JP5194437B2 - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、たとえば電界効果トランジスタ等のダイヤモンドを用いた半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
ダイヤモンドは、ブレークダウン電界、熱伝導度、飽和速度およびキャリア移動度などが高いため、ダイヤモンドを用いた半導体は、ハイパワー、高周波および高集積におけるデバイスの性能指標が、他の半導体と比べて著しく高い。そのため、これらの特性を活かしたダイヤモンド電子デバイスは、ハイパワー素子および高周波素子等への応用が期待されている。
ダイヤモンドを用いた電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)としては、たとえば硼素をドープしたp型ダイヤモンド薄膜層をチャネル層としたものが挙げられる。このような電界効果トランジスタとして、特開平3−94429号公報(特許文献1)には、チャネル層の上にショットキー接合、オーミック接合を形成するゲート電極およびソース電極を形成した金属−半導体接合型(MES型)電界効果トランジスタが開示されている。また、特開平1−158774号公報(特許文献2)には、パルスドープを用いた2次元的な空間分布を形成したMIS型電界効果トランジスタが開示されている。また、特開平8−88236号公報(特許文献3)には、ゲート電極と動作層である活性層との間に絶縁層であるキャップ層を挿入した絶縁ゲート型(MIS型)の電界効果トランジスタが開示されている。
また、不純物導入によるキャリアではなく、表面に形成される水素終端表面のp型電気伝導層の高いキャリア密度とp型電気伝導層の低い表面準位密度とを用いたエンハンスまたはデプレッション型のFETがある。たとえば特開平8−88235号公報(特許文献4)には、エンハンスモードで動作する水素終端ホモエピタキシャルダイヤモンドを用いたFETが開示されている。また特開2003−188191号公報(特許文献5)には、水素終端ダイヤモンドデプレッション型MESFETが開示されている。
上記特許文献1〜5に開示のダイヤモンド電子デバイスは、通常ダイヤモンド単結晶基板の上にエピタキシャル成長、電極形成、酸化膜形成、エッチング等のプロセスを経て作製される。しかしながら、上記特許文献1〜5に開示のダイヤモンドを用いた電子デバイスでは、デバイスを作製する際に用いるダイヤモンド基板の表面の研磨不良による傷や凹凸等の影響を受けやすく、個々のダイヤモンド基板に依存してしまう。そのため、ダイヤモンドを用いた電子デバイスの特性に大きな差が出るという問題があった。特性に大きな差が出ると歩留まりが悪くなり、実用化は困難であるという問題がある。
また、特開平5−24989号公報(特許文献6)には、平坦な表面形状を有するダイヤモンドをエピタキシャル成長させる気相合成法を提供することを目的としたダイヤモンドの合成方法が開示されている。しかしながら、特許文献6に開示のダイヤモンド合成方法では、結晶性および表面平滑性に優れた単結晶ダイヤモンドを合成することができるが、当該ダイヤモンドを用いた電子デバイスへの応用については開示がされていない。そのため、実用化は困難であるという問題がある。
特開平3−94429号公報 特開平1−158774号公報 特開平8−88236号公報 特開平8−88235号公報 特開2003−188191号公報 特開平5−24989号公報
それゆえ本発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能とする半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の半導体装置は、ダイヤモンド単結晶からなる基板と、基板上に形成され、ダイヤモンド単結晶からなる半導体膜を備えている。半導体膜の表面は、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜していることを特徴としている。半導体膜の表面上には、直線状にステップが形成されている。半導体膜は、半導体膜のオフ方位と垂直な面内に、ステップに平行なチャネルを有している。
本発明の半導体装置によれば、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜しているため、半導体膜の表面は大きなステップが形成されるので原子レベルで平坦にできるとともに、ステップの間隔が短くなりすぎないので安定にできる。また、<110>方向から±15度の範囲内にある方向としているので、ステップが直線上に並びやすくなる。そのため、表面の凹凸により生じる散乱を減少できるので、キャリアの移動度が向上する。よって、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能とする。また、本発明の半導体装置によれば、原子レベルで平坦な半導体膜の表面に形成されたステップに平行なチャネルを形成できる。そのため、絶縁膜を形成した場合の界面準位密度は、多数のステップを横切る方向にチャネルを形成した従来の半導体装置の界面準位密度よりも低減できる。よって、界面準位密度に制限されるチャネルのキャリアの移動度を向上できる。
