JP5195716B2 - 磁性キャリア及び現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性キャリア、現像剤に関する。さらに詳しくは、環境負荷が低く、耐久性の高く、しかも、高画質の画像を現像できる電子写真現像用となる磁性キャリア、および、現像剤に関するものである。
電子写真は、固体の光導電性を利用して潜像を形成し、この潜像に着色粒子であるトナーを静電的に付着させて現像を行い、これを紙などに転写・定着するシステムであり、広く複写機・プリンタに、近年では印刷機に、用いられている。
この現像方式において、トナーが磁性を持たない場合、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子が使用される。この磁性キャリアは摩擦帯電により適量の正または負の電気量をトナーに付与するとともに磁気力を利用することによって磁石を内蔵する現像スリーブを介して、潜像を形成した感光体表面付近の現像領域にトナーを搬送する役目を果たす。近年、電子写真ではカラー化が進み、カラートナーには磁性が無いため、磁性キャリアの需要は飛躍的に多くなっている。また、同時に高画質化、高速化が求められるようになっており、それにあわせて、磁性キャリアにおいてもさらなる機能化が要求されるようになってきている。
従来、磁性キャリアの中心材料(以下キャリアコアとする)としては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、または、バインダー型キャリアなどが開発され、実用化されている。
鉄粉キャリアは、鉄粉を粉砕して調製されるキャリアコアであり、フレーク状、スポンジ状、不定形のものが多い。鉄粉であるため、真比重が7〜8、かさ密度が3〜4g/cmと大きく、現像機内で攪拌するためには大きな駆動力を必要となるが、安価なものが多い。
フェライトキャリアは、鉄粉よりも比重が小さいフェライトを粉砕して調製されるキャリアコアであり、鉄粉キャリアに比べて球形のものが多い。フェライトであるため、真比重が4.5〜5.5、かさ密度が2〜3g/cmと、鉄粉キャリアよりも軽くなっている。そのため、鉄粉キャリアよりも耐久性が向上し、感光体の損傷も少ない。
バインダー型キャリアは、磁性微粒子を樹脂などのバインダーで成型することにより調製されるキャリアコアであり、かさ密度が2.5g/cm程度と小さいため、良好な耐久性を示し、感光体の損傷も少ない。また、粒子形状を球状、米粒状など自在に調整しやすいため、流動性やトナーとの接触を制御しやすい。さらに、粉砕ではなくビルドアップによって調製するため、粒径分布が狭く、小粒子化もしやすい。そのため、耐久性の向上、高画質が実現できる。
これらのキャリアコアに摩擦帯電性能(帯電量)や電気抵抗といった性能を付与するため、樹脂コートなどが行われ、磁性キャリアとして用いられている。コートされる樹脂としては、ビニル系、ポリエステル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、メラミン系、エポキシ系などの熱硬化性樹脂が用いられているが、そのほとんどにおいて石油、石炭などの地下資源由来の樹脂が用いられており、それらを用いることによる環境負荷は考慮されていない。
近年、世界的に地下資源の枯渇、地球温暖化の環境問題が表面化している。そのため、人類の中長期的な繁栄のためには、地下資源をなるべく使わず、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生を抑える必要がある。そこで、植物などを原料とする再生利用可能で二酸化炭素の発生が少ないバイオベースポリマーを用いた製品に期待が集まっている。
現在、磁性キャリアは、約9,700トン(2007年日本メーカー実績:株式会社データサプライ調査による)使用されており、今後のカラー化に伴い、市場は拡大していくものと考えられる。そのうちのポリマー成分数千トンの一部をバイオベースポリマーに変えられれば、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減に効果的であると考えられる。
また、バイオベースポリマーは人体にとっても毒性が低く、安全であることが知られている。そこで、安全性の向上といった面からも、バイオベースポリマーを使用することは望ましい。
また、バイオベースポリマーの中には生分解性を持つものがある。(もちろん、生分解性を持たないバイオベースポリマーも存在する。)この生分解性は耐久性や強度を劣化させる原因になり、本用途においては歓迎されるものではない。しかし、この生分解性を特徴にかかげ、一部に生分解性をもつバイオベースポリマーを用いた技術(特許文献1、2)が知られている。
特開平7−98520号公報 特開平7−295300号公報
