JP5192335B2 - インクジェット記録装置及び色補正方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置に係り、特に、インク色材を不溶化又は凝集させる処理液と複数色のカラーインクとを用いて画像を形成するインクジェット記録装置に好適な色補正技術に関する。
カラー印刷を行うインクジェット記録装置は、記録ヘッドのノズルからシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、黒(K)などのカラーインクを吐出し、この吐出されたインクを記録媒体に付着させることにより、記録媒体上にカラー画像を形成する。
特許文献1は、印刷に用いる出力装置自体の個体差や稼働環境による色再現特性の変動による色ズレを是正するため、所定の繰り返しタイミングで所定の基準色画像を出力し、これをセンサで読み取ることにより、グレイバランス(1次色の色ズレ)だけでなく、複数のインク色の組み合わせによって得られる高次色(2次色、3次色)のキャリブレーションを自動的に行う機能を提案している。
また、特許文献2は、印刷装置において、温度や湿度などの環境条件の変化による印刷結果の変化を抑制する観点から、印刷に影響する環境条件(温度・湿度)に応じた色変換処理テーブルを用い、温度・湿度センサで検出した環境条件に応じて色変換処理を選択する構成を開示している。
特開2004−112470号公報 特開2005−212246号公報
また、近時、インクジェットの高速印刷における打滴干渉(隣接ドットの合一)等の問題を解決するために、インクの打滴に先立ってインク色材を凝集させる処理液を塗布あるいは打滴する2液反応技術が提案されている。
しかしながら、処理液を塗布した用紙に、インクジェットによって画像形成する画像形成装置では、1色目(1次色)の打滴で第1色の画像形成後、次のインク(2次色)の打滴を行う際には、処理液による凝集作用が1色目と異なる。その結果、2色目(2次色)によって作られる色濃度が変化してしまう。3色目(3次色)、4色目(4次色)を打滴する場合においても同様であり、各インク色に対する処理液の効果が変化するという画像形成上の問題がある。
かかる現象を考察すると、処理液を塗布した用紙上にインクジェットによって複数のインクドットを重ねて打滴する場合、先行するノズルから打滴されたドットには十分な処理液が供給されるが、後続するノズルから打滴されたドットには処理液の供給が不十分になる。このため、先行のドットは処理液による十分な凝集作用によってドットのサイズが小さくなる一方、後続のドットは凝集が不十分になりドットサイズが大きくなってしまう。
先行のノズルから吐出されるインクと、後続のノズルから吐出されるインクの色が異なる場合、例えば、先行のノズルからマゼンタ(M)のインク、後続のノズルから黒(K)のインクを夫々吐出する場合、先行の打滴(M)は、処理液によって十分に凝集されるため、ドットサイズが常に小さくなる。一方、後続打滴の黒(K)は、先行して打滴されたマゼンタ(M)によって処理液が消費されるため凝集が不十分になる。このため、後続打滴の黒(K)は、黒(K)単色のみが打滴される場合と比較してドットサイズが大きくなる。
このように、凝集効果の違いによってドットサイズが変わると形成する画像の色味、色相が変化して、所望の画像を得ることが難しくなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、色の再現性を安定させ、高品質の画像を出力することができるインクジェット記録装置及び色補正方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを不溶化又は凝集させる処理液を記録媒体上に付与する処理液付与手段と、前記処理液が付与された前記記録媒体上に複数色の前記インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、前記複数色に対応した色別の画像の濃度データを取得するデータ取得手段と、前記複数色のインクの打滴順に従い、異色インクの打滴を重ね合わせる際に下層となる先行打滴のノズルの濃度データを用いて、その上層となる後続打滴のノズルの濃度データを補正する高次色補正手段と、前記高次色補正手段によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドからの前記インクの吐出を制御して前記記録媒体上に前記画像を形成する打滴制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、先行打滴のインク打滴密度によって後続打滴のインクに対する処理液の効果が異なることに起因する色味や色相のズレを是正でき、安定した色再現が可能である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<インクジェット記録装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置100の全体構成を示す概略図である。図1に示すインクジェット記録装置100は、用紙(記録媒体)114の片面にCMYK各色のインクを打滴して所望のカラー画像を記録するオンデマンド方式の画像記録装置であり、インク及び処理液(凝集処理液)を用いて、枚葉紙からなる記録媒体114上に画像形成を行う2液凝集方式が適用された記録装置である。本例では、記録媒体114として、特菱アート紙(アート紙)を用いているが、特にこれに限定されるものではなく、各種媒体への適用が可能である。
このインクジェット記録装置100は、記録媒体114を供給する給紙部102と、記録媒体114に対して浸透抑制処理を行う浸透抑制処理部104と、記録媒体114に処理液を付与する処理液付与部106と、記録媒体114に色インクを付与して画像形成を行うインク打滴部108と、記録媒体114に記録された画像に定着処理を施す定着処理部110と、画像が形成された記録媒体114を搬送して排出する排紙部112とから主に構成される。
給紙部102には、記録媒体114を積載する給紙台120が設けられている。給紙台120の前方(図1において左側)にはフィーダボード122が接続されており、給紙台120に積載された記録媒体114は1番上から順に1枚ずつフィーダボード122に送り出される。フィーダボード122に送り出された記録媒体114は、渡し胴124aを介して、浸透抑制処理部104の圧胴126aの表面(周面)に給紙される。
渡し胴124a及び圧胴126aには、記録媒体114の先端部を保持するグリッパー(不図示)が設けられている。渡し胴124aのグリッパーの保持された記録媒体114の先端部が渡し胴124aと圧胴126aとの記録媒体114の受け渡し位置に到達すると、渡し胴124aのグリッパーから圧胴126aのグリッパーへ記録媒体114の先端部の受け渡しが行われる。本例では、1つの圧胴126に2個のグリッパーが設けられ、1つの渡し胴124に1個のクリッパーが設けられている。
〔浸透抑制処理部〕
浸透抑制処理部104は、処理液及びインクに含まれる水及び親水的な有機溶剤の記録媒体114への浸透を抑制する浸透抑制剤を付与する。浸透抑制剤としては、溶液中に樹脂をエマルジョンの形で分散、もしくは樹脂を溶解させたものを用いる。溶媒としては、有機溶剤または水を用いる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、石油類、等が好適に用いられる。記録用紙の温度T1を樹脂の最低造膜温度Tf1より高くしておく。Tf1とT1との差はおよそ10〜20℃が好ましい。これにより、樹脂が記録媒体114に付着後、即座に良好な膜を形成し、後から記録媒体114に付与されるインク及び処理液の溶媒の記録媒体114内部への浸透を良好に抑制することができる。記録媒体114の温度の調整は、圧胴126a内部にヒータ等の発熱体を設置するという方法や、記録媒体114の表面(上面)から熱風を当てる方法、赤外線ヒータ等を用いた加熱等があり、これらを組み合わせても良い。
記録媒体114のカールが発生しにくい場合は、浸透抑制処理部104を省略することも可能である。例えば、記録媒体114の種類に応じて浸透抑制剤の付与量(浸透抑制剤を付与しない場合を含む)を制御するようにしてもよい。
浸透抑制処理部104には、圧胴126aの回転方向(図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126aの表面に対向する位置に、用紙予熱ユニット128、浸透抑制剤ヘッド130、及び浸透抑制剤乾燥ユニット132がそれぞれ設けられている。
用紙予熱ユニット128及び浸透抑制剤乾燥ユニット132には、それぞれ所定の範囲で温度制御可能なヒータが設けられる。圧胴126aに保持された記録媒体114が、用紙予熱ユニット128や浸透抑制剤乾燥ユニット132に対向する位置を通過する際、これらユニットのヒータによって加熱される。
浸透抑制剤ヘッド130は、圧胴126aに保持される記録媒体114に対して浸透抑制剤を打滴するものであり、後述するインク打滴部108の各インクヘッド140M、140K、140C、140Yと同一構成が適用される。
本例では、記録媒体114の表面に対して浸透抑制処理を行う手段として、インクジェットヘッドを適用したが、浸透抑制処理を行う手段については特に本例に限定されるものではない。例えば、スプレー方式、塗布方式などの各種方式を適用することも可能である。
本例では、浸透抑制剤として、熱可塑性樹脂ラテックス溶液が好適に用いられる。もちろん、浸透抑制剤は、熱可塑性樹脂ラテックス溶液に限定されるものではなく、例えば、平板粒子(雲母等)や撥水剤(フッ素コーティング剤)などを適用することも可能である。
〔処理液付与部〕
浸透抑制処理部104に続いて処理液付与部106が設けられている。浸透抑制処理部104の圧胴126aと処理液付与部106の圧胴126bとの間には、これらに対接するようにして渡し胴124bが設けられている。これにより、浸透抑制処理部104の圧胴126aに保持された記録媒体114は、浸透抑制処理が行われた後に、渡し胴124bを介して処理液付与部106の圧胴126bに受け渡される。
処理液付与部106には、圧胴126bの回転方向(図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126bの表面に対向する位置に、用紙予熱ユニット134、処理液ヘッド136、及び処理液乾燥ユニット138がそれぞれ設けられている。
処理液付与部106の各部(用紙予熱ユニット134、処理液ヘッド136、及び処理液乾燥ユニット138)については、上述した浸透抑制処理部104の用紙予熱ユニット128、浸透抑制剤ヘッド130、及び浸透抑制剤乾燥ユニット132とそれぞれ同様の構成が適用されるため、ここでは説明を省略する。もちろん、浸透抑制処理部104と異なる構成を適用することも可能である。
本例で用いられる処理液は、後段のインク打滴部108に配置される各インクヘッド140M、140K、140C、140Yから記録媒体114に向かって吐出されるインクに含有される色材を凝集させる作用を有する酸性液である。
処理液乾燥ユニット138のヒータの加熱温度は、圧胴126bの回転方向上流側に配置される処理液ヘッド136の吐出動作によって記録媒体114の表面に付与された処理液を乾燥させて、記録媒体114上に固体状又は半固溶状の凝集処理剤層(処理液が乾燥した薄膜層)が形成されるような温度に設定される。
ここでいう「固体状または半固溶状の凝集処理剤層」とは、以下に定義する含水率が0〜70%の範囲のものを言うものとする。
Figure 0005192335
また、「凝集処理剤」は、固体状又は半固溶状のものだけでなく、それ以外の液体状のものも含む広い概念で用いるものとし、特に、含溶媒率を70%以上として液体状にした凝集処理剤を「凝集処理液」と称する。
凝集処理剤の含溶媒率の算出方法としては、所定の大きさ(例えば100mm×100mm)の用紙を切り出し、処理液付与後の総重量(用紙+乾燥前処理液)と処理液乾燥後の総重量(用紙+乾燥後処理液)をそれぞれ測定し、これらの差分から乾燥による溶媒減少量(溶媒蒸発量)を求める。また、乾燥前の処理液中に含まれる溶媒量は、処理液の調製処方から求められる計算値を用いればよい。これらの計算結果から含溶媒率を得ることができる。