上記半導体装置において好ましくは、半導体膜は、不純物をドーピングされたn型またはp型のエピタキシャル膜であることを特徴としている。これにより、キャリアがp型およびn型のいずれであっても、キャリアの移動度を向上できる。
上記半導体装置において好ましくは、半導体膜は、アンドープダイヤモンドからなり、チャネルは、水素終端表面近傍に形成されることを特徴としている。
表面に形成される水素終端表面のp型電気伝導層を用いることによって、不純物をドーピングしない場合であってもp型のキャリアを有する半導体装置にできる。
上記半導体装置において好ましくは、半導体膜の表面は、シングルドメインの2×1構造が形成されていることを特徴としている。
これにより、ステップの形状が直線的となるためキャリアの散乱が起こりにくくなる。
上記半導体装置において好ましくは、半導体膜の表面は、10原子層以上のマクロなステップが形成されていることを特徴としている。
これにより、半導体膜の表面をより平坦にできる。そのため、キャリアの移動度をより向上できる。
本発明の半導体装置の製造方法は、上記半導体装置の製造方法であって、ダイヤモンド単結晶からなる基板を準備する工程と、基板上に窒素原子を含むガスを供給して半導体膜をホモエピタキシャル気相成長させる工程とを備えている。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、表面に大きなステップが形成されて原子レベルで平坦な半導体膜を備える半導体装置を製造できる。そのため、表面の凹凸により生じる散乱を減少してキャリアの移動度を向上する。よって、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能とする半導体装置を製造できる。
上記半導体装置の製造方法において好ましくは、ホモエピタキシャル成長させる工程により得られた半導体膜に、半導体膜のオフ方向と垂直の方向にチャネルを形成する工程をさらに備えている。
これにより、原子レベルで平坦な半導体膜の表面に形成されたステップに平行なチャネルを形成できる。そのため、絶縁膜を形成した場合の界面準位密度は、多数のステップを横切る方向にチャネルを形成した従来の半導体装置の界面準位密度よりも低減できる。よって、界面準位密度に制限されるチャネルのキャリアの移動度を向上できる半導体装置を製造できる。
本発明の半導体装置によれば、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能にできる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。また、本明細書中においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
図1は、本発明の実施の形態における半導体装置を示す概略上面図である。図2は、図1における線分II−IIに沿う概略断面図である。図3は、本発明の実施の形態における半導体装置の活性層の表面の結晶方位を示す模式図である。図4は、本発明の実施の形態における半導体装置の活性層の表面の結晶方位を説明するための図である。図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態における半導体装置を説明する。図1および図2に示すように、実施の形態における半導体装置(FET10)は、ダイヤモンド単結晶からなる半導体膜(活性層13)を備え、半導体膜(活性層13)の表面13aは、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜している。
詳細には、図2に示すように、FET10は、基板11と、バッファ層12と、活性層13と、キャップ層14と、ゲート電極15と、ソース電極16と、ドレイン電極17とを備えている。
基板11は、ダイヤモンドの単結晶からなる。バッファ層12は、基板11上に形成され、ダイヤモンドの単結晶からなる。活性層13は、バッファ層12上に形成され、たとえばp型のダイヤモンドからなる。キャップ層14は、活性層13上に形成され、アンドープのダイヤモンドからなる。
なお、活性層13は、p型に限られず、n型であってもよいし、不純物を導入しないアンドープダイヤモンドであって表面13aに形成される水素終端表面のp型電気伝導層を用いてもよい。p型の半導体を形成させるドーパントとしては、たとえば硼素(B)が挙げられる。n型のドーパントとしては、たとえば燐(P)や硫黄(S)が挙げられる。