前記特許文献1には、バインダー型キャリアの結着樹脂中に生分解性物質を含有した磁性キャリアが記載されている。厳密には、生分解物質にはバイオベースポリマーであるものと、バイオベースポリマーでないものがあり、記載にあるポリフォスファゼンやポリシアノアクリレートなどはバイオベースポリマーではない。また、バイオベースポリマーの中には生分解するもの、生分解しないものがあり、ポリテレフタル酸トリメチレンや、ポリ−α−メチレン−γ−ブチロラクトンなどはバイオベースポリマーではあるが、生分解性はない。つまり、生分解性物質とバイオベースポリマーとは概念として全く別異のものである。また、記載にある生分解物質は、室温において既に柔らかいため、磁性キャリアとしての耐久性に劣るものであった。
また、前記特許文献2には、バインダー型キャリアの結着樹脂中に生分解性樹脂を含有した磁性キャリアが記載されている。前述したように、生分解性樹脂とバイオベースポリマーとは概念として全く別異のものである。さらに、記載されている3−ヒドロキシブチレート−3−ヒドロキシバリレート共重合体、澱粉と変性ポリビニルアルコールのアロイ、ポリコハク酸ブチレン、ポリカプロラクトンは室温において既に柔らかく、キャリアの耐久性に劣るものであった。
本発明は、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減に効果的で、耐久性が高く、高画質な画像を現像できる磁性キャリア、現像剤を提供することを技術課題とする。
前記課題は、次のとおりの本発明によって達成することができる。
即ち、本発明は、キャリアコアにバイオベースポリマーが被覆された磁性キャリアであって、該磁性キャリアの平均粒径が10〜100μmであり、バイオベースポリマーの被覆量が0.1〜3.0重量%であることを特徴とする磁性キャリアである。(本発明1)
また、本発明は、バイオベースポリマーのガラス転移点が35℃以上であることを特徴とする本発明1記載の磁性キャリアである。(本発明2)
また、本発明は、バイオベースポリマーが、エチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリテレフタル酸トリメチレン、ポリ−α−メチレン−γ−ブチロラクトンから選ばれたバイオベースポリマー、または、それらのポリマーのモノマーユニットを含む共重合体、あるいは、それらの1種以上を含むポリマー混合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性キャリアである。(本発明3)
また、本発明は、バイオベースポリマーの分子量が2,000〜1,000,000であることを特徴とする本発明1乃至3のいずれかに記載の磁性キャリアである。(本発明4)
また、本発明は、キャリアコアがバインダー型キャリア、フェライトキャリア、または鉄粉キャリアであることを特徴とする本発明1乃至4のいずれかに記載の磁性キャリアである。(本発明5)
また、本発明は、本発明1乃至5のいずれかに記載の磁性キャリアを含むことを特徴とする現像剤である。(本発明6)
本発明に係る磁性キャリアは、少なくとも、キャリアコアにバイオベースポリマーが被覆された磁性キャリアであって、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的で、耐久性が高く、高画質の画像を現像できるので、磁性キャリア、現像剤用に好適である。
本発明に係る現像剤は、前述したとおりの特性を有する磁性キャリアからなるので、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的で、耐久性が高く、高画質の画像を現像できるので、現像剤に好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次のとおりである。
まず、本発明に係る磁性キャリアについて述べる。
本発明に係る磁性キャリアは、少なくとも、キャリアコアにバイオベースポリマーが被覆された磁性キャリアである。
本発明に係る磁性キャリアの平均粒径は、10〜100μmである。磁性キャリアの平均粒径が10μm未満の場合、流動性を発揮できなくなる。磁性キャリアの平均粒径が100μmより大きい場合は、高画質を発揮できなくなる。好ましい平均粒径は15〜90μmであり、より好ましくは20〜70μmである。該磁性キャリアの形状は球状、粒状、板状、針状などどんな形でも良いが、好ましくは球状、粒状である。
本発明におけるバイオベースポリマーのガラス転移点は、35℃以上であることが好ましい。ガラス転移点が35℃未満であると、室温においてガラス転移点を下回ることが発生して表面が柔らかくなり、磁性キャリア又は現像剤用に用いた場合の耐久性が発揮できない。より好ましくはガラス転移点が38℃以上であり、さらに好ましくは40℃以上である。