ここで、記録媒体114上の処理液(凝集処理剤層)の含溶媒率を変化させたときの色材移動についての評価結果を表1に示す。
Figure 0005192335
表1に示すように、処理液の乾燥を行わなかった場合(実験1)、色材移動による画像劣化が発生する。
これに対し、処理液の乾燥を行った場合(実験2〜5)において、処理液の含溶媒率が70%以下となるまで処理液を乾燥させたときには色材移動が目立たなくなり、更に50%以下まで処理液を乾燥させると目視による色材移動の確認ができないほど良好なレベルとなり、画像劣化の防止に有効であることが確認された。
このように記録媒体114上の処理液の含溶媒率が70%以下(好ましくは50%以下)となるまで乾燥を行って、記録媒体114上に固体状又は半固溶状の凝集処理剤層を形成することにより、色材移動による画像劣化を防止することができる。
本例の如く、記録媒体114上に処理液が付与される前に、用紙予熱ユニット134のヒータによって記録媒体114を予備加熱する態様が好ましい。この場合、処理液の乾燥に要する加熱エネルギーを低く抑えることが可能となり、省エネルギー化を図ることができる。
〔インク打滴部〕
処理液付与部106に続いてインク打滴部108が設けられている。処理液付与部106の圧胴126bとインク打滴部108の圧胴126cとの間には、これらに対接するようにして渡し胴124cが設けられている。これにより、処理液付与部106の圧胴126bに保持された記録媒体114は、処理液が付与されて固体状又は半固溶状の凝集処理剤層が形成された後に、渡し胴124cを介してインク打滴部108の圧胴126cに受け渡される。
インク打滴部108には、圧胴126cの回転方向(図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126cの表面に対向する位置に、マゼンタ(M)、黒(K)、シアン(C)、イエロー(Y)の4色のインクにそれぞれ対応したインクヘッド140M、140K、140C、140Yと、溶媒乾燥ユニット142a、142bがそれぞれ設けられている。
各インクヘッド140M、140K、140C、140Yは、上述した浸透抑制剤ヘッド130や処理液ヘッド136と同様に、インクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)が適用される。即ち、各インクヘッド140M、140K、140C、140Yは、それぞれ対応する色インクの液滴を圧胴126cに保持された記録媒体114に向かって吐出する。
各インクヘッド140M、140K、140C、140Yは、それぞれ圧胴126cに保持される記録媒体114における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し、そのインク吐出面には画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズル(図1中不図示、図3に符号161で図示)が複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。各インクヘッド140M、140K、140C、140Yが圧胴126cの回転方向(記録媒体114の搬送方向)と直交する方向に延在するように固定設置される(図2参照)。
記録媒体114の画像形成領域の全幅をカバーするノズル列を有するフルラインヘッドがインク色毎に設けられる構成によれば、記録媒体114の搬送方向(副走査方向)について、記録媒体114と各インクヘッド140M、140K、140C、140Yを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体114の画像形成領域に画像を記録することができる。これにより、記録媒体114の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドが適用される場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
また、本例では、CMYKの4色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
溶媒乾燥ユニット142a、142bは、上述した用紙予熱ユニット128、134や浸透抑制剤乾燥ユニット132、処理液乾燥ユニット138と同様に、所定の範囲で温度制御可能なヒータを含んで構成される。後述するように、記録媒体114上に形成された固体状又は半固溶状の凝集処理剤層上にインク液滴が打滴されると、記録媒体114上にはインク凝集体(色材凝集体)が形成されるとともに、色材と分離されたインク溶媒が広がり、凝集処理剤が溶解した液体層が形成される。このようにして記録媒体114上に残った溶媒成分(液体成分)は、記録媒体114のカールだけでなく、画像劣化を招く要因となる。そこで、本例では、各インクヘッド140M、140K、140C、140Yからそれぞれ対応する色インクが記録媒体114上に打滴された後、溶媒乾燥ユニット142a、142bのヒータによって加熱を行い、溶媒成分を蒸発させ、乾燥を行っている。
〔定着処理部〕
インク打滴部108に続いて定着処理部110が設けられている、インク打滴部108の圧胴126cと定着処理部110の圧胴126dとの間には、これらに対接するように渡し胴124dが設けられている。これにより、インク打滴部108の圧胴126cに保持された記録媒体114は、各色インクが付与された後に、渡し胴124dを介して定着処理部110の圧胴126dに受け渡される。
定着処理部110には、圧胴126dの回転方向(図1において反時計回り方向)に関して上流側から順に、圧胴126dの表面に対向する位置に、インク打滴部108による印字結果を読み取るインラインセンサ144、加熱ローラ148a,148bがそれぞれ設けられている。
なお、本例では、画像記録後の定着手段の一例として、加熱及び加圧による態様を例示したが、透明UVインク打滴部が透明UVインクを打滴した後に、UV光を照射して透明UVインクの硬化とともに、記録媒体114に画像を定着させる構成など他の構成を適用してもよい。
インラインセンサ144は、出力画像を読み取る読取手段であり、インク打滴部108の印字結果(各インクヘッド140M、140K、140C、140Yの打滴結果)を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能したり、色情報を取得する測色手段として機能する。
本例では、記録媒体114の画像記録領域又は非画像部にテストパターンを形成し(図8参照)、インラインセンサ144によってテストパターンを読み取り、その読取結果に基づいて、色情報の取得(測色)や濃度むらの検出、各ノズルについて吐出異常の有無の判定など、インライン検出が行われるように構成されている。
本例に適用されるインラインセンサ(ILS)144は、複数の検出画素(光電変換素子)が記録媒体114の幅方向に沿って一列又は複数列に並べられたラインCCD(又は、複数の検出画素が2次元状に配置されたエリアセンサ)と、ラインCCD(又は、エリアセンサ)によって記録媒体114の幅方向を一括して読取れるように配置されたレンズと、を含む構成である。なお、記録可能幅を一括読取可能な検査視野を持つラインセンサに代えて、これよりも狭い読取範囲のセンサを用い、読取位置を移動(走査)しながら読み取る態様も可能である。
〔排紙部〕
定着処理部110に続いて排紙部112が設けられている。排紙部112には、定着処理が施された記録媒体114を受ける排紙胴150と、該記録媒体114を積載する排紙台152と、排紙胴150に設けられたスプロケットと排紙台152の上方に設けられたスプロケットとの間に掛け渡され、複数の排紙用グリッパーを備えた排紙用チェーン154とが設けられている。
〔ヘッドの構造例〕
次に、インク打滴部108に配置されるインクヘッド140M、140K、140C、140Yの構造について詳説する。なお、インクヘッド140M、140K、140C、140Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号160によってインクヘッド(以下、単に「ヘッド」と称することもある。)を示す。
図3(a)はヘッド160の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)はその一部の拡大図であり、図3(c)はヘッド160の他の構造例を示す平面透視図である。また、図4は記録素子単位となる1チャネル分の液滴吐出素子(1つのノズル161に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図3(a)、(b)中の4−4線に沿う断面図)である。
記録媒体114上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド160におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド160は、図3(a)、(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル161と、各ノズル161に対応する圧力室162等からなる複数のインク室ユニット163をマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(記録媒体搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体114の搬送方向と略直交する方向に記録媒体114の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a)の構成に代えて、図3(c)に示すように、複数のノズル161が2次元に配列された短尺のヘッドブロック160’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体114の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル161に対応して設けられている圧力室162は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル161と供給口164が設けられている。各圧力室162は供給口164を介して共通流路165と連通されている。共通流路165はインク供給源たるインク供給タンク(不図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは共通流路165を介して各圧力室162に分配供給される。
圧力室162の一部の面(図4において天面)を構成し共通電極と兼用される振動板166には個別電極167を備えた圧電素子168が接合されており、個別電極167に駆動電圧を印加することによって圧電素子168が変形してノズル161からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路165から供給口164を通って新しいインクが圧力室162に供給される。