ゲート電極15は、キャップ層14上に形成され、たとえばアルミニウム(Al)からなる。ソース電極16およびドレイン電極17は、キャップ層14上にゲート電極を挟んで形成され、たとえばチタン(Ti)からなる。
活性層13におけるソース電極16とドレイン電極17に挟まれた領域は、FET10のチャネル18となる。
次に、FET10の活性層13の表面13aについて説明する。図3に示すように、実施の形態における表面13aは、(001)面内において、[110]方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜している。
表面13aは、図4(A)に示すように、(001)面に対して2度以上10度以下、好ましくは3度以上7度以下、より好ましくは3.5度以上5度以下傾斜している。通常のダイヤモンド表面は完全に平坦ではなく、多少のうねりをもった表面であるため、傾斜角度が2度よりも小さいと、傾斜のない表面と同様の表面となる。3度以上とすることによって、凹凸のある表面であっても、再現性よく一方向のステップからなる表面が得られるため、電子の移動度を向上できる。3.5度以上とすることによって、ステップがより多くなり、基板全面わたって確実な一方向のステップからなる表面を形成できる。一方、傾斜角度が10度よりも大きいと、ステップの間隔が短くなりすぎて、他の結晶面が現れ、表面形状が不安定になってしまう。7度以下とすることによって、ステップの間隔が短くなりすぎないので、他の結晶面が現れず、表面形状が安定する。5度以下とすることによって、表面形状がより安定する。
実施の形態では、(001)面に対して2度以上10度以下傾斜しているが、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜していれば特に限定されない。表面13aは、良好なエピタキシャル成長の条件が知られている{001}面から傾斜している。なお、{001}面とは、(001)面、(010)面、(100)面、(00−1)面、(0−10)面および(−100)面を意味する。
また、実施の形態における表面13aは、図4(B)に示すように、[110]方向から±15度の範囲内にある方向であり、好ましくは、±7度の範囲内の方向であり、より好ましくは±3度の範囲内の方向である。[110]方向に傾斜させることによって、ダイヤモンドの{001}面上のステップは、<110>方向と<−1−10>方向に平行に伸びているため、ステプを直線状に並べることができる。表面13aが[110]方向から±15度の範囲を超える方向とすると、ステップがギザギザした形状となり、半導体装置を形成するとキャリアがステップエッジでの散乱を強く受けてしまい、キャリアの移動度が悪化してしまう。±7度の範囲内の方向とすることによって、ステップの形状が滑らかになり、素子を形成する際にキャリアがステップエッジでの散乱を受けにくくなり、キャリアの移動度を向上できる。±3度の範囲内の方向とすることによって、キャリアの移動度をより向上できる。
なお、実施の形態では、[110]方向から±15度の範囲内にある方向としているが、<110>方向から±15度の範囲内にある方向であれば特に限定されない。<110>方向とは、[110]方向、[1−10]方向、[−110]方向および[−1−10]方向を意味する。
表面13aは、シングルドメインの2×1構造が形成されていることが好ましい。2×1構造であることは、低エネルギー電子回折(low-energy electron diffraction:LEED)や反射高速電子回折(reflection high-energy electron diffraction:RHEED)などの電子回折またはトンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy:STM)などにより確認できる。通常、ダイヤモンド(001)表面は、CVD成長後、2×1と1×2の2つのドメインが形成されているが、一方のドメインだけからなるシングルドメインの表面とすることで、ステップ形状がジグザグではなく、直線的な形状となる。
また、表面13aは、10原子層以上、好ましくは50原子層以上1000原子層以下のマクロなステップが形成されていることが好ましい。通常、半導体膜である活性層13にオフがあると、オフ方位に向かって1〜数原子層のステップが見られるが、表面13aを上記方位にすることによって、階段状のステップが集合するステップバンチングにより10原子層以上数100原子層のマクロなステップを形成できる。10原子層以上とすることによって、表面13aにより広いテラスを形成でき、キャリアの移動度をより向上できる。50原子層以上とすることによって、表面13aをより一層平坦にできる。一方、1000原子層以下とすることによって、ステップ斜面から非単結晶成分の発生を抑制できる。