本発明におけるバイオベースポリマーは、エチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリテレフタル酸トリメチレン、ポリ−α−メチレン−γ−ブチロラクトンから選ばれたポリマー、または、それらのポリマーのモノマーユニットを含む共重合体、あるいは、それらの1種以上を含むポリマー混合体であることが好ましい。バイオベースポリマーのモノマーユニットを含む共重合体は多数存在するが、たとえば、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリ乳酸−ポリ−ε−カプロラクトン共重合体、ポリ乳酸−ポリグリコール酸−ポリ−ε−カプロラクトン共重合体、ポリ乳酸−ポリ(ジオキセパノン)共重合体、ポリ乳酸−ポリ(エチレンオキザラート)共重合体、ポリ乳酸−ポリリンゴ酸共重合体、ポリ乳酸−ポリマンデル酸共重合体、ポリ−DL−乳酸共重合体、ポリ−α−メチレン−γ−ブチロラクトン−ポリ−α−アセトキシアクリル酸メチル共重合体などのバイオベースポリマーの共重合体などが挙げられ、一部ガラス転移点が低くなるモノマーあるいはポリマーを含んでも全体としてガラス転移点が35℃以上であれば用いることができる。ポリマー混合体も多数存在するが、たとえば、L−ポリ乳酸とD−ポリ乳酸の混合体(ステレオコンプレックスを含む)、L−ポリ乳酸とポリ−α−メチレン−γ−ブチロラクトンの混合体などが挙げられる。
バイオベースポリマーに光学異性体が存在する場合は、L体、D体、ラセミ体、メソ体、いずれでもよく、DL複合体であるステレオコンプレックスも用いることができる。また、バイオベースポリマーに、シリカ、酸化チタン、クレー、タルク、カーボンブラック、アルミナなどの無機粒子やオクタメチレンジカルボン酸ジベンゾイルヒドラジン、メラミン、N,N’,N’’−トリシクロヘキシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド、カルボジイミド、グリセリンモノステアレート、グリセリン、モノパルミテート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、グリセリンジアセトモノラウレートなどの有機物などを添加することができる。
バイオベースポリマーの分子量は、2,000〜1,000,000であることが好ましい。バイオベースポリマーの分子量が2,000未満であるとポリマーとしての強度を維持することが困難となる。バイオベースポリマーの分子量が1,000,000を超える場合、被覆することが困難となる。より好ましくバイオベースポリマーの分子量は、4,000〜800,000であり、さらに好ましくは4,500〜500,000である。
本発明に係る磁性キャリアのバイオベースポリマーの被覆量は、0.1〜3.0重量%である。バイオベースポリマーの被覆量が0.1重量%未満の場合、バイオベースポリマーの特性が発揮されない。バイオベースポリマーの被覆量が3.0重量%を超える場合、キャリア同士が結着し、磁性キャリアとしての性能を発揮できなくなる。好ましいバイオベースポリマーの被覆量は0.2〜2.5重量%であり、より好ましくは0.3〜2.2重量%であり、さらにより好ましくは0.5〜2.0重量%である。
本発明に係る磁性キャリアのかさ密度は、3.0g/cm以下が好ましく、より好ましくは1.5〜2.8g/cmである。
本発明に係る磁性キャリアの比重は、2.5〜5.2が好ましく、より好ましくは2.5〜4.8である。
本発明に係る磁性キャリアのBET比表面積は、0.05〜1.5m/gが好ましく、より好ましくは0.05〜1.2m/gである。
本発明に係る磁性キャリアの流動性は、20sec/50g以上が好ましい。
本発明に係る磁性キャリアの電気抵抗は、1×10〜1×1016Ωcmが好ましく、より好ましくは1.0×10〜1×1016Ωcmである。
本発明に係る磁性キャリアの飽和磁化値は、20〜80Am/kg(20〜80emu/g)が好ましく、より好ましくは40〜80Am/kg(40〜80emu/g)である。
本発明におけるキャリアコアとしては、バインダー型キャリア、フェライトキャリア、鉄粉キャリアを用いることができる。好ましくはバインダー型キャリア、フェライトキャリアである。
本発明におけるキャリアコアの平均粒径は10〜100μmが好ましい。キャリアコアの平均粒径が10μm未満の場合、流動性を発揮できなくなる。キャリアコアの平均粒径が100μmより大きい場合は、高画質を発揮できなくなる。好ましくは90μm以下であり、より好ましくは10〜70μmである。形状は球状、粒状、板状、針状などどんな形でも良いが、好ましくは球状、粒状である。