本例では、ヘッド160に設けられたノズル161から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子168を適用したが、圧力室162内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット163を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット163を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル161が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録媒体114の幅方向(記録媒体114の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図3(a),(b)に示すようなマトリクス状に配置されたノズル161を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル161-11、161-12、16-13、161-14、161-15、161-16を1つのブロックとし(他にはノズル161-21、…、161-26を1つのブロック、ノズル161-31、…、161-36を1つのブロック、…として)、記録媒体114の搬送速度に応じてノズル161-11、161-12、…、161-16を順次駆動することで記録媒体114の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体114とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。即ち、本実施形態では、記録媒体114の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する記録媒体114の幅方向が主走査方向ということになる。なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。例えば、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、記録媒体114の幅方向の長さに満たない短尺のヘッドを記録媒体114の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると記録媒体114を幅方向と直交する方向に所定量だけ移動させて、次の印字領域の記録媒体114の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して記録媒体114の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
〔供給系の構成〕
図6はインクジェット記録装置100におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インク供給タンク170はヘッド160にインクを供給する基タンクであり、先に説明したインク貯蔵/装填部に含まれる。インク供給タンク170の形態には、インク残量が少なくなった場合に不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図6に示すように、インク供給タンク170とヘッド160の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ172が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、ヘッド160の近傍又はヘッド160と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置100には、ノズル161の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ174と、ヘッド160のインク吐出面の清掃手段としてクリーニングブレード176が設けられている。
これらキャップ174及びクリーニングブレード176を含むメンテナンスユニットに対してヘッド160は、不図示の移動機構によって相対移動可能であり、必要に応じて記録のための位置からメンテナンスユニットの上方に移動される。
キャップ174は、図示せぬ昇降機構によってヘッド160に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ174を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド160に密着させることにより、ノズル面をキャップ174で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル161の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子168が動作してもノズル161からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(圧電素子168の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子168を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ174(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出ともいう。)が行われる。
また、ヘッド160内のインク(圧力室162内)に気泡が混入した場合、圧電素子168が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはヘッド160にキャップ174を当て、吸引ポンプ177で圧力室162内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク178へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室162内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード176はゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド160のインク吐出面に摺動可能である。インク吐出面にインク液滴または異物が付着した場合、クリーニングブレード176をインク吐出面に摺動させることでインク吐出面を拭き取り、インク吐出面を清掃する。
本例に示すインクジェット記録装置100は、インラインセンサ144(図1参照)の読取結果に応じて吐出異常となったノズルを判断し、当該吐出異常ノズルに対して回復処理を施すように構成されている。本例の回復処理には、上述した予備吐出や吸引が含まれている。
〔制御系の説明〕
図7は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置100は、通信インターフェース180、システムコントローラ182、画像メモリ184、モータドライバ186、ヒータドライバ188、プリント制御部190、画像バッファメモリ192、ヘッドドライバ194等を備えている。
通信インターフェース180は、ホストコンピュータ196から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース180にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ196から送出された画像データは通信インターフェース180を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ184に記憶される。
画像メモリ184は、通信インターフェース180を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ182を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ184は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ182は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ182は、通信インターフェース180、画像メモリ184、モータドライバ186、ヒータドライバ188等の各部を制御し、ホストコンピュータ196との間の通信制御、画像メモリ184の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ198やヒータ199を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ184には、システムコントローラ182のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ184は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ184は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
プログラム格納部(不図示)には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ182の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部は動作パラメータ等の記億手段と兼用してもよい。
モータドライバ186は、システムコントローラ182からの指示にしたがってモータ198を駆動するドライバである。図7には、装置内の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号198で図示されている。例えば、図7に示すモータ198には、図1の圧胴126a〜126dや渡し胴124a〜124d、排紙胴150を駆動するモータなどが含まれている。
ヒータドライバ188は、システムコントローラ182からの指示にしたがって、ヒータ199を駆動するドライバである。図7には、インクジェット記録装置100に備えられる複数のヒータを代表して符号199で図示されている。例えば、図7に示すヒータ199には、図1に示す用紙予熱ユニット128、134や浸透抑制剤乾燥ユニット132、処理液乾燥ユニット138、溶媒乾燥ユニット142a、142bのヒータ、加熱ローラ148a,148bに内蔵されるヒータなどが含まれている。
プリント制御部190は、システムコントローラ182の制御に従い、画像メモリ184内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ194及び浸透抑制剤ヘッドドライバ197、処理液ヘッドドライバ195に供給する制御部である。プリント制御部190において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ194を介してヘッド160のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。また、当該画像データに基づいて浸透抑制剤ヘッドドライバ197を介して浸透抑制剤ヘッド130の浸透抑制剤付与量や付与タイミングが制御されるとともに、処理液ヘッドドライバ195を介して処理液ヘッド136の処理液付与量や付与タイミングが制御される。
また、プリント制御部190には画像バッファメモリ192が備えられており、プリント制御部190における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ192に一時的に格納される。また、プリント制御部190とシステムコントローラ182とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ194は、プリント制御部190から与えられる画像データに基づいてヘッド160の圧電素子168に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子168に印加して圧電素子168を駆動する駆動回路を含んで構成される。なお、図7に示すヘッドドライバ194には、ヘッド160の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
インラインセンサ144は、図1で説明したように、CCDラインセンサを含むブロックであり、記録媒体114に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(色、濃度、吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、システムコントローラ182を介してその検出結果を検出処理部191に提供する。
検出処理部191は、インラインセンサ144から得られる情報に基づいて、測色や濃度の演算等を行う。また、この検出処理部191は、吐出異常ノズルを判断するとともに、画像補正によって当該吐出異常ノズルの補正が可能である場合には、画像補正を実行するように、システムコントローラ182を介して各部へ制御信号を送出する。また、画像補正によって対応できない場合には、当該吐出異常ノズルに対して予備吐出や吸引を行うように、システムコントローラ182を介して各部へ制御信号を送出する。