次に、FET10の動作について説明する。FETは、ゲート電極15に印加される電圧によってチャネル18に電子を蓄積し、これによってソース電極16とドレイン電極17との間に電流が流れるようになる。このとき、チャネル18は、表面13aのステップ間の平坦な部分となる。そのため、キャリアはステップを横切ることがないので、ステップによる界面準位密度の高い領域および散乱の多い領域を通過しない。よって、キャリアの移動度が制限されず、チャネル18全体の抵抗も増加しない。
実施の形態では、ソース電極16およびドレイン電極17の間の電流は、活性層13のオフ方向と垂直な面内に有しているチャネル18を流れる。そのため、オフ方向と垂直な方向に形成されるステップの延びる方向は、キャリアの移動方向と平行となる。そのため、キャリアの移動度がより高くなる。
次に、実施の形態におけるFET10の製造方法について説明する。まず、ダイヤモンド単結晶からなる基板11を準備する工程を実施する。
この工程では、基板11の表面を、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜するように研磨する。
次に、基板11上にエピタキシャル成長させる工程を実施する。この工程では、たとえばプラズマCVD(chemical vapor deposition)装置に、メタン(CH4)および水素(H2)を供給して行なう。これにより、高抵抗ダイヤモンドからなるバッファ層12を形成する。また、バッファ層12の表面は、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜している。
次に、バッファ層12上に硼素原子を含むガスを供給してホモエピタキシャルさせる工程を実施する。この工程では、たとえばプラズマCVD装置に、メタン、水素およびジボラン(B)を供給して行なう。これにより、活性層13を形成する。活性層13の表面13aは、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜している。なお、硼素は、ドーパントとして用いるためにプラズマCVD装置に供給されている。そのため、活性層13は、p型となる。
そして、ホモエピタキシャル成長させる工程により得られた半導体膜である活性層13に、活性層13の表面13aのオフ方向と垂直の方向にチャネル18を形成する工程を実施する。
次に、活性層13上にホモエピタキシャル成長させる工程を実施する。この工程では、たとえばプラズマCVD装置に、メタンおよび水素を供給して行なう。これにより、高抵抗ダイヤモンドからなるキャップ層14を形成する。
次に、バッファ層12、活性層13およびキャップ層14を順次積層した基板11を所定の大きさのチップとして分割する工程を実施する。具体的には、バッファ層12、活性層13およびキャップ層14を順次積層した基板11をプラズマCVD装置の内部から取り出して、通常のフォトリソグラフィーに基づいてバッファ層12上に所定のパターンのエッチングマスク層を形成する。このように加工された基板11をRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)装置内に移動させる。そして、内部にアルゴン(Ar)などのエッチングガスを導入してエッチングを行なう。なお、この工程は省略されてもよい。
次に、キャップ層14上にゲート電極15を形成する工程を実施する。具体的には、RIE装置から取り出して、エッチングマスク層を除去する。このように加工されたチップを通常の電子ビーム蒸着装置内に移動させる。そして、高真空状態で蒸着物質に電子ビームを照射して加熱する。これにより、キャップ層14上に蒸発したAlなどの蒸着物質を付着させてゲート電極15を形成する。そして、このチップを電子ビーム蒸着装置から取り出して、通常のフォトリソグラフィーに基づいてゲート電極15上に所定のパターンのセミコクリンなどからなるエッチングマスク層を形成する。そして、通常のウエットエッチングに基づいてゲート電極15を所定のパターンに成形する。
次に、ソース電極16およびドレイン電極17を形成する工程を実施する。具体的には、上記チップからエッチングマスク層を除去して、通常の抵抗加熱蒸着装置内に移動させる。そして、高真空状態にしてヒータの稼動に基づいて蒸着物質を加熱する。これにより、キャップ層14上に蒸着したTiなどの蒸着物質を付着させて、ソース電極16およびドレイン電極17を形成する。このチップを抵抗過熱蒸着装置から取り出した後に、通常のフォトリソグラフィーに基づいてソース電極16およびドレイン電極17を上に所定パターンのバッファードフッ酸などからなるエッチングマスク層を形成し、通常のウエットエッチングに基づいてソース電極16およびドレイン電極17を所定パターンに成形する。そして、エッチングマスク層を除去する。