本発明においては、バイオベースポリマーに無機微粒子を添加することもできる。無機微粒子の添加量はバイオベースポリマーに対して100重量%未満である。100重量%以上になると、バイオベースポリマーの耐久性を著しく劣化させかねない。好ましくは80重量%未満であり、より好ましくは50重量%未満である。無機微粒子としては、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ta、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Zn、Al、Ga、Si、Geから選ばれた一種または二種以上の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩からなる化合物が好ましい。例えば、シリカなどの酸化ケイ素微粒子、ルチル、アナターゼなどの酸化チタン微粒子、アルミナ、ベーマイトなどのアルミニウム化合物微粒子、炭酸カルシウム微粒子、マグネシア、ハイドロタルサイトなどのマグネシウム化合物微粒子、酸化亜鉛微粒子、硫酸バリウム微粒子、ヘマタイト、マグネタイト、ゲーサイトなどの酸化鉄微粒子、ランプブラック、カーボンブラックなどの炭素系微粒子であり、好ましくは酸化ケイ素微粒子、酸化チタン微粒子、アルミニウム化合物微粒子、炭素系微粒子である。
次に、本発明に係る磁性キャリアの製造法について述べる。
本発明に係る磁性キャリアは、コート工程、キュア工程の各工程を順に経て得ることができる。必要により、キュア工程の後に、後処理工程を行っても良い。
本発明では、まず、キャリアコアと、溶媒に溶解あるいは分散したバイオベースポリマーを接触させ、キャリアコア表面にバイオベースポリマーをコートさせる(コート工程)。次に、加熱して、バイオベースポリマー中の溶媒を除去し、バイオベースポリマーをキャリアコア表面に定着させる(キュア工程)。必要に応じて、後処理として分級を行い、磁性キャリアを得る(後処理工程)。
コート工程は、キャリアコアと、溶媒に溶解あるいは分散したバイオベースポリマーを接触させ、キャリアコア表面にバイオベースポリマーを被覆させる工程である。
コートをおこなうのは乾式でも湿式でもよく、乾式の場合、混合攪拌機、万能攪拌機、ホイール形混練機、ブレード型混練機、ボール型混練機、ロール型混練機などを用いることができる。また、転動流動層コーティング装置なども使用できる。湿式の場合、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ビーズミル、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いることができる。
溶媒としては、バイオベースポリマーを溶解もしくは分散できるものが好ましい。具体的には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、trans−1,2−ジクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエチルエーテル、ジブロモメタン、ブロモホルム、四臭化炭素、ブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1−ジブロモエチレン、1,2−ジブロモエチルエーテル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、超臨界二酸化炭素、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
バイオベースポリマーとキャリアコアとの密着性を上げる、または、帯電量、電気抵抗などの性能を調整するために、コート工程の前にプレコートをおこなってもよい。プレ表面処理剤の量は0.05〜1.0重量%が好ましい。
プレコート剤としては、カップリング剤、無機微粒子、樹脂などが挙げられる。単独で用いても組み合わせて用いても良い。
カップリング剤としては、シラン系、チタン系などがあり、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン、スチリルトキメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロリキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの硫酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フルオロエチルトリエトキシシラン、などが挙げられる。チタン系カップリング剤としては、イソプロポキシチタン・トリイソステアレート、イソプロポキシチタン・ジメタクリレート・イソステアレート、イソプロポキシチタン・トリドデシルベンゼンスルホネート、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスフェート、イソプロポキシチタン・トリN−エチルアミノエチルアミナト、チタニウムビスジオクチルピロホスフェートオキシアセテート、ビスジオクチルホスフェートエチレンジオクチルホスファイト、ジn−ブトキシ・ビストリエタノールアミナトチタンなどが挙げられる。