即ち、検出処理部191は、本例に示すインクジェット記録装置100おいて行われるインライン検査の制御部として機能している。なお、検出処理部191は、システムコントローラ182やプリント制御部190の機能ブロックとして、これらに内蔵する態様も可能である。
更に、本装置は、高次色補正に用いる変換式に相当する演算式、或いは、変換テーブルなどの補正データを格納する記憶手段としての補正データメモリ202と、温度補正に用いる温度情報を取得する手段としての温度センサ204を備えている。補正データメモリ202に記憶される補正データは、インク種、用紙種、処理液種毎に実験に基づいて定められており、使用されるインク種、用紙種、処理液種の組み合わせに応じて、適用する補正データが選択される。また、補正データメモリ202への補正データの追加、修正、更新等が可能であり、新たなインクの種類、用紙の種類、処理液の種類などに対して、随時、補正データを更新することにより、対応可能である。
温度センサ204は、図1で説明したインク打滴部108において記録媒体114の温度を直接又は間接的に検知する。例えば、インク打滴部108において記録媒体114を支持する媒体保持手段としての圧胴126cの表面温度を検出するように温度センサ204が所定の位置に配置される。
〔インクジェット記録装置による印刷動作〕
次に、上記のように構成されたインクジェット記録装置100の作用について説明する。
給紙部102の給紙台120からフィーダボード122に記録媒体114が送り出される。記録媒体114は、渡し胴124aを介して、浸透抑制処理部104の圧胴126aに保持され、用紙予熱ユニット128によって予備加熱され、浸透抑制剤ヘッド130によって浸透抑制剤が打滴される。その後、圧胴126aに保持された記録媒体114は、浸透抑制剤乾燥ユニット132によって加熱され、浸透抑制剤の溶媒成分(液体成分)が蒸発し、乾燥する。
こうして浸透抑制処理が行われた記録媒体114は、浸透抑制処理部104の圧胴126aから渡し胴124bを介して、処理液付与部106の圧胴126bに受け渡される。圧胴126bに保持された記録媒体114は、用紙予熱ユニット134によって予備加熱され、処理液ヘッド136によって処理液が打滴される。その後、圧胴126bに保持された記録媒体114は、処理液乾燥ユニット138によって加熱され、処理液の溶媒成分(液体成分)が蒸発し、乾燥する。これにより、記録媒体114上には固体状又は半固溶状の凝集処理剤層が形成される。
処理液が付与されて固体状又は半固溶状の凝集処理剤層が形成された記録媒体114は、処理液付与部106の圧胴126bから渡し胴124cを介して、インク打滴部108の圧胴126cに受け渡される。圧胴126cに保持された記録媒体114には、入力画像データに応じて、各インクヘッド140C、140M、140Y、140Kからそれぞれ対応する色インクが打滴される。
凝集処理剤層上にインク液滴が着弾すると、飛翔エネルギーと表面エネルギーとのバランスにより、インク液滴と凝集処理剤層との接触面が所定の面積にて着弾する。インク液滴が凝集処理剤上に着弾した直後に凝集反応が始まるが、凝集反応はインク液滴と凝集処理剤層との接触面から始まる。凝集反応は接触面近傍のみで起こり、インク着弾時における所定の接触面積で付着力を得た状態でインク内の色材が凝集されるため、色材移動が抑止される。
このインク液滴に隣接して他のインク液滴が着弾しても先に着弾したインクの色材は既に凝集化しているので後から着弾するインクとの間で色材同士が混合せず、ブリードが抑止される。なお、色材の凝集後には、分離されたインク溶媒が広がり、凝集処理剤が溶解した液体層が記録媒体114上に形成される。
そして、圧胴126cに保持された記録媒体114は溶媒乾燥ユニット142a、142bによって加熱され、記録媒体114上でインク凝集体と分離した溶媒成分(液体成分)は蒸発し、乾燥する。この結果、記録媒体114のカールが防止されるとともに、溶媒成分に起因する画像品質の劣化を抑えることができる。
インク打滴部108によって色インクが付与された記録媒体114は、インク打滴部108の圧胴126cから渡し胴124dを介して、定着処理部110の圧胴126dに受け渡される。圧胴126dに保持された記録媒体114は、インラインセンサ144によってインク打滴部108の印字結果が読み取られた後、加熱ローラ148a,148bによって加熱及び押圧処理が施される。
更に、その後、記録媒体114が圧胴126dから排紙胴150に受け渡され、排紙用チェーン154によって排紙台152まで搬送される。このようにして画像形成が行われた記録媒体114は、排紙用チェーン154によって排紙台152の上方に搬送され、排紙台152上に積載される。
〔画像出力に関する画像処理の説明〕
次に、本例のインクジェット記録装置における画像処理の流れについて説明する。図8は画像処理に関する要部構成を示すブロック図である。
ホストコンピュータ196は、印刷しようとする電子データ、例えば、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)等で記述された電子データをラスターイメージに変換するRIP処理、RGB→CMYKの色変換処理、階調変換処理等を行う処理手段として機能する。
ホストコンピュータ196の色変換処理部は、特定の出力機(プリンタ)に特化しない汎用の変換モジュールが採用されている。このため、ホストコンピュータ196は、出力機としてのインクジェット記録装置100における処理液による凝集作用の変化などの影響を考慮せずに、汎用の色変換アルゴリズムにより、RGB信号を出力機(プリンタ)の持つインク色に対応したインク色別のCMYK濃度データに変換する。なお、入力された元画像と出力機の記録解像度(ノズル解像度)が一致しない場合は、出力機の解像度に合わせて、入力画像について画素数変換の処理が行われる。
こうして、ホストコンピュータ196により生成された印刷用の画像データ(CMYK濃度データ)は、所定の通信インターフェースを介してプリンタ側(インクジェット記録装置100)に送られる。通信方式は、特に限定されず、例えば、RS232C、LVDS、CANなど各種の通信インターフェースを適用できる。なお、本発明の実施に際して、RIP処理等の機能をプリンタ側に搭載することも可能である。
画像出力機としてのインクジェット記録装置100は、入力された画像データ(CMYK濃度データ)に対して高次色補正を行う高次色補正処理部210と、環境温度による補正を行う温度補正処理部212と、ハーフトーン処理部214とを含む画像処理手段220を備えている。詳細は後述するが、高次色補正、温度補正を経て得られた濃度データは、ハーフトーン処理部214に入力され、ハーフトーン処理部214において誤差拡散法やディザ法などアルゴリズムに従って、2値又はドットサイズの種類に対応した多値の印字データ(ノズルごとのドットデータ)に変換される。
本実施形態では、ヘッド160から吐出可能なインクの打滴サイズは、小滴、中滴、大滴の3種類であり、ハーフトーン処理部214は、「滴なし(非吐出)/小滴/中滴/大滴」の4状態に対応した多値のハーフトーン処理(例えば、閾値が3つの誤差拡散法を適用)を行う。こうして各ノズルのインク吐出(打滴)データが生成され、吐出動作が制御される。すなわち、ハーフトーン処理部214によって生成されたドットデータは、打滴メモリ226に記憶された後、ヘッド160に出力されて、記録媒体114に打滴が行われる。
また、本例のインクジェット記録装置100は、各種のテストパターンの画像データ(CMYK濃度データ)を発生するテストパターン発生部230を備えている。必要に応じてテストパターン発生部230からハーフトーン処理部214に対してテストパターンの画像を表す濃度データが送られ、テストパターンのインク吐出に用いるドットデータに変換される。印刷対象の画像と同様、ハーフトーン処理部214によって生成されたテストパターンのドットデータは、打滴メモリ226に記憶された後、ヘッド160に出力されて、記録媒体114上に印字される。
<高次色補正の処理について>
次に、高次色補正処理部210の処理内容について説明する。
図1に示したインク打滴部108におけるヘッドの配置順に従い、M→K→C→Yの順に打滴する場合、Kの打滴を行う際には、先行するMの画像データを参照し、Kの濃度データを修正する。すなわち、予め、下地にMの画像データから形成されるMインクによる打滴ドットが存在する場合、Kの所望の濃度を実現するためのルックアップテーブル(LUT)の変換関数(変換カーブ)を作成しておき、1次色のMインクを打滴後、Kを打滴する場合は、その画像データから変換カーブによって求めた新たなデータに変換する。更に、この変換後の濃度データについて、温度補正処理部212にて紙面温度を考慮した補正を行う。高次色(2次色、3次色、4次色)のデータについて、同様の処理を行い、高次色の濃度データを補正してから、ハーフトーン処理部214に送る。
以下、2次色、3次色、4次色の各段階を追って補正処理の内容を説明する。
〔2次色データの補正〕
図9は、2次色濃度データを補正する際に用いる変換関数の例である。横軸は、補正前の2次色濃度データ、縦軸は補正後の2次色濃度データを示す。1次色濃度データの値「0」〜「250」に対応して変換式の関数(変換カーブ)が定められている。本例では、1次色濃度データの値として「0」、「50」、「150」、「200」、「250」に対応する変換カーブを代表的に示した。同図では、説明の便宜上、補正前の値(入力)と補正後の値(出力)の関係を規定する関係式を一次関数(直線)としたが、変換関数は任意の曲線に拡張できる。このような関係式は、実験によって求めておく。なお、0〜250のデジタル値で「0」が最も濃い濃度を表し、「250」が最も薄い濃度を表すものとする。
図9の関係(変換関数)を用いて、1次色濃度データと、2次色濃度データから、2次色の補正された濃度データを求めることが可能である。例えば、図9の変換テーブルから、1次色濃度値=200、補正前の2次色濃度値=150の場合、補正後の2次色濃度値は約160となる。
これは、下層のインク打滴の影響によって凝集作用が低下し、上層のドットが広がるため、補正としては、薄いデータにすることを意味している。
〔3次色データの補正〕
3次色データを補正する場合には、まず、1次色と2次色を重ねた場合に実現される「低次濃度データ」を求める。この「低次色濃度データ」は、第3色(3次色)を打滴する際に、既に下地に付与されている第1色(M)と第2色(K)のインク打滴の影響を評価するための仮想的な1色の濃度データである。つまり、「低次色濃度データ」は、上層に打たれるインクから見て、先行して付与されている下層の打滴(複数色)が処理液の凝集作用をどれだけ低減させるものであるかを見積る指標とするために仮想1色の濃度として表すものである。
図10は、低次色濃度データを求める際に用いる変換関数の例である。図10の右側(第1象限)の横軸は、補正前の2次色濃度データ、縦軸は補正後の2次色濃度データを示す。これは図9で説明した内容と同じである。また、図10の左側(第2象限)の横軸は、MとKによる「低次色画像データ」を示す。この左側の変換関数は、補正後の2次色データ(縦軸の値)と1次色濃度データを用いて、低次色濃度データ(左側の横軸の値)を求めるものである。変換カーブは、1次色濃度データの値に応じて定められている。
例えば、補正された2次色濃度データ=「160」(縦軸値)と、1次色濃度データ(M)=200に対応する変換カーブから、低次色濃度データ=「170」(左側横軸値)を得る。
更に、この低次色濃度データと、補正前の3次色濃度データから、補正された3次色濃度データを求める。
図11は、3次色濃度データを補正する際に用いる変換関数の例である。横軸は、補正前の3次色濃度データ、縦軸は補正後の3次色濃度データを示す。変換カーブは、図10で説明した低次色濃度データの値に対応して定められている。例えば、補正前の3次色濃度データ(C)=「150」と、低次色濃度データ(M,K)=170に対応する変換カーブから、補正後の3次色濃度データ=「175」を得る。