以上の工程を実施することにより、本発明の実施の形態におけるFET10を製造することができる。なお、実施の形態では、半導体膜を活性層13としたが、特にこれに限定されない。また、半導体装置としてFETを例にして説明したが、FETに特に限定されない。
以上説明したように、本発明の実施の形態における半導体装置によれば、ダイヤモンド単結晶からなる半導体膜(活性層13)を備え、活性層13の表面13aは、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜していることを特徴としている。ダイヤモンド単結晶からなるため、表面13aは、結晶性に優れたダイヤモンドからなる。また、結晶方位を特定することにより、表面13aは大きなステップが形成され、原子レベルで平坦にできる。そのため、表面13aにおいて凹凸により生じる散乱を減少できるので、キャリアの移動度が向上する。よって、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能とする。
上記FET10において好ましくは、活性層13は、活性層13のオフ方向と垂直な面内にチャネル18を有していることを特徴としている。これにより、原子レベルで平坦な活性層13の表面13aに形成されたステップに平行なチャネル18を形成できる。そのため、絶縁膜を形成した場合の界面準位密度は、多数のステップを横切る方向にチャネルを形成した従来の半導体装置の界面準位密度によりも低減できる。よって、界面準位密度に制限されるチャネル18のキャリアの移動度を向上できる。
上記FET10において好ましくは、活性層13は、不純物をドーピングされたn型またはp型のエピタキシャル膜であることを特徴としている。これにより、キャリアがp型およびn型のいずれであっても、キャリアの移動度を向上できる。
上記FET10において好ましくは、活性層13は、アンドープダイヤモンドからなり、チャネル18は、水素終端表面近傍に形成されることを特徴としている。表面13aに形成される水素終端表面のp型電気伝導層を用いることによって、不純物をドーピングしない場合であってもp型のキャリアを有する半導体装置にできる。
上記FET10において好ましくは、活性層13の表面13aは、シングルドメインの2×1構造が形成されていることを特徴としている。これにより、表面の形状がより直線状となる。
上記FET10において好ましくは、活性層13の表面13aは、10原子層以上のマクロなステップが形成されていることを特徴としている。これにより、活性層13の表面13aをより平坦にできる。そのため、キャリアの移動度をより向上できる。
本発明のFET10の製造方法は、ダイヤモンド単結晶からなる基板11を準備する工程と、基板11上に窒素原子を含むガスを供給してホモエピタキシャル成長させる工程とを備えている。これにより、ホモエピタキシャル成長させる工程後の半導体膜である活性層13の表面13aを、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜させることができる。そのため、表面13aに大きなステップが形成されて原子レベルで平坦な活性層13を備えるFET10を製造できるので、表面13aの凹凸により生じる散乱を減少してキャリアの移動度を向上する。よって、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能とするFET10を製造できる。
上記FET10の製造方法において好ましくは、ホモエピタキシャル成長させる工程により得られた活性層13に、活性層13のオフ方向と垂直の方向にチャネル18を形成する工程をさらに備えている。これにより、原子レベルで平坦な活性層13の表面13aに形成されたステップに平行なチャネル18を形成できる。そのため、絶縁膜を形成した場合の界面準位密度は、多数のステップを横切る方向にチャネルを形成した従来の半導体装置の界面準位密度よりも低減できる。よって、界面準位密度に制限されるチャネル18のキャリアの移動度を向上できるFET10を製造できる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の半導体装置(FET)は、実施の形態1における半導体装置の製造方法にしたがって製造した。具体的には、まず、高圧合成法により得られた4mm四方のダイヤモンド単結晶からなる基板を準備した。そして、基板の表面の法線方向が<001>方向から<110>方向に5度ずれた方位となるように研磨した。すなわち、{001}面内において、<110>方向から、{001}面に対して5度傾斜するように研磨した。そして、当該基板上に、0.2μmのバッファ層、0.04μmの活性層および0.05μmのキャップ層の順に、メタン−水素系のマイクロ波プラズマCVD法によりエピタキシャル成長を行なった。