無機微粒子としては、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Ta、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Zn、Al、Ga、Si、Geから選ばれた一種または二種以上の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩からなる化合物が好ましい。例えば、シリカなどの酸化ケイ素微粒子、ルチル、アナターゼなどの酸化チタン微粒子、アルミナ、ベーマイトなどのアルミニウム化合物微粒子、炭酸カルシウム微粒子、マグネシア、ハイドロタルサイトなどのマグネシウム化合物微粒子、酸化亜鉛微粒子、硫酸バリウム微粒子、ヘマタイト、マグネタイト、ゲーサイトなどの酸化鉄微粒子、ランプブラック、カーボンブラックなどの炭素系微粒子であり、好ましくは酸化ケイ素微粒子、酸化チタン微粒子、アルミニウム化合物微粒子、炭素系微粒子である。
樹脂としては、前述のバイオベースポリマーが挙げられる。さらには、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、またはそれら二種類以上が共重合されたものも好ましい。具体的には、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、4−メトキシスチレン、4−シアノスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、2−ビニルフェナントレン、スチレンマクロマーなどのスチレン系モノマーおよびその誘導体から選ばれたモノマーの重合体、または、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、イタコン酸、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、メタクリル酸メチルマクロマーなどのアクリル酸系モノマーおよびその誘導体から選ばれたモノマーの重合体、または、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレシ−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ジエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸共重合体などの二種類以上のそれらのモノマーから重合されるブロック共重合体、ランダム共重合体、あるいはグラフト共重合体などのスチレンアクリル樹脂や、ストレートメチルシリコーンレジン、メチルフェニルシリコーンレジン、エポキシ変性シリコーンレジン、アルキッド変性シリコーンレジン、ポリエステル変性シリコーンレジン、アクリル変性シリコーンレジンなど、側鎖型、片末端型、両末端型、側鎖両末端型の変性シリコーンオイルなどのシリコーン樹脂や、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、ダイマー酸などの二価カルボン酸、トリメリット酸、ピロリメット酸などの三価以上のカルボン酸などの多価カルボン酸と、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などの2価アルコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコールなどの多価アルコールのエステル結合による重合体、あるいはそれらのブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体などのポリエステル樹脂や、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、シリコーンポリオールなどのポリオールと、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどのイソシアネートのウレタン結合による重合体、あるいはそれらのブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体などのウレタン樹脂、あるいはスチレンアクリル樹脂−ポリエステル樹脂共重合体、スチレンアクリル樹脂−ウレタン樹脂共重合体などの樹脂間の共重合体などが挙げられる。
キュア工程はコートされたキャリアコアに温度をかけ、バイオベースポリマー中に溶媒を除き、バイオベースポリマーをキャリアコア表面に定着させる工程である。