〔4次色データの補正〕
4次色データを補正する場合は、3次色の補正と同様に、まず、1次色〜3次色を重ねた場合に実現される「第2低次濃度データ」を求める。この「第2低次色濃度データ」は、第4色(3次色)を打滴する際に、既に下地に付与されている第1色(M)、第2色(K)、第3色(C)の影響を評価するための仮想的な1色の濃度データである。
図12は、第2低次色濃度データを求める際に用いる変換関数の例である。図の右側(第1象限)の横軸は、補正前の3次色濃度データ、縦軸は補正後の3次色濃度データを示す。これは、図11で説明した内容と同じである。図12の左側は、補正後の3次色データ(縦軸の値)と低次色濃度データを用いて、第2低次色濃度データ(左側の横軸の値)を求めるものである。変換カーブは、低次色濃度データに応じて定められている。
例えば、補正された3次色濃度データ=「175」と、低次色濃度データ(M,K)=170に対応する変換カーブから、第2低次色濃度データ=「175」を得る。
更に、この第2低次色濃度データと、補正前の4次色濃度データから、補正された4次色濃度データを求める。
図13は、4次色濃度データを補正する際に用いる変換関数の例である。横軸は、補正前の4次色濃度データ、縦軸は補正後の4次色濃度データを示す。変換カーブは、図12で説明した第2低次色濃度データの値に対応して定められている。例えば、補正前の4次色濃度データ(C)=「150」と、第2低次色濃度データ(M,K、C)=175に対応する変換カーブから、補正された4次色濃度データ=「178」を得る。
なお、打滴する濃度データと、印字により実現される光学濃度の関係は、実験により、1次色の他、2次色、3次色でも直線近似できることが判明した。直線近似でなくとも、それぞれの関係を上記のように予め求めて、用意しておくことで、出力時に画像データを補正されたデータに変換することが可能となる。
また、実験によれば、高次色のうち2次色が最も影響を受ける。3次色、4次色については、2次色ほどの大きな変化は認められない。
<温度補正について>
更に、処理液の効果は温度に対しても変化し、且つ予測可能であることが実験より判明している。すなわち、処理液の凝集作用は、紙面温度によって変化する。したがって、例えば、図14に示すように、20℃、30℃、40℃など、数種類の温度において、予め変換カーブを求めておき、上記の2次色、3次色、4次色のそれぞれ求めた補正後の濃度データから、画像に出力する直前(ハーフトーン処理部214に入力する直前)に、温度センサ204の検出結果から用紙ステージ面の温度(図1の例では、圧胴126cの周面の温度)による補正を行う。なお、温度による凝集作用の変化は、1次色に対しても影響を及ぼすため、1次色の濃度データに対しても同様の温度補正が行われる。
処理液とインクの反応は、一般に温度が高いほど反応が促進されるため、着弾ドットは小さくなり、濃度が薄くなる傾向にある。このため、図14(a)〜(c)に示すとおり、温度が高いほど、濃度を濃くする方向に濃度データを補正する。
<温度情報の取得について>
温度による補正を行うに際し、温度情報の取得は、温度センサ204による温度の直接の測定に限らず、設定したテストパターンの測定結果から色情報を抽出し、これに基づいて温度情報を得ることも可能である。
例えば、図15に示すように、記録媒体114の四隅に、MCY積層テストパターン250を形成する。このテストパターン250は、1次色としてM色を40%、M色の上に2次色としてC色を60%、更にその上に3次色としてY色を60%の網点%になる様、一様に打滴したテストパターン(パッチ画像)である。
目的の画像を印刷する画像領域252の外側(非画像部)の四隅に、同じ条件でテストパターン250を形成する。
このMCY積層テストパターン250をインラインセンサ144で測定する。予め求めてある温度と色相、彩度の関係(CIELab表色系色度図上の座標)を用いて、測定値から座標を算出して、温度情報を得る。
図16は、MCY3色重ね打ちの色度変化の様子を例示したものである。図中の点Z1は温度T1のときの座標であり、点Z2は温度T2(ただし、T1<T2)のときの座標である。打滴順のM→C→Yに対し、温度上昇とともに、Cドットが小さく(図16においてaの値が増加)、Yドットが小さくなる(図16においてbの値が減少)。
したがって、この座標変化から温度情報を求めることができる。こうして取得した温度情報を用いて、図8で説明した温度補正処理部212において、温度による補正出力を行ってもよい。
1枚ずつ全てのプリント画像についてその四隅にテストパターン250を形成し、常時、インラインセンサ144にて測定することにより、最適の温度補正を行うことができる。
このようにして温度補正が施された画像データは、ハーフトーン処理部214に送られ、ノズルの打滴に対応するドットデータに変換される。
<高次色補正のフローチャート>
図17は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の画像処理部において上述の高次色補正と温度補正を実施する処理のフローチャートである。
まず、1次色の画像データと2次色の画像データを受け取り(ステップS110、S112)、各画素について、1次色濃度データと2次色濃度データを基に、補正された2次色濃度データを求める(ステップS114)。この2次色濃度データの補正工程は図9で説明した処理に相当する。
次いで、3次色の画像データを受け取る(図17のステップS116)。そして、1次色濃度データと、補正後の2次色濃度データを基に、低次濃度データを作成する(ステップS118)。この工程は、図10で説明した処理に相当する。
次いで、この求めた低次濃度データと3次色濃度データを基に、補正された3次色濃度データを求める(図17のステップS120)。この3次色濃度データの補正工程は図11で説明した処理に相当する。
続いて、4次色の画像データを受け取る(図17のステップS122)。そして、低次色濃度データと補正された3次色濃度データから、第2低次色濃度データを作成する(ステップS124)。この工程は、図12で説明した処理に相当する。
次いで、この求めた第2低次濃度データと4次色濃度データを基に、補正された4次色濃度データを求める(図17のステップS126)。この4次色濃度データの補正工程は図13で説明した処理に相当する。
こうして、2次色、3次色、4次色についてそれぞれ補正された画像データが得られる。 各インク色の打滴に際しては、更に、温度補正が行われる。即ち、1次色の画像データに対して、用紙面温度に対応した補正処理が行われ(ステップS128)、補正後の画像データがドットデータに変換されて1次色のインク吐出が実施される(図17のステップS130)。
同様に、高次色補正後の2次色の画像データについて、用紙面温度に対応した補正処理が行われ(ステップS132)、温度補正後の画像データがドットデータに変換されて2次色のインク吐出が実施される(図17のステップS134)。
3次色、4次色についても同様に温度補正がなされ、インク吐出が実施される(ステップS136〜S142)。
<ムラ補正処理との組み合わせについて>
上述した高次色補正処理及び温度補正処理に加えて、各ヘッドのノズルの吐出特性、打滴位置、不吐出などに起因する濃度ムラの補正処理を組み合わせる態様も好ましい。
<インラインセンサによる自動検査について>
〔1〕補正機能の定期的又はジョブ毎の自動検査
本実施形態に係るインクジェット記録装置100は、定期的に(例えば、1時間ごとに)、又は印刷ジョブ毎に、或いは、規定の出力枚数毎に、濃度補正の効果を確認するための専用のテストパッチを出力し、補正機能を自動的にチェックして必要な修正を行う自動修正機能を備えている。
図18は、かかる自動検査の際に出力される高次色補正用パッチセットの例を示す説明図である。図示の例では、[1]1次色濃度パッチ、[2]2次色濃度パッチ、[3]3次色濃度パッチを含んでいる。
[1]に示す1次色濃度パッチは、画像出力機の4色最高濃度(0)に対する8段(8個)の濃度別パッチであり、例えば、32/255、64/255、96/255、128/255、159/255、191/255、223/255、255/255、の各濃度に対応する8個のパッチをMKCYの4色それぞれについて形成したものである。
[2]に示す2次色濃度パッチは、1次色64/255、128/255、191/255の3濃度パッチ上にそれぞれ2次色8段(32/255、64/255、96/255、128/255、159/255、191/255、223/255、255/255の8個)を形成したものである。これは、低次色濃度データとの比較に利用する。
[3]に示す3次色濃度パッチは、1次色64/255、128/255、191/255 の3種類の濃度パッチ上に、更に2次色の64/255、128/255、191/255の3濃度のパッチを形成し、その上にそれぞれ3次色8段(32/255、64/255、96/255、128/255、159/255、191/255、223/255、255/255の8個)のパッチを形成したものである。これは、第2低次色濃度データと比較に利用する。
このパッチセット260を図19に示すように、記録媒体114の全面に配置して、定期的に又はジョブ毎に出力し、インラインセンサ144にて測定する。なお、図19における縦のパッチ列(符号262)が、それぞれ図18の[1]〜[3]を含むパッチセット260のパッチ列に対応している。1枚の用紙内の場所によって濃度のムラが生じている場合は、例えば処理液塗布にムラがある場合は、その部分における補正曲線を修正する。また、時間経過と共に全面への変化がある場合は、温度補正による修正を施す。
例えば、パッチセットにおける全画像濃度(図18の[1]〜[3])が薄い方向にずれている場合は、吐出に使用している温度補正が低い方向にずれている。つまり、実際より低い温度と画像出力機が認識している事になる。このように、パッチセットにおける1次色濃度パッチ[1]、2次色濃度パッチ[2]、3次色濃度パッチ[3]の領域が全て同じ傾向か否かで温度補正の修正が必要か否か判断可能となる。
〔2〕画像出力ごとに補正効果を確認する態様
図19では、定期的又はジョブ毎に1枚の用紙の全面にパッチセットを形成する例を述べたが、これに限らず、図20に示すように、画像出力ごとに、毎回、当該出力画像の端部(先端部264と後端部266)にパッチセットを形成して、出力ごとに高次色補正、温度補正が正しいか否か確認する態様も可能である。パッチセット中の全領域(図の[1]〜[3])で濃い方向にずれている場合、実際より高い温度と画像出力機が認識しているとわかる。この場合、温度補正を低温側に修正する。
<装置製造時に記憶させておく補正データの更新について>
処理液の凝集効果は、下地となる用紙の種類、下層に打滴されたインク種類によって大きく変化する。したがって、予め使用する予定の1又は複数のインク種、記録媒体種、処理液種の組み合わせについて実験的に補正データを作成し、補正データメモリ202に記憶させておき、使用時の条件に応じて該当する補正データを選択して補正に使用する。
補正データは、インク種類、用紙種類、処理液毎の補正量のデータセットとして、画像出力装置(インクジェット記録装置)を使用する顧客へ製造者から提供される。装置製造時に記憶させる補正データは、使用するインクの種類、用紙、処理液によって更新する必要がある。
補正データメモリ202に格納されていない新たなインク種、用紙種、処理液種の組み合わせに関する補正データが製造者等から提供されることにより、補正データメモリ202のデータを書き換え・更新することが可能である。画像出力装置は、この提供される補正量のデータセットによって補正機能が更新され、新たなインク種類、用紙種類、処理液に対しても、同様に補正して画像を出力することが可能となる。
なお、本実施形態のように、汎用の色変換モジュールと、高次色補正機能を組み合わせる構成により、新たなインク種、用紙種、処理液種への対応に際して、更新に必要なデータのデータ量が比較的小さいという利点もある。
<本発明の開示による他の作用効果について>
<1> 処理液上にインクで画像形成する2液凝集系において、下層となるインクの濃度データを参照して上層に形成されるインクの濃度データを補正する機能が実現される。