なお、プラズマCVD法の条件は、圧力を40Torr、基板温度を880度、マイクロ波パワーを400Wとして行なった。また、バッファ層およびキャップ層の導入ガスは、3sccmのメタンおよび500sccmの水素とした。また、活性層の導入ガスは、3sccmのメタン、500sccmの水素および硼素(B)をドープするために10000ppmのB仕込量(導入ガス中のB原子数のC原子数に対しての比率)となるようなジボラン(B26)とした。
そして、成長後の活性層の表面をノルマルスキー型顕微鏡を用いて観察した。その結果、2次的な粒成長の密度は1個/mm2以下であり、平坦であることが確認できた。
また、当該表面をLEEDで観察したところ、シングルドメインの2×1構造が1方向に形成されていることが確認できた。なお、シングルドメインの2×1構造がLEEDで確認できることは、たとえばApplied Physics Letter.Appl.Phys.Lett.64,572(1994)などに示されている。
また、当該表面を走査トンネル顕微鏡(STM)およびRHEED(反射高速電子線回折:Reflection High Energy Electron Diffraction)を用いて観察したところ、1つの方位に揃ったシングルドメインの2×1構造が確認できた。
また、当該表面は原子状水素を含む雰囲気で処理を経たので、当該表面は水素終端された表面であることが推定される。
次に、得られた基板、バッファ層、活性層およびキャップ層が積層されたチップの上に、フォトリソグラフィーを用いて、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を形成した。ゲート電極は、材質をアルミニウム、厚みを150nm、ゲート長を5μm、ゲート幅を40μmとした。ソース電極は、材質をチタン、厚みを120nmとした。ドレイン電極は、材質をチタン、厚みを100nmとした。また、チャネル方向を[100]として、FET素子を基板上に0.2mm間隔で正方格子状に100個形成した。そして、それぞれをフォトリソグラフィーおよび反応性イオンエッチングを用いて、表面から0.35μmの溝を彫り込むことにより分割した。なお、エッチングの際の導入ガスは、アルゴンと酸素(O)とし、酸素のアルゴンに対する体積比は1%とした。
(実施例2)
実施例2では、基本的には実施例1と同様にしてFETを製造したが、チャネル方向をオフに垂直な方向である[110]方向とした点においてのみ異なる。
(比較例1)
比較例1では、基本的には実施例1と同様にしてFETを製造したが、基板の表面を(001)面から±0.5度以内とした点においてのみ異なる。具体的には、基板の表面を、{001}面内において、<110>方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜するように研磨した。そして、実施例1と同様にして基板上にバッファ層、活性層およびキャップ層を形成した。なお、活性層の表面は基板の表面と同方向の傾斜を有していた。
(測定方法)
実施例1、2および比較例1のFETについて、ゲート電圧を−2V、ソース−ドレイン電圧を±50Vとしたときの整流比を100素子について測定した。
(測定結果)
100素子のうち、300倍以上の整流比が得られた素子数は、実施例1では92素子、実施例2では98素子、比較例1では59素子であった。そのため、実施例1,2は、比較例1と比較してデバイス特性の歩留まりを向上できることがわかった。
以上説明したように、実施例1によれば、半導体膜である活性層の表面は、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜しているため、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能とする半導体装置となることが確認できた。
また、実施例2によれば、半導体膜である活性層のオフ方向と垂直な面内にチャネルを有しているため、デバイス特性の歩留まりを実施例1よりもさらに向上して、実用化を可能とする半導体装置となることが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、まず、表面が{001}面内において、<110>方向から±2度の範囲内にある方向から、{001}面に対して3±1度傾斜しており、5mm×3mmの基板を準備した。そして、基板上に窒素を添加したガスを供給して、マイクロ波プラズマCVD法によりエピタキシャル成長を行なった。導入ガスを2.5sccmのメタン、500sccmの水素および2.5sccmの水素中に1%希釈した窒素、圧力を60Torr、基板の温度を870度で、30分間成膜を行なった。成膜した膜厚は0.5μmと推定される。