キュアを行う際は、静置炉、回転炉などを用いることができる。また、コート工程で用いた万能攪拌機、ホイール形混練機、ブレード型混練機、ボール型混練機、ロール型混練機、転動流動層コーティング装置で直接熱を加えても良い。
後処理工程は、コート工程、キュア工程で発生した微粉や粗大粒子を除き、目的の粒径、粒径分布にするために分級をおこなう工程である。
次に、本発明に係る現像剤について述べる。
本発明に係る現像剤は、各種磁性トナー、非磁性トナーを混合し、現像剤とすることができる。
次に、本発明に係る現像剤の製造法について述べる。
本発明に係る現像剤は、磁性キャリアをそのまま用いることができる。さらに、各種磁性トナー、非磁性トナーを混合し、現像剤として用いる場合、ボールミル、ペイントコンディショナー、攪拌混合機、ターブラ・シェーカー・ミキサーなどを用いて調製できる。
<作用>
本発明に係る磁性キャリアは、キャリアコアにバイオベースポリマーが被覆された磁性キャリアである。バイオベースポリマーを使用しているため、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的である。また、これらのバイオベースポリマーはガラス転移点が高いため、室温で軟化することがなく、該磁性キャリア、磁性キャリアを用いた現像剤は、流動性、耐久性に優れており、高画質の画質を現像でき、耐久性が高い。
本発明に係る現像剤は、前述したとおりの特性を有する磁性キャリアからなるので、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的である。また、高画質の画像を現像でき、耐久性が高い。
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。尚、文中「部」および「%」とあるのは質量による基準とする。また、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
赤外吸収スペクトルは、島津フーリエ変換赤外分光光度計FTIR−8700による測定データである。
磁性微粒子および磁性キャリアの平均粒径は、堀場製レーザー回折式粒度分布計LA−750による体積基準によるデータである。
BET比表面積は、ユアサアイオニクス製モノソーブMS−21によるデータである。
ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、日立高速液体クロマトグラフLaChrom Elite、東ソー製SECカラムTSKgelMultiporeHXL−MによるGPC法によって測定されたデータである。
飽和磁化は、東英工業製振動試料型磁力計VSM−3S−15、外部磁場795.8kA/m(10kOe)の測定値である。
真比重はマイクロメリティクス製マルチボリウム密度計で測定された値である。嵩密度はJIS K 5101に記載の方法に従った。
電気抵抗値(体積固有抵抗値)は、横河ヒューレットパッカード製ハイレジスタンスメーター4329Aで測定された値である。
ガラス転移点はセイコーインスツルメンツ製示差走査熱量計DSC6200を用いて測定した。
環境負荷低減は、環境負荷の低い材料を用いている場合は○、石油由来ポリマーなどの環境負荷のある材料を用いている場合は×とした。
人体への安全性は、人体に対して安全なポリマーを用いている場合は○、人体に対して安全でないポリマーを用いている場合は×とした。
流動性は、JIS Z 2502に記載の方法に従い、流動率を測定し、20(sec/50g)以上のものを○、20(sec/50g)未満のものを×とした。
耐久性は、磁性キャリアをシンマルエンタープライゼス製ターブラ・シェーカー・ミキサーT2Fに入れ、101rpmで2時間振とうし、振とう前後での磁性キャリアの表面を日立製走査型電子顕微鏡S−4800で観察し、表面での結着、変形、剥がれなどの劣化が見られる場合は×、変化の無いものを○とした。
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂 100重量部
銅フタロシアニン 5重量部
帯電制御剤(4級アンモニウム塩) 4重量部
低分子ポリオレフィン 3重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにて、十分予備混合を行い、二軸押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粉砕、分級して重量平均粒径7μmの正帯電性青色粉体を得た。
上記正帯電青色粉体100重量部と疎水性シリカ1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、正帯電シアントナーaを得た。
(トナー製造例2)
ポリエステル樹脂 100重量部
銅フタロシアニン 5重量部
帯電制御剤(ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛化合物) 3重量部
