板の研磨方法。
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