すなわち、下地のインクの画像濃度データ毎、及び/又は、温度毎に高次色のための補正変換LUT又はテーブルを記憶しておき、高次色について補正を行って出力する画像出力装置(インクジェット記録装置)が提供される。
<2> 高次色が補正された出力結果をインラインセンサ144によって検出し、その補正量を修正する機能が実現される。
<3> インラインセンサ144によって温度による補正結果を検出し、その補正量を修正する機能が実現される。
すなわち、テストパターンをインラインセンサで検知して補正条件を選択する画像出力装置が提供される。
高次色補正した出力結果をインラインセンサ144によって検出し、その補正量が正しいか否かを確認することが可能となり、画像再現の安定性を改善することが可能である。
また、環境温度・湿度によって出力した印刷物の画質再現性を改善することが可能である。
<4> インク種、用紙種、処理液種の組み合わせごとに補正データセットとして、更新・入れ換えをする機能が実現される。すなわち、インク、用紙、処理液の組み合わせごとに
補正条件を記憶し、組み合わせが変更された場合は補正条件を変えて出力する画像出力装置が提供される。
補正量算出のためのデータを更新することが可能となったことによって、インク種、用紙種、処理液が変わった場合、改良された場合に、これに適した補正量となるように維持することが可能である。
<浸透抑制剤、処理液、インクの具体例について>
本実施形態で用いた浸透抑制剤、処理液、及びインクの作製例を以下に示す。
<浸透抑制剤>
下記構造の分散安定用樹脂〔Q−1〕10g、酢酸ビニル100g、及びアイソパーH(エクソン社商品名)384gの混合溶液を窒素気流下で攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始剤として、2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)(略称A.I.V.N.)0.8gを加え、3時間反応した。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温度は88℃まで上昇した。更に、該開始剤を0.5g加え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ、2時間攪拌し、未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率90%で平均粒径0.23μmの単分散性良好なラテックスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製)で測定した。
上記白色分散物の一部を遠心分離機(回転数1×104 r.p.m.、回転時間60分)にかけて、沈降した樹脂粒子分を補集、乾燥し、該樹脂粒子分の重量平均分子量(Mw)とガラス転移点(Tg)、最低造膜温度(MFT)を測定したところ、Mwは2×105(ポリスチレン換算GPC値)、Tgは38℃、MFTは28℃であった。
このようにして作製した浸透抑制剤溶液を記録用紙上に、付与した。付与時にはドラムにより記録用紙を加熱し、付与後には熱風を送風してアイソパーHを蒸発させた。
Figure 0005192335
<処理液>
処理液は、以下の材料を混合して作製した。
・クエン酸(和光純薬製) 16.7%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬製) 20.0%
・Zony1 FSN−100(デュポン社製) 1.0%
・イオン交換水 62.3%
このように調製された処理液の物性値を測定したところ、粘度4.9mPa・s、表面張力24.3mN/m、pH1.5であった。
<インク>
(ポリマー分散剤P−1の調整)
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加え、窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、メチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温し4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥してポリマー分散剤P−1を96g得た。
得られた樹脂の組成は1H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
(シアン分散液の調製)
ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製 フタロシアニンブルーA220)を10部と、上記で得られたポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトンを42部と、1mol/L NaOH水溶液を 5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルで0.1mmΦジルコニアビーズを使い、2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%のシアン分散液を得た。
上記のようにして、色材としてのシアン分散液を調液した。
上記で得られた色材(シアン分散液)を用いて、下記インク組成となるように各成分を混合して、インク1を作製した。
(インクの組成)
シアン顔料(ピグメントブルー15:3) 4%
ポリマー分散剤(上記P−1) 2%
トリオキシプロピレングリセリエーテル 15%
(サンニックスGP250(三洋化成工業(株))
オルフィンE1010(日信化学製、界面活性剤) 1%
イオン交換水 78%
<インクについて>
本発明の実施に用いられるインクは、溶媒不溶性材料として、色材(着色剤)である顔料やポリマー微粒子などを含有する水性顔料インクが用いられる。
溶媒不溶性材料の濃度は、吐出に適切な粘度20mPa・s以下を考慮して1wt%以上20wt%以下であることが好ましい。より好ましくは画像の光学濃度を得るために4wt%以上の顔料濃度である。
インクの表面張力は、吐出安定性を考慮して20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。
インクに使用される色材は、顔料あるいは染料と顔料とを混合して用いることができる。処理液との接触時における凝集性の観点から、インク中で分散状態にある顔料の方がより効果的に凝集するため好ましい。顔料の中でも、分散剤により分散されている顔料、自己分散顔料、樹脂により顔料表面を被覆された顔料(マイクロカプセル顔料)、及び高分子グラフト顔料が特に好ましい。また、顔料凝集性の観点から、解離度の小さいカルボキシル基によって修飾されている形態がより好ましい。
マイクロカプセル顔料の樹脂は、限定されるものではないが、水に対して自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物であるのが好ましい。この樹脂は、通常、数平均分子量が1,000〜100,000範囲程度のものが好ましく、3、000〜50、000範囲程度のものが特に好ましい。また、この樹脂は有機溶剤に溶解して溶液となるものが好ましい。樹脂の数平均分子量がこの範囲であることにより、顔料における被覆膜として、又はインク組成物における塗膜としての機能を十分に発揮することができる。
前記樹脂は、自己分散能あるいは溶解するものであっても、又はその機能が何らかの手段によって付加されたものであってもよい。例えば、有機アミンやアルカリ金属を用いて中和することにより、カルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン酸基等のアニオン性基を導入されてなる樹脂であってもよい。また、同種または異種の一又は二以上のアニオン性基が導入された樹脂であってもよい。本発明にあっては、塩基をもって中和されて、カルボキシル基が導入された樹脂が好ましくは用いられる。
本発明に用いる顔料としては、特に限定はされないが、具体例としては、オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。レッドまたはマゼンタ用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明に係る着色インク液には、処理液と反応する成分として、着色剤を含まないポリマー微粒子を添加することが好ましい。ポリマー微粒子は、処理液との反応によりインクの増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。特に、アニオン性のポリマー微粒子をインクに含有せしめることにより、安全性の高いインクが得られる。
処理液と反応して、増粘・凝集作用を起こすポリマー微粒子をインクに用いることにより、画像の品位を高めることができると同時に、ポリマー微粒子の種類によっては、ポリマー微粒子が記録媒体で皮膜を形成し、画像の耐擦性、耐水性をも向上させる効果を有する。
ポリマーインクでの分散方法はエマルジョンに限定するものではなく、溶解していても、コロイダルディスパージョン状態で存在していてもよい。
ポリマー微粒子は、乳化剤を用いてポリマー微粒子を分散させたものであっても、また、乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては、通常、低分子量の界面活性剤が用いられているが、高分子量の界面活性剤を乳化剤として用いることもできる。外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型のポリマー微粒子(粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー微粒子)を用いることも好ましい。
分散手法として、低分子量の界面活性剤を用いていないポリマー微粒子は、高分子量の界面活性剤を用いたポリマー微粒子、乳化剤を使用しないポリマー微粒子を含めてソープフリーラテックスと呼ばれている。例えば上記に記述した、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるブロックポリマー)を乳化剤として用いたポリマー微粒子もこれに含まれる。
本発明では、特にこのソープフリーラテックスを用いることが好ましく、ソープフリーラテックスは従来の乳化剤を用いて重合したポリマー微粒子にくらべ、乳化剤がポリマー微粒子の反応凝集や造膜を阻害したり、遊離した乳化剤がポリマー微粒子の造膜後に表面に移動し、顔料とポリマー微粒子の混合した凝集体と記録媒体との接着性を低下させる懸念がない。
インクにポリマー微粒子として添加する樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
ポリマー微粒子への高速凝集性付与の観点から、解離度の小さいカルボン酸基を有するものがより好ましい。カルボン酸基はpH変化によって影響を受けやすいので、分散状態が変化しやすく、凝集性が高い。
ポリマー微粒子のpH変化に対する分散状態の変化は、アクリル酸エステルなどのカルボン酸基を有する、ポリマー微粒子中の構成成分の含有割合によって調整することができ、分散剤として用いるアニオン性の界面活性剤によっても調整可能である。
ポリマー微粒子の樹脂成分は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。疎水性部分を有することで、ポリマー微粒子の内側に疎水部分が配向し、外側に親水部分が効率よく外側に配向され、液体のpH変化に対する分散状態の変化がより大きくなる効果があり、凝集がより効率よく行われる。
市販のポリマー微粒子の例としては、ジョンクリル537、7640(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、ジョンソンポリマー株式会社製)、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、ジュリマーET−410、FC−30(アクリル系樹脂エマルジョン、日本純薬株式会社製)、アロンHD−5、A−104(アクリル系樹脂エマルジョン、東亞合成株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、ザイクセンL(アクリル系樹脂エマルジョン、住友精化株式会社製)などが挙げられるが、これに限定するものではない。