ワックス 9重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにて、十分予備混合を行い、二軸押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粉砕、分級して重量平均粒径7μmの負帯電性青色粉体を得た。
上記負帯電青色粉体100重量部と疎水性シリカ1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、負帯電シアントナーbを得た。
(キャリアコア製造例1:バインダー型キャリアコア)
球状マグネタイト微粒子(平均粒径230nm)100重量部をフラスコにいれ、窒素置換を行い、十分攪拌した後、ステアリン酸1.5重量部を添加し、80℃まで昇温し、窒素雰囲気下で30分よく攪拌することにより、ステアリル基で被覆された疎水性磁性微粒子1を得た。この疎水性磁性微粒子1、10重量部、L−ポリ乳酸(Mw=86,000)2重量部、1,2−ジクロロエタン、38重量部を混合し、超音波ホモジナイザーを用いて十分分散した。この分散液を、1000重量部の水中に投入し、ホモミキサーにて4,000rpmで懸濁することによって、液滴懸濁液を得た。この懸濁液に窒素ガスをバブリングしながら、攪拌翼で攪拌し、90℃に加温することで、液滴中の1,2−ジクロロエタンを蒸散させた。このスラリーを水洗して真空乾燥し、電磁ふるいを用いて分級し、キャリアコア1(バインダー型キャリアコア)を得た。平均粒径は34μmであった。
(キャリアコア製造例2:バインダー型キャリアコア)
ホモミキサーでの懸濁回転数を4,000rpmから2,500rpmに変更する以外はキャリアコア製造例1と同様にして、キャリアコア2(バインダー型キャリアコア)を得た。平均粒径は75μmであった。
(キャリアコア製造例3:フェライトキャリアコア)
MnO 39.7モル%
MgO 9.9モル%
Fe 49.6モル%
SrO 0.8モル%
上記材料を配合し、水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕、混合・乾燥した。その後、950℃で4時間加熱し、湿式ボールミルで24時間粉砕を行った後、造粒・乾燥した。この粉体を、酸素濃度2%雰囲気の中で1270℃で6時間加熱、解砕・分級して、キャリアコア3(フェライトキャリアコア)を得た。平均粒径は51μmであった。
(キャリアコア製造例4:フェライトキャリアコア)
粉砕・分級条件を変更した以外はキャリアコア製造例3と同様にして、キャリアコア4(フェライトキャリアコア)を得た。平均粒径は108μmであった。
[実施例1](エチルセルロースを用いた磁性キャリア)
<コート工程>
エチルセルロース(Mw=100,000) 1重量部
エタノール 49重量部
上記材料を攪拌、溶解させ、エチルセルロース溶液1を得た。この後、キャリアコア1、100重量部を万能攪拌機に入れ、エチルセルロース溶液1を投入、60℃にて2時間攪拌した。
<キュア工程>
コート工程で得られた粉体を回転炉に入れ、窒素雰囲気下、80℃で2時間乾燥した。
<後処理工程>
得られた粉体を25μm、100μmの目開きのふるいを用いて、微粉、粗大粒子を除いて、本発明における磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアの平均粒径は36μmであり、嵩密度1.9g/cm、比重3.2g/cm、飽和磁化70Am/kgであった。電気抵抗値3.8×1012Ωcm、BET比表面積0.3g/mであった。
得られた磁性キャリアの組成分析を下記のとおり行った。磁性キャリア、1.000重量部を採取し、エタノールを用いてソックスレー抽出を行い、溶解成分をエタノールに抽出した。残った不溶成分は0.990重量部であった。また、粒径は35μmであった。
次にエタノール抽出液に純水を加えたところ、白色沈殿が発生した。この白色沈殿を乾燥し、秤量したところ、0.010重量部であった。この白色沈殿の赤外吸収スペクトルを測定したところ、エチルセルロースであることが同定された。この重量平均分子量を測定したところ、100,000であった。バイオベースポリマー(エチルセルロース)の含有量は1.0重量%であった。
[実施例2]〜[実施例12]
キャリアコアの種類、量、バイオベースポリマーの種類、量、溶媒の種類、量を変化させた以外は、実施例1と同一の操作で磁性キャリアを得た。
[比較例1](石油由来ポリマーを用いた場合)
エチルセルロースの代わりにスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(重量平均分子量80,000)を用いた以外は実施例1と同様にして磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアの平均粒径は37μmであった。しかしながら、石油由来のポリマーを用いているため、環境負荷には配慮されておらず、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減に効果は薄い。