そして、当該表面を走査トンネル顕微鏡を用いて観察した。その結果、50nm〜100nmの間隔で、2〜3nmの高さのステップが平行に形成されていた。また、テラス領域は、原子レベルの平坦さであった。また、単原子ステップまたは2原子ステップなどのステップのほか、単原子層および2原子層のアイランドも多数あった。
そして、当該表面上に、導入ガスを2.5sccmのメタンと500sccmの水素、圧力を60Torr、基板温度を870度で、30分間成膜を行なった。これにより、半導体膜を形成した。
そして、当該表面を走査トンネル顕微鏡を用いて観察した。その結果、マクロなステップははほぼ維持でき、テラス上の単原子層および2原子層のアイランドはほとんど観察できなかった。
また、当該表面は原子状水素を含む雰囲気で処理を経たので、当該表面は水素終端された表面であることが推定される。
そして、半導体膜の表面上にスパッタ法により酸化ケイ素膜を形成し、これをマスクとして、酸素プラズマ処理を行なった。なお、図1において、点線で示した内側は、酸素プラズマ処理中にマスクで覆っていたので、水素終端表面を維持した。その後に、酸化ケイ素膜をフッ酸(HF)処理により除去し、リソグラフィー技術を用いてソース電極、ドレイン電極およびゲート電極を形成した。具体的には、ソース電極およびドレイン電極の材質を白金(Pt)とした。ゲート電極は、材質をニッケル(Ni)、ゲート長を5μm、ゲート幅を60μmとした。また、チャネル方向は、ステップに垂直と(半導体膜のオフ方向と垂直な面内にチャネルを有する)なるように、半導体膜に0.1μmの間隔で100個形成した。
そして、100個全てについて、ゲート−ソース電圧を0Vおよび0.4Vとして、ドレイン−ソース間のVI特性(Vds−Ids)を測定した。その結果、100個全てについて、明確な飽和特性を有するデプレッション型の動作を確認できた。
以上説明したように、実施例3によれば、半導体膜の表面は、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、{001}面に対して2度以上10度以下傾斜しているので、デバイス特性の歩留まりを向上して、実用化を可能とする半導体装置となることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態における半導体装置を示す概略上面図である。 図1における線分II−IIに沿う概略断面図である。 本発明の実施の形態における半導体装置の活性層の表面の結晶方位を示す模式図である。 本発明の実施の形態における半導体装置の活性層の表面の結晶方位を説明するための図である。
符号の説明
10 FET、11 基板、12 バッファ層、13 活性層、13a 表面、14 キャップ層、15 ゲート電極、16 ソース電極、17 ドレイン電極、18 チャネル。

Claims (7)

  1. ダイヤモンド単結晶からなる基板と、
    前記基板上に形成され、ダイヤモンド単結晶からなる半導体膜を備え、
    前記半導体膜の表面は、{001}面内において、<110>方向から±15度の範囲内にある方向から、前記{001}面に対して2度以上10度以下傾斜しており、
    前記半導体膜の表面上には、直線状にステップが形成されており、
    前記半導体膜は、前記半導体膜のオフ方位と垂直な面内に、前記ステップに平行なチャネルを有していることを特徴とする、半導体装置。
  2. 前記半導体膜は、不純物をドーピングされたn型またはp型のエピタキシャル膜であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記半導体膜は、アンドープダイヤモンドからなり、
    前記チャネルは、水素終端表面近傍に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記半導体膜の表面は、シングルドメインの2×1構造が形成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体膜の表面は、10原子層以上のマクロな前記ステップが形成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、
    ダイヤモンド単結晶からなる基板を準備する工程と、
    前記基板上に窒素原子を含むガスを供給して前記半導体膜をホモエピタキシャル気相成長させる工程とを備える、半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体膜に、前記半導体膜のオフ方向と垂直の方向にチャネルを形成する工程をさらに備える、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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