顔料に対するポリマー微粒子添加量の重量比率は2:1から1:10が好ましい、より好ましくは1:1から1:3である。顔料に対するポリマー微粒子添加量の重量比率は2:1より少ないと、樹脂の融着による凝集体の凝集力が効果的に向上しない。また、添加量が1:10より多くてもインクの粘度が高くなりすぎ、吐出性などが悪化する。
インクに添加するポリマー微粒子の分子量は融着したときの付着力を鑑みて、5,000以上が好ましい。5,000未満だと、凝集したときのインク凝集体の内部凝集力向上や記録媒体に画像の定着性に効果が不足し、また画質改善効果が不足する。
ポリマー微粒子の体積平均粒子径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜500nmの範囲がより好ましく、20〜200nmの範囲が更に好ましく、50〜200nmの範囲が特に好ましい。10nm以下では、凝集しても画質の改善効果、転写性の向上に効果があまり期待できない。1μm以上では、インクのヘッドからの吐出性や保存安定性が悪化するおそれがある。また、ポリマー粒子の体積平均粒子径分布に関しては、特に制限は無く、広い体積平均粒子径分布を持つもの、又は単分散の体積平均粒子径分布を持つもの、いずれでもよい。
また、ポリマー微粒子を、インク内に2種以上混合して含有させて使用してもよい。
本発明のインクに添加するpH調整剤としては中和剤として、有機塩基、無機アルカリ塩基を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましい。
本発明のインクは、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
水溶性有機溶媒としては、処理液の場合と同様に、例えば、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
本発明のインクには、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
表面張力を下げて固体状又は半固溶状の凝集処理剤層上でのぬれ性を高め、拡がり率を増加させることができる。
本発明のインクの表面張力は、10〜50mN/mであることが好ましく、浸透性記録媒体への浸透性、液滴の微液滴化、及び吐出性の両立の観点からは、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
本発明のインクの粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
<処理液について>
本発明の実施に際して用いる処理液(凝集処理液)として、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料およびポリマー微粒子を凝集させ、凝集物を生じさせるような処理液が好ましい。
処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、本発明に係る処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
本発明に係る処理液はインクとのpH凝集性能の観点からpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが特に好ましい。
本発明に係る処理液の中における、インクの顔料およびポリマー微粒子を凝集させる成分の添加量としては、液体の全重量に対し、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましい。0.01重量%以下の場合は処理液とインクが接触時に、濃度拡散が十分に進まずpH変化による凝集作用が十分に発生しないことがある。また20重量%以上であると、インクジェットヘッドからの吐出性が悪化することがある。
本発明に係る処理液は、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、水、その他添加剤溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水、その他添加剤溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。
これらの溶媒は、水,その他添加剤と共に単独若しくは複数を混合して用いることができる。
水、その他添加剤溶性有機溶媒の含有量は処理液の全重量に対し、60重量%以下であることが好ましい。60重量%以上よりも多い場合は処理液の粘度が増加し、インクジェットヘッドからの吐出性が悪化することがある。
処理液には、定着性および耐擦性を向上させるため、樹脂成分をさらに含有してもよい。樹脂成分は、処理液をインクジェット方式によって打滴する場合ヘッドからの吐出性を損なわないもの、保存安定性があるものであればよく、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンなどを自由に用いることができる。
樹脂成分としては、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ビニル系、スチレン系等が考えられる。定着性向上といった機能を充分に発現させるには、比較的高分子のポリマーを高濃度1重量%〜20重量%に添加することが必要である。しかし、上記材料を液体に溶解させて添加しようとすると高粘度化し、吐出性が低下する。適切な材料を高濃度に添加し、かつ粘度上昇を抑えるには、ラテックスとして添加する手段が有効である。ラテックス材料としては、アクリル酸アルキル共重合体、カルボキシ変性SBR(スチレン−ブタジエンラテックス)、SIR(スチレン−イソプレン)ラテックス、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエンラテックス)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンラテックス)、等が考えられる。ラテックスのガラス転移点Tgはプロセス上、定着時に影響の強い値で、常温保存時の安定性と加熱後の転写性を両立するために、50℃以上120℃以下であることが好ましい。さらに最低造膜温度MFTはプロセス上、定着時に影響の強い値で、低温で充分な定着を得る為に100℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。
インクと逆極性のポリマー微粒子を処理液に含ませ、インク中の顔料及びポリマー微粒子と凝集させることによってさらに凝集性を高めてもよい。
また、インクに含まれるポリマー微粒子成分に対応した硬化剤を処理液に含有し、二液が接触後、インク成分中の樹脂エマルジョンが凝集するとともに架橋又は重合するようにして、凝集性を高めてもよい。
本発明に係る処理液は、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
表面張力を下げて記録媒体上でのぬれ性を高めるのに効果がある。また、インクを先立って打滴する場合においてもインク上でのぬれ性を高め、二液の接触面積の増加により効果的に凝集作用がすすむ。
本発明に係る処理液の表面張力は、10〜50mN/mであることが好ましく、浸透性記録媒体への浸透性、液滴の微液滴化、及び吐出性の両立の観点からは、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
本発明に係る処理液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線、吸収剤、等も添加することができる。
<実施形態の変形例について>
上述した本実施形態では、記録媒体の搬送手段としてドラム搬送方式を例示したが、記録媒体の搬送手段は、ベルト搬送方式、パレット搬送など他の方式を適用可能である。
上記実施形態では、記録媒体上に直接インク滴を打滴して画像を形成する方式(直接記録方式)のインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、一旦、中間転写体上に画像(一次画像)を形成し、その画像を転写部において記録紙に対して転写することで最終的な画像形成を行う中間転写型の画像形成装置についても本発明を適用することができる。この場合、一次画像が記録される中間転写体を「記録媒体」として解釈することができる。
また、上述した高次色補正処理及び/又は温度補正処理を行う画像処理装置を提供することができる。更に、この画像処理装置の処理機能をコンピュータによって実現するためのプログラムを提供することもできる。当該プログラムは、装置内部の記憶手段(ROM等)に記憶してもよいし、ハードディスク装置などの装置に付随する外部機器に記憶してもよい。また、装置と分離可能なCD−ROMやメモリカードなどの記憶媒体(いわゆる外部記憶媒体)に記憶して提供してもよい。
<付記>
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):インクを不溶化又は凝集させる処理液を記録媒体上に付与する処理液付与手段と、前記処理液が付与された前記記録媒体上に複数色の前記インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、前記複数色に対応した色別の画像の濃度データを取得するデータ取得手段と、前記複数色のインクの打滴順に従い、異色インクの打滴を重ね合わせる際に下層となる先行打滴のノズルの濃度データを用いて、その上層となる後続打滴のノズルの濃度データを補正する高次色補正手段と、前記高次色補正手段によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドからの前記インクの吐出を制御して前記記録媒体上に前記画像を形成する打滴制御手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
(発明2):発明1に記載のインクジェット記録装置において、前記高次色補正手段は、予め設定された関係式を用いることにより、前記下層の濃度データに応じて前記上層の濃度データを変換することを特徴とするインクジェット記録装置。
関係式は、演算式によって表されるものであってもよいし、変換テーブルの形式によって提供されるものであってもよい。
(発明3):発明 1又は2に記載のインクジェット記録装置において、前記高次色補正手段は、前記下層のインクによる濃度が濃いほど、前記上層のインクによる濃度を薄くするように補正を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
先行打滴される下層のインク打滴密度が高い(濃度が濃い)ほど、後続打滴のインク(上層のインク)に対して、処理液の効果が弱まり、上層の着弾ドットは広がる傾向にある場合は、濃度を薄くする方向に濃度データを修正する補正が好ましい。
(発明4):発明1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記高次色補正手段によって補正された濃度データから前記記録ヘッドのノズルに対応する2値又は多値のドットデータに変換するハーフトーン処理手段を備え、前記打滴制御手段は、前記ハーフトーン処理手段で生成されたドットデータに基づいて前記記録ヘッドからの前記インクの吐出を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明による高次色補正処理は、ハーフトーニング処理に入力する前の画像データに対して行い、補正後の画像データを用いてドットデータを生成する態様が好ましい。
(発明5):発明1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドによるインク打滴時の温度情報を取得する温度情報取得手段と、前記温度情報に応じて、前記高次色補正手段による補正後の濃度データを補正する温度補正手段と、