[比較例2](磁性キャリアの粒径が大きい場合)
キャリアコア1をキャリアコア4に変更にした以外は実施例1と同様にして磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアの平均粒径は110μmであった。この粒径では、画像鮮明性、画像耐久性が得られず、電子写真現像用としては向かないものであった。
[比較例3](バイオベースポリマーの量が多い場合)
エチルセルロースの量を1重量部から3.5重量部に変更した以外は実施例1と同様にして磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアの平均粒径は38μmであった。このポリマー量では磁性キャリアが完全な絶縁体になってしまい、印刷機で印刷することが出来なかった。
得られた磁性キャリアの製造条件を表1に、諸特性を表2に示す。
Figure 0005195716
Figure 0005195716
表1、2に示すとおり、本発明に係る磁性キャリアは、諸特性に優れることは必至である。また、バイオベースポリマーを使用しているため、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的である。さらに、耐久性が高いことは明らかである。
[現像剤]
下記配合割合で磁性キャリアとトナーを配合し、ヤマト製ユニバーサルボールミルUB−32にて混合し、現像剤を得た。
磁性キャリア 92重量部
トナー 8重量部
<帯電特性>
トナーの帯電量は、現像剤をシンマルエンタープライゼス製ターブラ・シェーカー・ミキサーT2Fにて振とうし、帯電量を、京セラケミカル製ブローオフ帯電量測定装置TB−200を用いて測定した。この初期の帯電量の値と2時間振とう後の帯電量の値との差を初期の帯電量の値で割った値に100を乗じて百分率とした値で表示した。
<印刷特性>
さらに、現像剤を用いて、京セラミタ製LS−C5016Nにて文字、ベタ塗りによる印刷テストを行った。画像鮮明性として、最初の1枚目の画質が美しいものを○、1枚目から文字のかすれがあるが、ベタ部分のムラはないものを△、1枚目から文字のかすれやベタ部分のムラがあるものを×とした。また、画像耐久性として1000枚劣化無く印刷できたものを○、500枚劣化無く印刷できたものを△、500枚未満で劣化したものを×とした。結果を表3に示す。
Figure 0005195716
表3に示すとおり、本発明に係る現像剤は、帯電特性、印刷特性が高いことは明らかである。また、バイオベースポリマーを使用しているため、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的であることは明らかである。
本発明に係る磁性キャリアは、少なくとも、バイオベースポリマーが被覆された磁性キャリアであって、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的で、耐久性が高く、高画質の画像を現像できるので、磁性キャリア、現像剤用に好適である。
本発明に係る現像剤は、前述したとおりの特性を有する磁性キャリアからなるので、地下資源の確保、地球温暖化防止といった環境負荷の低減にも効果的で、耐久性が高く、高画質の画像を現像できるので、現像剤に好適である。

Claims (4)

  1. キャリアコアにバイオベースポリマーが被覆された磁性キャリアであって、該磁性キャリアの平均粒径が10〜100μmであり、バイオベースポリマーの被覆量が0.1〜3.0重量%であり、前記バイオベースポリマーがポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリテレフタル酸トリメチレン、ポリ−α−メチレン−γ−ブチロラクトンから選ばれたバイオベースポリマー、または、それらのポリマーのモノマーユニットを含む共重合体、あるいは、それらの1種以上を含むポリマー混合体であり、バイオベースポリマーのガラス転移点が45℃以上であることを特徴とする磁性キャリア。
  2. バイオベースポリマーの分子量が2,000〜1,000,000であることを特徴とする請求項1記載の磁性キャリア。
  3. キャリアコアがバインダー型キャリア、フェライトキャリア、または鉄粉キャリアであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の磁性キャリアを含むことを特徴とする現像剤。
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