を備え、前記打滴制御手段は、前記温度補正手段によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドを制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
高次色補正後のデータに対して、更に温度に応じた補正を行う態様が好ましい。
(発明6):発明1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドによって所定のテストパターンを前記記録媒体上に形成させるテストパターンデータを生成するテストパターン生成手段と、前記テストパターンデータに基づいて前記記録媒体上に形成されたテストパターンを読み取り、その色情報を取得する測色手段と、予め求めてある温度と色相、彩度の関係を用いて前記色情報から温度情報を得る温度情報取得手段と、前記温度情報に応じて、前記高次色補正手段による補正後の濃度データを補正する温度補正手段と、を備え、前記打滴制御手段は、前記温度補正手段によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドを制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
温度情報取得手段としては、温度を直接測定する温度センサなどを用いる態様に限らず、温度と再現色の相関を利用して、テストパターンの測色結果から温度に関する情報を間接的に取得することも可能である。すなわち、「温度情報」には、温度と相関のある他の情報(例えば、色情報)が含まれるものと解釈される。
(発明7)発明5又は6に記載のインクジェット記録装置において、前記温度補正手段は、前記温度情報が示す温度が高いほど、濃度を濃くする方向に濃度データを補正することを特徴とするインクジェット記録装置。
一般に温度が高いほど処理液とインクの反応が促進されるため、着弾ドットは小さくなる傾向にあるため、これを補正するために、温度が高いほど、濃度を濃くする方向に濃度データを補正することが好ましい。
(発明8):発明1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、出力色と濃度データの条件を異ならせた複数の濃度パッチを含むパッチセットを前記打滴制御手段により前記記録媒体上に形成するパッチセット出力手段と、前記記録媒体上に形成された前記パッチセットの画像を読み取る読取手段と、を備え、前記読取手段によって読み取られた前記パッチセットの画像に基づいて、前記高次色補正手段による補正処理を修正することを特徴とするインクジェット記録装置。
補正結果を確認し、正しく補正されているか否かを判定して、必要な場合には補正内容を修正することにより、画像再現の安定性を確保できる。
(発明9):発明5乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、出力色と濃度データの条件を異ならせた複数の濃度パッチを含むパッチセットを前記打滴制御手段により前記記録媒体上に形成するパッチセット出力手段と、前記記録媒体上に形成された前記パッチセットの画像を読み取る読取手段と、を備え、前記読取手段によって読み取られた前記パッチセットの画像に基づいて、前記温度補正手段による補正処理を修正することを特徴とするインクジェット記録装置。
補正結果を確認し、必要な場合には補正内容を修正することにより、出力画像の画質の安定性を確保できる。
(発明10):発明1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記高次色補正手段において高次色補正量を決定するために用いる補正データを、使用するインク種、記録媒体種、処理液種ごとに更新することを特徴とするインクジェット記録装置。
インク種、記録媒体種、処理液種の組み合わせに応じて最適な補正データを提供することができ、新たなインク種等にも機動的に対応できる。
(発明11):発明1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドとして、少なくともシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応した複数の色別の吐出ヘッドを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明は、少なくともC、M、Yの3色を含むインクを用いるインクジェット記録装置について好適である。
(発明12):インクを不溶化又は凝集させる処理液を付与した記録媒体上に、記録ヘッドの複数のノズルから複数色の前記インクを打滴することにより前記記録媒体上にカラー画像を形成するインクジェット記録の色補正方法であって、前記複数色に対応した色別の画像の濃度データを取得するデータ取得工程と、前記複数色のインクの打滴順に従い、異色インクの打滴を重ね合わせる際に下層となる先行打滴のノズルの濃度データを用いて、その上層となる後続打滴のノズルの濃度データを補正する高次色補正工程と、前記高次色補正工程によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドからの前記インクの吐出を制御して前記記録媒体上に前記画像を形成する打滴制御工程と、を含むことを特徴とする色補正方法。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図1に示すヘッドの構成例を示す平面透視図 図3中4−4線に沿う断面図 図3に示すヘッドのノズル配列を示す拡大図 インク供給系の構成を示す概要図 図1に示すインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本例のインクジェット記録装置における画像処理に関する要部構成を示すブロック図 2次色濃度データを補正する方法の説明図 低次色濃度データを求める方法の説明図 3次色濃度データを補正する方法の説明図 第2低次色濃度データを求める方法の説明図 4次色濃度データを補正する方法の説明図 温度補正処理の説明図 温度情報の取得に用いるテストパターンの例を示す図 色座標から温度情報を求める方法の説明図 本実施形態に係るインクジェット記録装置の画像処理部において高次色補正と温度補正を実施する処理のフローチャート 色補正用パッチセットの例を示す説明図 記録媒体の全面にパッチセットを形成する例を示す説明図 記録媒体の端部(非画像部)にパッチセットを形成する例を示す説明図
符号の説明
100…インクジェット記録装置、108…インク打滴部、114…記録媒体、136…処理液ヘッド、140M,140K,140C,140Y…インクヘッド、144…インラインセンサ、160…ヘッド、182…システム制御部、190…プリント制御部、202…補正データメモリ、204…温度センサ、220…画像処理手段、210…高次色補正処理部、212…温度補正処理部、214…ハーフトーン処理部、250…テストパターン、260…パッチセット

Claims (11)

  1. インクを不溶化又は凝集させる処理液を記録媒体上に付与する処理液付与手段と、
    前記処理液が付与された前記記録媒体上に複数色の前記インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、
    前記複数色に対応した色別の画像の濃度データを取得するデータ取得手段と、
    前記複数色のインクの打滴順に従い、異色インクの打滴を重ね合わせる際に下層となる先行打滴のノズルの濃度データを用いて、その上層となる後続打滴のノズルの濃度データを補正する高次色補正手段と、
    前記高次色補正手段によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドからの前記インクの吐出を制御して前記記録媒体上に前記画像を形成する打滴制御手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
    前記高次色補正手段は、予め設定された関係式を用いることにより、前記下層の濃度データに応じて前記上層の濃度データを変換することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
    前記高次色補正手段は、前記下層のインクによる濃度が濃いほど、前記上層のインクによる濃度を薄くするように補正を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記高次色補正手段によって補正された濃度データから前記記録ヘッドのノズルに対応する2値又は多値のドットデータに変換するハーフトーン処理手段を備え、
    前記打滴制御手段は、前記ハーフトーン処理手段で生成されたドットデータに基づいて前記記録ヘッドからの前記インクの吐出を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドによるインク打滴時の温度情報を取得する温度情報取得手段と、
    前記温度情報に応じて、前記高次色補正手段による補正後の濃度データを補正する温度補正手段と、
    を備え、前記打滴制御手段は、前記温度補正手段によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドを制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項5に記載のインクジェット記録装置において、
    前記温度補正手段は、前記温度情報が示す温度が高いほど、濃度を濃くする方向に濃度データを補正することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    出力色と濃度データの条件を異ならせた複数の濃度パッチを含むパッチセットを前記打滴制御手段により前記記録媒体上に形成するパッチセット出力手段と、
    前記記録媒体上に形成された前記パッチセットの画像を読み取る読取手段と、
    を備え、前記読取手段によって読み取られた前記パッチセットの画像に基づいて、前記高次色補正手段による補正処理を修正することを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置において、
    出力色と濃度データの条件を異ならせた複数の濃度パッチを含むパッチセットを前記打滴制御手段により前記記録媒体上に形成するパッチセット出力手段と、
    前記記録媒体上に形成された前記パッチセットの画像を読み取る読取手段と、
    を備え、前記読取手段によって読み取られた前記パッチセットの画像に基づいて、前記温度補正手段による補正処理を修正することを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記高次色補正手段において高次色補正量を決定するために用いる補正データを、使用するインク種、記録媒体種、処理液種ごとに更新することを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドとして、少なくともシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色に対応した複数の色別の吐出ヘッドを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. インクを不溶化又は凝集させる処理液を付与した記録媒体上に、記録ヘッドの複数のノズルから複数色の前記インクを打滴することにより前記記録媒体上にカラー画像を形成するインクジェット記録の色補正方法であって、
    前記複数色に対応した色別の画像の濃度データを取得するデータ取得工程と、
    前記複数色のインクの打滴順に従い、異色インクの打滴を重ね合わせる際に下層となる先行打滴のノズルの濃度データを用いて、その上層となる後続打滴のノズルの濃度データを補正する高次色補正工程と、
    前記高次色補正工程によって補正された濃度データに基づいて前記記録ヘッドからの前記インクの吐出を制御して前記記録媒体上に前記画像を形成する打滴制御工程と、
    を含むことを特徴とする色補正方法。
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